JP6210815B2 - スルホン酸(塩)基とアミノ基とを含有する化合物およびその製造方法 - Google Patents

スルホン酸(塩)基とアミノ基とを含有する化合物およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、スルホン酸(塩)基とアミノ基を含有する化合物およびその製造方法に関する。より詳しくは、水処理剤等として有用な重合体の原料として用いることができるスルホン酸(塩)基とアミノ基を含有する化合物およびその製造方法に関する。
従来より、スルホン酸(塩)基を含有する重合体は、水処理剤、分散剤など、幅広い分野で用いられている(例えば、特許文献1)。
また、特許文献2には、(i)ポリアルキレングリコール系単量体(A)に由来する構造単位(a)と、(ii)カルボキシル基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)、とを必須とするポリアルキレングリコール系重合体であって、上記ポリアルキレングリコール系単量体(A)は、下記一般式(R−1);
Figure 0006210815
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、メチレン基、エチレン基又は直接結合を表す。Zは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のオキシアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数であって、1〜300の数を表す。X、Yは、水酸基、下記一般式(R−2)で表される構造、下記一般式(R−3)で表される構造、で表される構造を表す(但しX、Yのいずれか一方は水酸基を表し、残りの一方は下記一般式(R−2)で表される構造または下記一般式(R−3)で表される構造を表す)。
Figure 0006210815
(上記一般式(R−2)において、Rは、炭素数1〜10の置換または無置換のアルキレン基、炭素数6〜10の置換または無置換のアリーレン基を表す。上記一般式(R−2)、(R−3)において、Mは、水素原子、金属原子、アンモニウム基、有機アミン塩(有機アンモニウム基)を表す。)、
で表される構造を有し、上記ポリアルキレングリコール系重合体は、上記重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量100質量%に対して、構造単位(a)を1〜99質量%含み、構造単位(b)を1〜99質量%含むことを特徴とするポリアルキレングリコール系重合体が開示されている。
特許文献2には、上記ポリアルキレングリコール系重合体は、良好な耐ゲル化能を示すことが開示されている。
一方、特許文献3には、下記一般式(R−4)で表されるアミノ基含有単量体が開示されている。
Figure 0006210815
上記一般式(R−4)中、Rは、水素原子またはCH基を表し、Rは、CH基、CHCH基または単結合を表し、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表し、Yは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表し、nはオキシアルキレン基(−Y−O−)の平均付加モル数を表し、1〜300の数を表す。
特許文献3には、一般式(R−4)で表されるアミノ基含有単量体は、各種ノニオン性単量体やカチオン性単量体と優れた共重合性を有することが開示されている。
特開2002−3536号公報 特開2012−57096号公報 特開2012−56911号公報
上記特許文献2のポリアルキレングリコール系重合体は、高硬度下においても極めて良好な耐ゲル化能を示すことから、水処理剤用添加剤等への使用が提案されているものの、原料である上記一般式(R−1)で表される単量体は多くの不純物を含み、また、それらの不純物は、上記一般式(R−1)で表される単量体の精製で除去することは困難なことから、該ポリアルキレングリコール系重合体を水処理剤に配合する場合、該不純物またはそれに起因する不純物が大量に配合されることになる。
上記不純物は、水処理剤の性能に全く寄与しないばかりか、水処理剤の安定性や冷却水系の安定操業の観点から、該不純物を極力低減することが好ましい。
具体的には、上記一般式(R−1)で表される単量体には、中間体である下記一般式(1)で表される化合物の二重結合に、原料の亜硫酸水素ナトリウム等の重亜硫酸塩が付加した下記一般式(2)で表される化合物および/または下記一般式(1)で表される化合物の二重結合とグリシジル基の両方に、該重亜硫酸塩が付加した化合物等が多量に含まれる。これらの化合物は、重合性の二重結合を有しないことから、重合後も不純物として存在し続けることになる。
Figure 0006210815
一般式(1)において、Rは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表し、RはCHCH基、CH基または単結合を表わし、Rは水素原子またはCH基を表し、nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数であって、1〜300の数を表す。
Figure 0006210815
一般式(2)において、Rは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表し、RはCHCH基、CH基または単結合を表わし、Rは水素原子またはCH基を表し、nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数であって、1〜300の数を表し、Mは水素原子、金属原子、アンモニウム基または有機アミン基を表す。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、一般式(2)で表される化合物のような、非重合性化合物の含有量を少なく設定することが可能であり、例えば、水処理剤用重合体の原料として好適に使用することが可能なスルホン酸基とアミノ基とを含有する化合物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成する為に種々検討を行ない、本発明に想到した。
すなわち本発明のスルホン酸(塩)基とアミノ基とを含有する化合物は、下記一般式(3)で表されるスルホン酸(塩)基とアミノ基とを含有する化合物である。
Figure 0006210815
一般式(3)において、Rは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表し、RはCHCH基、CH基または単結合を表わし、Rは水素原子またはCH基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基を表し、nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数であって、0〜300の数を表し、mは、0〜10の数を表し、SO はスルホン酸(塩)基を表す(但し、Mは1価の正電荷を持った単原子イオン又は多原子イオンを表す。)。
本発明の別の局面からは、スルホン酸(塩)基とアミノ基とを含有する化合物の製造方法が提供される。すなわち、本発明のスルホン酸(塩)基とアミノ基とを含有する化合物の製造方法は、
下記一般式(1−1)または(1−2)で表される化合物と、下記一般式(4)で表される化合物とを反応させる工程を含む、スルホン酸(塩)基とアミノ基とを含有する化合物の製造方法である。
Figure 0006210815
一般式(1−1)、(1−2)において、Rは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表し、RはCHCH基、CH基または単結合を表わし、Rは水素原子またはCH基を表し、nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数であって、0〜300の数を表す。一般式(1−2)において、Xはハロゲン原子を表す。
Figure 0006210815
一般式(4)において、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基を表し、mは、0〜10の数を表し、SO はスルホン酸(塩)基を表す(但し、Mは1価の正電荷を持った単原子イオン又は多原子イオンを表す。)。
本発明のスルホン酸(塩)基とアミノ基とを含有する化合物は、その製造原料として亜硫酸水素ナトリウム等の重亜硫酸塩を使用する必要がないから、所定の不純物の含有量が低いので、重合体原料として使用したときに、重合体に含まれる所定の不純物またはそれに起因する不純物の含有量を低く設定することができる。また、本発明のスルホン酸(塩)基とアミノ基とを含有する化合物を水処理剤用重合体の原料として用いると、該重合体は、良好なリン酸カルシウムのスケール抑制能を有する。よって、本発明のスルホン酸(塩)基とアミノ基とを含有する化合物は、例えば、水処理剤等の添加剤の原料として好ましく使用することができる。
実施例1で得られたスルホン酸(塩)基とアミノ基とを含有する単量体のHNMRチャートである。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
[本発明の化合物]
本発明のスルホン酸(塩)基とアミノ基とを含有する化合物(以下、「本発明の化合物」とも言う)は、上記一般式(3)で表される構造を有している。
一般式(3)において、Rは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表し、RはCHCH基、CH基または単結合を表わし、Rは水素原子またはCH基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基を表し、nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数であって、0〜300の数を表し、mは、0〜10の数を表し、SO はスルホン酸(塩)基を表す(但し、Mは1価の正電荷を持った単原子イオン又は多原子イオンを表す。)。
上記一般式(3)において、Rが単結合である場合とは、上記一般式(3)のHC=C(R)−R−O−において、HC=C(R)−O−で表されることを意味する。すなわちHC=C(R)−R−は、RがCH基、RがCH基の場合はメタリル基、RがCH基、RがCHCH基の場合はイソプレニル基、RがCH基、Rが単結合の場合はイソプロペニル基、Rが水素原子、RがCH基の場合はアリル基、Rが水素原子、RがCHCH基の場合はブテニル基、Rが水素原子、Rが単結合の場合はビニル基を意味する。上記一般式(3)で表される単量体の重合性が良好になることから、RがCH基であることが特に好ましい。
上記一般式(3)におけるnは、オキシアルキレン基の平均付加モル数であって、0〜300の数である。nは、上記一般式(3)で表される化合物が用いられる用途に応じて、適宜選択すればよいが、上記一般式(3)で表される化合物を効率よく製造することができる観点から、nは、0〜100であることが好ましく、得られる共重合体のスケール抑制能がより向上する観点から、1〜50であることがより好ましく、2〜30であることがさらに好ましい。
上記一般式(3)におけるmは、0以上、5以下であることが好ましく、1以上、3以下であることがより好ましい。
上記一般式(3)におけるRは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表すが、上記一般式(3)で表される化合物の重合性が良好となることから、炭素数2〜4のアルキレン基を、Rの全量に対して、50〜100モル%含むことが好ましく、80〜100モル%含むことがより好ましく、90〜100モル%含むことがさらに好ましい。
上記炭素数2〜4のアルキレン基とは、具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基である。エチレン基、プロピレン基であることが特に好ましい。アルキレン基は、1種でも2種以上でも構わない。2種以上の場合は、−R−O−の構造はランダムに連続していても、交互に連続していても、ブロック状に連続していても良い。
上記一般式(3)におけるRは、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基を表すが、上記一般式(3)で表される化合物の製造収率が良好になる傾向にあることから、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、炭素数1のアルキル基であることが特に好ましい。上記アルキル基は直鎖状であっても良いし、分岐していても良い。上記炭素数1〜10のアルキル基は、水素原子の一部又は全部が他の官能基で置換されていても良いし、無置換であっても良い。上記官能基としては、水酸基、アルコキシ基、スルホン酸(塩)基、カルボン酸(塩)基、エステル基等が例示される。
炭素数6〜10のアリール基としては、置換または無置換のフェニル基等が例示される。置換基としては、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、スルホン酸(塩)基、カルボン酸(塩)基、エステル基等が例示される。
上記一般式(3)における−SO 基は、スルホン酸(塩)基を表し、Mは1価の正電荷を持った単原子イオンまたは多原子イオンを表す。単原子イオンとしては、H;Li、Na、K等のアルカリ金属イオン、Ag、Cu等の遷移金属イオンが例示される。多原子イオンとしては、H、NH 、有機アミンのイオン等が例示される。なお、上記スルホン酸(塩)基とは、スルホン酸基またはスルホン酸塩基を表し、スルホン酸基とは、上記MがHの形態である。
本発明の化合物を重合することにより、得られる重合体は、本発明の化合物に由来する構造単位を有することになる。本発明の化合物に由来する構造単位は、本発明の化合物に由来する構造単位の炭素炭素二重結合が単結合になった構造であり、下記一般式(5)で表すことができる。
Figure 0006210815
一般式(5)において、Rは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表し、RはCHCH基、CH基または単結合を表わし、Rは水素原子またはCH基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基を表し、nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数であって、0〜300の数を表し、mは、0〜10の数を表し、SO はスルホン酸(塩)基を表す(但し、Mは1価の正電荷を持った単原子イオン又は多原子イオンを表す。)。
[本発明の製造方法]
本発明の製造方法は、上記一般式(1−1)または(1−2)で表される化合物と、上記一般式(4)で表される化合物とを反応させる工程を含むことを特徴としている。
上記一般式(1−1)、(1−2)におけるR、R、R、nの態様および好ましい態様は、上記一般式(3)におけるR、R、R、nの態様および好ましい態様とそれぞれ同じである。
上記一般式(1−2)におけるXは、ハロゲン原子であり、塩素原子、臭素原子が例示される。
上記一般式(4)におけるR、M、mの態様および好ましい態様は、上記一般式(3)におけるR、M、mの態様および好ましい態様とそれぞれ同じである。
上記一般式(4)で表される化合物としては、具体的には、タウリン、メチルタウリン、エチルタウリン、n−ブチルタウリン、n−オクチルタウリンおよびこれらの塩等が例示される。塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩である。
上記一般式(1−1)で表される化合物と、上記一般式(4)で表される化合物との反応(以下、該反応を「反応I」とも言い、反応Iを行なう工程を「工程I」とも言う)は、溶媒非存在下に実施することが、効率よく反応が進行し、容積効率の観点からより好ましいが、溶媒の存在下でも実施できる。
使用できる溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に制限はなく、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類を挙げることができる。これらは一種のみを単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。その使用量に特に制限はないが、一般式(1−1)で表される化合物に対して、通常は0.005〜5倍質量の範囲であり、好ましくは0.01〜3倍質量の範囲である。
上記工程Iにおける、上記一般式(4)で表される化合物の使用量としては、上記一般式(1−1)で表される化合物に対し、モル比で、通常は一般式(1−1)で表される化合物/一般式(4)で表される化合物=2/1〜1/2であり、好ましくは1.7/1〜1/1.7であり、より好ましくは1.4/1〜1/1.4である。
工程Iの反応は、空気雰囲気下で行っても良いし、不活性ガス雰囲気下で行っても良い。また、減圧下、大気圧下、加圧下いずれでも実施できる。反応温度としては、通常は0〜200℃であり、好ましくは15〜150℃であり、より好ましくは30〜100℃である。原料である上記一般式(1−1)で表される化合物の流動性の観点から、攪拌に問題が生じない温度で実施することが好ましい。また、反応時間としては、通常は0.1〜50時間であり、好ましくは0.5〜30時間であり、より好ましくは1〜15時間である。
上記一般式(1−2)で表される化合物と、上記一般式(4)で表される化合物との反応(以下、該反応を「反応II」とも言い、反応IIを行なう工程を「工程II」とも言う)は、溶媒非存在下に実施することが、効率よく反応が進行し、容積効率の観点からより好ましいが、溶媒の存在下でも実施できる。使用できる溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に制限はなく、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類を挙げることができる。これらは一種のみを単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。その使用量に特に制限はないが、上記一般式(1−2)で表される化合物に対して、通常は0.005〜5倍質量の範囲であり、好ましくは0.01〜3倍質量の範囲である。
上記工程IIにおける、上記一般式(4)で表される化合物の使用量としては、上記一般式(1−2)で表される化合物に対し、モル比で、通常は一般式(1−2)で表される化合物/一般式(4)で表される化合物=2/1〜1/2であり、好ましくは1.7/1〜1/1.7であり、より好ましくは1.4/1〜1/1.4である。
工程IIの反応は、空気雰囲気下で行っても良いし、不活性ガス雰囲気下で行っても良い。また、減圧下、大気圧下、加圧下いずれでも実施できる。反応温度としては、通常は0〜200℃であり、好ましくは15〜150℃であり、より好ましくは30〜100℃である。原料である上記一般式(1−2)で表される化合物の流動性の観点から、攪拌に問題が生じない温度で実施することが好ましい。また、反応時間としては、通常は0.1〜50時間であり、好ましくは0.5〜30時間であり、より好ましくは1〜15時間である。
工程IIの反応は、バッチで行っても、連続で行っても良く、例えば、槽型、管型反応器のいずれの装置でも実施することができる。工程IIの反応後、脱塩などの工程を行うことが好ましい。脱塩工程は沈降分離、遠心分離、ろ過、洗浄などにより実施することができ、特に限定されるものではない、脱塩工程の実施条件は、塩が充分に取り除かれるように適宜実施すれば良く、充分な分離速度が得られる点で、15℃〜100℃の温度で実施することが好ましい。
上記一般式(1−1)、(1−2)で表される化合物は、公知の方法で製造することが可能である。例えば、特開2012−56911号公報に記載の方法が好ましく用いられる。
例えば、上記一般式(1−1)で表される化合物は、(i)イソプレノール等の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物に、アルカリ化合物とエピハロヒドリンを反応させる方法、(ii)イソプレノール等の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物に、触媒存在下でエピハロヒドリンを反応させた反応物に、アルカリ化合物を反応させる方法、等により製造することができる。
上記(i)の反応において、アルカリ化合物としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が好ましい。
上記(i)の反応におけるアルカリ化合物の使用量は、通常はモル比で、不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物/アルカリ化合物=15/1〜1/15であり、好ましくは5/1〜1/5であり、より好ましくは3/1〜1/3である。アルカリ化合物は水溶液の状態で使用しても良い。この場合、水(反応の進行に伴い副生する水も含む)を除去しながら反応を行っても良い。
上記(i)の反応におけるエピハロヒドリンの使用量は、通常はモル比で、不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物/エピハロヒドリン=1/1〜1/15であり、好ましくは1/1〜1/10であり、より好ましくは1/1〜1/5である。
上記(i)の反応は、必要に応じて相間移動触媒及び/又は溶媒の存在下行われる。
上記(ii)の方法における、不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物とエピハロヒドリンとの反応(「反応(ii−1)とも言う」)で使用する触媒は、酸でも塩基でも構わないが、酸が好ましい。酸としては、ルイス酸でもブレンステッド酸でも構わないが、ルイス酸が好ましい。ルイス酸としては、一般的にルイス酸と呼ばれるものは使用できるが、例えば、三フッ化ホウ素、四塩化錫、二塩化錫、塩化亜鉛、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、四塩化チタン、塩化マグネシウム、五塩化アンチモンなどが挙げられる。その使用量は、モル比で、通常は不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物/触媒=1/0.0001〜1/0.1であり、好ましくは1/0.0005〜1/0.05であり、より好ましくは1/0.001〜1/0.03である。
反応(ii−1)におけるエピハロヒドリンの使用量は、通常はモル比で、不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物/エピハロヒドリン=1/1〜1/30であり、好ましくは1/1〜1/10であり、より好ましくは1/1〜1/5である。
反応(ii−1)は、溶媒非存在下に実施することが、効率よく反応が進行し、容積効率の観点からより好ましいが、溶媒の存在下で実施しても良い。
上記(ii)の方法における、反応(ii−1)の反応物とアルカリ化合物との反応(「反応(ii−2)とも言う」)におけるアルカリ化合物としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が好ましい。
上記(ii−2)の反応におけるアルカリ化合物の使用量は、通常はモル比で、反応(ii−1)の反応物/アルカリ化合物=1/1〜1/100であり、好ましくは1/1〜1/50であり、より好ましくは1/1〜1/20である。アルカリ化合物は水溶液の状態で使用しても良い。
(ii−2)の反応は、溶媒の存在下で実施しても良い。
なお、上記反応(ii−1)の反応物とは、具体的には、上記一般式(1−2)で表される化合物である。すなわち、上記一般式(1−2)で表される化合物は、上記反応(ii−1)の方法で製造することができる、
上記(i)、(ii−1)、(ii−2)の反応における反応温度は、通常は0〜200℃であり、好ましくは15〜150℃であり、より好ましくは30〜100℃である。
上記エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン等が例示される。
上記一般式(1−1)で表される化合物は、上記のとおり、例えば、上記(i)、
(ii)の方法で製造することができるが、製造時に触媒を使用した場合には、そのまま触媒残存のまま、本発明の製造方法に使用しても良い。
本発明の製造方法に使用する上記一般式(1−1)または(1−2)で表される化合物は、脱塩や過剰なエピハロヒドリンの除去などの工程を行ってから工程Iまたは工程IIに使用することが好ましい。脱塩工程は沈降分離、遠心分離、ろ過、洗浄などにより実施することができ、特に限定されるものではない。脱塩工程の実施条件は、塩が充分に取り除かれるように適宜実施すれば良く、充分な分離速度が得られる点で、15℃〜100℃の温度で実施することが好ましい。過剰なエピハロヒドリンは蒸留、蒸発操作などによって容易に取り除くことができる。上記(i)、(ii−1)、(ii−2)の反応はバッチで行っても、連続で行っても良く、例えば、槽型、管型反応器のいずれの装置でも実施することができる。

本発明の製造方法は、上記一般式(1−1)または(1−2)で表される化合物と、上記一般式(4)で表される化合物とを反応させる工程を必須として含み、その他の工程を任意で含んでいても良い。その他の工程としては、例えば反応溶媒を使用した場合に濃縮または反応溶媒の除去を行なう工程、水および/または有機溶剤で希釈する工程、残存原料を除去する工程、反応触媒を使用した場合に、該反応触媒を失活させる工程、重合禁止剤や着色防止剤等を添加する工程、酸またはアルカリを添加する工程等が例示される。
[本発明の組成物]
本発明の化合物を含む組成物(以下、「本発明の組成物」とも言う。)は、上記一般式(3)で表される化合物を必須成分として含む。本発明の組成物は、上記一般式(3)で表される化合物のみを含んでいても良いが、他の成分を含んでいてもよい。本発明の組成物における、上記一般式(3)で表される化合物の含有量は、本発明の組成物100質量%に対し、10質量%以上、100質量%以下であることが好ましく、15質量%以上、99質量%以下であることがより好ましい。
本発明の組成物は、重合禁止剤を含んでいてもよく、重合禁止剤の含有量は、本発明の組成物に対し、0〜5000ppmであることが好ましく、0〜4000ppmであることがより好ましい。
本発明の組成物は、下記一般式(6)で表される化合物の含有量が少ないことが好ましく、本発明の組成物における、上記一般式(6)で表される化合物の含有量は、本発明の組成物に含まれる一般式(3)で表わされる化合物100モル%に対し、0モル%以上、15モル%以下であることが好ましく、0モル%以上、10モル%以下であることがより好ましく、0モル%以上、8モル%以下であることがさらに好ましい。
Figure 0006210815
一般式(6)において、Rは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表し、RはCHCH基、CH基または単結合を表わし、Rは水素原子またはCH基を表し、nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数であって、0〜300の数を表す。
本発明の組成物は、溶剤を含んでいてもよい。溶剤としては、水が好ましい。本発明の組成物における、溶剤の含有量は、本発明の組成物100質量%に対し、0質量%以上、90質量%以下であることが好ましく、0質量%以上、80質量%以下であることがより好ましい。
本発明の組成物は、その他、アルカリ化合物や、上記以外の副生成物等を含んでいても良い。
本発明の組成物は、好ましくは、上記本発明の製造方法で製造される。
[本発明の化合物(組成物)の用途]
本発明の化合物(組成物)は、重合体の原料として好ましく使用することができる。すなわち、本発明の化合物は、単量体として使用することが好ましい。
本発明の化合物(組成物)は、二重結合に重亜硫酸塩が付加した非重合性化合物の含有量を少なく設定することが可能であることから、重合体原料として使用した場合、重合体組成物に含まれる該非重合性化合物の含有量を低くすることが可能となる。
本発明の化合物は、単独で重合体の原料としても良いが、他の単量体と共重合して重合体を製造しても良い。
上記他の単量体としては、アクリル酸、マレイン酸及びこれらの塩等のカルボキシル基含有単量体;(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸及びこれらの塩等のスルホン酸基含有単量体;イソプレノールや(メタ)アリルアルコールのアルキレンオキシド付加物等のポリアルキレングリコール鎖含有単量体;ビニルピリジン等のアミノ基含有単量体;アクリルアミド、ビニルピロリドン等のアミド系単量体;アクリル酸ブチル、アクリル酸エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル;イソブチレン、オクテン等のアルケン類;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニル類;スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル等;が例示される。
本発明のポリアルキレングリコール系単量体組成物は、任意の方法で重合すればよく、例えば、特開2012−57095号公報に記載の方法で重合体を製造することができる。なお、重合時には例えば連鎖移動剤等として重亜硫酸塩を使用することは可能であるが、重合反応中の不純物生成を抑制する観点から、過硫酸塩、過酸化物、有機過酸化物、アゾ化合物から選択される重合開始剤と併用することが好ましい。
本発明の化合物と他の単量体との重合比率は、任意であり、例えばモル比で100:0〜1:99であるが、モル比で60:40〜1:99が好ましく、50:50〜2:98であることがより好ましい。
本発明の化合物に由来する構造単位(上記一般式(5)で表される構造単位)を有する重合体、本発明の化合物に由来する構造単位とその他の単量体に由来する構造単位をモル比で100:0〜1:99、好ましくは60:40〜1:99、より好ましくは50:50〜2:98含む重合体も本発明に含まれる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
<一般式(1−1)で表される化合物の定量>
一般式(1−1)で表される化合物の定量は、液体クロマトグラフィー(以下、「LC」という)により、下記条件で行なった。
測定装置:Waters社製 2695
カラム:Fortis (Type:Phenyl 5μm , Size 4.6mmI.D. ×150mm)
溶離液:純水/アセトニトリル=5/5(vol%)
流速:0.5ml/min
温度:40℃
検出器:UV(210nm)
試料調整:試料0.5%溶液を、10μl注入。
<一般式(3)で表される化合物の定量等>
下記一般式(3)で表される化合物の製造における、一般式(6)で表される化合物の収率、および一般式(1−1)で表される化合物の転化率は、LCにより下記の条件で定量した。
測定装置:日立ハイテクノロジーズ社製
カラム:株式会社資生堂製 CAPCELL PAK C8DD (5μm,Size4.6mmI.D.×250mm)
溶離液:10mMリン酸ナトリウム(pH6.8)/アセトニトリル=55/45(vol%)
流速:1mL/min
温度:40.0℃
検出器:RI
試料調整:試料1%溶液を、10μl注入。
下記一般式(3)で表される化合物の生成量は、(一般式(1−1)で表される化合物の使用量)×(一般式(1−1)で表される化合物の転化率)−(一般式(6)で表される化合物の生成量)で算出した。
<上記一般式(3)で表される化合物の確認>
試料を重水に溶解させ、HNMRにより、上記一般式(3)で表される化合物の生成を確認した。
HNMRの測定条件:
測定装置:Varian製「Unity Plus」400MHz
HNMR(シングルパルス)、パルス角45°、パルス繰り返し時間3秒、積算回数16回。
<重合体水溶液中の3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム等の定量>
下記条件で、液体クロマトグラフィーを用いて行なった。
装置:Waters社製 e2695
検出器:Waters社製 UV検出器 2489
カラム:昭和電工株式会社製 Shodex RSpak DE−413L
流速:1.0ml/min
カラム温度:40℃
移動相:0.1%リン酸水溶液。
<重合体水溶液中の一般式(3)で表される単量体の定量>
測定装置:東ソー株式会社製 8020シリーズ
カラム:株式会社資生堂製 CAPCELL PAK C1 UG120×2本
温度:40.0℃
溶離液:0.01Mリン酸2水素ナトリウム水溶液/アセトニトリル=49/51(質量比)pH7
流速:1.0mL/min.
検出器:RI。
<重合体の重量平均分子量の測定>
装置:東ソー株式会社製 HLC−8320GPC
検出器:RI
カラム:昭和電工社製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ, GF−710−HQ, GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5mL/min.
検量線:創和科学株式会社製 ポリアクリル酸標準
溶離液:0.1M酢酸ナトリウム水溶液/アセトニトリル=75/25(質量比)
<固形分の測定>
120℃に加熱したオーブンで、重合体(組成物)を2時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の重量変化から、固形分(%)と揮発成分(%)を算出した。
<リン酸カルシウムのスケール抑制率>
225mlのネジ口瓶に、脱イオン水、ホウ酸−ホウ酸ナトリウムpH緩衝液、塩化カルシウム水溶液、実施例・比較例で得られる重合体水溶液、リン酸ナトリウム水溶液をこの順に添加し、pH=8.6、重合体濃度が固形分換算で7mg/L、カルシウム硬度=150mgCaCO/L、リン酸イオン=10mgPO43−/Lの試験液100mlを調製した。密封した後、60℃、24時間の条件で静置した。試験液を孔径0.1μmの濾紙で濾過し、濾液中の残留リン酸イオン濃度を分析した。
ブランクとして、上記の試験液から重合体を除いたブランク試験液を用意し、同様の操作を行って、残留リン酸イオン濃度を分析した。下記式によって、リン酸カルシウムスケール抑制率を求めた。
リン酸カルシウムスケール抑制率=100×(R−Q)/(P−Q)
P:仕込みリン酸イオン濃度(mg/L)
Q:ブランクの残留リン酸イオン濃度(mg/L)
R:残留リン酸イオン濃度(mg/L)。
<一般式(1−1)で表される化合物の合成例>
攪拌翼、温度計、冷却管を備えた1L4つ口フラスコに、イソプレノールのエチレンオキシド平均10モル付加物(以下、「IPN10」とも称する。水酸基価106.5(mgKOH/g))を347.4g、エピクロルヒドリン338.4g、48%NaOH82.2gを仕込み、50℃に保ちながら6時間攪拌させて、反応させた。反応後、生成する塩を除去した後、残った有機層からエピクロルヒドリンと水を除去して、中間体(A)(上記一般式(1−1)において、nが平均10であり、RがCHCH基、RがCHCH基、RがCH基である構造の化合物、以下「IPEG10」という)を含む反応液355.8gを得た。液体クロマトグラフィーによる分析の結果、中間体(A)が293.4g、IPN10が21.6g含まれていた。
<実施例1>
撹拌翼、温度計、冷却管、滴下漏斗を備えた1L4つ口フラスコに、上記反応液を、中間体(A)が288.9gになるように仕込み、撹拌しながら、内温50℃に加温した。ここに、65%N−メチルタウリンナトリウム水溶液159.3g、純水47.6gの混合液を内温50℃を維持しながら、1時間かけてゆっくり滴下し、さらに5時間撹拌することにより、本発明の組成物(1)を得た。本発明の組成物(1)をHNMR、液体クロマトグラフィーにより評価して、目的の化合物(一般式(3)において、RがCHCH基、RがCHCH基、RがCH基、RがCH基、nが平均10、mが1である構造の化合物、以下「IPET10」という)の生成を確認した。
なお、HNMRより炭素炭素二重結合を有さない副生成物の生成は、確認されなかった(0%)。液体クロマトグラフィーによりIPEG10の転化率は100%であった。
本発明の組成物(1)の組成を、表1にまとめた。
Figure 0006210815
<実施例2>
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量300mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水63.5g、0.6%モール塩水溶液0.9gを仕込み、攪拌しながら、87℃に昇温した。次に、攪拌下、80%アクリル酸水溶液(以下、「80%AA」とも称する。)を45.0g(0.5モル)、40%の3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム水溶液(以下、「40%HAPS」とも称する。)を29.9g(0.055モル)、IPET10が41.1g(0.055モル)となるように本発明の組成物(1)を、15%過硫酸水素ナトリウム水溶液(以下、「15%NaPS」とも称する。)を32.5g、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(以下,「35%SBS」とも称する。)を20.9g、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液は同時に滴下を開始した。各溶液の滴下時間は、80%AAは180分、40%HAPSは130分、本発明の組成物(1)は150分、15%NaPSは、14.2gを最初の120分、18.3gを引き続き70分の計190分、35%SBSは170分とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。80%AAの溶液の滴下終了後、更に30分間、上記重合反応溶液を87℃に保持(熟成)して重合を終了した。このようにして、重合体(1)の水溶液を得た。重合体(1)の重量平均分子量は7000であった。
<比較例1>
実施例1において、純水の仕込量を41.7gに、80%AAの滴下量を75.1g(0.83モル)に、40%HAPSの滴下量を99.8g(0.18モル)に、40%HAPSの滴下時間を20分で24.9g、その後120分で74.8gの計140分に、15%NaPSの滴下量を27.1gに、15%NaPSの滴下時間を130分で12.9g、その後70分で14.2gの計200分に、35%SBSの滴下量を11.6gに、それぞれ変更し、本発明の組成物(1)を使用しない以外は、実施例1と同様にして、比較重合体(1)の水溶液を得た。
<比較例2>
実施例1において、80%AAの滴下量を54.0g(0.6モル)に、40%HAPSの滴下量を35.9g(0.066モル)に、40%HAPSの滴下時間を15分で9g、その後115分で26.9gの計130分に、15%NaPSの滴下量を39.0gに、15%NaPSの滴下時間を120分で17.1g、その後70分で22.0gの計190分に、35%SBSの滴下量を25.1gに、それぞれ変更し、本発明の組成物(1)を使用せずに、IPN10を34.7g(0.066モル)使用し、IPN10の滴下時間を170分とする以外は、実施例1と同様にして、比較重合体(2)の水溶液を得た。
<実施例3>
重合体(1)及び比較重合体(1)、(2)について、上記方法に従ってリン酸カルシウムのスケール抑制率(%)を測定した。結果を表2にまとめた。
Figure 0006210815
表2から明らかなように、本発明の化合物を原料とする重合体は、従来の重合体と比較して、良好なリン酸カルシウムのスケール抑制能を有している。よって、本発明の単量体は、これらの重合体の原料として、好ましく使用できることが明らかとなった。

Claims (3)

  1. 下記一般式(3)で表される化合物。
    Figure 0006210815
    一般式(3)において、Rは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表し、RはCHCH基、CH基または単結合を表わし、Rは水素原子またはCH基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基を表し、nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数であって、1〜50の数を表し、mは、0〜10の数を表し、SO はスルホン酸(塩)基を表す(但し、Mは1価の正電荷を持った単原子イオン又は多原子イオンを表す。)。
  2. 下記一般式(1−1)または(1−2)で表される化合物と、下記一般式(4)で表される化合物とを反応させる工程を含む、スルホン酸(塩)基とアミノ基とを含有する化合物の製造方法。
    Figure 0006210815
    一般式(1−1)、(1−2)において、Rは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表し、RはCHCH基、CH2基または単結合を表わし、Rは水素原子またはCH基を表し、nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数であって、1〜50の数を表す。一般式(1−2)において、Xはハロゲン原子を表す。
    Figure 0006210815
    一般式(4)において、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基を表し、mは、0〜10の数を表し、SO はスルホン酸(塩)基を表す(但し、Mは1価の正電荷を持った単原子イオン又は多原子イオンを表す。)。
  3. 下記一般式(5)で表される構造単位を含む重合体。
    Figure 0006210815
    一般式(5)において、Rは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表し、RはCHCH基、CH基または単結合を表わし、Rは水素原子またはCH基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基を表し、nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数であって、1〜50の数を表し、mは、0〜10の数を表し、SO はスルホン酸(塩)基を表す(但し、Mは1価の正電荷を持った単原子イオン又は多原子イオンを表す。)。
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