JP6213253B2 - 果実袋用紙 - Google Patents

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Description

本発明は、使用時の外光等による白化現象を防止し、強度の低下が少ない果実袋用紙に関する。
従来から、果実を雨、日焼け、虫害などから保護するために、生育中から果実に果実袋を袋掛けする栽培が行われている。果実袋は、新聞紙、ワックス加工紙、撥水加工紙、塩化ビニールシートなどを単独あるいは複数層複合して、袋状あるいは笠状に成形加工して用いられており、果実の育成期間(果実の種類・品種によっても異なるが、一般的には2〜4ヶ月程度と考えられる)に雨、風、日光にさらされても果実との反応性がなく、その間撥水性が持続し、果実を保護する耐久性があることを求められることから、それらの要求を満たす果実袋用紙としてワックス加工紙や撥水加工紙が特によく用いられる。
例えば、特許文献1では、パルプ中にオレンジ色の有機または無機顔料及び特定の屈折率のフィラーを主成分とした果実袋用原紙が提案されている。特許文献2では、パルプ中に有機顔料及び弁柄からなる着色原料を特定量添加した果実袋用原紙が提案されている。これら特許文献の実施例では原紙表面にオレフィン系樹脂を塗工して撥水性を付与することが記載されている。また、特許文献3では、カチオン性湿潤紙力増強剤、アニオン性湿潤紙力剤、塩化アルムニウム無機塩及び中性サイズ剤を内添した果実袋用原紙が提案されている。この実施例では原紙表面にワックスを塗工して撥水性を付与することが記載されている。
果実袋は、屋外で雨、風、日光にさらされるため、撥水性が低下するが、通常、その低下は小さい。しかし、前記特許文献に記載されている果実袋では、栽培条件によっては撥水性が大きく低下するケースもあり、この場合、雨が果実に直接作用して果実の品質が低下したり、また、果実袋に使用されている紙の強度が大きく低下して破れが生じ、その破片が果実表面に付着して収穫作業を妨げるといった問題がある。
特許文献4では、前記の問題を解決するためにワックスエマルジョン、合成樹脂ラテックス及びアクリル系合成保水剤を一定量混合させた撥水塗料を紙支持体に塗工した果実袋用紙を提案している。
しかしながら、前記特許文献に記載されている果実袋においても、特に、日照量、雨量等が多く、使用環境が厳しい一部地域では、白化や撥水性が低下するケースもあり、果実袋に使用されている紙の強度が低下して破れが生じ、果実の生育性に影響するといった問題がある。
特開昭60−110220号公報 特開平7−231728号公報 特開2010−63418号公報 特開2013−170327号公報
使用時の外光等による白化現象を防止し、強度の低下が少ない果実袋用紙を提供することを主な目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、黄色系の有機着色顔料を含有する紙支持体に特定の塗工層を形成することにより、顕著な効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の各発明を包含する。
項1:紙支持体の少なくとも片面に塗工層を備えた果実袋用紙において、前記紙支持体が黄色系の有機着色顔料を含有し、前記塗工層がワックスエマルジョン(A)、合成樹脂ラテックス(B)及びアクリル系合成保水剤(C)を含有する塗料を用いて形成されたものであり、前記(A)と(B)の含有質量比が固形分で(A):(B)=55:45〜97:3であり、前記(C)の含有量が固形分で前記(A)と(B)の合計100質量部に対して0.1〜2.5質量部であることを特徴とする果実袋用紙。
項2:前記アクリル系合成保水剤の塗工量が前記紙支持体中の黄色系の有機着色顔料100質量部に対して固形分で片面当り0.2〜9質量部である、項1に記載の果実袋用紙。
項3:前記黄色系の有機着色顔料の含有量が紙支持体中のパルプ繊維100質量部に対して0.05〜3.5質量部である、項1または2記載の果実袋用紙。
項4:前記塗工層の固形分塗工量が片面当り0.2〜2.0g/mである、項1〜3のいずれか1項に記載の果実袋用紙。
項5:前記紙支持体がポリアクリルアミド系紙力増強剤及び/またはポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン系紙力増強剤を含有する、項1〜4のいずれか1項に記載の果実袋用紙。
項6:前記紙支持体が化学式〔Al(OH)Cl6−n(式中、nは1〜5の整数、mは10以下の整数を表す)で表される無機塩の塩化アルミニウムを含有する、項1〜5のいずれか1項に記載の果実袋用紙。
本発明の果実袋用紙は、使用時の外光等による白化現象を防止し、強度の低下が少ない。また、撥水性に優れる。
本発明における紙支持体は、黄色系の有機着色顔料を含有している。白化、強度低下の主要因としては、屋外での使用時の外光等による紫外線の影響等が大きいことである。この対策として、本発明に使用される有機着色顔料としては、紫外線の散乱・吸収作用が高く、紫外線の影響等を緩和できる内添着色剤である。また、水中に微細な粒子として均一に分散させた顔料でパルプ繊維にムラなく均一に着色し、耐熱性、耐薬品性等の堅牢性にも優れている。そのなかでも、特に黄色系の有機着色顔料が好ましい。黄色系の有機着色顔料としては、たとえばアゾレーキ、不溶性モノアゾ顔料、不溶性ジスアゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などのアゾ顔料;フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料などの多環式顔料;塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなどの染料キレート;ニトロ顔料;ニトロソ顔料などがあげられる。
前記黄色系の有機着色顔料の具体例としては、例えばピグメント・イエロー1(カラー・インデックス(以下、C.I.という)11680)、ピグメント・イエロー3(C.I.11710)、ピグメント・イエロー14(C.I.21095)、ピグメント・イエロー17(C.I.21105)、ピグメント・イエロー42(C.I.77492)、ピグメント・イエロー74(C.I.11741)、ピグメント・イエロー83(C.I.21108)、ピグメント・イエロー93(C.I.20710)、ピグメント・イエロー98(C.I.11727)、ピグメント・イエロー109(C.I.56284)、ピグメント・イエロー110(C.I.56280)、ピグメント・イエロー128(C.I.20037)、ピグメント・イエロー138(C.I.56300)、ピグメント・イエロー139(C.I.56298)、ピグメント・イエロー147(C.I.60645)、ピグメント・イエロー154(C.I.11781)、ピグメント・イエロー155、ピグメント・イエロー180(C.I.21290)、ピグメント・イエロー185などが挙げられる。
市販されている有機顔料の中で好適に用いられるものは、例えば御国色素株式会社製のSP YELLOW RS−5、SP YELLOW R、SP YELLOW GL、SP Orange RAZ、山陽色素株式会社製のSANDYE DP YELLOW IRN、SANDYE DP YELLOW 2617、SANDYE DP YELLOW G−FP−E等が挙げられる。
黄色系の有機着色顔料の含有量は、紙支持体中のパルプ繊維100質量部に対して、好ましくは、0.05〜3.5質量部程度が好ましい。より好ましくは、0.1〜3.0質量部程度であり、更に好ましくは、0.2〜3.0質量部程度である。0.05質量部以上とすることにより、強度を向上することができる。一方、3.5質量部を超えると強度向上の効果が飽和してしまうため、3.5質量部以下とすることにより、製造コストを抑えることができる。
本発明における塗工層は、ワックスエマルジョン(A)、合成樹脂ラテックス(B)及びアクリル系合成保水剤(C)を含有する塗料を用いて形成されている。ワックスエマルジョン、合成樹脂ラテックス及びアクリル系合成保水剤からなる塗料(以下、撥水塗料ともいう)を紙支持体に塗工する際に、アクリル系合成保水剤の保水作用、増粘作用によりワックスエマルジョン、合成樹脂ラテックスの紙支持体内部への浸透を抑制し、また、合成樹脂ラテックスによりワックス成分を紙支持体に定着させるため、撥水性の低下を抑制することができる。
前記(A)と(B)の含有質量比は、固形分で(A):(B)=55:45〜97:3の範囲程度である。前記(A)と(B)の含有質量比は、固形分で(A):(B)=60:40〜95:5程度が好ましく、(A):(B)=70:30〜90:10程度がより好ましい。また、前記(C)の含有量は、固形分で前記(A)と(B)の合計100質量部に対して0.1〜2.5質量部程度であり、0.2〜2.0質量部程度が好ましく、0.5〜1.0質量部程度がより好ましい。ワックスエマルジョンの質量比が55未満であると、ワックス成分が少なく撥水性低下を抑制する効果が不十分となる。一方、97質量部を超えると、合成樹脂ラテックスによるワックス成分の定着効果が低下し、撥水性低下を抑制する効果が不十分となる。また、アクリル系合成保水剤の含有量が0.1質量部未満であると、塗工時にワックスエマルジョン、合成樹脂ラテックスが紙支持体内部へ浸透しやすく、紙表面上に分布する撥水成分が少なくなり、撥水性低下を抑制する効果が不十分となる。一方、2.5質量部を超えるとアクリル系合成保水剤に起因する親水性が強まり、撥水性の発現が不十分となる。
本発明における塗工層(以下、撥水層ともいう)に含有されるアクリル系合成保水剤の塗工量は、紙支持体中の黄色系の有機着色顔料100質量部に対して固形分で片面当り0.2〜9質量部であることが好ましい。より好ましくは、0.3〜7質量部である。この範囲に調節することにより、均一な塗工層を形成して支持体中の有機着色顔料による紫外線の散乱・吸収を高め、白化の抑制と同時に強度及び撥水性に顕著な効果を発揮させることができる。
本発明におけるワックスエマルジョンは、例えば水を分散媒とし、ワックス系成分を分散質とする水性エマルジョンとして用いられる。分散質となるワックス系成分は、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックスやマレイン化石油樹脂などの変性ワックス成分などを単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。中でもパラフィンワックスは撥水性も高く、コスト面でも特に好ましい。また、ワックス系成分は、ロジン系樹脂あるいは不飽和高級アルコール等を含有しても差し支えない。
ワックスエマルジョンに用いる分散剤には特に制限はなく、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤や両性界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド等のポリオキシエチレン構造を有する化合物や、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのソルビタン誘導体等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アシルアミノエチルジエチルアンモニウム塩、アシルアミノエチルジエチルアミン塩、アルキルアミドプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルピリジニウム硫酸塩、ステアラミドメチルピリジニウム塩、アルキルキノリニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、脂肪酸ポリエチレンポリアミド、アシルアミノエチルピリジニウム塩、アシルコラミノホルミルメチルピリジニウム塩等の第4級アンモニウム塩、ステアロオキシメチルピリジニウム塩、脂肪酸トリエタノールアミン、脂肪酸トリエタノールアミンギ酸塩、トリオキシエチレン脂肪酸トリエタノールアミン、セチルオキシメチルピリジニウム塩、p−イソオクチルフェノキシエトキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩等のエステル結合アミンやエーテル結合第4級アンモニウム塩、アルキルイミダゾリン、1−ヒドロキシエチル−2−アルキルイミダゾリン、1−アセチルアミノエチル−2−アルキルイミダゾリン、2−アルキル−4−メチル−4−ヒドロキシメチルオキサゾリン等の複素環アミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、N−アルキルプロピレンジアミン、N−アルキルポリエチレンポリアミン、N−アルキルポリエチレンポリアミンジメチル硫酸塩、アルキルビグアニド、長鎖アミンオキシドなどのアミン誘導体等が挙げられる。両性界面活性剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
分散剤として保護コロイド作用を有する化合物、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子も使用可能である。該化合物としては、例えばポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、変性デンプン、ポリビニル2−ピロリドン、ポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体及びその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体等の不飽和カルボン酸単位の含有量が26質量%以上のカルボキシル基含有ポリマー及びその塩、ポリイタコン酸及びその塩、アミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン等、一般に微粒子の分散安定剤として用いられている化合物等が挙げられる。
次に、ワックスエマルジョンの製造方法について説明する。本発明において使用するワックスエマルジョンを得るための製造方法は特に限定されないが、例えば、可溶化式による乳化分散、機械力式による乳化分散などを挙げることができる。可溶化式による乳化分散では、溶融したワックス系成分と界面活性剤とを混合して加温水を少しずつ注加していく。このとき、油系のW/O乳化状態から可溶化状態を経て水系のO/W乳化状態へと移り、ワックス系成分の微細粒子を析出する。可溶化式による乳化分散は水の注加以外に、非イオン性界面活性剤を用いて温度を上下することによっても行うことができる。機械力式による乳化分散では、ワックス系成分、界面活性剤及び水を全量容器に入れて温度80〜90℃に加熱しながらホモミキサーで撹拌し、十分均一になった後ホモジナイザーで分散させる。
本発明における合成樹脂ラテックスとしては、格別な制限はないが、例えばスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステルの重合体または共重合体ラテックス等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル重合体ラテックス等のビニル系重合ラテックス、あるいはこれらの各種重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性した重合体または共重合体ラテックス等が挙げられる。これら共重合体ラテックスのうち、平均粒子径100〜250nmのものが好適に使用される。
本発明におけるアクリル系合成保水剤は、主にアクリル酸、メタクリル酸などのモノマーを重合したポリマーであり、前記モノマー以外にエチレン系不飽和カルボン酸、その誘導体及び、それらの塩類を共重合することができる。アクリル系合成保水剤は、一般にアルカリ域で溶解し、アクリル系ポリマーと水分子との化学的な結合(水素結合)による作用やアクリル系ポリマーが水分子を包含する物理的な作用により保水効果を高めることができる。
エチレン系不飽和カルボン酸、その誘導体及び、それらの塩類としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸2−メチルブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸2−ヒドロキシヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸2−メチルブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシヘキシル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル及びそれらの塩類などを例示できる。
これらモノマーの重合法には特に制限はなく、溶液重合法、乳化重合法、固体重合法などの任意の方法を用いることができる。用いる重合開始剤としては、水溶性のアゾ化合物や過酸化物、例えば過酸化水素、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジ塩酸塩、水溶性無機過酸化物、または水溶性還元剤と水溶性無機過酸化物や水溶性有機過酸化物との組合せなどがある。
水溶性無機過酸化物としては、過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウムなどを例示できる。水溶性還元剤としては、水に可溶な通常のラジカル酸化還元重合触媒成分として用いられる還元剤、例えばエチレンジアミン四酢酸またはそのナトリウム塩やカリウム塩、あるいはこれらと鉄、銅、クロムなどの重金属との錯化合物、スルフィン酸またはそのナトリウム塩やカリウム塩、L−アスコルビン酸またはそのナトリウム塩やカリウム塩、ピロリン酸第一鉄、硫酸第一鉄、硫酸第一鉄アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、還元糖類などを例示できる。水溶性有機過酸化物としては、例えば、クメンヒドロペルオキシド、p−サイメンヒドロペルオキシド、tert−ブチルイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、デカリンヒドロペルオキシド、tert−アミルヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、イソプロピルヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド類を例示できる。
乳化重合における乳化剤としては、通常アニオン性界面活性剤やノニオン性界面活性剤が用いられる。アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸金属塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩などを例示できる。ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキエチレン脂肪酸エステル、ポリオキエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキエチレンアルキルエーテルグリセリンホウ酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなど、ポリオキシエチレン鎖を分子内に有し、界面活性能を有する化合物及び前記化合物のポリオキシエチレン鎖がオキシエチレン、オキシプロピレンの共重合体で代替される化合物、ソルビタル脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルなどを例示できる。
本発明において、撥水塗料には、通常の塗工紙分野で使用される顔料、助剤等を必要に応じて適宜混合することができる。該顔料の具体例としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の無機顔料や、密実型、中空型、貫通孔型などのプラスチックピグメント、バインダーピグメント等の有機顔料を例示できる。
また、撥水塗料には、通常の製紙分野で使用される表面紙力剤、表面サイズ剤等を必要に応じて適宜混合することができる。表面紙力剤、表面サイズ剤の具体例としては、澱粉、酸化澱粉及び澱粉変性物、ポリビニルアルコール及びその誘導体、スチレン−マレイン酸系共重合体、α−オレフィン−マレイン酸系共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体、アルキルケテンダイマー等の水分散物等を例示できる。さらに、撥水塗料には染料、有色顔料、蛍光染料、酸化防止剤、老化防止剤、消泡剤、紫外線吸収剤、分散剤、pH調整剤等の各種助剤を必要に応じて適宜混合して使用することができる。
本発明における撥水塗料の固形分濃度は、通常1〜25質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲である。
本発明において、撥水層の塗工量は、固形分で片面当り0.2〜2.0g/mの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜1.5g/mの範囲である。塗工量を0.2g/m以上とすることにより、撥水性を向上できる。塗工量が2.0g/mを超えると撥水性が飽和してしまうため、2.0g/m以下とすることにより製造コストを抑えることができる。
本発明における塗工層は、例えば水を媒体として調製された塗料を用いて、紙支持体上に塗工及び乾燥させることにより形成することができる。撥水塗料を紙支持体に塗工する設備としては、2本ロールサイズプレスコーター、ゲートロールサイズプレスコーター、フィルムメタリングサイズプレスコーター、ブレードコーター、キャレンダー、チャンプレックスコーター、バーコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、エアーナイフコーター、ダイスロットコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等から適宜選択することができる。ここで、本発明における塗工には、含浸塗工も含まれる。
本発明における紙支持体に使用されるパルプとしては、例えば、一般に使用されている広葉樹あるいは針葉樹を用いたサルファイトパルプ、クラフトパルプ、ソーダパルプ等のケミカルパルプ、セミケミカルパルプや、砕木パルプ、加圧式砕木パルプ、リファイナー砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ等の機械パルプが挙げられ、未晒、半晒、晒パルプの状態で使用してもよい。なかでも針葉樹は強度が強いため好ましい。また、段ボール古紙、雑誌古紙なども使用することができる。本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じてケナフ等の非木材繊維原料から得られるパルプ繊維、合成パルプ、無機繊維等も混合することができる。
紙支持体の強度向上のため、前記パルプに紙力増強剤を添加することができる。紙力増強剤としては、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミドなどの乾燥紙力増強剤や、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂などの湿潤紙力増強剤を例示できる。前記紙力増強剤のうち、強度向上効果及び作業安全性の面から、ポリアクリルアミド系紙力増強剤やポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン系紙力増強剤が好適に用いられ、本発明では、これらを単独使用、あるいは併用することができる。ポリアクリルアミド系紙力増強剤は、通常、パルプ繊維の乾燥質量に対して0.1〜1.2固形分質量%の範囲の添加量で使用され、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン系紙力増強剤は、通常、パルプ繊維の乾燥質量に対して0.3〜1.5固形分質量%の範囲の添加量で使用される。
本発明で使用されるポリアクリルアミド系紙力増強剤は、主にアクリルアミド、メタアクリルアミドなどのモノマーを重合したポリマーであり、前記モノマー以外に、イオン性モノマー、疎水性モノマー、親水性モノマー、分岐構造を付与できるモノマー、架橋構造を付与できる多官能性モノマーなども共重合することができる。
イオン性モノマーのうちアニオン性モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸及びそれらの塩、またはビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸類及びそれらの塩等が挙げられる。
また、カチオン性モノマーとしては、例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミン及びそれらの塩、及びそれらの4級化物等が挙げられる。
疎水性モノマーとしては、例えばアクリロニトリル、N,N−ジ−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−n−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ドデシル(メタ)アクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリルアミド誘導体、N,N−ジグリシジル(メタ)アクリルアミド、N−(4−グリシドキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(5−グリシドキシペンチル)アクリルアミド、N−(6−グリシドキシヘキシル)アクリルアミド等のN−(ω−グリシドキシアルキル)(メタ)アクリルアミド誘導体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート誘導体、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン類、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソプレン等を挙げることができる。
親水性モノマーとしては、例えばジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、各種のメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン等を挙げることができる。
分岐構造を付与できるモノマーとしては、N,N−ジメチルアクリルアミドのような特定のN−置換アクリルアミド誘導体、あるいは(メタ)アリルスルホン酸及びその塩類等を挙げることができる。
架橋構造を付与できるモノマーとしては、例えばメチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルアクリルアミドなどの2官能型架橋性モノマー、あるいは1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリル酸ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンアクリレート、トリアクリルモルマール、ジアクリロイルイミド等の多官能型架橋性モノマー等が挙げられる。
これらモノマーの重合は、特に制限はなく、溶液重合法、乳化重合法などの従来公知の各種方法により行うことができる。例えば、所定の反応容器に各種モノマー、分散剤及び水を仕込み、ラジカル重合開始剤を加え、撹拌下、加温することにより得られる。モノマーの仕込み方法は同時重合、連続滴下重合等の従来公知の各種方法により行うことができる。ラジカル重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、またはこれらと亜硫酸水素ナトリウムといった還元剤とを組み合わせた形のレドックス系重合開始剤等を使用することができる。また、前記ラジカル重合開始剤には、アゾ系開始剤を用いてもよい。反応温度は単一重合開始剤の場合では一般に30〜100℃であり、レドックス系重合開始剤の場合ではより低く、一般に5〜90℃である。分散剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸金属塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩等のイオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルグリセリンホウ酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。また、重合反応によって生成される高分子の分子量は、反応温度、反応時間で適宜調節することができ、ラジカル重合の場合、公知の連鎖移動剤の使用でも調節することができる。
本発明で使用されるポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン系紙力増強剤は、脂肪族二塩基酸、ポリアルキレンポリアミン及びエピクロロヒドリンを反応させて得られるポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂の水溶液であり、その合成法の一例を下記に記す。
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族二塩基酸と、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミンなどのポリアルキレンポリアミンとを、通常、硫酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の触媒の存在下または不存在下で、反応温度110〜250℃で反応させ、ポリアミドポリアミンを得る。得られたポリアミドポリアミンは水溶液した後、エピクロロヒドリンと5〜80℃の反応温度で反応させ、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂の水溶液を得る。
前記紙力増強剤に加えて、化学式〔Al(OH)Cl6−nで表される無機塩の塩化アルミニウムをパルプに内添することにより、前記紙力増強剤のパルプ表面への定着を高め、さらに紙支持体の強度を向上させることができる。上記化学式において、nは1〜5、mは10以下の整数である。
紙支持体にはパルプ、紙力増強剤、填料などの他に、内添サイズ剤、アニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留り向上剤、濾水性向上剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて添加することができる。内添サイズ剤の具体例としては、例えば、アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系、スチレン−アクリル系、高級脂肪酸系、石油樹脂系サイズ剤、ロジン系サイズ剤、ポリビニルアルコール等が挙げられる。また、歩留り向上剤、濾水性向上剤の具体例としては、例えば、アルミニウム等の多価金属化合物(具体的には、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、塩基性アルミニウム化合物等)、各種澱粉類、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリエチレンオキサイド等が例示できる。さらに、染料、pH調整剤、スライムコントロール剤、消泡剤、粘剤等の抄紙用添加助剤も用途に応じて適宜使用できる。
紙支持体に内添される填料としては、例えば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、石膏、タルク、カオリン、焼成カオリン、ホワイトカーボン、非晶質シリカ、珪藻土、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等の無機顔料や、尿素−ホルマリン樹脂微粒子、微小中空粒子等の有機顔料等が例示できる。填料は2種類以上の混合使用も可能である。
紙支持体の抄紙方法としては、特に制限はなく、例えば、長網式抄紙機、ギャップフォーマー型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機、傾斜式抄紙機、各種コンビネーション抄紙機等の商業規模の抄紙機が、目的に応じて適宜選択して使用できる。また、本発明で上記抄紙工程から得られる紙支持体は単層のみならず、2層以上の抄き合せ紙でもよい。
紙支持体の坪量について、果実袋に加工する際の製袋作業性や、製袋した袋を果実に袋掛けしたり、除袋する育成作業性の点から、通常、30〜150g/mの範囲のものが使用される。坪量を30g/m以上とすることにより、製袋作業や栽培現場での育成作業において十分な強度が得られる。一方、150g/m以下とすることにより、硬すぎて紙の柔軟性が低下するのを防ぎ、製袋工程における打ち抜き作業を向上し、育成作業における袋掛けや除袋の作業性も向上できる。
本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断わらない限り、「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。また、使用した薬剤の添加量は、固形分換算の質量部を示す。
実施例2は参考例である。

実施例及び比較例で得た果実袋用紙を、スーパーキセノンウェザーメーター(スガ試験機製SX75、放射照度180W/m)を用いて1%含有の過酸化水素の存在下で紫外線照射を4時間処理する劣化処理前後に、23℃、50%RHの条件で24時間調湿したサンプルとして、以下の方法で引張強度、白色度、撥水性を評価した。その結果は、表1に示す通りであった。なお、ウェザーメーター内の環境は、温度40℃、湿度50%で行った。
(引張強度)
JIS P8113に準じて引張強度を測定した。
(白色度)
JIS P8148に準じて白色度を測定した。
(撥水性)
Tappi T558に準じて、Fibro社製DAT1100を用いて、水滴滴下0.5秒後の接触角を測定した。接触角の数値が大きいほど、撥水性が高いことを示す。
実施例1
(撥水塗料の調製)
パラフィンワックス水性エマルジョン液(商品名:「HA541」、荒川化学工業社製)及び合成樹脂ラテックス(商品名:「E1992」、旭化成ケミカルズ社製)を固形分の質量比がワックスエマルジョン:合成樹脂ラテックス=80:20となるように混合した。この混合液の固形分100質量部に対して、アクリル系合成保水剤(商品名:「ソマレックス270K」、ソマール社製)を0.5質量部となるように混合液に添加して、最終的に固形分濃度が5%の撥水塗料を得た。
(果実袋用紙の作製)
DDR叩解機を用いて、針葉樹未晒クラフトパルプを叩解し、カナダ標準フリーネス(CSF)520mLに叩解し、濃度3.8%のパルプ繊維スラリーを得た。このパルプ繊維スラリーに、黄色系の有機着色顔料(商品名:SP YELLOW RS−5」、御国色素社製)をパルプ繊維100質量部に対して0.5質量部、ポリアクリルアミド系紙力増強剤(商品名:「ポリストロン117」、荒川化学工業社製)を0.5質量部、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン系紙力増強剤(商品名:「アラフィックス255」、荒川化学工業社製)を0.9質量部、化学式〔Al(OH)Cl6−nで表される無機塩の塩化アルミニウム(商品名:「Paho#2S」、浅田化学工業社製)を0.12質量部となるように前記順で添加して紙料とした。この紙料を用いて、長網抄紙機で43g/mの紙を抄紙し、その両面に、2本ロールサイズプレスコーターの塗工設備にて、前記撥水塗料を片面当り0.7g/mを塗工及び乾燥させて塗工層を形成し、果実袋用紙を得た。アクリル系合成保水剤の塗工量は、支持体中の黄色系の有機着色顔料100質量部に対して固形分で片面当り1.7質量部であった。
実施例2
実施例1の果実袋用紙の作製において、黄色系の有機着色顔料の添加量を0.5質量部に代えて0.1質量部とした以外は、実施例1と同様にして果実袋用紙を得た。アクリル系合成保水剤の塗工量は、支持体中の黄色系の有機着色顔料100質量部に対して固形分で片面当り8.2質量部であった。
実施例3
実施例1の果実袋用紙の作製において、黄色系の有機着色顔料の添加量を0.5質量部に代えて3.0質量部とした以外は、実施例1と同様にして果実袋用紙を得た。アクリル系合成保水剤の塗工量は、支持体中の黄色系の有機着色顔料100質量部に対して固形分で片面当り0.3質量部であった。
実施例4
実施例1の撥水塗料の調製において、ワックスエマルジョンと合成樹脂ラテックスの質量比をワックスエマルジョン:ラテックス=80:20に代えて95:5とした以外は、実施例1と同様にして果実袋用紙を得た。アクリル系合成保水剤の塗工量は、支持体中の黄色系の有機着色顔料100質量部に対して固形分で片面当り1.7質量部であった。
実施例5
実施例1の撥水塗料の調製において、ワックスエマルジョンと合成樹脂ラテックスの質量比をワックスエマルジョン:ラテックス=80:20に代えて60:40とした以外は、実施例1と同様にして果実袋用紙を得た。アクリル系合成保水剤の塗工量は、支持体中の黄色系の有機着色顔料100質量部に対して固形分で片面当り1.7質量部であった。
実施例6
実施例1の撥水塗料の調製において、アクリル系合成保水剤の添加量を0.5質量部に代えて0.2質量部とした以外は、実施例1と同様にして果実袋用紙を得た。アクリル系合成保水剤の塗工量は、支持体中の黄色系の有機着色顔料100質量部に対して固形分で片面当り0.7質量部であった。
実施例7
実施例1の撥水塗料の調製において、アクリル系合成保水剤の添加量を0.5質量部に代えて2.0質量部とした以外は、実施例1と同様にして果実袋用紙を得た。アクリル系合成保水剤の塗工量は、支持体中の黄色系の有機着色顔料100質量部に対して固形分で片面当り6.5質量部であった。
比較例1
実施例1の果実袋用紙の作製において、黄色系の有機着色顔料の添加量を無添加とした以外は、実施例1と同様にして果実袋用紙を得た。
比較例2
実施例1の撥水塗料の調製において、ワックスエマルジョンと合成樹脂ラテックスの質量比をワックスエマルジョン:ラテックス=80:20に代えて100:0とし、アクリル系合成保水剤を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして果実袋用紙を得た。
比較例3
実施例1の撥水塗料の調製において、ワックスエマルジョンと合成樹脂ラテックスの質量比をワックスエマルジョン:ラテックス=80:20に代えて50:50とした以外は、実施例1と同様にして果実袋用紙を得た。アクリル系合成保水剤の塗工量は、支持体中の黄色系の有機着色顔料100質量部に対して固形分で片面当り1.7質量部であった。
比較例4
実施例1の撥水塗料の調製において、アクリル系合成保水剤の添加量を0.5質量部に代えて3.0質量部とした以外は、実施例1と同様にして果実袋用紙を得た。アクリル系合成保水剤の含有量は、支持体中の黄色系の有機着色顔料100質量部に対して固形分で片面当り9.7質量部であった。
Figure 0006213253
本発明の果実袋用紙は、使用時の外光等による白化現象を防止し、強度の低下が少ない果実袋用紙材として好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 紙支持体の少なくとも片面に塗工層を備えた果実袋用紙において、前記紙支持体が黄色系の有機着色顔料を含有し、前記塗工層がワックスエマルジョン(A)、合成樹脂ラテックス(B)及びアクリル系合成保水剤(C)を含有する塗料を用いて形成されたものであり、前記(A)と(B)の含有質量比が固形分で(A):(B)=55:45〜97:3であり、前記(C)の含有量が固形分で前記(A)と(B)の合計100質量部に対して0.1〜2.5質量部であり、前記アクリル系合成保水剤の塗工量が前記紙支持体中の黄色系の有機着色顔料100質量部に対して固形分で片面当り0.3〜7質量部であることを特徴とする果実袋用紙。
  2. 前記黄色系の有機着色顔料の含有量が紙支持体中のパルプ繊維100質量部に対して0.05〜3.5質量部である、請求項1に記載の果実袋用紙。
  3. 前記塗工層の固形分塗工量が片面当り0.2〜2.0g/m である、請求項1または2に記載の果実袋用紙。
  4. 前記紙支持体がポリアクリルアミド系紙力増強剤及び/またはポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン系紙力増強剤を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の果実袋用紙。
  5. 前記紙支持体が化学式〔Al (OH) Cl 6−n (式中、nは1〜5の整数、mは10以下の整数を表す)で表される無機塩の塩化アルミニウムを含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の果実袋用紙。
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