以下、対物レンズの清浄技術に関する様々な特徴が図面を参照して説明される。尚、以下に説明される実施形態において、同一の構成要素に対して同一の符号が付されている。また、説明の明瞭化のため、必要に応じて、重複する説明は省略される。図面に示される構成、配置或いは形状並びに図面に関連する記載は、単に本実施形態の原理を容易に理解させることを目的とするものである。したがって、本実施形態の原理は、これらに何ら限定されるものではない。
<第1実施形態>
第1実施形態に関連して、対物レンズの清浄技術に関する基本原理が説明される。
(光ディスク装置)
図1は、光ディスク装置100の概略的なブロック図である。図1を参照して、光ディスク装置100が説明される。
光ディスク装置100は、制御部200と、光学駆動部300と、ディスク駆動部400と、トレー駆動部500と、を備える。光学駆動部300、ディスク駆動部400及びトレー駆動部500は、制御部200の制御下で動作する。
ディスク駆動部400は、BDやDVDといった光ディスクを回転させる。光ディスクは、光学駆動部300から照射された光を受ける処理面を含む。光学駆動部300から処理面への光の照射によって、情報が光ディスクに記録されてもよい。処理面は、光学駆動部300から出射された光を反射し、反射光を生成する。光学駆動部300は、反射光を受け取ってもよい。光学駆動部300は、反射光に応じた信号を制御部200に出力してもよい。制御部200は、光学駆動部300からの信号に応じて、光ディスクに記録された情報を再現する再生信号を生成してもよい。光ディスクへの情報の記録及び光ディスクからの情報の再生に関する技術は、BDやDVDに対して情報処理を行う既知の装置が有する記録技術及び再生技術であってもよい。本実施形態において、光ディスクへの情報の記録及び/又は光ディスクからの情報の再生は、光学的な情報処理として例示される。光ディスクは、媒体として例示される。ディスク駆動部400は、駆動機構として例示される。
ディスク駆動部400は、1つの光ディスクを回転させてもよい。代替的に、ディスク駆動部400は、複数の光ディスクを回転させてもよい。本実施形態の原理は、光ディスク装置100が利用する光ディスクの数に何ら限定されない。
情報の記録及び再生に用いられる光は、光学駆動部300に組み込まれた対物レンズから出射される。制御部200は、情報の記録及び再生を実行するための情報処理制御と、対物レンズを清浄するための清浄制御と、を選択的に実行する。
制御部200が情報処理制御を実行している間、光学駆動部300は、対物レンズを、光ディスクの半径方向に移動させる。この間、ディスク駆動部400は、光ディスクを回転させる。この結果、処理面上の光の照射位置が変化し、光ディスクへの情報の記録及び/又は光ディスクからの情報の再生が行われることとなる。
制御部200が清浄制御を行っている間においても、ディスク駆動部400は、光ディスクを回転させる。この結果、光ディスクの周囲には、空気の流れが生ずる。この間、対物レンズが空気の流れに曝されるように、光学駆動部300は、対物レンズの位置を調整する。本実施形態の原理は、対物レンズの清浄に十分な強さの空気の流れを作り出すための様々な技術を包含する。
光学駆動部300には、1つの対物レンズが組み込まれてもよい。代替的に、光学駆動部300には、複数の対物レンズが組み込まれてもよい。本実施形態の原理は、対物レンズの数に何ら限定されない。
トレー駆動部500は、光ディスクが設置されるトレー皿と、トレー皿を駆動するためのローディング機構と、を含む。BDやDVDに対して情報処理を行う既知の装置に用いられる設計技術が、トレー皿やローディング機構に適用されてもよい。
本実施形態において、トレー駆動部500は、トレー皿の駆動だけでなく、対物レンズの清浄のために用いられる空気の流れの創出に貢献する。
図2は、光ディスク装置100の概略的な斜視図である。図1及び図2を参照して、光ディスク装置100が更に説明される。
光ディスク装置100は、筐体110を更に備える。制御部200、光学駆動部300、ディスク駆動部400及びトレー駆動部500は、筐体110内に収容される。尚、図2において、上述のトレー皿には、符号「510」が付されている。
図3は、光ディスク装置100の概略的な斜視図である。図1乃至図3を参照して、光ディスク装置100が更に説明される。尚、図3において、上述の光ディスクには、符号「OD」が付されている。
図3に示される如く、光ディスクODは、トレー皿510に載置される。図2及び図3に示される如く、トレー駆動部500は、トレー皿510を変位させ、光ディスクODを、収容位置と露出位置との間で移動させる。図2に示される光ディスクOD及びトレー皿510の位置は、収容位置である。収容位置において、光ディスクODは、筐体110内に収容される。図3に示される光ディスクOD及びトレー皿510の位置は、露出位置である。露出位置において、光ディスクODは、筐体110から露出する。本実施形態において、トレー駆動部500は、トレー機構として例示される。
露出位置において、光ディスクOD及びトレー皿510は、筐体110の外の空気(以下、「外気」と称される)に曝される。外気に塵埃が浮遊しているならば、塵埃は、光ディスクOD及びトレー皿510の露出位置から収容位置への移動によって、筐体110内に侵入することもある。筐体110内へ侵入した塵埃は、その後、対物レンズに付着することもある。本実施形態の清浄技術は、このような塵埃を対物レンズから効果的に除去することができる。
図4は、光学駆動部300が備える例示的な光学ヘッド310の概略図である。図4を参照して、光学ヘッド310が説明される。尚、上述の対物レンズには、符号「351」が付されている。
光学ヘッド310は、半導体レーザ311、リレーレンズ312、ビームスプリッタ313、コリメートレンズ314、対物レンズユニット350、アクチュエータ315、ホログラム素子370、シリンドリカルレンズ320及び光検出器390を備える。半導体レーザ311は、光源として機能し、リレーレンズ312に向けてレーザ光を出射する。レーザ光は、リレーレンズ312を通過し、ビームスプリッタ313に入射する。ビームスプリッタ313は、コリメートレンズ314に向けて、レーザ光を反射する。その後、レーザ光は、コリメートレンズ314を通過し、対物レンズユニット350に到達する。
対物レンズユニット350に到達したレーザ光は、その後、光ディスクODに向けて出射される。光ディスクODは、レーザ光を反射又は回折する。以下の説明において、反射又は回折されたレーザ光は、「反射光」と称される。
反射光は、対物レンズユニット350及びコリメートレンズ314を通過し、ビームスプリッタ313に再度入射する。ビームスプリッタ313は、反射光の通過を許容するので、反射光は、ホログラム素子370及びシリンドリカルレンズ320を通過し、最終的に、光検出器390に到達する。
対物レンズユニット350は、光ディスクODに対向する。対物レンズユニット350は、上述の対物レンズ351を含む。ビームスプリッタ313によって反射されたレーザ光及び光ディスクODからの反射光は、対物レンズ351を通過する。
対物レンズユニット350は、対物レンズ351を保持するレンズホルダ352を更に含む。対物レンズ351は、レンズホルダ352に収容される。
対物レンズ351は、光ディスクODに対向する対向面353を含む。光ディスクODは、対向面353に対向する記録面RSを含む。記録面RSは、対向面353から出射された光を受ける。記録面RSからの反射光は、対物レンズ351を通過する。対向面353と記録面RSとの間で、情報が光学的に処理される。光学的な情報処理として、記録面RSへの信号の記録や記録面RSからの信号の再生が例示される。本実施形態において、記録面RSは、処理面として例示される。
上述の如く、半導体レーザ311は、光源として利用される。半導体レーザ311は、リレーレンズ312に向けて、レーザ光を出射する。リレーレンズ312は、半導体レーザ311とリレーレンズ312との間において、焦点距離を微調整する。リレーレンズ312を透過したレーザ光は、ビームスプリッタ313によって、コリメートレンズ314に向けて反射される。コリメートレンズ314は、レーザ光を平行光束に変換する。その後、平行光束は、対物レンズユニット350に入射する。
対物レンズユニット350に入射したレーザ光は、対物レンズ351によって、光ディスクODの記録面RSに向けて集光される。光学ヘッド310は、記録面RSへの集光を利用して、光ディスクODの記録面RSに信号を記録してもよい。代替的に、光学ヘッド310は、記録面RSへの集光を利用して、記録面RSに記録された信号を読み出してもよい。記録面RSによって反射された光は、上述の反射光となる。反射光は、対物レンズユニット350に入射する。記録面RSに記録された信号は、反射光を用いて再生される。
アクチュエータ315は、対物レンズユニット350をフォーカス方向(光軸方向)とトラッキング方向(ラジアル方向)とに駆動する。アクチュエータ315は、対物レンズユニット350をフォーカス方向に移動させ、記録面RSと対向面353との間の距離を適切に調整することができる。アクチュエータ315は、対物レンズユニット350をトラッキング方向に移動させ、記録面RSを走査することができる。この結果、記録面RSに亘って、信号を記録及び/又は再生することができる。
光ディスクODの記録面RSからの反射光は、対物レンズユニット350及びコリメートレンズ314を通過し、ビームスプリッタ313に入射する。ビームスプリッタ313は、反射光の透過を許容する。
ビームスプリッタ313を透過した反射光は、ホログラム素子370に入射する。ホログラム素子370は、1ビーム法(APP法)に従って、トラッキングエラー信号を発生させる。
ホログラム素子370を透過した反射光は、シリンドリカルレンズ320に到達する。シリンドリカルレンズ320をその後透過した反射光は、光検出器390に入射する。
図5は、ホログラム素子370の概略図である。図4及び図5を参照して、ホログラム素子370が説明される。
図5のホログラム素子370中に描かれる実線は、ホログラム素子370の分割パターンを概略的に表す。図5のホログラム素子370中に描かれる点線は、ホログラム素子370を通過するレーザ光の形状(断面)を概略的に表す。
ホログラム素子370は、中央のメインビーム領域371と、メインビーム領域371の右及び左にそれぞれ配置されるAPPメイン領域372,373と、APPメイン領域372の上方及び下方に位置する2つのAPPサブ領域374と、APPメイン領域373の上方及び下方に位置する2つのAPPサブ領域375と、に分割される。光ディスクODの記録面RSで回折された±1次光及び0次光の干渉光は、APPメイン領域372,373に入射する。APPサブ領域374,375には、0次光のみが入射する。
図6は、光検出器390の概略図である。図4乃至図6を参照して、ホログラム素子370と光検出器390との関係が説明される。
光検出器390は、ホログラム素子370に対向する受光面391を含む。受光面391は、4分割受光領域392と、APPメイン受光部393,394と、APPサブ受光部395,396と、を含む。ホログラム素子370のメインビーム領域371を通過したレーザ光は、4分割受光領域392に入射する。以下の説明において、メインビーム領域371を通過したレーザ光は、「メインビームMB」と称される。APPメイン領域372,373を通過したレーザ光は、APPメイン受光部393,394にそれぞれ入射する。APPメイン領域372,373を通過したレーザ光は、図6において、記号「AMB」を用いて表されている。APPサブ領域374,375を通過したレーザ光は、APPサブ受光部395,396に入射する。APPサブ領域374,375を通過したレーザ光は、図6において、記号「ASB」を用いて表されている。
4分割受光領域392は、第1領域381と、第1領域381の右に位置する第2領域382と、第1領域381の下に位置する第3領域383と、第2領域382の下に位置する第4領域384と、を含む。第1領域381において検出された光に応じて生成された信号と第4領域384において検出された光に応じて生成された信号との和信号と、第2領域382において検出された光に応じて生成された信号と第3領域383において検出された光に応じて生成された信号との和信号と、の間の差に基づいて、フォーカスエラー信号が生成される。第1領域381において検出された光に応じて生成された信号と、第2領域382において検出された光に応じて生成された信号と、第3領域383において検出された光に応じて生成された信号と、第4領域384において検出された光に応じて生成された信号と、の総和に基づいて、RF信号が生成される。
APPメイン受光部393,394においてそれぞれ検出された光に応じて生成された信号の差に基づいて、所謂プッシュプル信号が生成される。プッシュプル信号と、APPサブ受光部395,396においてそれぞれ検出された光に応じて生成された信号と、を用いた所定の演算によって、所謂、APP法(アドバンスドプッシュプル法)に従うトラッキングエラー信号が生成される。トラッキングエラー信号を用いたトラッキングサーボ制御の下、対物レンズユニット350は、光ディスクODの記録面RSのトラックに対して追従される。
図7は、シリンドリカルレンズ320の概略図である。図6及び図7を参照して、シリンドリカルレンズ320が説明される。
シリンドリカルレンズ320は、コリメートレンズ314に対向する凹レンズ面321と、凹レンズ面321とは反対側のシリンドリカル面322と、を含む。シリンドリカル面322は、光軸に対して直交する面内において、前側焦線と後側焦線とによって規定される非点隔差を生じさせる。シリンドリカルレンズ320は、前側焦線と後側焦線との間に焦点を形成する。シリンドリカル面322は、光検出器390の4分割受光領域392に対して、略45度傾斜している。
図8は、4分割受光領域392の概略図である。図4、図6乃至図8を参照して、4分割受光領域392が説明される。
4分割受光領域392が焦点位置に一致するように、光検出器390は位置決めされる。4分割受光領域392が焦点位置に一致しているならば、図8に示される如く、4分割受光領域392上のメインビームMBは、略円形である。
光ディスクODの回転により記録面RSがフォーカス方向に振動するならば、記録面RSと対物レンズユニット350との間の相対距離は変動する。記録面RSと対物レンズユニット350との間の相対距離の変動の結果、4分割受光領域392が前側焦線又は後側焦線に一致することもある。4分割受光領域392が前側焦線に一致するならば、図8に示される如く、メインビームMBは、第1領域381と第4領域384との間で延びる略楕円形となる。4分割受光領域392が後側焦線に一致するならば、図8に示される如く、メインビームMBは、第2領域382と第3領域383との間で延びる略楕円形となる。
図9は、光ディスク装置100の概略図である。図1、図4、図6及び図9を用いて、光ディスク装置100が説明される。
光学駆動部300は、光学ヘッド310をトラッキング方向に移動させるトラバース装置330を更に備える。光学ヘッド310は、トラバース装置330に取り付けられる。光学ヘッド310が光ディスクODの回転軸RXの近くで光ディスクODの記録面RSに対向する内位置と、光学ヘッド310が内位置よりも回転軸RXから離れた位置で記録面RSに対向する外位置と、の間で、トラバース装置330は、光学ヘッド310を、記録面RSに沿って移動させる。この結果、記録面RS上の光(光学ヘッド310から出射された光)の点は、内位置と外位置との間で移動することとなる。本実施形態において、トラバース装置330は、第1変位機構として例示される。内位置は、第1位置として例示される。外位置は、第2位置として例示される。回転軸RXは、回転中心として例示される。
ディスク駆動部400は、クランパ410と、ターンテーブル420と、スピンドルモータ430と、を備える。トレー皿510によって収容位置に配置された光ディスクODは、クランパ410とターンテーブル420とによって挟持される。スピンドルモータ430は、ターンテーブル420に接続される。ターンテーブル420は、スピンドルモータ430によって回転される。この結果、光ディスクODは、トレー皿510上で回転する。
制御部200は、制御回路210、信号処理回路220及び入出力回路(以下、「IO回路230」と称される)を更に備える。上述の如く、光学ヘッド310は、光ディスクODからの反射光に応じて、様々な信号を生成する。光学ヘッド310は、生成された信号を制御回路210に出力する。制御回路210は、光学ヘッド310からの信号に応じて、フォーカス制御、トラッキング制御、トラバース制御やスピンドルモータ430に対する回転制御といった様々な制御を実行する。これらの制御は、既知の光学的情報処理技術に用いられている制御であってもよい。光学ヘッド310は、光ディスクODからの反射光に応じて、再生信号を生成する。再生信号は、制御回路210を通じて、信号処理回路220に出力される。信号処理回路220は、再生信号に応じて、情報を再生する。信号処理回路220によって再生された情報を含む信号は、IO回路230に出力される。これらの再生処理は、既知の光学的処理技術に用いられている再生技術であってもよい。IO回路230は、光ディスクODに記録される情報を含む信号を外部装置(図示せず)から受けてもよい。IO回路230に入力された信号は、信号処理回路220及び制御回路210を通じて、光学ヘッド310に出力される。光学ヘッド310は、IO回路230に入力された信号に応じて、光ディスクODに情報を書き込んでもよい。これらの書き込み技術は、既知の光学処理技術に用いられている記録技術であってもよい。
図10は、光ディスク装置100の概略的な展開斜視図である。図1、図9及び図10を参照して、光ディスク装置100が説明される。
筐体110は、支持フレーム111と、外装ケース112と、を備える。制御部200、光学駆動部300、ディスク駆動部400及びトレー駆動部500は、支持フレーム111上に構築されてもよい。外装ケース112は、支持フレーム111上に構築された制御部200、光学駆動部300、ディスク駆動部400及びトレー駆動部500を覆う。
筐体110は、クランパ410を保持するための保持プレート113を更に備える。支持フレーム111は、トレー皿510を支持する底板114と、底板114の左縁から立設する内左板115と、底板114の右縁から立設する内右板116と、内左板115と内右板116との間で立設する背板121と、を含む。保持プレート113は、回転軸RXに対応する位置において、内左板115と内右板116との間で延びる。
外装ケース112は、内左板115の左に配置される外左板117と、内右板116の右に配置される外右板118と、外左板117と外右板118との間でトレー皿510に対向する上板119と、を含む。クランパ410は、上板119と保持プレート113との間で上下動する。クランパ410を上下動させるための機構は、BDやDVDに対して情報処理を行う既知の装置が備えるクランプ構造と同様であってもよい。
クランパ410が下方に移動すると、光ディスクODは、ターンテーブル420とクランパ410とによって挟まれる。
図11は、光ディスク装置100の概略的な展開斜視図である。図2、図3、図9及び図11を参照して、光ディスク装置100が説明される。
図11において、上述のローディング機構には、符号「520」が付されている。ローディング機構520は、トレー皿510を、収容位置(図2を参照)と露出位置(図3を参照)との間で変位させる。
トレー皿510は、背板121とは反対側の前壁511と、前壁511から背板121に向けて延びる底壁512と、を含む。底壁512は、小さなサイズの光ディスク(図示せず)を支持するための支持領域513と、大きなサイズの光ディスクODを支持する支持領域514と、を含む。底壁512は、支持領域513,514の間で立設された円形立設面515を含む。支持領域513及び円形立設面515は、小さなサイズの光ディスクが回転する回転空間を規定する。底壁512は、支持領域514の外縁に沿って立設された円形立設面516を含む。支持領域514及び円形立設面516は、大きなサイズの光ディスクODが回転する回転空間を規定する。
底壁512には、開口領域530が形成される。開口領域530は、回転軸RXを中心とする略半円形状の第1開口領域531と、第1開口領域531から背板121に向けて延びる略長方形状の第2開口領域532と、を含む。スピンドルモータ430に支持されたターンテーブル420は、開口領域530内に現れる。第2開口領域532は、トレー皿510の移動方向に沿って延びるので、トレー皿510は、ターンテーブル420に干渉することなく、収容位置と露出位置との間で変位することができる。
第2開口領域532内には、対物レンズユニット350が現れる。トラバース装置330(図9を参照)は、対物レンズユニット350を第2開口領域532に沿って移動させる。
(清浄原理)
図12Aは、トレー皿510の概略的な平面図である。図12Bは、トレー皿510の概略的な縦断面図である。図12Cは、トレー皿510の概略的な底面図である。図1、図4、図9、図12A乃至図12Cを参照して、清浄原理が説明される。
トレー駆動部500は、開口片550を備える。開口片550には、1つの開口部551が形成される。代替的に、開口片には、複数の開口部が形成されてもよい。本実施形態の原理は、開口部の数によって限定されない。図12A乃至図12Cに示される開口部551は、略円形である。代替的に、開口部は、他の形状(例えば、楕円、矩形や三角形)であってもよい。
図12A乃至図12Cにおいて、符号「RD」で示される矢印は、光ディスクODの回転方向を表す。光ディスクODが回転すると、底壁512と記録面RSとの間には、旋回流WFが発生する。旋回流WFの旋回方向は、光ディスクODの回転方向RDと等しい。尚、光ディスクODの回転方向RDは、本実施形態の原理を、何ら限定しない。したがって、光ディスクODは、時計回りに回転してもよいし、或いは、反時計回りに回転してもよい。本実施形態において、旋回流WFは、空気流として例示される。
制御部200が清浄制御を実行している間、開口片550は、対物レンズユニット350と光ディスクODとの間に配置される。この間、開口片550は、開口領域530を部分的に閉塞する。この結果、旋回流WFは、開口領域530から流出しにくくなるので、開口片550に形成された開口部551から集中的に流出することになる。開口部551が、開口領域530に重畳するように、開口片550は配置されるので、開口部551から流出した旋回流WFは、底壁512に妨げられることなく、対物レンズ351に直接的に吹き付けられることになる。
図12Cにおいて、内位置及び外位置に配置された対物レンズユニット350は、鎖線で表されている。加えて、図12Cにおいて、対物レンズユニット350の可動範囲MRが示されている。尚、内位置及び外位置は、対物レンズ351の対向面353(図4を参照)の中心によって、定義されてもよい。
遠心作用によって、旋回流WFは、回転軸RXの近い位置よりも回転軸RXから離れた位置において強くなる。したがって、制御部200が清浄制御を実行している間、トラバース装置330(図9を参照)は、制御部200の制御下で、対物レンズユニット350を外位置に配置してもよい。開口部551が、内位置よりも外位置の近くに位置づけられるならば、対物レンズ351は、強い旋回流WFに曝されることになる。
光ディスクODは、外形輪郭を規定する外縁OEを含む。回転軸RXと外縁OEとの間の距離Ra(即ち、光ディスクOD)を超えて、対物レンズ351が回転軸RXから離れるならば、対物レンズ351に吹き付けられる旋回流WFが弱まることもある。したがって、制御部200が清浄制御を実行している間、トラバース装置330は、制御部200の制御下で、対物レンズ351を記録面RSに対向させてもよい。必要に応じて、距離Raを超えて、対物レンズ351が回転軸RXから離間してもよい。対物レンズ351が強い旋回流WFに曝されるならば、回転軸RXに対する対物レンズ351の位置は、本実施形態の原理を限定しない。
制御部200が清浄制御を実行している間における対物レンズ351の位置は、以下の条件を満たすように設定されてもよい。
対物レンズ351が、回転軸RX周りに距離Raの2分の1の長さの半径を有する円形領域外、且つ、回転軸RX周りに距離Raの長さの半径を有する円形領域内に配置されるならば、対物レンズ351は、開口部551から吹き出された強い旋回流WFに曝されることになる。
図12Cには、内位置と外位置との間での対物レンズ351の移動軌跡を表す軌跡線TRが示されている。開口部551は、光ディスクODの回転方向RDにおいて、軌跡線TRの上流に位置づけられてもよい。旋回流WFの旋回方向は、光ディスクODの回転方向RDと同じであるので、対物レンズ351は、強い旋回流WFに曝されることになる。本実施形態において、開口部551は、上流開口部として例示される。
図12Cは、回転軸RXと対物レンズ351の対向面353の中心との間の距離DS1と、回転軸RXと開口部551の中心との間の距離DS2と、を示す。距離DS2が距離DS1よりも短くなるように、開口片550は配置される。旋回流WFは、回転軸RXから外方に向けて流れるので、上記の距離の条件の下、対物レンズ351は、強い旋回流WFに曝されることになる。
図13Aは、開口部から吹き出される旋回流に関するシミュレーションに用いられたモデルの概略図である。図13Bは、シミュレーションの結果を表すベクトル図である。図13A及び図13Bを参照して、開口部から吹き出される旋回流が説明される。
図13Aに示される鎖線は、対物レンズの移動軌跡に対して直角である。開口部は、光ディスクの回転方向において、鎖線に対して上流にシフトしている。即ち、鎖線に対して上流側の開口部の面積は、下流側の開口部の面積よりも広くなっている。図13A及び図13Bに示される如く、対物レンズに対して、開口部が上流にシフトすることによって、旋回流は、対物レンズに強く衝突することになる。この結果、塵埃は、対物レンズから効果的に除去される。
図14は、光ディスク装置100の例示的な動作を表す概略的なフローチャートである。図1、図4及び図14を参照して、光ディスク装置100の動作が説明される。
(ステップS110)
ステップS110において、使用者は、光ディスク装置100に電力を供給する。この結果、制御部200は、光学駆動部300、ディスク駆動部400及びトレー駆動部500に対する制御を開始する。その後、ステップS120が実行される。
(ステップS120)
ステップS120において、制御部200は、清浄制御を実行する。制御部200は、ディスク駆動部400を制御し、光ディスクODを回転させる。清浄制御下の光ディスクODは、情報処理制御下の光ディスクODよりも高い回転数で回転されてもよい。開口片550が機械的に変位されるならば、制御部200は、トレー駆動部500を制御し、開口片550を対物レンズ351と光ディスクODとの間に配置してもよい。代替的に、使用者が手動式に開口片550を対物レンズ351と光ディスクODとの間に配置してもよい。開口片550の配置技術は、以下の様々な実施形態に関連して説明される。制御部200が、所定の期間、清浄制御を実行した後、ステップS130が実行される。代替的に、光検出器390からの出力信号が所定の閾値を超えているならば、ステップS130が実行されてもよい。
(ステップS130)
ステップS130において、制御部200は、情報処理制御を実行する。情報処理制御下において、光ディスク装置100は、BDやDVDに対して情報処理を行う既知の装置と同様の動作(記録動作及び/又は再生動作)を行ってもよい。尚、開口片550が機械的に変位されるならば、制御部200は、トレー駆動部500を制御し、開口片550を、対物レンズ351と光ディスクODとの間の空間から除去する。情報処理制御が終了すると、ステップS140が実行される。
(ステップS140)
ステップS140において、制御部200は、光検出器390からの出力信号(例えば、S/N比)を参照し、出力信号が所定の閾値を下回っているか否かを判定する。出力信号が所定の閾値を下回っているならば、ステップS150が実行される。他の場合には、制御は終了する。
(ステップS150)
ステップS150において、制御部200は、浄化制御を実行する。浄化制御下にある光ディスク装置100の動作は、ステップS120における光ディスク装置100の動作と同一であってもよい。
<第2実施形態>
第1実施形態に関連して説明された対物レンズの清浄技術は、複数の対物レンズの清浄にも適用可能である。第2実施形態に関連して、複数の対物レンズの清浄技術が説明される。
図15は、開口片550Aと、開口片550Aの下方に配置された対物レンズユニット350Aと、の間の位置関係を表す概略図である。尚、開口片550Aは、第1実施形態に関連して説明された開口片550に代えて利用可能である。対物レンズユニット350Aは、第1実施形態に関連して説明された対物レンズユニット350に代えて利用可能である。
対物レンズユニット350Aは、3つの対物レンズ361,362,363を含む。対物レンズ361からは、約780nmの波長のレーザ光が出射されてもよい。対物レンズ362からは、約650nmの波長のレーザ光が出射されてもよい。対物レンズ363からは、約405nmの波長のレーザ光が出射されてもよい。尚、対物レンズユニットから出射されるレーザ光の種類や数は、使用される光ディスクの種類に依存する。本実施形態において、対物レンズ361,362,363のうち1つは、第1対物レンズとして例示される。対物レンズ361,362,363のうち他のもう1つは、第2対物レンズとして例示される。
開口片550Aには、3つの開口部571,572,573が形成される。開口部571から吹き出された旋回流WF1が、外位置に配置された対物レンズ361に主に衝突するように、開口部571の位置は設定される。開口部572から吹き出された旋回流WF2が、外位置に配置された対物レンズ362に主に衝突するように、開口部572の位置は設定される。開口部573から吹き出された旋回流WF3が、外位置に配置された対物レンズ363に主に衝突するように、開口部573の位置は設定される。開口部571,572,573の位置は、第1実施形態に関連して説明された原理に基づいて、適切に定められる。本実施形態において、開口部571,572,573のうち1つは、第1開口部として例示される。開口部571,572,573のうち他のもう1つは、第2開口部として例示される。
<第3実施形態>
第1実施形態に関連して説明された対物レンズの清浄技術は、2つの記録面を有する光ディスクの使用下においても適用可能である。第3実施形態に関連して、2つの記録面を有する光ディスクの使用下における洗浄技術が説明される。
図16は、光ディスク装置100Bの概略的な側面図である。図16を参照して、光ディスク装置100Bが説明される。尚、光ディスク装置100Bは、第1実施形態に関連して説明された全ての要素を含んでもよい。
第1実施形態に関連して説明された光ディスクODと同様に、光ディスクDDは、記録面RSを備える。光ディスクDDは、記録面RSとは反対の追加的な記録面QSを更に含む。第1実施形態と同様に、対物レンズユニット350は、記録面RSに情報を記録するために、及び/又は、記録面RSから情報を再生するために用いられる。開口片550は、対物レンズユニット350の対物レンズ351を清浄するために利用される。
光ディスク装置100Bは、追加的な対物レンズユニット350Bを更に備える。対物レンズユニット350Bは、対物レンズ351Bを備える。対物レンズユニット350Bは、記録面QSに情報を記録するために、及び/又は、記録面QSから情報を再生するために用いられる。尚、対物レンズユニット350Bの構造及び対物レンズユニット350Bを駆動するための機構は、対物レンズユニット350の構造及び対物レンズユニット350を駆動するための機構とそれぞれ同一であってもよい。
光ディスク装置100Bは、追加的な開口片550Bを更に備える。清浄制御下において、開口片550Bは、対物レンズユニット350Bと記録面QSとの間に配置される。開口片550Bの構造は、開口片550と同一であってもよい。
開口片550Bは、対物レンズ351Bを清浄するために用いられる。開口片550Bを用いた対物レンズ351Bの清浄原理は、第1実施形態に説明された清浄原理と同一である。
<第4実施形態>
第1実施形態に関連して説明された対物レンズの洗浄技術は、旋回流を利用する。対物レンズが旋回流に強く当たるように、対物レンズの位置が調整されるならば、対物レンズの塵埃は、効果的に除去される。本実施形態に関連して、対物レンズの位置の調整技術が説明される。
図17は、光ディスク装置100Cの概略的なブロック図である。図17を参照して、光ディスク装置100Cが説明される。第1実施形態と同一の符号に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、第1実施形態の説明が援用される。
第1実施形態と同様に、光ディスク装置100Cは、光学駆動部300と、ディスク駆動部400と、トレー駆動部500と、を備える。光ディスク装置100Cは、制御部200Cを更に備える。制御部200Cは、光学駆動部300と、ディスク駆動部400と、トレー駆動部500と、を制御する。
図18は、制御部200Cの機能構成を表す概略的なブロック図である。図4、図12C及び図18を参照して、制御部200Cが説明される。
制御部200Cは、入力部241と、モード決定部242と、再生信号生成部243と、第1信号生成部244と、第2信号生成部245と、信号解析部246と、を備える。第1実施形態に関連して説明された如く、光検出器390は、受け取った光の量に応じて、電気信号を生成する。電気信号は、光検出器390から入力部241に出力される。モード決定部242は、制御モードを、情報処理制御と清浄制御とから選択する。本実施形態において、光検出器390は、検出部として例示される。
モード決定部242は、選択された制御モードに関する情報を、入力部241と、第1信号生成部244と、第2信号生成部245と、に出力する。モード決定部242が、制御モードとして、情報処理制御を決定すると、入力部241は、光検出器390からの電気信号の出力先を再生信号生成部243に設定する。再生信号生成部243は、入力部241からの電気信号に応じて、再生信号を生成する。再生信号は、再生信号生成部243から外部装置ED(例えば、パーソナルコンピュータ)に出力される。外部装置EDは、光ディスクODに記録された情報を再生する。この間、第1信号生成部244は、トラバース装置330を駆動するための第1駆動信号を生成する。第1駆動信号は、第1信号生成部244からトラバース装置330に出力される。トラバース装置330は、第1駆動信号に応じて、トラッキング方向に対物レンズユニット350を変位させる。モード決定部242が、制御モードとして、情報処理制御を決定するならば、第2信号生成部245は、アクチュエータ315を駆動するための第2駆動信号を生成する。第2駆動信号は、第2信号生成部245からアクチュエータ315へ出力される。アクチュエータ315は、第2駆動信号に応じて、トラッキング方向及び/又はフォーカス方向に対物レンズ351を変位させる。本実施形態において、アクチュエータ315は、調整部として例示される。
モード決定部242が、制御モードとして、清浄制御を選択すると、入力部241は、光検出器390からの電気信号の出力先を信号解析部246に設定する。モード決定部242が、制御モードとして、清浄制御を選択すると、第1信号生成部244は、対物レンズユニット350を外位置(図12Cを参照)に位置決めするための第1駆動信号を生成する。第1駆動信号は、第1信号生成部244からトラバース装置330に出力される。トラバース装置330は、第1駆動信号に応じて、対物レンズユニット350を外位置に位置決めする。
対物レンズユニット350が、トラバース装置330によって、外位置に位置決めされた後、第2信号生成部245は、対物レンズ351をトラッキング方向及び/又はフォーカス方向に所定の範囲で変位させるための第2駆動信号を生成する。対物レンズ351は、第2駆動信号に応じて、トラッキング方向及び/又はフォーカス方向に所定範囲で変位される。
対物レンズ351が、第2駆動信号に応じて、トラッキング方向及び/又はフォーカス方向に変位している間、対物レンズ351が旋回流WFから受ける力の大きさや角度は変動する。対物レンズ351に付着した塵埃が効果的に除去される位置に対物レンズ351が配置されるならば、光検出器390が受け取る光量は増大する。
対物レンズ351が、第2駆動信号に応じて、トラッキング方向及び/又はフォーカス方向に変位している間、信号解析部246は、光検出器390から出力された電気信号によって表される光量のデータを、対物レンズ351の位置と関連づけて蓄積してもよい。信号解析部246は、その後、光量が最も増大した対物レンズ351の位置を見極めてもよい。光量が最も増大した対物レンズ351の位置に関する情報は、信号解析部246から第2信号生成部245に出力されてもよい。第2信号生成部245は、信号解析部246からの情報によって表される位置に対物レンズ351を位置決めするための第2駆動信号を生成する。第2駆動信号は、第2信号生成部245からアクチュエータ315へ出力される。アクチュエータ315は、第2駆動信号に応じて、対物レンズ351を位置決めする。この結果、塵埃は、対物レンズ351から効果的に除去される。
本実施形態において、清浄制御下において、対物レンズ351は、最大の光量増大幅が見出された位置に配置される。代替的に、対物レンズ351は、光量の増加率が最大となる位置に配置されてもよい。更に代替的に、対物レンズ351は、所定の光量の変化パターンが見出される位置に配置されてもよい。
<第5実施形態>
第1実施形態に関連して説明された対物レンズの洗浄技術は、旋回流を利用する。旋回流に起因する力に加えて、他の外力が、対物レンズに付着した塵埃に加えられるならば、塵埃は、対物レンズから効果的に除去される。本実施形態に関連して、追加的な力を塵埃に加えるための技術が説明される。
図19は、光ディスク装置100Dの概略的なブロック図である。図19を参照して、光ディスク装置100Dが説明される。第4実施形態と同一の符号に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、第4実施形態の説明が援用される。
第4実施形態と同様に、光ディスク装置100Dは、光学駆動部300と、ディスク駆動部400と、トレー駆動部500と、を備える。光ディスク装置100Dは、制御部200Dを更に備える。制御部200Dは、光学駆動部300と、ディスク駆動部400と、トレー駆動部500と、を制御する。
図20は、制御部200Dの機能構成を表す概略的なブロック図である。図4、図12C及び図20を参照して、制御部200Dが説明される。
第4実施形態と同様に、制御部200Dは、再生信号生成部243と、第1信号生成部244と、を備える。制御部200Dは、モード決定部242Dと、第2信号生成部245Dと、を更に備える。
モード決定部242Dは、選択された制御モードに関する情報を、第1信号生成部244と、第2信号生成部245Dと、に出力する。光検出器390は、受け取った光の量に応じて、電気信号を生成する。制御モードとして、情報処理制御を決定したモード決定部242Dは、光検出器390からの電気信号の出力先を再生信号生成部243に設定する。再生信号生成部243は、モード決定部242Dからの電気信号に応じて、再生信号を生成する。再生信号は、再生信号生成部243から外部装置ED(例えば、パーソナルコンピュータ)に出力される。外部装置EDは、光ディスクODに記録された情報を再生する。この間、第1信号生成部244は、トラバース装置330を駆動するための第1駆動信号を生成する。第1駆動信号は、第1信号生成部244からトラバース装置330に出力される。トラバース装置330は、第1駆動信号に応じて、トラッキング方向に対物レンズユニット350を変位させる。モード決定部242Dが、制御モードとして、情報処理制御を決定するならば、第2信号生成部245Dは、アクチュエータ315を駆動するための第2駆動信号を生成する。第2駆動信号は、第2信号生成部245Dからアクチュエータ315へ出力される。アクチュエータ315は、第2駆動信号に応じて、トラッキング方向及び/又はフォーカス方向に対物レンズ351を変位させる。
制御モードとして、清浄制御を選択したモード決定部242Dは、再生信号生成部243への電気信号の出力を停止する。この間、モード決定部242は、第1信号生成部244に、対物レンズユニット350を外位置(図12Cを参照)に位置決めするための第1駆動信号を生成させる。第1駆動信号は、第1信号生成部244からトラバース装置330に出力される。トラバース装置330は、第1駆動信号に応じて、対物レンズユニット350を外位置に位置決めする。
対物レンズユニット350が、トラバース装置330によって、外位置に位置決めされた後、モード決定部242Dは、第2信号生成部245Dに、対物レンズ351をトラッキング方向及び/又はフォーカス方向に振動させるための第2駆動信号を生成させる。アクチュエータ315は、対物レンズ351を、第2駆動信号に応じて、トラッキング方向及び/又はフォーカス方向に振動させる。対物レンズ351に付着した塵埃は、対物レンズ351の振動に起因した外力を受ける。この結果、塵埃は、対物レンズ351から除去されやすくなる。本実施形態において、アクチュエータ315は、振動部として例示される。
<第6実施形態>
第1実施形態に関連して説明された対物レンズの洗浄技術は、トレー皿に形成された開口領域を、開口片を用いて部分的に覆い、開口片に形成された開口部から噴出される旋回流を強める。対物レンズは、強められた旋回流に曝されるので、塵埃は、対物レンズから効果的に除去される。浄化制御下において、開口片によって部分的に覆われる開口領域は、情報処理制御下において、対物レンズの移動に利用される。したがって、情報処理制御下において、開口片が開口領域を覆っているならば、開口片は、対物レンズを用いた光学的な情報処理を邪魔することもある。本実施形態において、開口領域を適時に覆う開口片に関する技術が説明される。
図21は、光ディスク装置100Eの概略的なブロック図である。図21を参照して、光ディスク装置100Eが説明される。第1実施形態及び/又は第5実施形態と同一の符号に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、第1実施形態及び/又は第5実施形態の説明が援用される。
第1実施形態と同様に、光ディスク装置100Eは、光学駆動部300と、ディスク駆動部400と、を備える。光ディスク装置100Eは、制御部200Eと、トレー駆動部500Eと、を更に備える。制御部200Eは、光学駆動部300と、ディスク駆動部400と、トレー駆動部500Eと、を制御する。
図22A及び図22Bは、トレー皿510の概略的な斜視図である。図21乃至図22Bを参照して、トレー駆動部500Eが説明される。
第1実施形態と同様に、トレー駆動部500Eは、トレー皿510と、開口片550と、を備える。トレー皿510の底壁512は、第2開口領域532の左側の左領域517と、第2開口領域532の右側の右領域518と、左領域517と右領域518との間の略矩形状の中央領域519と、を含む。左領域517、右領域518及び中央領域519の縁部は、第2開口領域532の輪郭を規定する。
図22Aは、制御部200Eが、情報処理制御を実行している間の開口片550を示す。制御部200Eが、情報処理制御を実行している間、開口片550は、中央領域519の下方に配置され、第2開口領域532をほとんど覆わない。
図22Bは、制御部200Eが、清浄制御を実行している間の開口片550を示す。制御部200Eが、清浄制御を実行している間、開口片550は、前壁511に向けて変位し、第2開口領域532を部分的に覆う。
図23A及び図23Bは、開口片550を変位させる例示的な変位機構560の概略図である。図21乃至図23Bを参照して、変位機構560が説明される。
トレー駆動部500Eは、変位機構560を更に備える。変位機構560は、ステッピングモータ561と、ステッピングモータ561によって回転されるスクリューシャフト562と、スクリューシャフト562に螺合される接続片563と、を含む。開口片550は、接続片563に固定される。
図23Aに示される開口片550の位置は、図22Aに示される開口片550の位置に対応する。図23Bに示される開口片550の位置は、図22Bに示される開口片550の位置に対応する。ステッピングモータ561の動作に応じて、開口片550は、前方又は後方に変位する。本実施形態において、変位機構560は、第2変位機構として例示される。代替的に、第2変位機構は、開口片550を変位させることができる他の機構(例えば、シリンダ装置やレバー機構)であってもよい。
図24は、制御部200Eの機能構成を表す概略的なブロック図である。図12C、図22A、図22B及び図24を参照して、制御部200Eが説明される。
第5実施形態と同様に、制御部200Eは、再生信号生成部243と、第1信号生成部244と、を備える。制御部200Eは、モード決定部242Eと、第2信号生成部245Eと、第3信号生成部247と、を更に備える。
モード決定部242Eは、選択された制御モードに関する情報を、第1信号生成部244と、第2信号生成部245Eと、第3信号生成部247と、に出力する。光検出器390は、受け取った光の量に応じて、電気信号を生成する。制御モードとして、情報処理制御を決定したモード決定部242Eは、光検出器390からの電気信号の出力先を再生信号生成部243に設定する。再生信号生成部243は、モード決定部242Eからの電気信号に応じて、再生信号を生成する。再生信号は、再生信号生成部243から外部装置ED(例えば、パーソナルコンピュータ)に出力される。外部装置EDは、光ディスクODに記録された情報を再生する。この間、第1信号生成部244は、トラバース装置330を駆動するための第1駆動信号を生成する。第1駆動信号は、第1信号生成部244からトラバース装置330に出力される。トラバース装置330は、第1駆動信号に応じて、トラッキング方向に対物レンズユニット350を変位させる。モード決定部242Eが、制御モードとして、情報処理制御を決定するならば、第2信号生成部245Eは、アクチュエータ315を駆動するための第2駆動信号を生成する。第2駆動信号は、第2信号生成部245Eからアクチュエータ315へ出力される。アクチュエータ315は、第2駆動信号に応じて、トラッキング方向及び/又はフォーカス方向に対物レンズ351を変位させる。この間、第3信号生成部247は、開口片550を第2開口領域532から退避させるための第3駆動信号を生成する。第3駆動信号は、第3信号生成部247から変位機構560へ出力される。変位機構560は、第3駆動信号に応じて、開口片550を変位させ、第2開口領域532を開放する。
制御モードとして、清浄制御を選択したモード決定部242Eは、再生信号生成部243への電気信号の出力を停止する。この間、モード決定部242は、第1信号生成部244に、対物レンズユニット350を外位置(図12Cを参照)に位置決めするための第1駆動信号を生成させる。第1駆動信号は、第1信号生成部244からトラバース装置330に出力される。トラバース装置330は、第1駆動信号に応じて、対物レンズユニット350を外位置に位置決めする。
対物レンズユニット350が、トラバース装置330によって、外位置に位置決めされた後、モード決定部242Eは、第3信号生成部247に、開口片550を第2開口領域532内へ変位させるための第3駆動信号を生成させる。変位機構560は、第3駆動信号に応じて、開口片550を変位させる。この結果、開口片550は、第2開口領域532を部分的に覆うことになる。
図25は、情報処理制御を実行する制御部200Eの動作を表す概略的なフローチャートである。図12B、図21乃至図25を参照して、制御部200Eの動作が説明される。
(ステップS210)
ステップS210において、制御部200Eは、第2開口領域532が開放されているか否かを検証する。第2開口領域532内に開口片550が存在しているならば、ステップS220が実行される。他の場合には、ステップS230が実行される。
(ステップS220)
ステップS220において、制御部200Eは、変位機構560を制御し、開口片550を第2開口領域532から退避させる。この結果、第2開口領域532は、開放される。その後、ステップS230が実行される。
(ステップS230)
ステップS230において、制御部200Eは、情報処理動作を実行する。光ディスクODに情報が記録されるならば、制御部200Eは、記録信号を生成してもよい。光ディスクODから情報が再生されるならば、制御部200Eは、再生信号を生成してもよい。記録信号又は再生信号の生成の間、制御部200Eは、トラバース装置330及びアクチュエータ315を駆動する。ステップS230における制御部200Eの動作は、BDやDVDに対して情報処理を行う既知の装置と同様であってもよい。
図26は、清浄制御を実行する制御部200Eの動作を表す概略的なフローチャートである。図12B、図21乃至図24並びに図26を参照して、制御部200Eの動作が説明される。
(ステップS310)
ステップS310において、制御部200Eは、第2開口領域532が開放されているか否かを検証する。第2開口領域532内に開口片550が存在しているならば、ステップS320が実行される。他の場合には、ステップS330が実行される。
(ステップS320)
ステップS320において、制御部200Eは、変位機構560を制御し、開口片550を第2開口領域532から退避させる。この結果、第2開口領域532は、開放される。その後、ステップS330が実行される。
(ステップS330)
ステップS330において、制御部200Eは、トラバース装置330を制御し、対物レンズ351を外位置に変位させる。その後、ステップS340が実行される。
(ステップS340)
ステップS340において、制御部200Eは、変位機構560を制御し、開口片550を第2開口領域532内へ変位させる。この結果、開口片550は、光ディスクODと対物レンズ351との間に挿入されることになる。その後、ステップS350が実行される。
(ステップS350)
ステップS350において、制御部200Eは、ディスク駆動部400を制御し、光ディスクODを回転させる。この結果、旋回流が発生する。旋回流は、開口片550に形成された開口部551から噴出し、対物レンズ351に衝突する。この結果、塵埃は、対物レンズ351から除去される。
<第7実施形態>
第6実施形態に関連して説明された開口片の変位距離は、光ディスク装置の設計において、長すぎることもある。本実施形態において、開口片の変位距離を短縮するための技術が説明される。
図27A及び図27Bは、トレー皿510の下で変位する開口片550Fの概略的な斜視図である。図27A及び図27Bを参照して、開口片550Fが説明される。第6実施形態と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、第6実施形態の説明が援用される。
開口片550Fは、第1板553と、第2板554と、を含む。第1板553には、開口部551が形成される一方で、第2板554には、開口部は形成されていない。尚、開口部の形成位置は、光ディスクの回転方向に応じて決定されてもよい。即ち、第2板が、光ディスクの回転方向において、第1板の上流に位置するならば、開口部は、第2板に形成されてもよい。
図27Aは、情報処理制御下における開口片550Fの位置を概略的に示す。図27Bは、清浄制御下における開口片550Fの位置を概略的に示す。清浄制御下において、第1板553は、左領域517に隣接し、第2開口領域532を部分的に覆う。清浄制御下において、第2板554は、右領域518に隣接し、第2開口領域532を少なくとも部分的に覆う。
第6実施形態とは異なり、第1板553及び第2板554は、トレー皿510の移動方向に対して、略直角の方向に変位する。第1板553及び第2板554の変位量は、第6実施形態と較べて、小さく設計される。尚、第1板553及び第2板554を駆動するための構造は、第6実施形態と同様であってもよい。
<第8実施形態>
第6実施形態及び第7実施形態において、開口片は、機械的に駆動される。代替的に、開口片は、手動式にトレー皿に配置されてもよい。本実施形態において、手動式に配置される開口片として、クリーニングシートが説明される。
図28は、トレー皿510の概略的な断面図である。図28を参照して、クリーニングシート550Gが説明される。尚、第1実施形態と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、第1実施形態の説明が援用される。
クリーニングシート550Gは、トレー皿510の底壁512と、ディスク駆動部400によって支持された光ディスクODと、の間に配置される。光ディスクODとは異なり、クリーニングシート550Gは、ディスク駆動部400には連結されていない。したがって、光ディスクODが回転している間も、クリーニングシート550Gは、底壁512上で静止している。
クリーニングシート550Gは、対物レンズ351と光ディスクODとの間に介在する。対物レンズ351の上方において、クリーニングシート550Gには、開口部としてスロット551Gが形成される。したがって、クリーニングシート550Gは、対物レンズ351を用いた光学的な情報処理を妨げない。本実施形態において、クリーニングシート550Gは、シート部材として例示される。
図29は、クリーニングシート550Gが搭載された光ディスク装置100Gの概略的な斜視図である。図28及び図29を参照して、クリーニングシート550Gが更に説明される。
図29に示される如く、使用者は、トレー皿510を露出位置に配置し、クリーニングシート550Gをトレー皿510に載置することができる。この結果、クリーニングシート550Gは、開口領域530を部分的に覆う。
図29には、トレー皿510上に描かれる対物レンズ351の移動軌跡を表す軌跡線TRが示されている。図29に示される如く、スロット551Gは、軌跡線TRに沿って延びる。したがって、クリーニングシート550Gは、対物レンズ351を用いた光学的な情報処理を妨げない。
使用者は、クリーニングシート550Gをトレー皿510上に載置した後、光ディスクODをクリーニングシート550G上に配置することができる。その後、使用者は、トレー皿510を筐体110内に変位させる。
ディスク駆動部400が、光ディスクODを回転させると、旋回流が発生する。旋回流は、スロット551Gを通じて、対物レンズ351に衝突し、塵埃を除去することができる。
上述の様々な実施形態に関連して説明された例示的な光ディスク装置は、以下の特徴を主に備える。
上述の実施形態の一局面に係る光ディスク装置は、光学的な情報処理を受ける処理面を有する媒体を回転させる駆動機構と、前記駆動機構を収容する筐体と、前記媒体が前記筐体内に収容される収容位置と、前記媒体が前記筐体から露出する露出位置と、の間で前記媒体を変位させるトレー機構と、前記収容位置に配置された前記媒体の前記処理面に集光し、前記情報処理を行う少なくとも1つの対物レンズと、第1位置と、前記第1位置よりも前記駆動機構によって回転される前記媒体の回転中心から離れた第2位置と、の間で、前記少なくとも1つの対物レンズを前記処理面に沿って、変位させる第1変位機構と、を備える。前記トレー機構は、前記第1位置よりも前記第2位置に近い位置において少なくとも1つの開口部を規定する。
上記構成によれば、駆動機構が、光学的な情報処理を受ける処理面を有する媒体を回転させている間、第1変位機構は、第1位置と第2位置との間で少なくとも1つの対物レンズを変位させる。この結果、光ディスク装置は、光学的な情報処理を行うことができる。
媒体の回転によって、空気の流れが発生する。第2位置は、第1位置よりも媒体の回転中心から離れているので、空気の流れは、第1位置よりも第2位置において強くなる。トレー機構は、第1位置よりも第2位置に近い位置において少なくとも1つの開口部を規定するので、空気は、少なくとも1つの開口部から強く吹き出されることになる。光ディスク装置は、少なくとも1つの開口部から吹き出された空気を利用して、少なくとも1つの対物レンズを非接触式に清浄することができる。
上記構成において、前記駆動機構は、前記媒体を回転させ、空気流を前記筐体内で生じさせてもよい。前記第1変位機構は、前記少なくとも1つの対物レンズを、前記少なくとも1つの開口部から吹き出された前記空気流に曝してもよい。
上記構成によれば、駆動機構が媒体を回転させると、空気流は、筐体内で発生する。第1変位機構は、少なくとも1つの対物レンズを、少なくとも1つの開口部から吹き出された空気流に曝すので、少なくとも1つの対物レンズは、空気流によって適切に清浄される。
上記構成において、前記トレー機構は、前記媒体が回転する回転空間を規定するトレー皿と、前記少なくとも1つの開口部が形成された開口片と、を含んでもよい。前記トレー皿には、前記収容位置と前記露出位置との間での前記媒体の変位を許容する開口領域が形成されてもよい。前記少なくとも1つの開口部が前記開口領域に重なるように、前記開口片は配置されてもよい。
上記構成によれば、開口片に形成された少なくとも1つの開口部は、トレー皿の変位を許容する開口領域に重ねられるので、媒体の回転によって生じた空気流は、少なくとも1つの開口部から吹き出される。したがって、光ディスク装置は、少なくとも1つの開口部から吹き出された空気を利用して、少なくとも1つの対物レンズを非接触式に清浄することができる。
上記構成において、光ディスク装置は、前記情報処理を実行するための情報処理制御と、前記少なくとも1つの対物レンズを清浄するための清浄制御と、を選択的に実行する制御部を更に備えてもよい。前記トレー機構は、前記媒体と前記トレー皿との間で前記開口片を変位させる第2変位機構を含んでもよい。前記制御部が前記情報処理制御を実行している間、前記第1変位機構は、前記制御部の制御下で、前記開口領域内において、前記第1位置と前記第2位置との間で前記少なくとも1つの対物レンズを変位させ、前記情報処理を実行してもよい。前記制御部が前記清浄制御を実行している間、前記第2変位機構は、前記制御部の制御下で、前記開口片を、前記少なくとも1つの対物レンズと前記媒体との間に配置してもよい。
上記構成によれば、制御部が清浄制御を実行している間、第2変位機構は、制御部の制御下で、開口片を、少なくとも1つの対物レンズと媒体との間に配置するので、少なくとも1つの対物レンズは、開口部から吹き出された強い空気流に曝されることになる。したがって、少なくとも1つの対物レンズは、空気流によって、適切に清浄化される。
上記構成において、前記開口片は、前記少なくとも1つの対物レンズと前記媒体との間に配置されるシート部材であってもよい。前記シート部材は、前記開口領域を部分的に覆ってもよい。
上記構成によれば、シート部材は、開口領域を部分的に覆うので、媒体の回転によって生じた空気流の強さは、シート部材に形成された開口部において、少なくとも1つの対物レンズを清浄するのに十分なレベルを保つことができる。したがって、少なくとも1つの対物レンズは、空気流によって、適切に清浄化される。
上記構成において、光ディスク装置は、前記少なくとも1つの対物レンズに入射する入射光の量を検出する検出部と、トラッキング方向とフォーカス方向とに前記少なくとも1つの対物レンズの位置を調整する調整部と、を更に備えてもよい。前記調整部は、前記制御部の制御下で、前記入射光の前記量に応じて、前記少なくとも1つの対物レンズの前記位置を調整してもよい。
上記構成によれば、調整部は、制御部の制御下で、入射光の量に応じて、少なくとも1つの対物レンズの位置を調整するので、少なくとも1つの対物レンズは、空気流によって、効果的に清浄される。
上記構成において、光ディスク装置は、前記少なくとも1つの対物レンズを振動させる振動部を更に備えてもよい。前記制御部が前記清浄制御を実行している間、前記振動部は、前記制御部の制御下で、前記少なくとも1つの対物レンズを振動させてもよい。
上記構成によれば、制御部が清浄制御を実行している間、振動部は、制御部の制御下で、少なくとも1つの対物レンズを振動させるので、光ディスク装置は、空気流だけでなく、振動をも利用して、少なくとも1つの対物レンズを効果的に清浄することができる。
上記構成において、前記少なくとも1つの開口部は、前記第1位置と前記第2位置との間で移動する前記少なくとも1つの対物レンズの移動軌跡に対して、前記媒体の回転方向において、上流に位置する上流開口部を含んでもよい。
上記構成によれば、上流開口部は、第1位置と第2位置との間で移動する少なくとも1つの対物レンズの移動軌跡に対して、媒体の回転方向において、上流に位置するので、少なくとも1つの対物レンズは、空気流によって、効果的に清浄される。
上記構成において、前記制御部が前記清浄制御を実行している間、前記第1変位機構は、前記制御部の制御下で、前記上流開口部から吹き出された前記空気流に前記少なくとも1つの対物レンズが曝されるように、前記少なくとも1つの対物レンズの位置を定めてもよい。前記制御部が前記清浄制御を実行している間、前記上流開口部と前記回転中心との間の距離は、前記回転中心と前記少なくとも1つの対物レンズとの間の距離よりも短くてもよい。
上記構成によれば、制御部が清浄制御を実行している間において、上流開口部と回転中心との間の距離は、回転中心と少なくとも1つの対物レンズとの間の距離よりも短いので、少なくとも1つの対物レンズは、空気流によって、効果的に清浄される。
上記構成において、前記少なくとも1つの対物レンズは、第1対物レンズと、第2対物レンズと、を含んでもよい。前記少なくとも1つの開口部は、第1開口部と、第2開口部と、を含んでもよい。前記第1対物レンズは、前記第1開口部から吹き出された前記空気流に曝されてもよい。前記第2対物レンズは、前記第2開口部から吹き出された前記空気流に曝されてもよい。
上記構成によれば、第1対物レンズは、第1開口部から吹き出された空気流に曝されるので、第1対物レンズは、空気流によって、適切に清浄される。第2対物レンズは、第2開口部から吹き出された空気流に曝されるので、第2対物レンズは、空気流によって、適切に清浄される。
上記構成において、前記制御部が前記情報処理制御を実行している間、前記第2変位機構は、前記制御部の制御下で、前記開口片を前記少なくとも1つの対物レンズと前記媒体との間の空間から除去してもよい。
上記構成によれば、制御部が情報処理制御を実行している間、第2変位機構は、制御部の制御下で、開口片を少なくとも1つの対物レンズと媒体との間の空間から除去するので、第1変位機構は、少なくとも1つの対物レンズを第1位置と第2位置との間で適切に変位させることができる。
上記構成において、前記媒体は、前記媒体の外形輪郭を定める外縁を含んでもよい。前記制御部が、前記清浄制御を実行している間、前記第1変位機構は、前記制御部の制御下で、前記少なくとも1つの対物レンズを、前記回転中心周りに前記外縁と前記回転中心との間の距離の2分の1の長さの半径を有する円形領域の外に配置してもよい。
上記構成によれば、第1変位機構は、制御部の制御下で、少なくとも1つの対物レンズを、回転中心周りに外縁と回転中心との間の距離の2分の1の長さの半径を有する円形領域の外に配置するので、少なくとも1つの対物レンズは、強い空気流に曝される。したがって、光ディスク装置は、少なくとも1つの対物レンズを適切に清浄することができる。
上記構成において、前記制御部が、前記清浄制御を実行している間、前記第1変位機構は、前記制御部の制御下で、前記少なくとも1つの対物レンズを前記処理面に対向させてもよい。
上記構成によれば、制御部が、清浄制御を実行している間、第1変位機構は、制御部の制御下で、少なくとも1つの対物レンズを処理面に対向させるので、少なくとも1つの対物レンズは、強い空気流に曝される。したがって、光ディスク装置は、少なくとも1つの対物レンズを適切に清浄することができる。
上記構成において、前記少なくとも1つの開口部は、前記第1位置と前記第2位置との間で移動する前記少なくとも1つの対物レンズの移動軌跡に沿って延びるスロットであってもよい。
上記構成によれば、シート部材には、第1位置と第2位置との間で移動する少なくとも1つの対物レンズの移動軌跡に沿って延びるスロットが形成されるので、シート部材の配置下において、情報処理は適切に実行される。
上記構成において、前記光学的な情報処理は、前記媒体への情報の記録及び前記媒体からの情報の再生のうち少なくとも一方であってもよい。
上記構成によれば、光ディスクは、媒体への情報の記録及び媒体からの情報の再生のうち少なくとも一方を適切に実行することができる。
上述の様々な実施形態に関連して説明された例示的なシート部材は、以下の特徴を主に備える。
上述の実施形態の他の局面に係るシート部材は、光学的な情報処理を受ける媒体を筐体内に収容する収容位置と、前記媒体を前記筐体から露出させる露出位置との間で変位させるトレー皿に据え付けられる。前記シート部材は、前記収容位置と前記露出位置との間での前記トレー皿の変位を許容するように前記トレー皿に形成された開口領域を部分的に覆う。前記シート部材には、前記媒体の回転によって前記筐体内で生じた空気流が吹き出される開口部が形成される。
上記構成によれば、シート部材は、開口領域を部分的に覆うので、媒体の回転によって生じた空気流の強さは、シート部材に形成された開口部において、高いレベルに保たれる。したがって、シート部材は、清浄処理に利用可能な空気流を作り出すことができる。
上述の様々な実施形態に関連して説明された例示的な対物レンズの清浄方法は、以下の特徴を主に備える。
上述の実施形態の他の局面に係る対物レンズの清浄方法は、開口部が形成された開口片を、光学的な情報処理を受ける処理面を有する媒体と、前記処理面に対向する少なくとも1つの対物レンズと、の間に配置し、前記媒体が載置されるトレー皿の変位を許容するように前記トレー皿に形成された開口領域を部分的に覆う工程と、前記媒体の回転によって空気流を生成し、前記少なくとも1つの対物レンズを、前記開口部から吹き出された前記空気流に曝す工程と、を有する。
上記構成によれば、開口片は、開口領域を部分的に覆うので、媒体の回転によって生じた空気流の強さは、開口片に形成された開口部において、高いレベルに保たれる。したがって、少なくとも1つの対物レンズは、開口部から吹き出された空気流に曝された空気流によって、適切に清浄される。