JP6213406B2 - エレベータの群管理システム - Google Patents

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Description

本発明は、登録された行先階に基づいて複数台のエレベータのうちのいずれかを割当可能なエレベータの群管理システムに関する。
特許文献1〜3には、かご内荷重や走行距離が所定の条件を満たす場合に、定格速度よりも速い速度で走行可能な可変速エレベータに関する技術が開示されている。
WO2005/102895号公報 特許第4732343号公報 特許第5404394号公報
エレベータが設置されるビルの交通環境によってはかご内荷重(乗車率)や走行距離が所定の条件を満たしにくい場合があり、その場合、可変速エレベータを設置したにもかかわらず、速度アップ運転を十分に行えないことがある。
本発明は、可変速エレベータにおいて、定格速度よりも速い速度でエレベータを走行させる速度アップ運転の頻度を増加させることが可能なエレベータの群管理システムを提供する。
本発明のエレベータの群管理システムは、利用者が所望の行先階を示す行先階呼びを登録するための行先階登録装置と、行先階登録装置で登録された行先階呼びに基づいて複数台の号機のうちのいずれかを行先階呼びに割り当てる制御装置とを備えたエレベータの群管理システムである。
制御装置は、
行先階登録装置で新たな行先階呼びが登録されたときに、複数台の号機のそれぞれを、基準階からの走行距離が速度アップ運転が可能な目標走行距離以上となる所定階よりも下の行先階への行先階呼びが割り当てられている第1の号機と、所定階以上の行先階への行先階呼びのみが割り当てられている第2の号機とに分類し、
新たな行先階呼びの行先階が所定階よりも下の階であるときは、第1の号機に分類される号機の中から優先して、当該新たな行先階呼びに対する割当号機を決定し、
新たな行先階呼びの行先階が所定階以上の階であるときは、第2の号機に分類される号機の中から優先して、当該新たな行先階呼びに対する割当号機を決定する。
本発明によれば、可変速エレベータにおいて、定格速度よりも速い速度でエレベータを走行させる速度アップ運転の頻度を増加させることができる。
実施形態1に係るエレベータの群管理システムの構成を示すブロック図である。 実施形態1に係るエレベータの群管理システムの制御装置の機能を示す機能ブロック図である。 実施形態1に係るエレベータの群管理システムの行先階登録装置の構成を示すブロック図である。 速度アップ運転の概要を説明するための運行線図の一例を示す図である。 実施形態1に係るエレベータの群管理システムにおける号機の割当動作を示すフローチャートである。 実施形態1に係るエレベータの群管理システムにおける号機の割当候補号機の決定動作を示すフローチャートである。 実施形態1に係るエレベータの群管理システムにおいて、行先階が高層階である場合に実行される最終割当候補号機リストの生成動作を示すフローチャートである。 実施形態1に係るエレベータの群管理システムにおける号機の割当動作において生成される各種のリストの一例を示す図である。 実施形態1に係るエレベータの群管理システムにおいて、行先階が下層階である場合に実行される最終割当候補号機リストの生成動作を示すフローチャートである。 実施形態1に係るエレベータの群管理システムにおいて、複数の号機を上層階割当候補号機リスト、下層階割当候補号機リスト、速度アップ維持号機リストに登録する例を示した図である。 実施形態1に係るエレベータの群管理システムにおいて複数の行先階呼びが順次発生した場合における行先階呼びの割当動作の一例及び運行線図を説明する図である。 実施形態1に係るエレベータの群管理システムにおいて複数の行先階呼びが順次発生した場合における行先階呼びの割当動作の一例を説明する図である。
本発明の実施形態に係るエレベータの群管理システムについて図面を参照して説明する。
(実施形態1)
1.構成
図1は、実施形態1に係るエレベータの群管理システムの構成を示すブロック図である。
エレベータの群管理システムは、制御装置10、及び行先階登録装置20を有する。エレベータの群管理システムは、複数台のエレベータ30の走行を統合的に制御する。また、エレベータの群管理システムは、行先階登録装置20で登録された行先階呼びに対して、複数台のエレベータ30(以下、実施形態において適宜「号機」という)のうちのいずれかを割当てる制御を行う。本実施形態では、行先階登録装置20は、ビルのロビー階(1階)に配備されているものとする。なお、行先階登録装置20は各階の乗場あるいは乗場近傍に複数台配備されていてもよい。
エレベータ30は、一例として6台設けられている。各エレベータ30(各号機)は、かご、巻上機(モータ)、釣合おもり、制御部等を有する。各エレベータ30の制御部は、制御装置10からの制御信号に基づいて、巻上機(モータ)等の動作を制御することにより、かごの上昇、下降、停止、走行速度等を制御する。本実施形態において、各エレベータ30(各号機)は可変速エレベータである。可変速エレベータは、かご(利用者(乗客)を含む)と釣合おもりとの重量差が小さい場合において、走行距離が所定距離以上であれば、定格速度よりも速い走行速度で走行可能なエレベータである。定格速度とは、かごに定格積載量に相当する積載荷重を作用させて上昇するときの最高速度である。かごと釣合おもりとの重量差が小さいときとは、例えば乗車率が40%〜60%程度のときであり、このとき、定格速度でかごを昇降させるために要する巻上機の出力は、当該重量差が大きいときよりも小さくてよい。つまり、かごを定格速度で走行させた場合でも巻上機の出力に余裕がある。そのため、定格速度以上に走行速度をアップさせることが可能である。例えば、定格速度が45m/分であれば、走行速度を60m/分にアップすることができる。エレベータ30の制御部は、所定の速度アップ運転条件が成立したときに、制御装置10からの制御信号に基づいて巻上機の回転速度等を制御することにより、定格速度よりも速い走行速度でかご(エレベータ30)を走行させる。以下適宜、各エレベータ30を定格速度よりも速い走行速度で走行させることを「速度アップ運転」という。
制御装置10は、制御部11、記憶部12、及び入出力インタフェース13を備える。記憶部12は、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態の各種機能を実現するためのプログラムを含む。制御部11は、演算処理を行う。制御装置10は、制御部11が上記プログラムに基づいて種々のデータ等に対して演算処理を行うことにより、後述する各種の機能を実現する。制御部11は、例えばCPU、MPU、またはFPGAで構成される。制御装置10の機能は、ハードウェアとソフトウェアとの協働で実現されてもよいし、ハードウェア(電子回路)のみで実現されてもよい。
入出力インタフェース13は、行先階登録装置20及び複数のエレベータ30との間で信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース13は、制御部11から出力される信号を所定の形式の信号に変換して出力する。また、入出力インタフェース13は、行先階登録装置20及び複数のエレベータ30から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部11に出力する。
図2は、実施形態1に係るエレベータの群管理システムの制御装置10の機能を示す機能ブロック図である。
本制御装置10の制御部11は、行先階呼び割当部11A、速度切替指令部11Bの各機能を実現する。行先階呼び割当部11Aは、入出力インタフェース13を介して行先階登録装置20から、行先階呼びに対する号機の割当依頼信号を受信すると、割当号機を決定し、割当号機に関する情報を、入出力インタフェース13を介して行先階登録装置20に送信する。また、行先階呼び割当部11Aは、割当号機が速度アップ可能であるか否かを判断し、速度アップ可能である場合は、速度切替指令部11Bに速度切替信号を出力する。速度切替信号が入力されると、速度切替指令部11Bは、入出力インタフェース13を介して割当号機に速度切替信号を送信する。速度切替信号を受信すると、割当号機は、巻上機(モータ)の回転速度の上昇等を行う。これにより、号機のかごの走行速度がアップする。
図3は、実施形態1に係るエレベータの群管理システムの行先階登録装置20の構成を示すブロック図である。
行先階登録装置20は、制御部21、記憶部22、入出力インタフェース23、表示部24、及び操作部25を有する。記憶部22は、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態の各種機能を実現するためのプログラムを含む。制御部21は、演算処理を行う。行先階登録装置20は、制御部21が上記プログラムに基づいて種々のデータ等に対して演算処理を行うことにより、各種の機能を実現する。制御部21は、例えばCPU、MPU、またはFPGAで構成される。行先階登録装置20の機能は、ハードウェアとソフトウェアとの協働で実現されてもよいし、ハードウェア(電子回路)のみで実現されてもよい。
入出力インタフェース23は、制御装置10との間で信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース23は、制御部21から出力される信号を所定の形式の信号に変換して出力する。また、入出力インタフェース23は、制御装置10から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部21に出力する。
表示部24は、制御部21から出力される表示信号に基づく表示を行う。
操作部25は、利用者が行先階を入力するためのインタフェースである。本実施形態では、操作部25として、例えば、図1等に示すように、テンキーを採用している。操作部25は、操作部25の操作内容に対応する信号を制御部21に出力する。
2.動作
本実施形態のエレベータは、号機のかごの走行速度を走行距離や乗車率に応じて定格速度よりも速い速度で走行可能な可変速エレベータである。制御装置10は、速度アップ運転条件を満たす走行区間(以下、適宜「速度アップ可能区間」という)が存在する号機について、当該速度アップ可能区間において、速度アップ運転を行う。速度アップ運転条件は、(1)走行区間の走行距離が目標走行距離以上であり、かつ(2)当該走行区間の乗車率が目標乗車率の範囲内にあることである。乗車率とは、かごへの乗車定員に対する乗車人数の比率であり、乗車人数は行先階呼びの登録個数から求めることができる。目標乗車率の範囲とは、速度アップ運転が可能となる乗車率の範囲である。目標乗車率の範囲は、かご(利用者を含む)と釣合おもりとの重量差が速度アップ運転を可能とする所定量以下となる範囲に基づいて設定される。走行距離とは、エレベータの上昇運転または下降運転時の上下方向の距離である。エレベータは、階間で走行するので、走行距離は、出発階と行先階との間の階間距離として求めることができる。目標走行距離とは、速度アップ運転を行った場合に所望の走行時間短縮効果が得られる予め設定した走行距離である。目標走行距離は、目標とする走行時間短縮量に応じて任意の値に設定すればよい。
図4は、速度アップ運転の概要を説明するための運行線図の一例を示す図である。図4に示す例では、目標走行距離はロビー階から所定階までの階間距離であり、目標乗車率は40%〜60%である。上昇過程における区間Aにおいて、走行距離は目標走行距離以上であり、乗車率は50%で目標乗車率の範囲内である。そのため、区間Aにおいて、速度アップ運転を行うことができる。しかし、区間Bにおいては、乗車率は目標乗車率の範囲内にあるが、走行距離は目標走行距離よりも短い。そのため、速度アップ運転を行うことはできない。また、区間Cにおいては、乗車率は目標乗車率の範囲内になく、また走行距離は目標走行距離よりも短い。そのため、速度アップ運転を行うことはできない。
ここで、区間Aの途中において所定階よりも下の階に新たな行先階呼びが割り当てられると、区間Aが分割されるため、走行距離が目標走行距離以上の区間がなくなり、速度アップ運転をしても走行時間短縮効果は得られない。本実施形態では、このような状況が生じるのを極力抑制するために、以下のような構成を採用している。以下、詳しく説明する。
図5は、実施形態1に係るエレベータの群管理システムにおける号機の割当動作を示すフローチャートである。
行先階登録装置20において、操作部25に対して利用者により行先階の指定操作が行われると、操作部25は指定操作に対応する行先階呼びの信号を行先階登録装置20の制御部21に出力する。制御部21は、指定操作に対応する行先階呼びの信号に所定の処理を施した後、当該処理後の信号を入出力インタフェース23を介して制御装置10に出力する(S10)。
行先階登録装置20からの行先階呼びの信号を受信すると、制御装置10は、当該行先階呼びの信号に基づいて、複数台のエレベータ30の中から割当可能な号機(以下、適宜「割当候補号機」という)を決定し、最終割当候補号機リストを生成する(S11)。当該判断の詳細については後述する。
制御装置10は、最終割当候補号機リストに示された割当候補号機の中から1台の割当号機を決定し、決定した割当号機を示す信号を行先階登録装置20に出力する(S12)。決定した割当号機を示す信号を受信すると、行先階登録装置20は、割当号機を示す情報を表示部24に表示する。なお、割当候補号機の中からの1台の割当号機の決定は、所定の割当ルールに基づいて、例えば全乗客待ち時間合計の最小化等のサービス性評価に基づいて行われる。サービス性評価の方法は、公知の技術が利用可能である。
次に、図5のステップS11における割当候補号機の決定に関する判断について説明する。図6は、実施形態1に係る割当候補号機に関する判断動作を示すフローチャートである。
制御装置10は、行先階呼びの信号が示す行先階が所定階以上の上層階か、所定階よりも下の下層階かを判断する(S21)。所定階は、ロビー階からの走行距離が目標走行距離以上となる階である。
行先階呼びの信号が示す行先階が上層階であるときは、制御装置10は上層階用の割当候補号機判断制御により最終割当候補号機リストを作成する(S22)。
行先階呼びの信号が示す行先階が下層階であるときは、制御装置10は下層階用の割当候補号機判断制御により最終割当候補号機リストを作成する(S23)。
次に、図6のステップS22における、行先階が高層階である場合に実行される最終割当候補号機リストの生成動作について説明する。図7は、実施形態1に係るエレベータの群管理システムにおいて、行先階が高層階である場合に実行される最終割当候補号機リストの生成動作を示すフローチャートである。
制御装置10は、下層階割当候補号機リスト、上層階割当候補号機リスト、及び速度アップ維持号機リストをそれぞれ初期化する(S31)。すなわち、制御装置10は、各リストをいずれの号機も登録されていない状態とする、これらのリストは、割当候補号機判断制御において最終割当候補号機リストを作成する際に、行先階呼びに関する情報や各号機への行先階呼びの割当状態に基づいて複数の号機を分類して登録したリストである。
速度アップ維持号機リストには、現状で走行距離が目標走行距離以上でかつ乗車率が目標乗車率の範囲内にある走行区間、つまり現状で速度アップ運転が可能な走行区間を有するが、新たな行先階呼びを割り当てると上記速度アップ運転が可能な走行区間がなくなる号機が登録される。
上層階割当候補号機リストには、(1)走行距離が目標走行距離以上だが、当該走行区間の乗車率がまだ目標乗車率の範囲に到達していない走行区間を有する号機、つまり、新たな行先階呼びを割り当てると速度アップ運転が可能となる可能性のある号機、(2)走行距離が目標走行距離以上でかつ乗車率が目標乗車率の範囲内にある、つまり現状で速度アップ運転が可能な走行区間を有し、かつ新たな行先階呼びを割り当てても速度アップ運転が可能な号機、及び(3)行先階呼びがまだ割り当てられていない号機が登録される。
下層階割当候補号機リストには、(1)下層階への行先階呼びが割り当てられている号機、及び(2)走行距離が目標走行距離以上の走行区間が存在するが、当該走行区間の乗車率が既に目標乗車率よりも大きい走行区間を有する号機、つまり新たな行先階呼びを割り当てても速度アップ運転が可能となる可能性がない号機が登録されるリストである。
なお、既に満員状態にある号機は、新たな行先階呼びに対して割り当てることができないため、いずれのリストにも登録されない。
図8は、これらのリストの一例を示す図である。本例では、1号機〜6号機の6台の号機が存在する場合を示す。図8(a)は、上層階割当候補号機リストの一例を示し、本例では、2号機と3号機が登録されている。図8(b)は、下層階割当候補号機リストの一例を示し、本例では、5号機と6号機が登録されている。図8(c)は、速度アップ維持号機リストの一例を示し、本例では、4号機が登録されている。図8(d)は、最終割当候補号機リストの一例を示し、本例では、2号機と3号機が登録されている。なお、1号機は、いずれのリストにも登録されていない。これは、1号機は既に満員状態にあり、新たな行先階呼びに対して割り当てることができないからである。本例では、最終割当候補号機リストに登録されている号機と、上層階割当候補号機リストに登録されている号機とが同じであり、このことは、上層階割当候補号機リストが最終割当候補号機リストとして採用されたことを示している。
図7に戻り、各リストを初期化すると、制御装置10は、号機番号iとして1を設定する(S32)。なお、号機番号iの号機を以下適宜「i号機」という。
制御装置10は、ロビー階出発時のi号機の乗車人数が既に乗車定員に達しているか否か、つまりi号機が満員状態であるか否かを判定する(S33)。乗車定員は、号機毎に予め設定されている。ここで、制御装置10は、号機毎に、登録された行先階呼びの数(行先階呼びの登録個数)をカウントしている。行先階呼びの登録個数は、ロビー階出発時の乗車人数と等しい。そのため、制御装置10は、i号機における行先階呼びの登録個数が乗車定員に達しているか否かを判断することにより、i号機が満員状態か否かを判断することができる。
i号機が満員状態である場合(S33でYes)、当該i号機に行先階呼びを割り当てることができない。そのため、制御装置10は、当該i号機を割当候補号機とするか否かの判断を行わず、次の号機について割当候補号機に関する判断を行うため、後述するステップS41、S42の処理を行う。
これに対し、i号機が満員状態でない場合(S33でNo)、制御装置10は、i号機が行先階呼びを有するか否かを判断する(S34)。行先階呼びを有するか否かは、i号における行先階呼びの登録個数が1以上か否かに基づいて判断することができる。例えば、後述する図10(a)に示すような、現時点における行先階呼びの割当状態を記録するリストを記憶部12に記憶しておき、当該リストに記録されている行先階呼びの登録個数に基づいて判断してもよい。
i号機が行先階呼びを有する場合(S34でYes)、制御装置10は、i号機が所定階以上の上層階への行先階呼びのみを有するか否かを判断する(S35)。本判断では、(1)i号機が所定階よりも下の下層階への行先階呼びのみを有している場合や、(2)i号機が所定階よりも下の下層階と所定階以上の上層階との両方に行先階呼びを有している場合は、本ステップの条件を満たさないこととなる。ここで、制御装置10は、各号機と、各号機に割り当てられている行先階呼びに関する情報とを対応付けて記録した、後述する図10(a)に示すような、行先階呼びリストを記憶している。制御装置10は、当該行先階呼びリストを参照することにより、i号機が所定階以上の上層階への行先階呼びのみを有するか否かを判断することができる。
i号機が所定階以上の上層階以外への行先階呼びを有する場合(S35でNo)、制御装置10は、i号機を下層階割当候補号機リストに登録する(S38)。
これに対し、i号機が所定階以上の上層階への行先階呼びのみを有する場合(S35でYes)、制御装置10は、i号機の乗車率が、既に割り当てられている行先階呼びにより目標乗車率の範囲の最大値(以下、適宜「目標乗車率の最大値」という)より大きくなっているか否かを判断する(S36)。乗車率は、前述のように乗車定員に対する乗車人数の比率であり、上記行先階呼びの登録個数に基づいて求めることができる。目標乗車率の範囲は例えば40%〜60%である。そのため、本実施形態では、i号機の乗車率が60%より大きいか否かを判断している。
i号機の乗車率が目標乗車率の最大値より大きい場合(S36でYes)、制御装置10は、i号機を下層階割当候補号機リストに登録する(S38)。i号機が所定階以上の上層階への行先階呼びを有していても、i号機の乗車率が目標乗車率の最大値より大きい場合、現在登録されている行先階呼びが全て消化された後の次のサービスサイクル(1階から上昇して、1階に戻ってくるまでのサイクル)までは速度アップ運転区間が生成される可能性がない。そのため、下層階割当候補号機リストに登録するものである。
これに対し、i号機の乗車率が目標乗車率の最大値より大きくない場合(S36でNo)、制御装置10は、i号機に新規の行先階呼びを割り当てたときにi号機の乗車率が目標乗車率の最大値以下であるか否かを判断する(S37)。
i号機の乗車率が目標乗車率の最大値以下である場合(S37でYes)、制御装置10は、i号機を上層階割当候補号機リストに登録する(S39)。
これに対し、i号機の乗車率が目標乗車率の最大値以下でない場合(S37でNo)、制御装置10は、i号機を速度アップ維持号機リストに登録する(S40)。
ステップS38〜S40のいずれかにおいてi号機をいずれかのリストに登録し、あるいはステップS33でi号機が満員状態であると判断した場合、制御装置10は、全号機について、判定処理(ステップS33〜S40)が完了したか否かを判断する(S41)。
全号機についての判定処理が完了していない場合(S41でNo)、制御装置10は、次の号機についての判定処理を行うため、号機番号iに1を加算して(S42)、ステップS33に戻り、ステップS33以後の処理を繰り返す。
全号機についての判定処理が完了した場合(S41でYes)、制御装置10は、上層階割当候補号機リストに1台以上の号機が登録されているか否かを判断する(S43)。
上層階割当候補号機リストに1台以上の号機が登録されている場合(S43でYes)、制御装置10は、上層階割当候補号機リストを最終割当候補号機リストとして記憶する(S44)。
これに対し、上層階割当候補号機リストに1台以上の号機が登録されていない場合(S43でNo)、制御装置10は、下層階割当候補号機リストに1台以上の号機が登録されているか否かを判断する(S45)。
下層階割当候補号機リストに1台以上の号機が登録されている場合(S45でYes)、制御装置10は、下層階割当候補号機リストを最終割当候補号機リストとして記憶する(S46)。
これに対し、下層階割当候補号機リストに1台以上の号機が登録されていない場合(S45でNo)、制御装置10は、速度アップ維持号機リストを最終割当候補号機リストとして記憶する(S47)。
これにより、図6のステップS22における、行先階が高層階である場合に実行される最終割当候補号機リストの生成動作は終了する。
次に、図6のステップS23における、行先階が低層階である場合に実行される最終割当候補号機リストの生成動作について説明する。図9は、実施形態1に係るエレベータの群管理システムにおいて、行先階が層階である場合に実行される最終割当候補号機リストの生成動作を示すフローチャートである。なお、ステップS51〜S62では、ステップS31〜S42と同様の処理が行われるため、説明を省略する。
全号機についての判定処理が完了したと判断した場合、つまりいずれかのリストへの登録処理が完了した場合(S61でYes)、制御装置10は、下層階割当候補号機リストに1台以上の号機が登録されているか否かを判断する(S63)。
下層階割当候補号機リストに1台以上の号機が登録されている場合(S63でYes)、制御装置10は、下層階割当候補号機リストを最終割当候補号機リストとして記憶する(S64)。
これに対し、下層階割当候補号機リストに1台以上の号機が登録されていない場合(S63でNo)、制御装置10は、上層階割当候補号機リストに1台以上の号機が登録されているか否かを判断する(S65)。
上層階割当候補号機リストに1台以上の号機が登録されている場合(S65でYes)、制御装置10は、上層階割当候補号機リストを最終割当候補号機リストとして記憶する(S66)。
これに対し、上層階割当候補号機リストに1台以上の号機が登録されていない場合(S65でNo)、制御装置10は、速度アップ維持号機リストを最終割当候補号機リストとして記憶する(S67)。
図10は、上述の図7、図9のフローチャートに基づく制御により、複数の号機を上層階割当候補号機リスト、下層階割当候補号機リスト、速度アップ維持号機リストに登録する例を示した図である。図10(a)は、新たな行先階呼びが登録された時点で、既に各号機に割り当てられている行先階呼びの数(行先階呼びの登録個数(予測乗車人数))、及び当該行先階呼びに係る行先階が記録されている行先階呼び割当リストの一例を示す図である。図10(b)は、図10(a)で示す割当状態において、新たな行先階呼びを各号機に割り当てた場合に、当該号機が上層階割当候補号機リストと、下層階割当候補号機リストと、速度アップ維持号機リストとのいずれに登録されるかを説明した図である。
図10(a)において、行先階呼びの登録個数は、新たな行先階呼びが登録された時点で既に各号機に割り当てられている行先階呼びの数、つまり乗車人数を示す。行先階は、新たな行先階呼びが登録された時点で既に各号機に割り当てられている行先階呼びに係る行先階を示す。本例においてビルは20階建てで、6台の号機が設けられ、各号機は、乗車定員が10人で、1階(ロビー階)から20階の各階の間で走行可能であるものとする。また、所定階は11階であり、目標走行距離は、1階から11階までの階間距離とする。目標乗車率は、40%〜60%とする。本例では、乗車定員を10人としているので、目標乗車率に対応する乗車人数は4人〜6人となる。
1号機において、乗車人数(行先階呼びの登録個数)は10で、行先階は2階と6階である。この場合、乗車率は100%で、満員状態である。そのため、1号機に新たな行先階呼びを割り当てることができない。したがって、1号機はいずれのリストにも登録されない。
2号機において、乗車人数は5で、行先階は14階と17階である。この場合、乗車率は50%で、目標乗車率の範囲内である。2号機に新たな行先階呼びを割り当てた場合、乗車人数が6となり、乗車率が60%となるが、目標乗車率の範囲内である。行先階は14階と17階、つまり上層階である。したがって、2号機は、上層階割当候補号機リストに登録される。
3号機において、行先階呼びは全く割り当てられていない。そのため、3号機は、上層階割当候補号機リストに登録される。
4号機において、乗車人数は6で、行先階は11階と15階である。この場合、乗車率は60%で、目標乗車率の範囲内である。4号機に新たな行先階呼びを割り当てた場合、乗車人数が7となり、乗車率が70%となる。そのため、乗車率が目標乗車率の最大値より大きくなる。行先階は11階と15階、つまり上層階である。したがって、4号機は、速度アップ維持号機リストに登録される。
5号機において、乗車人数は8で、行先階は13階と18階である。この場合、乗車率は80%で、目標乗車率の最大値よりも大きい。行先階は13階と18階、つまり上層階である。しかし、乗車率は80%で目標乗車率の最大値よりも大きい。そのため、速度アップ運転は不可能である。したがって、5号機は、下層階割当候補号機リストに登録される。
6号機において、乗車人数は3で、行先階は8階である。この場合、行先階は下層階である。したがって、6号機は、下層階割当候補号機リストに登録される。
図10(b)に示すように、新たな行先階呼びに係る行先階が例えば15階である場合、図7のフローチャートによれば、まず、ステップS43で上層階割当候補号機リストに1台以上の割当候補号機が登録されているか判断される。図10(b)に示す例においては、上層階割当候補号機リストに2号機と3号機が登録されているので、上層階割当候補号機リストが最終割当候補号機リストとして記憶される。そして、この最終割当候補号機リストに登録されている2号機と3号機の中から所定の割当ルールに基づいて、新たな行先階呼びに対して割当号機が決定される。
また、新たな行先階呼びに係る行先階が例えば3階である場合、図9のフローチャートによれば、まず、ステップS63で下層階割当候補号機リストに1台以上の割当候補号機が登録されているか判断される。図10(b)に示す例においては、下層階割当候補号機リストに5号機と6号機が登録されているので、下層階割当候補号機リストが最終割当候補号機リストとして記憶される。そして、この最終割当候補号機リストに登録されている5号機と6号機の中から所定の割当ルールに基づいて、新たな行先階呼びに対して割当号機が決定される。
図11は、実施形態1に係るエレベータの群管理システムにおいて複数の行先階呼びが順次発生した場合における行先階呼びの割当動作の一例及び運行線図を説明する図である図12は、実施形態1に係るエレベータの群管理システムにおいて複数の行先階呼びが順次発生した場合における行先階呼びの割当動作の一例を説明する図である。これらの図の例では、2台の号機があり、ビルは11階建てで、所定階は7階で、目標走行距離はロビー階と所定階との間の階間距離とする。また、乗車定員は5人、目標乗車率は40%〜60%で、目標乗車率に対応する乗車人員数は3人とする。
本例では、8個の行先階呼びが、7階、5階、9階、10階、4階、2階、8階、3階の順で発生したものとする。なお、これらの行先階呼びが発生する前には行先階呼びが発生していなかったものとする。また、1、2号機ともに上方階をサービス中であり、行先階呼びは割当てられていないものとする。
1個目の7階への行先階呼びが発生すると、このとき、いずれの号機にも行先階呼びが割り当てられていないので、1号機及び2号機は、それぞれ、上層階用割当候補号機リストに登録される。今回の行先階呼びに係る行先階の7階は所定階以上の階であるので、最終割当候補号機リストとして上層階用割当候補号機リストが選択される。そして、所定の割当ルールに基づいて、上層階用割当候補号機リストに登録されている号機の中から、すなわち1号機及び2号機の中から、今回の7階への行先階呼びが割り当てられる。なお、本例では、1号機に、当該7階への行先階呼びが割り当てられたものとする。
2個目の5階への行先階呼びが発生すると、このとき、1号機においては、既に所定階以上の7階への行先階呼びのみが割り当てられ、行先階呼びの登録個数が1であり、乗車率が20%で目標乗車率の最大値を超えておらず、また当該新たな行先階呼びを割り当てても乗車率が0%で目標乗車率の最大値を超えないので、上層階用割当候補号機リストに登録される。2号機においては、行先階呼びが割り当てられていないので、上層階用割当候補号機リストに登録される。今回の行先階呼びに係る行先階の5階は所定階よりも下の階であるが、下層階用割当候補号機リストには号機が登録されていないので、最終割当候補号機リストとして上層階用割当候補号機リストが選択される。そして、所定の割当ルールに基づいて、上層階用割当候補号機リストに登録されている号機の中からいずれかの号機に、今回の階への行先階呼びが割り当てられる。なお、本例では、1号機には、7階への行先階呼びが既に割り当てられているので、制御装置10は、2号機に今回の5階への行先階呼びを割り当てる。
3個目の9階への行先階呼びが発生すると、このとき、1号機においては、既に所定階以上の7階への行先階呼びのみが割り当てられ、行先階呼びの登録個数が1であり、乗車率が20%で目標乗車率の最大値を超えておらず、また当該新たな行先階呼びを割り当てても乗車率が40%で目標乗車率の最大値を超えないので、上層階用割当候補号機リストに登録される。2号機においては、既に所定階よりも下の5階への行先階呼びが割り当てられているので、下層階用割当候補号機リストに登録される。今回の行先階呼びに係る行先階の9階は所定階以上の階であるので、割当候補号機を決定するためのリストとして、上層階用割当候補号機リストが優先して利用される。そして、所定の割当ルールに基づいて、上層階用割当候補号機リストに登録されている号機の中からいずれかの号機に、今回の9階への行先階呼びが割り当てられる。本例では、上層階用割当候補号機リストには、1号機のみが登録されているので、1号機に今回の9階への行先階呼びが割り当てられる。
4個目の10階への行先階呼びが発生すると、このとき、1号機においては、既に所定階以上の7階及び9階への行先階呼びのみが割り当てられ、行先階呼びの登録個数が2であり、乗車率が40%で目標乗車率の最大値を超えておらず、また当該新たな行先階呼びを割り当てても乗車率が60%で目標乗車率の最大値を超えないので、上層階用割当候補号機リストに登録される。なお、1号機はこの時点でロビー階に到着しているが、出発開始までに時間があり、10階の行先階を割当てた場合、その乗客は乗り込み可能であるため、上層階用割当候補号機リストに登録可能である。2号機においては、既に所定階よりも下の5階への行先階呼びが割り当てられているので、下層階用割当候補号機リストに登録される。今回の行先階呼びに係る行先階の10階は所定階以上の階であるので、割当候補号機を決定するためのリストとして、上層階用割当候補号機リストが優先して利用される。そして、所定の割当ルールに基づいて、上層階用割当候補号機リストに登録されている号機の中からいずれかの号機に、今回の10階への行先階呼びが割り当てられる。本例では、上層階用割当候補号機リストには、1号機のみが登録されているので、1号機に今回の10階への行先階呼びが割り当てられる。
5個目の4階への行先階呼びが発生すると、1号機においては、既に所定階以上の7階、9階及び10階への行先階呼びのみが割り当てられ、行先階呼びの登録個数が3であり、乗車率が60%で目標乗車率の最大値を超えていないが、当該新たな行先階呼びを割り当てると乗車率が80%となり目標乗車率を超える。そのため、1号機は、速度アップ維持号機リストに登録される。2号機においては、既に所定階よりも下の5階への行先階呼びが割り当てられているので、下層階用割当候補号機リストに登録される。そして、今回の行先階呼びに係る行先階の4階は所定階よりも下の階であるので、割当候補号機を決定するためのリストとして、下層階用割当候補号機リストが優先して利用される。そして、所定の割当ルールに基づいて、下層階用割当候補号機リストに登録されている号機の中からいずれかの号機に、今回の4階への行先階呼びが割り当てられる。本例では、下層階用割当候補号機リストには、2号機のみが登録されているので、2号機に今回の4階への行先階呼びが割り当てられる。
なお、本例では、制御装置10は、先の4個目の10階への行先階呼びを割り当てた後、所定時間経過したときに、1号機の上昇運転を開始させている。所定時間は、例えば、先の4個目の10階への行先階呼びを割り当てた後、利用者の乗車が完了すると想定される時間である。図11の運行線図は、その場合の例を示しており、1号機は、所定時間経過したときに、ロビー階から7階まで速度アップ運転を開始する。このとき、制御装置10は、1号機に割り当てられていた行先階呼びをリセットし、次のサービスサイクルに対して新たな行先階呼びの割当を可能とする。
6個目の2階への行先階呼びが発生すると、このとき、1号機においては、行先階呼びが割り当てられていないので、上層階用割当候補号機リストに登録される。2号機においては、既に所定階よりも下の4階及び5階への行先階呼びが割り当てられているので、下層階用割当候補号機リストに登録される。今回の行先階呼びに係る行先階の階は所定階よりも下の階であるので、割当候補号機を決定するためのリストとして、下層階用割当候補号機リストが優先して利用される。そして、所定の割当ルールに基づいて、下層階用割当候補号機リストに登録されている号機の中からいずれかの号機に、今回の2階への行先階呼びが割り当てられる。本例では、下層階用割当候補号機リストには、2号機のみが登録されているので、2号機に今回の2階への行先階呼びが割り当てられる。
7個目の8階への行先階呼びが発生すると、このとき、1号機においては、ロビー階を出発した後であり、いずれの号機にも行先階呼びが割り当てられていないので、上層階用割当候補号機リストに登録される。2号機においては、既に所定階よりも下の2階、4階及び5階への行先階呼びが割り当てられているので、下層階用割当候補号機リストに登録される。今回の行先階呼びに係る行先階の8階は所定階以上の階であるので、割当候補号機を決定するためのリストとして、上層階用割当候補号機リストが優先して利用される。そして、所定の割当ルールに基づいて、上層階用割当候補号機リストに登録されている号機の中からいずれかの号機に、今回の8階への行先階呼びが割り当てられる。本例では、上層階用割当候補号機リストには、1号機のみが登録されているので、1号機に今回の8階への行先階呼びが割り当てられる。
8個目の3階への行先階呼びが発生すると、このとき、1号機においては、既に所定階以上の8階への行先階呼びのみが割り当てられ、行先階呼びの登録個数が1であり、乗車率が20%で目標乗車率の最大値を超えておらず、また当該新たな行先階呼びを割り当てても乗車率が40%で目標乗車率の最大値を超えないので、上層階用割当候補号機リストに登録される。2号機においては、既に所定階よりも下の2階、4階及び5階への行先階呼びが割り当てられているので、下層階用割当候補号機リストに登録される。なお、2号機はこの時点でロビー階に到着しているが、出発開始までに時間があり、3階の行先階を割当てた場合、その乗客は乗り込み可能であるので、下層階用割当候補号機リストに登録可能である。今回の行先階呼びに係る行先階の3階は所定階よりも下の階であるので、割当候補号機を決定するためのリストとして、下層階用割当候補号機リストが優先して利用される。そして、所定の割当ルールに基づいて、下層階用割当候補号機リストに登録されている号機の中からいずれかの号機に、今回の3階への行先階呼びが割り当てられる。本例では、下層階用割当候補号機リストには、2号機のみが登録されているので、2号機に今回の3階への行先階呼びが割り当てられる。
ここで、本例では、制御装置10は、第2所定時間以上の間、新たな行先階呼びの登録が無い場合、エレベータ(号機)の走行を開始させる。図11の例では、2号機に関し、8個目の3階への行先階呼びを割り当てた後、第2所定時間以上、新たな行先階呼びがなかったため、2号機の上昇運転を開始させている。なお、第2所定時間は、最後の行先階呼びを割り当てた後、利用者の乗車が完了すると想定される時間よりも長い時間である。
以上説明したように、本実施形態の割当制御によれば、新たな行先階呼びが発生した場合において、当該行先階呼びに係る行先階が所定階以上の上層階であるときは、行先階として所定階以上の上層階が既に割り当てられている号機が優先して割り当てられ、当該行先階呼びに係る行先階が所定階よりも下の下層階であるときは、行先階として所定階よりも下の下層階が既に割り当てられている号機が優先的に割り当てられる。そのため、行先階が所定階以上の上層階である行先階呼びが一旦割り当てられたエレベータ(号機)には、行先階が所定階よりも下の低層階である行先階呼びが割り当てられにくくなる。したがって、上層階への行先階呼びが一旦割り当てられたエレベータ(号機)は、速度アップ運転が行われやすくなり、可変速エレベータによる効果が生じやすくなる。
また、行先階呼びに係る行先階が所定階以上の上層階であるが、上層階割当候補号機リストに号機が登録されていないとき、例えば交通繁忙時には、下層階割当候補号機リストや速度アップ維持号機リストに登録されている号機を割り当てることが可能となる。その逆に、行先階呼びに係る行先階が所定階よりも下の下層階であるが、下層階割当候補号機リストに号機が登録されていないとき、例えば交通繁忙時には、上層階割当候補号機リストや速度アップ維持号機リストに登録されている号機を割り当てることが可能となる。したがって、速度アップ可能な号機を生成させやくしつつ、交通繁忙時等には、複数台の号機により行先階呼びを適切に分散させて処理することもできる。
なお、行先階登録方式でない従来の乗場呼び方式のエレベータにおいても可変速エレベータは存在するが、乗場呼び方式のエレベータにおいては、出発時にしか速度アップ運転の可否を判断できず、また、行先階が登録されていないので、意図的に速度アップ区間を生成することはできなかった。本実施形態のエレベータは、行先階登録方式のエレベータであるので、行先階呼びにおける行先階の情報を利用することにより、乗場での行先階登録時に速度アップ運転の可否を判断することが可能となるとともに、意図的に速度アップ区間を生成することができる。これにより、エレベータのサービス性を大きく向上させることができる。
3.まとめ
本実施形態のエレベータの群管理システムは、利用者が所望の行先階を示す行先階呼びを登録するための行先階登録装置20と、行先階登録装置20で登録された行先階呼びに基づいて複数台のエレベータ30のうちのいずれかを行先階呼びに割り当てる制御装置10とを備えたエレベータの群管理システムである。
制御装置10は、
行先階登録装置20で新たな行先階呼びが登録されたときに、複数台の号機のそれぞれを、1階(基準階)からの走行距離が速度アップ運転が可能な目標走行距離以上となる所定階よりも下の行先階への行先階呼びが割り当てられている下層階割当候補号機(第1の号機)と、または所定階以上の行先階への行先階呼びのみが割り当てられている上層階割当候補号機及び速度アップ維持号機(第2の号機)とに分類し、
新たな行先階呼びの行先階が所定階よりも下の階であるときは、下層階割当候補号機(第1の号機)に分類される号機の中から優先して当該新たな行先階呼びに対する割当号機を決定し、
新たな行先階呼びの行先階が所定階以上の階であるときは、上層階割当候補号機及び速度アップ維持号機(第2の号機)に分類される号機の中から優先して当該新たな行先階呼びに対する割当号機を決定する。
これにより、新たな行先階呼びの行先階が所定階よりも下の階であるときは、少なくとも所定階よりも下の行先階への行先階呼びが割り当てられている下層階割当候補号機(第1の号機)に分類される号機の中から優先して当該新たな行先階呼びに対する割当号機が決定される。新たな行先階呼びの行先階が所定階以上の階であるときは、所定階以上の行先階への行先階呼びのみが割り当てられている上層階割当候補号機及び速度アップ維持号機(第2の号機)に分類される号機の中から優先して当該新たな行先階呼びに対する割当号機が決定される。そのため、所定階以上の行先階への行先階呼びのみが割り当てられている上層階割当候補号機及び速度アップ維持号機(第2の号機)に分類される号機に対して、所定階よりも下の行先階への行先階呼びが割り当てられることが抑制される。したがって、所定階以上の行先階への行先階呼びのみが割り当てられている上層階割当候補号機及び速度アップ維持号機(第2の号機)に分類される号機が生成されやすくなり、可変速エレベータにおいて、定格速度よりも速い速度でエレベータを走行させる可変速運転の頻度を増加させることができる。
本実施形態のエレベータの群管理システムにおいて、
制御装置10は、
新たな行先階呼びの行先階が所定階よりも下の階である場合において、下層階割当候補号機(第1の号機)に分類される号機が存在しないときは、上層階割当候補号機及び速度アップ維持号機(第2の号機)に分類される号機の中から当該新たな行先階呼びに対する割当号機を決定し、
新たな行先階呼びの行先階が所定階以上の階である場合において、上層階割当候補号機及び速度アップ維持号機(第2の号機)に分類される号機が存在しないときは、下層階割当候補号機(第1の号機)に分類される号機の中から当該新たな行先階呼びに対する割当号機を決定する。
これにより、新たな行先階呼びの行先階が所定階よりも下の階である場合において、下層階割当候補号機(第1の号機)に分類される号機が存在しないときや、新たな行先階呼びの行先階が所定階以上の階である場合において、上層階割当候補号機及び速度アップ維持号機(第2の号機)に分類される号機が存在しない場合でも、全ての号機が満員状態でない限り、いずれかの号機を割り当てることができる。したがって、複数の号機を、下層階割当候補号機(第1の号機)と上層階割当候補号機及び速度アップ維持号機(第2の号機)とに分類したとしても、利用者に対する新たな行先階呼びの号機の割当のサービス性を低下させることがない。
本実施形態のエレベータの群管理システムにおいて、
制御装置10は、
行先階登録装置20で新たに行先階呼びが登録されたときに、上層階割当候補号機及び速度アップ維持号機(第2の号機)に分類される号機について、さらに、当該新たな行先階呼びを仮割当したときの乗車率が所定乗車率以下の上層階割当候補号機(第3の号機)と、当該新たな行先階呼びを仮割当したときの乗車率が所定乗車率よりも大きい速度アップ維持号機(第4の号機)とに分類し、
当該新たな行先階呼びを仮割当したときの乗車率が所定乗車率よりも大きいときは、当該新たな行先階呼びに対する割当号機として速度アップ維持号機(第4の号機)に分類される号機よりも上層階割当候補号機(第3の号機)に分類される号機を優先して決定する。
これにより、既に速度アップ運転が可能となっている号機に対して新規の行先階呼びを割り当あてた結果速度アップ運転ができなくなることが抑制される。そのため、可変速エレベータにおいて速度アップ運転の頻度を増加させることができる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、行先階(行先階呼び)の登録は、利用者が行先階登録装置20の操作部25を操作することにより行われる。しかし、本発明における行先階(行先階呼び)の登録は、これに限られない。行先階登録装置20にカードリーダを設け、当該カードリーダにより、利用者が有するICカード等から行先階に関する情報を読み取り、読み取った行先階に関する情報に基づいて、行先階(行先階呼び)を登録するようにしてもよい。あるいは、このようなカードリーダを有するセキュリティゲートを行先階登録装置として利用することができる。すなわち、行先階登録装置20は、利用者の乗車階及び行先階に関する情報を取得して、制御装置10に当該情報を送信し、制御装置10により決定された割当号機に関する情報を利用者に対して提示可能な装置であれば、どのような装置であってもよい。
10 制御装置
11 制御部
12 記憶部
13 入出力インタフェース
20 行先階登録装置
21 制御部
22 記憶部
23 入出力インタフェース
24 表示部
25 操作部
30 エレベータ

Claims (4)

  1. 利用者が所望の行先階を示す行先階呼びを登録するための行先階登録装置と、前記行先階登録装置で登録された行先階呼びに基づいて複数台の号機のうちのいずれかを前記行先階呼びに割り当てる制御装置とを備えた、エレベータの群管理システムであって、
    前記制御装置は、
    前記行先階登録装置で新たな行先階呼びが登録されたときに、前記複数台の号機のそれぞれを、基準階からの走行距離が速度アップ運転が可能な目標走行距離以上となる所定階よりも下の行先階への行先階呼びが割り当てられている第1の号機と、前記所定階以上の行先階への行先階呼びのみが割り当てられている第2の号機とに分類し、
    前記新たな行先階呼びの行先階が前記所定階よりも下の階であるときは、前記第1の号機に分類される号機の中から優先して、当該新たな行先階呼びに対する割当号機を決定し、
    前記新たな行先階呼びの行先階が前記所定階以上の階であるときは、前記第2の号機に分類される号機の中から優先して、当該新たな行先階呼びに対する割当号機を決定する、
    エレベータの群管理システム。
  2. 前記制御装置は、
    前記新たな行先階呼びの行先階が前記所定階よりも下の階である場合において、前記第1の号機に分類される号機が存在しないときは、前記第2の号機に分類される号機の中から当該新たな行先階呼びに対する割当号機を決定し、
    前記新たな行先階呼びの行先階が前記所定階以上の階である場合において、前記第2の号機に分類される号機が存在しないときは、前記第1の号機に分類される号機の中から当該新たな行先階呼びに対する割当号機を決定する、
    請求項1に記載のエレベータの群管理システム。
  3. 前記制御装置は、
    前記行先階登録装置で新たに行先階呼びが登録されたときに、前記第2の号機に分類される号機を、さらに、当該新たな行先階呼びを仮割当したときの乗車率が所定乗車率以下の第3の号機、または当該新たな行先階呼びを仮割当したときの乗車率が前記所定乗車率よりも大きい第4の号機に分類し、
    当該新たな行先階呼びを仮割当したときの乗車率が前記所定乗車率よりも大きいときは、当該新たな行先階呼びに対する割当号機として前記第4の号機に分類される号機よりも前記第3の号機に分類される号機を優先して決定する、
    請求項1または請求項2に記載のエレベータの群管理システム。
  4. 利用者が所望の行先階を示す行先階呼びを登録するための行先階登録装置で登録された行先階呼びに基づいて複数台の号機のうちのいずれかを前記行先階呼びに割り当てるエレベータの群管理方法であって、
    前記行先階登録装置で新たな行先階呼びが登録されたときに、前記複数台の号機のそれぞれを、基準階からの走行距離が速度アップ運転が可能な目標走行距離以上となる所定階よりも下の行先階への行先階呼びが割り当てられている第1の号機と、前記所定階以上の行先階への行先階呼びのみが割り当てられている第2の号機とに分類し、
    前記新たな行先階呼びの行先階が前記所定階よりも下の階であるときは、前記第1の号機に分類される号機の中から優先して、当該新たな行先階呼びに対する割当号機を決定し、
    前記新たな行先階呼びの行先階が前記所定階以上の階であるときは、前記第2の号機に分類される号機の中から優先して、当該新たな行先階呼びに対する割当号機を決定する、
    エレベータの群管理方法。
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