JP6398601B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関(エンジン)に用いられる点火装置に関し、特に2つの点火コイルを交互に作動させて点火プラグに生じた火花放電の継続を行う技術に関する。
(従来技術)
2つの点火コイルを交互に作動させて点火プラグに生じた火花放電の継続動作を行う点火装置として、特許文献1に開示される技術が知られている。
特許文献1に開示される点火装置を図4に基づき説明する。なお、図4に用いる符合は、後述する「実施例」と同一機能物に同一符合を付したものである。
図4に示す点火装置は、対を成す2つの点火コイル(第1点火コイル4_1と第2点火コイル4_2)を交互に作動させて、点火プラグ1に生じさせた火花放電の継続動作を実施する特開2012−167665号などのDCO点火方式を採用する。
具体的に、図4に示す点火装置は、
・対を成す第1、第2点火コイル4_1、4_2と、
・車載バッテリ2から第1、第2一次コイル4a_1、4a_2へ印加する電圧を昇圧する昇圧回路3と、
・第1、第2一次コイル4a_1、4a_2の通電状態を切り替える第1、第2点火用スイッチ5_1、5_2と、
を備える。
そして、第1、第2点火用スイッチ5_1、5_2は、ECU10(エンジン・コントロール・ユニット)によってON−OFF制御される。
第1、第2二次コイル4b_1、4b_2の出力線は結線されており、第1、第2二次コイル4b_1、4b_2で発生した高電圧が1つの点火プラグ1に印加される。
作動は、先ず、主点火の発生動作(以下、主点火動作)を行う。具体的には、第1点火用スイッチ5_1をONして第1一次コイル4b_1のプラス側からマイナス側へ向けて1次電流を流し、第1点火用スイッチ5_1をOFFして点火プラグ1に主点火(最初の火花放電)を生じさせる。
続いて、主点火による火花放電中に、第1、第2点火用スイッチ5_1、5_2を交互に切り替えることで第1、第2点火コイル4_1、4_2を交互に作動させる。この動作により、主点火と同一方向の放電電流を点火プラグ1に継続して流して火花放電の継続動作を行う。
(従来技術の問題点)
点火プラグ1で主点火を生じさせるには、第1二次コイル4b_1に40kV程の高電圧を生じさせる必要がある。
このため、主点火を行う際、第1一次コイル4a_1には、第1二次コイル4b_1に40kV程の高電圧を発生させるための入力エネルギー1/2LI2 が必要になる。
一方、火花放電の継続動作(以下、放電継続動作)中は、第1、第2一次コイル4a_1、4a_2を交互に通電して、第1、第2一次コイル4a_1、4a_2にエネルギーの蓄積を行う。この時、第1、第2一次コイル4a_1、4a_2が交互に通電される時間域は、例えば0.1msなど限られた極めて短い時間域である。
即ち、放電継続動作中は、極めて短い時間域で第1、第2一次コイル4a_1、4a_2にエネルギーを蓄積する必要がある。
このように、極めて短い時間域で第1、第2一次コイル4a_1、4a_2にエネルギーを蓄積するには、第1、第2一次コイル4a_1、4a_2のインダクタンスを小さくせざるを得ない。
主点火動作に必要となる入力エネルギー1/2LI2 を確保しつつ、第1一次コイル4a_1のインダクタンスを小さくすると、相対的に電流Iを大きくする必要がある。
すると、主点火動作中は、第1一次コイル4a_1に大電流が流れることになり、点火装置の電流負担が大きくなってしまう。
具体的には、第1点火用スイッチ5_1に、高コストで体格の大きい20A〜30A等の大電流用を用いる必要があり、コストアップを招いてしまう。
また、第1一次コイル4a_1の通電経路も、太い大電流用を用いる必要があり、コストアップの要因になってしまう。
特開2012−167665号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、DCO点火方式によって火花放電の継続作動が可能な内燃機関用点火装置の電流負担を軽減することにある。
主点火動作中は、第1一次コイルを成す巻線の全てに電流を流す。これにより、主点火動作中における第1一次コイルのインダクタンスを大きくできる。このため、主点火動作中に第1一次コイルに大電流が流れる不具合を回避することができ、点火装置の電流負担を軽減できる。
一方、放電継続動作中は、第1一次コイルのインダクタンスを小さくする手段として、第1一次コイルを成す巻線の一部のみに電流を流す。これにより、放電継続動作中は、極めて短い時間域で第1、第2一次コイルにエネルギーを蓄積させることができる。
このように、本発明の内燃機関用点火装置は、点火装置の電流負担を軽減しつつ、DCO点火方式によって火花放電の継続作動を実施できる。
内燃機関用点火装置の回路図である(実施例1)。 作動説明用のタイムチャートである(実施例1)。 内燃機関用点火装置の回路図である(実施例2)。 内燃機関用点火装置の回路図である(従来例)。
以下において「発明を実施するための形態」を詳細に説明する。
本発明の具体的な一例(実施例)を図面に基づき説明する。なお、以下の「実施例」は具体的な一例を開示するものであり、本発明が「実施例」に限定されないことは言うまでもない。
[実施例1]
図1、図2を参照して実施例1を説明する。
この実施例の点火装置は、車両走行用の火花点火エンジンに用いられるものであり、燃焼室内の混合気に点火を行うものである。
なお、エンジンの具体的な一例を開示すると(もちろん、限定するものではない)、この実施例のエンジンは、ガソリンを燃料とする希薄燃焼(リーンバーン燃焼)が可能な直噴式エンジンであり、排気ガスの一部をEGRガスとしてエンジン吸気側へ戻すEGR装置を搭載し、さらに気筒内に混合気の旋回流(タンブル流やスワール流等)を生じさせる旋回流コントロール手段を備える。
即ち、この実施例のエンジンは、混合気の着火性が低下する運転領域が存在するものである。
点火装置は、
・混合気の着火性が低下する運転領域の有無に関わらず、点火時期に点火プラグ1において主点火を生じさせ主点火動作と、
・混合気の着火性が低下する運転領域の時に、点火プラグ1に生じた火花放電の継続動作を行う放電継続動作とを実施可能なものである。
点火装置は、主点火動作と放電継続動作を実施する構成として、
・火花放電を行う点火プラグ1の他に、
・車載バッテリ2から供給されるバッテリ電圧を昇圧する昇圧回路3(図中、DC−DC昇圧)と、
・第1一次コイル4a_1及び第1二次コイル4b_1を有する第1点火コイル4_1と、
・第2一次コイル4a_2及び第2二次コイル4b_2を有する第2点火コイル4_2と、
・第1一次コイル4a_1の通電状態を切り替える第1点火用スイッチ5_1と、
・第2一次コイル4a_2の通電状態を切り替える第2点火用スイッチ5_2と、
を備えて構成される。
点火プラグ1は、エンジンの各気筒毎に搭載される周知なものであり、第1、第2二次コイル4b_1、4b_2から高電圧が印加される中心電極と、エンジンのシリンダヘッド等を介してアース接地される外側電極とを備え、第1、第2二次コイル4b_1、4b_2から印加される高電圧(例えば、40kV等)により中心電極と外側電極との間で火花放電を発生させる。
第1、第2点火コイル4_1、4_2は、各点火プラグ1毎に対応して設けられる。
第1二次コイル4b_1の一端(図1の下側)と、第2二次コイル4b_2の一端(図1の下側)は、結合部Xを介して電気的に結線されており、この結合部Xが点火プラグ1の中心電極側に電気的に接続される。この実施例の点火プラグ1は、外側電極から中心電極に向かって電流が流れて火花放電を発生させる「−放電プラグ」として機能する。
第1二次コイル4b_1の一端と結合部Xの間には、電流を点火プラグ1から第1二次コイル4b_1の一端側へ向かってのみ電流を流す第1ダイオード9_1が設けられる。また、第2二次コイル4b_2の一端と結合部Xの間にも、電流を点火プラグ1から第2二次コイル4b_2の一端側へ向かってのみ電流を流す第2ダイオード9_2が設けられる。
一方、第1二次コイル4b_1の他端(図1の上側)と、第2二次コイル4b_2の他端(図1の上側)は、アース接地される。
第1点火用スイッチ5_1は、第1一次コイル4a_1の通電状態を切り替える例えば、IGBT、パワートランジスタ、MOS型FET、サイリスタ等である。
同様に、第2点火用スイッチ5_2は、第2一次コイル4a_2の通電状態を切り替える例えば、IGBT、パワートランジスタ、MOS型FET、サイリスタ等である。
昇圧回路3は、車載バッテリ2から付与される電圧を昇圧して、第1、第2一次コイル4a_1、4a_2のプラス側に印加する。
昇圧回路3の具体的な構成は限定するものでなく、車載バッテリ2が出力するバッテリ電圧(例えば、12V)を、バッテリ電圧より高い電圧(例えば、40〜50Vなど)に昇圧するDC/DCコンバータである。
理解補助の目的で、昇圧回路3の一例を説明すると、昇圧回路3は、チョッパー型のDC−DCコンバータであり、
・バッテリ電圧が印加されるチョークコイルと、
・このチョークコイルの通電状態を断続する昇圧用スイッチ(例えば、MOS型FET、パワートランジスタ等)と、
・この昇圧用スイッチを繰り返しON−OFFさせる昇圧用発振回路と、
・チョークコイルの断続によって昇圧させた電気エネルギを平滑化して蓄える蓄電手段(コンデンサ等)と、
・蓄電手段に蓄えた電気エネルギがチョークコイル側へ逆流するのを防ぐダイオードと、を備えて構成される。
この昇圧回路3は、ECU10から与えられる指示信号により作動状態がコントロールされる。
なお、昇圧回路3は、ECU10から指示信号を受けると一定の出力電圧を発生するものであっても良いし、車両の運転状態に応じた指示信号を受けると出力電圧が可変するものであっても良い。
上述した主点火動作は、第1点火用スイッチ5_1のON−OFF制御により点火プラグ1に主点火を生じさせる。
また、上述した放電継続動作は、主点火中に第1、第2点火用スイッチ5_1、5_2を交互にON−OFFさせることで、点火プラグ1に生じた火花放電の継続動作を行うものである。
この実施例の点火装置は、
(i)主点火動作を行う際に、第1一次コイル4a_1を成す巻線の全てに電流を流し、
(ii)火花放電の継続動作を行う際に、第1一次コイル4a_1を成す巻線の一部のみに電流を流す切替手段Aを備える。
この切替手段Aの具体例を説明する。
第1一次コイル4a_1は、一次コイルを成す巻線の一端(図1上側)に接続される第1プラスタップと、巻端の他端(図1下側)に接続される第1マイナスタップと、巻線の途中に接続される第1中間タップを備える。
同様に、第2一次コイル4a_2は、1次コイルを成す巻線の一端(図1上側)に接続される第2プラスタップと、巻端の他端(図1下側)に接続される第2マイナスタップと、巻線の途中に接続される第2中間タップを備える。
なお、タップは、電気的な接続ポイントである。
以下では、説明の便宜上、
・第1プラスタップから第1中間タップまでの巻数を第1プラス側巻線La_1、
・第1中間タップから第1マイナスタップまでの巻数を第1マイナス側巻線Lb_1、
・第2プラスタップから第2中間タップまでの巻数を第2プラス側巻線La_2、
・第2中間タップから第2マイナスタップまでの巻数を第2マイナス側巻線Lb_2、
と称する。
なお、第1、第2マイナス側巻線Lb_1、Lb_2の巻数は、限定するものではなく、放電継続作動時に第1、第2一次コイル4a_1、4a_2に求められるインダクタンス等に基づいて設定されるものである。
また、切替手段Aは、
・昇圧回路3で昇圧した電力を第1プラスタップへ供給する第1プラス経路α_1と、
・この第1プラス経路α_1を断続する第1プラス経路スイッチ6_1(MOS型トランジスタ、パワートランジスタ等)と、
・昇圧回路3で昇圧した電力を第1中間タップへ供給する第1中間経路β_1と、
・この第1中間経路β_1を断続する第1中間経路スイッチ7_1(MOS型トランジスタ、パワートランジスタ等)と、
・昇圧回路3で昇圧した電力を第2プラスタップへ供給する第2プラス経路α_2と、
・この第2プラス経路α_2を断続する第2プラス経路スイッチ6_2(MOS型トランジスタ、パワートランジスタ等)と、
・昇圧回路3で昇圧した電力を第2中間タップへ供給する第2中間経路β_2と、
・この第2中間経路β_2を断続する第2中間経路スイッチ7_2(MOS型トランジスタ、パワートランジスタ等)と、
・第1、第2プラス経路スイッチ6_1、6_2、第1、第2中間経路スイッチ7_1、7_2をON−OFF制御する切替制御回路8と、
を具備する。
この切替制御回路8は、ECU10から与えられる第1点火信号IGT_1、第2点火信号IGT_2、放電継続信号IGWに基づいて点火装置に用いられる各スイッチ手段のON−OFF制御を行う。
なお、第1点火信号IGT_1は主点火動作を行うための指示信号であり、第2点火信号IGT_2は放電継続動作時に第2点火コイル4_2を起動させるための指示信号であり、放電継続信号IGWは放電継続時間の設定信号である。
具体的に、第1点火信号IGT_1は、点火プラグ1に火花放電(主点火)を発生させるための信号であり、切替制御回路8は、第1点火信号IGT_1の出力(ハイ信号)を受けると第1点火用スイッチ5_1をONし、第1点火信号IGT_1が停止(ロー信号)すると第1点火用スイッチ5_1をOFFする。この動作により、第1二次コイル4b_1に高電圧が生じ、点火プラグ1に火花放電(主点火)が生じる。
同様に、切替制御回路8は、第2点火信号IGT_2の出力(ハイ信号)を受けると第2点火用スイッチ5_2をONし、第2点火信号IGT_2が停止(ロー信号)すると第2点火用スイッチ5_2をOFFする。この動作により、第2二次コイル4b_2に高電圧が生じる。
一方、放電継続信号IGWは、着火性が低下するエンジンの運転領域(希薄燃焼時、強旋回流の発生時、高EGR率時、低温始動時など)に出力されて、火花放電の継続を行って混合気の着火性を高める信号である。
切替制御回路8は、放電継続信号IGWを受けると、放電継続動作を行うものであり、第1、第2点火用スイッチ5_1、5_2を交互にON−OFFさせることで、点火プラグ1に生じた火花放電の継続動作を行う。
切替制御回路8は、放電継続信号IGWが停止(ロー信号)されると、第1、第2プラス経路スイッチ6_1、6_2をONするとともに、第1、第2中間経路スイッチ7_1、7_2をOFFする。
これにより、主点火動作中は、昇圧回路3から第1、第2一次コイル4a_1、4a_2を成す巻線の全て(即ち、「第1プラス側巻線La_1と第1マイナス側巻線Lb_1」及び「第2プラス側巻線La_2と第2マイナス側巻線Lb_2」)に電流を流すことができるため、第1、第2一次コイル4a_1、4a_2のインダクタンスを大きくできる。
また、切替制御回路8は、放電継続信号IGWの出力(ハイ信号)を受けると、第1、第2プラス経路スイッチ6_1、6_2をOFFするとともに、第1、第2中間経路スイッチ7_1、7_2をONする。
これにより、放電継続動作中は、昇圧回路3から第1、第2一次コイル4a_1、4a_2の一部のみ(即ち、第1、第2マイナス側巻線Lb_1、Lb_2のみ)に電流を流すことができるため、第1、第2一次コイル4a_1、4a_2のインダクタンスを小さくできる。
(火花放電の継続動作の説明)
(a)点火プラグ1が着火タイミングになる直前に、ECU10から第1点火信号IGT_1が出力(ハイ信号)され、第1点火信号IGT_1の出力期間に亘って第1点火用スイッチ5_1がONされる。
この時(放電継続信号IGWの停止中)、第1プラス経路スイッチ6_1がONされ、第1中間経路スイッチ7_1がOFFされるため、昇圧回路3から第1一次コイル4a_1を成す巻線の全てに電流が流れる。具体的には、第1プラス側巻線La_1と第1マイナス側巻線Lb_1を直列に電流が流れるため、第1一次コイル4a_1のインダクタンスを大きくすることができ、第1一次コイル4a_1の電圧上昇勾配の傾きを小さくすることができる。
(b)ECU10により第1点火信号IGT_1が停止(ロー信号)されると、第1点火用スイッチ5_1がOFFされ、第1一次コイル4a_1の通電状態が遮断される。すると、第1一次電流i1_1が停止すると同時に第2二次電圧が立ち上がって点火プラグ1に高電圧が印加されて、点火プラグ1に主点火が生じる。
(c)ECU10は、火花放電の継続動作を行う際、第1点火信号IGT_1の出力(ハイ信号)に遅れて第2点火信号IGT_2を出力(ハイ信号)する。すると、第2点火信号IGT_2の出力期間に亘って第2点火用スイッチ5_2がONされる。
この時、第2プラス経路スイッチ6_2がONされ、第2中間経路スイッチ7_2がOFFされるため、昇圧回路3から第2一次コイル4a_2を成す巻線の全てに電流が流れる。具体的には、第2プラス側巻線La_2と第2マイナス側巻線Lb_2を直列に電流が流れるため、第2一次コイル4a_2のインダクタンスを大きくすることができ、第2一次コイル4a_2の電圧上昇勾配の傾きを小さくすることができる。
(d)点火プラグ1で主点火が開始された後、点火プラグ1を通過する二次電流i2は略三角波形状で減衰する。
そして、二次電流i2が所定の下限電流値(火花放電を維持するための電流値)に低下する前に、第2点火用スイッチ5_2をOFFする。すると、第2一次コイル4a_2の通電状態が遮断され、第2一次電流i1_2が停止すると同時に、二次電流i2が増大し、点火プラグ1の火花放電が継続される。
この時(第2点火用スイッチ5_2のOFF時)、第1プラス経路スイッチ6_1がOFFされるとともに、第1中間経路スイッチ7_1がONされ、さらに第1点火用スイッチ5_1がONされる。
これにより、第1一次コイル4a_1のうち、第1マイナス側巻線Lb_1のみに電流が流れるため、第1一次コイル4a_1のインダクタンスを小さくすることができ、第1一次コイル4a_1の電圧上昇勾配の傾きを大きくできる。その結果、例えば0.1msなど極めて短い時間域で第1一次コイル4a_1に放電継続に必要なエネルギーを蓄積することができる。
(e)第2点火用スイッチ5_2のOFFされた後は、点火プラグ1を通過する二次電流i2が再び略三角波形状で減衰する。
そして、二次電流i2が所定の下限電流値に低下する前に、第1点火用スイッチ5_1をOFFする。すると、第1一次コイル4a_1の通電状態が遮断され、第1一次電流i1_1が停止すると同時に、二次電流i2が増大し、点火プラグ1の火花放電が継続される。
この時(第1点火用スイッチ5_1のOFF時)、第2プラス経路スイッチ6_2がOFFされるとともに、第2中間経路スイッチ7_2がONされ、さらに第2点火用スイッチ5_2がONされる。
これにより、第2一次コイル4a_2のうち、第2マイナス側巻線Lb_2のみに電流が流れるため、第2一次コイル4a_2のインダクタンスを小さくすることができ、第2一次コイル4a_2の電圧上昇勾配の傾きを大きくできる。その結果、例えば0.1msなど極めて短い時間域で第2一次コイル4a_2に放電継続に必要なエネルギーを蓄積することができる。
(f)放電継続信号IGWの出力中は、上記(d)、(e)を交互に繰り返すことで、火花放電の継続動作を行う。
(g)そして、放電継続信号IGWが停止(ロー信号)されると、切替制御回路8は、第1、第2点火コイル4_1、4_2のON−OFF切替を停止して放電継続動作を停止するとともに、第1、第2プラス経路スイッチ6_1、6_2をONし、第1、第2中間経路β_1、β_2をOFFして初期状態(主点火の準備状態)に戻す。
(実施例1の効果)
主点火動作中は、第1一次コイル4a_1を成す巻線の全て(第1プラス側巻線La_1と第1マイナス側巻線Lb_1)に電流を流す。これにより、主点火動作中における第1一次コイル4a_1のインダクタンスを大きくできる。
具体的に、最初の火花放電である主点火動作では、第1一次コイル4a_1の通電時間を長く設定しても、主点火に必要となる入力エネルギー1/2LI2 を得ることができる。このため、主点火動作中は、入力エネルギー1/2LI2 のうち、インダクタンス(L分)を大きくしたことで、電流(I分)を小さくすることができる。
このように、主点火動作中に第1一次コイル4a_1に大電流が流れる不具合を回避することができ、点火装置の電流負担を軽減できる。
その結果、第1点火用スイッチ5_1に、20A〜30A等の大電流用を用いる必要がなく、一般的に点火装置に用いられるスイッチング素子(IGBT等)を用いることができる。
また、第1一次コイル4a_1の通電経路も太い大電流用を用いる必要がなく、一般的に点火装置に用いられる配線を用いることができる。
一方、放電継続動作中は、「第1マイナス側巻線Lb_1のみ」と「第2マイナス側巻線Lb_2のみ」に電流を交互に流す。
具体的に、火花放電の継続を行う放電継続動作中は、極めて短い時間域で放電継続に必要な入力エネルギー1/2LI2 を第1一次コイル4a_1と第2一次コイル4a_2に蓄えさせる必要がある。このため、放電継続動作中は、入力エネルギー1/2LI2 のうち、インダクタンス(L分)を小さくしたことで、限られた短い時間域で電流(I分)の到達値を大きくすることができ、短い時間域で放電継続に求められる入力エネルギー1/2LI2 を得ることができる。即ち、放電継続動作中は、極めて短い時間域で第1、第2一次コイル4a_1、4a_2にエネルギーの蓄積を行うことができる。
このように、この実施例の点火装置は、点火装置の電流負担を軽減しつつ、DCO点火方式によって火花放電の継続作動を実施することができる。
[実施例2]
図3を参照して実施例2を説明する。なお、実施例2において上記実施例1と同一符合は同一機能物を示すものである。
上記実施例1では、第2一次コイル4a_2に第2中間タップを設け、第2一次コイル4a_2をインダクタンスの大きい状態と、インダクタンスが小さい状態とを切替可能に設ける例を示した。
これに対し、この実施例2の第2一次コイル4a_2は、インダクタンスの小さい第2マイナス側巻線Lb_2のみで設けられるものである。
このように設けても、上記実施例1と同様の効果を得ることができる。
上記実施例では開示しなかったが、第1、第2一次電流i1_1、i1_2、あるいは二次電流i2を電流検出抵抗でモニターして昇圧回路3の出力電圧や、第1、第2点火用スイッチ5_1、5_2のON−OFF状態をフィードバック制御しても良い。
上記実施例では、ガソリンエンジンに本発明の点火装置を用いる例を示したが、火花放電の継続動作によって混合気の着火性の向上を図ることができるため、エタノール燃料や混合燃料を用いるエンジンに適用しても良い。もちろん、粗悪燃料が用いられる可能性のあるエンジンに用いても火花放電の継続動作により着火性の向上を図ることができる。
上記実施例では、希薄燃焼(リーンバーン燃焼)運転が可能なリーンバーンエンジンに本発明の点火装置を用い、着火性が悪化する希薄燃焼時の着火性を火花放電の継続動作により向上させる例を示したが、希薄燃焼とは異なる燃焼状態であっても火花放電の継続動作によって着火性の向上を図ることができるため、リーンバーンエンジンへの適用に限定するものではなく、希薄燃焼を行わないエンジンに用いても良い。
また、高EGRエンジン(EGRガスの帰還率を高めることができるエンジン)に適用し、高EGR時に火花放電の継続動作を生じさせて着火性の向上を図っても良い。
同様に、着火性が低下するエンジン低温時に火花放電の継続動作を実施して、エンジン低温時における着火性の向上を図っても良い。
上記実施例では、燃焼室に直接燃料を噴射する直噴式エンジンに本発明の点火装置を用いる例を示したが、もちろん限定するものではなく、吸気バルブの吸気上流側(吸気ポート内)に燃料を噴射するポート噴射式のエンジンに用いても良い。
上記実施例では、混合気の旋回流(タンブル流やスワール流等)を気筒内にて積極的に生じさせるエンジンに本発明の点火装置を用い、火花放電の継続動作によって「旋回流による火花放電の吹き消し」を回避する例を開示したが、旋回流コントロール手段(タンブル流コントロールバルブやスワール流コントロールバルブ等)を有しないエンジンに用いても良い。
1・・点火プラグ1
2・・車載バッテリ2
3・・昇圧回路3
4_1・・第1点火コイル 4_2・・第2点火コイル
4a_1・・第1一次コイル 4b_1・・第1二次コイル
4a_2・・第2一次コイル 4b_2・・第2二次コイル
5_1・・第1点火用スイッチ 5_2・・第2点火用スイッチ
Lb_1・・第1マイナス側巻線(第1一次コイルを成す巻線の一部)
A・・切替手段

Claims (3)

  1. 火花放電を行う点火プラグ(1)と、
    車載バッテリ(2)の電圧を昇圧する昇圧回路(3)と、
    この昇圧回路(3)から電力供給を受ける第1一次コイル(4a_1)を備えるとともに、前記点火プラグ(1)に二次電流を付与する第1二次コイル(4b_1)を備える第1点火コイル(4_1)と、
    前記昇圧回路(3)から電力供給を受ける第2一次コイル(4a_2)を備えるとともに、前記点火プラグ(1)に二次電流を付与する第2二次コイル(4b_2)を備える第2点火コイル(4_2)と、
    前記第1一次コイル(4a_1)の通電状態を切り替える第1点火用スイッチ(5_1)と、
    前記第2一次コイル(4a_2)の通電状態を切り替える第2点火用スイッチ(5_2)とを具備し、
    前記第1点火用スイッチ(5_1)の切替制御により前記点火プラグ(1)に主点火を生じさせ、この主点火中に前記第1、第2点火用スイッチ(5_1、5_2)を交互に断続することで、前記点火プラグ(1)に火花放電の継続動作を行う内燃機関用点火装置において、
    この内燃機関用点火装置は、
    主点火の発生動作を行う際に前記第1一次コイル(4a_1)を成す巻線の全てに電流を流し、
    火花放電の継続動作を行う際に前記第1一次コイル(4a_1)を成す巻線の一部のみに電流を流す切替手段(A)を備え
    前記第1一次コイル(4a_1)は、巻線の一端に接続される第1プラスタップと、巻端の他端に接続される第1マイナスタップと、巻線の途中に接続される第1中間タップを備え、
    前記切替手段(A)は、火花放電の継続動作を行う際に、前記昇圧回路(3)で昇圧した電力を前記第1中間タップへ供給することを特徴とする内燃機関用点火装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関用点火装置において、
    前記切替手段(A)は、
    前記昇圧回路(3)で昇圧した電力を前記第1中間タップへ供給する第1中間経路(β_1)と、
    この第1中間経路(β_1)を断続する第1中間経路スイッチ(7_1)と、
    主点火の発生動作を行う際に前記第1中間経路スイッチ(7_1)をオフし、火花放電の継続動作を行う際に前記第1中間経路スイッチ(7_1)をオンする切替制御回路8と、
    を具備することを特徴とする内燃機関用点火装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関用点火装置において、
    前記切替手段(A)は、前記第1中間経路(β_1)、前記第1中間経路スイッチ(7_1)の他に、
    前記昇圧回路(3)で昇圧した電力を前記第1プラスタップへ供給する第1プラス経路(α_1)と、
    前記第1プラス経路(α_1)を断続する第1プラス経路スイッチ(6_1)とを備え、
    前記切替制御回路8は、
    主点火の発生動作を行う際に、前記第1プラス経路スイッチ(6_1)をオンするとともに前記第1中間経路スイッチ(7_1)をオフし、
    火花放電の継続動作を行う際に、前記第1プラス経路スイッチ(6_1)をオフするとともに前記第1中間経路スイッチ(7_1)をオンすることを特徴とする内燃機関用点火装置
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