以下、図面を参照して実施の形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態の投票端末の構成について図1を用いて説明する。図1は、第1の実施形態の投票端末の構成の一例を示す図である。
投票端末1は、読取部2と、誤記判定部3と、印刷部4とを備え、公営競技における投票券の発券を行う。投票端末1は、投入された投票カードに応じて投票券を発券するが、投入された投票カードに誤記があると判定した場合は、投票券を発券せず投入された投票カードを排出する。
読取部2は、投入された投票カードに記載された投票券の投票情報を読み取る。読取部2は、投票カードに記載された投票券の投票情報を読み取り、誤記判定部3へ出力する。
誤記判定部3は、読み取った投票情報に基づいて、投票カードの誤記を検出する。誤記判定部3は、投票情報の誤記検出を行う際に、誤記を検出する基準となる情報等を用いてもよい。誤記判定部3は、検出した結果を印刷部4へ出力する。
印刷部4は、誤記を検出した結果に基づいて、投票カードに強調表示の印刷をする。強調表示の印刷とは、投票カードの誤記の部分や誤記が含まれる領域について利用者が把握しやすくするために、描画、印字、色変更などで表示を変更することである。印刷部4は、インク、レーザ、熱、圧力、磁気などを用いて投票カードに強調表示の印刷を行ってもよい。
このような構成の投票端末1の動作について説明する。投票端末1は、利用者から投票カードが投入される。読取部2は、投入された投票カードを読み取る。誤記判定部3は、読取部2が読み取った投票情報に基づいて、投票カードの誤記を検出する。印刷部4は、誤記が検出された場合に、誤記を検出した箇所に応じた強調表示の印刷を行う。投票端末1は、誤記を検出した箇所に応じた強調表示の印刷を行った投票カードを利用者へ返却する。
このようにして、利用者が投票カードの誤記を見つけやすくできる投票端末、投票システムおよび投票方法を提供できる。
また、返却された投票カードで誤記を確認しやすくなるため、利用者一人当たりの投票端末の操作時間短縮が見込める。これにより、投票券の購入を希望する多数の利用者が、投票端末に行列をなしている場合であっても、投票端末における取引効率を向上させることが見込める。
また、利用者は、返却された投票カードを用いて、投票カードを返却した投票端末とは異なる他の投票端末で投票券を購入することができる。このため、利用者が特定の投票端末を占有する時間を短縮させることや、投票券の販売効率の向上が見込める。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態の投票システムについて図2を用いて説明する。図2は、第2の実施形態の投票システムの構成の一例を示す図である。
投票システムは、投票端末30と、ホストコンピュータ50とがネットワーク40を介して接続する構成を有する。なお、投票システムは、複数の投票端末30や複数のホストコンピュータ50を備えることができる。
投票端末30は、図1に示した投票端末1の一実施形態である。投票端末30は、利用者(投票者)が現金と投票カードを投入することで投票券を購入する装置である。投票端末30は、投票カード排出口300と、投票カード投入口301と、硬貨出入口302と、投票券排出口303と、紙幣出入口304と、ディスプレイ305と、タッチパネル306とを備える。ここでの説明は省略するが、払戻し機能を備えていてもよい。
投票カード排出口300は、投票カードのマークに誤記(マークミス)がある場合に、投票カードを返却するための排出口である。投票カード投入口301は、投票者が投票したい内容を記載した投票申し込みマークカード(以下、投票カードと記載。)の投入口である。
硬貨出入口302は、硬貨の投入口であり、返却する硬貨または釣銭の排出口でもある。投票券排出口303は、発券された投票券の排出口である。紙幣出入口304は、紙幣の投入口であり、返却する紙幣または釣銭の排出口でもある。
ディスプレイ305は、タッチパネル306の下層に配置されており、操作案内、レース案内、投票カードの投票等の情報を表示する。タッチパネル306は、透過型のタッチパネルであり、各種の入力や投票内容の修正等の際に操作される。ディスプレイ305により表示された情報は、タッチパネル306を透過して、投票者から視認可能である。投票者は、ディスプレイ305により表示された情報を見ながら、タッチパネル306に対するタッチ操作を行うことができる。
ホストコンピュータ50は、システム全体を管理する管理装置であり、投票端末30とネットワーク40を介して通信を行う。ホストコンピュータ50は、投票端末30に対し、投票券の発券や投票券の払い戻し等を管理するとともに、オッズの計算、配当金の計算等を行う。
ネットワーク40は、たとえば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等のネットワーク、あるいは、それらが混在するネットワークである。ネットワーク40は、有線ネットワークだけでなく、無線ネットワークなども含む。
次に、第2の実施形態の投票端末のハードウェア構成について図3を用いて説明する。図3は、第2の実施形態の投票端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
投票端末30は、制御部310と、ディスプレイ305と、タッチパネル306と、紙幣還流ユニット321と、硬貨還流ユニット322と、投票券印刷ユニット323と、可搬型記録ユニット324と、投票カード読取ユニット350と、を備える。
投票端末30は、CPU311(Central Processing Unit)によって装置全体が制御されている。CPU311には、バス317を介してRAM(Random Access Memory)312と複数の周辺機器が接続されている。CPU311は、マルチプロセッサであってもよい。CPU311は、たとえば、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはPLD(Programmable Logic Device)であってもよい。またCPU311は、CPU、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
RAM312は、投票端末30の主記憶装置として使用される。RAM312には、CPU311に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM312には、CPU311による処理に必要な各種データが格納される。
バス317に接続されている周辺機器としては、HDD(Hard Disk Drive)313、通信インタフェース314、グラフィック処理ユニット315、入出力インタフェース316がある。
HDD313は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読出しを行う。HDD313は、投票端末30の補助記憶装置として使用される。HDD313には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、補助記憶装置としては、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を使用することもできる。
通信インタフェース314は、ネットワーク40に接続されている。通信インタフェース314は、ネットワーク40を介して、ホストコンピュータ50などの機器との間でデータの送受信を行う。
グラフィック処理ユニット315には、ディスプレイ305が接続されている。グラフィック処理ユニット315は、CPU311からの命令に従って、画像をディスプレイ305に表示させる。ディスプレイ305としては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
入出力インタフェース316には、タッチパネル306と、紙幣還流ユニット321と、硬貨還流ユニット322と、投票券印刷ユニット323と、可搬型記録ユニット324と、投票カード読取ユニット350とが接続されている。また、入出力インタフェース316は、可搬型記録ユニット324に対する情報の書き込み及び読み出しが可能な可搬型記録媒体インタフェースと接続可能になっている。
入出力インタフェース316は、タッチパネル306、紙幣還流ユニット321、硬貨還流ユニット322、投票券印刷ユニット323、可搬型記録ユニット324、投票カード読取ユニット350から送られてくる信号を、バス317を介してCPU311に送信する。また、入出力インタフェース316は、CPU311から送られてくる制御信号を、バス317を介して対応するユニットへ送信する。
紙幣還流ユニット321は、紙幣の受け入れ、紙幣の真贋の鑑別、紙幣の収納、紙幣の返却、釣銭の排出を行う。硬貨還流ユニット322は、硬貨の受け入れ、硬貨の真贋の鑑別、硬貨の収納、硬貨の返却、釣銭の排出を行う。投票券印刷ユニット323は、投票内容を印刷して投票券を発行する。
投票カード読取ユニット350は、投票カードから投票内容を読み取るユニットである。また、投票カード読取ユニット350は、投票カードに印刷等を行う機能も備えている。投票カード読取ユニット350は、投票カードに文字や図形等を印刷することや投票カードの背景色を変更することなども可能である。なお、投票カードの背景色は、投票カードに記載される文字や図形の背景となる色を指し、投票カードに印刷が行われる前は投票カード自体の色(地色)に相当する。
以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施形態の処理機能を実現できる。なお、第1の実施形態に示した投票端末1も、図2に示した投票端末30と同様のハードウェアにより実現できる。なお、ホストコンピュータ50も図3に示した投票端末30の制御部310と同様の構成とできる。
投票端末30は、たとえば、読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第二の実施形態の処理機能を実現する。投票端末30に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。たとえば、投票端末30に実行させるプログラムをHDD313に格納しておくことができる。CPU311は、HDD313内のプログラムの少なくとも一部をRAM312にロードし、プログラムを実行する。また投票端末30に実行させるプログラムを、光ディスク、メモリ装置、メモリカードなどの可搬型記録ユニット324に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、たとえばCPU311からの制御により、HDD313にインストールされた後、実行可能となる。またCPU311が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読出して実行することもできる。
次に、第2の実施形態の投票カード読取ユニットの構成について図4を用いて説明する。図4は、第2の実施形態の投票カード読取ユニットの構成の一例を示す図である。
投票カード読取ユニット350は、投票カード排出口300と、投票カード投入口301と、投票カード印刷読取部353とを含む。なお、投票カード読取ユニット350は、投票カード収納部354と接続できる。
投票カード排出口300は、返却する投票カードが排出される排出口である。投票カード投入口301は、投票カードが投入される投入口である。
投票カード印刷読取部353は、投票カードの読み取りや、投票カードの印刷を行う。投票カード印刷読取部353は、印刷ユニット352a,352bと、投票カード搬送路355と、読取センサ356a,356bとを含む。また、投票カード印刷読取部353は、ローラ351a,351b,351c,351d,351e,351f,351g,351h,351i,351j,351k,351l,351mを含む。以下、特にローラを特定して説明する必要がないときは、ローラ351と表記する。なお、図4に示したローラ351の矢印は、各ローラ351の回転方向を示している。
ローラ351は、投票カード投入口301から投入された投票カードを搬送するために用いられる。ローラ351は回転し、投票カードを投票カード搬送路355において移動させることができる。
印刷ユニット352a,352bは、投票カードに文字や図形を印刷することや、投票カードの背景色を変更することが可能である。以下、特に印刷ユニットを特定して説明する必要がないときは、印刷ユニット352と表記する。
印刷ユニット352は、インクやレーザや熱や磁気等を用いて投票カードに印刷等が可能である。また、印刷ユニット352は、投票カードの表面と裏面の両方に印刷等が可能である。
なお、印刷ユニット352は、読取センサ356a,356bの後ろから投票カード排出口300までの投票カード搬送路355の経路のいずれかに設置することが可能である。たとえば、印刷ユニット352は、ローラ351fとローラ351eの間に設けることが可能である。また、印刷ユニット352は、読取センサ356a,356bとローラ351iの間に設けることも可能である。
読取センサ356a,356bは、投票カードを読み取ることができる。以下、特に読取センサを特定して説明する必要がないときは、読取センサ356と表記する。読取センサ356は、光学式マーク認識(OMR:Optical Mark Recognition)や光学文字認識(OCR:Optical Character Recognition)が可能であり、投票カードに記入されたマーク、文字、図形などを読み取る機能を有する。
投票カード収納部354は、投票カードを収納する構造である。投票内容が正しく記入された投票カードに基づき投票券が発券される場合、投票カード収納部354は、利用者に返却する必要がない為、正しく記入された投票カードを収納する。なお、正しく記入された投票カードを収納する構造を設けるのは一例であり、別の構造を設けてもよい。例えば、正しく記入された投票カードを排出する排出口を設けてもよいし、その他の構造でもよい。
ここで、投票カード読取ユニット350に投票カードが投入された場合の投票カードの流れについて説明する。
投票カードは、投票カード投入口301から投入され、読取センサ356に搬送される。この際、ローラ351l,351j,351m,351kは、投票カードを読取センサ356に搬送するように回転する。
投票カードに関する情報(投票カードの種別、投票カードに予め記載された項目、投票カードに記入されたマーク等)は、読取センサ356によって読み取られる。
読取センサ356で読み取られた投票カードに関する情報に基づき、マークが正しく記入されている投票カードは、投票カード収納部354に収納される。この際、ローラ351f,351g,351i,351hは、投票カードを投票カード収納部354に搬送するように回転する。
読取センサ356で読み取られた投票カードに関する情報に基づき、マークが正しく記入されていない投票カードは、印刷ユニット352へ搬送される。この際、ローラ351f,351g,351i,351h,351e,351dは、投票カードを印刷ユニット352に搬送するように回転する。
印刷ユニット352は、投票カードにおいてマークが正しく記載されていない部分に対応して、強調表示の印刷(マークミスを含む領域に枠を印刷、マークミスを含む領域の背景色を目立つよう変更、誤記を指摘する記号・文言の印刷等)をする。
また、印刷ユニット352は、投票カードにおいてマークが正しく記載された部分に対応して、非強調表示の印刷をする。非強調表示の印刷とは、正しくマークされた箇所を含む領域に強調表示の印刷を目立たなくする印刷や、投票カードの色と同一色や同系色の枠の印刷等を含む。同系色とは、色相環における位置が近い色を意味する。非強調表示の印刷は、投票カードの色と同一色や同系色での印刷に限られず、強調表示の印刷を目立たなくする効果のある色であればよい。
なお、非強調表示の印刷は、強調表示の印刷と重なる領域(投票カードが再度投入された場合に重ね塗りできる位置)に、強調表示印刷を覆う形状で印刷を行う。たとえば、強調表示の印刷が枠であれば、この枠に重なる位置に、強調表示の枠の幅と同じかそれ以上の幅で非強調表示の印刷を行う。また、強調表示の印刷が文字である場合、非強調表示の印刷は強調表示の印刷の文字を塗りつぶす形状の図形や文字で印刷されてもよい。
たとえば、白色の投票カードに対して、マークミスを含む領域に対して強調表示の印刷で赤色の枠を投票カードに印刷した場合について説明する。強調表示の印刷がされた投票カードが再度投入され、マークミスが修正され正しくマークされたと判定した場合、非強調表示の印刷では、投票カードの強調表示の印刷の赤色の枠と重なる位置に白色の枠を印刷する。
また、薄緑色の投票カードに対して、強調表示の印刷でマークミスを含む領域の背景色を桃色に変更した場合について説明する。強調表示の印刷がされた投票カードが再度投入され、マークミスが修正され正しくマークされたと判定した場合、非強調表示の印刷では、同じ領域の背景色を薄緑色に変更する。
なお、投票カードの背景色の変更とは、投票カードの背景色を塗ることや、既に印刷されている背景色に色を重ねて印刷することや、熱などを用いて投票カードの背景色を変更することなどを含む。
強調表示の印刷および非強調表示の印刷がされた投票カードは、投票カード排出口300から排出される。
このようにして、投票カード読取ユニット350は、読取センサ356で投票カードを読み取り、投票カードのマークが正しく記入されていない場合には、強調表示の印刷をして投票カード排出口300から投票カードを排出する。これにより、排出された投票カードを受け取った投票者は、投票カードを見ることでマークの誤記を見つけることができる。
また、利用者がマークの誤記を修正し、修正した投票カードを再度投入したときは、投票カードが正しく修正されていれば、強調表示の印刷に非強調表示の印刷が上書きされて消される。このとき、投票カードに新たに検出されたマークの誤記あるいは、正しく修正されていない箇所があるときは、その箇所に関して強調表示の印刷がされた投票カードを排出する。このように、投票者(利用者)は、正しく修正された箇所の強調表示の印刷が非強調表示の印刷によって上書きされ、修正を要する箇所が強調表示の印刷がされた投票カードを受け取ることができる。これにより、利用者は修正後における投票カードのマークの誤記を容易に見つけることができる。
次に、第2の実施形態の投票システムの機能ブロックについて図5を用いて説明する。図5は、第2の実施形態の投票システムの機能ブロックの一例を示す図である。
図5は、投票システムの投票端末30と、ホストコンピュータ50とを示している。
投票端末30は、カード読取部31と、マークミス判定部32と、カード印刷部33と、発券制御部34と、通信部35とを有する。
カード読取部31は、投票カード読取ユニット350が読み取った投票カードに関する情報をマークミス判定部32や発券制御部34へ出力する。投票カードは、投票対象の会場、レース番号、式別、組番(馬番、枠番)、金額等について、投票者によってマークが記入されるカードである。投票カードについては、図6を用いて後で説明する。
マークミス判定部32は、カード読取部31から取得した読み取り情報に基づき、投票カードにマークミス(投票カードの誤記)があるか否かを判定する。マークミス判定部32は、判定した結果を発券制御部34に出力する。
カード印刷部33は、発券制御部34からの制御に従い、投票カードに強調表示の印刷および非強調表示の印刷を行う。
発券制御部34は、カード読取部31から取得した情報とマークミス判定部32から取得した情報とにもとづいて、投票券の発券処理の制御を行う。発券制御部34は、必要に応じてホストコンピュータ50から取得したレース情報を発券処理に用いることができる。また、発券制御部34は、カード読取部31から取得した情報にもとづいて、カード印刷部33を制御する。
通信部35は、ネットワーク40を介してホストコンピュータ50との間で情報交換を行う。通信部35は、発券制御部34に従ってホストコンピュータ50からレース情報を受信する。通信部35は、発券制御部34に従ってホストコンピュータ50へカード読取部31が読み取った投票カードの情報や、発券制御部34が発券した投票券の発券情報を送信する。
ホストコンピュータ50は、通信部51と、制御部52と、記憶部53とを有する。
通信部51は、ネットワーク40を介して投票端末30との間で情報交換を行う。通信部51は、制御部52に従い、ホストコンピュータ50が取得したレース情報を投票端末30へ送信する。通信部51は、制御部52に従い、投票端末30から投票カードの情報と発券情報とを受信する。
制御部52は、通信部51に対して情報を送受信する制御ができる。また、制御部52は、記憶部53に情報を記憶する制御ができる。記憶部53は、レース情報や投票カード情報や発券情報など各種情報を記憶する。
次に、第2の実施形態の投票カード(記入前)について図6を用いて説明する。図6は、第2の実施形態の投票カード(記入前)の一例を示す図である。
投票カード(記入前)600は、マークシート方式で記入するカードである。以下、投票カード(記入前)600を、投票カード600と表記する。投票カード600について、公営競技として競馬の例を用いて説明する。
競馬の場合、投票対象は出走馬(以下、単に馬と記載する。)であり、それぞれの馬には、投票対象の番号として馬番号が設定されている。また、1または複数の馬に対し「枠」が割り当てられており、投票者は馬番号または枠番号を用いて投票を行う。投票カード600は、馬番号等の投票に必要な事項をマークし、投票するために用いられる。
投票カード600は、前日発売610、場名611、レース番号612、式別613、組番(馬番、枠番)・金額・単位を記入する欄620,630の項目を含む。各項目は、投票券の購入に応じたマークが記入される。
なお、投票カードには、様々な種類があり、投票カードに表示された文字や図形、投票カードの色、投票カードに付されたバーコードなどによって区別される。投票カードは、カードの種類ごとに、項目、マークを記入すべき座標、項目ごとのマーク箇所を含む領域、強調表示の印刷や非強調表示の印刷をする座標(カード座標)等が定まり、これらの情報は投票端末30のHDD313等に格納される。
前日発売610は、前日や前々日から投票券を購入する場合にマークする項目である。場名611は、投票対象のレースが行われる場を示す項目であり、1箇所マークする。レース番号612は、投票対象のレースの番号を示す項目であり、1箇所マークする。
式別613は、投票の式別(賭式の種別)を示す項目であり、1箇所マークする。組番(馬番、枠番)・金額・単位を記入する欄620,630は、1着・1頭目621,631、2着・2頭目622,632、3着・3頭目623,633、金額624,634、単位625,635、取消626,636の項目を含む。なお、欄620または欄630で、1点の投票内容となる。
1着・1頭目621,631、2着・2頭目622,632、3着・3頭目623,633は、式別613で「枠連」をマークした場合は、枠番号を1箇所マークする項目である。式別613で「枠連」以外をマークした場合は、馬番号を1箇所マークする項目である。
金額624,634と単位625,635は、投票券を購入したい金額をマークする項目である。たとえば、1500円の投票券を購入する場合、金額624,634で「10」と「5」をマークし、単位625,635で「百円」をマークする。金額624,634は、複数箇所マークできる項目である。単位625,635は、1箇所マークする項目である。
取消626,636は、その行に記入されたものは全て無効とする場合にマークする項目である。たとえば、取消626をマークした場合、組番(馬番、枠番)・金額・単位を記入する欄620に含まれる項目でマークミスをしていても、取り消し処理が行われるため、マークミスか否かの判定はされない。また、取消626をマークした場合、組番(馬番、枠番)・金額・単位を記入する欄620に含まれる項目に記載した内容の投票券は発行されない。
投票カード600を用いて馬券を購入する場合における、一般的な式別613と組番(馬番、枠番)のマーク記入方法については、図8を用いて後で説明する。
次に、第2の実施形態のマークミス判定情報(複数記入)について図7を用いて説明する。図7は、第2の実施形態のマークミス判定情報(複数記入)の一例を示す図である。
マークミス判定情報(複数記入)1100は、投票カード600に対応したマークミス判定情報の1つであり、投票カード600に記入されたマークの誤記を判定するために用いられる。マークミス判定情報(複数記入)1100は、項目名と複数記入とを対応づけた情報を含む。
項目名は、投票カード600に含まれる項目を示す情報である。項目は、場名、式別、レース、組番(馬番号/枠番号)、金額、単位を含む。
複数記入は、投票カード600に含まれる項目について複数箇所にマークを記入することを許可(○)か、否(×)かを示す情報である。
項目のうち、場名、式別、レース、組番(馬番号/枠番号)、単位については、複数箇所にマークすることは認められず、複数箇所にマークした場合はマークミスと判定される。また、項目のうち金額は、複数箇所にマークすることを許可され、金額の数値について複数箇所にマークした場合マークミスと判定はされない。
次に、第2の実施形態のマークミス判定情報(式別)について図8を用いて説明する。図8は、第2の実施形態のマークミス判定情報(式別)の一例を示す図である。
マークミス判定情報(式別)1200は、投票カード600に対応したマークミス判定情報の1つであり、投票カード600に記入されたマークの誤記を判定するために用いられる。マークミス判定情報(式別)1200は、式別ごとに組番のマーク記入の許可(○)か、否(×)かを示す情報である。
式別は、式別613に含まれる種別を示したものである。式別は、単勝、複勝、枠連、馬連、馬単、ワイド、3連複、3連単を含む。
組番は、組番(馬番、枠番)・金額・単位を記入する欄620,630に含まれる組番(馬番、枠番)について、マークの記入有無を示したものである。「1着記入」の欄に「○」は、1着・1頭目621,631にマークの記入がある状態が、正しくマークされた状態(マークミスでない状態)であることを示す。
「2着記入」の欄に「○」は、2着・2頭目622,632にマークが記入されていると、正しくマークが記入された状態(マークミスでない状態)であることを示す。
「2着記入」の欄に「×」は、2着・2頭目622,632にマークが記入されていると、誤ってマークが記入された状態(マークミスの状態)であることを示す。言い換えると、「2着記入」の欄に「×」は、2着・2頭目622,632にマークの記入が無い状態(未記入)が、マークミスでない状態である。
「3着記入」の欄に「○」は、3着・3頭目623,633にマークが記入されていると、正しくマークが記入された状態(マークミスでない状態)であることを示す。「3着記入」の欄に「×」は、3着・3頭目623,633にマークが記入されていると、誤ってマークが記入された状態(マークミスの状態)であることを示す。言い換えると、「3着記入」の欄に「×」は、3着・3頭目623,633にマークの記入が無い状態(未記入)が、マークミスでない状態である。
「ゾロ目」の欄は、各組番の数値が同一の数値であるか否か判別するための項目である。「ゾロ目」に「○」は、各組番の数値が同一であることが許可されること(マークミスでない状態)を示す。「ゾロ目」に「×」は、各組番の数値が同一であると誤りとされること(マークミスの状態)を示す。
ここで、式別ごとの組番のマークミスの判定について説明する。ここで、マークが記入された状態を「記入」、マークが記入されていない状態を「未記入」として説明する。たとえば、1着・1頭目621,631にマークが記入された状態を、「1着記入」とする。また、2着・2頭目622,632にマークが記入されていない状態を、「2着未記入」とする。
式別の「単勝」は、1着になる馬を1つ選択し、その馬番号に投票する賭式である。式別で「単勝」がマークされた場合、1着記入であり、2着未記入であり、3着未記入である状態で、マークミスは無いと判定される。投票カード600において、1着・1頭目621,631の欄において1箇所マークする。2着・2頭目622,632、3着・3頭目623,633の欄は、使用しない(未記入である)。
式別の「複勝」は、3着までに入る馬を1つ選択し、その馬番号に投票する賭式である。式別で「複勝」にマークされた場合、1着記入であり、2着未記入であり、3着未記入である状態で、マークミスは無いと判定される。投票カード600において、1着・1頭目621,631の欄において1箇所マークする。2着・2頭目622,632、3着・3頭目623,633の欄は、使用しない(未記入である)。
なお、「単勝」および「複勝」は、1着記入のみマークするため、正しくマークされていれば、複数の着順の数字が同一である「ゾロ目」にはならない。
式別の「枠連」は、1着と2着になる馬の枠番号の組み合わせに投票する賭式である。式別で「枠連」がマークされた場合、1着記入であり、2着記入であり、3着未記入である状態でマークミスは無いと判定される。投票カード600において、1着・1頭目621,631の欄を1箇所マークし、2着・2頭目622,632の欄を1箇所マークする。3着・3頭目623,633の欄は、使用しない(未記入である)。
なお、「枠連」のみは、「ゾロ目」である場合でもマークミスでは無いと判定される。つまり、1着記入と2着記入の数値が同一であってもマークミスでは無い。
式別の「馬連」は、1着と2着になる馬の馬番号の組み合わせに投票する賭式である。式別で「馬連」がマークされた場合、1着記入であり、2着記入であり、3着未記入である状態でマークミスは無いと判定される。投票カード600において、1着・1頭目621,631の欄を1箇所マークし、2着・2頭目622,632の欄を1箇所マークする。3着・3頭目623,633の欄は、使用しない(未記入である)。
式別の「馬単」は、1着と2着になる馬の馬番号を着順どおりに投票する賭式である。
式別で「馬単」がマークされた場合、1着記入であり、2着記入であり、3着未記入である状態でマークミスは無いと判定される。投票カード600において、1着・1頭目621,631の欄を1箇所マークし、2着・2頭目622,632の欄を1箇所マークする。3着・3頭目623,633の欄は、使用しない(未記入である)。
式別の「ワイド」は、3着までに入る2頭の組み合わせを馬番号で投票する賭式である。式別で「ワイド」がマークされた場合、1着記入であり、2着記入であり、3着未記入である状態でマークミスは無いと判定される。投票カード600において、1着・1頭目621,631の欄を1箇所マークし、2着・2頭目622,632の欄を1箇所マークする。3着・3頭目623,633の欄は、使用しない(未記入である)。
式別の「3連複」は、1着、2着、3着となる馬の馬番号の組み合わせで投票する賭式である。1着、2着、3着の着順は問わない。「3連複」がマークされた場合、1着記入であり、2着記入であり、3着記入である状態でマークミスは無いと判定される。投票カード600において、1着・1頭目621,631の欄を1箇所マークし、2着・2頭目622,632の欄を1箇所マークし、3着・3頭目623,633の欄を1箇所マークする。
式別の「3連単」は、1着、2着、3着となる馬の馬番号を着順通りに投票する賭式である。式別で「3連単」がマークされた場合、1着記入であり、2着記入であり、3着記入である状態でマークミスは無いと判定される。投票カード600において、1着・1頭目621,631の欄を1箇所マークし、2着・2頭目622,632の欄を1箇所マークし、3着・3頭目623,633の欄を1箇所マークする。
なお、式別の「単勝」と「複勝」と「馬連」と「馬単」と「ワイド」と「3連複」と「3連単」は、「ゾロ目(同一番号記入)」である場合にマークミスと判定される。
このように、マークミス判定情報(式別)1200において、式別に応じて1着・2着・3着のマークの記入に関する条件を定め、投票カード600に記載されたマークがマークミスか否かの判定に用いることができる。
なお、マークを未記入にすべき欄(1着未記入「×」、2着未記入「×」、3着未記入「×」)についてマークミスを判定する対象から除外する仕様にしてもよい。たとえば、式別で「単勝」がマークされた場合、2着や3着に間違いでマークされていても無視して、1着記入の内容のみで投票券を発行してもよい。
なお、マークミス判定情報(複数記入)1100とマークミス判定情報(式別)1200は読取センサ356が読み取れるマークの判定条件の一例であり、ここに示した条件以外においてもマークミスと判定される場合がある。たとえば、読取センサ356によって読み取れない場合、マークミスと判定される。投票カード600に記入されたマークについて、色が薄い状態、マーク枠からはみ出して記入された状態、などである。
次に、第2の実施形態の投票カード(返却後1)について図9を用いて説明する。図9は、第2の実施形態の投票カード(返却後1)の一例を示す図である。
投票カード(返却後1)700は、投票者が投票カードにマークを記入して投票端末30に投入し、マークミスがあると判定され投票端末30から返却されたカードの例である。
投票カード(返却後1)700において、投票カード600と異なる点は、マークを記入した箇所がある点と、記入したマークに誤記があるか否かに応じて、所定の領域に強調表示の印刷または非強調表示の印刷がされた点である。
投票カード(返却後1)700において、マークミスのあった項目は、場名711、レース番号712、組番(馬番、枠番)・金額・単位を記入する欄730である。また、正しくマークされた項目は、前日発売710、式別713、組番(馬番、枠番)・金額・単位を記入する欄720である。
場名711は、場名のA〜Jのうち1箇所をマークすべき項目であるが、マークが記入されていないためマークミスと判定され、強調表示の印刷がされる。強調表示の印刷として、場名711のマーク箇所を含む領域を囲む、実線で囲まれた枠内を右斜め斜線でハッチングして図示する。実線で囲まれた枠内を右斜め斜線でハッチングした部分(強調表示の部分)は、投票カードの色が白色である場合、赤色や青色や蛍光色などで示される。
なお、強調表示の印刷は、マークミスを含む領域を囲むよう枠を描くことや、マークミスを含む領域の背景色を変更することや、マークミスを指摘する文字や記号を印字することなどを含む。なお、印刷する枠の形状は、略コの字型や略ロの字型や略U字型や略O字型などの形状の枠であってもよいし、下線を引く等、その他の形状であってもよい。
強調表示の印刷は、マークミスが存在することを利用者に注意喚起するための印刷であり、枠を印刷する際には投票カード700と異なる色が用いられる。
強調表示の印刷は、より注意を喚起するため、対象のマークミスを含む所定の範囲に予め記載されている文字や図形の色と異なる色で強調表示を行うとしてもよい。たとえば、強調表示の印刷は、彩度の高い色を用いるとしてもよいし、視覚的特徴のある色や模様でもよい。また、強調表示の印刷は、投票カードの色に対して彩度や、色相や、明度などの差が大きい色であってもよい。
さらに、強調表示の印刷は、枠で取り囲む領域に含まれる形状あるいは文字の太さよりも太い線で枠を印刷するとしてもよい。
また、マークミスを指摘する文字や記号は、矢印でマークミスの場所を示すとともにどのような記載ミスであるかを説明する文言などを含んでもよい。
レース番号712は、番号の1〜12のうち1箇所をマークすべき項目であるが、マークが記入されていないためマークミスと判定され、強調表示の印刷がされる。
式別713は、式別の「3連単」に1箇所正しくマークがされているため、強調表示の印刷はされない。式別713は、非強調表示の印刷がされる。
非強調表示の印刷は、マークミスを含まない領域を、点線で囲まれた枠内をドット柄でハッチングして図示する。点線で囲まれた枠内をドット柄でハッチングした部分(非強調表示の部分)は、投票カードの色が白色である場合、白色やクリーム色や薄黄色や薄灰色などで示される。なお、非強調表示の印刷は、強調表示の印刷を目立たなくする印刷や、強調表示の印刷の視覚的効果を減少させる印刷などであればよい。
非強調表示の印刷は、強調表示の印刷を目立たなくする印刷である。このため、非強調表示の印刷は、投票カードが再度投入された場合には強調表示の印刷が目立たなくなるよう上書き(上塗り)する印刷である。なお、初回に投入された投票カードの場合には上塗り対象となる強調表示の印刷は存在せず、非強調表示の印刷で正しくマークされた領域を示すこととなる。
組番(馬番、枠番)・金額・単位を記入する欄720は、正しくマークがされているため、強調表示の印刷はされていない。投票カード700においては、「式別」が「3連単」であるため、1着、2着、3着となる馬を着順どおりに予想し、馬番号をマークすることを要する。1着は、1着・1頭目721の「1」に1箇所マークされている。2着は、2着・2頭目722の「2」に1箇所マークされている。3着は、3着・3頭目723の「3」に1箇所マークされている。各番号に重複なく、各着順の馬番号は正しくマークされている。また、金額724は「1」にマークされ、単位725は「百円」の1箇所にマークされ、正しくマークされている。
取消726は、マークの記入がないため、組番(馬番、枠番)・金額・単位を記入する欄720に記入された内容は、有効でありマークの誤記の判定対象となる。
組番(馬番、枠番)・金額・単位を記入する欄730は、マークが誤って記入されているため、強調表示の印刷がされている。組番(馬番、枠番)・金額・単位を記入する欄730のマークミスについて説明する。
投票カード700の式別「3連単」においては、1着〜3着の馬を着順どおりに予想し、馬番号をマークする必要があり、重複する番号の記入(ゾロ目)は認められず、誤記と判定される。図9の様に、2着・2頭目732は「4」にマークされ、3着・3頭目733も「4」にマークされており、ゾロ目(同一馬番号)の記載となっているため、誤記と判定される。
金額734は、金額の数値のいずれか1つ以上にマークしなければならないが、マークの記載がないため、誤記と判定される。
このように、投票カード700において、マークミス(マークの誤記)と判定された領域について強調表示の印刷をする。印刷後の投票カード700は、利用者に返却される。これにより、利用者は、投票カード700におけるマークミス部分がわかりやすくなる。
なお、強調表示または非強調表示の印刷を処理する場合、インクで印刷するだけでなく、熱や圧力等を加えて投票カードの色を変化させることも含む。
次に、第2の実施形態の投票カード(返却後2)について図10を用いて説明する。図10は、第2の実施形態の投票カード(返却後2)の一例を示す図である。
投票カード(返却後2)800は、投票者が投票カード(返却後1)700のマークを修正して投票端末30に再度投入し、マークミスがあると判定され投票端末30から返却されたカードの例である。
投票カード(返却後2)800において、投票カード(返却後1)700と異なる点は、マークの記入を修正した箇所が含まれる点と、強調表示の印刷および非強調表示の印刷が異なる部分がある点である。
場名811は、場名の「J」に1箇所マークが記載され、正しくマークされた。このため、場名811のマーク箇所を含む領域を囲む非強調表示の印刷がされた。
レース番号812と式別813は、レース番号の「6」の部分のマークが斜めに記入され式別の「単勝」の一部にはみ出しているため、誤記と判定される。このため、レース番号812と式別813は、強調表示の印刷がされた。
組番(馬番、枠番)・金額・単位を記入する欄830は、マークが誤って記入されているため、強調表示の印刷がされている。組番(馬番、枠番)・金額・単位を記入する欄830のマークミスについて説明する。
2着・2頭目832は「4」にマークされ、3着・3頭目833も「4」にマークされており、ゾロ目の記載となっているため、誤記と判定される。なお、金額834は、金額の「5」にマークの記載がされたため、金額834については正しくマークされている。
次に、第2の実施形態の投票カード(返却後3)について図11を用いて説明する。図11は、第2の実施形態の投票カード(返却後3)の一例を示す図である。
投票カード(返却後3)900は、投票者が投票カード(返却後2)800のマークを修正して投票端末30に再度投入し、マークミスがあると判定され投票端末30から返却されたカードの例である。
投票カード(返却後3)900において、投票カード(返却後2)800と異なる点は、マークの記入を修正した箇所が含まれる点と、強調表示の印刷および非強調表示の印刷が異なる部分がある点である。
レース番号912と式別913は、レース番号の「6」の部分のマークが斜めに記入され式別の「単勝」の一部にはみ出した部分が消され、レース番号の「6」に正しくマークを記入する修正がされた。これに伴い、レース番号912と式別913は、非強調表示の印刷がされる。
組番(馬番、枠番)・金額・単位を記入する欄930は、マークが誤って記入されているため、強調表示の印刷がされる。3着・3頭目933は、投票カード800では「4」にマークされていたが、投票カード900では「5」にマークが修正されている。このため、3着・3頭目933の「5」は1着・1頭目931の「5」とゾロ目となり、式別「3連単」において誤記と判定される。
なお、投票カード(返却後3)900において、1着・1頭目931の枠内の領域の背景色と3着・3頭目933の枠内の領域の背景色を投票カードと異なる色に印刷することで、強調表示の印刷を行ってもよい。なお、最初に印刷した色とは、異なる別の色で、強調表示の印刷を行ってもよい。また、印刷の範囲も、枠全体の印刷を行ってもよいし、部分的に強調する様に、色を変えて印刷してもよい。
このように、利用者が返却された投票カードのマークを修正し再度投票端末30に投入した場合も、マークミスの判定や強調表示および非強調表示の印刷を行うことで、初回の投票カード投入時と同様にマークミスを分かりやすく投票カードに表示できる。
次に、第2の実施形態の発券処理について図12を用いて説明する。図12は、第2の実施形態の発券処理のフローチャートを示す図である。
発券処理は、投票端末30が、利用者から投票カードと現金を受け付け、投票カードに基づき投票券を発券する処理である。投票端末30の発券制御部34は、利用者から投票券を購入する指示を受け、発券処理を制御する。
投票端末30は、紙幣出入口304、硬貨出入口302から投票券の購入代金が入金され、投票カード投入口301に投票内容を記載した投票カードが投入されて、処理を開始する。
[ステップS11]発券制御部34は、紙幣還流ユニット321、硬貨還流ユニット322を介して入金を検知し、入金受付を行う。発券制御部34は、検知された入金金額等の情報を一時記憶領域に保存する指示を出す。
[ステップS12]カード読取部31は、投票カード読取ユニット350に対し、読取センサ356を介して投入された投票カードを読み取る指示をする。カード読取部31が読み取った情報は、発券制御部34へ通知する。なお、投票カードを読み取り取得する情報とは、投票カードの種別、投票カードの項目、項目に対応したマーク欄、マーク欄を囲む枠、投票カードに記入されたマークなどを含む。
[ステップS13]発券制御部34は、カード読取部31が読み取った情報に基づきマークミス判定処理をマークミス判定部32に実行させる。マークミス判定処理は、マークミス判定部32が投票カードに記載された内容がマークミスか否かを判定する処理である。マークミス判定処理は、図13を用いて後で説明する。
[ステップS14]発券制御部34は、マークミス判定処理の結果をマークミス判定部32から取得する。発券制御部34は、マークミス判定処理の結果としてマークミスが有る場合はステップS15に進み、マークミスが無い場合はステップS20に進む。
[ステップS15]発券制御部34は、投票カード読取ユニット350に対し、投票カードを印刷ユニット352へ搬送するよう指示する。
[ステップS16]発券制御部34は、マークミス判定処理の結果をカード印刷部33へ出力するとともに、投票カード印刷処理を実行する指示を出す。カード印刷部33は、投票カード読取ユニット350に対し、印刷ユニット352を介して投票カード印刷処理を実行させる。投票カード印刷処理は、投票カードに対し強調表示の印刷等を行う処理である。投票カード印刷処理は、図14を用いて後で説明する。
[ステップS17]発券制御部34は、投票カード読取ユニット350に対し、印刷ユニット352で印刷した投票カードを投票カード排出口300へ搬送するよう指示し、投入された投票カードを返却する。
[ステップS18]発券制御部34は、ディスプレイ305に精算を実行するか否かを表示し、タッチパネル306からの入力により精算の実行有無を判定する。たとえば、発券制御部34は、ディスプレイ305に「精算を実行しますか?」「はい/いいえ」という表示をする。利用者が、タッチパネル306で「はい」を入力した場合は精算を実行すると判定し、「いいえ」を入力した場合は精算を実行しないと判定する。
発券制御部34は、精算を実行しない場合はステップS19に進み、精算を実行する場合は、ステップS24に進む。
[ステップS19]発券制御部34は、ディスプレイ305に投票カードのマークミスを修正して再度投入するよう利用者への指示を表示し、投票カードの投入を待つ。発券制御部34は、投票カードが再度投入されたら、ステップS12に進む。
[ステップS20]発券制御部34は、投票カード読取ユニット350に対し、投票カードを投票カード収納部354へ搬送するよう指示をする。これにより、マークミスのない投票カードは、投票カード収納部354に格納される。
[ステップS21]発券制御部34は、通信部35を介して、ホストコンピュータ50からレース情報を受信する。
[ステップS22]発券制御部34は、レース情報と投票カードから読み取った情報に基づき、投票券を発券する。投票券は、投票券印刷ユニット323で印刷され、投票券排出口303より排出される。発券制御部34は、利用者が投票券を受け取ったことを検出し、ステップS23に進む。
[ステップS23]発券制御部34は、投票カードの情報や発券した情報をホストコンピュータ50に送信する。発券制御部34が送信した情報は、ホストコンピュータ50において投票カードの情報収集や売り上げの集計などに用いることができる。
[ステップS24]発券制御部34は、発券した投票券に応じた金額をステップS11で受け付けた入金金額から引き、残金を算出する。発券制御部34は、残金があるか否かを判定し、残金があるときは、ディスプレイ305にその旨を表示し硬貨出入口302と紙幣出入口304を介して残金を排出し、処理を終了する。
このようにして、マークミスを含む投票カードは、強調表示の印刷が行われ返却されるため、利用者はマークミスを見つけやすくなる。また、利用者は、返却された投票カードに含まれるマークミスの箇所を修正し、修正した投票カードを再度投票に用いることができる。
次に、第2の実施形態のマークミス判定処理について図13を用いて説明する。図13は、第2の実施形態のマークミス判定処理のフローチャートを示す図である。
マークミス判定処理は、マークミス判定部32が投票カードに記載された内容がマークミスか否かを判定する処理である。マークミス判定処理は、発券処理のステップS13でマークミス判定部32が実行する処理である。
[ステップS31]マークミス判定部32は、投票カードの種別に応じたマークミス判定情報を取得する。投票カードの種別に応じて、マークの項目やマークミスと判定する条件が異なるため、投票カードの種別に応じたマークミス判定情報を取得する。なお、投票カード600に応じたマークミス判定情報は、マークミス判定情報(複数記入)1100とマークミス判定情報(式別)1200である。
[ステップS32]マークミス判定部32は、投票カードの情報とマークミス判定情報とを比較する。
[ステップS33]マークミス判定部32は、比較した結果に基づいて投票カードのマークミス箇所と正しくマークされた箇所とを特定し、特定した情報を発券制御部34へ出力する。
次に、第2の実施形態の投票カード印刷処理について図14を用いて説明する。図14は、第2の実施形態の投票カード印刷処理のフローチャートを示す図である。
投票カード印刷処理は、投票カードに対し強調表示の印刷等を行う処理である。投票カード印刷処理は、発券処理のステップS16でカード印刷部33が実行する処理である。カード印刷部33は、投票カード読取ユニット350に対し、印刷ユニット352を介して投票カード印刷処理を実行させる。
[ステップS41]カード印刷部33は、ステップS12で読み取った投票カードの種別に応じ、カード座標を取得する。
カード座標とは、投票カードのどの位置に描画や印字等をすべきかを示す情報であり、カードの種別に対応づけてHDD313に予め格納されている。カード座標には、投票カードにおける項目に対応した枠の座標や、文字の印刷の位置や、背景色を変更する領域を示す情報を含む。
このように、カード座標を取得するのは、投票カードの種別ごとに、項目や項目に対応したマーク欄の位置等が異なるためである。
[ステップS42]カード印刷部33は、発券制御部34から取得したマークミス判定処理の結果とステップS41で取得したカード座標に基づき、投票カードのマークミスを含む領域(第1の領域)に対し、強調表示の印刷をする。
たとえば、投票カード(返却後1)700における場名711のマーク欄には記入が無いためマークミスであり、場名711のマーク欄を囲む強調表示の印刷がされる。
[ステップS43]カード印刷部33は、発券制御部34から取得したマークミス判定処理の結果に基づいて、投票カードに正しくマークされた箇所が存在するか否かを判定する。カード印刷部33は、判定した結果、正しくマークされた箇所が存在する場合はステップS44に進み、正しくマークされた箇所が存在しない場合は処理を終了する。
[ステップS44]カード印刷部33は、発券制御部34から取得したマークミス判定処理の結果とステップS41で取得したカード座標に基づき、投票カードに含まれる正しくマークされた箇所を含む領域(第2の領域)について非強調表示の印刷をする。
たとえば、投票カード(返却後1)700における式別713のマーク欄は正しくマークが記入されているため、式別713のマーク欄を囲む非強調表示の印刷がされる。
なお、カード印刷部33は、ステップS42およびS44において、投票カードのマーク欄に干渉しないよう印刷する。印刷したカードを返却後、利用者が投票カードのマークミスを目視で確認し、マーク欄に記入したマークを修正できるようにするためである。
マーク欄に干渉しないように印刷するとは、投票カードに予め設けられた文字あるいは図形のいずれかが記載される領域を除いた領域に印刷することを含む。また、投票カードに予め設けられた文字あるいは図形が視認できる程度に背景色を変更することや、読取センサ356がマークを読み取りできるように印刷することを含む。
投票カード(返却後1)700における式別713に着目して、干渉しないように印刷する例を説明する。カード印刷部33は、式別713の領域に含まれる式別の種類を示す「単勝」〜「3連単」の文字と、これらの文字に対応した四角形の図形で示したマーク欄を塗りつぶさないように式別713の枠に非強調表示の印刷をする。式別713は、枠を描くことで非強調表示の印刷をしたが、式別713の枠内の領域の背景色を変更することで非強調表示の印刷を行ってもよい。
このように、投票端末1,30は、投票カードに強調表示の印刷をすることで、利用者が投票カードの誤記を見つけやすくできる。
また、投票端末1,30は、利用者が返却された投票カードを再投入した場合であっても、すでに印刷された強調表示と非強調表示に重ねて印刷することで、再度マークミスの判定した結果を投票カードに表すことができる。これにより、再投入された投票カードにおいて、同じ項目でマークミスが繰り返された場合であっても、新たにマークミスが生じた場合であっても、投票カードの誤記を見つけやすくできる。
このようにして、利用者が投票カードの誤記を見つけやすくできる投票端末、投票システムおよび投票方法を提供できる。
また、返却された投票カードで誤記を確認しやすくなるため、利用者一人当たりの投票端末の操作時間短縮が見込める。これにより、投票券の購入を希望する多数の利用者が、投票端末に行列をなしている場合であっても、投票端末における取引効率を向上させることが見込める。
また、利用者は、返却された投票カードを用いて、投票カードを返却した投票端末とは異なる他の投票端末で投票券を購入することができる。このため、利用者が特定の投票端末を占有する時間を短縮させることや、投票券の販売効率の向上が見込める。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、投票端末1,30が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP、ASIC、PLDなどの電子回路で実現することもできる。
なお、本実施の形態で説明した投票端末は一例であり、有人・無人の現金による発券機/発払機や会員カード等を用いて、キャッシュレスで投票が可能なキャッシュレス端末等も含まれる。投票カードを用いて投票が可能な装置全般を含む。また、宝くじ等の発売機・発券機にも応用が可能である。
また、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではない。