JP2013212592A - インクジェットヘッド並びにその駆動方法およびプログラム - Google Patents

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】種々のインク滴の噴射の態様を柔軟に設定可能にすることを可能とする。
【解決手段】インクジェットヘッド100は、スペーサ20と圧電体10が交互に積層された積層体から構成される。スペーサ20に設けられたインク流路形成用切溝32と圧電体10により、インク流路33が確定され、インク流路33におけるインクの流れに沿う方向において、電圧パルスの印加により圧電体10を振動させる電極14(14A、14B)が少なくとも二つ設けられる。少なくとも二つの電極14A、14Bのうち、インクの流れの下流側に設けられた下流側電極14Aにより電圧パルスが印加される間に、インクの流れの上流側に設けられた上流側電極14Bにより電圧パルスが印加される、
【選択図】図2

Description

本開示は、インクジェットプリンタ用のインクジェットヘッドに関する。
インクを噴射するタイプの印刷機、いわゆるインクジェットプリンタは様々な方式が提案されている。その一つとして、圧電素子に電圧を加えるとその圧電素子が伸縮し、それに合わせて振動板が振動することによって、ノズルからインク滴が追い出されるという構造を有するピエゾ(圧電素子)方式などがある。このピエゾ方式のインクジェットヘッドとして、図9(a)に示すインクジェットヘッド1800は、電圧Vを加えると伸縮する圧電素子1801からなる振動板1802を、基板1803に凹設したインク室1804に対して対面又は側面に接合する構成である。そして、図9(b)に示すように、インクジェットヘッド1800は、インク供給路1805から供給されたインクに振動板1802の振動を伝え、インク噴射口1806からインク滴1807を噴射する。
特開2007−118285号公報 特開2011−037260号公報 特開平9−1792号公報
インクジェットプリンタの用途、適用産業分野は今後さらなる進展、拡大が見込まれている。このため、用途、インクが塗布される対象物、インクの種類等、種々の要素に応じて、インク滴の噴射の態様を柔軟に設定可能にすることが求められている。
本開示は、インク滴の噴射態様をより柔軟に調整可能にするインクジェットヘッドの改良に関する。
本発明の一形態として、スペーサと圧電体が交互に積層された積層体から構成されるインクジェットヘッドであって、前記スペーサに設けられた溝と前記圧電体により、インク流路が画定され、前記インク流路におけるインクの流れに沿う方向において、電圧パルスの印加により前記圧電体を振動させる電極が少なくとも二つ設けられ、前記少なくとも二つの電極のうち、インクの流れの下流側に設けられた下流側電極により電圧パルスが印加される間に、インクの流れの上流側に設けられた上流側電極により電圧パルスが印加される。
電圧パルスが、前記圧電体の電圧被印加部分を中立状態から第1の最大変形状態に変形させる第1のピークと、前記圧電体の電圧被印加部分を中立状態から第2の最大変形状態に変形させる第2のピークとを含み、前記上流側電極における第1のピークの減少開始時刻t1aが、前記下流側電極における第1のピークの減少開始時刻T1aと同じか少なくとも後で、かつ前記下流側電極における第2のピークの安定化開始時刻T1bと同じか少なくとも先である、ように構成してもよい。
電圧パルスの一周期の間において、前記上流側電極における印加電圧がゼロになる時刻tが、前記下流側電極における印加電圧がゼロになる時刻Tと同じか少なくとも後である、ように構成してもよい。
前記上流側電極の電圧パルスの一周期の時間長さλと、前記下流側電極の電圧パルスの一周期の時間長さλが、1/3λ≦λ≦2/3λの関係を充足する、ように構成してもよい。
前記下流側電極は、前記インク流路におけるインクの流れに沿う方向と垂直な方向に並ぶように配置された、第1の下流側電極と第2の下流側電極とを含み、前記上流流側電極は、前記インク流路におけるインクの流れに沿う方向と垂直な方向に並ぶように配置された、第1の上流側電極と第2の上流側電極とを含む、ように構成してもよい。
本発明の一形態として、スペーサと圧電体が交互に積層された積層体から構成されるインクジェットヘッドであって、前記スペーサに設けられた溝と前記圧電体により、インク流路が画定され、前記インク流路におけるインクの流れに沿う方向において、インクの流れの下流側に設けられた下流側電極と、インクの流れの上流側に設けられた上流側電極とが少なくとも設けられ、前記下流側電極は、前記インク流路におけるインクの流れに沿う方向と垂直な方向に並ぶように配置された、第1の下流側電極と第2の下流側電極とを含み、前記上流流側電極は、前記インク流路におけるインクの流れに沿う方向と垂直な方向に並ぶように配置された、第1の上流側電極と第2の上流側電極とを含み、前記第1の下流側電極および前記第2の下流側電極によって引き起こされる前記圧電体の最大変位位置と、前記第1の上流側電極および前記第2の上流側電極によって引き起こされる前記圧電体の最大変位位置とが、前記インク流路の長手方向に沿った中心線上に存在する。
本発明の一態様として、上記したインクジェットヘッドを駆動するための駆動方法およびプログラムがある。
本発明に係るインクジェットヘッドによれば、インク流路のインクの流れに沿って異なる位置に設けられた電極により電圧が印加可能となり、種々のインク滴の噴射の態様を柔軟に設定可能にすることが可能となる。
波の位相の重ね合わせを示す概念図 (a)本発明の実施の形態に係るインクジェットヘッドの斜視図、(b)当該インクジェットヘッドに用いられる圧電体の斜視図 実施の形態に係るインクジェットヘッドに用いられるスペーサの平面図 (a)図2(a)の矢印A方向から見たインクジェットヘッド内の圧電体の平面図、(b)図2(a)の矢印B方向から見たインクジェットヘッド内のインク供給路を示す図 図2(a)の矢印C方向から見たインクジェットヘッド内の圧電体に印加される電圧による作用を説明する図 等高線により示した圧電体の変形状態を含む圧電体の平面図 実施の形態に係るインクジェットヘッドを含むインクジェットプリンタの回路図 電圧印加電極により印加される電圧パルスのタイミングチャートと電圧パルスの諸条件を示す図 (a)従来のインクジェットヘッドの原理を示す概略図、(b)(a)に示す従来のインクジェットヘッドの作用を示す概略図
以下、本発明の一実施形態のインクジェットヘッドについて、図面を用いて詳細に説明する。図1は、自然界において観察される波の位相の重ね合わせを示す模式図である。
図1(a)、図1(b)に示すような波が合成されると、図1(c)に示すような波が生ずる。これは、異なる波の重なり、干渉により新たな波が生じ、場合によっては大きな位相、エネルギーを持つ新たな波が合成されることを示している。
このような自然界で生ずる現象から、発明者はインクジェットヘッドのインク滴の噴射に関する改良に想到した。そして、当該改良技術により、インク滴の噴射態様を調整可能にすることに成功した。
圧電素子の変位圧力によりインク液を噴射するいわゆるピエゾ方式(piezo方式)のインクジェットヘッドは、インク供給路に存在するインク液に圧力を加えてノズルからインク液を噴射させる。ここで、圧電素子を複数設けることにより、インク液に複数の圧力を加える事ができることとなる。そして、複数の圧電素子各々からの圧力の大きさ、周波数などのパラメータを変化させることで、インク滴の噴射態様を調整することが可能となる。
すなわち、本発明においては、図1(a)、図1(b)に示すような波を生じさせる圧力を圧電素子を用いて人為的にインク液に発生させる。圧電素子は予め制御可能であるため、図1(c)に示すような波を制御可能な状態で生成することが可能となる。このことは、インク滴の噴射態様を調整可能にする技術の達成につながるものである。このような思想は引用文献1から3には開示も示唆もされていない。例えば、特許文献1、2では、電極による変位部分は、1キャビティ(チャンネル)あたり1箇所のみに設けられている。また、特許文献3では、2箇所の電極(駆動部)を用いた構造は開示されているが、2つの電極による駆動信号の制御によるインク液の吐出制御については考慮されていない。
図2は、インクジェットプリンタに適用される実施の形態に係るインクジェットヘッドを示す。図2(a)に示すように、本実施形態のインクジェットヘッド100は、圧電体(圧電素子)10とスペーサ20が横方向(図2(a)の矢印A)に複数積層されて構成された積層体により構成される。尚、図2(a)では、スペーサ20の後方部分の図示は省略されており、実際のスペーサ20は図3に示された形状を有する。また、圧電体10とスペーサ20の先端部分に装着されるノズルプレート40の図示も省略されており、図4、図6、図7にはノズルプレート40が示されている。
図2(b)は圧電体10の斜視図を示す。圧電体10は板状に成形される。圧電体10は、加えられた力を電圧に変換する、または電圧を力に変換する、圧電効果を利用した受動素子であり、ピエゾ素子(piezoelectric element)ともいわれる。圧電体10は、本体としての振動板12と、振動板12の表面に配置された電圧(電圧パルス)を印加するための4つの電圧印加用電極14(14A、14B、14C、14D)とを含む。
振動板12は、PZT(Pb(Zr、Ti)O;ジルコニウム酸−チタン酸鉛)を主成分とする圧電セラミックから形成されている。振動板12に適用できる圧電セラミックの条件としては、(1)圧電定数、及び電気機械結合係数が大きく、(2)キュリー点が高く、(3)誘電率が低く、(4)誘電的・機械的な損失が小さい材料であれば良い。例えば、Pb(Zr、Ti)Oセラミックとして、Pb(Mg1/3Nb2/3)O−PbZrO−PbTiO、Pb(Y1/3Nb1/3)O−PbZrO−PbTiO、Pb(Mn1/3Nb1/3)O−PbZrO−PbTiO、Pb(Co1/3Nb1/3)O−PbZrO−PbTiOなどが挙げられる。これら以外にも、例えば、Sr(K0.25・Nb0.75)OやSr(W0.25・Nb0.75)Oなどの圧電材料をPZTに固溶させた組成でも良いが、特に材料の種類は限定されない。
圧電体10の表面には電圧を印加するための複数の電圧印加用の電極14(14A、14B、14C、14D)が、後述するインク流路(オリフィス)33に沿った位置に配置されている。電極14は、図2(b)では示されていない反対側の面にも設けられている。尚、本実施形態では電極14の形状は平面視L字状を呈するが、その機能を達成することが出来なら、その形状は平面視T等であってもよく、形状は特に限定されない。
電極14は、例えば、銀ペーストを圧電材料に塗布し、500〜800℃で焼き付ける方法によって形成されるが、それ以外にも無電解メッキによる電極作成法、真空蒸着法、スパッタによって電極を形成することができ、形成方法の種類は特に限定されない。電極14の材料も、銀以外に金、ニッケル、銅、チタン、亜鉛、アルミニウム等の金属を単層もしくは2層以上の複数層で形成することができ、材料の種類は限定されない。電極14の厚さは、例えば0.1〜5μmの範囲に設定される。
さらに、圧電体10の振動板12には、楕円形のインク供給口35が形成されているが、インク供給口35の形状は特に限定されない。後述するスペーサ20にもインク供給口35が設けられており、インクジェットプリンタの本体側に設けられたインクタンクからインクがインク供給口35に供給され、さらにインク供給口35から後述するインク流路33へインクが供給される。
図2(a)、図3に示すように、スペーサ20は、圧電体10と積層された際に、インク流路33が画定可能なように、インク供給口35から連通したインク流路形成用切溝32が形成されている。インク流路33を形成するインク流路形成用切溝32の幅(キャビティー幅)は、例えば300μmから1800μmの範囲に設定される。
さらに、インク流路形成用切溝32の両側の辺には、4つの給電部配置用凹部21(21A、21B、21C、21D)が形成されている。給電部配置用凹部21には、圧電体10の電極14に電流を供給するための図示せぬ給電部が設けられる。スペーサ20と圧電体10との積層時に、当該給電部は電極14に隣接し、電極14に電流を供給する。圧電体10の電極14の数は合計4つのため、給電部配置用凹部21も4つ設けられている。ただし、電極14に電流を供給可能ならば、給電部配置用凹部21の配置場所は特に限定はされない。
スペーサ20の材料として、絶縁性樹脂、金属、セラミックス、無機材料等が用いられるが特に限定はされない。また、これらの材料は、単体で用いても良く、2種類以上の材料を複合化した複合体で用いても良い。
なお、スペーサ20の材料である絶縁性樹脂として、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、さらにこれらの複合樹脂等を用いることができる。
なお、スペーサ20の材料である熱可塑性樹脂として、例えば、ABS樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル等を用いることができる。
なお、スペーサ20の材料である熱硬化性樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂等を用いることができる。
なお、スペーサ20の材料である金属として、例えば、銅、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、SUS、コバール、42アロイ、鉄、チタン、クロム等の単体、又はそれらの合金を用いることができる。
なお、スペーサ20の材料であるセラミックスとして、例えば、ガラスセラミックや、アルミナ、ムライト、窒化アルミニウム、炭化珪素等を用いることができる。無機材料としては、例えば、Siや、SiO、炭素(カーバイト等を含む)等が含有された材料を用いることができる。
ここで、スペーサ20に用いる材料に要求される基本的な特性としては、(1)少なくともインク流路形成用切溝32が形成され得ること、(2)平坦性に優れること、(3)スペーサ20に用いる材料の表層に金属層が形成され得ること、である。
図2(a)に示すように、スペーサ20と圧電体10とが、それぞれ複数枚積層される。圧電体10は、板状に成形されたスペーサ20の両方の表面に接した状態で、スペーサ20に設けたインク流路形成用切溝32を塞ぐように配置され、スペーサ20に互いに接合される。すなわち、スペーサ20のインク流路形成用切溝32の上壁および底壁と、各圧電体10の対向する表面である側面とで囲まれた領域によってインク流路33が形成される。この両側面に電極14が露出している。
スペーサ20と圧電体10の接合には、半田、絶縁性接着剤、金属含有接着剤などを用いることができる。接着剤の形成方法としては、印刷、塗布、フィルムの貼り付け、スプレーによる噴射などが挙げられる。また、スペーサ20と圧電体10の接合には、いずれかの少なくとも一部に金属層を形成し、その金属層により接合を行う金属接合により行うこともできる。いずれにせよ、スペーサ20と圧電体10の接合方法は特定の種類のものには限定されない。
また、圧電体10には、図示せぬ給電部を除いた部分を被覆する絶縁保護膜を設けることもできる。絶縁保護膜は、Si、SiO等の無機膜や、エポキシ系樹脂やPIなどの有機膜から形成され、スパッタリング、CVD、塗布等の方法で圧電体上に設けられる。絶縁保護膜の厚さは、例えば0.05〜5μm程度に設定される。
本実施形態においては、圧電素子材料(キュリー点:210℃)を、厚み70±1μmの板状に加工する際、マルチワイヤーソー・ダインシングソー・ラッピング等の加工装置を用いた。この加工により作製された圧電体10の表面に、材料としてTi、Cr、Ni、Au、Ptを用いて、厚さ0.2μm以下の電極14をリフトオフなどのフォトリソ法用いて作製した。他の加工方法として、レーザー加工、エッチング、イオンミリング装置を用いても作製できる。また、圧電素子材料と熱膨張系数が近いSi材料(2〜3ppm)、Si材料を含んだシリカハイブリット低熱膨張PI材料ポミラン(4ppm)などをエッチングしスペーサ20を加工した。加工方法はレーザー、エッチング、ダイシング、放電加工、打ち抜きプレスなどが採用可能である。
電圧印加用の電極14(14A、14B、14C、14D)への電圧印加により、圧電体10が変形し、インク流路33の容積が変化する。インク流路33の容積が小さくなると、インク流路33内にあるインクが吐出される。また、インク流路33の容積が大きくなると、図示せぬインクタンクから新たなインクが供給される。
図4(a)は、インクジェットヘッド100内の圧電体10の平面図を示し、図2(a)の矢印A方向から見た図に相当する。図4(b)は、図2(a)の矢印B方向から見た図に相当し、インクジェットヘッド100内のインク流路33を示す。スペーサ20の図示は省略されている。また、図3と同様、インク供給口35の周辺部分の図示も省略されている。インクジェットヘッド100の先端にはノズルプレート40が装着され、インク流路33の最下流に対応する部分にノズル孔40aが設けられている。インク流路33を流れたインクはノズル孔40aからインク滴の形で吐出され、印刷対象物に付着する。
電極14(14A、14B、14C、14D)への電圧の印加により、圧電体10は変形するが、その変形方向は図4(b)の点線の波線B1、B2で示されるように、図2(a)の矢印A方向である。すなわち、インク流路33の長手方向であってインクが流れる方向(図4(a)の矢印A1、Aの方向)とは垂直方向に、圧電体10は変形する。
図4(b)に示すように、インク流路33の両側面に存在する電極14(14A、14B、14C、14D)への電圧の印加により、圧電体10は変形するが、その変形方向は図4(b)の点線の波線B1、B2で示されるように、図2(a)の矢印A方向である。すなわち、インク流路33の長手方向であってインクが流れる方向(図4(a)の矢印A1、Aの方向)とは垂直方向に、圧電体10は変形する。尚、図4(b)では、下流側においては、インク流路33の両側に電極14A1と電極14A2が示され、上流側においては電極14B1と電極14B2が示されている。ただし、図4(b)において紙面に垂直な方向における奥側には図示せぬ電極14C1と電極14C2が下流側に存在し、上流側においては電極14D1と電極14D2が存在する。
上述したように、インク流路におけるインクの流れに沿う方向(矢印A1、A2方向)において、電圧パルスの印加により圧電体10を振動させる電極が少なくとも二つ(電極14Aと14Bまたは電極14Cと14D)設けられる。インクの流れの上流側に電極14B、14D(上流側電極群)が存在し、これらの電極は、下流側の電極14A、14C(下流側電極群)の作用を補助する。すなわち、下流側の電極14A、14Cによる電圧印加に起因した圧電体10の変形により、インクには第1の圧力が加えられる。さらに、上流側の電極14B、14Dによる電圧印加に起因した圧電体10の変形により、インクには第2の圧力が加えられる。インクに対して第1の圧力のみならず、第2の圧力も作用することとなり、より強力な圧力をインクに与えることが可能となる。したがって、下流側の電極14A、14Cを主電極と位置付けた場合、上流側の電極14B、14Dは補助電極と位置付けられる。
図5は、図2(a)の矢印C方向から見たインクジェットヘッド内の圧電体10に印加される電圧による作用を説明する図である。圧電体10は、その製造時になされた分極処理(高電圧の印加により自発分極を与える処理)により、白矢印方向(図面上方向)で示した分極が生じている。そして、図4で説明した通り、圧電体10は、電極14が配置されている個所を中心として、電圧の印加により点線で示されているように変形する。
図5においては、インク流路33のうち、インク流路33Aについては容積が減少し、インク流路33Bについては容積が増大している。インク流路33Aの上側に位置した二つの対向した第1の下流側電極(第1の主電極)14A1、14A2は、(a)に示す順パルスをそれぞれの圧電体10A、10Bに印加する。このとき、第1の下流側電極(第1の主電極)14A1、14A2周辺の圧電体10の部分は、分極方向と同一方向に伸長する。一方、インク流路33Aの下側に位置した二つの対向した第2の下流側電極(第2の主電極)14C1、14C2は、(b)に示す反転パルスをそれぞれの圧電体10に印加する。このとき、第2の下流側電極(第2の主電極)14C1、14C2周辺の圧電体10の部分は、分極方向と逆方向に伸長する。
一方、インク流路33Bの上側に位置した二つの対向した第1の下流側電極(第1の主電極)14A3、14A4は、(b)に示す反転パルスをそれぞれの圧電体10B、10Cに印加する。このとき、第1の下流側電極(第1の主電極)14A3、14A4周辺の圧電体10の部分は、分極方向と逆方向に収縮する。一方、インク流路33Bの下側に位置した二つの対向した第2の下流側電極(第2の主電極)14C3、14C4は、(a)に示す順パルスをそれぞれの圧電体10に印加する。このとき、第2の下流側電極(第2の主電極)14C3、14C4周辺の圧電体10の部分は、分極方向と同一方向に収縮する。
以上のように、圧電体10には伸長または収縮というせん断応力が作用し、圧電体10はせん断変形する。そして各圧電体10にはその両側面において伸長および収縮という方向の異なるせん断応力が作用する結果、圧電体10にはそりが生じ、点線で示すように変形することとなる。本例では圧電体10A、10Cには右側へのそりが生じ、圧電体10Bには左側へのそりが生じている。この結果、本実施形態では、インク流路33Aとインク流路33Bのように、隣接したインク流路33は容積が減少と容積増大という逆の変形が生ずることとなる。
図6は、圧電体10の平面図であり、等高線により圧電体10の変形状態をも示している。下流側の電極(主電極)14A及び14Cによって引き起こされる圧電体10の変形は実線の等高線D1で示されており、図5で示したように紙面の表側または裏側に向けて、圧電体10が変形する。一方、上流側の電極(補助電極)14B、14Dによって引き起こされる圧電体10の変形は点線の等高線D2で示されており、図5で示したように紙面の表側または裏側に向けて、圧電体10が変形(せん断変形)する。基本的に等高線D1と等高線D2は、同じタイミングにおいては同じ方向に向かった等高線である。
特筆すべきは、一点鎖線で示したA−A線がインク流路33の長手方向に沿った中心線に該当し、等高線D1と等高線D2各々の中心、すなわち、二つの変形部分において最も大きく変位した部分が中心線A−A線上にあるということである。このような構成により、主電極14A及び14Cと補助電極14Bおよび14Dの相互作用の効果が高まると共に、インク滴の噴出制御が容易になる。
本実施形態においては、中心線A−A線が、第1の主電極14Aおよび第2の主電極14Cの中間位置並びに、補助電極14Bおよび補助電極14Dの中間位置にある。すなわち、等高線D1と等高線D2各々の中心、すなわち、二つの変形部分において最も大きく変位した部分が、二つの下流側電極の中間位置および二つの上流側電極の中間位置に存在する。
上記構成においては、ノズル孔40aの中心と、インク流路(オリフィス)33の中心を通る直線が、せん断変形による最大変位部分が対向する電極(電極14Aおよび14Cまたは電極14Bおよび14D)間の中心面に含まれる。さらに、下流側の電極(主電極)14A及び14Cと、上流側の電極(補助電極)14B、14Dが、インク流路33の長手方向に分割された状態で配置されている。したがって、インク流路33内において、上下左右の3次元方向に対称的に圧力波が偏りなく安定して発生し、インクの流れを制御することが容易となる。
図7は、実施の形態に係るインクジェットヘッド100を含むインクジェットプリンタ1000の一実施形態の回路図である。インクジェットプリンタ1000は、インクジェットヘッド100と、ステージ位置制御ドライバ200と、電源・ドライバ制御回路300と、ヘッドドライバ400と、インクタンクセンサ500と、ノズルクリーニング回路600と、負圧制御・液循環制御回路700と、ステージ800とを備える。
電源・ドライバ制御回路300はステージ800の位置信号を受信するとともに、種々の動作信号に基づきインクジェットプリンタ1000の全体制御を司る。ステージ位置制御ドライバ200はステージ800の位置を検知するとともに、電源・ドライバ制御回路300にステージ800の位置信号を送出する。電源・ドライバ制御回路300は、ステージ800にステージ駆動信号を送出する。ステージ800には印刷の対象となる対象物が載置され、ステージ駆動信号に基づき、ステージ800はインクジェットヘッド100からの所定位置に移動する。
電源・ドライバ制御回路300は、ノズルのクリーニング信号をノズルクリーニング回路600に送出する。ノズルクリーニング回路600は、ノズルのクリーニング信号を受け取ると、所定の洗浄液によるノズルプレート40の洗浄作用やインクジェットヘッド100内の減圧作用、インクジェットヘッド100への送風などにより、インクジェットヘッド100の洗浄を行う。
さらに電源・ドライバ制御回路300は、ヘッドドライバ400にヘッドドライバ信号を送出する。受信したヘッドドライバ信号に基づき、ヘッドドライバ400は、インクジェットヘッド100の動作を制御する。インクジェットヘッド100を駆動するための駆動プログラムは、一般的にヘッドドライバ400にインストールされているが、プログラムのインストールされる部位や記憶装置は特に限定はされない。
さらに電源・ドライバ制御回路300は、負圧制御・液循環制御回路700に、インク制御信号を送出する。インク制御信号を受領したインクタンクセンサ500は、インクタンクのインクを所定の空気圧により制御し、インクジェットヘッド100にインクを供給する。
図8(a)は主電極(下流側電極)14A、14Cが、圧電体10に印加する電圧パルスのタイミングチャートであり、図8(b)は補助電極(上流側電極)14B、14Dが、圧電体10に印加する電圧パルスのタイミングチャートである。図8(c)は電圧パルスが充足する基本的な要件、図8(d)は、電圧パルスが充足する好ましい要件を示す。図8(e)は図8(a)の一つの電圧パルスの詳細を示す図であり、図8(f)は図8(b)の一つの電圧パルスの詳細を示す図である。
本タイミングチャートでは、プラス(+)側への電圧の印加は、圧電体10の電圧被印加部分の伸長または収縮により、インク流路33の容積を増大、すなわち膨張させるための膨張パルスであると定義される。一方、マイナス(−)側への電圧の印加は、圧電体10の電圧被印加部分の伸長または収縮により、インク流路33の容積を減少、すなわち収縮させるための収縮パルスであると定義される。印加電圧ゼロにおいて、圧電体10は伸長も収縮もしていない、中立状態である。
ただし、プラス(+)側電圧およびマイナス(−)側電圧と、インク流路33の膨張および収縮の関係は固定的なものではなく、逆の関係も存在する(プラス側電圧のとき収縮で、マイナス側電圧のとき膨張)。とにかく、プラス(+)側電圧の印加時とマイナス(−)側電圧の印加時とでは、圧電体10の状態が変形のない中立状態とは異なる。
電圧パルスは、圧電体10の電圧被印加部分を中立状態から最大まで伸長または収縮した第1の最大変形状態(本図では最大まで伸長)まで変形させる第1のピークと、圧電体10の電圧被印加部分を中立状態から第1の最大変形状態とは全く逆の第2の最大変形状態(本図では最大まで収縮)まで変形させる第2のピークとを含んでいる。印加電圧が第1のピークからゼロを通過して第2のピークまで変化することで、圧電体10の電圧被印加部分は伸長または収縮状態から中立状態を経て、収縮または伸長状態となり、これの繰り返しにより圧電体10は振動することとなる。そして、インク流路33も膨張と収縮を繰り返すことになる。
主電極14A、14Cが、圧電体10に印加する電圧パルスの一周期の時間長さ(波長)がλであり、補助電極14B、14Dが、圧電体10に印加する電圧パルスの一周期の時間長さ(波長)がλである。このとき、本実施形態では、λ≧λの関係が成立する(図8(c))。
ここで、主電極14A、14Cが、圧電体10に印加する電圧パルスについて、図8(a)、図8(e)より、以下のように詳細が定義される。
:膨張パルスの印加開始時刻
1a:膨張パルスの減少開始時刻
:印加電圧がゼロになる時刻および収縮パルスの印加開始時刻
1b:収縮パルスの安定化開始時刻
:印加電圧がゼロになる時刻および収縮パルスの印加終了時刻
上記の定義によれば、T<T1a≦T≦T1b<Tが成立する(図8(c))。
また、補助電極14B、14Dが、圧電体10に印加する電圧パルスについて、図8(b)、図8(f)より、以下のように詳細が定義される。
:膨張パルスの印加開始時刻
1a:膨張パルスの減少開始時刻
:印加電圧がゼロになる時刻および収縮パルスの印加開始時刻
1b:収縮パルスの安定化開始時刻
:印加電圧がゼロになる時刻および収縮パルスの印加終了時刻
上記の定義によれば、t<t1a≦t≦t1b<tが成立する(図8(c))。
また、主電極14A、14Cが、圧電体10に印加する電圧パルスは、補助電極14B、14Dが、圧電体10に印加する電圧パルスより先に開始するので、t>T=0の式が成立する(図8(c))。
さらに、補助電極14B、14Dが、圧電体10に印加する電圧パルスは、主電極14A、14Cが、圧電体10に印加する電圧パルスより先に終了するので、T>tの式が成立する(図8(c))。
さらに詳細な設定条件として、例えば、補助電極における膨張パルスの減少開始時刻(t1a)が、主電極における膨張パルスの減少開始時刻(T1a)と同じか少なくとも後で(t1aがT1aと同じかまたはt1aがT1aより後)、かつ主電極における収縮パルスの安定化開始時刻(T1b)と同じか少なくとも先である(t1aがT1bと同じかまたはt1aがT1bより先)ように制御することができる。すなわち、T1a≦t1a≦T1bの関係が成立するように制御することができる(図8(d))。
また、さらに詳細な設定条件として、例えば、補助電極における印加電圧がゼロになる時刻および収縮パルスの印加開始時刻(t)が、主電極における印加電圧がゼロになる時刻および収縮パルスの印加開始時刻(T)と同じか少なくとも後(tがTと同じかまたはtがTより後)であるように制御することができる。すなわち、t≧Tの関係が成立するように制御することができる(図8(d))。
また、さらに詳細な設定条件として、例えば、また、補助電極が、圧電体10に印加する電圧パルスの一周期の時間長さ(波長)は、主電極が圧電体10に印加する電圧パルスの一周期の時間長さ(波長)の1/3以上かつ2/3以下であるように制御することができる。すなわち、1/3λ≦λ≦2/3λの関係が成立するように制御することができる(図8(d))。
上記の条件下にあっては、主電極により印加される電圧パルスの1周期の間に、補助電極により印加される電圧パルスの1周期が開始し、終了する。言い換えると、インクの流れの下流側に設けられた主電極14A、14Cにより電圧パルスが印加される間に、インクの流れの上流側に設けられた補助電極14B、14Dにより電圧パルスが印加される。
主電極14A、14C(下流電極群)と、補助電極14B、14D(上流電極群)は、いずれの電極群も個別に信号制御され、独立してインクを吐出できる関係にある。しかしながら、インク内の圧力波生成においてノズル孔40aまでの距離条件が異なっている。この条件下で、インク流路33内における弱めあう干渉やミストなどの不具合を発生させるクロストークを防止するため、主電極14A、14C(下流電極群)と、補助電極14B、14Dそれぞれの同じ電圧印加による同じ波形にて同時変位させるのでなく、例えば、図8(c)、(d)のような関係で電圧を印加することが考えられる。複数の電極群において駆動の「押し引き」(インク流路33の収縮と膨張)時に相互に弱めあったりせず、最大限効率よくインク滴の吐出を向上させることができる。
また、二つの電圧パルスの組み合わせを調整することで(パルスの大きさの関係、時間軸上の関係等の調整)、種々のインク滴の態様を得ることができ、インクの種類、印刷対象物の種類、印刷環境(温度、湿度、圧力その他)といった、印刷の諸条件の変動に合わせて最適なインク滴の吐出を行うことが可能となる。したがって、今後さらなる進展、拡大が見込まれる、インクジェットプリンタの用途、適用産業分野にも順難に可能なインクジェットヘッド、その駆動方法が提供される。
図7の実施形態を用いて、インク滴の吐出性実験を行った。吐出性評価は、電圧、周波数、デューティ比、吐出間隔を一定とした高速カメラ撮影による標準吐出液の液滴吐出速度の測定により行われた。ここで、標準液はブタノールであり、粘度が3cp、表面張力が25×10−5N、密度が0.81(g/cm)、沸点117℃のものを用いた。
インク滴の吐出において、消費電力を引く抑えるため駆動電圧を下げたり、対象物への塗布効率を上げるためには吐出間隔を短くすることが望まれる。このような性能項目を見極める手段として、標準吐出液の電圧と直進性(速度)の関係を計測した。
電極の比較例として、電極をインク流路にそった全長方向に分割せず作製したヘッドの場合、信号を100μs間隔で電圧10〜20V、周波数25kHzの波形信号を入力した場合の標準吐出液(ブタノール)の吐出速度評価を実施した。1Vあたりの吐出速度(m/s)は、0.4m/sとなった。
一方、全長方向に2分割に電極を分割し、下流側電極と上流側電極に分割し、下流側電極の信号条件を上記と同じままとし、上流側電極の信号条件における周波数を50〜60kHzとした。そして、下流側電極に対し、上流側電極の「押し引き」(収縮・拡張)部分のタイミングを最大10μs以内遅れに合わせて調整した場合、結果は0.5m/Vとなり、一つの電極の場合に比較して、よい吐出性が得られた。
本実施形態によれば、1区画の圧力室(一つのインク流路)に対して、個別に駆動制御される分離した少なくとも二つの電極が設けられる。したがって、例えば、主たる役割をなす下流側電極をインク滴吐出のために通常通り駆動し、当該下流側電極の駆動を補助するため、上流側電極を一時的に使用することもできる。また、下流側電極は、圧力室(インク流路)への液のリフィル(充填供給)不足による不安定吐出状態を調整する内圧調整器の代替としても使用することが可能である。
また、本実施形態においては、ノズル孔の中心、各電極による最大変位部、インク流路が一直線上に配置されているため、インク供給口からのインクの流れを乱さず効率的にインクを吐出させることができる。
また、駆動波形の位相、タイミング、駆動電圧・周波数・DUTY比等のパラメータを最適に制御することにより、従来の波形制御に比べ、インクの吐出効率を向上させ、従来方式にて常温で吐出できなかった高粘度液や高速での直進性が得られなかった液体等を吐出させることができる。
なお、個別に電極を駆動させた場合、駆動させていない電極はインク流路の吐出時圧力の計測器としても使用可能である。また、駆動していない時は一方の電極にて液に常時微動を与えノズルの固化を防止する振動を与えることで、待機中におけるノズルつまりを防ぐことが出来る。
本実施形態では、主電極(下流側電極)として二つの電極14A、14Cが設けられ、補助電極(上流側電極)として二つの電極14B、14Dが設けられている。ただし、主電極(下流側電極)として一つの電極14Aを設け、補助電極(上流側電極)として一つの電極14Bを設けた場合も、所定の効果が得られる。また、インクの流れ方向に三つ以上の電極を設けた場合も、同様の効果が得られる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態において示された事項に限定されず、特許請求の範囲及び明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更又は応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
10 圧電体
12 振動板
14(14A、14B、14C、14D) 電圧印加用電極
20 スペーサ
21(21A、21B、21C、21D) 給電部配置用凹部
32 インク流路形成用切溝
33 インク流路
35 インク供給口
40 ノズルプレート
100 インクジェットヘッド
200 ステージ位置制御ドライバ
300 電源・ドライバ制御回路
400 ヘッドドライバ
500 インクタンクセンサ
600 ノズルクリーニング回路
700 負圧制御・液循環制御回路
800 ステージ
1000 インクジェットプリンタ

Claims (8)

  1. スペーサと圧電体が交互に積層された積層体から構成されるインクジェットヘッドであって、
    前記スペーサに設けられた溝と前記圧電体により、インク流路が画定され、
    前記インク流路におけるインクの流れに沿う方向において、電圧パルスの印加により前記圧電体を振動させる電極が少なくとも二つ設けられ、
    前記少なくとも二つの電極のうち、インクの流れの下流側に設けられた下流側電極により電圧パルスが印加される間に、インクの流れの上流側に設けられた上流側電極により電圧パルスが印加される、
    インクジェットヘッド。
  2. 請求項1に記載のインクジェットヘッドであって、
    電圧パルスが、前記圧電体の電圧被印加部分を中立状態から第1の最大変形状態に変形させる第1のピークと、前記圧電体の電圧被印加部分を中立状態から第2の最大変形状態に変形させる第2のピークとを含み、
    前記上流側電極における第1のピークの減少開始時刻t1aが、前記下流側電極における第1のピークの減少開始時刻T1aと同じか少なくとも後で、かつ前記下流側電極における第2のピークの安定化開始時刻T1bと同じか少なくとも先である、インクジェットヘッド。
  3. 請求項1に記載のインクジェットヘッドであって、
    電圧パルスの一周期の間において、前記上流側電極における印加電圧がゼロになる時刻tが、前記下流側電極における印加電圧がゼロになる時刻Tと同じか少なくとも後である、インクジェットヘッド。
  4. 請求項1に記載のインクジェットヘッドであって、
    前記上流側電極の電圧パルスの一周期の時間長さλと、前記下流側電極の電圧パルスの一周期の時間長さλが、1/3λ≦λ≦2/3λの関係を充足する、インクジェットヘッド。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドであって、
    前記下流側電極は、前記インク流路におけるインクの流れに沿う方向と垂直な方向に並ぶように配置された、第1の下流側電極と第2の下流側電極とを含み、
    前記上流流側電極は、前記インク流路におけるインクの流れに沿う方向と垂直な方向に並ぶように配置された、第1の上流側電極と第2の上流側電極とを含む、インクジェットヘッド。
  6. スペーサと圧電体が交互に積層された積層体から構成されるインクジェットヘッドであって、
    前記スペーサに設けられた溝と前記圧電体により、インク流路が確定され、
    前記インク流路におけるインクの流れに沿う方向において、インクの流れの下流側に設けられた下流側電極と、インクの流れの上流側に設けられた上流側電極とが少なくとも設けられ、
    前記下流側電極は、前記インク流路におけるインクの流れに沿う方向と垂直な方向に並ぶように配置された、第1の下流側電極と第2の下流側電極とを含み、
    前記上流流側電極は、前記インク流路におけるインクの流れに沿う方向と垂直な方向に並ぶように配置された、第1の上流側電極と第2の上流側電極とを含み、
    前記第1の下流側電極および前記第2の下流側電極によって引き起こされる前記圧電体の最大変位位置と、前記第1の上流側電極および前記第2の上流側電極によって引き起こされる前記圧電体の最大変位位置とが、前記インク流路の長手方向に沿った中心線上に存在する、インクジェットヘッド。
  7. スペーサと圧電体が交互に積層された積層体から構成されるインクジェットヘッドの駆動方法であって、
    前記インクジェットヘッドにおいて、前記スペーサに設けられた溝と前記圧電体により、インク流路が画定され、前記インク流路におけるインクの流れに沿う方向において、電圧パルスの印加により前記圧電体を振動させる電極が少なくとも二つ設けられ、
    前記少なくとも二つの電極のうち、インクの流れの下流側に設けられた下流側電極により電圧パルスを前記圧電体に印加する間に、インクの流れの上流側に設けられた上流側電極により電圧パルスを前記圧電体に印加する、
    インクジェットヘッドの駆動方法。
  8. スペーサと圧電体が交互に積層された積層体から構成されるインクジェットヘッドを駆動するための駆動プログラムであって、
    前記インクジェットヘッドにおいて、前記スペーサに設けられた溝と前記圧電体により、インク流路が画定され、前記インク流路におけるインクの流れに沿う方向において、電圧パルスの印加により前記圧電体を振動させる電極が少なくとも二つ設けられ、
    前記少なくとも二つの電極のうち、インクの流れの下流側に設けられた下流側電極により電圧パルスを前記圧電体に印加させる間に、インクの流れの上流側に設けられた上流側電極により電圧パルスを前記圧電体に印加させる、
    インクジェットヘッドの駆動プログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015150855A (ja) * 2014-02-18 2015-08-24 セイコーインスツル株式会社 液体吐出装置

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