JP5765904B2 - アミノ基含有単量体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、ポリエチレンイミン共重合体が、洗浄剤等の用途において優れた性能を発揮することが開示されている。また、特許文献2には、ビニルピリジン部を有する単量体に由来した構造単位を含む高分子化合物を含有する洗剤組成物が高い洗浄力を示すことが開示されている。
〔本発明のアミノ基含有単量体〕
本発明のアミノ基含有単量体は、下記一般式(1)で表される構造を有する。
R2、R3は、炭素数が1〜8であることがより好ましく、炭素数が1〜5であることが特に好ましい。上記範囲にあれば、高い収率で本発明のアミノ基含有単量体を製造することができる。上記一般式(1)において、R2、R3が結合して環状構造を形成していても構わないが、この場合、環状構造が安定することから、N原子、R2、R3で形成される環状構造は3〜7員環であること、すなわちR2とR3の合計の炭素数が2〜6であることが好ましい。
具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、オクチル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基等のアルキル基;ブチレン基、オクチレン基、ノニレン基等のアルケニル基;フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、2,3−若しくは2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基、又はこれらの水素原子の一部が、アルコキシ基、カルボキシエステル基、アミノ基、アミド基、水酸基等で置換された基、例えばヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。高い収率で本発明のアミノ基含有単量体を製造することができることから、メチル基、エチル基、n−ブチル基、ヒドロキシエチル基であることが好ましい。
上記アミノ基含有単量体は、適用可能な公知の製造方法により製造しても構わないが、下記製造方法(1)〜(4)の方法で製造することが好ましい。当該方法によれば、高い収率で本発明のアミノ基含有単量体を製造することができる。
<製造方法(1)の反応条件>
(工程Aの反応条件)
本発明のアミノ基含有単量体の製造方法(1)は、(i)上記一般式(2)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体とエピハロヒドリンとアルカリ化合物とを反応させる工程(工程A)を必須の工程にしている。
本発明のアミノ基含有単量体の製造方法(1)は、(ii)工程Aで得られた反応物と二級アミンを反応させる工程(工程B)を必須の工程にしている。
(工程Cの反応条件)
本発明のアミノ基含有単量体の製造方法(2)は、(i)上記一般式(2)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体とエピハロヒドリンとを触媒存在下反応させる工程(工程C)を必須の工程にしている。
工程Cの反応は触媒としては、酸でも塩基でも構わないが、酸が好ましい。酸としては、ルイス酸でもブレンステッド酸でも構わないが、ルイス酸が好ましい。ルイス酸としては、一般的にルイス酸と呼ばれるものは使用できるが、例えば、三フッ化ホウ素、四塩化錫、二塩化錫、塩化亜鉛、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、四塩化チタン、塩化マグネシウム、五塩化アンチモンなどが挙げられる。その使用量は上記一般式(2)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体の水酸基(水酸基価換算)に対して、モル比で、通常は(水酸基)/(触媒)=1/0.0001〜1/0.1であり、好ましくは1/0.0005〜1/0.05であり、より好ましくは1/0.001〜1/0.03である。触媒量が少なすぎると十分な触媒効果は得られず、多過ぎても、それ以上の効果はなく、経済的に不利である。
工程Cの反応に用いるエピハロヒドリンの使用量としては、上記一般式(2)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体の水酸基(水酸基価換算)に対して、モル比で、通常は(水酸基)/(エピハロヒドリン)=1/1〜1/30であり、好ましくは1/1〜1/10であり、より好ましくは1/1〜1/5である。範囲外では架橋成分が生じる場合があり、重合時にゲル化してしまう恐れがある。
工程Cの反応は、溶媒非存在下に実施することが、効率よく反応が進行し、容積効率の観点からより好ましいが、溶媒の存在下でも実施できる。使用できる溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に制限はなく、例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジクロロメタン、ジクロロエタン等の塩素系炭化水素類を挙げることができる。これらは一種のみを単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。その使用量に特に制限はないが、上記一般式(2)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体に対して、通常は0.005〜5倍質量の範囲であり、好ましくは0.01〜3倍質量の範囲である。
工程Cの反応は、空気雰囲気下で行っても良いし、不活性ガス雰囲気下で行っても良い。また、減圧下、大気圧下、加圧下いずれでも実施できる。反応温度としては、通常は0〜200℃であり、好ましくは15〜150℃であり、より好ましくは30〜100℃である。原料である、上記一般式(2)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体の流動性の観点から、攪拌に問題が生じない温度で実施することが好ましい。また、反応時間としては、通常は0.1〜50時間であり、好ましくは0.5〜30時間であり、より好ましくは1〜15時間である。
本発明のアミノ基含有単量体の製造方法(2)は、(ii)工程Cで得られた反応物とアルカリ化合物を反応させる工程(工程D)を必須の工程にしている。
工程Dの反応はアルカリ化合物と、必要に応じて溶媒の存在下行われる。アルカリ化合物としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物が好ましい。アルカリ化合物の使用量は工程Cで得られた反応物のハロゲン基のモル数に対し、モル比で、通常は(ハロゲン基)/(アルカリ化合物)=1/1〜1/100であり、好ましくは1/1〜1/50であり、より好ましくは1/1〜1/20である。アルカリ化合物は水溶液の状態で使用しても良い。工程Dの反応は、溶媒の存在下でも実施できる。使用できる溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に制限はなく、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類を挙げることができる。これらは一種のみを単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。その使用量に特に制限はないが、工程Cで得られた反応物に対して、通常は0.01〜100倍質量の範囲であり、好ましくは0.1〜50倍質量の範囲である。
本発明のアミノ基含有単量体の製造方法(2)は、(iii)工程Dで得られた反応物と二級アミンを反応させる工程(工程B)を必須の工程にしている。工程Bの好ましい条件は、上記(工程Bの反応条件)記載の通りである。
工程Bの好ましい実施形態は上記記載の通りである。
本発明のアミノ基含有単量体の製造方法(3)は、(i)上記一般式(2)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体とエピハロヒドリンとを触媒存在下反応させる工程(工程C)を必須の工程にしている。
工程Cの好ましい条件は、上記(工程Cの反応条件)記載の通りである。
本発明のアミノ基含有単量体の製造方法(3)は、(ii)工程Cで得られた反応物と二級アミンを反応させる工程(工程E)を必須の工程にしている。
工程Eの反応は、溶媒非存在下に実施することが、効率よく反応が進行し、容積効率の観点からより好ましいが、溶媒の存在下でも実施できる。使用できる溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に制限はなく、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類を挙げることができる。これらは一種のみを単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。その使用量に特に制限はないが、工程Cで得られた反応物に対して、通常は0.005〜5倍質量の範囲であり、好ましくは0.01〜3倍質量の範囲である。
上記工程Cで触媒を使用した場合は、そのまま残存触媒下で反応しても良い。工程Eの反応は、空気雰囲気下で行っても良いし、不活性ガス雰囲気下で行っても良い。また、減圧下、大気圧下、加圧下いずれでも実施できる。反応温度としては、通常は0〜200℃であり、好ましくは15〜150℃であり、より好ましくは30〜100℃である。原料である工程Cで得られた反応物の流動性の観点から、攪拌に問題が生じない温度で実施することが好ましい。また、反応時間としては、通常は0.1〜50時間であり、好ましくは0.5〜30時間であり、より好ましくは1〜15時間である。
工程Cの好ましい実施形態は上記記載の通りである。
(工程Fの反応条件)
本発明のアミノ基含有単量体の製造方法(4)は、(i)上記一般式(2)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体とN−(ジアルキルアミノメチル)オキシランを反応させる工程(工程F)を必須の工程にしている。
工程Fの反応に用いるN−(ジアルキルアミノメチル)オキシランの使用量としては、上記一般式(2)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体の水酸基(水酸基価換算)に対して、モル比で、通常は(水酸基)/(N−(ジアルキルアミノメチル)オキシラン)=5/1〜1/5であり、好ましくは3/1〜1/3であり、より好ましくは1.5/1〜1/1.5である。
上記製造方法(1)〜(4)の内、原料や触媒が安価であり、製造面でも簡便であることから、製造方法(1)〜(3)が好ましい。中でも、製造方法(1)が重合時にゲル化を引き起こす原因となる架橋成分の生成を抑えられることから特に好ましい。
アミノ基含有単量体の反応中間体の定量は、以下の条件の液体クロマトグラフィーにより定量した。また、アミノ基含有単量体生成物は中間体を液体クロマトグラフィーで定量することにより、その転化率からアミノ基含有単量体の収率を算出した。
測定装置:日立ハイテクノロジーズ社製
カラム:資生堂社製 CAPCELL PAK C18 MGII 4.6mmΦ×250mm 5μm
カラム温度:40.0℃
溶離液:0.1wt%ギ酸/アセトニトリル=6/4(体積比)
流速:1.0mL/min
検出器:RI、UV(検出波長210nm)
<重量平均分子量の測定条件>
装置:日立製作所社製 L−7000シリーズ
カラム:TSK−guard column+TSK−GEL α−3000+ TSK−GEL α−2500
カラム温度:40℃
溶離液:ホウ酸100mM(pH9.2)/アセトニトリル=4/1(wt/wt)
流速:0.4mL/min.
検量線:ジーエルサイエンス社製 POLYETHYLEN GLYCOL
検出器:RI
上記一般式(2)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体として下記化合物を使用した。
イソプレノールのエチレンオキシド平均10モル付加物(以下、「IPN10」とも称する。):水酸基価106.5(mgKOH/g)
イソプレノールのエチレンオキシド平均25モル付加物(以下、「IPN25」とも称する。):水酸基価47.3(mgKOH/g)
イソプレノールのエチレンオキシド平均50モル付加物(以下、「IPN50」とも称する。):水酸基価25.5(mgKOH/g)
<実施例1>
攪拌翼、温度計、冷却管を備えた1L4つ口フラスコに、IPN10を400g、エピクロルヒドリン351.7g、48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、「48%NaOH」とも称する。)94.9gを仕込み、50℃に保ちながら6時間攪拌させて、反応させた。反応後、生成する塩を除去した後、残った有機層からエピクロルヒドリンと水を除去して、中間体(A)(下記一般式(7)において、nが平均10である構造の化合物)を含む反応液を451.2gを得た。液体クロマトグラフィーによる分析の結果、中間体(A)が324.9g、IPN10が64.1g含まれていた。
次に、攪拌翼、温度計、冷却管を備えた200mL4つ口フラスコに、上記中間体(A)を含む反応液を100.0gとジエタノールアミン17.4gを仕込み、80℃に保ちながら8時間攪拌させた。こうして、単量体(1)(下記一般式(8)において、nが平均10である構造の化合物)の溶液を117.4g得た。液体クロマトグラフィーによる分析の結果、単量体(1)が80.8g、IPN10が10.2g含まれていた。また、図1に示すように1H−NMRからも、単量体(1)の生成を確認した。
攪拌翼、温度計、冷却管を備えた200mL4つ口フラスコに、実施例1において合成した中間体(A)を含む反応液を100.0gとジブチルアミン23.2gを仕込み、100℃に保ちながら8時間攪拌させた。こうして、単量体(2)(下記一般式(9)において、nが平均10である構造の化合物)の溶液を123.2g得た。液体クロマトグラフィーによる分析の結果、単量体(2)が83.6g、IPN10が10.2g含まれていた。また、図2に示すように1H−NMRからも、単量体(2)の生成を確認した。
攪拌翼、温度計、冷却管を備えた1L4つ口フラスコに、IPN25を500g、エピクロルヒドリン233.7g、ペレット状のNaOH25.3gを仕込み、50℃に保ちながら16時間攪拌させて、反応させた。反応後、生成する塩を除去した後、残った有機層からエピクロルヒドリンと水を除去して、中間体(B)(上記一般式(7)において、nが平均25である構造の化合物)を含む反応液を499.4gを得た。液体クロマトグラフィーによる分析の結果、中間体(B)が389.1g、IPN25が43.5g含まれていた。
次に、攪拌翼、温度計、冷却管を備えた200mL4つ口フラスコに、上記中間体(B)を含む反応液を100.0gとジエタノールアミン8.6gを仕込み、80℃に保ちながら8時間攪拌させた。こうして、単量体(3)(上記一般式(8)において、nが平均25である構造の化合物)の溶液を108.6g得た。液体クロマトグラフィーによる分析の結果、単量体(3)が80.3g、IPN25が6.8g含まれていた。実施例1と同様に1H−NMRからも、その生成を確認した。
攪拌翼、温度計、冷却管を備えた200mL4つ口フラスコに、実施例3において合成した中間体(B)を含む反応液を100.0gとジブチルアミン11.3gを仕込み、100℃に保ちながら8時間攪拌させた。こうして、単量体(4)(上記一般式(9)において、nが平均25である構造の化合物)の溶液を111.3g得た。液体クロマトグラフィーによる分析の結果、単量体(4)が81.7g、IPN25が6.8g含まれていた。実施例2と同様に1H−NMRからも、その生成を確認した。
攪拌翼、温度計、冷却管を備えた200mL4つ口フラスコに、IPN50を100g、エピクロルヒドリン25.0g、ペレット状のNaOH2.6gを仕込み、50℃に保ちながら16時間攪拌させて、反応させた。反応後、生成する塩を除去した後、残った有機層からエピクロルヒドリンと水を除去して、中間体(C)(上記一般式(7)において、nが平均50である構造の化合物)を含む反応液を102.3gを得た。液体クロマトグラフィーによる分析の結果、中間体(C)が71.7g、IPN50が10.0g含まれていた。
次に、攪拌翼、温度計、冷却管を備えた200mL4つ口フラスコに、上記中間体(C)を含む反応液を100.0gとジエタノールアミン4.1gを仕込み、80℃に保ちながら8時間攪拌させた。こうして、単量体(5)(上記一般式(8)において、nが平均50である構造の化合物)の溶液を104.1g得た。液体クロマトグラフィーによる分析の結果、単量体(5)が69.6g、IPN50が6.9g含まれていた。また、実施例1と同様に1H−NMRからも、その生成を確認した。
攪拌翼、温度計、冷却管を備えた200mL4つ口フラスコに、実施例5において合成した中間体(C)を含む反応液を100.0gとジブチルアミン5.4gを仕込み、100℃に保ちながら8時間攪拌させた。こうして、単量体(6)(上記一般式(9)において、nが平均50である構造の化合物)の溶液を105.4g得た。液体クロマトグラフィーによる分析の結果、単量体(6)が70.3g、IPN50が9.8g含まれていた。また、実施例2と同様に1H−NMRからも、その生成を確認した。
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量2000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水150.0g、および、モール塩0.0060gを仕込み、攪拌しながら、70℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、70℃に保持された重合反応系中に、ヒドロキシエチルアクリレート(以下、「HEA」とも称する。)を144.8g、単量体(1)144.8g、80%IPN10を17.3g、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、15%NaPSと称す。)を94.2g、35%亜硫酸水素ナトリウム(以下、35%SBSと称す。)を17.3g、および、純水227.4gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。
各溶液の滴下開始は同時とし、各溶液の滴下時間は、HEAについては180分間、単量体(1)については120分間、80%IPN10については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては180分間、および、純水については180分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。15%NaPSの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を70℃に保持(熟成)して重合を終了した。このようにして、固形分濃度45%の共重合体(1)を含む水溶液(共重合体組成物(1))を得た。
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量2000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水150.0g、および、モール塩0.0074gを仕込み、攪拌しながら、70℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、70℃に保持された重合反応系中に、ジメチルアミノエチルアクリレート(以下、「DAA」とも称する。)を257.4g、単量体(1)178.5g、80%IPN10を21.3g、15%NaPSを96.5g、35%SBSを17.7g、および、純水328.6gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。
各溶液の滴下開始は同時とし、各溶液の滴下時間は、DAAについては180分間、単量体(1)については120分間、80%IPN10については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては180分間、および、純水については180分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。15%NaPSの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を70℃に保持(熟成)して重合を終了した。このようにして、固形分濃度45%の共重合体(2)を含む水溶液(共重合体組成物(2))を得た。
還流冷却器、温度計、攪拌機を備えたガラス製の100mLセパラブルフラスコにポリエチレンイミン(Mw9,500、Mn6,500)を40g仕込み、攪拌しながらデナコールEX−121(ナガセケムテックス株式会社製、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(以下、2EHGEと称す。))10gを加えた。この重合体混合物を攪拌下60℃に昇温して4時間反応させ、比較重合体(1)を得た。比較重合体(1)は、水に対して任意の割合で完全に溶解し、しかも、D2O中の1H−NMRスペクトル測定において、3.5ppm付近にエポキシ環が開環して生ずるメチンプロトン由来のシグナルが検出されたことから、その生成が確認された。
重合例1〜2及び比較重合例1で得た共重合体(1)〜(2)及び比較共重合体(1)について、以下のようにして界面活性剤との相溶性および再汚染防止能を評価した。結果を表1に示す。
試験サンプル(アミノ基含有重合体又はアミノ基含有重合体組成物)を含む洗剤組成物を下記の配合で調製した。
SFT−70H(日本触媒(株)製、ポリオキシエチレンアルキルエーテル);40g
ネオペレックスF−65(花王(株)製、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム);7.7g(有効成分5g)
コータミン86W(花王(株)製、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド);17.9g(有効成分5g)
ジエタノールアミン;5g
エタノール;5g
プロピレングリコール;5g
試験サンプル(固形分換算);1.5g
イオン交換水;バランス(イオン交換水の量は、試験サンプルの量を実際の使用量として、上記全合計が100gとなるように適宜調整する。)。
各成分が均一になる様に充分に攪拌し、25℃での濁度値を、濁度計(日本電色(株)製「NDH2000」)を用い、Turbidity(カオリン濁度:mg/L)で測定し、以下の基準で評価した。
○:カオリン濁度(0以上、50未満(mg/L))、目視で分離、沈殿又は白濁していない。
△:カオリン濁度(50以上、200未満(mg/L))、目視で僅かに白濁している。
×:カオリン濁度(200以上(mg/L))、目視で白濁している。
窒素雰囲気下、130℃に加熱したオーブンで、本発明の重合体(本発明の重合体組成物1.0gに水1.0gを加えたもの)を1時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の重量変化から、固形分(%)と揮発成分(%)を算出した。
カーボンブラックを用いた再汚染防止能試験は、下記の手順に従って行った。
(1)Test fabric社より入手したポリエステル布を5cm×5cmに切断し、白布を作成した。この白布を予め日本電色工業社製の測色色差計SE2000型を用いて、白色度を反射率にて測定した。
(2)塩化カルシウム2水和物1.1gに純水を加えて15kgとし、硬水を調製した。
(3)ポリオキシエチレン(20)ラウリルエーテル4.0g、に、純水を加えて、100.0gとし、界面活性剤水溶液を調製した。pHは、水酸化ナトリウムで8.5に調整した。
(4)ターゴットメーターを25℃にセットし、硬水1Lと界面活性剤水溶液5g、固形分換算で5%の重合体水溶液1g、カーボンブラック1.0gをポットに入れ、150rpmで1分間撹拌した。その後、白布5枚を入れ、100rpmで10分間撹拌した。
(5)手で白布の水を切り、25℃にした水道水1Lをポットに入れ、100rpmで2分間撹拌した。
(6)白布に当て布をして、アイロンでしわを伸ばしながら乾燥させた後、上記測色色差計にて再度白布の白度を反射率にて測定した。
(7)以上の測定結果から下式により再汚染防止率を求めた。
再汚染防止率(%)=(洗浄後の白色度)/(原白布の白色度)×100
なお、上記実施例においては、特定の化合物を用いて反応を行った例が示されているが、本発明のアミノ基含有単量体から得られるアミノ基含有重合体の作用機構はすべて同様であることから、上記実施例の結果から、本発明の技術的範囲全般において、また、本明細書において開示した種々の形態において本発明が適用でき、有利な作用効果を発揮することができるといえる。
Claims (6)
- (i)下記一般式(2)で表されるポリエチレングリコール鎖含有単量体とエピハロヒドリンとアルカリ化合物とを反応させる工程(工程A)と、
(ii)上記(i)の工程で得られた反応物と下記一般式(5)で表される二級アミンとを反応させる工程(工程B)と、
を含むアミノ基含有単量体の製造方法。
- (i)下記一般式(2)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体とエピハロヒドリンとを触媒存在下反応させる工程(工程C)と、
(ii)工程Cで得られた反応物とアルカリ化合物を反応させる工程(工程D)と、
(iii)工程Dで得られた反応物と下記一般式(5)で表される二級アミンを反応させる工程(工程B)と、
を含むアミノ基含有単量体の製造方法。
- (i)下記一般式(2)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体とエピハロヒドリンとを触媒存在下反応させる工程(工程C)と、
(ii)工程Cで得られた反応物と下記一般式(5)で表される二級アミンを反応させる工程(工程E)と、
を含むアミノ基含有単量体の製造方法。
- さらに、
(i‐2)上記工程Aで得られた反応液から塩および/またはエピハロヒドリンを除去する工程、を含み、
上記工程Bが、上記(i‐2)で得られた反応液に上記一般式(5)で表される二級アミンを添加することにより行われる、
請求項2に記載のアミノ基含有単量体の製造方法。 - さらに、
(i‐2)上記工程Cおよび工程Dの後に、反応液から塩および/またはエピハロヒドリンを除去する工程、を含み、
上記工程Bが、上記(i‐2)で得られた反応液に上記一般式(5)で表される二級アミンを添加することにより行われる、
請求項3に記載のアミノ基含有単量体の製造方法。
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