JP6201841B2 - 熱線遮蔽材の製造方法 - Google Patents
熱線遮蔽材の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6201841B2 JP6201841B2 JP2014055751A JP2014055751A JP6201841B2 JP 6201841 B2 JP6201841 B2 JP 6201841B2 JP 2014055751 A JP2014055751 A JP 2014055751A JP 2014055751 A JP2014055751 A JP 2014055751A JP 6201841 B2 JP6201841 B2 JP 6201841B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- metal oxide
- coated
- particles
- plate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Optical Filters (AREA)
- Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
Description
予めコアとなるマイカ粒子(板状無機粒子)100gを、容器に貯留した500ミリリットルの水に添加してビーズミルで60分間撹拌してスラリーを調製し、このスラリーに、塩化インジウム(InCl3)水溶液(In金属濃度24%)と、二塩化錫(SnCl2・2H2O)とを質量比でIn:Sn=9:1となるように混合して得られた混合水溶液を200g用意した。ここで、マイカ粒子(板状無機粒子)の平均長径、平均短径及び平均厚さはそれぞれ0.05μm、0.02μm及び8nmであった。先ず上記混合水溶液とアンモニア水溶液(濃度28%)とを同時に滴下し、pHが6〜8の間になるように調整しながら、30℃の液温で30分間反応させることにより、沈殿物(In/Sn共沈水酸化物)を生成した。次いで上記沈殿物に対しイオン交換水を用いたデカンテーションを8回繰返して不純物を除去した。この不純物が除去された沈殿物を濾別し、大気中で120℃の温度に24時間保持して乾燥することにより、マイカ粒子(板状無機粒子)の表面をインジウム錫水酸化物膜で被覆した水酸化物被覆粒子を得た。次にこの水酸化物被覆粒子25gをガラスシャーレに入れ、大気中で330℃の温度に2時間保持する焼成を行って、水酸化物をITOに転換させ、マイカ粒子表面がITO膜で被覆された金属酸化物被覆粒子を得た。そしてN2ガスとH2ガスを質量比で97:3に混合した混合ガスを上記ガラスシャーレ内に0.5リットル/分の流量で流通させた還元雰囲気中で、330℃の温度に2時間保持する熱処理を行うことにより、上記金属酸化物被覆粒子を均一に還元した(還元処理)。更にこの還元した金属酸化物被覆粒子(熱線遮蔽材)20gを、MEK(メチルエチルケトン)とソルスパース20000(リューブリゾル社製の分散媒)とアクリル樹脂の混合液20gに入れて分散させ、この分散液をMEK(メチルエチルケトン)で固形分10%に希釈した後に、この希釈した分散液を回転速度1000rpmのスピンコートによりガラス基板(縦及び横がそれぞれ5cmである正方形状であって厚さが0.7mmである無アルカリガラス(全光線透過率=92%))上にコーティングして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を実施例1とした。なお、上記金属酸化物被覆粒子(熱線遮蔽材)において、ITO膜(金属酸化物膜)による板状無機粒子表面の被覆割合は85%であり、ITO膜(金属酸化物膜)の平均厚さは50nmであった。ここで、ITO膜(金属酸化物膜)による板状無機粒子表面の被覆割合はSEM−EDS法により測定し、ITO膜(金属酸化物膜)の平均厚さはSEM法により測定した。
予めマイカ粒子(板状無機粒子)100gを、容器に貯留した500ミリリットルの水に添加してビーズミルで60分間撹拌し、スラリーを調製した。また塩化錫(SnCl2)水溶液(Sn金属濃度55%)と、塩化アンチモン(SbCl3)水溶液(金属濃度60%)とを質量比でSn:Sb=9:1となるように混合して200gの混合水溶液を調製した。先ず上記スラリー中に、上記混合水溶液と水酸化ナトリウム水溶液(濃度35%)とを同時に滴下し、pHが3〜4の間になるように調整しながら、25℃の液温で60分間反応させることにより、沈殿物(Sb/Sn共沈水酸化物)を生成した。次いで上記沈殿物に対しイオン交換水を用いたデカンテーションを、沈殿物の電気伝導度が0.4mS/cm未満になるまで繰返して、不純物を除去した。この不純物が除去された沈殿物を濾別し、大気中で110℃の温度に12時間保持して乾燥することにより、マイカ粒子(板状無機粒子)の表面をアンチモン錫水酸化物膜で被覆した水酸化物被覆粒子を得た。次にこの水酸化物被覆粒子25gを石英管状炉に入れ、大気中で650℃の温度に2時間保持する焼成を行った後、アトマイザー粉砕を行って、水酸化物をATOに転換させ、マイカ粒子表面がATO膜で被覆された金属酸化物被覆粒子を得た。そして水蒸気とアンモニアガスを質量比で9:1に混合した混合気を上記石英管状炉内に0.5リットル/分の流量で流通させた還元雰囲気中で、330℃の温度に2時間保持する熱処理を行うことにより、上記金属酸化物被覆粒子を均一に還元した(還元処理)。更にこの還元した金属酸化物被覆粒子(熱線遮蔽材)20gを、実施例1と同様に、MEK(メチルエチルケトン)とソルスパース20000(リューブリゾル社製の分散媒)とアクリル樹脂の混合液20gに入れて分散させ、この分散液をMEK(メチルエチルケトン)で固形分10%に希釈した後に、この希釈した分散液を回転速度1000rpmのスピンコートによりガラス基板(縦及び横がそれぞれ5cmである正方形状であって厚さが0.7mmである無アルカリガラス(全光線透過率=92%))上にコーティングして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を実施例2とした。なお、上記金属酸化物被覆粒子(熱線遮蔽材)において、ATO膜(金属酸化物膜)による板状無機粒子表面の被覆割合は80%であり、ATO膜(金属酸化物膜)の平均厚さは70nmであった。
予めマイカ粒子(板状無機粒子)100gを、容器に貯留した500ミリリットルの水に添加してビーズミルで60分間撹拌し、スラリーを調製した。また上記の容器とは別の容器にpH2に調整したクエン酸水溶液を貯留し、このクエン酸水溶液にパラタングステン酸アンモニウムを添加し撹拌して完全に溶解させた後、この溶解液に濃度28%のアンモニア水溶液を添加することにより、タングステン錯体溶液を調製した。先ずこのタングステン錯体溶液をエバポレータで濃縮した後に、この濃縮したタングステン錯体溶液と上記スラリーとを混合して、1時間静置して沈殿物(タングステン錯体)を得た。この沈殿物を、大気中で140℃の温度に5時間保持して乾燥することにより、マイカ粒子(板状無機粒子)の表面をタングステン錯体膜で被覆した錯体被覆粒子を得た。次にこの錯体被覆粒子を乳鉢で粉砕した後に、この錯体被覆粒子50gを磁性るつぼに入れ、大気中で520℃の温度に1時間保持する焼成を行って、タングステン錯体を酸化タングステンに転換させ、マイカ粒子表面がWO3膜で被覆された金属酸化物被覆粒子を得た。そしてWO3膜で被覆された金属酸化物被覆粒子を石英管状炉に入れ、N2ガスをこの石英管状炉内に0.5リットル/分の流量で流通させた還元雰囲気中で、500℃の温度に2時間保持する熱処理を行うことにより、上記金属酸化物被覆粒子を均一に還元した(還元処理)。更にこの還元した金属酸化物被覆粒子(熱線遮蔽材)を市販のアクリル塗料に添加し、このアクリル塗料をビーズ入りのペイントシェーカで60分間撹拌し、このアクリル塗料をエタノールで固形分10%に希釈した後、この希釈したアクリル塗料を回転速度1000rpmのスピンコートによりガラス基板(縦及び横がそれぞれ5cmである正方形状であって厚さが0.7mmである無アルカリガラス(全光線透過率=92%))上にコーティングすることにより、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を実施例3とした。なお、上記金属酸化物被覆粒子(熱線遮蔽材)において、WO3膜(金属酸化物膜)による板状無機粒子表面の被覆割合は85%であり、WO3膜(金属酸化物膜)の平均厚さは70nmであった。
予めマイカ粒子(板状無機粒子)100gを、容器に貯留した500ミリリットルの水に添加してビーズミルで60分間撹拌し、スラリーを調製した。先ずこのスラリーを90℃に加熱した後に、このスラリーに、塩化錫(SnCl2)水溶液(Sn金属濃度55%)と、1Nに希釈した水酸化ナトリウム水溶液とを同時に滴下し、pHが3〜4の間になるように調整しながら、反応させることにより、沈殿物(錫水酸化物)を生成した。なお、上記滴下時間は25分間であった。次いで上記沈殿物に対しイオン交換水を用いたデカンテーションを8回繰返して不純物を除去した。この不純物が除去された沈殿物を濾別し、大気中で120℃の温度に12時間保持して乾燥することにより、マイカ粒子(板状無機粒子)の表面を錫水酸化物膜で被覆した水酸化物被覆粒子を得た。次にこの水酸化物被覆粒子25gを石英管状炉に入れ、大気中で650℃の温度に2時間保持する焼成を行って、錫水酸化物を酸化錫に転換させ、マイカ粒子表面がSnO2膜で被覆された金属酸化物被覆粒子を得た。そしてN2ガスとアンモニアガスを質量比で9:1に混合した混合ガスを上記石英管状炉内に0.5リットル/分の流量で流通させた還元雰囲気中で、500℃の温度に2時間保持する熱処理を行うことにより、上記金属酸化物被覆粒子を均一に還元した(還元処理)。更にこの還元した金属酸化物被覆粒子(熱線遮蔽材)を、実施例3と同様に、市販のアクリル塗料に添加し、このアクリル塗料をビーズ入りのペイントシェーカで60分間撹拌し、このアクリル塗料をエタノールで固形分10%に希釈した後、この希釈したアクリル塗料を回転速度1000rpmのスピンコートによりガラス基板(縦及び横がそれぞれ5cmである正方形状であって厚さが0.7mmである無アルカリガラス(全光線透過率=92%))上にコーティングすることにより、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を実施例4とした。なお、上記金属酸化物被覆粒子(熱線遮蔽材)において、SnO2膜(金属酸化物膜)による板状無機粒子表面の被覆割合は90%であり、SnO2膜(金属酸化物膜)の平均厚さは75nmであった。
ITO膜で被覆された金属酸化物被覆粒子の焼成後の熱処理を、N2ガスのみを0.5リットル/分の流量で流通させた不活性ガス雰囲気中で行ったこと以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を比較例1とした。
ITO膜で被覆された金属酸化物被覆粒子の焼成後の熱処理を、水蒸気のみを0.5リットル/分の流量で流通させた水蒸気雰囲気中で行ったこと以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を比較例2とした。
ITO膜で被覆された金属酸化物被覆粒子の焼成後の熱処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を比較例3とした。
ATO膜で被覆された金属酸化物被覆粒子の焼成後の熱処理を、N2ガスのみを0.5リットル/分の流量で流通させた不活性ガス雰囲気中で行ったこと以外は、実施例2と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を比較例4とした。
ATO膜で被覆された金属酸化物被覆粒子の焼成後の熱処理を、水蒸気のみを0.5リットル/分の流量で流通させた水蒸気雰囲気中で行ったこと以外は、実施例2と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を比較例5とした。
ATO膜で被覆された金属酸化物被覆粒子の焼成後の熱処理を行わなかったこと以外は、実施例2と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を比較例6とした。
WO3膜で被覆された金属酸化物被覆粒子の焼成後の熱処理を、N2ガスのみを0.5リットル/分の流量で流通させた不活性ガス雰囲気中で行ったこと以外は、実施例3と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を比較例7とした。
WO3膜で被覆された金属酸化物被覆粒子の焼成後の熱処理を、水蒸気のみを0.5リットル/分の流量で流通させた水蒸気雰囲気中で行ったこと以外は、実施例3と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を比較例8とした。
WO3膜で被覆された金属酸化物被覆粒子の焼成後の熱処理を行わなかったこと以外は、実施例3と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を比較例9とした。
SnO2膜で被覆された金属酸化物被覆粒子の焼成後の熱処理を、N2ガスのみを0.5リットル/分の流量で流通させた不活性ガス雰囲気中で行ったこと以外は、実施例4と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を比較例10とした。
SnO2膜で被覆された金属酸化物被覆粒子の焼成後の熱処理を、水蒸気のみを0.5リットル/分の流量で流通させた水蒸気雰囲気中で行ったこと以外は、実施例4と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を比較例11とした。
SnO2膜で被覆された金属酸化物被覆粒子の焼成後の熱処理を行わなかったこと以外は、実施例4と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を比較例12とした。
実施例1〜4及び比較例1〜12のガラス基板上に形成された膜の光学特性をそれぞれ測定した。具体的には、上記膜の可視光線透過率、日射透過率及び反射率をそれぞれ測定した。具体的には、先ず積分球式分光光度計(日立ハイテクノロジー社製:U−4100型)を用いて、上記膜の透過率及び反射率(波長200nm〜2600nm)をそれぞれ測定した。次に可視光線透過率(TV)をJIS規格(JIS R 3216−1998)に従い、380nm〜780nmの透過率から算出し、日射透過率(TS)をJIS規格(JIS R 3216−1998)に従い、300nm〜2500nmの透過率から算出した。これらの結果を、金属酸化物膜の種類、還元処理の有無及び還元処理時の雰囲気とともに、表1に示す。なお、表1において、反射率は波長1000nm及び1600nmにおける反射率をそれぞれ記載した。また、波長1000nm及び1600nmの電磁波は赤外光(波長780nm以上の電磁波)に含まれる。
ITO膜(金属酸化物膜)による板状無機粒子表面の被覆割合が60%であり、ITO膜(金属酸化物膜)の平均厚さが70nmであったこと以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を実施例5とした。
ITO膜(金属酸化物膜)による板状無機粒子表面の被覆割合が80%であり、ITO膜(金属酸化物膜)の平均厚さが70nmであったこと以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を実施例6とした。
ITO膜(金属酸化物膜)による板状無機粒子表面の被覆割合が100%であり、ITO膜(金属酸化物膜)の平均厚さが70nmであったこと以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を実施例7とした。
ITO膜(金属酸化物膜)による板状無機粒子表面の被覆割合が80%であり、ITO膜(金属酸化物膜)の平均厚さが50nmであったこと以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を実施例8とした。
ITO膜(金属酸化物膜)による板状無機粒子表面の被覆割合が80%であり、ITO膜(金属酸化物膜)の平均厚さが100nmであったこと以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を実施例9とした。
ATO膜(金属酸化物膜)による板状無機粒子表面の被覆割合が60%であり、ATO膜(金属酸化物膜)の平均厚さが70nmであったこと以外は、実施例2と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を実施例10とした。
ATO膜(金属酸化物膜)による板状無機粒子表面の被覆割合が100%であり、ATO膜(金属酸化物膜)の平均厚さが70nmであったこと以外は、実施例2と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を実施例11とした。
ATO膜(金属酸化物膜)による板状無機粒子表面の被覆割合が80%であり、ATO膜(金属酸化物膜)の平均厚さが50nmであったこと以外は、実施例2と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を実施例12とした。
ATO膜(金属酸化物膜)による板状無機粒子表面の被覆割合が80%であり、ATO膜(金属酸化物膜)の平均厚さが70nmであったこと以外は、実施例2と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を実施例13とした。
ATO膜(金属酸化物膜)による板状無機粒子表面の被覆割合が80%であり、ATO膜(金属酸化物膜)の平均厚さが100nmであったこと以外は、実施例2と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を実施例14とした。
ITO膜(金属酸化物膜)による板状無機粒子表面の被覆割合が57%であり、ITO膜(金属酸化物膜)の平均厚さが70nmであったこと以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を比較例13とした。
ITO膜(金属酸化物膜)による板状無機粒子表面の被覆割合が80%であり、ITO膜(金属酸化物膜)の平均厚さが47nmであったこと以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を比較例14とした。
ATO膜(金属酸化物膜)による板状無機粒子表面の被覆割合が57%であり、ATO膜(金属酸化物膜)の平均厚さが70nmであったこと以外は、実施例2と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を比較例15とした。
ATO膜(金属酸化物膜)による板状無機粒子表面の被覆割合が80%であり、ATO膜(金属酸化物膜)の平均厚さが47nmであったこと以外は、実施例2と同様にして、ガラス基板上に厚さ約200nmの膜を形成した。この膜を比較例16とした。
実施例5〜14及び比較例13〜16のガラス基板上に形成された膜の光学特性をそれぞれ比較試験1と同様に測定した。これらの結果を、金属酸化物膜の種類、被覆割合及び平均厚さとともに、表2に示す。
表2から明らかなように、膜の平均厚さが70nmと十分であっても、膜による被覆割合が57%と少ない比較例13では、波長1600nmにおける膜の反射率が34%と低かった。これに対し、膜の平均厚さが70nmと十分であり、膜による被覆割合が60〜100%と大きい実施例5〜7では、TV/TSは比較例13と同程度の1.3〜1.4であったけれども、波長1600nmにおける膜の反射率が49〜63%と高くなった。これらのことから、被覆割合が高くなるほど波長1600nmにおける膜の反射率が高くなり、特に、膜による被覆割合を好ましい80%以上にすると、波長1600nmにおける膜の反射率が54%以上と極めて高くなることが分かった。また、膜による被覆割合が80%と十分であっても、膜の平均厚さが47nmと薄い比較例14では、波長1600nmにおける反射率が32%と低かった。これに対し、膜による被覆割合が80%と十分であり、膜の平均厚さが50nm〜100nmと厚い実施例6、9及び10では、TV/TSは比較例14と同程度の1.3〜1.4であったけれども、波長1600nmにおける反射率が49〜58と高くなった。これらのことから、膜の平均厚さを厚くするほど波長1600nmにおける膜の反射率が高くなり、特に、膜の平均厚さを好ましい70nm以上にすると、波長1600nmにおける膜の反射率が54%以上と極めて高くなることが分かった。
表2から明らかなように、膜の平均厚さが70nmと十分であっても、膜による被覆割合が57%と少ない比較例15では、波長1600nmにおける膜の反射率が28%と低かった。これに対し、膜の平均厚さが70nmと十分であり、膜による被覆割合が60〜100%と大きい実施例10、11及び13では、TV/TSは比較例15と同程度の1.1〜1.3であったけれども、波長1600nmにおける膜の反射率が38〜47%と高くなった。これらのことから、被覆割合が高くなるほど波長1600nmにおける膜の反射率が高くなり、特に、膜による被覆割合を好ましい80%以上にすると、波長1600nmにおける膜の反射率が41%以上になることが分かった。また、膜による被覆割合が80%と十分であっても、膜の平均厚さが47nmと薄い比較例16では、波長1600nmにおける反射率が25%と低かった。これに対し、膜による被覆割合が80%と十分であり、膜の平均厚さが50nm〜100nmと厚い実施例12〜14では、TV/TSは比較例15と同程度の1.3〜1.4であったけれども、波長1600nmにおける反射率が35〜52と高くなった。これらのことから、膜の平均厚さを厚くするほど波長1600nmにおける膜の反射率が高くなり、特に、膜の平均厚さを好ましい70nm以上にすると、波長1600nmにおける膜の反射率が41%以上になることが分かった。
11 板状無機粒子
12 金属酸化物膜
Claims (3)
- 板状無機粒子の表面を透明導電性のある金属酸化物膜で被覆した金属酸化物被覆粒子を還元処理する工程を含み、
前記金属酸化物膜による前記板状無機粒子表面の被覆割合が60〜100%であり、
前記金属酸化物膜の平均厚さが少なくとも50nmである熱線遮蔽材の製造方法。 - 前記還元処理を行う雰囲気が、アンモニアガス、一酸化炭素ガス及び水素ガスからなる群より選ばれた1種又は2種以上のガスを含む雰囲気である請求項1記載の熱線遮蔽材の製造方法。
- 前記板状無機粒子の平均長径が0.05〜10μmであり、前記板状無機粒子の平均短径が0.01〜5μmであり、前記板状無機粒子の平均厚さが5〜20nmである請求項1又は2記載の熱線遮蔽材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014055751A JP6201841B2 (ja) | 2014-03-19 | 2014-03-19 | 熱線遮蔽材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014055751A JP6201841B2 (ja) | 2014-03-19 | 2014-03-19 | 熱線遮蔽材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015179139A JP2015179139A (ja) | 2015-10-08 |
JP6201841B2 true JP6201841B2 (ja) | 2017-09-27 |
Family
ID=54263242
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014055751A Active JP6201841B2 (ja) | 2014-03-19 | 2014-03-19 | 熱線遮蔽材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6201841B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3915880B2 (ja) * | 2001-03-05 | 2007-05-16 | 住友金属鉱山株式会社 | 日射遮蔽膜形成用微粒子の製造方法 |
DE102005030243A1 (de) * | 2005-06-29 | 2007-01-11 | Merck Patent Gmbh | Semitransparente Zinn-haltige Interferenzpigmente |
JP5923240B2 (ja) * | 2009-09-25 | 2016-05-24 | ベック株式会社 | コーティング材 |
JP5676907B2 (ja) * | 2010-02-17 | 2015-02-25 | 石原産業株式会社 | チタン酸リチウム粒子の処理方法 |
-
2014
- 2014-03-19 JP JP2014055751A patent/JP6201841B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015179139A (ja) | 2015-10-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI715747B (zh) | 近紅外線遮蔽材料微粒子及其製造方法暨近紅外線遮蔽材料微粒子分散液 | |
Huang et al. | Solvothermal synthesis of Sb: SnO2 nanoparticles and IR shielding coating for smart window | |
JP5849766B2 (ja) | 日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液、および日射遮蔽体、の製造方法 | |
WO2013147033A1 (ja) | 赤外線カット材 | |
JP6187540B2 (ja) | 日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子、その分散液、並びに、日射遮蔽体 | |
JP5585812B2 (ja) | 近赤外線遮蔽材料微粒子分散体、近赤外線遮蔽体、および近赤外線遮蔽材料微粒子の製造方法、並びに近赤外線遮蔽材料微粒子 | |
JP2021517522A (ja) | 非放射性安定同位元素を用いた優環境熱遮蔽フィルム及びその製造方法 | |
TW201531442A (zh) | 複合氧化鎢奈米粒子之製造方法、紅外線吸收材料及紅外線遮蔽體 | |
JP2005226008A (ja) | 日射遮蔽体形成用分散液及び日射遮蔽体並びにその製造方法 | |
JP6451376B2 (ja) | 低屈折率膜形成用液組成物 | |
JP4182825B2 (ja) | 日射遮蔽用アンチモン錫酸化物微粒子とこれを用いた日射遮蔽体形成用分散液および日射遮蔽体並びに日射遮蔽用透明基材 | |
JP2006010759A (ja) | 近赤外線遮蔽材料微粒子分散体および近赤外線遮蔽体並びに近赤外線遮蔽材料を通過する可視光の色調調整方法 | |
JP2008230954A (ja) | 日射遮蔽体形成用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法、日射遮蔽体形成用分散液、日射遮蔽体、および、日射遮蔽用基材 | |
JP2015160759A (ja) | 透明導電性複合酸化物微粉末及びその製造方法並びに透明導電性膜 | |
JP6201841B2 (ja) | 熱線遮蔽材の製造方法 | |
JP6171733B2 (ja) | 熱線遮蔽分散体形成用塗布液および熱線遮蔽体 | |
JP2011063484A (ja) | 近赤外線遮蔽材料微粒子とその製造方法および近赤外線遮蔽材料微粒子分散体と近赤外線遮蔽体 | |
JP5326058B2 (ja) | 赤外線カット材、赤外線カット材の分散液、赤外線カット膜形成用組成物、および赤外線カット膜 | |
JP6413969B2 (ja) | 日射遮蔽体形成用分散液および当該分散液を用いた日射遮蔽体 | |
JP6952051B2 (ja) | 赤外線遮蔽材、及び酸化スズ粒子の製造方法 | |
JP6164132B2 (ja) | 熱線遮蔽用チタン酸リチウム粒子 | |
JP2012082109A (ja) | 高耐熱性熱線遮蔽体形成用タングステン酸化物微粒子の製造方法、高耐熱性熱線遮蔽体形成用タングステン酸化物微粒子および高耐熱性熱線遮蔽体形成用分散液、並びに高耐熱性熱線遮蔽体 | |
WO2016117592A1 (ja) | 低屈折率膜形成用液組成物 | |
JP6164133B2 (ja) | 熱線遮蔽用塗料及び熱線遮蔽膜の製造方法 | |
JP2014214299A (ja) | 近赤外線吸収粒子、その製造方法、分散液およびその物品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160929 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170801 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170731 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170814 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6201841 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |