JP6212074B2 - 最寄りのネットコメントを表示可能なラダープログラム編集装置 - Google Patents

Description

本発明は、ラダープログラム編集装置に関し、特に検索結果表示画面にネットコメントを表示する機能を備えたラダープログラムの編集装置に関する。

ラダープログラムの処理の区切りが良いところに処理内容についての説明文を追加しておき、後日、ラダープログラムを見たときや、第三者がプログラムを見たとき、ラダー処理内容の理解の手助けとなるように説明文を追加することができる。

通常ラダープログラムは、数行から数十行のラダー回路で１つの機能を実現するよう作成されることが多い。そのため理解の補助となるようにラダー回路中に付箋やコメントを付加し、続くラダー回路の処理内容を記述することで処理内容が理解し易いように工夫している（例えば、特許文献１，２）。

また、各接点のアドレスにシンボルやコメントなどの情報をあらかじめ登録しておき、接点のアドレスに設定されたシンボル、コメントなどの情報を子画面に表示して、シーケンスプログラムの作成および編集作業を効率化できる編集方法が提供されている（例えば、特許文献３）。

図７は、コメントの一種であるネットコメントが登録されているラダープログラムの表示例を示している。図７においては、表示上において、ラダープログラムを構成する各ラダー回路の上に、当該ラダー回路に関する説明を含むネットコメントが表示されている。

特許第３３４３８９４号公報 特開２００５−０９２８０７号公報 特開２００３−２９５９１１号公報

一般に、ラダー回路の接点の検索には、検索条件に一致するラダープログラムへジャンプして表示する方法と、ラダープログラム全体から検索条件に一致するラダー回路を取得して、取得したラダー回路を一覧表示する方法がある。図８は、後者の検索結果を一覧で表示する例を示している。図８に示すように、検索にヒットしたラダー回路を検索結果として一覧で表示する方法は検索結果の全体像を把握しやすいものの、その反面検索条件に一致したラダー回路だけが表示されるため、どの様な処理を行っている場所のラダー回路なのか判定することが困難な場合がある。

その場合、ユーザは検索されたラダー回路の元の場所の近辺を表示し直して、前後のラダー回路や先述のコメントなどから処理内容を確認する必要があった。その結果、目的のラダー回路を探し出すために、検索結果の一覧画面とラダー画面を切り替えてラダーの処理内容を確認することを何度も繰り返す必要があり、当該作業がユーザにとって大きな負担となっていた。

そこで本発明の目的は、検索結果表示画面にネットコメントを表示する機能を備えたラダープログラム編集装置を提供することである。

本発明は、ラダープログラム内に処理内容の概略説明文の追加・表示が可能なラダープログラム編集装置において、ラダープログラム内のアドレスやシンボルなどを検索し、検索されたラダー回路を一覧で表示するとき、検索したラダー回路の最寄りの概略説明文と一緒に表示することで表示されたラダー回路の理解を助けることができるラダープログラム編集装置を提供する。

そして本願の請求項１に係る発明は、ユーザから指定された検索条件に基づいて検索対象となるラダープログラム内を検索し、検索条件に一致するラダー回路を表示する機能を有するラダープログラム編集装置において、前記ラダープログラムから検索条件に一致するラダー回路を抽出すると共に、抽出した該ラダー回路と関連するネットコメントを抽出する検索手段と、前記検索手段により抽出された前記ラダー回路を表示する際に、前記ラダー回路に対して前記ネットコメントを関連付けた表示態様で表示する検索結果表示手段と、を備え、前記検索手段は、前記ラダープログラムを表示する画面において、前記ラダー回路の上方に表示される直近のネットコメントを該ラダー回路に関連するネットコメントとして抽出する、ことを特徴とするラダープログラム編集装置である。

本願の請求項２に係る発明は、前記検索結果表示手段は、それぞれの前記ラダー回路の上方に前記ネットコメントを表示する、ことを特徴とする請求項１に記載のラダープログラム編集装置である。

本発明により、検索条件に一致するラダープログラムを一覧表示する時、そのラダー回路に関連したネットコメントを伴ってラダー回路が一緒に表示されるので、どのような処理を担うラダー回路なのかを判断しやすく、一覧の中から目的のラダー回路を効率よく見つけ出せる。また、検索結果の画面とラダー画面を切り替えてラダーの処理内容を確認する頻度を減らせるので、ラダープログラムを効率よく編集できる。

本発明におけるラダープログラムの検索結果表示の例を示す図ある。 本発明の実施形態におけるラダー回路編集装置の概略ブロック図である。 本発明の実施形態におけるプログラムデータの例を示す図である。 本発明の実施形態における検索結果テーブルの例を示す図である。 本発明の実施形態における検索処理のフローチャートである。 本発明の実施形態における検索結果一覧表示処理のフローチャートである。 ラダープログラムの例を示す図である。 従来技術におけるラダープログラムの検索結果表示の例を示す図である。

以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
本発明のラダープログラム編集装置は、以下の手段により、検索結果を一覧表示する際に検索条件に一致したラダー回路に関するネットコメントを付加して表示することで、理解しやすいラダープログラムの検索結果一覧の表示手段を提供する。
●［手段１］検索結果を取得する場合、検索条件に一致した各ラダー回路に対して、その上方に位置する最寄りのネットコメントを検索して、各ラダー回路の位置と対応するネットコメントの位置を記憶する手段を設ける。
●［手段２］検索結果を一覧で表示する際、前記の記憶した各ラダー回路の位置と対応するネットコメント位置を利用して、各ラダー回路とネットコメントを一緒に表示する手段を設ける。
以上の手段によって、関連性の高いネットコメントをラダー回路と一緒に検索結果の一覧に表示することができる。

図１は、本発明の検索結果一覧表示画面の例を示している。図１に示すように、本発明では、検索条件に一致したラダー回路を発見した時、該ラダー回路の上方の最寄りのネットコメントも一緒に検索して抽出し、検索されたラダー回路を表示する際に、該ラダー回路と一緒に検索されたネットコメントを該ラダー回路の上方に表示することにより、ユーザは検索されたそれぞれのラダー回路について、同時に表示されるネットコメントを見ることで該ラダー回路がどのような処理をしているラダー回路なのかを容易に把握できるようになり、目的とするラダー回路を効率よく探し出せるので効率よくラダー編集ができる。

図２は、上記で説明した検索結果一覧表示機能を提供する本発明の一実施形態におけるラダープログラム編集装置の要部ブロック図を示している。本実施形態のラダープログラム編集装置１は、ＣＰＵ１０、ＲＯＭ１１、ＲＡＭ１２、二次記憶装置１３、キーボード１４、表示器１５、ネットワークインタフェース１６、外部機器インタフェース１７を備える。

ラダープログラム編集装置１が備えるＣＰＵ１０は、ラダープログラム編集装置１を全体的に制御するプロセッサであり、ＲＯＭ１１に格納されたシステムプログラムをバスを介して読み出し、該システムプログラムに従ってラダープログラム編集装置１を制御する。システムプログラムには、検索結果を表示するためのプログラムもまた含まれており、該プログラムを実行することにより後述するフローチャートにより説明される各処理が実行され、本発明の検索結果一覧表示機能がユーザに対して提供される。

ＲＡＭ１２には、一時的な計算データや表示器１５に表示される表示データ、キーボード１４などの入力機器を介して入力された各種データを格納するワークメモリ領域と、編集対象となるラダープログラムなどのシーケンスプログラムのプログラムデータを格納する領域が設けられている。また、ＲＡＭ１２には、本発明の検索結果一覧表示機能のプログラムが実行される際に、後述する検索結果テーブルなどの各種テーブルを記憶する領域が確保される。

二次記憶装置１３は、ハードディスク装置、メモリカード、ＵＳＢメモリといった不揮発性の記憶装置や、バッテリバックアップされた不揮発性のメモリなどで構成され、ラダープログラム編集装置１が取り扱うラダープログラムなどのシーケンスプログラムや、設定ファイル、パラメータファイルなどの各種ファイルが記憶されている。

キーボード１４は、ユーザからの入力を受け付ける入力機器であり、検索条件の指定等に用いられる。また、表示器１５は、ラダープログラム編集装置１の内部状態の表示や、ラダープログラム、検索結果一覧などを表示するための液晶表示装置やタッチパネルなどである。

ネットワークインタフェース１６には、ＬＡＮやＷＡＮなどのネットワークが接続されており、該ネットワークインタフェース１６を介して外部装置との間でラダープログラムなどのシーケンスプログラムの送受信を行う。
また、外部機器インタフェース１７には、図示しないマウスなどの入力装置や、ラダープログラム編集装置１と協働して動作する様々な外部機器が接続される。

以下では、本実施形態のラダープログラム編集装置１を用いて、検索対象のラダープログラムと、その中で検索条件に一致するラダー回路と、そのラダー回路に最寄りのネットコメントの位置情報を検索結果テーブルに格納し、検索結果テーブルに格納した位置情報を使用して検索結果を一覧表示する実施例を挙げる。

図３は、ラダープログラム編集装置１のＲＡＭ１２に記憶されるラダープログラムの「プログラムデータ」を例示する図である。「プログラムデータ」は検索対象となるラダープログラムを表すデータであり、ラダー回路もしくはネットコメントである「ラダーデータ」が並んだものとして構成されている。各ラダー回路はそれぞれ１つの「ラダーデータ」として表されるが、ラダープログラム上において連続するネットコメントは１つの「ラダーデータ」としてまとめられている。また、「ラダーポインタ」は、プログラムデータ中のラダーデータの位置を指し示すために使われる。

図４は、ラダープログラム編集装置１のＲＡＭ１２に記憶される検索結果テーブルを例示する図である。「検索結果テーブル」は検索条件を満たしたラダー回路に関する情報を格納するために使われ、「検索結果テーブル」の各行には「ネットコメント位置」と「命令位置」の組が記憶される。「結果ポインタ」は「検索結果テーブル」中の「ネットコメント位置」と「命令位置」の組を記憶する行の位置を指し示すために使われる。「検索総数」は「検索結果テーブル」へ格納した「ネットコメント位置」と「命令位置」の組の総数を格納する。「表示ポインタ」は検索結果一覧を表示する時に「検索結果テーブル」中の「ネットコメント位置」と「命令位置」の組が記憶された行を指し示すために使われる。

検索結果一覧表示は、ラダーデータの中から検索条件に合致するラダー回路を抽出してその情報を記憶する「検索処理」と、検索処理により記憶されたラダー回路の情報から検索結果としてラダー回路を一覧表示する「検索結果一覧表示処理」により実現される。
図５は、本発明のラダープログラム編集装置１上で実行される「検索処理」の概略フローチャートである。

●［ステップＳＡ０１］ユーザにより入力された検索条件の取得と、検索処理の初期設定を行う。検索処理の初期設定では「ネットコメント番号」を０に、「ラダーポインタ」を１に、「結果ポインタ」を０に、「検索総数」を０に、それぞれ設定する。
●［ステップＳＡ０２］「ラダーポインタ」が検索対象とする「プログラムデータ」が含む「ラダーデータ」の個数Ｎ以下であるか否かを判定する。Ｎ以下である場合にはステップＳＡ０３へ進み、個数Ｎを超えた場合には該「プログラムデータ」の検索が終了したので本処理を終了する。

●［ステップＳＡ０３］「ラダープログラム」内の、「ラダーポインタ」が示す位置の「ラダーデータ」を取得する。
●［ステップＳＡ０４］ステップＳＡ０３で取得した「ラダーデータ」がネットコメントであるか否かを判定する。ネットコメントである場合にはステップＳＡ０５へ進み、ネットコメントではない場合にはステップＳＡ０６へ進む。
●［ステップＳＡ０５］「ネットコメント番号」に現在の「ラダーポインタ」の値を設定する。

●［ステップＳＡ０６］ステップＳＡ０３で取得した「ラダーデータ」が検索条件と一致するか否かを判定する。検索条件と一致する場合にはステップＳＡ０７へ進み、一致しない場合にはステップＳＡ０９へ進む。
●［ステップＳＡ０７］「検索総数」を１増やす。また、「結果ポインタ」を１増やす。
●［ステップＳＡ０８］「検索結果テーブル」の「結果ポインタ」が指し示す行において、「ネットコメント位置」へ「ネットコメント番号」の値を設定すると共に、「命令位置」へ「ラダーポインタ」の値を設定する。
●［ステップＳＡ０９］「ラダーポインタ」を１増やし、ステップＳＡ０２へ戻る。

上記検索処理により、検索対象となるラダープログラムの中から検索条件に一致するすべてのラダー回路のラダープログラム内での位置が抽出されると共に、該ラダーデータのそれぞれの上方にあるネットコメントのラダープログラム内での位置もまた抽出され、これらがそれぞれ組となって検索結果テーブルに格納される。

図６は、上記検索処理の結果得られた検索結果テーブルに格納されているラダー回路の位置（命令位置）とネットコメントの位置（ネットコメント位置）に基づいて検索結果の一覧を表示する、本発明のラダー編集装置１上で実行される「検索結果一覧表示処理」の概略フローチャートである。
●［ステップＳＢ０１］検索結果一覧表示処理の初期設定を行う。検索結果一覧表示処理の初期設定では、「表示ポインタ」を０に、「ネットコメント位置情報」を０に、それぞれ設定する。
●［ステップＳＢ０２］「表示ポインタ」が「検索結果テーブル」に格納されている検索結果の数である「検索総数」Ｍ未満であるか否かを判定する。Ｍ未満である場合にはステップＳＢ０３へ進み、Ｍ以上である場合には検索結果テーブル内のデータの表示が終了したので本処理を終了する。

●［ステップＳＢ０３］「表示ポインタ」の値を１増やす。
●［ステップＳＢ０４］「表示ポインタ」が指し示す「検索結果テーブル」の行位置に格納されている「ネットコメント位置」を取得する。
●［ステップＳＢ０５］ステップＳＢ０４で取得した「ネットコメント位置」が「ネットコメント位置情報」と同じであるか否かを判定する。同じである場合にはステップＳＢ０７へ進み、異なる場合にはステップＳＢ０６へ進む。

●［ステップＳＢ０６］プログラムデータにおける、ステップＳＢ０４で取得した「ネットコメント位置」からネットコメントを取得し、検索結果画面へネットコメントを表示すると共に、ステップＳＢ０４で取得した「ネットコメント位置」の値を（現在表示されているネットコメントの位置情報として）「ネットコメント位置情報」に設定する。
●［ステップＳＢ０７］「表示ポインタ」が指し示す「検索結果テーブル」の行位置に格納されている「命令位置」を取得し、取得した「命令位置」に基づいてプログラムデータからラダーデータを取得、検索結果画面へ該ラダーデータのラダー回路を表示する。

上記検索結果一覧表示処理により、検索結果テーブルに格納されているラダー回路（検索条件に一致したラダー回路）が一覧表示されると共に、各ラダー回路の上方に、該ラダー回路の上方にあるネットコメントが合わせて表示される。ユーザは、当該ネットコメントを参照することにより、各ラダー回路の役割などを判断することが容易になり、一覧の中から目的のラダー回路を効率よく見つけ出せるようになる。そのため、従来ユーザが行っていた検索結果一覧表示画面と、ラダープログラムの画面の切換え表示が不要となり、ユーザの検索・確認作業に掛かる労力を軽減することができる。

以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態の例のみに限定されることなく、適宜の変更を加えることにより様々な態様で実施することができる。

例えば、上記実施形態では、ラダー回路の上方にあるネットコメントを該ラダー回路に関連するネットコメントであるものとしてラダープログラム内から一緒に抽出しているが、検索されたラダー回路に対して、どのネットコメントが関連しているのかについては、ラダープログラムやラダープログラム編集装置の仕様に合わせて適宜変更してもよい。例えば、各回路の横にコメントを記載できる形式のラダープログラム編集装置の場合、ラダープログラムを表示する画面において、ラダー回路の横に表示されるネットコメントを該ラダー回路に関連するネットコメントとして一緒に抽出するようにすればよい。

また、上記実施形態では、検索結果一覧を表示する際に、検索されたラダー回路の表示位置において上方にネットコメントを表示するようにしているが、検索されたラダー回路の下に表示するようにしてもよく、また、横に並べて表示したり、吹き出しの態様で表示したりするなど、ラダー回路とネットコメントとの関係が把握できるさまざまな表示態様で表示するようにしてもよい。

更に、検索処理、検索結果一覧表示処理の処理フローや、ラダープログラム、検索結果テーブル等のデータ構造についても上記に限定されるものではなく、検索結果の一覧表示画面において関連性の高いネットコメントをラダー回路と一緒に表示するという本発明の目的を果たせるのであれば、設計的な範囲で処理フローやデータ構造を変更してもよい。

１ ラダープログラム編集装置
１０ ＣＰＵ
１１ ＲＯＭ
１２ ＲＡＭ
１３ 二次記憶装置
１４ キーボード
１５ 表示器
１６ ネットワークインタフェース
１７ 外部機器インタフェース

Claims (2)

1. ユーザから指定された検索条件に基づいて検索対象となるラダープログラム内を検索し、検索条件に一致するラダー回路を表示する機能を有するラダープログラム編集装置において、
   前記ラダープログラムから検索条件に一致するラダー回路を抽出すると共に、抽出した該ラダー回路と関連するネットコメントを抽出する検索手段と、
   前記検索手段により抽出された前記ラダー回路を表示する際に、前記ラダー回路に対して前記ネットコメントを関連付けた表示態様で表示する検索結果表示手段と、
   を備え、
   前記検索手段は、前記ラダープログラムを表示する画面において、前記ラダー回路の上方に表示される直近のネットコメントを該ラダー回路に関連するネットコメントとして抽出する、
   ことを特徴とするラダープログラム編集装置。
2. 前記検索結果表示手段は、それぞれの前記ラダー回路の上方に前記ネットコメントを表示する、
   ことを特徴とする請求項１に記載のラダープログラム編集装置。

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