JP6202573B2 - 液体吐出装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に記載の液体吐出ヘッドは、吐出孔から吐出させる液体に吐出のための加圧を行う圧力室と、圧力室を構成する壁面に配設される圧力検出素子と、圧力室を構成する壁面に設けられ、圧力室を変形させるアクチュエータとを備える。
この構成によれば、液体吐出装置は、第1電極は圧電体に印加し、第2電極はその圧電体に生じる電圧を検出するので、別個に圧電体を設ける場合と比較して、製造コストを下げることができる。また、前記第1電極と前記第2電極は、前記側壁の一面に設けられているので、液体吐出装置は、圧力波の伝搬損失が大きくなることを防止でき、吐出効率を向上できることがある。このように、液体吐出装置は、経済的かつ効率よく吐出チャネル(圧力室)内の圧力を検出できる。
この構成によれば、液体吐出装置は、側壁を変形でき、当該変形によって液体を吐出できるとともに、当該側壁への圧力によって圧電体に生じる圧力を検出できる。
この構成によれば、液体吐出装置は、第2電極が略平面に保たれる一面にあるので、吐出チャネルの側壁が変化した場合でも、圧力波の伝搬挙動が、第2電極が設置されていない場合と大きく異なってしまうことを防止できる。
この構成によれば、液体吐出装置は、第2電極が屈曲部以外の面に設けられて屈曲の少ない面にあるので、吐出チャネルの側壁が変化した場合でも、圧力波の伝搬挙動が、第2電極が設置されていない場合と大きく異なってしまうことを防止できる。
この構成によれば、液体吐出装置は、半面の境界を屈曲部にでき、第2電極を屈曲の少ない面に設けることができるので、吐出チャネルの側壁が変化した場合でも、圧力波の伝搬挙動が、第2電極が設置されていない場合と大きく異なってしまうことを防止できる。
この構成によれば、液体吐出装置は、第2電極で検出された電圧、つまり、吐出チャネル内の圧力波変動に応じて、液体の吐出を制御することができる。
この構成によれば、液体吐出装置は、第2電極で検出された電圧の変動周期、つまり、吐出チャネル内の圧力波変動の周期に応じて、液体の吐出を制御することができる。
この構成によれば、液体吐出装置は、第2電極で検出された電圧の変動周期、つまり、吐出チャネル内の圧力波変動の周期に応じて、液体の吐出を制御することができる。
本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタ1の概略構成図である。
プリンタ1は、被記録媒体Sを搬送する一対の搬送手段2、3と、被記録媒体Sにインク(図示せず)を吐出するインクジェットヘッド4と、インクジェットヘッド4にインクを供給するインク供給手段5と、インクジェットヘッド4を被記録媒体Sの搬送方向(Y方向)と直交する走査方向(X方向)に走査させる走査手段6と、を備えている。なお、被記録媒体Sとして、紙や、樹脂フィルム、ガラス、セラミックス等、種々の材料を用いることができる。
そして、一対の搬送手段2、3のグリッドローラ2A,3Aを回転させることで、被記録媒体SをY方向に沿った矢印A方向に搬送することが可能とされている。
駆動機構17は、一対のガイドレール15の間に配置され、X方向に間隔をあけて配置された一対のプーリ18と、これら一対のプーリ18の間に巻回されてX方向に移動する無端ベルト19と、一方のプーリ18を回転駆動させる駆動モータ20と、を備えている。
上述した搬送手段2、3及び走査手段6により、インクジェットヘッド4と被記録媒体Sとを相対的に移動させる搬送手段が構成されている。
次に、インクジェットヘッド4について説明する。インクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Bは、供給されるインクの色以外は何れも同一の構成からなるため、以下の説明では、インクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Bのそれぞれを、インクジェットヘッド4として説明する。
インクジェットヘッド4は、キャリッジ16に固定される固定プレート25と、この固定プレート25上に固定されたヘッドチップ26と、インク供給手段5から供給されたインクを、ヘッドチップ26の後述するインク導入孔41A(図3参照)にさらに供給するインク供給部27と、ヘッドチップ26に駆動電圧を印加する液体吐出制御回路28と、を備えている。
上述した流路部材31、圧力緩衝器32及びインク連結管33により、インク供給部27が構成されている。
そして、制御回路35Aが搭載されたIC基板36、及びフレキシブル基板37により、液体吐出制御回路28が構成されている。IC基板36には、上述した制御ユニット8がフレキシブル基板37(図1参照)を介して接続される。
続いて、ヘッドチップ26について説明する。
図3は、本実施形態に係るヘッドチップ26の斜視図である。
ヘッドチップ26は、アクチュエータプレート40、カバープレート41、支持プレート42及びノズルプレート43を備える。ヘッドチップ26は、吐出チャネル45A(後述)の長手方向(Y方向)端部に臨むノズル孔43Aからインクを吐出する、いわゆるエッジシュートタイプのヘッドチップである。
カバープレート41は、例えばアクチュエータプレート40と同じ材料であるPZTセラミックス基板で形成され、アクチュエータプレート40と同様の熱膨張をさせることで、温度変化に対する反りや変形を抑制している。但し、この場合に限られず、アクチュエータプレート40とは異なる材料でカバープレート41を形成しても構わないが、熱膨張係数が近い材料を用いることが好ましい。
図4は、図3に示すヘッドチップ26において、支持プレート42及びノズルプレート43が取り外された状態を示す。
アクチュエータプレート40は、分極方向が厚さ方向(X方向)で異なる第1アクチュエータプレート40A及び第2アクチュエータプレート40Bの、2枚のプレートを積層した積層プレートとされている(いわゆる、シェブロン方式)。これら第1アクチュエータプレート40A及び第2アクチュエータプレート40Bは、ともに厚さ方向(X方向)に分極処理された圧電基板、例えばPZTセラミックス基板であり、互いの分極方向を反対に向けた状態で接合されている。
また、本実施形態では、アクチュエータプレート40におけるZ方向の両側に位置する側面のうち、ノズルプレート43に対向する側面を前端面40Dと称し、この前端面40DとはZ方向の反対側に位置する側面を後端面40Eと称する。
図5は、図4に示すヘッドチップ26から、フレキシブル基板37とカバープレート41とが取り外された状態を拡大して示す。
カバープレート41は、アクチュエータプレート40の一方の主面40C上に重ね合されている。このカバープレート41には、上述したようにY方向を長手方向とする平面視矩形状のインク導入孔41Aが形成されている。
インク導入孔41Aには、上述した流路部材31(図2、図3参照)を介して供給されてきたインクを吐出チャネル45A内に導入させ、かつダミーチャネル45B内への導入を規制する複数のスリット55Aが形成されたインク導入板55が形成されている。つまり、複数のスリット55Aは、吐出チャネル45Aに対応する位置に形成され、各吐出チャネル45A内にのみインクを充填することが可能とされる。
検出端子57は、吐出チャネル45Aを挟んだ両側に位置する検出電極56Aと56B(図6参照、異なるダミーチャネル45B内に形成され検出電極56同士)を電気的に接続するように形成されている。例えば、検出端子57は、アクチュエータプレート40の後端面40E上に形成されている。ただし、本発明はこれに限らず、検出電極56同士は接続されなくてもよい。
次に、コモン電極50、駆動電極52及び検出電極56の配置についてより詳細に説明する。図6は、本実施形態に係る吐出チャネル45Aの断面図であり、図5のC−C’線に沿う断面の一部分である。
側壁40G、40Hは、それぞれアクチュエータプレート40の一部をなしている。
駆動電極52Aとコモン電極50Aの対、及び、検出電極56Aとコモン電極50Cの対は、側壁40Gを挟んで設けられている。駆動電極52Bとコモン電極50Bの対、及び、検出電極56Bとコモン電極50Dの対は、側壁40Hを挟んで設けられている。
また、コモン電極50A又は50Bを第1コモン電極50と、コモン電極50Cならびに50Dを第2コモン電極50と総称することがある。駆動電極52A、52Bを駆動電極52と、検出電極56A、56Bを検出電極56と総称することがある。
次に、側壁40G、40Hの変形について説明する。
駆動壁46を構成する側壁40Gには、コモン電極50A、駆動電極52Aとの間に印加される電圧により、厚み滑り変形が生じる。コモン電極50A、駆動電極52Aには、コモン端子51、駆動端子53をそれぞれ介して電圧が印加される。
駆動壁46を構成する側壁40Hには、コモン電極50B、駆動電極52Bとの間に印加される電圧により、厚み滑り変形が生じる。コモン電極50B、駆動電極52Bには、コモン端子51、駆動端子53をそれぞれ介して電圧が印加される。
このとき、吐出チャネル45AがY方向に膨らむように変形し、吐出チャネル45Aの容積が増大する。これにより、吐出チャネル45A内の圧力が低くなる。また、0Vよりも低い負の駆動電圧が印加されることで、正の駆動電圧が印加される場合とは逆方向に側壁40G、40Hが変形する。このとき、吐出チャネル45AがY方向に縮むように変形し、吐出チャネル45Aの容積が減少する。これにより、吐出チャネル45A内の圧力が高くなる。
ここで、駆動電極52A、52B、検出電極56A、56B、及び、コモン電極50A〜50Dは、側壁40G及び40Hにおいて、変形前後で、平面又は略平面に保たれる一面、つまり、屈曲部以外の部分に設けられている。
側壁40Gに厚み滑り変形が生じると、逆圧電効果によりコモン電極50Cと検出電極56Aとの間に電圧が生じる。 側壁40Hに厚み滑り変形が生じると、逆圧電効果によりコモン電極50Dと検出電極56Bとの間に電圧が生じる。
側壁40G、40Hの変形は、上述したコモン電極50Aと駆動電極52Aとの間、コモン電極50Bと駆動電極52Bとの間に、それぞれ印加される電圧によっても生じるが、吐出チャネル45Aに充填されたインクの圧力波の伝搬によっても生じる。従って、コモン電極50Cに接続されているコモン端子51と検出電極56Aに接続されている検出端子57との間に生じた電圧や、コモン電極50Dに接続されているコモン端子51と検出電極56Bに接続されている検出端子57との間に生じた電圧を検出することによって、インクの圧力波の伝搬挙動、即ち吐出チャネル45A内の圧力の時間的な変動を検出することができる。
この図は、図3のB−B’ 線に沿う断面を示す。流路部材31の内部に付された破線、流路部材31とカバープレート41との間に付された破線及びカバープレート41とアクチュエータプレート40との間に付された破線は、供給流路39及びインク導入孔41Aの外延を示すために付されたものであって、いかなる部材を示すものではない。なお、符号F1を付した矢印は、ヘッドチップ26内でのインクの通流方向を表す。つまり、ヘッドチップ26内では、流路は、複数回曲げられ、インクはこの曲がった流路を通流する。
検出電極56Bは、側壁40HのX方向における中間部を挟んで駆動電極52Bとは反対側において、駆動電極よりも短くなるように形成されている。検出電極56Bの一方側の端部は、駆動電極52Bの一方側の端部よりもノズル孔43A側に配置されている。
駆動電極52Bは、側壁40H(図6参照)の長手方向(Z方向)のほぼ全面に形成されている。これにより、吐出チャネル45Aの全体にわたり充填されたインクに対して圧力を変化させることができる。
検出電極56Bは、側壁40H(図6参照)のうちノズル孔43Aから予め定めた範囲内に形成されている。これにより、ノズル孔43Aの近傍におけるインクの圧力の変化を検出することができる。なお、検出電極56Bは、側壁40H(図6参照)の長手方向(Z方向)のほぼ全面に形成されてもよい。その場合には、吐出チャネル45A全体を総合したインクの圧力の変化を検出することができる。
一方、短手方向については、駆動電極52Aは、側壁40Gの上側(X方向、吐出チャネル45Aの開口側)の半面に設けられている。検出電極56Aは、側壁40Gの下側(X方向、吐出チャネル45Aの底部側)の半面に設けられている。
なお、駆動電極52A、検出電極56Aは、側壁40Gに形成されているため、図7には表れていない。
つまり、スイッチング部62(図5参照)は、吐出チャネル45A内に充填されたインクの吐出の有無を、印加された駆動電圧に基づいて生じるインクの振動、つまり圧力の変化によって制御する。
次に、本実施形態に係るプリンタ1の機能について、被記録媒体Sに文字や図形等を記録する場合を例にとって説明する。
図1に示すように、制御ユニット8は、例えば、一対の搬送手段2、3により被記録媒体SをY方向に搬送させながら、走査手段6によりキャリッジ16を介して各インクジェットヘッド4をX方向に往復移動させる。この間に、制御ユニット8は、各インクジェットヘッド4より4色のインクを被記録媒体Sに向けて吐出させ、被記録媒体Sにインクが付着した領域の形状をその文字や画像等の形状になるように形成させる。これにより、文字や図形等の記録が行われる。
図8は、本実施形態に係るプリンタ1の機能ブロック図である。
プリンタ1は、制御ユニット8、制御回路35A、複数のスイッチング部62、及び複数の電圧検出部63を含んで構成される。スイッチング部62、電圧検出部63は、それぞれ吐出チャネル45Aに対応付けられている。
制御回路35A、スイッチング部62及び電圧検出部63の構成は、複数のインクジェットヘッド4間で同一である。制御回路35Aは、上述した液体吐出制御回路28を形成する。
制御ユニット8は、記録すべき文字や図形等を示す画像データを外部機器からI/F部81−1を介して受信し、受信した画像データをデータバッファ82に記憶する。画像データは、印刷領域に分布した画素のそれぞれにおける表示の有無(ON/OFF)を示すデータである。カラー画像を示す画像データでは、表示の有無は色成分毎に指定される。
制御ユニット8には、電圧検出部63で検出された電圧を有する検出信号がI/F部81−2を介して入力され、入力された検出信号の電圧に基づいて制御回路35Aの動作を制御する。制御例については、後述する。
制御ユニット8は、色成分毎に生成した印字データをI/F部81−2を介して色成分に対応した制御回路35Aに出力する。
図9の上段は、圧力波による吐出圧力の時間変化を示す。縦軸、横軸は、それぞれ圧力、時刻を示す。図9の下段は、スイッチング部62に印加される駆動電圧の例を示す。
縦軸、横軸は、それぞれ圧力、時刻を示す。駆動電圧の制御を開始した時点での時刻、圧力をそれぞれ0とする。
共振周期ΔTは、吐出チャネル45Aのインクの音速と吐出チャネル45Aの長さによって決まるが、インクの種類、温度、吐出チャネル45A内に形成された気泡の有無、等の要因で変化する。なお、共振周期ΔTは、音響周期(AP:acoustic period)とも呼ばれ、共振周期ΔTの逆数は、共振周波数に相当する。
図10は、本実施形態における共振周期の検出例を説明するための図である。
縦軸、横軸は、それぞれ電圧、時刻を示す。検出信号が示す電圧Vは、吐出チャネル45A内での圧力波振動に応じて変化する。図10に示す例では、電圧Vは、時刻T1、T2において、それぞれ極大値V1、V2をとる。制御ユニット8は、互いに隣接する極大値間の時間、例えば、T2−T1を共振周期ΔTと定め、この共振周期ΔTを駆動時間ΔT1と定める。そして、制御ユニット8は、定めた駆動時間ΔT1を制御回路35Aに設定する。制御回路35Aは、設定された駆動時間ΔT1を上述した駆動電圧の制御に用いる。
また、制御ユニット8は、吐出制御を行う前に予め検出信号に基づいて共振周期ΔTを定めてもよいし、吐出制御が行われているときに入力された検出信号に基づいて共振周期ΔTを定めてもよい。これにより、定められた共振周期ΔTが吐出制御に用いられるので様々な状況において安定した吐出制御を実現することができる。
この構成によれば、プリンタ1は、第1電極は側壁40G、40Hに印加し、第2電極はその側壁40G、40Hに生じる電圧を検出するので、別個に圧電体を設ける場合と比較して、製造コストを下げることができる。また、第1電極と第2電極は、側壁40G又は40Hの一面に設けられているので、プリンタ1は、圧力波の伝搬損失が大きくなることを防止でき、吐出効率を向上できることがある。このように、プリンタ1は、経済的かつ効率よく吐出チャネル45A内の圧力を検出できる
この構成によれば、プリンタ1は、側壁40G、40Hを変形でき、当該変形によって液体を吐出できるとともに、当該側壁40G、40Hへの圧力によって圧電体に生じる圧力を検出できる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。上述した実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を援用する。
本実施形態に係るプリンタ1は、上述した実施形態に係るプリンタ1(図1)にさらに外部振動子61を含んで構成される。
外部振動子61は、駆動電圧が印加されることにより、その電圧に応じた振幅で主面(YZ方向)の法線方向(X方向)に振動して、流路部材31内のインクの圧力波を発生させる。発生した圧力波は、各吐出チャネル45Aのインクへ伝搬する。伝搬した圧力波は、各吐出チャネル45A内で往復することで、圧力波振動が共振される。なお、本実施形態では、単一の外部振動子61は複数の吐出チャネル45A間で共有される構成としているが、本発明はこれに限らず、各吐出チャネル45Aに、それぞれ対応する外部振動子61が設けられてもよい。
外部振動子61は、供給流路39の内壁面のうちインク導入孔41Aに対向している対向面に設けられている。外部振動子61の主面は、流路部材31の対向面の表面と相対し、その一部が外部電極(図示せず)を形成している。外部電極に駆動電圧が印加されると、駆動電圧に応じて振動する。外部振動子61が振動すると、流路部材31内のインクの圧力波が発生し、発生した圧力波は、インク導入孔41Aを介して各吐出チャネル45Aのインクへ伝搬する。以下の説明では、特に断らない限り、外部電極に駆動電圧を印加することを、「外部振動子61に駆動電圧を印加する」と呼ぶことがある。外部振動子61は、厚さ方向(X方向)に分極された圧電基板、例えば、PZT(lead zirconate titanate、チタン酸ジルコン酸鉛)セラミックス基板で形成されている。
なお、外部振動子61が生成した圧力波は、吐出チャネル45Aにおいて、その方向が、X方向からZ方向へ曲げられる。また、供給流路39の主面(YZ平面)の面積は、インク導入孔41Aの開口面の面積や各吐出チャネル45Aの開口面の面積の合計よりも大きい。これにより、各吐出チャネル45Aへ外部振動子61が発生させた圧力波を集中させることができ、吐出チャネル45A内のインクの圧力波振動を効率的に共振させることができる。
図13は、本実施形態に係るプリンタ1の機能ブロック図である。
図13は、吐出制御に関する機能を示すが、プリンタ1は他の機能を備えてもよい。
プリンタ1は、制御ユニット8と、制御回路35A、35Bと、外部振動子61、複数のスイッチング部62及び複数の電圧検出部63とを含んで構成される。制御回路35A、35Bは、液体吐出制御回路28を形成する。
制御回路35Bは、制御ユニット8から外部振動データが入力されたことに応じて共振周波数及び所定の振幅で電圧が振動する駆動電圧を生成し、生成した駆動電圧を外部振動子61に印加する。制御回路35Bが生成する駆動電圧の波形は、例えば、正弦波である。これにより、外部振動子61はその駆動周波数で振動し、この振動により吐出チャネル45A内で圧力波振動が共振される。換言すれば、駆動電圧の波形(又は、外部振動子61の振動)は、共振させることを目的とするため、変化の急激な矩形波ではなく、変化の緩やかな正弦波又は余弦波とする。
また、制御回路35Aは、ノズル孔43Aにおける圧力波振動の圧力に応じて、スイッチング部62に印加する駆動電圧の大きさを制御する。これにより、制御回路35Aは、外部振動子61による圧力波振動の圧力を利用して、スイッチング部62に吐出チャネル45A(図12参照)内に充填されたインクを吐出させるか否かを制御する。
図14は、本実施形態における遅延時間τ1、τ2の検出例を説明するための図である。縦軸、横軸は、それぞれ電圧、時刻を示す。駆動電圧の制御を開始した時点での時刻、圧力をそれぞれ0とする。
図14は、検出電圧、駆動電圧をそれぞれ曲線a1,a2で示す。検出電圧a1は、電圧検出部63から入力された検出信号が示す電圧であり、ノズル孔43Aにおける圧力に対応する値を示す。駆動電圧a2は、外部振動子61(図13参照)に印加する電圧であり、外部振動子61が供給流路39(図12参照)内に充填されたインクに加える圧力に対応する値を有する。検出電圧a1、駆動電圧a2の周波数は、上述した共振周波数である。
そこで、制御ユニット8(図13参照)は、駆動電圧の制御を開始してから検出電圧a1の極大値が安定するまでの時間を遅延時間τ2と定める。具体的には、制御ユニット8は、直近に検出した検出電圧a1の極大値の絶対値が、その直前に検出した検出電圧a1の極大値の絶対値に対する増加率が、予め定めた増加率の閾値よりも小さくなる、極大値に対応する時刻を遅延時間τ2と定めることができる。
そこで、制御ユニット8(図13参照)は、直近に検出された検出電圧a1の極大値に対応する時刻から直近の駆動電圧a2の極大値に対応する時刻を差し引いて遅延時間τ1を定めることができる。制御ユニット8は、定めた遅延時間τ1、τ2、又はτ1とτ2の両者に基づいて時間τを定め、定めた時間τで制御回路35B(図13参照)が外部振動子61に駆動電圧を印加するタイミングを調整することができる。
なお、制御ユニット8は、検出電圧a1の極大値に代えて検出電圧a1の極小値に基づいて、遅延時間τ1、τ2を定めてもよい。
次に、本実施形態における吐出チャネル45A(図12参照)からのインクの吐出制御の例について説明する。
図15は、本実施形態におけるインクの吐出制御の一例を説明するための図である。
図15の上段は、圧力波振動による吐出圧力の時間変化、スイッチング圧力波による吐出圧力の時間変化を、それぞれ実線Pj1,Pc1で示す。スイッチング圧力波とは、スイッチング部62(図13参照)により吐出チャネル45Aに生じた圧力波である。縦軸、横軸は、それぞれ圧力、時刻を示す。また、限界値P1は、閾値Pthから圧力波振動による圧力の極大値Pmaxを差し引いた差分である。
ノーマリーOFFモードでは、インクを吐出する場合、制御回路35A(図13参照)は、例えば、ノズル孔43A(図12参照)における圧力波振動の圧力が極大値Pmaxとなったとき、スイッチング圧力波が到達するように、スイッチング部62(図13参照)に印加する駆動電圧を第1電圧値(V1)に制御する。これにより、圧力波振動による圧力Pmaxにスイッチング圧力波によるP1以上の圧力が加わって強め合い、ノズル孔43Aにおける圧力が閾値Pthを超えるので、インクが吐出される。
なお、インクを吐出しない場合、制御回路35Aは、スイッチング部62に印加する駆動電圧を0Vに制御する。
図16の上段は、圧力波振動による吐出圧力の時間変化、スイッチング圧力波による吐出圧力の時間変化を、それぞれ実線Pj2、Pc2で示す。縦軸、横軸は、それぞれ圧力、時刻を示す。また、限界値P2は、圧力波振動による圧力の極大値Pmaxから閾値Pthを差し引いた差分である。
ノーマリーONモードでは、インクを吐出する場合、制御回路35Aは、スイッチング部62に印加する駆動電圧を0Vに制御する。圧力波振動による圧力Pmaxは閾値Pthを超えるので、インクが吐出される。
一方、インクを吐出しない場合、制御回路35Aは、例えば、ノズル孔43A(図12参照)における圧力波振動の圧力が閾値Pthを超えるとき、スイッチング圧力波が到達するように、スイッチング部62に印加する駆動電圧を第2電圧値(V2)に制御する。これにより、圧力波振動による圧力からスイッチング圧力波による圧力が減ざれて弱め合い、ノズル孔43Aにおける圧力が閾値Pthより低くなるので、インクが吐出されなくなる。
この構成によれば、圧力変化部は吐出チャネル45A内の圧力波振動を共振させることができ、制御部は共振した圧力波振動による圧力のピークに基づいて吐出チャネル45A内の圧力を変化させることができる。そのため、吐出孔(ノズル孔43A)からの液体の吐出の有無を効率よく制御することができる。
この構成により、制御部は、圧力変化部が発生させた圧力波が吐出孔に到達するまでの時間を考慮して、吐出チャネル内の圧力を変化させることができる。そのため、吐出孔からの液体の吐出の有無の制御を確実に行うことができる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第1の実施形態では、制御ユニット8は、電圧検出部63から入力された検出電圧が示す電圧値が0Vから予め定めた閾値の範囲内に収束したと判定したときに、駆動電圧を0Vから駆動電圧値Vsに制御してもよい。これにより、吐出チャネル45Aに生じた残響の影響を避けることができる。
例えば、第2の実施形態では、制御ユニット8は、ノーマリーOFFモードとノーマリーONモードを切り替えてもよい。例えば、制御ユニット8は、ユーザの設定に基づいて、これらのモードを切り替える。また、制御ユニット8は、画像データ又は印刷制御データに基づいて、次の情報を算出し、算出した情報に基づいて、これらのモードを切り替えてもよい。
(1)予め定められた範囲での吐出回数を示す情報
(2)予め定められた範囲での吐出回数と吐出可能回数の割合を示す情報
なお、予め定められた範囲とは、ジョブ毎、画像データ毎、操作毎、時間毎、又は、これらのグループ毎であってもよい。
さらに、上述した実施形態では、吐出チャネル45Aとダミーチャネル45Bとが交互に並んだ、いわゆるアイソレートタイプのヘッドチップ26について説明したが、これに限られない。例えば、吐出チャネル45Aが連続的に配列された、いわゆるシェアードウォールタイプのヘッドチップ26を採用することもできる。
上における任意の位置、インク配管11の内壁面上における任意の位置、等である。それらの位置では、外部振動子61によりインクの通流が妨げられない。
また、外部振動子61は、各吐出チャネル45A内に定常的な圧力波振動を発生させることができれば、各吐出チャネル45Aの側壁40G、40Hに設置されてもよい。
また、上述した実施形態では、液体吐出制御回路28は、プリンタ1に装着されずに独立した回路部品として実施されてもよい。
図17には、駆動電極52B、検出電極56BのY方向視した配置が重ね合わされている。図17(A)に示すインクジェットヘッド4Iは、サイドシュート型循環ヘッドの一例である。インクジェットヘッド4Xは、圧力緩衝器32と流路部材31との間を接続する2本のインク連結管33A,33Bを備える。流路部材31の内部には、供給流路39Aと排出流路39Bが互いに独立に形成され、供給流路39Aと排出流路39Bは、それぞれインク連結管33A,33Bが接続されている。
吐出チャネル45Aのアクチュエータプレート40の主面の他方(Z方向)の側にはノズルプレート43が配置され、ノズルプレート43に形成されたノズル孔43Aは、吐出チャネル45Aの長手方向の両端のほぼ中間に配置されている。
また、図17(C)に示すように、インクジェットヘッド4Kは、2個の外部振動子61C,61Dを、それぞれ供給口41C、排出口41Dの内壁面上に備えてもよい。
また、上述した実施形態では、インクジェットヘッド4が複数搭載された複数色用のプリンタ1について説明したが、これには限られない。例えば、インクジェットヘッドが、1つの単色用のプリンタ1としても構わない。
4,4Y,4M,4C,4B,4I,4J,4K…インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)、
6…走査手段、8…制御ユニット、28…液体吐出制御回路、35A,35B…制御回路、40…アクチュエータプレート、40A…第1アクチュエータプレート、
40B…第2アクチュエータプレート、40G,40H…側壁
41…カバープレート、
41A…インク導入孔(充填室)
43…ノズルプレート(吐出孔プレート)、43A…ノズル孔(吐出孔)、
45A…吐出チャネル(吐出チャネル)、46…駆動壁、
50A,50B…コモン電極、第1コモン電極(第1電極)
50C,50D…コモン電極、第2コモン電極(第2電極)
52…駆動電極(第1電極)、53…駆動端子
56…検出電極(第2電極)、57…検出端子
61…外部振動子(第1の振動子)、62…スイッチング振動子(第2の振動子)、
63…圧力検出部
Claims (8)
- 圧電体により、側壁の少なくとも一部が変形する吐出チャネルと、
前記圧電体に電圧を印加して前記側壁を変形させる第1電極と、
前記側壁への圧力によって前記圧電体に生じる電圧を検出する第2電極と、
を備え、
前記第1電極と前記第2電極は、前記側壁の一面に設けられている液体吐出装置。 - 前記側壁は、少なくとも一部が圧電体であり、
前記第1電極は、前記圧電体を挟んで対になって設けられており、
前記第2電極は、前記圧電体を挟んで対になって設けられている請求項1に記載の液体吐出装置。 - 前記第2電極は、前記側壁の変形前後で、平面又は略平面に保たれる一面に設けられている請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
- 前記側壁は、変形後又は変形前に、凸部又は凹部となる屈曲部を有し、
前記第1電極と前記第2電極は、前記側壁の一面において、前記屈曲部を挟んで設けられている請求項1から3のいずれか一項に記載の液体吐出装置。 - 前記第1電極は、前記側壁の一面のうち一方の半面の少なくとも一部に設けられており、
前記第2電極は、前記一面のうち他方の半面の少なくとも一部に設けられている請求項1から4のいずれか一項に記載の液体吐出装置。 - 前記第2電極で検出された電圧に基づいて、前記第1電極に印加する電圧を制御する制御部、
をさらに備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の液体吐出装置。 - 前記制御部は、前記第2電極で検出された電圧の変動周期に基づいて、前記第1電極に印加する電圧を制御する請求項6に記載の液体吐出装置。
- 前記制御部は、前記第2電極で検出された電圧の変動周期に基づいて、前記第1電極への電圧の印加時間を定める請求項6又は7に記載の液体吐出装置。
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