JP6245047B2 - 点火装置 - Google Patents
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Description
点火コイルは、直流電源から供給される一次電流が流れる一次コイル、及び、点火プラグの電極に接続され、一次電流の通電及び遮断、より詳しくは、通電に続く遮断による二次電圧が発生し二次電流が流れる二次コイルを有する。
点火スイッチは、一次コイルの直流電源と反対側である接地側に接続され、点火信号に従って一次電流の通電と遮断とを切り替える。
エネルギ投入部は、点火スイッチにより一次電流を遮断し、遮断による二次電圧で点火プラグの放電を発生させた後の所定のエネルギ投入期間(IGW)において、昇圧回路部が出力したエネルギを点火コイルに投入する。
異常判定部は、昇圧回路部における複数の昇圧ユニットのいずれかが異常であることを判定する。
例えば、昇圧回路部は、一端が直流電源に接続されたエネルギ蓄積コイル、及び、エネルギ蓄積コイルの他端とグランドとの間に接続されエネルギ蓄積コイルからグランドへの電流経路を開閉可能な充電スイッチを有し、異常判定部は、充電スイッチの接地側に設けられた電流検出抵抗の検出値に基づき、昇圧ユニットの異常を判定する。
また、本発明の第2の態様の点火装置は、異常判定部によっていずれかの昇圧ユニットの異常が判定されたとき、内燃機関の運転状態を制御する内燃機関制御手段に対し、昇圧回路部の能力に応じて、混合気の空燃比を変更するように指令することを特徴とする。
ここで、「昇圧回路部の能力」とは、「異常な昇圧ユニットを除く正常な昇圧ユニットによって投入エネルギを生成する能力」を意味する。
本発明の第1の態様では、昇圧回路部の能力が低下するほど二次電流の目標値を低く、又は、エネルギ投入期間を短く変更することで、昇圧回路部が生成したエネルギを、エネルギ投入部が点火コイルに効率的に投入することができる。したがって、エネルギ投入に伴う消費電力を抑制し、燃費の低下を回避することができる。また、混合気への着火性を確保することで、燃焼室からの未燃焼ガス等のエミッションの排出を抑制しつつ、安定した退避走行を実現することができる。
仮に昇圧回路部が2つの昇圧ユニットを有する場合、2つの昇圧ユニットの電気的性能が異なっていると、第1ユニットが故障したときと第2ユニットが故障したときとで昇圧回路部の能力が変動するため、処理が複雑になる。そこで、2つの昇圧ユニットの電気的性能を同等とすれば、第1ユニットと第2ユニットのいずれが故障した場合でも区別せず同様の処理をすることができるため、処理を単純にすることができる。
本発明の各実施形態による点火装置は、車両等に搭載されるエンジンシステムに適用される。以下の実施形態の説明では特許請求の範囲に記載の「内燃機関」を「エンジン」という。
まず、エンジンシステムの概略構成について図1を参照して説明する。図1に示すように、エンジンシステム10は火花点火式のエンジン13を備えている。エンジン13は、例えば4気筒等の多気筒エンジンであり、図1では1気筒の断面のみを図示する。以下に説明する構成は、図示しない他の気筒にも同様に設けられている。
なお、図1のエンジンシステム10は、EGR(排気還流)システムを有していないものとする。或いは、EGRシステムを有している場合でも、本実施形態の特徴とは関連性が低いため、図示を省略する。さらに、排気通路に設けられる触媒の図示も省略する。
点火プラグ7は、エンジン13の燃焼室17で所定のギャップを隔てて対向する一対の電極(図2参照)を有し、上記ギャップで絶縁破壊が生じるだけの高電圧が一対の電極間に印加されると放電を発生させる。以下の説明において、「高電圧」とは、点火プラグ7の一対の電極間で放電が発生し得るほどの電圧をいう。
破線矢印で示すように、電子制御ユニット32は、クランク位置センサ35、カム位置センサ36、水温センサ37、スロットル開度センサ38、及び吸気圧センサ39等の各種センサからの検出信号が入力される。電子制御ユニット32は、これらの各種センサからの検出信号に基づき、実線矢印で示すように、スロットル弁14、インジェクタ16、及び点火回路ユニット31等を駆動してエンジン13の運転状態を制御する。
(第1実施形態)
[点火装置の構成]
第1実施形態の点火装置301の構成について、図2を参照して説明する。
図2に示すように、点火装置301は、点火コイル40、点火回路ユニット31、及び電子制御ユニット32を含む。
一次コイル41は、一端が、一定の直流電圧を供給可能な「直流電源」としてのバッテリ6の正極に接続されており、他端が点火スイッチ45を介して接地されている。以下、一次コイル41のバッテリ6と反対側を「接地側」という。
二次コイル42は、一次コイル41と磁気的に結合されており、一端が点火プラグ7の一対の電極を介して接地されており、他端が整流素子43及び二次電流検出抵抗47を介して接地されている。
整流素子43は、ダイオードで構成されており、二次電流I2を整流する。
点火コイル40は、一次コイル41を流れる電流の変化に応じて電磁誘導の相互誘導作用により二次コイル42に高電圧を発生させ、この高電圧を点火プラグ7に印加する。本実施形態では、1つの点火プラグ7に対し1つの点火コイル40が設けられている。
点火スイッチ45は、例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)で構成されており、コレクタが点火コイル40の一次コイル41の接地側に接続され、エミッタが接地され、ゲートが電子制御ユニット32に接続されている。エミッタは、整流素子46を介してコレクタに接続されている。
点火スイッチ45は、ゲートに入力される点火信号IGTに応じてオンオフ動作する。詳しくは、点火スイッチ45は、点火信号IGTの立ち上がり時にオンとなり、点火信号IGTの立ち下がり時にオフとなる。一次コイル41における一次電流I1は、点火スイッチ45により点火信号IGTに従って通電及び遮断が切り替えられる。
エネルギ蓄積コイル521は、一端がバッテリ6に接続され、他端が充電スイッチ531及び電流検出抵抗541を介して接地されている。充電スイッチ531は、例えばMOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)で構成されており、ドレインがエネルギ蓄積コイル521に接続され、ソースが接地され、ゲートがドライバ回路530に接続されている。充電スイッチ531は、エネルギ蓄積コイル52からグランドへの電流経路を開閉可能である。
整流素子551は、ダイオードで構成されており、コンデンサ56からエネルギ蓄積コイル521及び充電スイッチ531側への電流の逆流を防止する。
こうして昇圧回路部51は、2つの昇圧ユニット511、512が昇圧した直流電圧をコンデンサ56に出力する。
昇圧ユニット511、512の異常例として、充電スイッチ531、532の短絡故障や断線故障等が想定される。充電スイッチ531、532に対するドライバ回路530の指令がオフのとき電源電圧に近い電圧が検出された場合、充電スイッチ531、532が短絡故障している可能性がある。一方、充電スイッチ531、532に対するドライバ回路530の指令がオンのときゼロに近い電圧が検出された場合、充電スイッチ531、532が断線故障している可能性がある。異常判定部49は、このように、電流検出抵抗541、542の検出値に基づき、各昇圧ユニット511、512の異常を判定する。
これは本来の違いであるが、以下の説明中、「異常」と「故障」のどちらを用いても、技術解釈上大きな影響が無い場合には、厳密に区別しないこととする。
コンデンサ56は、一方の電極が、各昇圧ユニット511、512の整流素子551、552を介してエネルギ蓄積コイル521、522の接地側に接続され、他方の電極が接地されている。コンデンサ56は、昇圧回路部51によって昇圧された電圧を蓄電する。
整流素子59は、ダイオードで構成されており、点火コイル40からコンデンサ56への電流の逆流を防止している。
なお、図2では1気筒に対する構成のみを示しているが、現実には、放電スイッチ57以降の構成は気筒数分が並列して設けられており、放電スイッチ57の手前で電流経路が気筒毎に分岐され、コンデンサ56に蓄積されたエネルギが各経路に分配される。
以上が点火回路ユニット31の構成である。
電子制御ユニット32の点火制御部33は、クランク位置センサ35等の各種センサから取得したエンジン13の運転情報に基づいて、点火信号IGT及びエネルギ投入期間信号IGWを生成し、点火回路ユニット31に出力する。
また、放電スイッチ用ドライバ回路58には、目標二次電流I2*を指示するための目標二次電流信号IGAが入力される。
以上で、点火装置301の構成の説明を終わる。
本実施形態は、このような目的を達成するための構成として、上述の異常判定部49、及び、電子制御ユニット32の点火制御部33を備えることを特徴とする。
次に、第1実施形態の点火装置301の作動について、昇圧回路部を構成する昇圧ユニットが<1>全部が正常の場合、<2>一部が異常の場合、<3>全部が異常の場合、の順に図3〜図6を参照して説明する。図2に示す、2つの昇圧ユニット511、512を有する昇圧回路部51においては、2つとも正常又は2つとも異常の場合が「全部が正常又は異常」に相当し、1つが正常で1つが異常である場合が「一部異常」に相当する。
以下、全部の昇圧ユニットが正常の場合を、単に「正常時」という。
図3のタイムチャートは、共通の時間軸を横軸とし、縦軸に上から順に、点火信号IGT、エネルギ投入期間信号IGW、第1充電スイッチ信号SW1、第2充電スイッチ信号SW2、コンデンサ電圧Vdc、放電スイッチ信号SWd、一次電流I1、二次電流I2の時間変化を示している。ここで、「コンデンサ電圧Vdc」はコンデンサ56に蓄電された電圧を意味する。
目標二次電流I2*は、点火放電を良好に維持可能な程度の電流に設定される。
二次電流I2は、目標二次電流I2*を中間値とする制御範囲内で増加と減少とを繰り返す波状の波形となる。ただし、後で参照する図4、図6では、二次電流I2の波状図示を省略し直線で示す。
このようにして、点火信号IGTがHレベルに立ち上がっている時刻t1−t2間に、点火コイル40が充電されるとともに、昇圧回路部51の出力によってコンデンサ56にエネルギが蓄積される。このエネルギの蓄積は、時刻t2までに終了する。
このとき、コンデンサ電圧Vdc、すなわちコンデンサ56のエネルギ蓄積量は、充電スイッチ信号SW1、SW2のオンデューティ比及びオンオフ回数によって制御可能である。
時刻t2で点火放電を発生させた後にエネルギ投入を行わない場合、二次電流I2は、破線で示すように、時間経過とともに0[A]に近づき、放電を維持できない程度まで減衰すると放電は終了する。このような放電による点火方式を「通常点火」という。
すなわち、放電スイッチ信号SWdがオンになる毎に、コンデンサ56の蓄積エネルギにより一次電流I1が順次追加され、これに対応して、二次電流I2が順次追加される。二次電流I2が所定値になると放電スイッチ57がオフされ一次電流I1への重畳投入が停止し、I2が低下していき所定値になると再度放電スイッチ57がオンされる。これにより、二次電流I2は、目標二次電流I2*に一致するように維持される。
時刻t4でエネルギ投入期間信号IGWがLレベルに立ち下げられると、放電スイッチ信号SWdのオンオフ動作が停止し、一次電流I1、二次電流I2ともにゼロとなる。
一方、周知の多重放電方式のように、一次コイル41のバッテリ6側、或いは二次コイル42の点火プラグ7と反対側から点火コイル40にエネルギを投入する方式を包括して「従来のエネルギ投入制御」という。本出願人が開発したエネルギ投入制御では、従来の多重放電方式などに比べ、低電圧側からエネルギを投入することで最低限のエネルギを効率良く投入しつつ、点火可能な状態を一定期間持続させることができる。
一部の昇圧ユニットが異常の場合の作動について、図4を参照して説明する。図4では、2つの昇圧ユニット511、512のうち第2昇圧ユニット512が異常である場合を例示する。図4中、正常時(図3)の特性線を参照として二点鎖線で示す。また、放電スイッチ信号SWd及び一次電流I1の図示を省略する。
したがって、昇圧回路部51は、第1昇圧ユニット511が昇圧した電圧のみをコンデンサ56に出力することとなる。その結果、同じ時間内でコンデンサ56に蓄積されるコンデンサ電圧Vdc_hは、正常時のコンデンサ電圧Vdc_rの約(1/√2)となる。
異常信号ERRを受信した点火制御部33は、エネルギ投入部50に対し、投入エネルギの制御値を、次の2通りの方法の少なくともいずれか一方で変更するように指示する。
1つ目の方法は、実線で示すように、エネルギ投入期間IGWはそのままで目標二次電流I2*を変更する方法である。図4の例では、正常時の目標二次電流I2*_rに対し、1ユニット異常時の目標二次電流を約半分のI2*_hとしている。
2つ目の方法は、長破線で示すように、目標二次電流I2*はそのままでエネルギ投入期間IGWを変更する方法である。図4の例では、正常時のエネルギ投入期間IGW_rに対し、1ユニット異常時のエネルギ投入期間を約半分のIGW_hとしている。
いずれにせよ、点火制御部33は、「昇圧回路部51の能力」、すなわち、「昇圧回路部51の正常な第1昇圧ユニット511による投入エネルギの生成能力」に応じて、目標二次電流I2*又はエネルギ投入期間IGWを正常時に対して変更する。
図5(a)に示すように、点火制御部33は、異常ユニット数が少ないときほど目標二次電流I2*を高く設定し、異常ユニット数が多いときほど目標二次電流I2*を低く設定する。ただし、異常ユニット数が限界数α(0≦α<N)以下の領域では、正常時の目標二次電流I2*を維持する。
全部の昇圧ユニットが異常の場合の作動について、図6を参照して説明する。
第1昇圧ユニット511及び第2昇圧ユニット512が異常であることを異常判定部49が判定すると、ドライバ回路530は、第1充電スイッチ531及び第2充電スイッチ532の駆動を停止する。これにより、点火信号IGTの出力期間中、第1充電スイッチ信号SW1及び第2充電スイッチ信号SW2は常時オフとなる。つまり、昇圧回路部51の能力がゼロの状態となる。
その結果、時刻t2における一次電流I1の増減によって発生する二次電流I2による「通常点火」のみが実施されることとなる。
(1)本実施形態の点火装置301は、昇圧回路部51が複数の昇圧ユニット511、512によって構成されているため、一部の昇圧ユニットが故障しても、他の正常な昇圧ユニットにより投入エネルギを生成することができる。よって、特許文献1の従来技術のように、故障時専用の通電経路を必要としない。
また、エネルギ投入期間IGW中、二次電流I2は、常に負の値となり、交番電流を用いる他の方式のようにゼロクロスしないため、吹き消えの発生を防止することができる。
本発明の第2実施形態について、図7、図8を参照して説明する。図7の構成図において第1実施形態の図2と実質的に同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、第2実施形態では、電子制御ユニット32に、「投入エネルギ制御手段」としての点火制御部33、及び「内燃機関制御手段」としてのエンジン制御部34を含む。ただし、この区分は説明の便宜上のものであり、現実の物理的な区分や配置を意味するものではない。第2実施形態の点火装置302は、点火コイル40、点火回路ユニット31、及び、「電子制御ユニット32のうちの点火制御部33」を含む。
また、第1実施形態の図5と同様に、異常ユニット数がα以下の領域は、正常な昇圧ユニットのみで正常時の総エネルギを出力可能な余裕領域であるため、エンジン制御部34は空燃比を一定に維持する。ただし、余裕領域を設けなくてもよい。
(ア)上記実施形態のエネルギ投入部50は、複数の昇圧ユニット511、512を有する昇圧回路部51が出力したエネルギを「一次コイルの接地側から投入する方式」を採用している。本発明のエネルギ投入部は、この形態の他、複数の昇圧ユニットを有する昇圧回路部が出力したエネルギを一次コイルのバッテリ側や二次コイルに投入する方式を採用してもよい。
点火スイッチ45及びエネルギ投入部50は別々のハウジング内に収容されてもよい。例えば、点火コイル40を収容するハウジング内に点火スイッチ45が収容され、電子制御ユニット32を収容するハウジング内にエネルギ投入部50が収容されてもよい。
(カ)直流電源は、バッテリに限らず、例えば交流電源をスイッチングレギュレータ等によって安定化した直流安定化電源等で構成されてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
30(301、302) ・・・点火装置、
33 ・・・点火制御部(投入エネルギ制御手段)、
34 ・・・エンジン制御部(内燃機関制御手段)、
40 ・・・点火コイル、
41 ・・・一次コイル、 42 ・・・二次コイル、
45 ・・・点火スイッチ、
49 ・・・異常判定部、
50 ・・・エネルギ投入部、
51 ・・・昇圧回路部、 511、512 ・・・昇圧ユニット、
6 ・・・バッテリ(直流電源)、
7 ・・・点火プラグ。
Claims (5)
- 内燃機関(13)の燃焼室(17)において混合気に点火する点火プラグ(7)の動作を制御する点火装置(301)であって、
直流電源(6)から供給される一次電流が流れる一次コイル(41)、及び、前記点火プラグの電極に接続され、前記一次電流の通電および遮断による二次電圧が発生し二次電流が流れる二次コイル(42)を有する点火コイル(40)と、
前記一次コイルの前記直流電源と反対側である接地側に接続され、点火信号(IGT)にしたがって前記一次電流の通電と遮断とを切り替える点火スイッチ(45)と、
前記直流電源の電源電圧を昇圧可能な複数の昇圧ユニット(511、512)が互いに並列に接続されて構成された昇圧回路部(51)と、
前記点火スイッチにより前記一次電流を遮断し、前記遮断による二次電圧で前記点火プラグの放電を発生させた後の所定のエネルギ投入期間(IGW)において、前記昇圧回路部が出力したエネルギを前記点火コイルに投入するエネルギ投入部(50)と、
前記昇圧回路部における前記複数の昇圧ユニットのうちのいずれかが異常であることを判定する異常判定部(49)と、
前記エネルギ投入部による投入エネルギを制御する投入エネルギ制御手段(33)と、
を備え、
前記異常判定部によっていずれかの前記昇圧ユニットの異常が判定されたとき、
前記投入エネルギ制御手段は、前記昇圧回路部の能力に応じて、前記二次電流の目標値(I2*)、又は、前記エネルギ投入期間の少なくとも一方を変更することを特徴とする点火装置。 - 内燃機関(13)の燃焼室(17)において混合気に点火する点火プラグ(7)の動作を制御する点火装置(302)であって、
直流電源(6)から供給される一次電流が流れる一次コイル(41)、及び、前記点火プラグの電極に接続され、前記一次電流の通電および遮断による二次電圧が発生し二次電流が流れる二次コイル(42)を有する点火コイル(40)と、
前記一次コイルの前記直流電源と反対側である接地側に接続され、点火信号(IGT)にしたがって前記一次電流の通電と遮断とを切り替える点火スイッチ(45)と、
前記直流電源の電源電圧を昇圧可能な複数の昇圧ユニット(511、512)が互いに並列に接続されて構成された昇圧回路部(51)と、
前記点火スイッチにより前記一次電流を遮断し、前記遮断による二次電圧で前記点火プラグの放電を発生させた後の所定のエネルギ投入期間(IGW)において、前記昇圧回路部が出力したエネルギを前記点火コイルに投入するエネルギ投入部(50)と、
前記昇圧回路部における前記複数の昇圧ユニットのうちのいずれかが異常であることを判定する異常判定部(49)と、
を備え、
前記異常判定部によっていずれかの前記昇圧ユニットの異常が判定されたとき、
前記内燃機関の運転状態を制御する内燃機関制御手段(34)に対し、前記昇圧回路部の能力に応じて、混合気の空燃比を変更するように指令することを特徴とする点火装置。 - 前記エネルギ投入手段は、
前記一次コイルの接地側から前記点火コイルにエネルギを投入することを特徴とする請求項1または2に記載の点火装置。 - 前記昇圧回路部における前記複数の昇圧ユニットは、電気的性能が互いに同等に設定されており、
前記投入エネルギ制御部は、前記異常判定部によって異常と判定された前記昇圧ユニットの数に基づき、前記昇圧回路部の能力を判断することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の点火装置。 - 前記昇圧回路部は、一端が前記直流電源に接続されたエネルギ蓄積コイル(521、522)、及び、前記エネルギ蓄積コイルの他端とグランドとの間に接続され前記エネルギ蓄積コイルからグランドへの電流経路を開閉可能な充電スイッチ(531、532)を有し、
前記異常判定部は、前記充電スイッチの接地側に設けられた電流検出抵抗(541、542)の検出値に基づき、前記昇圧ユニットの異常を判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の点火装置。
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