以下に、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1及び図2に示すAは普通型コンバイン(以下、単に「コンバイン」と略称する)である。コンバインAは、自走可能な走行機体1の前端部に、刈取部2を昇降自在に取り付けている。そして、刈取部2は、立ち毛の穀稈の中途部から穂先側部を刈り取る主刈刃装置3と、主刈刃装置3により穂先側部が刈り取られた立ち毛の残稈を株元部から刈り取る副刈刃装置4を具備している。
走行機体1は、図1及び図2に示すように、左右一対の走行部10,10間に機体フレーム11を架設している。そして、機体フレーム11上の左側部には、刈り取られた穀稈の穂先側部を脱穀する脱穀部12と、脱穀された穀粒を選別する選別部13を上下段に配設し、これらの後方に藁屑等を機外である圃場へ排出する排塵口部14を後方へ向けて開口させている。また、機体フレーム11上の右側部には、前部に運転操作を行う運転部15を配設し、その後方に選別部13で選別された穀粒(清粒)を貯留する穀粒貯留部16を配設して、最後部に穀粒貯留部16に貯留された穀粒を機外に搬出する穀粒搬出部17を設けている。運転部15の後部の下方には、動力源となる原動機部としてのエンジン18等を配設している。
刈取部2は、前後方向に軸線を向けた四角形筒状のフィーダハウス20と、フィーダハウス20の前端に連通連設した横長バケット状の穀物ヘッダー21と、穀物ヘッダー21の前下端縁部に配設したバリカン状の主刈刃装置3と、穀物ヘッダー21の前左右側部から前方へ延出させて形成した左右一対の分草体22,22と、穀物ヘッダー21の前上方に配設した掻込みリール23とを備えている。フィーダハウス20の後端部は、脱穀部12の前部に左右方向の軸線を向けた後述する刈取入力軸65(フィーダハウスコンベヤ軸)を枢支し、フィーダハウス20の下面部と機体フレーム11の前端部との間に昇降用シリンダ24を介設して、昇降用油圧シリンダ24(図3参照)を伸縮作動させることにより、刈取入力軸65を昇降支点として、刈取部2を昇降可能としている。また、刈取部2は、機体フレーム11の前端部に前下方へ垂下させて取り付けた副刈刃装置4を備えている。フィーダハウス20内には供給コンベヤ25を配設し、穀物ヘッダー21内には掻込みオーガ26(プラットホームオーガ)を左右方向の軸線廻りに回転可能に軸架している。掻込みリール23は、左右方向の軸線廻りに回転可能に軸架されて、立ち毛の穀稈の穂先部に回転しながら連続的に掻込みオーガ26側へ掻込作用するようにしている。上記した各部の作動部は、後述する各連動機構を介してエンジン18に連動連結して、適宜作動するように構成している。
このように構成したコンバインAでは、圃場において、刈取部2を所望の地上高(立ち毛の穀稈の刈取位置)となるまで上昇させ、その状態で走行機体1を走行させる。そうすることで、立ち毛の穀稈を分草体22,22により分草して、分草した穀稈の穂先部を掻込みリール23により掻き込みながら主刈刃装置3により穀稈の中途部から穂先側部を刈り取る。所望の刈取位置で刈り取られた穀稈の穂先側部は、掻込みオーガ26により穀物ヘッダー21内に掻込まれるとともに、供給コンベヤ25によりフィーダハウス20内を通して脱穀部12に供給される。脱穀部12に供給された穀稈の穂先側部は脱穀部12により脱穀処理されるとともに、脱穀部12で脱穀処理された穀粒は選別部13により選別処理される。選別部13で選別処理された穀粒(清粒)は穀粒貯留部16に貯留される。穀粒貯留部16に貯留されている穀粒は、適宜、穀粒搬出部17により機外に搬出される。そして、脱穀部12で穀粒と分離処理された藁屑等は、排塵口部14から機外である圃場へ排出される。また、穂先側部が刈り取られた残稈は、副刈刃装置4により株元部から刈られて、圃場に残置される。
上記のように構成したコンバインAにおいて、本実施形態は副刈刃装置4の構成に特徴を有するものであり、以下に、副刈刃装置4の構成について図3〜図7を参照しながら説明する。
すなわち、副刈刃装置4は、図3〜図7に示すように、走行機体1から前方へ伸延させて形成した左右一対の支持アーム30,30の先端部間に、左右方向に伸延する固定側刈刃体31を架設し、固定側刈刃体31上には左右方向に伸延する可動側刈刃体32を左右方向へ往復摺動自在に重合させて配置し、走行機体1に設けたエンジン18に刈刃体摺動機構33を介して可動側刈刃体32の一側部(本実施形態では左側部)を連動連結して構成している。
そして、一方(本実施形態では左側方)の支持アーム30の先端部(前端部)には、刈刃体摺動機構33の中途部を支持する支持体34を設け、支持体34の直前方位置に刈刃体摺動機構33の終端部を左右方向に往復作動可能に配置して、刈刃体摺動機構33の終端部に刈った残稈(以下、「茎稈」ともいう。)を走行機体1の左右方向のいずれか一方向(本実施形態では内方となる右側方)に送り出すための茎稈横送り体35を設けている。
刈刃体摺動機構33の終端部は、左右方向に軸線を向けた棒状の連動連結体(押し引きロッド)36となして、連動連結体36の中途部に茎稈横送り体35を取り付けている。茎稈横送り体35には、刈った茎稈に作用する平坦な作用面35aを連動連結体36の軸線を中心とする半径方向に膨出させて形成している。つまり、茎稈横送り体35は、図8にも示すように、作用面35aとなる円形の平面と、その背後に外方へ漸次縮径状に形成される円錐台曲面35bとからなる円錐台体となして、連動連結体36の軸線上に作用面35aの中心位置と円錐台曲面35bの軸線とを整合させて配置している。そして、茎稈横送り体35は、連動連結体36に作用面35aを同一方向である右側方に向けて複数個(本実施形態では2個)取り付けるとともに、隣接する茎稈横送り体35,35同士の間には連動連結体36の軸線方向に一定の間隔を保持させている。
このように構成した副刈刃装置4では、図9に示すように、連動連結体36の中途部に茎稈横送り体35を取り付けているため、茎稈横送り体35は、左右方向dに往復作動(押し引き作動)される連動連結体36と一体となって左右方向に往復移動される。そして、茎稈横送り体35は、刈った茎稈に作用する平坦な作用面35aを連動連結体36の軸線を中心とする半径方向に膨出させて鍔状に形成しているため、茎稈横送り体35が右側方へ移動される際には、その平坦な作用面35aが支持体34の前面に滞留している茎稈等ないしは滞留する可能性のある茎稈等に全面的に押圧作用して、茎稈等を右側方へ大きく移送させる。一方、作用面35aの背後は、左側方へ縮径する円錐台曲面35bに形成しているため、茎稈横送り体35が左側方へ移動される際には、その円錐台曲面35bが支持体34の前面に滞留している茎稈等ないしは滞留する可能性のある茎稈等に摺動作用して、茎稈等を左側方へ比較的小さく移送させる。したがって、茎稈等は茎稈横送り体35により断続的に漸次右側方へ移送される。その結果、茎稈等が支持体34の前面に滞留されるのを堅実に解消することができる。つまり、連動連結体36と支持体34との間の間隙Sに、刈った茎稈が滞留するのを防止することができる。
次に、副刈刃装置4の構成を、図3〜図8を参照しながら、より具体的に説明する。すなわち、副刈刃装置4は、機体フレーム11の前部に左右一対の支持アーム30,30の基端部(後端部)を左右方向に軸線を向けたアーム支軸38,38により枢支し、両支持アーム30,30の先端部(前端部)間に架設した固定側刈刃体31と、その上に載置した可動側刈刃体32を昇降自在としている。固定側刈刃体31の下面の左右側部には、接地用の橇状の左右側部フロート体39,39を配設し、固定側刈刃体31の下面の中途部には、接地用の橇状の中途部フロート体(図示せず)を配設している。これらフロート体39,39を副刈刃装置4の自重により圃場面に面接触させた状態にて、走行機体1の移動とともに圃場面上で摺動させることにより、副刈刃装置4の両刈刃体31,32を圃場面に沿わせたフローティング状態で移動させることができる。したがって、副刈刃装置4による残稈の圃場面からの刈り高さを一定に保持させることができる。各支持アーム30,30と機体フレーム11との間には、それぞれフローティング支持機構45,45を介設している。両フローティング支持機構45,45は、それぞれフローティングバネ46,46を具備して、フローティング状態における両刈刃体31,32の支持荷重をフローティングバネ46,46により軽減して、各フロート体39,39の接地圧を所定値以下に保つように弾圧支持している。本実施形態では、副刈刃装置4の支持荷重と、フローティングバネ46,46の持上げ弾性力が略一致するように、フローティングバネ46,46の弾圧力を設定して、副刈刃装置4が円滑かつ堅実に圃場面上を滑動するようにしている。
左側の支持アーム30の中途部とフィーダハウス20の天井壁の右側部との間には、刈取部2と副刈刃装置4とを連結状態又は非連結状態に切替える連結・解除機構40を介設している。連結・解除機構40には連結・解除体41と切替操作機構42と垂下体43とを設けている。
連結・解除体41は、上下方向に伸延する四角形筒状に形成して、フィーダハウス20の左側壁に取付板44を介して取り付けている。連結・解除体41の左側壁には、上下方向に伸延するガイド用長孔41aを形成している。
切替操作機構42は、フィーダハウス20の天井壁の右側部にレバーガイド体42aを設け、レバーガイド体42aに前後方向に伸延するガイド溝42bを形成している。ガイド溝42bには上下方向に軸線を向けた切替操作レバー42cを挿通して、その中途部をガイド溝42bに案内させるとともに、フィーダハウス20の天井壁に設けたレバー枢支体42dに、レバー支軸42eを介して切替操作レバー42cの基端部を枢支している。レバー支軸42eには上下方向に伸延するリンク42fの上端部を連結する一方、リンク42fの下端部に前後方向に軸線を向けた抜き差しロッド42gの後端部を連結している。抜き差しロッド42gは、連結・解除体41の上部に横断貫通して抜き差し自在に配設している。そして、切替操作レバー42cをガイド溝42bに沿って前方へ回動操作すると、抜き差しロッド42gが連結・解除体41から引き抜かれる一方、切替操作レバー42cをガイド溝42bに沿って後方へ回動操作すると、抜き差しロッド42gが連結・解除体41に横断貫通状に差し込まれるようにしている。
垂下体43は、上下方向に伸延する垂下片43aと、上下方向に軸線を向けた垂下ロッド43bと、垂下ロッド43bの上端部と垂下片43aの下端部との間に介設した弾性体43cとを具備している。垂下片43aは、連結・解除体41のガイド用長孔41aに摺動ピン43dを介して上端部を摺動自在に連結している。垂下ロッド43bは左側の支持アーム30の中途部に連結ブラケット43eを介して連結している。
このように構成した連結・解除機構40では、連結・解除体41のガイド用長孔41aの上端部に摺動ピン43dを配置して、この配置状態にて切替操作レバー42cをガイド溝42bに沿って後方へ回動操作して、抜き差しロッド42gを連結・解除体41に横断貫通状に差し込むことで、抜き差しロッド42gにより摺動ピン43dの下降摺動を規制することができる。つまり、切替操作機構42を操作して、連結・解除体41を介して刈取部2と副刈刃装置4とを連結状態となすことにより、刈取部2の昇降動作に副刈刃装置4の昇降動作を連動させることができる。そうすることで、刈取部2と副刈刃装置4とを一体的に上昇させて、非収穫作業高さ(例えば、畔越え高さ又は路上走行高さ)に、刈取部2と副刈刃装置4を一体的の保持させることができる。
また、切替操作レバー42cをガイド溝42bに沿って前方へ回動操作して、抜き差しロッド42gを連結・解除体41から引き抜くことで、摺動ピン43dをガイド用長孔41aに沿って上下摺動自在となすことができる。つまり、切替操作機構42を切替操作して、連結・解除体41を介して刈取部2と副刈刃装置4とを非連結状態となすことにより、主刈刃装置3は穀稈の所望の刈取位置に上昇配置することができる一方、副刈刃装置4は主刈刃装置3とは独立的にフローティング状態となすことができる。
副刈刃装置4は、副刈刃装置駆動機構50を介してエンジン18に連動連結している。すなわち、副刈刃装置駆動機構50は、前記した刈取入力軸65と同一軸線上に横架した正逆転伝達軸51と、可動側刈刃体32との間に介設して、正逆転伝達軸51からの回転力を可動側刈刃体32への押し引き摺動力として伝達するようにしている。副刈刃装置駆動機構50は、上流側のチェン伝動機構52と、下流側の刈刃体摺動機構33とを具備している。チェン伝動機構52は、上記した正逆転伝達軸51と、その下方において平行させて横架した偏心回転軸53と、これらの軸51,53間に刈刃体出・入力スプロケット54,55(図10参照)を介して伝動チェン56を巻回している。57は伝動チェン56を緊張させるテンションアームである。刈刃体摺動機構33は、偏心回転軸53に取り付けた偏心回転体58と、偏心回転体58に揺動変換体59を介して後端部を連結した揺動回転軸60と、揺動回転軸60の前端部に基端部(上端部)を取り付けた揺動駆動アーム61と、揺動駆動アーム61の先端部(下端部)に左側端部を連結した連動連結体36とを具備しており、連動連結体36の右側端部は可動側刈刃体32の左側部に連動連結ブラケット62を介して連動連結している。支持アーム30の先端部(前端部)に直交状態に立設した支持体34は、四角形筒状に形成して前上方へ立ち上げており、支持体34の左側壁には軸受体63を介して揺動回転軸60の前部をその軸芯廻りに揺動自在に軸支させている。64は刈刃体摺動機構33を被覆するカバー体であり、カバー体64は左側方の支持アーム30に着脱可能に取り付けている。
このように構成した副刈刃装置駆動機構50では、偏心回転軸53の一方向回転を、揺動回転軸60の揺動回転(一定範囲内で正逆転させる往復回転)に変換して、揺動駆動アーム61の先端側を左右方向に揺動させ、連動連結体36を介して可動側刈刃体32を左右方向に往復摺動させて、可動側刈刃体32と固定側刈刃体31とが協働して圃場の残稈を株元部から切断するようにしている。
機体フレーム11の前端部上には、左右一対の刈取り支柱67,67を立設しており、両刈取り支柱67,67には、それぞれ刈取り軸受体68,68を介して刈取入力軸65の両端部を回転自在に軸支している。左側の刈取り支柱67には、刈取装置3用の正逆転切換ケース66を取り付けており、逆転切換ケース66には刈取入力軸65と正逆転伝達軸51を同一軸線上に横架しており、刈取部入力スプロケット69と刈刃体出力スプロケット54を同軸的に取り付けている。左右の刈取り支柱67,67に刈取入力軸65を介してフィーダハウス20の後端部を回動可能に支持している。刈取入力軸65にフィーダハウス20を介して刈取装置3全体を昇降動可能に支持している。なお、左右の刈取り支柱67,67の間に、ビータ軸70を介して刈取り穀稈投入用ビータ71を軸支している。
ビータ71は、図1及び図10に示すように、供給コンベア25の送り終端側に設けて、ビータ71によって脱穀部12の扱口に投入される。脱穀装置9の扱室内には扱胴軸75を介して扱胴72を回転可能に軸支している。扱胴72の下方側には、穀粒を漏下させる受網73を張設している。なお、扱胴72の前部の外周面には、螺旋状のスクリュー羽根状の取込み羽根74が半径方向外向きに突設されている。
選別部13には、図1及び図10に示すように、受網73の下方に配置された穀粒選別機構77を配設しており、穀粒選別機構77は、グレンパン及びチャフシーブ及びグレンシーブ及びストローラック等を有する比重選別用の揺動選別盤78と、揺動選別盤78に選別風を供給する唐箕ファン76等を備えている。扱胴72により脱穀されて受網73から漏下した脱穀物は、揺動選別盤78の比重選別作用と唐箕ファン76の風選別作用とにより、穀粒(精粒等の一番物)と、穀粒と藁の混合物(枝梗付き穀粒等の二番物)と、藁屑等に選別されて取出されるように構成している。
揺動選別盤78の下方には、穀粒選別機構77としての一番コンベヤ機構79及び二番コンベヤ機構80を備えている。揺動選別盤78及び唐箕ファン76の選別によって、揺動選別盤78から落下した穀粒(一番物)は、一番コンベヤ機構79及び揚穀コンベヤ81によって穀粒貯留部16に貯留される。穀粒と藁の混合物(二番物)は、二番コンベヤ機構80及び二番還元コンベヤ82等を介して揺動選別盤78の選別始端側に戻され、揺動選別盤78によって再選別される。藁屑等は、走行機体1後部の排塵口部14から圃場に排出されるようにしている。
運転部15には、図1及び図2に示すように、操縦コラム90と、オペレータが着座する運転座席91とを配置している。操縦コラム90には、走行機体1の進路を変更する操縦レバー92と、走行機体1の移動速度を切換える変速レバー93等が配置されている。また、運転部15の上方側にサンバイザー支柱94を介して日除け用の屋根体95を取付けている。
走行部10は、図1,図2及び図10に示すように、走行フレーム96の前後部に駆動輪97と従動輪98を取り付け、それらの動輪の回りに履帯99を巻回している。左右一対の走行部10,10の駆動輪97,97間には、走行駆動軸101,101を介してミッションケース100を介設し、ミッションケース100には、走行油圧ポンプ及び油圧モータを有する走行変速用の油圧無段変速機102を設けている。
次に、図10を参照しながらコンバインAの伝動構造を説明する。すなわち、エンジン18に設けた駆動軸110に第1伝動ベルト機構111を介して唐箕ファン76を軸支する唐箕ファン支軸112を連動連結している。唐箕ファン支軸112には第2伝動ベルト機構113を介して一番コンベア軸114を連動連結し、一番コンベア軸114には第3伝動ベルト機構115を介して二番コンベア軸116を連動連結し、二番コンベア軸116には第4伝動ベルト機構117を介して揺動選別盤作動軸118を連動連結している。
唐箕ファン支軸112には第5伝動ベルト機構119を介して脱穀カウンタ軸120を連動連結している。脱穀カウンタ軸120にはギヤケース121を介して扱胴軸75を連動連結している。また、脱穀カウンタ軸120には第6伝動ベルト機構122を介してビータ軸70を連動連結している。ビータ軸70には第7伝動ベルト機構123を介して正逆転伝達軸51を連動連結している。正逆転伝達軸51には前記したように副刈刃装置駆動機構50を介して可動側刈刃体32を連動連結している。また、正逆転伝達軸51に逆転切換ケース66を介して連動連結した刈取入力軸65には、供給コンベア25を連動連結するとともに、第8伝動ベルト機構124を介して刈取カウンタ軸125を連動連結している。刈取カウンタ軸125には第9伝動ベルト機構126を介して掻込みオーガ26を連動連結し、かつ、第10伝動ベルト機構127を介して掻込みリール23を連動連結し、かつ、刈刃伝動機構128を介して主刈刃装置3の主刈刃体3aを連動連結している。
エンジン18に設けた駆動軸110には、第11伝動ベルト機構129を介して油圧無段変速機102の入力軸130を連動連結している。エンジン18にはファン駆動軸131を介して冷却ファン132を連動連結しており、ファン駆動軸131にはコンベア伝動機構133を介して穀粒貯留部16と穀粒搬出部17にそれぞれ設けた搬出コンベア134,135を連動連結している。
次に、茎稈横送り体35の変形例について説明する。図11は、第1変形例としての茎稈横送り体35を示しており、この茎稈横送り体35は、左右方向に横長板状に形成して連動連結体36に取付ボルト140により取り付けた本体35cと、本体35cの上端縁部から上方へ直角三角板状に突出させて形成した複数(本実施形態では3つ)の上部突出部35dと、本体35cの下端縁部から下方へ直角三角板状に突出させて形成した複数(本実施形態では3つ)の下部突出部35eとから形成している。上部突出部35dは、本体35cから直上方へ立ち上がり状の作用縁部35fを右側部に形成する一方、斜辺部35gを左側部に形成しており、左右に隣接する上部突出部35d間には一定の間隔をあけて、複数の上部突出部35dを鋸刃状に配置している。また、下部突出部35eは、本体35cから直下方へ垂下状の作用縁部35hを左側部に形成する一方、斜辺部35iを右側部に形成しており、左右に隣接する下部突出部35e間には一定の間隔をあけて、複数の下部突出部35eを鋸刃状に配置している。
このように形成した第1変形例としての茎稈横送り体35では、連動連結体36と一体的に左右方向に往復移動される。そして、茎稈横送り体35が右側方へ移動される際には、支持体34の前面に滞留している茎稈等ないしは滞留する可能性のある茎稈等に、上部突出部35dの作用縁部35fが押圧作用して、茎稈等を右側方へ大きく移送させる。一方、作用縁部35fの背後には斜辺部35gを形成しているため、茎稈横送り体35が左側方へ移動される際には、その斜辺部35gが支持体34の前面に滞留している茎稈等ないしは滞留する可能性のある茎稈等に摺動作用して、茎稈等を左側方へ比較的小さく移送させる。したがって、上部突出部35dの作用を受ける茎稈等は断続的に漸次右側方へ移送される。
また、茎稈横送り体35が左側方へ移動される際には、支持体34の前面に滞留している茎稈等ないしは滞留する可能性のある茎稈等に、下部突出部35eの作用縁部35hが押圧作用して、茎稈等を左側方へ大きく移送させる。一方、作用縁部35hの背後には斜辺部35iを形成しているため、茎稈横送り体35が右側方へ移動される際には、その斜辺部35iが支持体34の前面に滞留している茎稈等ないしは滞留する可能性のある茎稈等に摺動作用して、茎稈等を右側方へ比較的小さく移送させる。したがって、下部突出部35eの作用を受ける茎稈等は断続的に漸次左側方へ移送される。
その結果、茎稈横送り体35により茎稈等が支持体34の前面に滞留されるのを堅実に解消することができる。つまり、茎稈横送り体35により連動連結体36と支持体34との間の間隙Sに、刈った茎稈が滞留するのを防止することができる。
図12は、第2変形例としての茎稈横送り体35を示しており、この茎稈横送り体35は、円板・多角形板等の薄肉板状に形成して、連動連結体36に複数枚(本実施形態では3枚)を相互に左右方向に間隔をあけて鍔状に取り付けている。そして、茎稈横送り体35の左右側面にはそれぞれ作用面35a,35aを形成している。
このように形成した第2変形例としての茎稈横送り体35では、支持体34の前面に滞留している茎稈等ないしは滞留する可能性のある茎稈等に、茎稈横送り体35の左右側面にそれぞれ形成した作用面35a,35aが作用して、茎稈横送り体35により茎稈等が支持体34の前面に滞留されるのを堅実に解消することができる。つまり、茎稈横送り体35により連動連結体36と支持体34との間の間隙Sに、刈った茎稈が滞留するのを防止することができる。
図13は、第3変形例としての茎稈横送り体35を示しており、この茎稈横送り体35は、薄肉円板状に形成した本体35jと、本体35jの外周縁部から半径方向に延出するブラシ部35kとを具備している。35lは本体35jの中央部に形成した挿通孔であり、挿通孔35lには連動連結体36を挿通して、連動連結体36に所要個数の茎稈横送り体35を相互に左右方向に間隔をあけて鍔状に取り付け可能としている。
このように形成した第3変形例としての茎稈横送り体35も、前記した他の茎稈横送り体35と同様に、連動連結体36と支持体34との間の間隙Sに、刈った茎稈が滞留するのを防止することができる。