JP4276802B2 - 果実袋原紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は梨等の熟成度合いを適度に進めるための果実袋において、虫、鳥及び直射日光、風から果実を保護し、特に果実袋の白化防止に効果のある果実袋原紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より使用されている果実袋原紙には、不織布、新聞紙、クラフト紙、更紙等の通気性、透光性に優れた素材が用いられている。これらの素材は、果実袋に加工され、果実に被せることにより、果実の病害、虫害、鳥害、風害を防止するとともに、適度な日光の透過、袋内の保湿、保温効果による果実の成長を促す効果も有している。
【0003】
しかし、従来の果実袋原紙は、紫外線、降雨、農薬散布等に繰り返し暴露されることで白化現象を来し、日光の透過が阻害され、果実の成長に支障が出る問題が多発している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
白化現象の改善策として、特公平4−3176号公報では、パルプ中にオレンジ色の有機顔料または無機顔料と屈折率が1.55〜2.70のフィラーを主成分として含有し、分光光度計による光の透過率が400〜500nmにおいては0〜5%、700〜800nmにおいては30〜50%の果実用原紙が提案され一応成果をあげている。また、特開平7−231728では、有機顔料と無機顔料を、100:5〜60の割合で基材に配合し、更に屈折率が1.55〜2.70のフィラーが更に配合された果実袋原紙の技術が紹介されているが、果実袋として、白化現象の改善に効果が見られるものの、顔料の屈折率や有機顔料と無機顔料の配合等に依存した対策は依然効果が不十分であり、白化防止には更なる改善が要望されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、顔料を含む湿紙の片面のみを、加熱鏡面ドライヤーに密着させて乾燥する、いわゆるヤンキードライヤー式抄紙機を用いて製造した果実袋原紙において、前記顔料は、有機顔料と無機顔料を配合比で1:1〜2の割合で、パルプ繊維に対して1〜5重量%配合し、加熱鏡面ドライヤーに密着させた面のJIS P−8142による光沢度が25%以上であり、JIS P−8119に基づく平滑度が100秒以上であり、JIS P−8117の測定方法に従った透気度が15秒以下に調整することで、前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
〔アルカリ金属珪酸塩水溶液〕
本発明で原紙に使用する繊維材料としては、NBKP、LBKP、NUKP、GP、再生繊維、合成繊維等のパルプ及び繊維の中から選択的に使用できるが、果実袋原紙は果実の包装に用いられるだけでなく農作業での作業性の面から、柔軟で強靭な品質が要望されるため、好適には針葉樹及び広葉樹から得られる化学パルプ及び脱墨古紙パルプが使用される。これらの化学パルプ及び機械パルプは、未晒パルプまたは晒パルプの状態で、あるいは未叩解または叩解パルプの状態で、単独または適宜混合して使用できる。場合によっては、古紙パルプ100%で使用しても良い。
【0007】
本発明に係る、顔料を含む湿紙の片面のみを加熱鏡面ドライヤーに密着させて乾燥する装置は、抄紙後の湿紙を乾燥するドライヤーが鏡面ドライヤーいわゆるヤンキードライヤーであれば、抄紙機のワイヤーパートやプレスパートの形式等については特に限定されない。また、ヤンキードラヤーの前にプレドライヤーとして、また後にアフタードライヤーとして円筒ドライヤー、赤外乾燥装置等の補助乾燥装置を設置した構造の装置も使用できる。
【0008】
更に、好ましくは前記ドライヤーで乾燥した原紙をソフトカレンダーに通すことによって艶面の光沢度を3〜16%程度の範囲で追加して高めることができ、最終的に艶面が25〜38%程度の範囲の光沢度を有する果実袋原紙を得ることができる。
【0009】
本発明で使用できるソフトカレンダーは、1本の金属ロールと1本の弾性ロールとを組み合わせて構成され、果実袋原紙の艶面が金属ロールに接するようにしてこれらのロールの間に果実袋原紙を少なくとも1回通紙することによって、艶面の光沢度を更に高めることができる。金属ロールとしては、チルドロール、合金チルドロール、鋼鉄製ロール、さらにはロール表面を硬質クロムメッキした金属ロール等が使用できる。一方、弾性ロールは表面にポリアクリレート樹脂やフェノール樹脂等の弾性膜を備えたロールであり、弾性膜としては、例えば天然ゴム、スチレンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化エチレンゴム、ブチルゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、耐熱性熱硬化性樹脂などの各種樹脂のほか、コットン、ペーパー、ウール、テトロン、ナイロンなどの各種繊維またはこれらの混合物などが使用できる。
【0010】
特に好適には、弾性ロールのショアーD硬度(ASTM規格 D−2240による)を80〜96度、好ましくは85〜95度の範囲とすることが好ましい。ショアーD硬度が80度未満の場合には、ニップ巾が広くなり過ぎて紙の光沢度が上がり難くなり、さらには摩擦熱が大きくなってロール表面温度が上昇するため、弾性ロールの表面弾性膜が傷みやすくなる。一方、ショアーD硬度が96度より高くなると、金属ロールの硬度に近くなってしまい、従来のオンマシンカレンダーの使用と何ら変わらなくなるとともに、透気度が上がり、透気度が15秒を超えると、後に説明する製袋加工時のパラフィン含浸が悪くなり、果実袋用途として不適になる場合がある。
【0011】
本発明における果実袋原紙を製造するに際しては、セルロースパルプ原料を常法により抄紙して、水分30〜45重量%、好ましくは35〜40重量%の湿紙を調製する。湿紙の水分が30重量%未満になると、ヤンキードライヤーの鏡面に湿紙が十分に張り付かず、艶面の光沢度が低下するとともに乾燥不良が生じる。一方、湿紙の水分が45重量%を超えると、ヤンキードライヤーでの乾燥負荷が増大し、抄紙速度が低下する。湿紙水分を低減するには、ヤンキードライヤーの前にプレドライヤーを設置することにより行うことができるが、プレドライヤーを設置せずに、抄紙機のワイヤーパートやプレスパートを強化して湿紙水分を低減させることも可能である。
【0012】
所定の水分とした湿紙をヤンキードライヤーの鏡面に押し付けて乾燥することにより、通常12〜22%程度の範囲の光沢度を有する果実袋原紙が得られる。ヤンキードライヤーで付与された艶面の光沢度が12%未満の場合、最終製品において25%以上の艶面光沢度を有する果実袋原紙を得るためには、ソフトカレンダーによる表面処理の条件をかなり厳しくする必要があり、ソフトカレンダー条件を厳しくすると紙の透気度が上昇する虞があるため好ましくない。
【0013】
ヤンキードライヤーで乾燥した後の果実袋原紙の水分含有量は3.5〜9.0重量%、好ましくは4.0〜8.0重量%とすることが望ましい。果実袋原紙の水分が3.5重量%未満の場合、ソフトカレンダー処理しても光沢度が上がらず、ソフトカレンダーの処理効果が得られ難い。また、果実袋原紙の水分が9.0重量%を超えると、ヤンキードライヤーにおいて乾燥むらやひじわが発生しやすくなり、白化や品質低下を招きやすくなる。
【0014】
ヤンキードライヤーで乾燥して得られた片艶紙は、次にソフトカレンダー処理を行う。この処理によって、果実袋原紙の艶面光沢度を3〜16%程度の範囲で更に高めることができる。ソフトカレンダー処理による光沢度の付与は、カレンダーのニップ圧、ロール温度、速度及び処理回数等の条件を適宜選択することによって調整できる。本発明で使用するソフトカレンダー装置はオンマシン、オフマシンいずれのタイプでも使用できる。また、ソフトカレンダーへの通紙は必要に応じて2回以上行うこともできる。
【0015】
なお、従来から使用されている金属ロールのみの組み合わせからなるカレンダー装置においては、処理線圧は1.0〜50kg/cm程度で調整範囲が狭いのに比べて、本発明で使用可能なソフトカレンダーにおいては、加圧時に弾性ロールが歪み、実質のニップ巾が大きくなるため、処理線圧としては3.0〜500kg/cmと調整範囲を広くすることができる。
【0016】
ソフトカレンダー処理後の加熱鏡面ドライヤーに密着させた面の光沢度は、25%〜35%が好ましい。艶面の光沢度が25%未満では、白化現象が生じやすく、また、光沢度を40%以上にすることは操業上困難であるとともに、果実原紙の平滑度及び透気度が低下する傾向になるため好ましくない。
【0017】
果実袋原紙の加熱鏡面ドライヤーに密着させた面の平滑度は100秒以上が好ましく、更に好ましくは110秒〜150秒の範囲である。平滑度が100秒未満では、白化現象が生じやすく、果実袋原紙として適さない。前記平滑度は、ソフトカレンダーのニップ圧、ロール温度、速度及び処理回数等の条件を適宜選択することによって調整でき、果実袋原紙の密度むらを抑えながら表面性を改善し、光の均等な透過を得ることができる。
【0018】
本発明における果実袋原紙は、有機顔料と無機顔料を配合比で、1:1〜2の割合で、パルプ繊維に対して1〜5重量%配合することが必要である。
【0019】
有機顔料と無機顔料の配合比を1:1〜2の割合にすることにより白化を好適に抑えることができる。前記顔料配合比率にすることで、白化現象の発生を抑えることができるメカニズムは明確ではないが、ヤンキードライヤー接触面での光の反射、ヤンキードライヤー非接触面での光の散乱、配合される有機顔料と無機顔料による光の屈折が相乗効果を高めているためと類推される。
【0020】
この光の散乱、屈折は、透明ガラスの窓よりも、障子を有する窓の方が、室内全体が明るく感じられる効果と同等なものと考えられ、本発明の果実袋原紙を用いた果実袋を被せた果実の生育が良好な理由も前記効果によるものと考えられる。
【0021】
また本発明では、各種の顔料を配合することで、紫外線の遮断性を向上させる効果も有する。本発明に用いられる顔料は、通常用いられる各種の無機顔料、有機顔料の使用が可能である。
【0022】
具体的には、無機顔料としては屈折率1.55〜2.70の範囲のものが良い。屈折率が2.70より高い無機顔料は、オレンジ色が白味を帯びて透過光のバランスが取りにくい。また、該屈折率が1.55未満の無機顔料は、原紙の透明性が過度に高くなり、内部の果実が紫外線の影響を受けやすいため好ましくない。
【0023】
一方、本発明で使用される有機顔料としては、オレンジ色有機顔料が好ましい。市販されている有機顔料の中で好適に用いられるものは、例えば御国色素株式会社製の(黄色顔料)Yellow GL#5、(赤色顔料)CamineFB、大日精化工業株式会社製の(黄色顔料)Dp−2137 Yellow、山陽色素株式会社製の(黄色顔料)サンダイイエローGFP、サンダイDPカーミンFBが挙げられるほか、ポリスチレン、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の有機顔料が好適に用いられる。有機顔料、無機顔料とも必要に応じ有色もしくは着色したものを使用することができる。
【0024】
着色顔料はそれ自体単独ではパルプ繊維に対して定着性が悪く、色目が合わなくなるため定着剤を用いる必要がある。この定着剤には歩留まり向上剤等が用いられ、パルプ繊維に対して0.03〜0.08重量%添加することが好ましい。この場合0.03重量%未満では定着剤の効果が不十分なため、顔料の留まりが悪くなり、逆に0.08重量%を超えて添加すると添加量が多過ぎてパルプが凝集し、地合いが悪くなる。
【0025】
本発明における果実袋原紙には、必要に応じて更に、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、耐水化剤、分散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、インク定着剤、染料定着剤、蛍光染料、有色染料、滑剤、消臭剤、脱臭剤、抗菌剤等の助剤を添加することもできる。
【0026】
特に本発明においては、顔料定着と耐湿強度アップのため、紙力増強剤を1.4〜1.8重量%添加することが好ましい。紙力増強剤が1.4重量%以下では、湿潤紙力が低下し、1.8重量%以上では地合いが悪くなる問題を有する。
【0027】
更に、本発明の果実袋原紙は、撥水性を付与することが好ましく、果実袋用原紙から製袋加工を施す際に、パラフィンの含浸を行うことができる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。また、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。なお、実施例及び比較例に使用したソフトカレンダーは、ショアーD硬度94度の弾性ロール(樹脂製弾性カバー:金陽社製)とショアーD硬度87度(JIS B−7776による)の金属ロールを組み合わせて構成されたものである。
【0029】
(実施例1)
原料パルプとして、NBKP(CSF 300cc)50部、LBKP(CSF 280cc)50部の割合からなるパルプスラリーに、乾燥紙力増強剤0.2%、有機顔料と無機顔料の配合比率が1:1である着色顔料1%、サイズ剤1.3%、硫酸バンド3.0%、湿潤紙力剤1.6%を添加し、ヤンキードライヤー式抄紙機(抄紙速度300m/分)を使用し、ヤンキードライヤー入口の湿紙水分を40%、抄紙速度を350m/分として片艶紙を抄造した。この片艶紙をソフトカレンダーに1回通紙して加圧処理した。ソフトカレンダーのニップ圧は、3.0kg/cm、金属ロールをボトムロールとして配置し、金属ロール面上の温度を150℃とし、片艶紙の艶面が金属ロールに接するようにして400m/分で通紙して果実袋原紙を得た。
【0030】
(実施例2)
原料パルプとして、NUKP(CSF 300cc)50部、LUKP(CSF 280cc)50部の割合からなるパルプスラリーに、乾燥紙力増強剤0.2%、有機顔料と無機顔料の配合比率が1:2である着色顔料5%、サイズ剤1.3%、硫酸バンド3.0%、湿潤紙力剤1.6%を添加し、ヤンキードライヤー式抄紙機(抄紙速度300m/分)を使用し、ヤンキードライヤー入口の湿紙水分を40%、抄紙速度を350m/分として片艶紙を抄造した。この片艶紙をソフトカレンダーに1回通紙して加圧処理した。ソフトカレンダーのニップ圧は、500kg/cm、金属ロールをボトムロールとして配置し、金属ロール面上の温度を110℃とし、片艶紙の艶面が金属ロールに接するようにして400m/分で通紙して果実袋原紙を得た。
【0031】
(実施例3)
原料パルプとして、NUKP(CSF 300cc)35部、LUKP(CSF 280cc)5部、DIP(CSF 300cc)60部の割合からなるパルプスラリーに、乾燥紙力増強剤0.2%、有機顔料と無機顔料の配合比率が1:2である着色顔料3%、サイズ剤1.3%、硫酸バンド3.0%、湿潤紙力剤1.6%を添加し、ヤンキードライヤー式抄紙機(抄紙速度300m/分)を使用し、ヤンキードライヤー入口の湿紙水分を40%、抄紙速度を350m/分として片艶紙を抄造した。この片艶紙をソフトカレンダーに1回通紙して加圧処理した。ソフトカレンダーのニップ圧は、300kg/cm、金属ロールをボトムロールとして配置し、金属ロール面上の温度を110℃とし、片艶紙の艶面が金属ロールに接するようにして400m/分で通紙して果実袋原紙を得た。
【0032】
(実施例4)
原料パルプとして、DIP(CSF 300cc)100部からなるパルプスラリーに、乾燥紙力増強剤0.2%、有機顔料と無機顔料の配合比率が1:2である着色顔料4%、サイズ剤1.3%、硫酸バンド3.0%、湿潤紙力剤1.6%を添加し、ヤンキードライヤー式抄紙機(抄紙速度300m/分)を使用し、ヤンキードライヤー入口の湿紙水分を40%、抄紙速度を350m/分として片艶紙を抄造した。この片艶紙をソフトカレンダーに1回通紙して加圧処理した。ソフトカレンダーのニップ圧は、400kg/cm、金属ロールをボトムロールとして配置し、金属ロール面上の温度を120℃とし、片艶紙の艶面が金属ロールに接するようにして400m/分で通紙して果実袋原紙を得た。
【0033】
(比較例1)
原料パルプとして、NUKP(CSF 300cc)50部、LUKP(CSF 280cc)50部の割合からなるパルプスラリーに、乾燥紙力増強剤0.2%、有機顔料と無機顔料の配合比率が1:0.8である着色顔料3%、サイズ剤1.3%、硫酸バンド3.0%、湿潤紙力剤1.6%を添加し、ヤンキードライヤー式抄紙機(抄紙速度300m/分)を使用し、ヤンキードライヤー入口の湿紙水分を40%、抄紙速度を350m/分として片艶紙を抄造した。この片艶紙をソフトカレンダーに1回通紙して加圧処理した。ソフトカレンダーのニップ圧は、350kg/cm、金属ロールをボトムロールとして配置し、金属ロール面上の温度を110℃とし、片艶紙の艶面が金属ロールに接するようにして400m/分で通紙して果実袋原紙を得た。
【0034】
(比較例2)
原料パルプとして、NBKP(CSF 300cc)50部、LBKP(CSF 280cc)50部の割合からなるパルプスラリーに、乾燥紙力増強剤0.2%、有機顔料と無機顔料の配合比率が1:3である着色顔料0.5%、サイズ剤1.3%、硫酸バンド3.0%、湿潤紙力剤1.6%を添加し、ヤンキードライヤー式抄紙機(抄紙速度300m/分)を使用し、ヤンキードライヤー入口の湿紙水分を40%、抄紙速度を350m/分として片艶紙を抄造した。この片艶紙をソフトカレンダーに1回通紙して加圧処理した。ソフトカレンダーのニップ圧は、100kg/cm、金属ロールをボトムロールとして配置し、金属ロール面上の温度を110℃とし、片艶紙の艶面が金属ロールに接するようにして400m/分で通紙して果実袋原紙を得た。
【0035】
(比較例3)
原料パルプとして、NUKP(CSF 300cc)50部、LUKP(CSF 280cc)50部の割合からなるパルプスラリーに、乾燥紙力増強剤0.2%、有機顔料と無機顔料の配合比率が1:1.5である着色顔料0.5%、サイズ剤1.3%、硫酸バンド3.0%、湿潤紙力剤1.6%を添加し、ヤンキードライヤー式抄紙機(抄紙速度300m/分)を使用し、ヤンキードライヤー入口の湿紙水分を40%、抄紙速度を350m/分として片艶紙を抄造した。この片艶紙をソフトカレンダーに1回通紙して加圧処理した。ソフトカレンダーのニップ圧は、300kg/cm、金属ロールをボトムロールとして配置し、金属ロール面上の温度を120℃とし、片艶紙の艶面が金属ロールに接するようにして400m/分で通紙して果実袋原紙を得た。
【0036】
(比較例4)
原料パルプとして、NUKP(CSF 300cc)35部、LUKP(CSF 280cc)5部、DIP(CSF 300cc)60部の割合からなるパルプスラリーに、乾燥紙力増強剤0.2%、有機顔料と無機顔料の配合比率が1:3である着色顔料7%、サイズ剤1.3%、硫酸バンド3.0%、湿潤紙力剤1.6%を添加し、ヤンキードライヤー式抄紙機(抄紙速度300m/分)を使用し、ヤンキードライヤー入口の湿紙水分を40%、抄紙速度を350m/分として片艶紙を抄造した。この片艶紙をソフトカレンダーに1回通紙して加圧処理した。ソフトカレンダーのニップ圧は、3kg/cm、金属ロールをボトムロールとして配置し、金属ロール面上の温度を110℃とし、片艶紙の艶面が金属ロールに接するようにして400m/分で通紙して果実袋原紙を得た。
【0037】
(比較例5)
原料パルプとして、NBKP(CSF 300cc)35部、LBKP(CSF 280cc)5部、DIP(CSF 300cc)60部の割合からなるパルプスラリーに、乾燥紙力増強剤0.2%、有機顔料と無機顔料の配合比率が1:1.5である着色顔料5%、サイズ剤1.3%、硫酸バンド3.0%、湿潤紙力剤1.6%を添加し、ヤンキードライヤー式抄紙機(抄紙速度300m/分)を使用し、ヤンキードライヤー入口の湿紙水分を40%、抄紙速度を350m/分として片艶紙を抄造した。この片艶紙をソフトカレンダーに1回通紙して加圧処理した。ソフトカレンダーのニップ圧は、600kg/cm、金属ロールをボトムロールとして配置し、金属ロール面上の温度を150℃とし、片艶紙の艶面が金属ロールに接するようにして400m/分で通紙して果実袋原紙を得た。
【0038】
(比較例6)
原料パルプとして、LBKP(CSF 280cc)100部からなるパルプスラリーに、乾燥紙力増強剤0.2%、有機顔料と無機顔料の配合比率が1:1.5である着色顔料1%、サイズ剤1.3%、硫酸バンド3.0%、湿潤紙力剤1.6%を添加し、ヤンキードライヤー式抄紙機(抄紙速度300m/分)を使用し、ヤンキードライヤー入口の湿紙水分を40%、抄紙速度を350m/分として果実袋原紙を抄造した。
【0039】
【表1】
【0040】
[評価方法]
耐候性試験は、キセノンウェザーメーター(スガ試験機製WEL−45AX−HH−BEC、放射照度30W/m2)で、散水は含有塩素0.2ppmの塩素水を使用して、紫外線照射50分、散水10分を繰り返して、試験時間50時間、100時間、150時間でサンプルの退色度合いを確認した。なお、ウェザーメーター内の環境は、温度65℃、湿度95%で行った。
【0041】
室内での耐候性試験、及び果実に袋を実際に被せて屋外で使用して、実際に白化現象が発生したサンプルを含む10種類の果実袋原紙の耐候性を評価した結果、それぞれの原紙の白化現象は明瞭な相関関係を示した
【0042】
実施例1〜4、比較例1〜6を前述の耐候性試験で比較試験を行った。結果は、実施例1〜4は150時間後でも色は残っており良好、比較例1〜3及び6は150時間で退色している。比較例2及び3は着色顔料の配合量が少なく、比較例4は無機顔料が多いため、いずれも色がくすんで目的の色が発現しなかった。比較例5は白化現象、色の鮮明度とも良好であったが、透気度が高く、果実袋原紙として不適であった。
【0043】
【発明の効果】
上記の通り、本発明では、顔料を含む湿紙の片面のみを、加熱鏡面ドライヤーに密着させて乾燥した果実袋原紙を用い、所定の顔料を配合し、光沢度、平滑度、透気度を有することで、白化現象を生じにくい果実袋原紙を製造することができる。
Claims (1)
- 顔料を含む湿紙の片面のみを、加熱鏡面ドライヤーに密着させて乾燥した果実袋原紙において、前記顔料は、有機顔料と無機顔料を配合比で1:1〜2の割合で、パルプ繊維に対して1〜5重量%配合し、加熱鏡面ドライヤーに密着させた面のJIS P−8142による光沢度が25%以上であり、JIS P−8119に基づく平滑度が100秒以上であり、JIS P−8117の測定方法に従った透気度が15秒以下であることを特徴とする果実袋原紙。
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