JP6212359B2 - 包装体 - Google Patents
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Description
図14に示すように、特許文献1に記載の包装体100は、気密性及び液密性を有する柔軟なシートから形成され、内部にウェットティッシュが封入される封入袋101を有する。封入袋101は、ウェットティッシュを取出すための取出し口102及びこの取出し口102を覆う開閉蓋103を有する。取出し口102は、封入袋101に形成された切離し用切込み106に沿って切り離すことにより形成される。
開閉蓋103は、両端にそれぞれ例えば半円状の摘み部104が設けられている。また、開閉蓋103における摘み部104の内側には、開閉蓋103の全幅にわたって切込み105が設けられている。
また、ウェットティッシュを取り出した後は、開閉蓋103で取出し口102を覆うように再封することにより、ウェットティッシュの乾燥を防止して保存することができる。これを繰り返すことにより、何度でもウェットティッシュを取り出して使用することが可能になる。
しかしながら、剛性の高い開閉蓋を用いた場合には、開いた時の反発力が強く、よりラベルが戻りやすい傾向がある。
このため、開いた後に摘み部から手を放すと、合成樹脂の反発力により開閉蓋が閉じてしまい、ウェットティッシュを取り出しにくいという問題があった。
また、剛性の高い開閉蓋を用いた場合には、開閉蓋と封入袋との間に隙間ができにくく、かつ、剛性が高いため、開閉蓋を開けにくいという問題もある。
以下、本発明に係る第1実施形態の包装体について、図面を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、本発明に係る第1実施形態の包装体10Aは、ウェットティッシュ11を収納する包装袋20を有する。
包装袋20は、液密性及び気密性等を有するシートから扁平な筒状に形成されており、長手方向両端において密に接合(接合部21)されている。
なお、包装袋20の側面には、マチ部202が設けられており、包装袋20の厚さの変化に対応可能となっている。
開口部22は、初めから包装袋20の上面201を切欠いて設けることができるが、上面201に容易に切り取ることができる切り込み221を設けておいても良い。切り込み221を設けた場合には、後述する開閉ラベル30Aを最初に開けた際に切り離されて、開口部22が形成される。
なお、包装袋20の上面201に、開口部22の周囲を補強するための補強ラベル23を設けることもできる。補強ラベル23には、包装袋20の上面201の開口部22に対応した開口部231が設けられている。補強ラベル23は、60μm以上150μm以下の厚さを有するPET(ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate))樹脂で形成するのが望ましい。
これにより、包装袋20の上面201における開口部22の周囲に、しわが発生するのを防止できる。
図2(A)及び図3(A)に示すように、開閉ラベル30Aは、開口部22を覆う本体部31と、長手方向の一端側に設けた摘み部32と、長手方向の他端側に設けられ開閉時に開閉ラベル30Aを支持する基底部33とを有する。
基底部33と本体部31との間には、開閉ラベル30Aの幅方向に第1の切り込み線34が設けられている。
基底部33と本体部31との間には、第1の切り込み線34が設けられている。第1の切り込み線34は、表面樹脂層35を除いて設けられており、中間樹脂層36、裏面樹脂層37及び接着剤層38を貫通して設けられている。
なお、裏面樹脂層37における摘み部32の内面には、接着剤層381は設けられていない。このため、摘み部32は包装袋20の上面201に接着されていないので、容易に持ち上げることができる。
厚さが15μmより薄いと、繰り返し開閉時に接続部分である第1の切り込み線34に対応する位置において破断が発生しやすくなる。また、厚さが30μmより厚いと、表面樹脂層35の反発力が大きくなり、開時に摘み部32を離したときに開閉ラベル30Aが反発力により戻ってしまうおそれがある。
接続幅が15mmより狭いと強度的に弱く、70mmより広いと表面樹脂層35による反発が強すぎる。
合計厚さが80μmより薄いと、開閉ラベル30A全体の剛性が低くなり、よれ易く開閉しにくい。一方、300μm以上の厚さでは、必要以上の厚さとなり材料の無駄を生じる。
中間樹脂層36は裏面樹脂層37より剛性が高いことが望ましい。中間樹脂層36より裏面樹脂層37の剛性が高い場合には、層間でデラミネーション(層間剥離)が起きやすくなるためである。
第2の切り込み線39Aは、中間樹脂層36及び裏面樹脂層37を貫通して設けられている。
すなわち、表面樹脂層35には、第1の切り込み線34及び第2の切り込み線39Aは設けられていないので、連続するとともに、一定の剛性を保持している。
図4には、開閉ラベル30Aを開けた状態が示されている。開閉ラベル30Aを開けると、包装袋20の上面201に固定されている基底部33の一端に設けられている第1の切り込み線34から上方に折り曲がる。このとき、表面樹脂層35のみが連続しているので、裏面樹脂層37及び中間樹脂層36は、第1の切り込み線34において切断されるか、少なくとも剛性が大幅に低下しているので、容易に折り曲がる。
さらに、第2の切り込み線39Aにおいても同様に、表面樹脂層35のみが連続しているので、容易に折り曲がる。
これにより、開閉ラベル30Aは、容易に開閉できるとともに、表面樹脂層35の反発力のみでは、容易に閉まることはない。
本発明の包装体10Aは、ウェットティッシュ11を収納するとともにウェットティッシュ11を取り出す開口部22を有する包装袋20と、開口部22を覆う開閉ラベル30Aと、を有する。開閉ラベル30Aは、長手方向の一端側に設けた摘み部32と、本体部31と、包装袋20に固定されて開状態の開閉ラベル30Aを支持する基底部33と、を有する。基底部33と本体部31との間には、第1の切り込み線34が開閉ラベル30Aの幅方向に設けられている。
また、開閉ラベル30Aを開いたときに、開閉ラベル30Aの自重により、第1の切り込み線34において折り曲がるので、開状態を維持する。このため、摘み部32から手を放しても、開閉ラベル30Aはその反発力で戻らないので、ウェットティッシュ11を容易に取り出すことができる。
このため、第1の切り込み線34と第2の切り込み線39Aの協働により、開閉ラベル30Aを容易に折り曲げて開けることができるとともに、開けた後に戻る反発力が小さくなるので、摘み部32から手を放しても戻りにくくなる。
これにより、容易にウェットティッシュ11を取り出すことができる。
また、ある程度剛性の高い表面樹脂層35を用いることができるので、開閉ラベル30Aの耐久性を向上させることができる。
表面樹脂層35が30μmよりも厚いと、根元部分の反発力が大きくなり、摘み部32から手を放したときに開閉ラベル30Aが閉まりやすくなるので、ウェットティッシュ11を取り出しにくくなる。
また、15μmよりも薄いと、根元部分の反発力が小さく、繰り返し開閉時に破断し易くなるためである。
これにより、開閉ラベル30A全体の剛性を十分に確保でき、開閉時によれるのを防止できる。
また、厚すぎないので、材料の無駄を防止できる。
これにより、開閉ラベル30Aは、好適な剛性を確保することができる。中間樹脂層の基材として、熱可塑性樹脂が望ましく、ポリエチレンテレフタレート樹脂がさらに望ましい。
例えば、前述した包装体10Aにおいては、補強ラベル23を、包装袋20の上面201に設けた場合を例示したが、図5に示すように、補強ラベル23を、包装袋20の内面に設けることも可能である。
このようにしても、開閉ラベル30Aの開閉の際に、包装袋20の上面201における開口部22の周囲に、しわが発生するのを防止できる。
また、開閉ラベル30Aは、第1の切り込み線34及び第2の切り込み線39Aにおいて容易に折曲げることができるので、開閉ラベル30Aを容易に開閉することができる。
これにより、開閉ラベル30Aの開閉時に、包装袋20の上面201にしわが生じにくくなり、開閉ラベル30Aをスムーズに開閉できる。
また、裏面樹脂層37は、第1の切り込み線34及び第2の切り込み線39Aにおいて容易に折曲げることができるので、開閉ラベル30Aを容易に開けることができる。
図7(A)は前述した包装体10Aにおいてストッパー41Aを設けた場合であり、第1の切り込み線34に連続して本体部31に湾曲した切り込み42Aを設けた。
図7(B)は外枠部分40を設けた場合(図6参照)においてストッパー41Bを設けた場合であり、第1の切り込み線34に連続して外枠部分40に湾曲した切り込み42Bを設けた。
これにより、開閉ラベル30Aを勢いよく開けたときでも、確実に第1の切り込み線34に沿って折り返すことができる。
次に、本発明に係る第2実施形態の包装体について説明する。
なお、前述した第1実施形態に係る包装体10Aと共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
図8及び図9に示すように、第2実施形態の包装体10Bでは、第2の切り込み線39Bを、開閉ラベル30Bにおける本体部31と摘み部32との境界に形成した。
このため、摘み部32は第2の切り込み線39Bにおいて容易に折り曲げることができる。また、摘み部32は接着剤層381が設けられていないので、摘み部32を容易に摘まむことができ、開閉ラベル30Bを容易に開けることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。実施例及び比較例で得られた包装体の評価は以下のように行った。いずれの評価方法についても、評価の高い順に、◎、○、△、×となる4段階評価を行った。
開閉ラベルの剛性は、実際にラベルを開閉した時に、剛性の不足によるラベルでのシワの発生のし易さで評価した。
開閉ラベルの反発戻りは、実際にラベルを開いた後に、手を摘み部32から離した場合、ラベルが合成樹脂の反発により自然に戻ってしまうかどうかで評価した。
開閉ラベルの摘みやすさは、実施用によるアンケート調査を行い、評価した。
開閉ラベルのデラミネーションは、ラベルを20回に渡り、繰り返し開閉し、各層間にデラミネーション(層間剥離)が発生しているかを目視で評価した。
このため、摘み部32が本体部31に対して容易に折り曲がるので、開閉ラベル30Bを開ける際に摘み部32を容易に摘まむことができ、容易に開閉ラベル30Bを開けることができる。
例えば、前述した包装体10Bにおいては、補強ラベル23を、包装袋20の上面201に設けた場合を例示したが、図11に示すように、補強ラベル23を、包装袋20の内面に設けることも可能である。
このようにしても、開閉ラベル30Bの開閉の際に、包装袋20の上面201における開口部22の周囲に、しわが発生するのを防止できる。
また、摘み部32は、第2の切り込み線39Bにおいて容易に折曲げることができるので、摘み部32を容易に摘まむことができ、開閉ラベル30Bを容易に開けることができる。
これにより、開閉ラベル30Bの開閉時に、包装袋20の上面201にしわが生じにくくなり、開閉ラベル30Bをスムーズに開閉できる。
また、摘み部32は、第2の切り込み線39Bにおいて容易に折曲げることができるので、摘み部32を容易に摘まむことができ、開閉ラベル30Bを容易に開けることができる。
図13(A)は前述した包装体10Bにおいてストッパー41Aを設けた場合であり、第1の切り込み線34に連続して本体部31に湾曲した切り込み42Aを設けた。
図13(B)は外枠部分40を設けた場合(図12参照)においてストッパー41Bを設けた場合であり、第1の切り込み線34に連続して外枠部分40に湾曲した切り込み42Bを設けた。
これにより、開閉ラベル30Bを勢いよく開けたときでも、確実に第1の切り込み線34に沿って折り返すことができる。
例えば、第1実施形態の包装体10Aで設けた第2の切り込み線39Aと、第2実施形態の包装体10Bで設けた第2の切り込み線39Bを同時に設けることも可能である。この場合には、第2の切り込み線を2本設けることになる。
11 ウェットティッシュ
20 包装袋
22 開口部
30A,30B 開閉ラベル
31 本体部
32 摘み部
33 基底部
34 第1の切り込み線
35 表面樹脂層
36 中間樹脂層
37 裏面樹脂層
38 接着剤層
39A,39B 第2の切り込み線
Claims (6)
- ウェットティッシュを収納し、前記ウェットティッシュを取り出す開口部を有する包装袋と、
前記開口部の周囲に剥離可能に接着される開閉ラベルと、を有する包装体であって、
前記開閉ラベルは、表面樹脂層、少なくとも2層の中間樹脂層、裏面樹脂層がこの順に積層された構造を有し、
長手方向の一端側に設けられた摘み部と、
本体部と、
長手方向の他端側に幅方向に設けられ、前記中間樹脂層と前記裏面樹脂層を貫通する第1の切り込み線と、
前記第1の切り込み線より長手方向の他端側に設けられ、前記包装袋に固定される基底部と、
前記第1の切り込み線より摘み部側に幅方向に設けられ、少なくとも前記裏面樹脂層を貫通する第2の切り込み線と、を備え、
前記中間樹脂層は、少なくとも1層が75μm以上110μm以下の厚さのポリエチレンテレフタレート樹脂から形成され
前記中間樹脂層は裏面樹脂層より剛性が高いことを特徴とする包装体。 - 前記第2の切り込み線は、前記裏面樹脂層と前記中間樹脂層を貫通し、前記第1の切り込み線から0.5mm以上2.0mm以下の間隔に形成されていることを特徴とするに請求項1に記載の包装体。
- 前記第2の切り込み線は、前記裏面樹脂層を貫通し、前記本体部と前記摘み部の境界に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装体。
- 前記表面樹脂層が15μm以上30μm以下の厚さのポリプロピレン樹脂から形成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の包装体。
- 前記中間樹脂層と前記裏面樹脂層が、合計で80μm以上300μm以下の厚さであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の包装体。
- 前記中間樹脂層は、2層であり、かつ、前記2層のいずれも75μm以上110μm以下の厚さのポリエチレンテレフタレート樹脂から形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の包装体。
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