JP6245047B2 - 点火装置 - Google Patents

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Description

本発明は、点火プラグの動作を制御する点火装置に関する。
従来、点火プラグの電極間に放電を発生させ、混合気に着火させる内燃機関の点火装置において、部品の故障や配線の異常時等にも点火を実行し、退避走行を可能とする技術が知られている。例えば特許文献1に開示された点火装置は、多重点火装置の故障時に点火コイルへ通電させる専用経路を別に設けることで点火動作を継続させている。
特開2002−250264号公報
特許文献1の点火装置では、故障時専用の通電経路を設ける必要があるため、構成が複雑となる。また、正常時と故障時とで放電方式が異なるため、無駄な電力を消費する可能性があり、燃費が低下するおそれがある。さらに、混合気への着火性が低下すると、未燃焼ガス等のエミッションが排出されるおそれがある。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電源電圧を昇圧する昇圧回路部の故障時に、専用の通電経路を必要とせず、且つ、燃費の低下を回避しエミッションの排出を抑制する点火装置を提供することにある。
本発明は、内燃機関の燃焼室において混合気に点火する点火プラグの動作を制御する点火装置であって、点火コイル、点火スイッチ、昇圧回路部、エネルギ投入部、及び異常判定部を備える。
点火コイルは、直流電源から供給される一次電流が流れる一次コイル、及び、点火プラグの電極に接続され、一次電流の通電及び遮断、より詳しくは、通電に続く遮断による二次電圧が発生し二次電流が流れる二次コイルを有する。
点火スイッチは、一次コイルの直流電源と反対側である接地側に接続され、点火信号に従って一次電流の通電と遮断とを切り替える。
昇圧回路部は、直流電源の電源電圧を昇圧可能な複数の昇圧ユニットが互いに並列に接続されて構成されている。
エネルギ投入部は、点火スイッチにより一次電流を遮断し、遮断による二次電圧で点火プラグの放電を発生させた後の所定のエネルギ投入期間(IGW)において、昇圧回路部が出力したエネルギを点火コイルに投入する。
異常判定部は、昇圧回路部における複数の昇圧ユニットのいずれかが異常であることを判定する。
例えば、昇圧回路部は、一端が直流電源に接続されたエネルギ蓄積コイル、及び、エネルギ蓄積コイルの他端とグランドとの間に接続されエネルギ蓄積コイルからグランドへの電流経路を開閉可能な充電スイッチを有し、異常判定部は、充電スイッチの接地側に設けられた電流検出抵抗の検出値に基づき、昇圧ユニットの異常を判定する。
本発明の第1の態様の点火装置は、さらに、エネルギ投入部による投入エネルギを制御する投入エネルギ制御手段を備える。そして、異常判定部によっていずれかの昇圧ユニットの異常が判定されたとき、投入エネルギ制御手段は、昇圧回路部の能力に応じて、二次電流の目標値(I2*)、又は、エネルギ投入期間の少なくとも一方を変更することを特徴とする。
また、本発明の第2の態様の点火装置は、異常判定部によっていずれかの昇圧ユニットの異常が判定されたとき、内燃機関の運転状態を制御する内燃機関制御手段に対し、昇圧回路部の能力に応じて、混合気の空燃比を変更するように指令することを特徴とする。
ここで、「昇圧回路部の能力」とは、「異常な昇圧ユニットを除く正常な昇圧ユニットによって投入エネルギを生成する能力」を意味する。
本発明の点火装置は、昇圧回路部が複数の昇圧ユニットによって構成されているため、一部の昇圧ユニットが故障しても、他の正常な昇圧ユニットにより投入エネルギを生成することができる。よって、特許文献1の従来技術のように、故障時専用の通電経路を必要としない。
本発明の第1の態様では、昇圧回路部の能力が低下するほど二次電流の目標値を低く、又は、エネルギ投入期間を短く変更することで、昇圧回路部が生成したエネルギを、エネルギ投入部が点火コイルに効率的に投入することができる。したがって、エネルギ投入に伴う消費電力を抑制し、燃費の低下を回避することができる。また、混合気への着火性を確保することで、燃焼室からの未燃焼ガス等のエミッションの排出を抑制しつつ、安定した退避走行を実現することができる。
本発明の第2の態様では、昇圧回路部の能力が低下するほど混合気の空燃比をリッチ側に変更することで、吹き消えや失火の発生を好適に防止しつつ、第1の態様と同様の効果を得ることができる。また、昇圧回路部の全ての昇圧ユニットが異常となった場合、エネルギ投入部によるエネルギ投入自体が実施不能となる。そこで、一次電流の増減によって発生する二次電流による「通常点火」において空燃比をリッチ側に変更することで、着火性を向上させることができる。
さらに、昇圧回路部における複数の昇圧ユニットは、電気的性能が互いに同等に設定されており、投入エネルギ制御手段は、異常判定部によって異常と判定された昇圧ユニットの数に基づき、昇圧回路部の能力を判断することが好ましい。
仮に昇圧回路部が2つの昇圧ユニットを有する場合、2つの昇圧ユニットの電気的性能が異なっていると、第1ユニットが故障したときと第2ユニットが故障したときとで昇圧回路部の能力が変動するため、処理が複雑になる。そこで、2つの昇圧ユニットの電気的性能を同等とすれば、第1ユニットと第2ユニットのいずれが故障した場合でも区別せず同様の処理をすることができるため、処理を単純にすることができる。
本発明の各実施形態による点火装置が適用されるエンジンシステムの概略構成図。 本発明の第1実施形態による点火装置の構成図。 昇圧回路部の全部の昇圧ユニットが正常の場合のタイムチャート。 昇圧回路部の一部の昇圧ユニットが異常の場合のタイムチャート。 昇圧回路部の異常ユニット数と(a)目標二次電流I2*、(b)エネルギ投入期間IGWとの関係を示すマップ。 昇圧回路部の全部の昇圧ユニットが異常の場合のタイムチャート。 本発明の第2実施形態による点火装置の構成図。 昇圧回路部の異常ユニット数と空燃比との関係を示すマップ。
以下、本発明の複数の実施形態による点火装置を図面に基づいて説明する。
本発明の各実施形態による点火装置は、車両等に搭載されるエンジンシステムに適用される。以下の実施形態の説明では特許請求の範囲に記載の「内燃機関」を「エンジン」という。
[エンジンシステムの構成]
まず、エンジンシステムの概略構成について図1を参照して説明する。図1に示すように、エンジンシステム10は火花点火式のエンジン13を備えている。エンジン13は、例えば4気筒等の多気筒エンジンであり、図1では1気筒の断面のみを図示する。以下に説明する構成は、図示しない他の気筒にも同様に設けられている。
なお、図1のエンジンシステム10は、EGR(排気還流)システムを有していないものとする。或いは、EGRシステムを有している場合でも、本実施形態の特徴とは関連性が低いため、図示を省略する。さらに、排気通路に設けられる触媒の図示も省略する。
エンジン13は、スロットル弁14を通じて吸気マニホールド15から供給される空気とインジェクタ16から噴射される燃料との混合気を燃焼室17内で燃焼させ、その燃焼時の爆発力によりピストン18を往復運動させる。このピストン18の往復運動は、クランクシャフト19により回転運動に変換されて出力される。燃焼ガスは、排気マニホールド20等を通じて大気中に放出される。
燃焼室17の入口であるシリンダヘッド21の吸気ポートには吸気弁22が設けられ、また燃焼室17の出口であるシリンダヘッド21の排気ポートには排気弁23が設けられている。吸気弁22及び排気弁23は、バルブ駆動機構24により開閉駆動される。吸気弁22のバルブタイミングは、可変バルブ機構25により調整される。
燃焼室17の混合気の点火は、点火装置30によって点火プラグ7の電極間に放電を発生させることにより行われる。点火装置30は、電子制御ユニット32の指令に基づき点火回路ユニット31を動作させて点火コイル40から点火プラグ7に高電圧を印加することにより、燃焼室17で火花放電を発生させる。
点火プラグ7は、エンジン13の燃焼室17で所定のギャップを隔てて対向する一対の電極(図2参照)を有し、上記ギャップで絶縁破壊が生じるだけの高電圧が一対の電極間に印加されると放電を発生させる。以下の説明において、「高電圧」とは、点火プラグ7の一対の電極間で放電が発生し得るほどの電圧をいう。
電子制御ユニット32は、CPU、ROM、RAM及び入出力ポート等からなるマイクロコンピュータによって構成されており、図中、「ECU」と表す。
破線矢印で示すように、電子制御ユニット32は、クランク位置センサ35、カム位置センサ36、水温センサ37、スロットル開度センサ38、及び吸気圧センサ39等の各種センサからの検出信号が入力される。電子制御ユニット32は、これらの各種センサからの検出信号に基づき、実線矢印で示すように、スロットル弁14、インジェクタ16、及び点火回路ユニット31等を駆動してエンジン13の運転状態を制御する。
以下、点火装置30の構成、作動について実施形態毎に説明する。第1、第2実施形態の点火装置の符号を、それぞれ「301」、「302」とする。
(第1実施形態)
[点火装置の構成]
第1実施形態の点火装置301の構成について、図2を参照して説明する。
図2に示すように、点火装置301は、点火コイル40、点火回路ユニット31、及び電子制御ユニット32を含む。
点火コイル40は、一次コイル41と二次コイル42と整流素子43とを有し、公知の昇圧トランスを構成している。
一次コイル41は、一端が、一定の直流電圧を供給可能な「直流電源」としてのバッテリ6の正極に接続されており、他端が点火スイッチ45を介して接地されている。以下、一次コイル41のバッテリ6と反対側を「接地側」という。
二次コイル42は、一次コイル41と磁気的に結合されており、一端が点火プラグ7の一対の電極を介して接地されており、他端が整流素子43及び二次電流検出抵抗47を介して接地されている。
一次コイル41に流れる電流を一次電流I1といい、一次電流I1の通電及び遮断によって発生し、二次コイル42に流れる電流を二次電流I2という。図中に矢印で示すように、一次電流I1は、一次コイル41から点火スイッチ45に向かう方向の電流を正とし、二次電流I2は、二次コイル42から点火プラグ7に向かう方向の電流を正とする。また、二次コイル42の点火プラグ7側の電圧を二次電圧V2という。
整流素子43は、ダイオードで構成されており、二次電流I2を整流する。
点火コイル40は、一次コイル41を流れる電流の変化に応じて電磁誘導の相互誘導作用により二次コイル42に高電圧を発生させ、この高電圧を点火プラグ7に印加する。本実施形態では、1つの点火プラグ7に対し1つの点火コイル40が設けられている。
点火回路ユニット31は、点火スイッチ(イグナイタ)45、昇圧回路部51、異常判定部49、エネルギ投入部50、二次電流検出抵抗47及び二次電流検出回路48を有している。
点火スイッチ45は、例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)で構成されており、コレクタが点火コイル40の一次コイル41の接地側に接続され、エミッタが接地され、ゲートが電子制御ユニット32に接続されている。エミッタは、整流素子46を介してコレクタに接続されている。
点火スイッチ45は、ゲートに入力される点火信号IGTに応じてオンオフ動作する。詳しくは、点火スイッチ45は、点火信号IGTの立ち上がり時にオンとなり、点火信号IGTの立ち下がり時にオフとなる。一次コイル41における一次電流I1は、点火スイッチ45により点火信号IGTに従って通電及び遮断が切り替えられる。
昇圧回路部51は、複数の昇圧ユニットが互いに並列に接続されて構成されている。本実施形態では、電気的性能が互いに同等に設定された2つの昇圧ユニット511、512が並列に接続されている。各昇圧ユニット511、512は、バッテリ6の直流電圧を昇圧する「DCDCコンバータ」として機能する。また、昇圧回路部51は、昇圧ユニット511、512を共通に駆動する充電スイッチ用ドライバ回路530を有している。
第1昇圧ユニット511は、エネルギ蓄積コイル521、充電スイッチ531、電流検出抵抗541、及び整流素子551を有している。
エネルギ蓄積コイル521は、一端がバッテリ6に接続され、他端が充電スイッチ531及び電流検出抵抗541を介して接地されている。充電スイッチ531は、例えばMOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)で構成されており、ドレインがエネルギ蓄積コイル521に接続され、ソースが接地され、ゲートがドライバ回路530に接続されている。充電スイッチ531は、エネルギ蓄積コイル52からグランドへの電流経路を開閉可能である。
整流素子551は、ダイオードで構成されており、コンデンサ56からエネルギ蓄積コイル521及び充電スイッチ531側への電流の逆流を防止する。
充電スイッチ531がオンしたとき、エネルギ蓄積コイル521に誘起電流が流れ、電気エネルギが蓄積される。また、充電スイッチ531がオフしたとき、エネルギ蓄積コイル521に蓄積された電気エネルギがバッテリ6の直流電圧に重畳してコンデンサ56側へ放出される。充電スイッチ531がオンオフ動作を繰り返すことで、エネルギ蓄積コイル521にてエネルギの蓄積と放出が繰り返され、バッテリ電圧が昇圧される。
第2昇圧ユニット512は、第1昇圧ユニット511と同様にエネルギ蓄積コイル522、充電スイッチ532、電流検出抵抗542、及び整流素子552を有しており、同様に作用する。第2昇圧ユニット512の充電スイッチ532は、第1昇圧ユニット511の充電スイッチ531と同期してオンオフ動作する。
こうして昇圧回路部51は、2つの昇圧ユニット511、512が昇圧した直流電圧をコンデンサ56に出力する。
異常判定部49は、各昇圧ユニット511、512の電流検出抵抗541、542に基づいて、昇圧ユニット511、512が正常であるか異常であるか判定する。
昇圧ユニット511、512の異常例として、充電スイッチ531、532の短絡故障や断線故障等が想定される。充電スイッチ531、532に対するドライバ回路530の指令がオフのとき電源電圧に近い電圧が検出された場合、充電スイッチ531、532が短絡故障している可能性がある。一方、充電スイッチ531、532に対するドライバ回路530の指令がオンのときゼロに近い電圧が検出された場合、充電スイッチ531、532が断線故障している可能性がある。異常判定部49は、このように、電流検出抵抗541、542の検出値に基づき、各昇圧ユニット511、512の異常を判定する。
ここで、「異常」と「故障」の違いについて注意的に述べておく。「異常」とは、特性が正常でない状態をいい、例えば、素子の温度特性によって特性が基準範囲から一時的に外れた場合や、部品の個体ばらつきが平均値から3σ以上離れているような場合を含む。それに対し、「故障」とは、短絡や故障等、本来あるべき状態とは異なる状態になったことをいう。ただし、装置の動作中に部品が故障状態であることを直接的に確認できるとは限らないため、「異常」のレベルが一定の閾値を超えたとき、「故障」であると推認する。
これは本来の違いであるが、以下の説明中、「異常」と「故障」のどちらを用いても、技術解釈上大きな影響が無い場合には、厳密に区別しないこととする。
図2の説明に戻り、次にエネルギ投入部50は、コンデンサ56、放電スイッチ57、放電スイッチ用ドライバ回路58及び整流素子59を有しており、昇圧回路部51が生成しコンデンサ56に蓄積されたエネルギを一次コイル41の接地側に継続的に投入する。
コンデンサ56は、一方の電極が、各昇圧ユニット511、512の整流素子551、552を介してエネルギ蓄積コイル521、522の接地側に接続され、他方の電極が接地されている。コンデンサ56は、昇圧回路部51によって昇圧された電圧を蓄電する。
放電スイッチ57は、例えばMOSFETで構成されており、ドレインがコンデンサ56に接続され、ソースが一次コイル41の接地側に接続され、ゲートがドライバ回路58に接続されている。ドライバ回路58は、放電スイッチ57をオンオフ駆動可能である。
整流素子59は、ダイオードで構成されており、点火コイル40からコンデンサ56への電流の逆流を防止している。
なお、図2では1気筒に対する構成のみを示しているが、現実には、放電スイッチ57以降の構成は気筒数分が並列して設けられており、放電スイッチ57の手前で電流経路が気筒毎に分岐され、コンデンサ56に蓄積されたエネルギが各経路に分配される。
二次電流検出回路48は、燃焼室17に設けられる点火プラグ7の火花電流を二次電流検出抵抗47の両端電圧に基づいて二次電流I2を検出する。そして、二次電流I2を目標値(以下「目標二次電流I2*」という。)に一致させようとするフィードバック制御により、放電スイッチ57のオンオフを決定し、ドライバ回路58に指令する。
以上が点火回路ユニット31の構成である。
次に、電子制御ユニット32は、特許請求の範囲に記載の「投入エネルギ制御手段」に相当する点火制御部33を含む。なお、本実施形態における点火制御部33は、投入エネルギのみでなく点火信号IGTの生成の機能も含むため、「点火制御部」という。
電子制御ユニット32の点火制御部33は、クランク位置センサ35等の各種センサから取得したエンジン13の運転情報に基づいて、点火信号IGT及びエネルギ投入期間信号IGWを生成し、点火回路ユニット31に出力する。
点火信号IGTは、点火スイッチ45のゲート、充電スイッチ用ドライバ回路530、及び放電スイッチ用ドライバ回路58に入力される。点火スイッチ45は、点火信号IGTが入力されている期間、オンとなる。充電スイッチ用ドライバ回路530は、点火信号IGTが入力されている期間、第1充電スイッチ531及び第2充電スイッチ532のゲートに対し、第1充電スイッチ531をオンオフ制御する第1充電スイッチ信号SW1、及び、第2充電スイッチ532をオンオフ制御する第2充電スイッチ信号SW2を繰り返し出力する。
エネルギ投入期間信号IGWは、充電スイッチ用ドライバ回路530及び放電スイッチ用ドライバ回路58に入力される。放電スイッチ用ドライバ回路58は、エネルギ投入期間信号IGWが入力されている期間、放電スイッチ57のゲートに対し、放電スイッチ57をオンオフ制御する放電スイッチ信号SWdを繰り返し出力する。
また、放電スイッチ用ドライバ回路58には、目標二次電流I2*を指示するための目標二次電流信号IGAが入力される。
以上で、点火装置301の構成の説明を終わる。
ところで、昇圧回路部51を複数の昇圧ユニット511、512で構成しているのは、主として、仮に2つのうち1つが故障しても残りの1つでフェイルセーフ機能を確保することができるようにするという冗長設計の思想による。また、それ以外の理由として、場合によっては、高耐圧の部品を1つ使うよりも標準的な部品を複数並列に用いる方がトータルの製造コストや搭載スペースを低減可能である、或いは、製造時やメンテナンス時の部品調達や交換作業が容易であるということもある。
特に車両に搭載されるエンジンシステムの場合、上述の「フェイルセーフ機能」とは、自宅、修理工場、又は路肩等の安全な場所までの退避走行、いわゆるリンプホームを可能とすることである。そのためには、点火プラグ7の放電による混合気への着火を安定して行う必要がある。さらには、可及的に燃費の低下を回避し、エミッションの排出を抑制することが望まれる。
本実施形態は、このような目的を達成するための構成として、上述の異常判定部49、及び、電子制御ユニット32の点火制御部33を備えることを特徴とする。
[点火装置の作動]
次に、第1実施形態の点火装置301の作動について、昇圧回路部を構成する昇圧ユニットが<1>全部が正常の場合、<2>一部が異常の場合、<3>全部が異常の場合、の順に図3〜図6を参照して説明する。図2に示す、2つの昇圧ユニット511、512を有する昇圧回路部51においては、2つとも正常又は2つとも異常の場合が「全部が正常又は異常」に相当し、1つが正常で1つが異常である場合が「一部異常」に相当する。
<1>「全部の昇圧ユニットが正常の場合」
以下、全部の昇圧ユニットが正常の場合を、単に「正常時」という。
図3のタイムチャートは、共通の時間軸を横軸とし、縦軸に上から順に、点火信号IGT、エネルギ投入期間信号IGW、第1充電スイッチ信号SW1、第2充電スイッチ信号SW2、コンデンサ電圧Vdc、放電スイッチ信号SWd、一次電流I1、二次電流I2の時間変化を示している。ここで、「コンデンサ電圧Vdc」はコンデンサ56に蓄電された電圧を意味する。
図3中、「一次電流I1」及び「二次電流I2」は、図2に示す矢印方向の電流を正の値とし、矢印と反対方向の電流を負の値とする。以下の説明において、負の電流の大小に言及する場合、「電流の絶対値」を基準として大小を表す。すなわち、負領域において、電流値が0[A]から離れ絶対値が大きくなるほど「電流が増加又は上昇する」といい、0[A]に近づき絶対値が小さくなるほど「電流が減少又は低下する」という。
エネルギ投入期間信号IGWが出力されている時刻t3−t4の期間を、同じ記号を用いて「エネルギ投入期間IGW」といい、エネルギ投入期間IGWにおける二次電流I2の制御目標値を、「目標二次電流I2*」という。また、「正常時」のエネルギ投入期間を「IGW_r」、「正常時」の目標二次電流を「I2*_r」と表す。
目標二次電流I2*は、点火放電を良好に維持可能な程度の電流に設定される。
二次電流I2は、目標二次電流I2*を中間値とする制御範囲内で増加と減少とを繰り返す波状の波形となる。ただし、後で参照する図4、図6では、二次電流I2の波状図示を省略し直線で示す。
時刻t1にて点火信号IGTがH(ハイ)レベルに立ち上がると、点火スイッチ45がオンされる。このとき、エネルギ投入期間信号IGWはL(ロー)レベルであるため放電スイッチ57はオフである。これにより、一次コイル41における一次電流I1の通電が開始する。
また、点火信号IGTがHレベルに立ち上がっている間、互いに同期した矩形波パルス状の充電スイッチ信号SW1、SW2が、それぞれ、第1充電スイッチ531、第2充電スイッチ532のゲートに入力される。すると、充電スイッチ531、532のオン後のオフ期間に、コンデンサ電圧Vdcがステップ状に上昇する。
このようにして、点火信号IGTがHレベルに立ち上がっている時刻t1−t2間に、点火コイル40が充電されるとともに、昇圧回路部51の出力によってコンデンサ56にエネルギが蓄積される。このエネルギの蓄積は、時刻t2までに終了する。
このとき、コンデンサ電圧Vdc、すなわちコンデンサ56のエネルギ蓄積量は、充電スイッチ信号SW1、SW2のオンデューティ比及びオンオフ回数によって制御可能である。
その後、時刻t2にて点火信号IGTがLレベルに立ち下げられ点火スイッチ45がオフされると、それまで一次コイル41に通電していた一次電流I1が急激に遮断される。すると、二次コイル42に高電圧が発生し、点火プラグ7の電極間にて放電が発生することにより、二次電流(放電電流)が流れる。
時刻t2で点火放電を発生させた後にエネルギ投入を行わない場合、二次電流I2は、破線で示すように、時間経過とともに0[A]に近づき、放電を維持できない程度まで減衰すると放電は終了する。このような放電による点火方式を「通常点火」という。
それに対し本実施形態では、時刻t2の直後の時刻t3にエネルギ投入期間信号IGWがHレベルに立ち上げられ、充電スイッチ531、532がオフの状態で放電スイッチ57がオンされる。すると、コンデンサ56の蓄積エネルギが放出され、一次コイル41の接地側に投入される。これにより、点火放電中に、「投入エネルギに起因する一次電流I1」が通電する。
このとき、二次コイル42には、時刻t2−t3間に通電していた二次電流I2に対し、投入エネルギに起因する一次電流I1の通電に伴う追加分が同じ極性で重畳される。この一次電流I1の重畳は、時刻t3−t4の間、放電スイッチ57がオンされる毎に行われる。
すなわち、放電スイッチ信号SWdがオンになる毎に、コンデンサ56の蓄積エネルギにより一次電流I1が順次追加され、これに対応して、二次電流I2が順次追加される。二次電流I2が所定値になると放電スイッチ57がオフされ一次電流I1への重畳投入が停止し、I2が低下していき所定値になると再度放電スイッチ57がオンされる。これにより、二次電流I2は、目標二次電流I2*に一致するように維持される。
時刻t4でエネルギ投入期間信号IGWがLレベルに立ち下げられると、放電スイッチ信号SWdのオンオフ動作が停止し、一次電流I1、二次電流I2ともにゼロとなる。
このように、時刻t2における点火放電の後、「一次コイル41の接地側」から点火コイル40にエネルギを投入する制御方式は、本出願人が開発したものである。以下、本明細書において、単に「エネルギ投入制御」という場合、この制御方式を意味する。
一方、周知の多重放電方式のように、一次コイル41のバッテリ6側、或いは二次コイル42の点火プラグ7と反対側から点火コイル40にエネルギを投入する方式を包括して「従来のエネルギ投入制御」という。本出願人が開発したエネルギ投入制御では、従来の多重放電方式などに比べ、低電圧側からエネルギを投入することで最低限のエネルギを効率良く投入しつつ、点火可能な状態を一定期間持続させることができる。
<2>「一部の昇圧ユニットが異常の場合」
一部の昇圧ユニットが異常の場合の作動について、図4を参照して説明する。図4では、2つの昇圧ユニット511、512のうち第2昇圧ユニット512が異常である場合を例示する。図4中、正常時(図3)の特性線を参照として二点鎖線で示す。また、放電スイッチ信号SWd及び一次電流I1の図示を省略する。
第2昇圧ユニット512が異常であることを異常判定部49が判定すると、ドライバ回路530は、第2充電スイッチ532の駆動を停止する。これにより、点火信号IGTの出力期間中、第2充電スイッチ信号SW2は常時オフとなる。一方、第1昇圧ユニット511の第1充電スイッチ信号SW1は正常時のとおり出力され、第1充電スイッチ531は、正常時と同様にオンオフ動作する。
したがって、昇圧回路部51は、第1昇圧ユニット511が昇圧した電圧のみをコンデンサ56に出力することとなる。その結果、同じ時間内でコンデンサ56に蓄積されるコンデンサ電圧Vdc_hは、正常時のコンデンサ電圧Vdc_rの約(1/√2)となる。
また、異常判定部49は、異常信号ERRを点火制御部33及び充電スイッチ用ドライバ回路530へ出力する。
異常信号ERRを受信した点火制御部33は、エネルギ投入部50に対し、投入エネルギの制御値を、次の2通りの方法の少なくともいずれか一方で変更するように指示する。
1つ目の方法は、実線で示すように、エネルギ投入期間IGWはそのままで目標二次電流I2*を変更する方法である。図4の例では、正常時の目標二次電流I2*_rに対し、1ユニット異常時の目標二次電流を約半分のI2*_hとしている。
2つ目の方法は、長破線で示すように、目標二次電流I2*はそのままでエネルギ投入期間IGWを変更する方法である。図4の例では、正常時のエネルギ投入期間IGW_rに対し、1ユニット異常時のエネルギ投入期間を約半分のIGW_hとしている。
2つの方法で「電流×時間」の積算値で表される投入エネルギの大きさは、いずれも、蓄積されたコンデンサ電圧Vdc_hが正常時の約(1/√2)となることに対応して、正常時の約半分となる。例えば、点火の機会を多く確保することを優先する場合には、エネルギ投入期間IGWをそのままにして目標二次電流I2*を低下させるとよい。一方、放電の強さを優先する場合には、目標二次電流I2*をそのままにしてエネルギ投入期間IGWを短縮するとよい。
そこで、例えば、エンジン13の回転数及び負荷の条件によって、低回転、低負荷条件では目標二次電流I2*を低下させ、高回転、高負荷条件ではエネルギ投入期間IGWを短縮するというように使い分けてもよい。或いは、重み付けを考慮しつつ、目標二次電流I2*及びエネルギ投入期間IGWの両方を変更してもよい。
いずれにせよ、点火制御部33は、「昇圧回路部51の能力」、すなわち、「昇圧回路部51の正常な第1昇圧ユニット511による投入エネルギの生成能力」に応じて、目標二次電流I2*又はエネルギ投入期間IGWを正常時に対して変更する。
続いて、昇圧回路部を構成する昇圧ユニットの数が一般にN個(N≧2)の場合における、異常ユニット数と目標二次電流I2*又はエネルギ投入期間IGWの変更値との関係について、図5(a)、(b)のマップを参照して説明する。
図5(a)に示すように、点火制御部33は、異常ユニット数が少ないときほど目標二次電流I2*を高く設定し、異常ユニット数が多いときほど目標二次電流I2*を低く設定する。ただし、異常ユニット数が限界数α(0≦α<N)以下の領域では、正常時の目標二次電流I2*を維持する。
昇圧ユニットを使用する場合、通常時には能力の100%を使うのでなく、所定の能力利用率(例えば60〜90%)で使用することが一般的である。したがって、昇圧回路部の一部の昇圧ユニットが異常となった場合でも、正常な昇圧ユニットの能力利用率を上げることで、異常となった昇圧ユニット分の出力不足をある程度まで補い、正常時の総出力を維持することができる。
このように、正常な昇圧ユニットの能力利用率を上げることで出力不足を補うことができる異常ユニット数の最大値を限界数αという。また、異常ユニット数が0からαまでの領域を「余裕領域」という。要するに、図5(a)は、「異常ユニット数が余裕領域を超える領域では、異常ユニット数の増加に伴い、目標二次電流I2*を低下させる」ことを示している。また、昇圧ユニットの全数Nが異常の場合には、目標二次電流I2*を0にすることを示している。このことは、異常ユニット数とエネルギ投入期間IGWとの関係を示す図5(b)についても同様である。
なお、図4を参照する上述の説明では、簡単のため限界数αを0とし、2つの昇圧ユニットのうち1つが異常となった場合、1ユニット異常時の目標二次電流I2*又はエネルギ投入期間IGWを正常時の約半分とするとした。このように、異常となった昇圧ユニットの能力利用率を調整せず、マップの限界数αを基本的に0としてもよい。
<3>「全部の昇圧ユニットが異常の場合」
全部の昇圧ユニットが異常の場合の作動について、図6を参照して説明する。
第1昇圧ユニット511及び第2昇圧ユニット512が異常であることを異常判定部49が判定すると、ドライバ回路530は、第1充電スイッチ531及び第2充電スイッチ532の駆動を停止する。これにより、点火信号IGTの出力期間中、第1充電スイッチ信号SW1及び第2充電スイッチ信号SW2は常時オフとなる。つまり、昇圧回路部51の能力がゼロの状態となる。
結局、エネルギ投入用電圧としてコンデンサ56に蓄積されるコンデンサ電圧Vdcがゼロとなるため、エネルギ投入部50によるエネルギ投入が実施不能となる。点火制御部33は、エネルギ投入期間信号IGW(参照のため二点鎖線で示す)の出力を中止する。
その結果、時刻t2における一次電流I1の増減によって発生する二次電流I2による「通常点火」のみが実施されることとなる。
(効果)
(1)本実施形態の点火装置301は、昇圧回路部51が複数の昇圧ユニット511、512によって構成されているため、一部の昇圧ユニットが故障しても、他の正常な昇圧ユニットにより投入エネルギを生成することができる。よって、特許文献1の従来技術のように、故障時専用の通電経路を必要としない。
(2)本実施形態の点火装置301は、昇圧回路部51における複数の昇圧ユニット511、512のうちいずれかが異常であることを判定する異常判定部49と、エネルギ投入部50による投入エネルギを制御する点火制御部33を備えている。異常判定部49によっていずれかの昇圧ユニットの異常が判定されたとき、点火制御部33は、昇圧回路部51の能力に応じて、目標二次電流I2*又はエネルギ投入期間IGWの少なくとも一方を変更する。詳しくは、昇圧回路部51の能力が低下するほど目標二次電流I2*を低く、又は、エネルギ投入期間IGWを短く変更する。
これにより、昇圧回路部51の能力が低下した場合でも、昇圧回路部51が生成したエネルギを、エネルギ投入部50が点火コイル40に効率的に投入することができるため、エネルギ投入に伴う消費電力を抑制し、燃費の低下を回避することができる。また、混合気への着火性を確保することで、燃焼室17からの未燃焼ガス等のエミッションの排出を抑制しつつ、安定した退避走行を実現することができる。
(3)本実施形態の昇圧回路部51を構成する昇圧ユニット511、512は、電気的性能が互いに同等に設定されており、点火制御部33は、昇圧ユニット511、512のいずれが異常と判定された場合も、目標二次電流I2*又はエネルギ投入期間IGWを同様に、例えば正常時の約半分に変更する。異常の昇圧ユニットを区別する必要が無いため、処理を単純にすることができる。
(4)本実施形態の点火装置301は、エネルギ投入制御の方式として、昇圧回路部51で昇圧しコンデンサ56に蓄電した投入エネルギを、一次コイル41の接地側から投入する方式を採用している。低電圧側からエネルギを投入することで最低限のエネルギを効率良く投入しつつ、点火可能な状態を一定期間持続させることができる。
また、エネルギ投入期間IGW中、二次電流I2は、常に負の値となり、交番電流を用いる他の方式のようにゼロクロスしないため、吹き消えの発生を防止することができる。
(5)本実施形態の点火装置301は、二次電流検出抵抗47及び二次電流検出回路48を備え、二次電流I2をフィードバック制御するため、フィードフォワード制御に対し、二次電流I2の実値を目標二次電流I2*に精度良く一致させることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について、図7、図8を参照して説明する。図7の構成図において第1実施形態の図2と実質的に同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、第2実施形態では、電子制御ユニット32に、「投入エネルギ制御手段」としての点火制御部33、及び「内燃機関制御手段」としてのエンジン制御部34を含む。ただし、この区分は説明の便宜上のものであり、現実の物理的な区分や配置を意味するものではない。第2実施形態の点火装置302は、点火コイル40、点火回路ユニット31、及び、「電子制御ユニット32のうちの点火制御部33」を含む。
また、点火装置302の異常判定部49からの異常信号ERRは、電子制御ユニット32のエンジン制御部34及び充電スイッチ用ドライバ回路530に出力される。エンジン制御部34は、異常信号ERRに基づいて、スロットル弁14のアクチュエータ及びインジェクタ16に信号を出力し、吸気量及び燃料噴射量を制御することで混合気の空燃比を変更する。点火装置302のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
図8に示すように、エンジン制御部34は、異常ユニット数が少ないときほど空燃比をリーンとし、異常ユニット数が多いときほど空燃比をリッチとする。図8の縦軸はリーン又はリッチの方向を示すのみであり、具体的な数値を表すものでない。
また、第1実施形態の図5と同様に、異常ユニット数がα以下の領域は、正常な昇圧ユニットのみで正常時の総エネルギを出力可能な余裕領域であるため、エンジン制御部34は空燃比を一定に維持する。ただし、余裕領域を設けなくてもよい。
第2実施形態では、昇圧回路部51の能力が低下するほど混合気の空燃比をリッチ側に変更することで、吹き消えや失火の発生を好適に防止しつつ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、昇圧回路部51の全ての昇圧ユニットが異常となった場合、エネルギ投入部50によるエネルギ投入自体が実施不能となる。そこで、一次電流I1の増減によって発生する二次電流I2による「通常点火」において空燃比をリッチ側に変更することで、点火プラグ7による混合気の着火性を向上させることができる。
さらに、第1実施形態と第2実施形態を組み合わせてもよい。すなわち、昇圧回路部51のいずれかの昇圧ユニットが異常となったとき、異常判定部49からの異常信号ERRを点火制御部33及びエンジン制御部34の両方に送信し、投入エネルギの制御値と空燃比との両方を変更する。これにより、エネルギ投入に伴う消費電力を抑制しつつ、より着火性を向上させることができる。よって、さらに安定した退避走行を実現可能となる。
(その他の実施形態)
(ア)上記実施形態のエネルギ投入部50は、複数の昇圧ユニット511、512を有する昇圧回路部51が出力したエネルギを「一次コイルの接地側から投入する方式」を採用している。本発明のエネルギ投入部は、この形態の他、複数の昇圧ユニットを有する昇圧回路部が出力したエネルギを一次コイルのバッテリ側や二次コイルに投入する方式を採用してもよい。
また、図2の構成の点火装置301によるエネルギ投入制御は、図3に示すように、点火信号IGTのHレベル中に充電スイッチ信号SW1、SW2をオンオフしてコンデンサ電圧Vdcを蓄積した後、エネルギ投入期間IGWに、一次コイル41の接地側にエネルギを投入する方法に限らない。例えば、エネルギ投入期間IGWに、充電スイッチ信号SW1、SW2と放電スイッチ信号SWdとを交互にオンオフ制御することで、充電スイッチ信号SW1、SW2がオンのときエネルギ蓄積コイル52が蓄積したエネルギを、その都度、一次コイル41の接地側に投入するようにしてもよい。その場合、コンデンサ56を備えなくてもよい。
(イ)昇圧回路部を構成する複数の昇圧ユニットの数は、2つ以上、いくつでもよい。上記実施形態の昇圧回路部51を構成する2つの昇圧ユニット511、512は、電気的性能が互いに同等に設定されているが、他の実施形態では、複数の昇圧ユニットの電気的性能に優劣をつけてもよい。その場合、どの昇圧ユニットが異常であるかによって、投入エネルギの制御値や混合気の空燃比の狙い値を変更することが好ましい。
(ウ)二次電流I2の制御は、上記実施形態のように、二次電流検出抵抗47及び二次電流検出回路48を備え、二次電流I2をフィードバック制御する形態に限らない。例えば、二次電流検出抵抗47及び二次電流検出回路48を備えず、二次電流I2をフィードフォワード制御してもよい。
(エ)点火回路ユニット31は、電子制御ユニット32を収容するハウジング内に収容されるか、或いは点火コイル40を収容するハウジング内に収容されてもよい。
点火スイッチ45及びエネルギ投入部50は別々のハウジング内に収容されてもよい。例えば、点火コイル40を収容するハウジング内に点火スイッチ45が収容され、電子制御ユニット32を収容するハウジング内にエネルギ投入部50が収容されてもよい。
(オ)点火スイッチは、IGBTに限らず、比較的耐圧の高い他のスイッチング素子で構成されてもよい。また、充電スイッチ及び放電スイッチは、MOSFETに限らず、他のスイッチング素子で構成されてもよい。
(カ)直流電源は、バッテリに限らず、例えば交流電源をスイッチングレギュレータ等によって安定化した直流安定化電源等で構成されてもよい。
(キ)電子制御ユニット32は、点火制御部33及びエンジン制御部34の機能部分が一つのユニットとして構成されてもよく、或いは、信号線等によって互いに通信される別体のユニットとして構成されてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
13 ・・・内燃機関、 17 ・・・燃焼室、
30(301、302) ・・・点火装置、
33 ・・・点火制御部(投入エネルギ制御手段)、
34 ・・・エンジン制御部(内燃機関制御手段)、
40 ・・・点火コイル、
41 ・・・一次コイル、 42 ・・・二次コイル、
45 ・・・点火スイッチ、
49 ・・・異常判定部、
50 ・・・エネルギ投入部、
51 ・・・昇圧回路部、 511、512 ・・・昇圧ユニット、
6 ・・・バッテリ(直流電源)、
7 ・・・点火プラグ。

Claims (5)

  1. 内燃機関(13)の燃焼室(17)において混合気に点火する点火プラグ(7)の動作を制御する点火装置(301)であって、
    直流電源(6)から供給される一次電流が流れる一次コイル(41)、及び、前記点火プラグの電極に接続され、前記一次電流の通電および遮断による二次電圧が発生し二次電流が流れる二次コイル(42)を有する点火コイル(40)と、
    前記一次コイルの前記直流電源と反対側である接地側に接続され、点火信号(IGT)にしたがって前記一次電流の通電と遮断とを切り替える点火スイッチ(45)と、
    前記直流電源の電源電圧を昇圧可能な複数の昇圧ユニット(511、512)が互いに並列に接続されて構成された昇圧回路部(51)と、
    前記点火スイッチにより前記一次電流を遮断し、前記遮断による二次電圧で前記点火プラグの放電を発生させた後の所定のエネルギ投入期間(IGW)において、前記昇圧回路部が出力したエネルギを前記点火コイルに投入するエネルギ投入部(50)と、
    前記昇圧回路部における前記複数の昇圧ユニットのうちのいずれかが異常であることを判定する異常判定部(49)と、
    前記エネルギ投入部による投入エネルギを制御する投入エネルギ制御手段(33)と、
    を備え、
    前記異常判定部によっていずれかの前記昇圧ユニットの異常が判定されたとき、
    前記投入エネルギ制御手段は、前記昇圧回路部の能力に応じて、前記二次電流の目標値(I2*)、又は、前記エネルギ投入期間の少なくとも一方を変更することを特徴とする点火装置。
  2. 内燃機関(13)の燃焼室(17)において混合気に点火する点火プラグ(7)の動作を制御する点火装置(302)であって、
    直流電源(6)から供給される一次電流が流れる一次コイル(41)、及び、前記点火プラグの電極に接続され、前記一次電流の通電および遮断による二次電圧が発生し二次電流が流れる二次コイル(42)を有する点火コイル(40)と、
    前記一次コイルの前記直流電源と反対側である接地側に接続され、点火信号(IGT)にしたがって前記一次電流の通電と遮断とを切り替える点火スイッチ(45)と、
    前記直流電源の電源電圧を昇圧可能な複数の昇圧ユニット(511、512)が互いに並列に接続されて構成された昇圧回路部(51)と、
    前記点火スイッチにより前記一次電流を遮断し、前記遮断による二次電圧で前記点火プラグの放電を発生させた後の所定のエネルギ投入期間(IGW)において、前記昇圧回路部が出力したエネルギを前記点火コイルに投入するエネルギ投入部(50)と、
    前記昇圧回路部における前記複数の昇圧ユニットのうちのいずれかが異常であることを判定する異常判定部(49)と、
    を備え、
    前記異常判定部によっていずれかの前記昇圧ユニットの異常が判定されたとき、
    前記内燃機関の運転状態を制御する内燃機関制御手段(34)に対し、前記昇圧回路部の能力に応じて、混合気の空燃比を変更するように指令することを特徴とする点火装置。
  3. 前記エネルギ投入手段は、
    前記一次コイルの接地側から前記点火コイルにエネルギを投入することを特徴とする請求項1または2に記載の点火装置。
  4. 前記昇圧回路部における前記複数の昇圧ユニットは、電気的性能が互いに同等に設定されており、
    前記投入エネルギ制御部は、前記異常判定部によって異常と判定された前記昇圧ユニットの数に基づき、前記昇圧回路部の能力を判断することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の点火装置。
  5. 前記昇圧回路部は、一端が前記直流電源に接続されたエネルギ蓄積コイル(521、522)、及び、前記エネルギ蓄積コイルの他端とグランドとの間に接続され前記エネルギ蓄積コイルからグランドへの電流経路を開閉可能な充電スイッチ(531、532)を有し、
    前記異常判定部は、前記充電スイッチの接地側に設けられた電流検出抵抗(541、542)の検出値に基づき、前記昇圧ユニットの異常を判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の点火装置。
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