以下に、本願発明を具体化した実施形態を、普通型コンバインに適用した図面(図1〜図4)に基づいて説明する。図1はコンバインの左側面図、図2は同右側面図、図3は同平面図、図4は同左側斜視図である。まず、図1〜図3を参照しながら、コンバインの概略構造について説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。
図1〜図3に示す如く、実施形態における普通型コンバインは、走行部としてのゴムクローラ製の左右一対の履帯2にて支持された走行機体1を備える。走行機体1の前部には、稲(又は麦又は大豆又はトーモロコシ)等の未刈り穀稈を刈取りながら取込む刈取装置3が単動式の昇降用油圧シリンダ4にて昇降調節可能に装着されている。
走行機体1の左側には、刈取装置3から供給された刈取穀稈を脱穀処理するための脱穀装置9を搭載する。脱穀装置9の下部には、揺動選別及び風選別を行うための穀粒選別機構10を配置する。走行機体1の前部右側には、オペレータが搭乗する運転台5を搭載する。動力源としてのエンジン7を、運転台5(操縦座席42の下方)に配置する。運転台5の後方(走行機体1の右側)には、脱穀装置9から穀粒を取出すグレンタンク6と、トラック荷台(またはコンテナなど)に向けてグレンタンク6内の穀粒を排出する穀粒排出コンベヤ8を配置する。穀粒排出コンベヤ8を機外側方に傾倒させて、グレンタンク6内の穀粒を穀粒排出コンベヤ8にて搬出するように構成している。
刈取装置3は、脱穀装置9前部の扱口9aに連通したフィーダハウス11と、フィーダハウス11の前端に連設された横長バケット状の穀物ヘッダー12とを備える。穀物ヘッダー12内に掻込みオーガ13(プラットホームオーガ)を回転可能に軸支する。掻込みオーガ13の前部上方にタインバー付き掻込みリール14を配置する。穀物ヘッダー12の前部にバリカン状の第1刈刃15を配置する。穀物ヘッダー12前部の左右両側に左右の分草体16を突設する。また、フィーダハウス11に供給コンベヤ17を内設する。供給コンベヤ17の送り終端側(扱口9a)に刈取り穀稈投入用ビータ18(フロントロータ)を設ける。なお、フィーダハウス11の下面部と走行機体1の前端部とが昇降用油圧シリンダ4を介して連結され、後述する刈取入力軸89(フィーダハウスコンベヤ軸)を昇降支点として、刈取装置3が昇降用油圧シリンダ4にて昇降動する。
上記の構成により、左右の分草体16間の未刈り穀稈の穂先側が掻込みリール14にて掻込まれ、未刈り穀稈の稈側が第1刈刃15にて刈取られ、掻込みオーガ13の回転駆動によって、穀物ヘッダー12の左右幅の中央部寄りのフィーダハウス11入口付近に刈取穀稈が集められる。穀物ヘッダー12の刈取穀稈の全量は、供給コンベヤ17によって搬送され、ビータ18によって脱穀装置9の扱口9aに投入されるように構成している。なお、穀物ヘッダー12を水平制御支点軸回りに回動させる水平制御用油圧シリンダ(図示省略)を備え、穀物ヘッダー12の左右方向の傾斜を前記水平制御用油圧シリンダにて調節して、穀物ヘッダー12、及び第1刈刃15、及び掻込みリール14を圃場面に対して水平に支持することも可能である。
また、図1、図3に示す如く、脱穀装置9の扱室内に扱胴21を回転可能に設ける。走行機体1の前後方向に延長させた扱胴軸20に扱胴21を軸支する。扱胴21の下方側には、穀粒を漏下させる受網24を張設する。なお、扱胴21前部の外周面には、螺旋状のスクリュー羽根状の取込み羽根25が半径方向外向きに突設されている。
上記の構成により、ビータ18によって扱口9aから投入された刈取穀稈は、扱胴21の回転によって走行機体1の後方に向けて搬送されながら、扱胴21と受網24との間などにて混練されて脱穀される。受網24の網目よりも小さい穀粒等の脱穀物は受網24から漏下する。受網24から漏下しない藁屑等は、扱胴21の搬送作用によって、脱穀装置9後部の排塵口23から圃場に排出される。
なお、扱胴21の上方側には、扱室内の脱穀物の搬送速度を調節する複数の送塵弁(図示省略)を回動可能に枢着する。前記送塵弁の角度調整によって、扱室内の脱穀物の搬送速度(滞留時間)を、刈取穀稈の品種や性状に応じて調節できる。一方、脱穀装置9の下方に配置された穀粒選別機構10として、グレンパン及びチャフシーブ及びグレンシーブ及びストローラック等を有する比重選別用の揺動選別盤26を備える。
また、穀粒選別機構10として、揺動選別盤26に選別風を供給する唐箕ファン29等を備える。扱胴21にて脱穀されて受網24から漏下した脱穀物は、揺動選別盤26の比重選別作用と唐箕ファン29の風選別作用とにより、穀粒(精粒等の一番物)と、穀粒と藁の混合物(枝梗付き穀粒等の二番物)と、藁屑等に選別されて取出されるように構成する。
揺動選別盤26の下側方には、穀粒選別機構10として、一番コンベヤ機構30及び二番コンベヤ機構31を備える。揺動選別盤26及び唐箕ファン29の選別によって、揺動選別盤26から落下した穀粒(一番物)は、一番コンベヤ機構30及び揚穀コンベヤ32によってグレンタンク6に収集される。穀粒と藁の混合物(二番物)は、二番コンベヤ機構31及び二番還元コンベヤ33等を介して揺動選別盤26の選別始端側に戻され、揺動選別盤26によって再選別される。藁屑等は、走行機体1後部の排塵口23から圃場に排出されるように構成する。
さらに、図1〜図3に示す如く、運転台5には、操縦コラム41と、オペレータが座乗する操縦座席42とを配置している。操縦コラム41には、走行機体1の進路を変更する操縦レバー43と、走行機体1の移動速度を切換える主変速レバー44及び副変速レバー45と、刈取装置3を駆動または停止操作する刈取クラッチレバー46と、脱穀装置9を駆動または停止操作する脱穀クラッチレバー47が配置されている。また、運転台5の上方側にサンバイザー支柱48を介して日除け用の屋根体49を取付けている。
図1、図2に示す如く、走行機体1の下面側に左右のトラックフレーム50を配置している。トラックフレーム50には、履帯2にエンジン7の動力を伝える駆動スプロケット51と、履帯2のテンションを維持するテンションローラ52と、履帯2の接地側を接地状態に保持する複数のトラックローラ53と、履帯2の非接地側を保持する中間ローラ54とを設けている。前記駆動スプロケット51によって履帯2の前側を支持させ、テンションローラ23によって履帯2の後側を支持させ、トラックローラ53によって履帯2の接地側を支持させ、中間ローラ54によって履帯2の非接地側を支持させるように構成する。
次に、図5を参照してコンバインの駆動構造を説明する。図5に示す如く、図示しない走行油圧ポンプ及び油圧モータを有する走行変速用の油圧無段変速機64をミッションケース63に設けている。走行機体1前部の右側上面にエンジン7を搭載し、エンジン7左側の走行機体1前部にミッションケース63を配置している。また、エンジン7から左側方に突出させた出力軸65と、ミッションケース63から左側方に突出させた入力軸66を、エンジン出力ベルト67を介して連結している。なお、昇降用油圧シリンダ4等を駆動するチャージポンプ68と、冷却ファン69をエンジン7に配置し、チャージポンプ68及び冷却ファン69をエンジン7にて駆動するように構成している。
さらに、扱胴軸20の前端側を軸支する扱胴駆動ケース71を備えている。脱穀装置9の前面壁体に扱胴駆動ケース71を設けている。また、前記刈取装置3と扱胴21を駆動するためのカウンタ軸72を扱胴駆動ケース71に軸支している。唐箕ファン29を軸支した唐箕軸76の右側端部に、唐箕入力プーリ83を設けている。エンジン7の出力軸65に、テンションローラを兼用した脱穀クラッチ84と脱穀駆動ベルト85を介して、唐箕軸76右側端部の唐箕入力プーリ83を連結している。即ち、エンジン7の出力軸65に脱穀駆動ベルト85を介して唐箕軸76を連結している。そして、エンジン7から離れた側の唐箕軸76の左側端部に扱胴駆動プーリ86を設ける。
また、エンジン7から離れた側のカウンタ軸72の左側端部にカウンタ入力プーリ88を配置する。扱胴駆動プーリ86に、常張り状の扱胴駆動ベルト87を介して、カウンタ軸72左側端部のカウンタ入力プーリ88を連結する。左右方向に延設したカウンタ軸72の右側端部に、ベベルギヤ機構75を介して扱胴軸20の前端側を連結する。唐箕軸76からカウンタ軸72を介して扱胴軸20の前端側にエンジン7の動力を伝達させ、扱胴21を一方向に回転駆動させるように構成している。
即ち、オペレータの脱穀クラッチレバー47操作によって、脱穀クラッチ84が入り切り制御される。脱穀クラッチ84の入り操作によって、カウンタ軸72を介して扱胴21が駆動されて、ビータ18から投入された穀稈が扱胴21によって連続的に脱穀されるように構成している。
さらに、一番コンベヤ機構30の一番コンベヤ軸77の左側端部と、二番コンベヤ機構31の二番コンベヤ軸78の左側端部とに、コンベヤ駆動ベルト111を介して唐箕軸76の左側端部を連結している。揺動選別盤26後部を軸支したクランク状の揺動駆動軸79の左側端部に揺動選別ベルト112を介して二番コンベヤ軸78の左側端部を連結している。なお、一番コンベヤ軸77を介して揚穀コンベヤ32が駆動されて、一番コンベヤ機構30の一番選別穀粒がグレンタンク6に収集される。また、二番コンベヤ軸78を介して二番還元コンベヤ33が駆動されて、二番コンベヤ機構31の藁屑が混在した二番選別穀粒(二番物)が揺動選別盤26の上面側に戻される。
一方、ビータ18を軸支するビータ軸82を備える。刈取り駆動ベルト114及びテンションプーリ形刈取クラッチ115を介して、カウンタ軸72の左側端部にビータ軸82の左側端部を連結する。供給コンベヤ17の送り終端側を軸支するコンベヤ入力軸としての刈取入力軸89を備える。刈取入力軸89の左側端部に、刈取入力軸89の軸受手段としての正逆転切換ケース121を設ける。正逆転切換ケース121内に刈取入力軸89の左側端部を挿入すると共に、正逆転伝達軸122と正逆転切換軸123を正逆転切換ケース121に設ける。なお、刈取入力軸89と正逆転伝達軸122を略同一軸心線上に配置する。また、ビータ軸82には、刈取駆動チェン116と、刈取駆動スプロケット117と、刈取従動スプロケット118を介して、正逆転伝達軸122の左側端部を連結している。
図5に示す如く、前記穀物ヘッダー12にヘッダー駆動軸91を設ける。ヘッダー駆動軸91に、ヘッダー駆動チェン90を介して刈取入力軸89の右側端部を連結する。掻込みオーガ13を軸支する掻込み軸93を備える。掻込み軸93に、掻込み駆動チェン92を介してヘッダー駆動軸91を連結している。
また、掻込みリール14を軸支するリール軸94を備える。リール軸94に、中間軸95及びリール駆動チェン96,97を介してヘッダー駆動軸91を連結している。ヘッダー駆動軸91の右側端部には、第1刈刃駆動クランク機構98を介して第1刈刃15が連結されている。刈取クラッチ115の入り切り操作によって、供給コンベヤ17と、掻込みオーガ13と、掻込みリール14と、第1刈刃15が駆動されて、圃場の未刈り穀稈の穂先側を連続的に刈取るように構成している。
図5に示す如く、正逆転伝達軸122に一体形成する正転用ベベルギヤ124と、刈取入力軸89に回転自在に軸支する逆転用ベベルギヤ125と、正転用ベベルギヤ124に逆転用ベベルギヤ125を連結させる中間ベベルギヤ126を、正逆転切換ケース121に内設する。正転用ベベルギヤ124と逆転用ベベルギヤ125に中間ベベルギヤ126を常に歯合させる。一方、刈取入力軸89にスライダ127をスライド自在にスプライン係合軸支する。爪クラッチ形状の正転クラッチ128を介して正転用ベベルギヤ124にスライダ127を係脱可能に係合可能に構成すると共に、爪クラッチ形状の逆転クラッチ129を介して逆転用ベベルギヤ125にスライダ127を係脱可能に係合可能に構成している。
また、スライダ127を摺動操作する正逆転切換軸123を備え、正逆転切換軸123に正逆転切換アーム130を設け、正逆転切換アーム130を揺動させて、正逆転切換軸123を回動し、正転用ベベルギヤ124または逆転用ベベルギヤ125にスライダ127を接離させ、正転クラッチ128または逆転クラッチ129を介して正転用ベベルギヤ124または逆転用ベベルギヤ125にスライダ127を択一的に係止し、正逆転伝達軸122に刈取入力軸89を正転連結または逆転連結させるように構成している。
さらに、図4、図6、図7に示す如く、脱穀装置9の前方で、走行機体1上に左右の刈取り支柱211を立設している。左右の刈取り支柱211に左右の刈取り軸受体212を介して刈取入力軸89の両端部を回転自在に軸支している。刈取り支柱211に刈取り軸受体212をボルト締結する。左の刈取り支柱211に正逆転切換ケース121をボルト締結している。
左右の刈取り支柱211に刈取入力軸89を介してフィーダハウス11の後端部を回動可能に支持する。フィーダハウス11を介して、刈取入力軸89に刈取装置3全体を昇降動可能に支持する。なお、左右の刈取り支柱211の間に、ビータ軸82を介してビータ18を軸支している。
なお、前記スライダ127を切換える正逆転切換アーム130に、図示しない操作ロッドを介して正逆転切換操作具としての正逆転切換レバー(図示省略)を連結している。右の刈取り支柱211の右側面にレバー支持用のブラケット体を介して前記正逆転切換レバーを回動可能に支持する。右の刈取り支柱211と運転台5の間に前記正逆転切換レバーを配置する。操縦座席42に座乗したオペレータが左手で前記正逆転切換レバーを切換え操作可能に構成する。
上記の構成により、オペレータが前記正逆転切換レバーを操作して、正転用ベベルギヤ124に正転クラッチ128を介してスライダ127を係合させ、正逆転伝達軸122に刈取入力軸89を正転連結させた状態で、オペレータが脱穀クラッチ84を入り操作して脱穀装置9を作動させると共に、刈取クラッチ115を入り操作して刈取装置3を作動させ、圃場の穀稈を連続的に刈取りながら脱穀し、グレンタンク6に穀粒を収集する。
一方、前記収穫作業中、フィーダハウス11またはビータ18などに刈取穀稈が詰って停滞した場合、先ず、オペレータが前記正逆転切換レバーを操作して、逆転用ベベルギヤ125に逆転クラッチ129を介してスライダ127を係合させ、正逆転伝達軸122に刈取入力軸89を逆転連結させた状態で、脱穀クラッチ84と刈取クラッチ115を入り操作して、供給コンベヤ17(刈取装置3)を逆転作動させ、フィーダハウス11内などに詰った穀稈を穀物ヘッダー12側に逆戻り移動させ、フィーダハウス11内などに詰った穀稈を穀物ヘッダー12側から外部に取出すように構成している。
さらに、図5に示す如く、エンジン7の出力軸65にテンションプーリ状のオーガクラッチ56及びオーガ駆動ベルト57を介してオーガ駆動軸58の右側端部を連結する。オーガ駆動軸58の左側端部にベベルギヤ機構59を介してグレンタンク6底部の横送りオーガ60前端側を連結する。横送りオーガ60の後端側にベベルギヤ機構61を介して穀粒排出コンベヤ8の縦送りオーガ62を連結している。
また、前記オーガクラッチ56を入り切り操作する穀粒排出レバー55を備えている。グレンタンク6前面側と操縦座席42の間に穀粒排出レバー55を配置し、操縦座席42側からオペレータが穀粒排出レバー55を操作可能に構成している。
次に、図4〜図10を参照して、第2刈刃の取付け構造と駆動構造を説明する。図4、図6〜図10に示す如く、バリカン状の第1刈刃と略同一長さ形状に形成するバリカン状の第2刈刃133を備える。また、走行機体1に第2刈刃133を装着する昇降支持体として、左側フレーム134、右側フレーム135、中央フレーム136を備える。左側フレーム134、右側フレーム135、中央フレーム136は、四角形鋼管にて形成している。左側フレーム134、右側フレーム135、中央フレーム136の先端側に、第2刈刃台137を固着している。第2刈刃台137の両端部に左右の接地橇体138を設ける。第2刈刃台137のうち左右の接地橇体138の間に第2刈刃133を取付けている。
一方、走行機体1前部の左側部に左側支持フレーム体146を介して左側軸受体147を着脱可能に締結し、左側軸受体147に左側フレーム134の基端側を回動可能に支持すると共に、走行機体1の運転台フレーム1aのうち右側部に右側支持フレーム体148を介して右側軸受体139を着脱可能に締結し、右側軸受体139に右側フレーム135の基端側を回動可能に支持している。また、走行機体1前側の左右幅中央部に中央支持フレーム体140を着脱可能に締結し、走行機体1の前側部から前方に向けて支持フレーム体140を突設させる。支持フレーム体140の前端部に中央軸受体141を着脱可能に締結し、中央軸受体141に中央フレーム136の基端側を回動可能に支持している。なお、中央支持フレーム体140と中央フレーム136を走行機体1と第2刈刃台から着脱可能に支持している。
さらに、フィーダハウス11と左側フレーム134の間に第2刈刃高さ調整機構150(第2刈刃支持機構)を設けている。第2刈刃高さ調整機構150は、高さ調整下フレーム151と高さ調整上フレーム152を有している。フィーダハウス11の左側面に高さ調整上フレーム152を固着し、高さ調整上フレーム152の昇降ガイド溝154に高さ調整下フレーム151上端側の昇降ガイド軸155をスライド可能に連結している。左側フレーム134の上面側に下側軸体153を介して高さ調整下フレーム151の下端側を回動可能に連結している。フィーダハウス11に対して第2刈刃133が一定高さ(昇降ガイド溝154長さ)だけ昇降動可能に支持されている。即ち、フィーダハウス11左側面に昇降ガイド体としての第2刈刃高さ調整機構150を配置し、操縦座席42と反対側の左側フレーム134に下側軸体153(連動体)を介して第2刈刃高さ調整機構150を連結し、第2刈刃高さ調整機構150の規制範囲内で、刈取装置3に対して、第2刈刃133が独立して昇降動するように構成している。
図6〜図9、図17に示す如く、フィーダハウス11上面の左右側部に軸受ブラケット215とレバーガイド体216を固着すると共に、フィーダハウス11上面に横断状にレバー支軸217を延設する。軸受ブラケット215にレバー支軸217の左端側を回動可能に軸支すると共に、レバーガイド体216にレバー支軸217の右端側を回動可能に軸支する。レバー支軸217の右端部に前後軸218を介してフローティング切換レバー219の基端部を左右回動可能に軸支する。
また、高さ調整上フレーム152に筒状ホルダ221を固着し、筒状ホルダ221にロック軸222の先端側を摺動可能に貫通させると共に、レバー支軸217の左端部に折り曲げリンク223,224を介してロック軸222の基端側を連結する。レバー支軸217の左端部に挟みバネ225を巻装し、軸受ブラケット215と折り曲げリンク223に挟みバネ225の両端側を係止する。レバーガイド体216に前後に長いレバーガイド溝226を形成し、レバーガイド溝226の前後両端の一方にフローティング切換レバー219が挟みバネ225のバネ力にて係止維持可能に構成する。
上記の構成により、レバーガイド溝226の後端側にフローティング切換レバー219が挟みバネ225のバネ力にて係止維持された場合、ロック軸222の先端側が昇降ガイド溝154内に突入し、昇降ガイド溝154の上端側に昇降ガイド軸155をロック軸222にて係止できる。即ち、高さ調整上フレーム152と高さ調整下フレーム151を介してフィーダハウス11に第2刈刃133が連結され、刈取装置3と第2刈刃133が一体的に昇降動する。一方、レバーガイド溝226の前端側にフローティング切換レバー219が挟みバネ225のバネ力にて係止維持された場合、ロック軸222が昇降ガイド溝154から退出した状態になり、昇降ガイド軸155は昇降ガイド溝154内を自由に移動できる。即ち、刈取装置3と第2刈刃133が各別に昇降動し、刈取装置3は所定の刈高さに支持されて穀稈を刈取り、第2刈刃133は圃場面に沿うフローティング動作状態に支持されて残稈を刈取る。
図6〜図8、図10〜図15に示す如く、フローティング動作状態における第2刈刃133の支持荷重を軽減して接地橇体138の接地圧を所定以下に保つ左右のフローティング支持機構157を備える。左右のフローティング支持機構157は、ボルト状の摺動ロッド体158と、フローティングバネ164を有する。走行機体1の左右側部に左右の受け台159a,159bをそれぞれボルト締結すると共に左右の受け台159a,159bに受け筒体160を一体的にそれぞれ固着する。各受け筒体160に可動筒体161をスライド可能にそれぞれ内挿させる。各可動筒体161に前部バネ座体162を一体的にそれぞれ固着し、前部バネ座体162に摺動ロッド体158のボルト頭部158aを係止する。一方、受け台159a,159bの後面側に後部バネ座体163を介して摺動ロッド体158のネジ部158bを係止させる。後部バネ座体163は、フローティングバネ164力を調節するための2つのナット165にて、摺動ロッド体158のネジ部158bに係止される。
また、左側フレーム134の背面と右側フレーム135の背面に当接ブラケット166をそれぞれ固着し、当接ブラケット166にナット168を介して当接ボルト167を位置調節可能に締結する。左側フレーム134の背面と右側フレーム135の背面から後向きに当接ボルト167を突設させる。摺動ロッド体158と当接ボルト167を同一直線上に配置させている。フローティング動作状態に第2刈刃133が支持されているとき、摺動ロッド体158のボルト頭部158aに当接ボルト167の頭部が当接し、フローティングバネ164力にて左側フレーム134(右側フレーム135)が上昇方向に弾圧支持されるように構成している。
そして、左側フレーム134、右側フレーム135、中央フレーム136、第2刈刃133を含む第2刈刃機構156の支持荷重と、フローティングバネ164の持上げ弾性力が略一致するように、左側フレーム134(右側フレーム135)に対するフローティングバネ164の弾圧力を設定する。受け台159a,159bから前方に向けて左右の摺動ロッド体158の前端側を延設し、前後方向に延設した左側フレーム134(右側フレーム135)のうち中間背面側に後方側から左右の摺動ロッド体158を弾圧当接させ、圃場の表面に左右の接地橇体138を滑らせながら移動して、第1刈刃15が刈り残した株元側の稈を第2刈刃133にて切断し、圃場に残る切株の高さが均一になるように構成している。
即ち、走行機体1にフローティング支持機構157としての摺動ロッド体158を前後方向にスライド可能に設け、左側フレーム134(右側フレーム135)に摺動ロッド体158の前端側をフローティングバネ164力にて弾圧するもので、第2刈刃133をフローティングバネ164力にて支持させ、接地橇体138の接地圧を軽減している。一方、第2刈刃高さ調整機構150にてフィーダハウス11に第2刈刃133(第2刈刃機構)が連結された場合、例えば刈取装置3が路上走行位置(非作業位置)に高く持上げられた場合、摺動ロッド体158が最大突出位置に停止した状態で、摺動ロッド体158のボルト頭部158aから当接ボルト167の頭部が離間して、刈取装置3に追従して第2刈刃133が上昇する。
さらに、図4〜図9、図16に示す如く、前記正逆転切換ケース121から第2刈刃133に駆動力を伝達する第2刈刃駆動機構173を備えている。第2刈刃駆動機構173は、第2刈刃133に駆動力を伝達する正逆転伝達軸122に連結する偏心回転軸174と、偏心回転軸174に連結する第2刈刃駆動クランク機構175を有する。
第2刈刃駆動クランク機構175は、偏心回転軸174に設ける偏心回転体176と、偏心回転体176に揺動変換体177を介して連結する揺動回転軸178と、揺動回転軸178に連結する揺動駆動アーム179と、揺動駆動アーム179に第2刈刃133を連結する押し引きロッド180を有する。偏心回転軸174の一方向回転を、揺動回転軸178の揺動回転(一定範囲内で正逆転させる往復回転)に変換して、揺動駆動アーム179を揺動させ、押し引きロッド180を介して第2刈刃133を往復摺動させ、第2刈刃133によって圃場の穀稈を切断するように構成している。
なお、左側フレーム134の前端側に軸受支柱183を立設し、軸受184を介して軸受支柱183に揺動回転軸178の前端側を軸支している。また、第2刈刃駆動クランク機構175は、左側フレーム134に着脱可能に支持した第2刈刃駆動カバー(図示なし)内に配置している。
さらに、図4〜図9、図16に示す如く、第2刈刃駆動機構173は、偏心回転軸174に正逆転伝達軸122の回転力を伝達する第2刈刃駆動チェン191と、第2刈刃駆動チェン191を張設する刈刃駆動スプロケット192及び刈刃従動スプロケット193を有する。正逆転伝達軸122のうち刈取従動スプロケット118の外側に刈刃駆動スプロケット192を軸支すると共に、偏心回転軸174に刈刃従動スプロケット193を軸支し、各スプロケット192,193間に第2刈刃駆動チェン191を張設している。即ち、操縦座席42と反対のフィーダハウス11側面に刈取装置3用の逆転切換ケース121を配置し、逆転切換ケース121の刈取入力軸89上に正逆転伝達軸122を介して刈取従動スプロケット118と刈刃駆動スプロケット192を配置し、刈取従動スプロケット118の機外側に刈刃駆動スプロケット192を軸支している。
一方、正逆転切換ケース121が設置された左の刈取り支柱211の機外側面に丸パイプ状のカバー支持フレーム194の両端部を固着し、左の刈取り支柱211の機外側面に平行にカバー支持フレーム194の中間部を延設する。脱穀装置9の左側外面にカバー支持フレーム194を介して脱穀側面カバー(図示なし)を支持する。
加えて、前記第2刈刃駆動チェン191を緊張する常張り状のテンションローラ部材198を備える。刈取装置3の駆動径路(刈取駆動チェン116)の機外側にテンションローラ部材198を介して第2刈刃駆動チェン191を配置すると共に、テンションローラ部材198を機外側から操作して、第2刈刃駆動チェン191を着脱可能に構成している。即ち、刈取装置3の駆動径路(刈取駆動チェン116)の機外側に第2刈刃駆動機構173を配置し、前記第2刈刃駆動チェン191の駆動伝達力を断続するためのクラッチ操作(テンションローラ部材198の操作)を機外側から実行可能に構成している。
上記の構成により、刈取クラッチ115の入り操作によって刈取装置3を駆動することにより、第1刈刃15と共に第2刈刃133が作動し、第1刈刃15によって圃場の未刈り穀稈の穂先側を刈取り、その穀稈の穂先側をフィーダハウス11から脱穀装置9に搬入し、穀粒選別機構10からグレンタンク6に穀粒を取出す。一方、第1刈刃15によって圃場の穀稈が刈取られた跡に残る切株は、第2刈刃133にて適宜高さに切断され、収穫作業後に圃場に残る切株の高さが略一定高さに揃えられる。収穫作業後の圃場に残る切株の高さを低くすることにより、圃場の後処理作業(耕耘作業など)性を向上できる。
また、穀稈切断位置(作業姿勢)の第2刈刃133を収納位置(非作業姿勢)に移行させ、圃場の切株などに対して非作用状態に第2刈刃133を格納し、切株高さを揃える必要がない短稈刈取作業などを実行する場合などにおいて、テンションローラ部材198を緩めて、第2刈刃駆動チェン191を外すことにより、第2刈刃133を停止させた状態で、刈取装置3を駆動させて収穫作業を実行できる。
図1、図6〜図17に示す如く、第1刈刃15を設ける刈取装置3と、扱胴21を有する脱穀装置9と、エンジン7及び操縦座席42を設ける走行機体1と、第1刈刃15の残稈を切断する第2刈刃133を備え、左側フレーム134及び右側フレーム135を介して走行機体1に第2刈刃133を装着するコンバインにおいて、走行機体1に左右のフローティング支持機構157を設け、左右のフローティング支持機構157にて左側フレーム134及び右側フレーム135をそれぞれ弾圧するように構成している。したがって、第2刈刃133の左右端部の上昇力を均衡させやすく、第2刈刃133が左右に傾くのを容易に防止できると共に、左右走行クローラ2の機外側方に左右のフローティング支持機構157を配置でき、左右のフローティング支持機構157部に草藁または泥土などが堆積した場合、左右走行クローラ2の間に作業者が入り込む必要がなく、その草藁または泥土などを機外側から簡単に除去できる。即ち、第2刈刃133のフローティング機能を向上できるものでありながら、第2刈刃133機構部のメンテナンス作業性を向上できる。
図6〜図17に示す如く、左右のフローティング支持機構157は左右の摺動ロッド体158をそれぞれ備え、走行機体1に左右の摺動ロッド体158を前後方向にスライド可能に設け、左側フレーム134及び右側フレーム135に左右の摺動ロッド体158の前端側をバネ164力にて弾圧するように構成している。したがって、左右の摺動ロッド体158のスライドストロークを任意に長く形成でき、走行機体1の下面側に沿わせてフローティング支持機構157をコンパクトに配置できると共に、摺動ロッド体158の弾圧力を適正に設定でき、第2刈刃133のフローティング機能を向上できる。
図6〜図17に示す如く、刈取装置3のフィーダハウス11左側面に昇降ガイド体としての高さ調整上フレーム152を配置し、操縦座席42と反対側の前記左側フレーム134に連動体としての高さ調整下フレーム151を介して高さ調整上フレーム152を連結し、高さ調整上フレーム152に設けた昇降ガイド溝154と、高さ調整下フレーム151に設けた昇降ガイド軸155の規制範囲内で、刈取装置3に対して、第2刈刃133が独立して昇降動するように構成している。したがって、フィーダハウス11左側面に高さ調整上フレーム152をボルト締結して、高さ調整上フレーム152などの昇降案内機構を低コストに構成できる。高さ調整下フレーム151を短尺に形成して軽量化できる。また、フィーダハウス11左側に配置される第2刈刃133駆動部の着脱作業性または前記第2刈刃133のメンテナンス作業性などを向上できる。
図1、図6〜図17に示す如く、第1刈刃15を設ける刈取装置3と、扱胴21を有する脱穀装置9と、エンジン7及び操縦座席42を設ける走行機体1と、第1刈刃15の残稈を切断する第2刈刃133を備え、左側フレーム134及び右側フレーム135を介して走行機体1に第2刈刃133を装着するコンバインにおいて、刈取装置3の昇降動に連動させて第2刈刃133を昇降動させる第2刈刃支持機構としての第2刈刃高さ調整機構150と、刈取装置3の昇降動と前記第2刈刃133の昇降動の連動を継断操作するフローティング切換レバー219を備える構造であって、刈取装置3のフィーダハウス11の側部のうち、操縦座席42から離れた側部に第2刈刃高さ調整機構150を配置し、操縦座席42に近い側部にフローティング切換レバー219を配置している。したがって、フィーダハウス11の左側面部と右側上面部とに分けて、第2刈刃高さ調整機構150とフローティング切換レバー219とをそれぞれ組付けることができ、第2刈刃高さ調整機構150を嵩低く構成できるものでありながら、操縦座席42から離れたフィーダハウス11の左側方から第2刈刃高さ調整機構150を着脱でき、刈取装置3または第2刈刃133の組立分解作業性などを向上できる。
図6〜図17に示す如く、第2刈刃高さ調整機構150は昇降ガイド体としての高さ調整上フレーム152を備え、高さ調整上フレーム152に設けた昇降ガイド溝154と、高さ調整下フレーム151に設けた昇降ガイド軸155の規制範囲内で、刈取装置3に対して、第2刈刃133が独立して昇降動する構造であって、フィーダハウス11の側面のうち、操縦座席42と反対側のフィーダハウス11の左側面に、高さ調整上フレーム152を配置すると共に、操縦座席42と反対側の左側フレーム134に連動体としての高さ調整下フレーム151を介して高さ調整上フレーム152を連結している。したがって、フィーダハウス11左側面に高さ調整上フレーム152をボルト締結などにて簡単に組付けることができ、第2刈刃高さ調整機構150などを低コストに構成できる。フィーダハウス11の上下幅内に設置可能に高さ調整上フレーム152をコンパクトに形成して軽量化できる。
図6〜図17に示す如く、フィーダハウス11上面のうち操縦座席42から離れた左側上面に軸受ブラケット215を固着し、操縦座席42に近い右側上面にレバーガイド体216を固着すると共に、フィーダハウス11上面にレバー支軸217を横断状に延設させ、軸受ブラケット215にレバー支軸217の左端側を回動可能に軸支する一方、レバーガイド体216にレバー支軸217の右端側を回動可能に軸支し、レバー支軸217の右端部にフローティング切換レバー219の基端部を左右回動可能に軸支している。したがって、フィーダハウス11上面のスペースを有効活用して軸受ブラケット215またはレバーガイド体216を簡単に配置できるものでありながら、横断状のレバー支軸217を補強部材として活用して、フィーダハウス11の上面側強度などを容易に向上できる。