JP6206406B2 - ガラス基板の切断方法及びガラス基板の製造方法 - Google Patents

ガラス基板の切断方法及びガラス基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス基板の切断方法及びガラス基板の製造方法に関する。
ガラス基板の切断方法としてレーザ光を用いた切断方法が検討されてきた。
例えば特許文献1には、レーザ光を照射することにより所定の深さの切り欠き凹部を形成した直後に、圧縮ガス等により強制冷却するガラス基板の切断方法が提案されている。
また、特許文献2には、ガラス基板にレーザ光を走査しつつ照射し、レーザ光の照射部分についてガラスを溶融させ、溶融したガラスをアシストガスにより吹き飛ばすガラス基板の切断方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1にて提案されたガラス基板の切断方法によれば、その切断面にはレーザ光を照射することにより形成した切り欠き凹部に対応する部分と、その後強制冷却を行った際に切り欠き凹部の下部に形成された部分とが含まれ、両者の表面特性は異なっている。
このように切断面中に切断方法に起因する表面特性の異なる部分がある場合、製品とするためには切断面を研磨して、表面特性が均一な切断面とする必要があった。このため、切断面についての研磨工程に時間を要していた。
また、レーザ光を照射した直後にガラス基板に対して圧縮ガス(アシストガス)を吹き付ける必要があるため、ガラス基板の位置が変位し易く切断精度が低下する場合があった。
特許文献2にて提案されたガラス基板の切断方法によれば、アシストガスの圧力によりガラス基板の位置が変位し、切断する際の精度が低くなる場合があるという問題があった。また、レーザ光のエネルギー密度によっては、局所的なガラスの熱変形量が大きくなりガラス基板に亀裂を生じる場合があった。さらに、アシストガスにより除去された溶融したガラスが、切断面やその周辺に付着、凝固するため、これを除去するために研磨工程に時間を要していた。
特開2004−059328号公報 特開昭60−251138号公報
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、上記ガラス基板にアシストガスを吹き付ける従来のガラス基板の切断方法と比較してガラス基板を精度良く切断加工することができるガラス基板の切断方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明は、レーザ光を照射してガラス基板のレーザ光を照射した部分を気化させて切断するガラス基板の切断方法であって、前記ガラス基板の一方の表面に前記レーザ光を照射したレーザ光の照射領域において、前記ガラス基板の一方の表面から他方の表面までのレーザ光照射部が気化する温度以上に加熱し、前記レーザ光の照射領域を前記ガラス基板の切断予定線に沿って、前記ガラス基板に対して相対的に移動させ、前記レーザ光の照射領域のガラス基板に対する相対速度が、レーザ光照射後のレーザ光照射部の周辺部から糸状の析出物が析出するように定められるガラス基板の切断方法を提供する。

本発明のガラス基板の切断方法によれば、従来のアシストガスを使用したガラス基板の切断方法と比較してガラス基板を精度良く切断加工することができる。
本発明の実施形態に係るガラス基板の切断方法の説明図である。 本発明の実施形態に係るガラス基板の切断方法における加熱工程の説明図である。 本発明の実施形態に係るガラス基板の切断方法における冷却工程の説明図である。 本発明の実験例1のガラス基板の搬送速度およびレーザ光のエネルギー密度と、切断面の評価との関係の説明図である。 本発明の実験例2のガラス基板の搬送速度およびレーザ光のエネルギー密度と、切断面の評価との関係の説明図である。 本発明の実験例3のガラス基板の搬送速度およびレーザ光のエネルギー密度と、切断面の評価との関係の説明図である。 本発明の実験例4のガラス基板の搬送速度およびレーザ光のエネルギー密度と、切断面の評価との関係の説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
本実施の形態では、本発明のガラス基板の切断方法について説明を行う。
本発明のガラス基板の切断方法は、レーザ光を照射してガラス基板を切断するガラス基板の切断方法であって、以下の構成を有している。
ガラス基板の一方の表面にレーザ光を照射したレーザ光の照射領域において、前記ガラス基板の一方の表面から他方の表面までのレーザ光照射部が気化する温度以上に加熱する。
そして、前記レーザ光の照射領域を前記ガラス基板の切断予定線に沿って、前記ガラス基板に対して相対的に移動させることを特徴とするガラス基板の切断方法である。
図1〜図3を用いて具体的に説明する。
図1は、本発明のガラス基板切断方法によりガラス基板を切断しているところを、レーザ光を照射する側(一方の表面側)のガラス基板上面から見た構成を模式的に示している。
ガラス基板11は図1中矢印Aで示す方向に搬送されており、図示しないレーザ発振装置から発振されたレーザ光12が照射されている部分(レーザ光の照射領域)が、ガラス基板上の切断予定線13に沿って移動できるようになっている。
図1中、レーザ光12が照射されている部分(レーザ光の照射領域)ではガラス基板が一方の表面から他方の表面までのレーザ光照射部が加熱されている(加熱工程)。そして、レーザ光が既に照射された領域14は、ガラス基板11が搬送されることにより、レーザ光の照射領域から離れ、レーザ光照射後のレーザ光照射部(レーザ光が照射されてガラスが気化した部分)15の周辺部が冷却されることとなる(冷却工程)。
なお、図1ではガラス基板11を搬送することにより、ガラス基板11上のレーザ光12が照射されている部分(レーザ光の照射領域)を変位させる構成としているが、レーザ光12を切断予定線に沿って照射できれば良く、係る形態に限定されるものではない。例えば、ガラス基板11を固定し、レーザ発振装置とガラス基板との間のレーザ光の光路上の光学系を調整、操作することにより、レーザ光12が照射されている部分(レーザ光の照射領域)の位置を変位することもできる。ガラス基板11を搬送し、かつ、レーザ光12が照射されている部分の位置も変位するように構成することもできる。
なお、説明の便宜上、ガラス基板の切断予定線13を図中に示しているが、ガラス基板上に係る線が設けられている訳ではない。また、切断予定線は直線に限定されるものではなく、要求される切断後のガラス基板の形状に応じて曲線等の任意の線とすることができる。
本発明のガラス基板の切断方法を適用できるガラス基板の組成は特に限定されるものではなく、各種ガラス基板に適用することができる。例えば、無アルカリホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、高シリカガラス、その他の酸化ケイ素を主な成分とする酸化物系ガラスなどが挙げられる。
また、ガラス基板の厚さについても特に限定されるものではない。
ただし、上記したガラス基板にレーザ光を照射し加熱する際、レーザ光の照射領域において、ガラス基板の一方の表面側から他方の表面までのレーザ光照射部について、すなわち、その板厚方向全体に渡って、ガラスが気化する温度以上に加熱することになる。このため、レーザ発振装置の出力等に応じてガラス基板の板厚を選択することが好ましい。例えば、ガラス基板の板厚は3.0mm以下であることが好ましく、1.0mm以下であることがより好ましく、0.5mm以下であることがさらに好ましく、0.2mm以下であること特に好ましい。ガラス基板の下限値については、ゼロ(0)より大きい値であれば特に限定されるものではない。
また、図1に示したガラス基板の形状は矩形であるが、ガラス基板の形状も特に限定されるものではない。例えば、フロート法やダウンドロー法などのガラス基板成形装置によって成形された帯状のガラス基板であってもよい。
次に、レーザ光の照射領域(ガラス基板にレーザ光が照射されている部分)で行われる加熱工程について説明する。図2は、図1におけるレーザ光の照射領域を含むB−B´線での断面図を模式的に示したものである。
本発明のガラス基板の切断方法においては、上記の様にレーザ光12をガラス基板に照射することにより、レーザ光の照射領域において加熱工程が行われる。
ガラス基板のレーザ光の照射領域について、ガラス基板の一方の表面からガラス基板の他方の表面までのレーザ光照射部21が、ガラスが気化する温度以上に加熱される。ここで、ガラス基板の一方の表面とはレーザ光が入射する側の面、他方の表面とはその対向面を意味している。このため、レーザ光照射部21については、ガラスが気化されて短時間でレーザ光の照射方向(ガラス基板の厚さ方向)に沿って貫通孔が形成される。
そして、レーザ光照射部21の周辺部22についてもレーザ光照射部からの伝熱により加熱されることとなる。
このように、加熱工程やその直後において、すなわち、レーザ光照射時(ガラス気化時)や、レーザ光照射直後において、前記レーザ光照射部にアシストガスを吹き付けずに(アシストガスを使用することなく)、短時間でレーザ光照射部についてガラスを気化することができる。このため、ガラス基板の位置ずれ等を生じることがなく精度良く加工することができ、ガラス基板への亀裂の発生を抑制できる。
加熱工程におけるレーザ光の照射条件としては限定されるものではなく、ガラス基板のレーザ光照射領域において、ガラス基板の一方の表面(レーザ光が入射する側の面)側から他方の表面側までのレーザ光照射部がガラスの気化温度以上に加熱できるように選択すればよい。
具体的には、例えば、被切断物であるガラス基板の厚さ、ガラス組成、ガラス基板の搬送速度(レーザ光の照射領域のガラス基板に対する相対移動速度)等から、レーザ光照射部について上記のように加熱できるようにレーザ光のエネルギー密度等を選択すればよい。例えば予め予備試験を行うことにより算出することができる。
特に、レーザ光の照射領域のガラス基板に対する相対移動速度をv(m/時間)、前記レーザ光のエネルギー密度をE(W/mm)、ガラス基板の板厚をt(mm)とした場合に、
E≧50×t×v
の関係を満たすように照射するレーザ光のエネルギー密度を調整することが好ましい。
係る規定を充足する状態で加熱工程を含むガラス基板の切断を行うことにより、レーザ光の照射領域において、ガラス基板の一方の表面からガラス基板の他方の表面までのレーザ光照射部をガラスが気化する温度以上に確実に加熱することができる。
ガラス基板に照射するレーザ光のスポット径(ガラス基板の一方の表面におけるレーザ光のビーム径)についても限定されるものではなく、要求される加工精度等により選択することができる。
なお、用いるレーザの種類については特に限定されるものではなく、ガラス基板に発振したレーザ光を照射することにより、該照射した部分についてガラス基板を加熱できるものであればよい。具体的には例えばCOレーザ、エキシマレーザ、銅蒸着レーザ、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザ等を用いることができる。
加熱工程においては、上記のようにガラス基板にレーザ光を照射することによって、レーザ光照射部についてガラスを気化させる。このため、レーザ光照射部及びその周辺には気化したガラス成分(気体)が発生することになる。係る成分が、レーザ光の光路上に配置されたレーザ発振装置のレンズやミラー等の光学系の表面に析出、付着すると、ガラス基板に対して十分なエネルギーのレーザ光を照射できなくなる場合や、所望の場所にレーザ光を照射できなくなる場合等があり、ガラス基板の加工精度等に影響を与える恐れがある。このため、ガラス基板にレーザ光を照射することにより、気化したガラス成分を除去することが好ましい。すなわち、加熱工程において、気化した前記レーザ光照射部のガラス成分を除去することが好ましい。気化したガラス成分を除去する手段については、特に限定されるものではなく、気化したガラス成分を吸引する機構や、ガスにより気化したガラス成分を吹き飛ばす機構等を用いることができる。その配置についても用いる手段に応じて選択すればよく、加熱工程を阻害せず、気化したガラス成分がレーザ光の光路上に配置されたレンズ、ミラー等に付着する前に除去できるように配置すればよい。例えば、図2において、23で示したように、レーザ光が照射されている部分の近傍に配置することが考えられる。
なお、ガスにより気化したガラス成分を吹き飛ばす機構を用いる場合、用いるガスの種類は特に限定されるものではないが、ガラス基板がレーザ光により加熱されている部分の周辺で用いることから、不燃性ガスを用いることが好ましい。具体的には例えば窒素、アルゴン等の不活性ガスや、空気等を使用することができる。また、この場合、ガラス基板の位置の変位を防止するため、ガラス基板に対してガスがあたらないように供給することが好ましい。
次に、冷却工程について説明する。
冷却工程は、レーザ光が照射された後、ガラス基板および/またはレーザ光の照射領域が移動することにより、レーザ光照射後のレーザ光照射部(既にレーザ光が照射された部分)が、レーザ光の照射領域から遠ざかり、レーザ光照射部の周辺部が冷却されるものである。
冷却工程においては、図2に示すように、レーザ光照射部(加熱工程でレーザ光が照射され気化した部分)21の周辺部22が冷却される。冷却される際、該周辺部22の少なくとも一部が図3に示すように、略糸状の析出物31としてガラス基板表面(ガラス基板の一方の表面および/または他方の表面)に析出する場合がある。これは、ガラスは熱伝導率が低いため、加熱工程後、冷却工程において該周辺部22内に温度勾配が生じるため、該周辺部22内で発生した応力によりガラス基板上に周辺部22の少なくとも一部が排除され析出するものと推認される。なお、図中では析出物31がガラス基板の上面(一方の表面)に析出しているが、下面(他方の表面)側に析出する場合もある。このように、レーザ光照射部の周辺部22の少なくとも一部がレーザ光を照射した切断面から排除されるため、最終的に均一な切断面を得ることが可能になる。
冷却工程において前記析出物を生じさせ、均一な切断面を得るためにはレーザ光照射部の周辺部が適切な冷却速度で冷却されることが好ましい。該冷却速度はレーザ光の照射領域のガラス基板に対する相対移動速度により変化させることができる。このため、予備実験等を行い冷却工程において上記析出物が生じるように、レーザ光の照射領域のガラス基板に対する相対移動速度を選択することが好ましい。
冷却工程で生じる析出物31は、冷却の妨げとなる場合もあることから、レーザ光照射部の周辺部に発生した析出物を除去することが好ましい。該析出物を除去する手段としては特に限定されるものではなく、例えば、ガスにより吹き飛ばす、吸引除去する、ブラシや邪魔板等により除去する等の方法により簡単に除去することができる。
なお、ガスで析出物を吹き飛ばす場合には、ガラス基板に振動等を与え、ガラス基板の切断精度に影響を与えないよう低圧のガスを用いることが好ましい。
冷却工程は、上記のようにレーザ光照射後のレーザ光照射部の周辺部22を冷却するものであり、その冷却温度については限定されるものではない。例えば、レーザ光照射部の周辺部は、レーザ光照射部の加熱後、ガラス転移温度以下にまで冷却することが好ましい。
この際、加熱工程後、周辺雰囲気の温度により冷却する場合には、周辺温度は少なくともガラス転移温度以下であることが好ましく、100℃以下であることが好ましく、40℃以下であることが特に好ましい。なお、ここでいう周辺温度とは少なくとも冷却工程を行っている部分の周辺の温度であるが、切断を行っているガラス基板全体を含む周辺の温度であることが好ましい。
以上に本発明のガラス基板の切断方法について説明してきたが、係るガラス基板の切断方法においては、アシストガスをガラス基板に吹き付けるものではないため、ガラス基板の位置の変位を抑制し、ガラス基板を精度良く切断加工することができる。また、切断時にガラス基板への亀裂の発生を抑制し、表面特性の均一な切断面とすることができる。
ここまで説明してきたガラス基板の切断方法をガラス基板の製造工程に適用し、該ガラス基板の切断方法を用いたガラス基板の製造方法とすることができる。
係るガラス基板の製造方法においては、ガラス基板を精度良く切断加工することができ、切断時にガラス基板への亀裂の発生を抑制し、均一な切断面とすることができるため、ガラス基板の製造歩留まりの向上や、研磨工程における切断面の研磨時間の短縮又は研磨工程省略の効果が得られる。
以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実験例1]
本実験例では、レーザ光のエネルギー密度、レーザ光の照射領域のガラス基板に対する相対移動速度を変化させてガラス基板を切断し、切断後のガラス基板の切断面について評価を行った。
ガラス基板の切断に当たっては、図1に示した構成により、縦100mm、横100mm、板厚0.1mmの無アルカリホウケイ酸ガラスからなるガラス基板(旭硝子株式会社製 商品名:AN100)について、所定の搬送速度でガラス基板を搬送しながら、切断予定線に沿ってCOレーザを用いたレーザ光をスポット径が約0.3mmであり、所定のエネルギー密度になるように照射して行った。切断を行う際ガラス基板の周辺温度(環境温度)は、室温(25℃)であった。
切断を行った後のガラス基板について、切断ができていなかったものについてはCとして、切断はできたものの、レーザを照射した部分において析出物が観察されず、切断面を目視で確認したところ均一になっていない、またはガラス基板に亀裂が生じたものについてはBとして評価した。ガラス基板を切断でき、目視で均一な切断面であると確認できたものについてはAとして評価を行った。結果を表1及び図4に示す。図4は表1の結果の一部をグラフ化したものである。
Figure 0006206406
図4に示したグラフにおいて、直線Xは、レーザ光の照射領域のガラス基板に対する相対移動速度(ここではガラス基板の搬送速度)をv(m/時間)、前記レーザ光のエネルギー密度をE(W/mm)、ガラス基板の板厚をt(mm)とした場合に、E=50×t×vとなる直線である。
そして、直線Yは冷却工程において析出物を生じた、レーザ光の照射領域のガラス基板に対する相対移動速度(ここではガラス基板の搬送速度)の最小値を示しており、この場合144(m/時間)であった。
図4によれば、直線Xと直線Yで囲まれる範囲にA評価が分布しており、直線Xよりもエネルギー密度が小さい場合はC評価、直線Yよりも搬送速度が遅い場合にはB評価となっている。
これは、まず、各レーザ光の照射領域のガラス基板に対する相対移動速度(ガラス基板の搬送速度)において、直線X以上のエネルギー密度のレーザ光を照射した場合、レーザ光の照射領域における、ガラス基板の一方の表面から他方の表面までのレーザ光照射部についてガラスが気化する温度以上に確実に加熱することができているためであると考えられる。
そしてさらに、直線Y以上の搬送速度とすることにより、レーザ光照射後のレーザ光照射部の周辺部を十分に冷却し、析出物として切断面部分から排除できるため、表面特性が均一な切断面とすることができるためと考えられる。
すなわち、C評価となったガラス基板では、レーザ光の照射領域のガラス基板に対する相対移動速度(ガラス基板の搬送速度)に対して十分なレーザ光のエネルギーが付与できておらず、レーザ光の照射領域について、ガラス基板の他方の表面までガラスが気化する温度以上に加熱することができていなかった(ガラス基板の板厚方向全ての範囲について十分に昇温できていなかった)と考えられる。このため、ガラス基板を切断できなかったと推認される。
また、B評価となったガラス基板は、レーザ光の照射領域のガラス基板に対する相対移動速度(ガラス基板の搬送速度)に対して十分なエネルギー密度のレーザ光を照射できているため、ガラス基板の切断が行えている。
しかし、レーザ光の照射領域のガラス基板に対する相対移動速度(ガラス基板の搬送速度)が十分ではなく、レーザ光照射後のレーザ光照射部の周辺部の冷却速度が遅くなり、該周辺部が析出物として排除されずに残り、切断面が均一にならなかったためと推認される。もしくは、レーザ光照射後のレーザ光照射部の周辺部の温度が、ガラス基板が搬送されることにより冷却される際、所望の冷却速度ではないため、切断面およびその周辺に亀裂が生じたものと推認される。
これに対して、A評価のガラス基板はレーザ光の照射領域のガラス基板に対する相対移動速度(ガラス基板の搬送速度)にあわせてレーザ光のエネルギー密度を適切に選択できていると考えられる。このため、レーザ光の照射領域についてガラス基板の一方の表面から他方の表面まで、ガラスが気化する温度以上に加熱されていると考えられる。さらに、ガラス基板の搬送速度が適切であるため、レーザ光照射後のレーザ光照射部の周辺部が適切な冷却速度で冷却され、該レーザ光照射後のレーザ光照射部の周辺部が析出物として排除され、均一な切断面が得られたものと考えられる。
[実験例2]
本実験例では、切断を行うガラス基板の板厚を0.2mmとした以外は、実験例1と同様にして、レーザ光のエネルギー密度、レーザ光の照射領域のガラス基板に対する相対移動速度を変化させてガラス基板を切断し、切断後のガラス基板の切断面について評価を行った。
結果を表2、図5に示す。図5は表2の結果をグラフ化したものである。
Figure 0006206406
図5に示したグラフにおいても、直線Xは上述のE=50×t×v(t=0.2mm)となる直線である。
また、直線Yは冷却工程において析出物を生じた、レーザ光の照射領域のガラス基板に対する相対移動速度(ここではガラス基板の搬送速度)の最小値を示しており、この場合144(m/時間)であった。
これによると、直線Xと直線Yで囲まれる範囲にA評価が分布していることが確認できた。
[実験例3]
本実験例では、切断を行うガラス基板の板厚を0.3mmとした以外は、実験例1と同様にして、レーザ光のエネルギー密度、レーザ光の照射領域のガラス基板に対する相対移動速度を変化させてガラス基板を切断し、切断後のガラス基板の切断面について評価を行った。
結果を表3、図6に示す。図6は表3の結果をグラフ化したものである。
Figure 0006206406
図6に示したグラフにおいても、直線Xは上述のE=50×t×v(t=0.3mm)となる直線である。
また、直線Yは冷却工程において析出物を生じた、レーザ光の照射領域のガラス基板に対する相対移動速度(ここではガラス基板の搬送速度)の最小値を示しており、この場合144(m/時間)であった。
本実験例ではガラス基板の搬送速度を変化させず、照射するレーザ光のエネルギー密度を変化させてガラス基板の切断を行っている。これによるとレーザ光のエネルギー密度を増加させて直線Xよりも大きなエネルギー密度とした場合に、レーザ光の照射領域について、ガラス基板の一方の表面から他方の表面までレーザ光照射部についてガラスが気化する温度以上に加熱することができ、A評価となることが確認できた。
[実験例4]
本実験例では、切断を行うガラス基板の板厚を0.6mmとした以外は、実験例1と同様にして、レーザ光のエネルギー密度、レーザ光の照射領域のガラス基板に対する相対移動速度を変化させてガラス基板を切断し、切断後のガラス基板の切断面について評価を行った。
結果を表4、図7に示す。図7は表4の結果をグラフ化したものである。
Figure 0006206406
図7に示したグラフにおいても、直線Xは上述のE=50×t×v(t=0.6mm)となる直線である。
また、直線Yは冷却工程において析出物を生じた、レーザ光の照射領域のガラス基板に対する相対移動速度(ここではガラス基板の搬送速度)の最小値を示しており、この場合144(m/時間)であった。
本実験例においては、直線Xよりも照射するレーザ光のエネルギー密度が低かった。このため、レーザ光の照射領域の、ガラス基板に対する相対移動速度(ガラス基板の搬送速度)に対して十分なレーザ光のエネルギーが付与できず、レーザ光の照射領域について、ガラス基板の他方の表面までガラス基板が気化する温度以上に加熱できなかったと考えられる。従って、ガラス基板を切断できずC評価となったと考えられる。
本発明は、各種ガラス基板の切断方法及び各種ガラス基板の製造方法等に利用できる。
本出願は、2012年6月28日に日本国特許庁に出願された特願2012−145991及び2013年1月15日に日本国特許庁に出願された特願2013−004667に基づくものであり、これらの出願を優先権主張するものであり、これらの出願の全ての内容を参照することにより包含するものである。
11 ガラス基板
12 レーザ光
21 レーザ光照射部
22 レーザ光照射部の周辺部
31 析出物

Claims (7)

  1. レーザ光を照射してガラス基板のレーザ光を照射した部分を気化させて切断するガラス基板の切断方法であって、
    前記ガラス基板の一方の表面に前記レーザ光を照射したレーザ光の照射領域において、前記ガラス基板の一方の表面から他方の表面までのレーザ光照射部が気化する温度以上に加熱し、
    前記レーザ光の照射領域を前記ガラス基板の切断予定線に沿って、前記ガラス基板に対して相対的に移動させ
    前記レーザ光の照射領域の前記ガラス基板に対する相対速度が、レーザ光照射後のレーザ光照射部の周辺部から糸状の析出物が析出するように定められるガラス基板の切断方法。
  2. 前記レーザ光照射部の周辺部は、前記レーザ光照射部の加熱後、ガラス転移温度以下までに冷却される請求項1に記載のガラス基板の切断方法。
  3. 前記レーザ光の照射領域のガラス基板に対する相対移動速度をv(m/時間)、前記レーザ光のエネルギー密度をE(W/mm)、ガラス基板の板厚をt(mm)とした場合に、
    E≧50×t×v
    の関係を満たす請求項1または2記載のガラス基板の切断方法。
  4. 気化した前記レーザ光照射部のガラス成分を除去する請求項1乃至3いずれか一項に記載のガラス基板の切断方法。
  5. 前記レーザ光照射部の周辺部に発生した析出物を除去する請求項1乃至4いずれか一項に記載のガラス基板の切断方法。
  6. 前記ガラス基板の板厚は、3.0mm以下である請求項1乃至5いずれか一項に記載のガラス基板の切断方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のガラス基板の切断方法を用いたガラス基板の製造方法。
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