JP6955120B1 - 乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
Description
前記第一遮蔽板は、前記回転軸に向かって突出して前記排出口への前記含水物の排出を制限する制限位置と、前記排出口内であって前記含水物の排出を制限しない非制限位置との間を移動可能である。
前記可動堰は、前記排出口の側方に設けられ、前記ケーシングの側面から当該側面に近い側の前記回転軸に向かって突出移動が可能な排出調整機構をさらに備える。
本発明の乾燥装置は、下水汚泥、工場排水汚泥、食品廃棄物・厨芥、し尿汚泥、家畜糞尿、植物搾汁粕など各種バイオマスや廃棄物などの流動状の含水物Pを撹拌及び搬送しながら加熱乾燥(含水率を低減)して、所定の含水率の範囲で高粘性となる含水物Pを排出する装置である。
本発明の乾燥装置は、所定の含水率の範囲で高粘性となる含水物Pをケーシングから排出するため、ケーシング底面の排出口と、排出口近傍の含水物Pが所定の含水率になるまで含水物Pの排出を制限する可動堰とを有する。
まず、第一実施形態として、2軸の回転軸を備えた乾燥装置の全体構成を説明し、次いで本発明の特徴的な構成について詳述する。さらに、第二実施形態では、4軸の回転軸を備えた乾燥装置について、第一実施形態とは異なる構成を中心に詳述する。
[1.乾燥装置の全体構成]
本実施形態に係る乾燥装置1は、図1乃至図4に示すように、断面略U字状のトラフ2aを備えた容器であるケーシング2と、ケーシング2(ひいては含水物P)を加熱するジャケット9と、ケーシング2の前後方向Xの前部側Xf(含水物Pの搬送方向上流側)から後部側Xr(含水物Pの搬送方向下流側)の内部を貫通するように設けられ、モータなどの回転駆動装置8によって軸線O1回りに回転可能に設けられた複数の回転軸3と、回転軸3の外周面に内周端が接続されて、回転軸3の軸線O1中心の径方向に突出するとともに周方向に延びて略扇形に形成された複数のディスク4とを備えている。
投入口2bは、上面視で、円形、楕円形、矩形等の形状に形成された開口に含水物Pを投入するためのパイプやダクト等が接続されて構成される。投入口2bから投入されたときの含水物Pの含水率は80%程度である。
一方、排出口2cは、上面視で、略矩形状に形成された開口に含水物Pを排出するためのダクトやパイプ等が接続されて構成される。排出口2cから排出されるときの含水物Pの含水率は60%程度である。乾燥装置1は、ケーシング2の内部に、二本の回転軸3を平行に配している。これら二本の回転軸3は、互いに逆方向に回転可能、かつ、同一方向に向かって回転可能とされている。通常、二つの回転軸3は、軸線O1方向から見て同一方向に回転している。すなわち、一方の回転軸3Aは、その上部が他方の回転軸3B側に向かって移動する方向に回転し、他方の回転軸3Bは、その上部が一方の回転軸3Aから離れる方向に回転する。
また、一方の回転軸3Aに設けられたディスク4A、及び他方の回転軸3Bに設けられたディスク4Bは、それぞれ周方向に延びるように形成され、径方向外側から見て、回転方向前方に向かうにつれて幅が狭くなるくさび型となっている。
なお、排出口2cから下流側に配置されるディスク4は、くさび型ではなく、径方向外側から見て、回転方向に同じ幅を有する矩形状であってもよい。
例えば、各ディスク4の回転方向の後端部に第一パドル部6が設けられ、第一パドル部6よりも回転方向前方の中間部に第二パドル部7が設けられる。第二パドル部7は、隣り合うディスク4の第一パドル部6の配置に対応して配されることが好ましい。
第一パドル部6及び第二パドル部7は、それぞれ軸線O1方向の両側に突出形成された部分に、回転方向前方を向く面6f、7fを備えている。これら第一パドル部6及び第二パドル部7は、回転方向前方を向く面6f、7fによって、軸線O1方向で隣り合うディスク4間に存在する高粘性の含水物Pをひっかけることが可能となっている。これにより、複数のディスク4は、所定の含水率の含水物Pをかき上げる。すなわち、投入口2bから投入された流動性の高い含水物Pは、回転軸3及びディスク4により撹拌されながら、回転軸3及びケーシング2を通る熱媒体(蒸気)によって間接的に加熱され、所定の含水率(60%程度)まで低下し、高粘性の含水物Pとなった後、排出口2cから排出される。
図1及び図2に示すように、乾燥装置1は、上記のケーシング2、複数の回転軸3、複数のディスク4、ケーシング2の排出口2cに加え、排出口2cの前端に配置され、回転軸3側の端部が回転軸3の外周形状の一部に沿う凹部形状に形成された第一遮蔽板11を備えて含水物Pの流入を制限する機能を持った可動式の堰である可動堰10によって構成される。
第一遮蔽板11は、例えば、ケーシング2の上面を貫通して設けられた支持部材12の下端と接続され、ケーシング2の上方かつ支持部材12の上端に配置された駆動装置(昇降装置)13によって上下方向に可動するよう構成される。また、第一遮蔽板11は複数に分割して構成され、それぞれが個別に可動されてもよい。
一方、第一遮蔽板11の非制限位置H2は、含水物Pの排出が制限されない位置、例えば、第一遮蔽板11が配置されている位置でのケーシング2の底面の高さHbである。言い換えると、第一遮蔽板11は、図5に二点鎖線で示すように、最も低い位置まで下降したときにその上面が非制限位置H2に到達するように設けられる。
第一遮蔽板11が制限位置H1にある場合、含水物Pは、第一遮蔽板11を乗り越えた分しか排出口2cから排出されない。反対に、第一遮蔽板11が非制限位置H2にある場合、含水物Pは制限なく排出される。
可動部材14aの回転軸3側の端面は、回転軸3の外周形状に沿う凹部形状(例えば、曲面状)に形成されており、ケーシング2の側面2dから最も突出した状態で、回転軸3の外周との間にわずかな隙間を形成する程度に接近する。可動部材14aの上面は、例えば、回転軸3の外周の最も高い高さHtよりも高い位置に設けられる。これにより、第一遮蔽板11を乗り越えた含水物Pの排出を可動部材14aで誘導できる。
ケーシング2の側面2dのうち排出口2cの側方の部分には、可動部材14aが移動可能な開口が設けられる。追加ケーシング14dは、例えば、一面が開口した中空の六面体である。追加ケーシング14dは、開口した一面をケーシング2の外側面に向けてケーシング2に取り付けられ、この開口した一面を介してケーシング2の内部空間に連通する。これにより、可動部材14aは、追加ケーシング14dの内部とケーシング2の内部とを行き来可能となる。なお、支持軸14bは、追加ケーシング14dの開口に対向する側面を貫通し、駆動装置14cは、貫通した支持軸14bの端部(追加ケーシング14dの外側)に設けられる。
第二遮蔽板15の最も高い上端面、すなわち第一遮蔽板11の外形及び回転軸3の外周に沿わない部分(幅方向Wの外側の上部)は、第一遮蔽板11の制限位置H1より高い位置としてよく、例えば、第一遮蔽板11の制限位置H1からディスク4の外周の最も高い高さHdまでの間とされる。これにより第二遮蔽板15が第二制限位置W1にある間は、第一遮蔽板11を乗り越えた含水物Pのみを排出口2cから排出することができる。
第二遮蔽板15は、例えば、追加ケーシング14dの側面を貫通して設けられた支持部材16の回転軸3側の一端と接続され、追加ケーシング14dの側方かつ支持部材16の他端に配置された駆動装置17によって幅方向Wに可動するよう構成される。
一方、第二遮蔽板15の第二非制限位置W2は、含水物Pの排出が制限されない位置、例えば、ケーシング2の側面2dの開口の位置や追加ケーシング14dの内側の位置である。言い換えると、第二遮蔽板15は、図5に二点鎖線で示すように、回転軸3から最も離れた位置まで引き込まれたときに、中央側の端面が第二非制限位置W2に位置するように設けられる。なお、図5では、二つの第二遮蔽板15のうちの一方の動きのみを二点鎖線で示しているが、他方の第二遮蔽板15も同様に移動可能である。
第二遮蔽板15が第二制限位置W1にある場合、含水物Pは、第一遮蔽板11を乗り越えた分しか排出口2cから排出されない。反対に、第二遮蔽板15が第二非制限位置W2にある場合、含水物Pは第一遮蔽板11の側方からも排出される。なお、第二遮蔽板15として第一遮蔽板11の側面に排出調整機構14を配置し第二遮蔽板15の代わりとしても良い。
まず、初期段階では、第一遮蔽板11及び第二遮蔽板15が各回転軸3に近接して各遮蔽板11、15の凹部が回転軸3の下部に対して実質的に隙間のない位置に配置される閉状態において、投入口2bから含水物Pが投入される。投入された含水物Pは、含水率80%程度の流動状である。含水物Pは、回転軸3とディスク4により撹拌されながら、回転軸3、ディスク4及びケーシング2を通る熱媒体(蒸気)により間接的に加熱されて、第一遮蔽板11の近傍に含水率が低くなった含水物Pが堆積し始める(含水物P投入以降の初期段階)。
含水率計数値:70%、ゲート開度: 0%
含水率計数値:69%、ゲート開度:20%
含水率計数値:68%、ゲート開度:40%
含水率計数値:66%、ゲート開度:60%
含水率計数値:64%、ゲート開度:80%
含水率計数値:62%、ゲート開度:100%
制御装置20は、乾燥装置1の運転を停止する停止段階では、可動堰10を開状態のままとし、含水物Pの投入と蒸気の供給を止めた後、可動堰10を移動させ含水率を調整しながら残った含水物Pを排出口2cから排出した後、可動堰10を閉状態とする。
排出調整機構14は、含水物Pの投入中は、可動部材14aの凹部が回転軸3に対して実質的に隙間のない位置に配置される閉状態を保持し、含水物Pを排出口2cに誘導する。なお、排出調整機構14の可動部材14aを幅方向Wの一方側及び他方側に移動させ続けることで、可動部材14a上に載った含水物Pを落下させるようにしてもよい。
以下、本発明の第二実施形態の乾燥装置1′を図8乃至図12に基づいて説明する。なお、上述した第一実施形態と同一の構成には第一実施形態の符号を付し、対応する構成には第一実施形態の符号の末尾にダッシュ(′)を付す。本実施形態では、第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分については図示のみとし、その説明を省略する。
本実施形態の乾燥装置1′は、図8乃至図12に示すように、四本の回転軸3A、3B、3C、3Dを備えている。
四本の回転軸3のうち、ケーシング2′の幅方向W(回転軸3の配列方向)の一方側の二本の回転軸3A、3Bは、軸線O1方向から見て同一方向に回転している。また、二本の回転軸3A、3Bは、その上部が幅方向Wの中央側に向かって移動する方向に回転する。換言すれば、二本の回転軸3A、3Bは、含水物Pの搬送方向下流側から見て時計回りに回転している。以下、隣り合う一対の回転軸3A及び回転軸3Bを第一回転軸組31と呼ぶ。
同様に、第二回転軸組32の回転軸3Cに設けられたディスク4Cと、回転軸3Dに設けられたディスク4Dとは、回転軸3C、3Dがそれぞれ回転しているときに軸線O1方向から見て径方向で互いに重なるように配されている。
つまり、第一回転軸組31の一対の回転軸3A、3Bのうち、第二回転軸組32と隣り合う回転軸3Bに設けられたディスク4Bと、第二回転軸組32の一対の回転軸3C、3Dのうち第一回転軸組31と隣り合う回転軸3Cに設けられたディスク4Cとは、軸線O1方向から見てディスク4の回転軌跡が重なっていない。換言すれば、ディスク4Bは、回転軸3Cに設けられた各段のディスク4C間を通過せず、ディスク4Cも、回転軸3Bに設けられた各段のディスク4B間を通過しない。
また、回転軸3の回転方向を全て同一方向にする場合と比較して、含水物Pがケーシング2′内に偏って充満して乾燥効率が低下することなく、また、含水物Pによりケーシング2′内が閉塞することを防止することができる。
ただし、本実施形態の乾燥装置1′は四本の回転軸3を有するため、図9に示すように、第一遮蔽板11′には四つの凹部が設けられる。幅方向Wの中央寄りの二つの凹部は、軸線O1方向から見て半円弧状であり、幅方向Wの外側の二つの凹部は、矩形の上側の二つの角部をそれぞれ略円弧状に切り欠いた形状となっている。
また、第一遮蔽板11′は、その制限位置H1が、第一遮蔽板11と同様に、ケーシング2の底面の高さHbから回転軸3の外周の最も高い高さHtまでの間(例えば図9では軸線O1の高さHoと略同一の位置)とされる。
なお、可動堰10′は、第一遮蔽板11′の形状が異なる以外は第一実施形態の可動堰10と同様に構成されており、同様に可動する。
従って、本実施形態の乾燥装置1′も、第一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
図12に示す第二遮蔽板15′は、第一遮蔽板11′の外形及び回転軸3の外周に沿わない部分(幅方向Wの外側の上部)を上方へ拡張するとともに最も近い回転軸3の上方を覆うように幅方向Wへ拡張した形状に形成されている。具体的には、第二遮蔽板15′の最も高い上端面は、ディスク4の外周の最も高い高さHdと同程度に設けられ、幅方向Wの外側に位置する回転軸3A、3Dの下部に沿って凹部形状に形成されるとともに、各回転軸3A、3Dの周囲を半分囲むように設けられる。これにより、第一遮蔽板11′を乗り越えた含水物Pのみを確実に排出口2cから排出することができる。
2、2′ ケーシング
2a トラフ
2b 投入口
2c 排出口
2d 側面
3、3A、3B、3C、3D 回転軸
4、4A、4B、4C、4D ディスク
4e 側面
4f 対向部
5 流路開口
6、6A、6B 第一パドル部
6f 回転方向前方を向く面
7、7A、7B 第二パドル部
7f 回転方向前方を向く面
8 回転駆動装置
9 ジャケット
10、10′ 可動堰
11、11′ 第一遮蔽板
12 支持部材
13 駆動装置(昇降装置)
14 排出調整機構
14a 可動部材
14b 支持軸
14c 駆動装置
14d 追加ケーシング
15、15′ 第二遮蔽板
16 駆動装置
17 支持部材
20 制御装置
21 含水率計
31 第一回転軸組
32 第二回転軸組
Ht 回転軸の外周の最も高い高さ
Hd ディスクの外周の最も高い高さ
Ho 軸線の高さ
Hb 底面の高さ
H1 制限位置
H2 非制限位置
O1 軸線
P 含水物
W 幅方向
W1 第二制限位置
W2 第二非制限位置
X 前後方向
Xf 前部側
Xr 後部側
Claims (5)
- 含水物が投入される投入口を前部に備えたケーシングと、
前記ケーシングの前記前部から後部に延びる軸線回りに回転可能に設けられた複数の回転軸と、
前記回転軸の外周面に間隔をあけて配置され、所定の含水率の前記含水物をかき上げる複数のディスクと、
前記ケーシングの前記後部の底面に設けられ前記含水物が排出される排出口と、
前記排出口の前端に配置され、前記回転軸側の端部が前記回転軸の外周形状の一部に沿う凹部形状に形成された第一遮蔽板を備える可動堰と
を有し、
前記第一遮蔽板は、前記回転軸に向かって突出して前記排出口への前記含水物の排出を制限する制限位置と、前記排出口内であって前記含水物の排出を制限しない非制限位置との間を移動可能であり、
前記可動堰は、前記排出口の側方に設けられ、前記ケーシングの側面から当該側面に近い側の前記回転軸に向かって突出移動が可能な排出調整機構をさらに備える乾燥装置。 - 前記第一遮蔽板の前記制限位置は、前記ケーシングの前記底面の高さから前記回転軸の
外周の最も高い高さまでの間である請求項1に記載の乾燥装置。 - 前記可動堰は、前記第一遮蔽板の両側に配置された第二遮蔽板をさらに備え、
前記第二遮蔽板は、前記回転軸側の端部が前記回転軸の外周形状の一部に沿う凹部形状に形成されており、前記側面から前記回転軸に向かって突出して前記排出口への前記含水物の排出を制限する第二制限位置と、前記含水物の排出を制限しない第二非制限位置との間を移動可能である請求項2に記載の乾燥装置。 - 前記可動堰の近傍に配置され前記含水物の含水率を計測する含水率計と、
前記投入口に投入される前記含水物の投入量または前記回転軸の回転数を制御する制御装置と
をさらに有し、
前記制御装置は、前記含水率計で計測された前記含水率に応じて、前記投入量と前記回転数と前記第一遮蔽板及び前記第二遮蔽板の各位置とを制御する請求項3に記載の乾燥装置。 - 隣り合う一対の前記回転軸であって、前記回転軸が同一方向に回転する第一回転軸組と、
隣り合う一対の前記回転軸であって、前記回転軸が同一方向でかつ前記第一回転軸組とは逆方向に回転する第二回転軸組と
を有し、
前記第一回転軸組の前記一対の回転軸のうち前記第二回転軸組と隣り合う前記回転軸に設けられた前記ディスクと、
前記第二回転軸組の前記一対の回転軸のうち前記第一回転軸組と隣り合う前記回転軸に設けられた前記ディスクとは、軸線方向から見て互いの前記ディスクの回転軌跡が重ならないよう配置されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の乾燥装置。
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