JP6205834B2 - 樹脂多層基板 - Google Patents

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本発明は、樹脂多層基板に関するものである。
樹脂多層基板に関し、従来、熱可塑性樹脂と金属配線パターンとで多層基板が形成され、多層基板の内部にビア導体が直列に形成されている構成が開示されている(たとえば、特開2005−136347号公報(特許文献1)参照)。また、配線パターンを形成する金属箔に粗化処理して凹凸部を形成し、有底ビアホールに導電性粒子を充填し一括積層して多層配線板を製造する技術が開示されている(たとえば、特開2005−129727号公報(特許文献2)参照)。また、絶縁性フィルムを厚み方向に貫通する孔部に、熱可塑性樹脂からなるバインダと導電物質とを混合した導電性ペーストを充填して、導体パターンの各層の間を層間接続し、導電性ペーストは絶縁性フィルムよりもガラス転移点が高く融着時の温度における弾性率が低い構成が開示されている(たとえば、特開2004−273575号公報(特許文献3)参照)。
特開2005−136347号公報 特開2005−129727号公報 特開2004−273575号公報
一般的に、樹脂多層基板は、樹脂シートを積層することによって作製される。樹脂多層基板の内部には、樹脂シートの表面に張られた導体箔を利用して形成された導体パターンと、各樹脂層を厚み方向に貫通するように電気的接続の役割を担うビア導体とが配置されている。樹脂多層基板の内部には、通常、導体パターンとビア導体との間で電気的接続を実現するために両者が接続されている箇所が存在する。
たとえば熱可塑性ポリイミドや液晶ポリマーなどの可撓性を有する熱可塑性樹脂多層基板においては、基板の一部を任意の角度に曲げた状態が維持される場合や、たとえば任意の位置関係にある2以上の部材に接続するために基板を曲げる動作が行なわれる場合がある。樹脂多層基板を曲げる場合、上記のような接続箇所に曲げ応力がかかる、またはかかっている状態となると、導体パターンとビア導体との接続箇所の接続性能が劣化するおそれがある。
そこで、本発明は、導体パターンとビア導体との間の接合部分の接合の信頼性を向上できる樹脂多層基板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に基づく樹脂多層基板は、主表面を有し熱可塑性樹脂からなる樹脂層が複数積層されて形成された樹脂多層基板であって、ビア導体と、導体パターンと、硬質部材とを備えている。ビア導体は、樹脂層のうちの一層を厚み方向に貫通している。導体パターンは、ビア導体の形成された樹脂層の主表面上に形成されており、ビア導体に接続されている。硬質部材は、樹脂層よりも相対的に硬度の大きい部材であって、樹脂多層基板に内蔵されている。ビア導体は、複数の樹脂層の積層方向に見て、硬質部材の外縁の近傍に配置されている。導体パターンは、積層方向に見て、硬質部材から離れる側に面積が拡大した拡大部を有している。
本発明によれば、導体パターンとビア導体との間の接合部分の接合の信頼性を向上することができる。
本発明に基づく実施の形態1における樹脂多層基板の断面図である。 図1中に示すII−II線に沿う樹脂多層基板の断面図である。 実施の形態1の樹脂多層基板の第1の変形例の断面図である。 実施の形態1の樹脂多層基板の第2の変形例の断面図である。 実施の形態1の樹脂多層基板の第3の変形例の断面図である。 実施の形態1の樹脂多層基板の第4の変形例の断面図である。 実施の形態1の樹脂多層基板の第5の変形例の断面図である。 実施の形態1の樹脂多層基板の第6の変形例の断面図である。 実施の形態1の樹脂多層基板の第7の変形例の断面図である。 実施の形態1の樹脂多層基板の第8の変形例の断面図である。 実施の形態1の樹脂多層基板の第9の変形例の断面図である。 実施の形態1の樹脂多層基板の第10の変形例の断面図である。 実施の形態1の樹脂多層基板の第11の変形例の断面図である。 実施の形態1の樹脂多層基板の第12の変形例の断面図である。 ビア導体と硬質部材との相対的な位置関係を示す第1の図である。 ビア導体と硬質部材との相対的な位置関係を示す第2の図である。 本発明に基づく実施の形態1における樹脂多層基板の製造方法の第1の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1における樹脂多層基板の製造方法の第2の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1における樹脂多層基板の製造方法の第3の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1における樹脂多層基板の製造方法の第4の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1における樹脂多層基板の製造方法の第5の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態1における樹脂多層基板の製造方法の第6の工程の説明図である。 本発明に基づく実施の形態2における樹脂多層基板の断面図である。 図23中に示すXXIV−XXIV線に沿う樹脂多層基板の断面図である。 実施の形態2の樹脂多層基板の変形例の断面図である。 本発明に基づく実施の形態3における樹脂多層基板の断面図である。 本発明に基づく実施の形態4における樹脂多層基板の断面図である。
(実施の形態1)
(構成)
図1および図2を参照して、本発明に基づく実施の形態1における樹脂多層基板101について説明する。本実施の形態における樹脂多層基板101は、複数の樹脂層2が積層されて一体化された積層体1を備えている。樹脂多層基板101は、樹脂層2が複数積層されて形成されている。複数の樹脂層2は、各樹脂層2の厚み方向に順に積層されており、各樹脂層2の厚み方向と樹脂多層基板101の厚み方向とはいずれも図1に示す断面図中の上下方向である。樹脂層2は、熱可塑性ポリイミドや液晶ポリマーなどの熱可塑性の樹脂材料により形成されている。樹脂多層基板101は、一方の主表面である第1主表面3と、第1主表面3に対し反対側の他方の主表面である第2主表面4を有している。各々の樹脂層2は、主表面2aを有している。
樹脂多層基板101は、複数の導体パターン7と複数のビア導体6とを、その内部に備えている。導体パターン7は、複数の樹脂層2の間の界面に配置されている。ビア導体6は、樹脂層2のうちの少なくとも一層を厚み方向に貫通して、樹脂層2の厚み方向に延在して導体パターン7に接続されている。
導体パターン7は、樹脂層2の厚み方向と直交する面方向に延在しており、樹脂層2の主表面に配置されている。樹脂層2を厚み方向に貫通して形成されているビア導体6が、樹脂層2間の異なる界面に形成されている導体パターン7を電気的に接続しており、これにより樹脂多層基板101の内部に導電性の配線パターンが形成されている。図1に示すように、直列に接続された2つのビア導体6と、当該2つのビア導体6が貫通している樹脂層2の両方の主表面2aに接するように配置された導体パターン7とは、樹脂多層基板101に内蔵されている硬質部材8を構成している。硬質部材8は、樹脂層2の形成材料よりも相対的に大きい硬度を有している。
複数のビア導体6のうちの一部は、ビア導体6aを構成している。ビア導体6aは、複数の樹脂層2の積層方向(図1中の上下方向)に見て、硬質部材8の外縁8dの近傍に配置されている。複数の導体パターン7のうちの一部は、ビア導体6aの形成された樹脂層2の主表面2a上に形成された、導体パターン7aを構成している。導体パターン7aは、樹脂層2の面方向に延びて配置されている。導体パターン7aは、ビア導体6aに接続されている。導体パターン7aは、ビア導体6aが貫通している樹脂層2の両側の主表面2aに配置されている。
導体パターン7aは、樹脂層2の積層方向に見て、硬質部材8から離れる側に面積が拡大した拡大部9を有している。本実施の形態では、ビア導体6aの形成された樹脂層2の両側の主表面2aに導体パターン7aが配置されていることにより、拡大部9もまた、ビア導体6aの形成された樹脂層2の両側の主表面2aに形成されている。
ビア導体6aは、円錐台形状の外形を有している。図2に示す断面において、ビア導体6aの断面を示す円の周囲を取り囲むように、円環状の導体パターン7aが設けられている。拡大部9は、円環状の導体パターン7aのうち、硬質部材8から離れる側の一部が外径を拡大することにより、導体パターン7aの面積が拡大するように設けられている。拡大部9は、角度180°の扇形の中心の一部を円弧に沿って切り欠いた形状に形成されている。
拡大部9は、図2に示す形状に限られず、種々の形状を有していてもよい。たとえば、図3に示すように多角形と円の一部形状とを組み合わせた形状であってもよく、図4に示すように円の一部形状であってもよく、図5に示す四角形などの任意の多角形の一部形状であってもよい。図6に示すように、図2に示す略扇形形状が複数のギャップ部9gによってビア導体6aまわりの周方向に分断された形状の拡大部9としてもよい。図7に示すように、ビア導体6aの周囲を取り囲む円環形状の導体の外周側にギャップ部9gを介在させて幅広円弧形状の導体が設けられ、当該円環形状と幅広円弧形状とがビア導体6aを中心とする径方向に延びる複数のブリッジ部9bによって接続された形状の拡大部9としてもよい。
図8に示すように、ビア導体6aの周囲を取り囲む円環形状の導体の外周側に複数の円弧形状の導体が各々ギャップ部9gを介在させて設けられ、当該円環形状と円弧形状とがビア導体6aを中心とする径方向に延びる複数のブリッジ部9bによって接続された形状の拡大部9としてもよい。図9に示すように、ビア導体6aの周囲を取り囲む円環形状の導体の外周側に、ビア導体6aを中心とする径方向に延びる矩形状の導体が複数設けられ、当該矩形状の導体間にギャップ部9gが設けられた形状の拡大部9としてもよい。
図10〜12に示すように、拡大部9は、ビア導体6aを中心とする径方向に分断され、ビア導体6aの周囲を取り囲む円環形状の導体に対し電気的に非接続とされた、ダミーパターンとされていてもよい。図11に示すように、図7に示す形状からブリッジ部9bを除いた幅広円弧形状の導体により拡大部9を形成してもよい。図10に示すように、図11に示す幅広円弧形状の導体をさらにビア導体6aを中心とする径方向に分断した形状の導体により拡大部9を形成してもよい。図12に示すように、図8に示す形状からブリッジ部9bを除いた複数の円弧形状の導体により拡大部9を形成してもよい。
図13,14に示すように、導体パターン7aに接続導体10が接続されていてもよい。図13に示すように、図7に示す形状の導体パターン7aに対し、ビア導体6aの周囲を取り囲む円環形状の導体に接続導体10を接続し、ビア導体6aは当該円環形状の導体および接続導体10を介在させて図示しない外部の部材と電気的に接続されている構成としてもよい。図14に示すように、図7に示す形状の導体パターン7aに対し、幅広円弧形状の導体に接続導体10を接続し、ビア導体6aは、上記円環形状の導体、ブリッジ部9b、幅広円弧形状の導体および接続導体10を介在させて図示しない外部の部材と電気的に接続されている構成としてもよい。
なお、拡大部9は全ての層が同じ形状である必要はなく、それぞれ形の異なるものを組み合わせて用いてもよい。たとえば図6〜図14に示す拡大部9を適宜組み合わせて用いることができる。
次に、図15および図16を参照して、ビア導体6aと硬質部材8との相対的な位置関係について説明する。図15,16中には、図1に示す配線パターンからなる硬質部材8を模式的に矩形で図示している。図15,16中に示す二点鎖線は、硬質部材8の外縁8dを通って樹脂層2の積層方向に延びる直線を示している。
本実施の形態のビア導体6aは、図15に示すように、樹脂層2の積層方向に見て硬質部材8の外縁8dと重なる位置に配置されていてもよい。またはビア導体6aは、図16に示すように、樹脂層2の積層方向に見て硬質部材8と重ならない位置であって硬質部材8の外縁8dから予め定められた範囲の距離だけ離れる位置に配置されていてもよい。図6に示す長さLは、樹脂層2の面方向(または樹脂多層基板101の面方向)における、硬質部材8の外縁8dからビア導体6aの中心線までの距離を示す。ビア導体6aは、長さLが300μm以下となる位置に配置されていてもよい。つまり、本実施の形態のビア導体6aが配置されるべき「硬質部材8の外縁8dの近傍」とは、樹脂層2の積層方向に見てビア導体6aが硬質部材8の外縁8dと重なるか、または、樹脂層2の積層方向に見て硬質部材8と重ならない位置にあるビア導体6aの中心が硬質部材8の外縁8dから離れる距離が300μm以下である範囲として定義される。
(作用・効果)
本実施の形態では、ビア導体6aは、複数の樹脂層2の積層方向に見て、樹脂多層基板101に内蔵された硬質部材8の外縁8dの近傍に配置されており、ビア導体6aに接続された導体パターン7aは、樹脂層2の積層方向に見て、硬質部材8から離れる側に面積が拡大した拡大部9を有している。
樹脂多層基板101の熱圧着時に樹脂多層基板101がその厚み方向に上下から押圧される場合、複数の熱可塑性樹脂材料からなる樹脂層2が軟化し流動して、ビア導体6aが傾いたり移動したりする場合がある。そのため、ビア導体6aと導体パターン7aとの接合部分の接合性が悪化したり、他の導体とショートしてしまう懸念がある。特に硬質部材8は熱圧着時も変形しない、または変形しにくいことから、硬質部材8の外縁8dの近傍に配置されているビア導体6aは、意図しない傾きや移動が起こりやすくなる。
また、樹脂多層基板101としての製品化後に、樹脂多層基板101が曲げて使用される、もしくは意図しない曲がりが発生する場合など、樹脂多層基板101に曲げ応力がかかる場合がある。特に硬質部材8は曲げ時も変形しない、または変形しにくいことから、硬質部材8の外縁8dの近傍に配置されているビア導体6aは、意図しない傾きや移動が発生しやすくなる。そのため、硬質部材8の外縁8dの近傍に配置されているビア導体6aと導体パターン7aとの接合部分の接合性が最も懸念されることになる。
特に、当該ビア導体6aに対して硬質部材8から離れる側に向かって傾きや移動が発生したり、応力が発生したりすることが起こりやすくなるため、ビア導体6aに対して硬質部材8から離れる側に本実施の形態の拡大部9を備える構成とすれば、ビア導体6aが変形しにくい構造にできるので、ビア導体6aと導体パターン7aとの間の接合の剥離を防止することができる。したがって、ビア導体6aと導体パターン7aとの接合の信頼性を向上することができる。
ビア導体6aと導体パターン7aとの接合性が向上することにより、硬質部材8の外縁8d近傍へビア導体6aを配置しても、ビア導体6aと導体パターン7aとの間の接合が剥離する不具合を抑制できる。そのため、硬質部材8の外縁8d近傍へビア導体6aを配置することが許容され、硬質部材8の配置に関わらずビア導体6aを自在に配置することができるようになる。したがって、ビア導体6aの配置の自由度を向上することができる。
図8または図12に示すように、拡大部9をビア導体6aの周りに同心円状に広がる構造とすることにより、ビア導体6aと導体パターン7aとの接合性を向上できるとともに、樹脂多層基板101の柔軟性を向上でき、樹脂多層基板101に曲げ応力が加えられるときの曲がりやすさを確保できる。図6または図10に示すように、ビア導体6aまわりの周方向に拡大部9を分断し、ビア導体6aと導体パターン7aとの接合部から放射状に広がる導体により拡大部9を形成することにより、放射状に広がる導体の一部が変形した場合にも他の導体に変形が伝わることを抑制できるので、さらに曲げに強くすることが可能となる。
図10〜12に示すように、ビア導体6aを中心とする径方向に拡大部9を分断し、拡大部9が他の導体と電気的に非接続な部分を有している構成とすれば、当該部分をダミーパターンとして設けることができる。ダミーパターンとして拡大部9を設けることにより、不要な容量の発生を回避できるので、樹脂多層基板101の特性上のずれや不具合の発生を抑制することができる。
図1に示すように、ビア導体6aの形成された樹脂層2の両側の主表面2aに拡大部9を形成することにより、ビア導体6aがより変形しにくい構造となり、ビア導体6aと導体パターン7aとの間の接合の剥離をより確実に防止することができる。したがって、ビア導体6aと導体パターン7aとの接合の信頼性を一層向上することができる。
(製造方法)
図17〜図22を参照して、本実施の形態における樹脂多層基板101の製造方法について説明する。
まず、図17に示すような導体箔付き樹脂シート12を用意する。導体箔付き樹脂シート12は、樹脂層21の片面に導体箔17が付着した構造のシートである。樹脂層21は、熱可塑性樹脂製である。熱可塑性樹脂は、たとえばLCP(液晶ポリマー)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PEI(ポリエーテルイミド)、PPS(ポニフェニレンスルファイド)、熱可塑性PI(ポリイミド)などであってもよい。導体箔17の材料は、Cu、Ag、Al、SUS、Ni、Auであってもよく、これらの金属のうちから選択された2以上の異なる金属の合金であってもよい。
樹脂層21の厚みは、10μm以上100μm以下程度の厚みであればよく、たとえば樹脂層21の厚みを25μmとしてもよく、または50μmとしてもよい。導体箔17の厚みは、5μm以上35μm以下程度の回路形成が可能な厚みであればよく、たとえば導体箔17は厚さ12μmまたは厚さ18μmの箔であってもよい。たとえば、導体箔17の厚みと樹脂層21の厚みとの比を、1:2〜1:5の範囲としてもよい。導体箔17は、たとえば表面粗さRzが3μmとなるように、表面が形成されている。
複数枚の短冊状の導体箔付き樹脂シート12を用意してから以下の導体パターンの形成作業などを進めてもよいが、他の方法として、大判の1枚の導体箔付き樹脂シート12の中に、のちに複数の樹脂シートとして個別に切り出されるべき短冊状の領域が設定されたものを用意して、大判サイズのまま以下の導体パターンなどの形成作業を進め、その後に短冊状に切り出してもよい。ここでは、既に短冊状の導体箔付き樹脂シート12に切り出されているものとして説明を続ける。
次に、図18に示すように、導体箔付き樹脂シート12の導体箔17が付着する面とは反対側の樹脂層21側の表面に炭酸ガスレーザ光を照射することによって、樹脂層21を貫通するようにビア孔11を形成する。ビア孔11は、樹脂層21を貫通しているが導体箔17は貫通していない。その後、必要に応じて、過マンガン酸などの薬液処理によりビア孔11のスミアを除去する。ビア孔11を形成するために炭酸ガスレーザ光と異なる種類のレーザ光を用いてもよい。ただし、樹脂層21は貫通するが導体箔17は貫通しないレーザ光を用いることが好ましい。また、ビア孔11を形成するために、たとえばパンチ加工などの、レーザ光照射以外の方法を採用してもよい。
次に、図19に示すように、導体箔付き樹脂シート12の導体箔17の表面に、スクリーン印刷などの方法で、レジストパターン13を印刷する。レジストパターン13は、導体箔付き樹脂シート12の厚み方向に見てビア孔11と重なる位置に印刷される。ビア孔11と重なるレジストパターン13が、ビア導体6aに接続される導体パターン7aに対応する。
次に、レジストパターン13をマスクとしてエッチングを行ない、図20に示すように、導体箔17のうちレジストパターン13で被覆されていない部分を除去する。導体箔17のうちエッチングの後に残った部分が、拡大部9を含んでいる導体パターン7aとなる。その後、洗浄液などを用いて、レジストパターン13を除去する。
このようにして、樹脂層21を厚み方向に貫通するビア孔11が形成されており、かつ樹脂層21の一方の表面に所望の導体パターン7が形成されて、図21に示す孔空き樹脂シートが得られる。なお、ビア孔11の形成と導体パターン7aの形成との順序は、上述した順序に限定されず、導体パターン7を形成した後にビア孔11を形成する順序としてもよい。
次に、樹脂層21に形成されたビア孔11に、スクリーン印刷などにより導電性ペーストを充填する。スクリーン印刷は、ビア孔11の両側の開口のうち、導体パターン7aが配置されていない側の面、すなわち図21における下側の面から行なわれる。実際には、スクリーン印刷を行なう際には、孔空き樹脂シートの姿勢を適宜変えてもよい。充填する導電性ペーストは、のちに積層した樹脂層21を熱圧着する際の温度において導体パターン7aの材料である金属との間で合金層を形成するような、金属粉を適量含むものであることが好ましい。この導電性ペーストは、Ag,Cu,Niのうち少なくとも1種類と、Sn,Bi,Znのうち少なくとも1種類とを含むことが好ましい。
こうして導電性ペーストを充填したことにより、孔空き樹脂シートの貫通孔にビア導体6aが挿入され、樹脂層21を厚み方向に貫通するビア導体6aが形成された図22に示す構成が得られる。
ここまで、ある1枚の樹脂層21における処理を例にとって説明したが、他の樹脂層21においても、同様に処理を行なって所望の領域に導体パターン7を適宜形成し、必要に応じてビア導体6を形成する。
次に、図22に示す孔空き樹脂シートと他の樹脂シートとを含む複数の樹脂層21を積層して、積層体を形成する。続いて、複数の樹脂層21の積層体に圧力および熱を加える。こうして、積層体に含まれていた複数の樹脂層21が互いに熱圧着し、さらにビア導体6aの導電性ペーストが金属化され、その結果として、図1に示す樹脂多層基板101が形成される。積層体の上下面に離型材を重ね、そのさらに上下からプレス板で挟み込むことによって加熱および加圧してもよい。離型材を用いることによって、熱圧着後に得られる樹脂多層基板101をプレス板の間から取り出す作業を、円滑に行なうことができる。
このようにして製造方法を実施することにより、ビア導体6aが硬質部材8の外縁8dの近傍に配置されており、導体パターン7aが硬質部材8の外縁8dから離れる側に拡大部9を有しており、これによりビア導体6aと導体パターン7aとの接合部分の信頼性が向上している樹脂多層基板101を、容易に得ることができる。ビア導体6aを受けるためのランドとして機能する導体パターン7aを形成する際に、拡大部9を同時に形成することができるので、拡大部9を形成するための追加の工程は必要ない。したがって、製造コストの増加なく、拡大部9を形成することができる。
(実施の形態2)
図23、図24および図25を参照して、本発明に基づく実施の形態2における樹脂多層基板101について説明する。実施の形態2の樹脂多層基板101は、実施の形態1とほぼ同一の構成を備えており、ビア導体6aに加えて小径ビア導体6bをさらに備えている点において、実施の形態1とは異なっている。
小径ビア導体6bは、ビア導体6aよりも小さい外形寸法を有している。ビア導体6aが円錐台状の形状を有する場合、小径ビア導体6bは、底面および上面の径がビア導体6aよりも相対的に小さい円錐台状の形状を有していてもよい。小径ビア導体6bは、ビア導体6aの形成された樹脂層2を厚み方向に貫通しており、拡大部9に接続されている。
図24に示すように、ビア導体6aに対して硬質部材8から離れる側に、単数の小径ビア導体6bが設けられていてもよい。または、図25に示すように、ビア導体6aに対して硬質部材8から離れる側に設けられた小径ビア導体6bに加えて、ビア導体6aを中心とする同心円上にも小径ビア導体6bが設けられており、複数の小径ビア導体6bを備えている構成としてもよい。
本実施の形態では、小径ビア導体6bが設けられていることにより、ビア導体6aをより変形しにくい構造にできるので、ビア導体6aと導体パターン7aとの接合強度をより向上することができる。したがって、樹脂多層基板101に曲げ応力がかかるときのビア導体6aと導体パターン7aとの間の接合の剥離をより確実に防止できるので、ビア導体6aと導体パターン7aとの接合の信頼性をさらに向上することができる。
ビア導体6aの周囲に導体材料性の小径ビア導体6bが設けられており、ビア導体6aの周囲の金属密度が増加することにより、ビア導体6aから小径ビア導体6bへの熱伝達を促進できる。小径ビア導体6bを経由した放熱により、配線パターンの放熱性を向上することができる。
(実施の形態3)
図26を参照して、本発明に基づく実施の形態3における樹脂多層基板101について説明する。実施の形態1および2の樹脂多層基板101は、ビア導体6aの形成された樹脂層2の両側の主表面2aに形成されている拡大部9の、硬質部材8から離れる側の縁部が、樹脂層2の積層方向に見て互いに重なっている。つまり、実施の形態1および2の樹脂多層基板101は、ビア導体6aの形成された樹脂層2の一方の主表面2aに配置された拡大部9の硬質部材8から離れる側の縁部が、当該樹脂層2の他方の主表面2aに配置された拡大部9の硬質部材8から離れる側の縁部と一致する部分を有している。これに対し、実施の形態3では、ビア導体6aの形成された樹脂層2の両側の主表面2aに形成されている拡大部9の、硬質部材8から離れる側の縁部が、樹脂層2の積層方向に見て重ならず、互いにずれた位置にある。
このような構成としても、樹脂多層基板101が拡大部9を有している導体パターン7aを備えていることにより、ビア導体6aが変形しにくい構造となり、ビア導体6aと導体パターン7aとの間の接合の剥離を防止することができる。したがって、実施の形態2と同様に、ビア導体6aと導体パターン7aとの接合の信頼性を向上することができる。
(実施の形態4)
図27を参照して、本発明に基づく実施の形態4における樹脂多層基板101について説明する。これまでの実施の形態1〜3では、樹脂多層基板101の内部に設けられた配線パターンが、周辺の樹脂層2の形成材料よりも硬度の大きい硬質部材として機能する例について説明した。実施の形態4では、図27に示すように、樹脂多層基板101に部品31が内蔵されており、当該部品が硬質部材8としての機能を有している。
図27に示す部品31は、2層の樹脂層2を厚み方向に貫通して配置されている。部品31には、ビア導体6および導体パターン7からなる配線パターンが複数接続されている。部品31の両側の外縁8dの近傍に、ビア導体6aが配置されており、実施の形態2と同様の導体パターン7aがビア導体6aに接続されているとともに、ビア導体6aに対し部品31から離れる側に小径ビア導体6bが設けられている。樹脂多層基板101の内部には、その他の導体パターン7、およびその他のビア導体6および導体パターン7からなる配線パターンが、さらに設けられている。
部品31は、積層セラミックコンデンサやチップインダクタなどの受動部品、集積回路または半導体素子などの電子部品であってもよく、またはアンテナ用途に供されるフェライトコアなどの硬質基板であってもよい。
このような構成としても、樹脂多層基板101が拡大部9を有している導体パターン7aを備えていることにより、ビア導体6aが変形しにくい構造となり、ビア導体6aと導体パターン7aとの間の接合の剥離を防止することができる。したがって、実施の形態1と同様に、ビア導体6aと導体パターン7aとの接合の信頼性を向上することができる。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 積層体、2,21 樹脂層、2a 主表面、3 第1主表面、4 第2主表面、6,6a ビア導体、6b 小径ビア導体、7,7a 導体パターン、8 硬質部材、8d 外縁、9 拡大部、9b ブリッジ部、9g ギャップ部、10 接続導体、11 ビア孔、12 導体箔付き樹脂シート、13 レジストパターン、17 導体箔、31 部品、101 樹脂多層基板。

Claims (6)

  1. 主表面を有し、熱可塑性樹脂からなる樹脂層が複数積層されて形成された樹脂多層基板であって、
    前記樹脂層のうちの一層を厚み方向に貫通するビア導体と、
    前記ビア導体の形成された前記樹脂層の前記主表面上に形成され、前記ビア導体に接続された導体パターンと、
    前記樹脂多層基板に内蔵されており、前記樹脂層よりも相対的に硬度の大きい硬質部材とを備え、
    前記ビア導体は、複数の前記樹脂層の積層方向に見て、前記硬質部材の外縁の近傍に配置されており、前記積層方向において前記硬質部材とは異なる位置に配置されており、
    前記ビア導体および前記導体パターンは、前記硬質部材とは直接接触しておらず、
    前記導体パターンは、前記積層方向に見て、前記硬質部材から離れる側に面積が拡大した拡大部を有する、樹脂多層基板。
  2. 前記ビア導体まわりの周方向に前記拡大部が分断されている、請求項1に記載の樹脂多層基板。
  3. 前記ビア導体を中心とする径方向に前記拡大部が分断されている、請求項1または請求項2に記載の樹脂多層基板。
  4. 径方向に分断された前記拡大部は、他の導体と電気的に非接続であるダミーパターンを含む、請求項3に記載の樹脂多層基板。
  5. 前記ビア導体の形成された前記樹脂層の両側の前記主表面に前記拡大部が形成されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の樹脂多層基板。
  6. 前記ビア導体よりも小さい外形寸法を有する小径ビア導体をさらに備え、
    前記小径ビア導体は、前記ビア導体の形成された前記樹脂層を厚み方向に貫通し、前記拡大部に接続されている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の樹脂多層基板。
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