JP6201443B2 - 液体現像剤 - Google Patents
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Description
本実施形態に係る液体現像剤は、複写機、プリンタ、デジタル印刷機もしくは簡易印刷機などの電子写真方式の画像形成装置(後述)において用いられる電子写真用液体現像剤、塗料、静電記録用液体現像剤、インクジェットプリンタ用油性インクまたは電子ペーパー用インクとして有用であり、トナー粒子が絶縁性液体に分散されてなる。本実施形態に係る液体現像剤では、液体現像剤から絶縁性液体を除いた部分に相当する液体現像剤の固形分(トナー粒子に相当。以下では「液体現像剤の固形分」と記す)が、温度T0(℃)における貯蔵弾性率をG’(T0)とし、温度(T0+10)(℃)における貯蔵弾性率をG’(T0+10)としたとき、G’(T0)/G’(T0+10)≧10を満たす(ただし50℃≦T0≦70℃である。以下においても同様)。これにより、本実施形態に係る液体現像剤は、低温でのシャープメルト性に優れるので、低温(たとえば70〜80℃)での定着が可能となる。したがって、本実施形態に係る液体現像剤では、定着エネルギーの低減化を図ることができる。従来では、定着エネルギーの低減化を図ろうとすると高温オフセットの発生を招いていた。しかし、本実施形態では、絶縁性液体は、その引火点が100℃以上であるので、高粘度且つ低揮発性であり、よって、定着時にトナー粒子の表面に残存し易くなる。以上より、本実施形態に係る液体現像剤では、定着エネルギーの低減化を図ることができるとともに高温オフセットの発生を防止することができる。
G’(T0)/G’(T0+10)が大きければ大きいほど、液体現像剤はシャープメルト性に優れることとなるので、定着温度の更なる低温化を図ることができる。よって、定着エネルギーの更なる低減化を図ることができる。たとえば、G’(T0)/G’(T0+10)≧50以上であることが好ましい。また、G’(T0)/G’(T0+10)>300を実現することは難しいため、G’(T0)/G’(T0+10)≦300であることが好ましい。一方、G’(T0)/G’(T0+10)<10であれば、液体現像剤はシャープメルト性に優れなくなるため、定着エネルギーの低減化を図ることが難しくなる。また、目標紙温度(たとえば70〜80℃)での樹脂(トナー粒子に含まれる樹脂)の溶融性の確保が困難となるため、定着性の低下を招き、紙などのメディア上に形成された画像の光沢性の低下も招く。
絶縁性液体は、その引火点が高ければ高いほど、その粘度は高くなり、揮発し難くなる。よって、絶縁性液体は定着時にトナー粒子の表面に残存し易くなるので、高温オフセットの発生が防止され易くなる。たとえば、絶縁性液体は、その引火点が100℃以上200℃以下であることが好ましく、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素またはポリシロキサンなどであることが好ましい。本実施形態に係る液体現像剤では、2種以上の絶縁性液体が混合されていても良い。本明細書では、絶縁性液体の引火点は、JIS K2265のクリーブランド開放式に準拠して測定したものである。
トナー粒子の粒度分布を体積基準で測定したときのメジアン径D50(以下では「トナー粒子のメジアン径D50」と記す)は、0.5μm以上5.0μm以下であることが好ましい。この粒径は、従来用いられていた乾式現像剤に含まれるトナー粒子の粒径よりも小さく、本発明の特徴の一つである。トナー粒子のメジアン径D50が0.5μm未満であれば、トナー粒子の粒径が小さすぎるので、電界でのトナー粒子の移動性の悪化を招くことがある。よって、現像性の低下を招くことがある。一方、トナー粒子のメジアン径D50が5.0μmを超えると、トナー粒子の粒径の均一性の低下を招くことがあり、よって、画質の低下を招くことがある。トナー粒子のメジアン径D50の測定方法としては、たとえば、市販の粒度分布測定装置(たとえば、株式会社島津製作所製のSALD−3100またはシスメックス株式会社製のFPIA−3000など)を用いた測定などが挙げられる。
樹脂は、ポリエステル樹脂に由来する成分を含む第1樹脂(以下では単に「第1樹脂」と記す)を80質量%以上含み、第1樹脂を90質量%以上含むことが好ましい。ポリエステル樹脂は結晶性に優れることが知られている。そのため、トナー粒子に含まれる樹脂が第1樹脂を80質量%以上含んでいれば、トナー粒子に含まれる樹脂がシャープメルト性に優れることとなるので、シャープメルト性に優れた液体現像剤を提供することができる。よって、定着エネルギーの低減化を図ることができる。トナー粒子に含まれる樹脂が第1樹脂を90質量%以上含んでいれば、トナー粒子に含まれる樹脂がシャープメルト性にさらに優れることとなるので、シャープメルト性にさらに優れた液体現像剤を提供することができる。よって、定着エネルギーの更なる低減化を図ることができる。ここで、トナー粒子に含まれる樹脂における第1樹脂の含有量の求め方としては、たとえば、赤外線吸収スペクトルを測定し当該スペクトルから算出する方法、核磁気共鳴により得られたスペクトルから算出する方法またはGCMS(ガスクロマトグラフ質量分析計)を用いて測定する方法などが挙げられる。
装置:フロンティア・ラボ株式会社製のPY−2020iD
試料の質量:0.1mg
加熱温度:550℃
加熱時間:0.5分。
装置:株式会社島津製作所製のGCMS−QP2010
カラム:フロンティア・ラボ株式会社製のUltraALLOY−5(内径:0.25mm,長さ:30m,厚さ:0.25μm)
昇温条件:昇温範囲:100℃〜320℃(320℃で保持)、昇温速度:20℃/分。
5≦H1≦70・・・・・・・・・(1)
0.2≦H2/H1≦1.0・・・(2)。
測定装置:東ソー株式会社製の「HLC−8120」
カラム:東ソー株式会社製の「TSKgelGMHXL」(2本)と東ソー(株)製の「TSKgelMultiporeHXL−M」(1本)
試料溶液:0.25質量%のTHF溶液
カラムへの試料溶液の注入量:100μl
流速:1ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:東ソー株式会社製の標準ポリスチレン(TSK standard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1050、2800、5970、9100、18100、37900、96400、190000、355000、1090000、2890000)。
荷重:3MPa
昇温速度:3.0℃/分
ダイ口径:0.50mm
ダイ長さ:10.0mm。
重合性二重結合を有する炭化水素は、たとえば、下記(1−1)で示す重合性二重結合を有する脂肪族炭化水素、または、下記(1−2)で示す重合性二重結合を有する芳香族炭化水素などであることが好ましい。
重合性二重結合を有する脂肪族炭化水素は、たとえば、下記(1−1−1)で示す重合性二重結合を有する鎖状炭化水素、または、下記(1−1−2)で示す重合性二重結合を有する環状炭化水素などであることが好ましい。
重合性二重結合を有する鎖状炭化水素は、たとえば、炭素数が2〜30のアルケン(たとえば、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセンまたはオクタデセンなど);炭素数が4〜30のアルカジエン(たとえば、ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエンまたは1,7−オクタジエンなど)などであることが好ましい。
重合性二重結合を有する環状炭化水素は、たとえば、炭素数が6〜30のモノまたはジシクロアルケン(たとえば、シクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンまたはエチリデンビシクロヘプタンなど);炭素数が5〜30のモノまたはジシクロアルカジエン(たとえば、シクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエンなど)などであることが好ましい。
重合性二重結合を有する芳香族炭化水素は、たとえば、スチレン;スチレンのハイドロカルビル(たとえば、炭素数が1〜30のアルキル、シクロアルキル、アラルキルおよび/またはアルケニル)置換体(たとえば、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレンまたはトリビニルベンゼンなど);ビニルナフタレンなどであることが好ましい。
カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体は、たとえば、炭素数が3〜15の不飽和モノカルボン酸[たとえば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸または桂皮酸など];炭素数が3〜30の不飽和ジカルボン酸(無水物)[たとえば、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)シトラコン酸またはメサコン酸など];炭素数が3〜10の不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数が1〜10)エステル(たとえば、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノデシルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノブチルエステルまたはシトラコン酸モノデシルエステルなど)などであることが好ましい。本明細書では、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。
スルホ基と重合性二重結合を有する単量体は、たとえば、ビニルスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレートまたは2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸などであることが好ましい。スルホ基と重合性二重結合を有する単量体の塩は、たとえば、上記「(2)カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体」において「上記単量体の塩」として列挙した塩であることが好ましい。
ホスホノ基と重合性二重結合を有する単量体は、たとえば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェートまたは2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸などであることが好ましい。ホスホノ基と重合性二重結合を有する単量体の塩は、たとえば、上記「(2)カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体」において「上記単量体の塩」として列挙した塩であることが好ましい。
ヒドロキシル基と重合性二重結合を有する単量体は、たとえば、ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミドまたはヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどであることが好ましい。
重合性二重結合を有する含窒素単量体としては、たとえば、下記(6−1)〜(6−4)で示す単量体が挙げられる。
アミノ基と重合性二重結合を有する単量体は、たとえば、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチル−α−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾールまたはアミノメルカプトチアゾールなどであることが好ましい。アミノ基と重合性二重結合を有する単量体は、上記列挙した単量体の塩であっても良い。上記列挙した単量体の塩は、たとえば、上記「(2)カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体」において「上記単量体の塩」として列挙した塩であることが好ましい。
アミド基と重合性二重結合を有する単量体は、たとえば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミドおよびN−ビニルピロリドンなどであることが好ましい。
ニトリル基と重合性二重結合を有する炭素数が3〜10の単量体は、たとえば、(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレンおよびシアノアクリレートなどであることが好ましい。
ニトロ基と重合性二重結合を有する炭素数が8〜12の単量体は、たとえば、ニトロスチレンなどであることが好ましい。
エポキシ基と重合性二重結合を有する炭素数が6〜18の単量体は、たとえば、グリシジル(メタ)アクリレートなどであることが好ましい。
ハロゲン元素と重合性二重結合を有する炭素数が2〜16の単量体は、たとえば、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロロスチレン、ブロムスチレン、ジクロロスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレンおよびクロロプレンなどであることが好ましい。
重合性二重結合を有する単量体は、上記単量体以外に、下記(9−1)〜(9−4)で示す単量体であっても良い。
重合性二重結合を有する炭素数が4〜16のエステルは、たとえば、酢酸ビニル;プロピオン酸ビニル;酪酸ビニル;ジアリルフタレート;ジアリルアジペート;イソプロペニルアセテート;ビニルメタクリレート;メチル−4−ビニルベンゾエート;シクロヘキシルメタクリレート;ベンジルメタクリレート;フェニル(メタ)アクリレート;ビニルメトキシアセテート;ビニルベンゾエート;エチル−α−エトキシアクリレート;炭素数が1〜11のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートまたは2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど];ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数が2〜8の直鎖アルキル基、分枝アルキル基または脂環式のアルキル基である);ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数が2〜8の直鎖アルキル基、分枝アルキル基または脂環式のアルキル基である);ポリ(メタ)アリロキシアルカン類(たとえば、ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタンまたはテトラメタアリロキシエタンなど);ポリアルキレングリコール鎖と重合性二重結合を有する単量体[たとえば、ポリエチレングリコール(Mn=300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mn=500)モノ(メタ)アクリレート、メチルアルコールEO10モル付加物(メタ)アクリレートまたはラウリルアルコールEO30モル付加物(メタ)アクリレートなど];ポリ(メタ)アクリレート類{たとえば、多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート[たとえば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートまたはポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなど]}などであることが好ましい。
重合性二重結合を有する炭素数が3〜16のエーテルは、たとえば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル−2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル−2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、アセトキシスチレンまたはフェノキシスチレンなどであることが好ましい。
重合性二重結合を有する炭素数が4〜12のケトンは、たとえば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトンまたはビニルフェニルケトンなどであることが好ましい。
重合性二重結合を有する炭素数2〜16の含硫黄化合物は、たとえば、ジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルホン、ジビニルスルホンおよびジビニルスルホキサイドなどであることが好ましい。
CH2=CR−COO−(CH2)p−(CF3)q−Z・・・式(3)。
CH2=CR−COO−((CH3)2SiO)m−Si(CH3)3・・・式(4)。
本実施形態におけるトナー粒子は、添加剤として着色剤を含むことが好ましく、顔料分散剤、充填剤、帯電防止剤、離型剤、荷電制御剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤または難燃剤などもさらに含んでいることがより好ましい。
着色剤としては、公知の顔料などを特に限定されることなく使用可能であるが、コスト、耐光性および着色性などの観点から以下に示す顔料を使用することが好ましい。なお、色彩構成上、以下に示す顔料は、通常、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料およびシアン顔料に分類され、ブラック以外の色彩(カラー画像)は基本的にイエロー顔料、マゼンタ顔料およびシアン顔料の減法混色により調色される。また、顔料としては、以下に示す顔料に対して酸性または塩基性などの溶剤を用いて表面処理を行ったものを用いても良く、たとえば以下に示す顔料に酸性または塩基性のシナジストを併用しても良い。
顔料分散剤は、トナー粒子中に顔料を均一に分散させる作用を有するものであり、たとえば塩基性分散剤であることが好ましい。ここで、塩基性分散剤とは、以下に定義されるものをいう。すなわち、顔料分散剤0.5gと蒸留水20mlとをガラス製スクリュー管に入れ、それをペイントシェーカーを用いて30分間振り混ぜた後、ろ過することにより得られたろ液のpHをpHメータ(株式会社堀場製作所のD−51)を用いて測定し、そのpHが7より大きい場合を塩基性分散剤とする。なお、そのpHが7より小さい場合は、酸性分散剤と呼ぶものとする。
[1]:ジェットミルなどの公知の乾式粉砕機を用いて、第2樹脂を乾式で粉砕させる。
[2]:第2樹脂の粉末を有機溶剤中に分散させ、ビーズミルまたはロールミルなどの公知の湿式分散機を用いて湿式で粉砕させる。
[3]:スプレードライヤーなどを用いて第2樹脂の溶液を噴霧し、乾燥させる。
[4]:第2樹脂の溶液に対して貧溶媒の添加または冷却を行なって、第2樹脂を過飽和させて析出させる。
[5]:第2樹脂の溶液を水または有機溶剤中に分散させる。
[6]:第2樹脂の前駆体を水中で乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、シード重合法または懸濁重合法などにより重合させる。
[7]:第2樹脂の前駆体を有機溶剤中で分散重合などにより重合させる。
本実施形態に係る液体現像剤は、トナー粒子を絶縁性液体に分散させることにより製造されることが好ましい。トナー粒子は、以下に示す方法にしたがって製造されることが好ましい。
トナー粒子は、粉砕法または造粒法などの公知の手法に基づいて製造されることが好ましい。粉砕法では、樹脂粒子と顔料とを混練してから粉砕する。粉砕は、乾式状態またはオイル内での湿式状態などで行われることが好ましい。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管および窒素導入管を備えた反応容器にドデカンジカルボン酸286質量部と1,6−ヘキサンジオール190質量部と縮合触媒としてのチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1質量部とを入れ、生成する水を留去しながら180℃で窒素気流下で8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、また、生成する水を留去しながら、窒素気流下で4時間反応させた。更に、0.007〜0.026MPaの減圧下で1時間反応させた。これにより、ポリエステル樹脂を得た。
測定装置:東ソー(株)製の「HLC−8120」
カラム:東ソー(株)製の「TSKgelGMHXL」(2本)と東ソー(株)製の「TSKgelMultiporeHXL−M」(1本)
試料溶液:0.25質量%のTHF溶液
カラムへのTHF溶液の注入量:100μl
流速:1ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:東ソー(株)製の標準ポリスチレン(TSK standard PОLYSTYRENE)12点(分子量:500、1050、2800、5970、9100、18100、37900、96400、190000、355000、1090000、2890000)。
ガラス製ビーカーに、(メタ)アクリル酸2−デシルテトラデシル80質量部、メタクリル酸メチル5質量部、メタクリル酸5質量部、イソシアネート基含有モノマー(昭和電工株式会社製の「カレンズMOI」)と上記製造例1で得られたポリエステル樹脂との等モル反応物20質量部、および、アゾビスメトキシジメチルバレロニトリル0.5質量部を入れ、20℃で撹拌して混合した。これにより、単量体溶液を得た。
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器にセバシン酸と1、6−ヘキサンジオール(モル比1:1)とから得られたポリエステル樹脂(Mn20000)937質量部と無水フタル酸28質量部とを入れ、180℃で1時間反応させた。このようにしてポリエステル樹脂であるコア樹脂(b1)を得た。上記製造例1に記載の条件でコア樹脂(b1)のMnを測定すると、コア樹脂(b1)のMnは20000であった。
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器にセバシン酸と1、6−ヘキサンジオール(モル比1:1)とから得られたポリエステル樹脂(Mn5000)966質量部とアセトン300質量部とを入れて攪拌し、均一に溶解させた。この溶液にIPDI34質量部を入れ、80℃で6時間反応させた。NCO価が0になったところで無水フタル酸28質量部をさらに追加して180℃で1時間反応させた。これにより、ウレタン変性ポリエステル樹脂であるコア樹脂(b2)を得た。そして、以下の条件でコア樹脂(b2)のMnを測定すると、コア樹脂(b2)のMnは25000であった。
測定装置:東ソー(株)製の「HLC−8220GPC」
カラム:「Guardcоlumn α」(1本)と「TSKgel α―M」(1本)
試料溶液:0.125質量%のジメチルホルムアミド溶液
カラムへのジメチルホルムアミド溶液の注入量:100μl
流速:1ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:東ソー(株)製の標準ポリスチレン(TSK standard PОLYSTYRENE)12点(分子量:500、1050、2800、5970、9100、18100、37900、96400、190000、355000、1090000、2890000)。
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器にセバシン酸とテレフタル酸と1、6−ヘキサンジオール(モル比0.8:0.2:1)とから得られたポリエステル樹脂(Mn40000)937質量部と無水フタル酸28質量部とを入れ、180℃で1時間反応させた。このようにしてポリエステル樹脂であるコア樹脂(b3)を得た。上記製造例1に記載の条件でコア樹脂(b3)のMnを測定すると、コア樹脂(b3)のMnは40000であった。
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器にセバシン酸とテレフタル酸と1、6−ヘキサンジオール(モル比0.8:0.2:1)とから得られたポリエステル樹脂(Mn7000)975質量部とアセトン1300質量部とを入れて攪拌し、均一に溶解させた。この溶液にIPDI25質量部を入れ、80℃で6時間反応させた。NCO価が0になったところで無水フタル酸28質量部をさらに追加して180℃で1時間反応させた。これにより、ウレタン変性ポリエステル樹脂であるコア樹脂(b4)を得た。上記製造例4に記載の条件でコア樹脂(b4)のMnを測定すると、コア樹脂(b4)のMnは35000であった。
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器にテレフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコール(モル比0.6:0.4:1)とから得られたポリエステル樹脂(Mn3000)937質量部と無水フタル酸28質量部とを入れ180℃で1時間反応させた。このようにしてポリエステル樹脂であるコア樹脂(b5)を得た。上記製造例1に記載の条件でコア樹脂(b5)のMnを測定すると、コア樹脂(b5)のMnは30000であった。
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器にイソフタル酸とテレフタル酸とエチレングリコール(モル比0.4:0.6:1)とから得られたポリエステル樹脂(Mn7000)975質量部とアセトン1300質量部とを入れて攪拌し、均一に溶解させた。この溶液にIPDI25質量部を入れ、80℃で6時間反応させた。NCO価が0になったところで無水フタル酸28質量部をさらに追加して180℃で1時間反応させた。これにより、ウレタン変性ポリエステル樹脂であるコア樹脂(b6)を得た。上記製造例4に記載の条件でコア樹脂(b6)のMnを測定すると、コア樹脂(b6)のMnは35000であった。
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器にセバシン酸と1、6−ヘキサンジオール(モル比1:1)とから得られたポリエステル樹脂(Mn1500)875質量部とアセトン1300質量部とを入れて攪拌し、均一に溶解させた。この溶液にIPDI125質量部を入れ、80℃で6時間反応させた。NCO価が0になったところで無水フタル酸28質量部をさらに追加して180℃で1時間反応させた。これにより、ウレタン変性ポリエステル樹脂であるコア樹脂(b7)を得た。上記製造例4に記載の条件でコア樹脂(b7)のMnを測定すると、コア樹脂(b7)のMnは40000であった。
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器にテレフタル酸とイソフタル酸とビスフェノールAプロピオンオキサイド付加物(モル比0.6:0.4:1)とから得られたポリエステル樹脂(Mn5000)966質量部とアセトン1300質量部とを入れて攪拌し、均一に溶解させた。この溶液にIPDI34質量部を入れ、80℃で6時間反応させた。NCO価が0になったところで無水フタル酸28質量部をさらに追加して180℃で1時間反応させた。これにより、ウレタン変性ポリエステル樹脂であるコア樹脂(b8)を得た。上記製造例4に記載の条件でコア樹脂(b8)のMnを測定すると、コア樹脂(b8)のMnは25000であった。
ビーカーに、酸性処理銅フタロシアニン(DIC株式会社製「FASTGEN Blue FDB−14」)20質量部と顔料分散剤「アジスパーPB−821」(味の素ファインテクノ株式会社製)5質量部とアセトン75質量部とを入れて撹拌し、酸性処理銅フタロシアニンを均一に分散させた。その後、ビーズミルによって銅フタロシアニンを微分散させた。このようにして顔料の分散液(P1)を得た。レーザー式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製の「LA−920」)を用いて顔料の分散液(P1)中の顔料(銅フタロシアニン)の体積平均粒径を測定すると0.2μmであった。
ビーカーにコア樹脂(b1)形成用溶液(Y1)40質量部と顔料の分散液(P1)20質量部とを入れ、25℃でTKオートホモミキサー[プライミクス株式会社製]を用いて8000rpmで撹拌させた。これにより、顔料が均一に分散された樹脂溶液(Y11)を得た。
ビーカーにコア樹脂(b2)形成用溶液(Y2)40質量部と顔料の分散液(P1)25質量部とを入れ、25℃でTKオートホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用いて8000rpmで撹拌させた。これにより、顔料が均一に分散された樹脂溶液(Y12)を得た。
シェル粒子(A1)の分散液(W1)の添加量を17質量部としたことを除いては上記実施例2に記載の方法にしたがって液体現像剤(X−3)を得た。液体現像剤(X−3)の仕込み量から計算したところ、コア樹脂(b2)は65.5質量%含まれ、シェル樹脂(A1)は11.8質量%含まれ、銅フタロシアニンは18.2質量%含まれ、顔料分散剤は4.5質量%含まれていた。また、液体現像剤(X−3)に含まれる樹脂は第1樹脂を84.8質量%含んでいた。
コア樹脂(b1)形成用溶液(Y1)の代わりにコア樹脂(b3)形成用溶液(Y3)を用いたことを除いては上記実施例1に記載の方法にしたがって液体現像剤(X−4)を得た。
コア樹脂(b1)形成用溶液(Y1)の代わりにコア樹脂(b4)形成用溶液(Y4)を用いたことを除いては上記実施例1に記載の方法にしたがって液体現像剤(X−5)を得た。
コア樹脂(b1)形成用溶液(Y1)の代わりにコア樹脂(b5)形成用溶液(Y5)を用いたことを除いては上記実施例1に記載の方法にしたがって液体現像剤(X−6)を得た。
コア樹脂(b1)形成用溶液(Y1)の代わりにコア樹脂(b6)形成用溶液(Y6)を用い且つシェル粒子(A1)の分散液(W1)の添加量を31質量部としたことを除いては上記実施例1に記載の方法にしたがって液体現像剤(X−11)を得た。液体現像剤(X−11)の仕込み量から計算したところ、コア樹脂(b6)は59.7質量%含まれ、シェル樹脂(A1)は19.6質量%含まれ、銅フタロシアニンは16.5質量%含まれ、顔料分散剤は4.1質量%含まれていた。また、液体現像剤(X−11)に含まれる樹脂は第1樹脂を75.3質量%含んでいた。
コア樹脂(b1)形成用溶液(Y1)の代わりにコア樹脂(b7)形成用溶液(Y7)を用いたことを除いては上記実施例1に記載の方法にしたがって液体現像剤(X−12)を得た。
コア樹脂(b1)形成用溶液(Y1)の代わりにコア樹脂(b8)形成用溶液(Y8)を用いたことを除いては上記実施例1に記載の方法にしたがって液体現像剤(X−13)を得た。
モレスコホワイトP−40(株式会社MORESCO製、引火点142℃)の代わりにアイソパーL(引火点66℃)を用いたことを除いては上記実施例1に記載の方法にしたがって液体現像剤(X−14)を得た。
標準ポリエステル(東ソー(株)社製のTSKstandard POLYSTYRENE12点(分子量:500、1050、2800、5970、9100、18100、37900、96400、190000、355000、1090000、2890000)を標準試料として用い、0℃から180℃まで10℃/分の速度で標準ポリエステルと実施例1〜6および比較例1〜3のそれぞれのトナー粒子に含まれる樹脂とを加熱し、標準試料の熱量と当該樹脂の熱量との熱量差を測定した。そして、初回昇温時の熱量差H1と2回目昇温時の熱量差H2とを求めた。その結果を表1に示す。
フロー式粒子像分析装置(シスメックス株式会社製FPIA−3000S)を用いて実施例1〜6および比較例1〜4の液体現像剤の平均粒径を測定した。具体的には、分散剤としてS13940(日本ルーブリゾール株式会社製)を30mg含むアイソパーL(20g)に50mgの液体現像剤を入れて懸濁液を得た。超音波分散機(ウエルボクリア社製ウルトラソニッククリーナーモデルVS−150)を用いて、得られた懸濁液に対して約5分間分散処理を行った。上記フロー式粒子像分析装置を用いて、得られたサンプルの粒度分布を体積基準で測定したときのメジアン径D50を測定した。
約5gの液体現像剤を採取してから遠心分離を行って上澄み液を除去した。その後、ヘキサンで洗浄してから、真空乾燥機を用いて常温下で2時間乾燥させた。粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社のARES)を用いて、以下に示す条件で乾燥後の試料の粘弾性を測定した。
治具:厚さが8mmのパラレルプレート
周波数:1Hz
歪み率:1%
昇温速度:3℃/分
測定温度範囲:40〜160℃。
図1に示す画像形成装置を用いて画像を形成した。図1に示す画像形成装置の構成を以下に示す。液体現像剤21は、アニロックスローラ23により現像槽22内から汲み上げられる。アニロックスローラ23上の余剰の液体現像剤21は、アニロックス規制ブレード24により掻き取られ、残余の液体現像剤21は、ならしローラ25に送られる。ならしローラ25上では、液体現像剤21は厚さが均一且つ薄くなるように調整される。
図1に示した画像形成装置を用いて画像を形成した後、定着ローラの周面を観察した。結果を表2に示す。表2では、定着ローラの周面が汚れていなかった場合にA1と記し、定着ローラの周面が汚れていた場合にD1と記している。定着ローラの周面が汚れていなければ、高温オフセットが発生していないと言える。
図1に示した画像形成装置を用いて定着された画像に対してテープ剥離試験を行い、剥離された画像濃度(ID)を求めた。結果を表2に示す。表2では、画像濃度<0.05であった場合にA2と記し、0.05≦画像濃度<0.1であった場合にB2と記し、0.1≦画像濃度<0.2であった場合にC2と記し、0.2≦画像濃度であった場合にD2と記している。画像濃度が低いほど、定着された画像がテープによって剥離され難いので、その液体現像剤は定着性に優れると言える。
75度光沢度計(日本電色工業株式会社製VG−2000)を用いて、定着された画像の光沢度を測定した。結果を表2に示す。表2では、光沢度が80以上であった場合にA3と記し、光沢度が70以上80未満であった場合にB3と記し、光沢度が60以上70未満であった場合にC3と記し、光沢度が60未満であった場合にD3と記している。光沢度が高いほど、その液体現像剤は光沢性に優れると言える。
定着された画像同士を互いに重ね合わせた状態で、10g/m2の加重をかけて50℃で1週間保管した。その後、2枚を剥がし、剥がすときに画像が損傷したか否かを調べた。結果を表2に示す。表2では、剥がす時に画像が損傷しなかった場合にA4と記し、剥がす時に画像が僅かに損傷した場合にB4と記している。剥がす時に画像が損傷しなければ、ドキュメントオフセットが発生していないと言える。
Claims (4)
- トナー粒子が絶縁性液体に分散されてなる液体現像剤であって、
前記絶縁性液体は、その引火点が100℃以上であり、
前記トナー粒子は、樹脂を含み、
前記樹脂は、ポリエステル樹脂に由来する成分を含む第1樹脂を80質量%以上含み、
前記ポリエステル樹脂に由来する成分は、酸成分に由来する構成単位と、アルコール成分に由来する構成単位とを含み、
前記酸成分に由来する構成単位および前記アルコール成分に由来する構成単位に占める脂肪族モノマーに由来する構成単位の割合は、90質量%以上であり、
前記液体現像剤から前記絶縁性液体を除いた部分に相当する前記液体現像剤の固形分は、温度T0(℃)における貯蔵弾性率をG’(T0)とし、温度(T0+10)(℃)における貯蔵弾性率をG’(T0+10)としたとき、G’(T0)/G’(T0+10)≧10を満たす(ただし50℃≦T0≦70℃である)液体現像剤。 - 前記液体現像剤の固形分は、G’(T0)/G’(T0+10)≧50を満たす請求項1に記載の液体現像剤。
- 前記第1樹脂は、ポリエステル樹脂、および、前記ポリエステル樹脂に由来する成分がイソシアネート基を含む化合物により鎖長されてなるウレタン変性ポリエステル樹脂の少なくとも一方である請求項1または2に記載の液体現像剤。
- 前記樹脂は、前記第1樹脂を90質量%以上含む請求項1〜3のいずれかに記載の液体現像剤。
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