JP6212785B2 - 乾燥装置 - Google Patents
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Description
乾燥装置としては、例えば、断面略U字状のケーシングと、ケーシングの内部で互いに逆方向に回転する2本の中空軸と、この中空軸の外周に配列された扇状などの中空のディスクを備えた乾燥装置が知られている。
液体状や粉体状の被処理物P1は、ケーシング3を搬送方向に傾斜させて攪拌させることで搬送方向に容易に移動させることができる。また粘度が低い処理物では、粘土状の被処理物P1は、各ディスク6が噛み合わせされる箇所で、対向するディスク6によってせん断されて小さな塊になるため、この小さな塊が、隣り合うディスク6同士の隙間を抜けて、更に下流側の次段のディスク6の間へと移動して行くことができる。
また、回転軸に設けられたディスクが径方向外側から見て回転方向前方に向かうに従って幅が狭くなるくさび形状をなしていることによって、被処理物がディスクに衝突してディスク上を移動する際の接触効率が向上するため、乾燥効率を向上させることができる。
また、回転軸の軸本数を増やすことによって、乾燥装置を上下方向に大きくすることなく、被処理物の処理量を多くすることができる。また、回転軸の回転方向を全て同一方向にする場合と比較して、被処理物がケーシング内に偏って充満して乾燥効率が低下することなく、また、被処理物によりケーシングが閉塞することを防止することができる。
このように構成することで、パドル部が対向配置されるため、被処理物がパドル部に引っ掛からずに逃げることを低減することができる。
このように構成することで、回転方向後端に第一パドル部が配された一般的なディスクに対して、隣り合うディスクの対向部に第二パドル部を追加配置するだけで良いため、簡単な構成で被処理物の滞留を低減できる。
以下、本発明の第一実施形態の乾燥装置について図面に基づき説明する。
図1は、この実施形態の乾燥装置1の概略構成を示している。
ここで、この実施形態の乾燥装置1は、各種のバイオマス、下水汚泥、工場排水汚泥、食品廃棄物・厨芥、し尿汚泥、家畜糞尿、植物搾汁粕などの廃棄物などの被処理物Pを攪拌および搬送しながら加熱乾燥(含水率を低減)する装置である。
(第一パドル部13b、第二パドル部15b)が、隣り合うディスク6a間に留まっている被処理物Pに切り込みながら衝突する。すると、隣り合うディスク6a間に留まっている被処理物Pが、ディスク6b及び第一パドル部13b、第二パドル部15bによって上方に掻きあげられる。これにより、被処理物Pは、回転軸5aの周回から離脱して、回転軸5b周りを回転軸5bの回転に伴い移動する。この際、掻きあげられた被処理物Pは、ケーシング3の傾斜によって、ディスク6bと、その搬送方向下流側で隣り合うディスク6bとの間に落とし込まれ入り込む。
この際、被処理物Pは、回転軸5bとトラフ2との間に溜まっている被処理物Pと一体にされる。パドル部11bは、さらに回転軸5bとトラフ2との間に溜まっている被処理物Pの中を通過して、被処理物Pを回転軸5a側へと移動させる。
その結果、回転軸5aから掻き取った被処理物Pを下流側に落とし込ませて、被処理物Pの移動が滞ることによる閉塞をより確実に防止することができる。
また、回転方向後端に第一パドル部13が配されたディスク6に対して、隣り合うディスク6の対向部10に第二パドル部15を追加配置するだけで良いため、簡単な構成で被処理物Pの滞留を低減できる。
以下、本発明の第二実施形態の乾燥装置を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
第一実施形態の乾燥装置1においては、2本の回転軸5を備える場合を一例にして説明したが、回転軸5の本数は2本に限られず、3本以上であっても良い。
図6に示すように、本実施形態の乾燥装置1Bは、4本の回転軸5a,5b,5c,5dを備えている。
同様に、第二回転軸組52の回転軸5cに設けられたディスク6cと、回転軸5dに設けられたディスク6dとは、回転軸5c,5dがそれぞれ回転しているときに軸線O1方向から見て径方向で重なるように配されている。
つまり、第一回転軸組51の一対の回転軸5a,5bのうち、第二回転軸組52と隣り合う回転軸5bに設けられたディスク6bと、第二回転軸組52の一対の回転軸5c,5dのうち第一回転軸組51と隣り合う回転軸5cに設けられたディスク6cとは、軸線O1方向から見てディスク6の回転軌跡が重なっていない。換言すれば、ディスク6bは、回転軸5cに設けられた各段のディスク6c間を通過せず、ディスク6cも、回転軸5bに設けられた各段のディスク6b間を通過しない。
また、回転軸5の回転方向を全て同一方向にする場合と比較して、被処理物がケーシング3内に偏って充満して乾燥効率が低下することなく、また、被処理物によりケーシング3内が閉塞することを防止することができる。上記実施形態によれば、図7に示すように、被処理物Pがケーシング3の側壁側にバランスよく充填され乾燥効率を上げることができる。
本実施形態の乾燥装置の構造は、第一実施形態の乾燥装置1と同様であるため、図2を参照して説明する。本実施形態の乾燥装置は、一方の回転軸5aの回転速度と他方の回転軸5bの回転速度とを異ならせていることを特徴としている。具体的には、回転軸5aの回転速度が回転軸5bの回転速度以上となるように、回転速度に差をつけている。
図8に示すように、本実施形態の乾燥装置は、第一回転軸組51及び第二回転軸組52を構成する四本の回転軸5において、回転軸5の配列方向A外側の二本の回転軸5a,5dの回転速度を同じ回転速度である第一回転速度V1とし、配列方向A内側の二本の回転軸5b,5cの回転速度を同じ回転速度である第二回転速度V2とし、第一回転速度V1を第二回転速度V2以上としている。即ち、回転軸5a,5dの回転速度を第一回転速度V1とし、回転軸5b,5cの回転速度を第二回転速度V2とした場合、数式V1≧V2、が成り立つようにしている。
例えば、上述した実施形態では、第一パドル部13と第二パドル部15とを周方向で同位相となるように配する場合について説明したが、同位相に限られない。例えば、対向部10の範囲内であれば、周方向でずれた位置に配しても良い。
さらに、前側の対向部10と後側の対向部10との各後端にパドル部11を配する場合について説明したが、パドル部11の配置は対向部10の後端に限られるものではない。
対向部10の範囲内であれば、後端以外の位置に配置しても良い。
2 トラフ
3 ケーシング
4 ジャケット
5,5a,5b,5c,5d 回転軸
6 ディスク
6a ディスク
6b ディスク
7 投入口
8 排出口
9 流路開口
10 対向部
11,11a,11b パドル部
13,13a,13b 第一パドル部
12 後端部
14 中間部
15,15a,15b 第二パドル部
16 回転方向前方を向く面
17 回転方向前方を向く面
18 側面
51 第一回転軸組
52 第二回転軸組
G 間隔
P 被処理物
P1 被処理物
O1 軸線
Claims (5)
- 前部側に被処理物を投入する投入口、後部側に加熱乾燥処理された被処理物を排出する排出口が形成され、前部側が後部側よりも上方に配されるように傾斜して設けられるケーシングと、
隣り合う一対の回転軸であって、前記回転軸が同一方向に回転する第一回転軸組と、
隣り合う一対の回転軸であって、前記回転軸が同一方向であって、前記第一回転軸組の回転方向とは逆方向に回転する第二回転軸組と、
前記回転軸の外周面から径方向外側に突出しつつ周方向に延びるとともに、前記回転軸の軸線方向に間隔をあけて複数段配された複数のディスクと、を備え、
前記回転軸は、軸線方向を前記ケーシングの前後方向に配し、前記ケーシングの前部側から後部側の内部に軸線回りに回転可能に設けられ、
前記複数のディスクは、径方向外側から見て回転方向前方に向かうに従って幅が狭くなるくさび形状をなし、
前記第一回転軸組の一対の前記回転軸のうち、前記第二回転軸組と隣り合う前記回転軸に設けられた前記ディスクと、前記第二回転軸組の一対の前記回転軸のうち前記第一回転軸組と隣り合う前記回転軸に設けられた前記ディスクとは、軸線方向から見て前記ディスクの回転軌跡が重なっていない乾燥装置。 - 前記軸線方向に隣り合う前記ディスク同士は、前記軸線方向で互いに対向する対向部を有し、
前記対向部には、隣り合う前記ディスクの互いの対向部に向かって張り出すパドル部が設けられ、
前記軸線方向で隣り合う前記ディスクに設けられた互いの前記パドル部は、前記周方向で同位相となるように配される請求項1に記載の乾燥装置。 - 前記軸線方向に隣り合う前記ディスク同士は、前記回転軸の周方向で互いの位相がずれるように配されている請求項2に記載の乾燥装置。
- 前記パドル部は、前記ディスクの回転方向後端に配される第一パドル部と、隣り合う前記ディスクの前記第一パドル部の配置に対応して、前記ディスクの回転方向の中間部に配される第二パドル部とからなる請求項3に記載の乾燥装置。
- 前記第一回転軸組及び前記第二回転軸組を構成する四本の前記回転軸において、
前記回転軸の配列方向外側の二本の前記回転軸の回転速度を同じ回転速度である第一回転速度とし、
配列方向内側の二本の前記回転軸の回転速度を同じ回転速度である第二回転速度とし、
前記第一回転速度を前記第二回転速度以上とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の乾燥装置。
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