JP2017142418A - 液体現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
従来の液体現像剤としては、特許文献1〜3に記載されたものが知られている。
特許文献2には、絶縁性液体と、前記絶縁性液体中に分散した、ポリエステル樹脂を含むトナー粒子と、分散剤と、を有し、前記ポリエステル樹脂の表面自由エネルギーのうちの極性成分が30mJ/m2以上であり、前記ポリエステル樹脂の表面自由エネルギーのうち極性成分の占める割合は、40%以上であり、前記ポリエステル樹脂は、ロジン変性ポリエステル樹脂および/またはウレタン変性ポリエステル樹脂であり、前記分散剤は、アミン価が1〜100mgKOH/gのものであることを特徴とする液体現像剤が記載されている。
特許文献3には、少なくとも、結着樹脂(A)、着色剤(B)、アミン価が5〜150mgKOH/gである高分子分散剤(C)、及びキャリア液(D)からなる液体現像剤であって、高分子分散剤(C)は、片末端領域に2つのイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(C−3)のイソシアネート基とポリアミン(C−4)を含むアミン化合物の一級及び/又は二級アミノ基とを反応させてなる分散剤であり、さらに、前記ウレタンプレポリマー(C−3)は、片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(C−1)のヒドロキシル基と、ジイソシアネート(C−2)のイソシアネート基とを反応してなるものであり、さらに、(C−1)は、少なくとも炭素数6〜24のアルキル基を含有するエチレン性不飽和単量体(e1)を(C−1)中5重量%以上共重合してなるビニル重合体であることを特徴とする液体現像剤が記載されている。
<1>キャリア液と、ウレタン変性アクリル樹脂を含むトナーと、を含むことを特徴とする液体現像剤、
<2>前記ウレタン変性アクリル樹脂におけるウレタン部分とアクリル部分との重量比が、10/90〜90/10である、<1>に記載の液体現像剤、
<3>前記キャリア液が、鉱物油を含む、<1>又は<2>に記載の液体現像剤、
<4><1>〜<3>のいずれか1つに記載の液体現像剤が収容されている、現像剤カートリッジ、
<5><1>〜<3>のいずれか1つに記載の液体現像剤が収容されている、プロセスカートリッジ、
<6>像保持体と、前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像保持体の表面に形成された前記潜像を、現像剤保持体の表面に保持された<1>〜<3>のいずれか1つに記載の液体現像剤により現像して、トナー像を形成する現像手段と、前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させて定着画像を形成する定着手段と、を備える画像形成装置、
<7>像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成工程と、前記像保持体の表面に形成された前記潜像を、現像剤保持体の表面に保持された<1>〜<3>のいずれか1つに記載の液体現像剤により現像して、トナー像を形成する現像工程と、前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させて定着画像を形成する定着工程と、を含む画像形成方法。
上記<2>に記載の発明によれば、前記ウレタン変性アクリル樹脂におけるウレタン部分とアクリル部分との質量比が10/90〜90/10を満たさない場合に比べて、記録媒体への密着性により優れた画像が得られる液体現像剤を提供することができる。
上記<3>に記載の発明によれば、キャリア液が、鉱物油を含まない場合に比して、記録媒体への密着性により優れた画像が得られる液体現像剤を提供することができる。
上記<4>に記載の発明によれば、収容される液体現像剤が、ウレタン変性アクリル樹脂を含まないトナーを含む場合に比して、記録媒体への密着性に優れた画像が得られ、かつ粉砕性に優れる液体現像剤が収容された現像剤カートリッジを提供することができる。
上記<5>に記載の発明によれば、収容される液体現像剤が、ウレタン変性アクリル樹脂を含まないトナーを含む場合に比して、記録媒体への密着性に優れた画像が得られ、かつ粉砕性に優れる液体現像剤が収容されたプロセスカートリッジを提供することができる。
上記<6>に記載の発明によれば、液体現像剤が、ウレタン変性アクリル樹脂を含まないトナーを含む場合に比して、記録媒体への密着性に優れた画像が得られ、かつ粉砕性に優れる液体現像剤を用いた画像形成装置を提供することができる。
上記<7>に記載の発明によれば、液体現像剤が、ウレタン変性アクリル樹脂を含まないトナーを含む場合に比して、記録媒体への密着性に優れた画像が得られ、かつ粉砕性に優れる液体現像剤を用いた画像形成方法を提供することができる。
なお、以下の説明において、数値範囲を表す「A〜B」の記載は、特に断りのない限り、「A以上B以下」と同義であり、端点であるA及びBを含む数値範囲を意味する。また、「重量部」及び「質量%」との記載は、それぞれ、「重量部」及び「重量%」と同義である。
本実施形態の液体現像剤は、キャリア液と、ウレタン変性アクリル樹脂を含むトナーと、を含むことを特徴とする。
本発明者等が詳細な検討を行った結果、キャリア液と、ウレタン変性アクリル樹脂を含むトナーと、を含む液体現像剤とすることにより、記録媒体への密着性に優れた画像が得られ、かつ粉砕性に優れることを本発明者等は見出した。
以下、本実施形態の液体現像剤について、詳細に説明する。
本実施形態の液体現像剤は、ウレタン変性アクリル樹脂を含むトナーを含む。
本実施形態の液体現像剤は、トナーを1種単独で含有していても、2種以上を含有していてもよい。
また、本実施形態の液体現像剤は、ウレタン変性アクリル樹脂を含まないトナーを含んでいてもよいが、本実施形態の液体現像剤におけるウレタン変性アクリル樹脂を含むトナーの含有量が、液体現像剤に含まれるトナーの全重量に対し、50重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましく、95重量%以上であることが特に好ましい。
本実施形態におけるウレタン変性アクリル樹脂は、ウレタン樹脂成分とアクリル樹脂成分(アクリル成分)とが化学的に結合した樹脂である。
ウレタン変性アクリル樹脂はウレタン樹脂成分とアクリル樹脂成分とが化学的に結合しているので、それらの組成比を変化させることで、トナー等の所望の諸物性を容易に調整でき好ましい。
また、本実施形態の液体現像剤は、ウレタン変性アクリル樹脂を含むトナーを含むことにより、記録媒体への密着性に優れた画像が得られ、かつ粉砕性に優れるだけでなく、現像性、正帯電性及び保存安定性にも優れる。
中でも、本実施形態においては、ウレタン変性アクリル樹脂が、アクリル樹脂とウレタン樹脂とのグラフト重合体であることが好ましく、アクリル樹脂とポリエステル系ウレタン樹脂とのグラフト重合体であることが特に好ましい。
また、アクリル樹脂とウレタン樹脂とのグラフト重合体としては、アクリル樹脂の側鎖にウレタン鎖が結合したグラフト重合体であることが好ましい。
前記アクリルモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、及び、(メタ)アクリルアミドなどが好ましく挙げられる。
また、共重合可能なモノマーとして具体的には、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、マレイン酸及びその誘導体等が好ましく挙げられる。
前記アクリル部分における反応性基としては、ウレタン部分と結合可能であれば特に制限はないが、水酸基、又は、アミノ基が好ましく挙げられ、水酸基が特に好ましく挙げられる。
前記反応性基を有するモノマーとして具体的には、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及び、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましく挙げられる。
また、前記ウレタン変性アクリル樹脂におけるアクリル部分の含有量は、前記ウレタン変性アクリル樹脂の全重量に対し、10〜90重量%であることが好ましく、30〜90重量%であることがより好ましく、50〜90重量%であることが更に好ましく、50〜85重量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、記録媒体への密着性により優れた画像が得られ、粉砕性により優れ、また、液体現像剤中のトナーの分散安定性に優れる。
また、前記ウレタン変性アクリル樹脂におけるウレタン部分は、直鎖状であることが好ましく、二官能アルコール化合物及び二官能イソシアネート化合物からなることがより好ましい。
多官能アルコール化合物、及び、多官能イソシアネート化合物としては、特に制限はなく、公知のものが用いられる。
また、前記ウレタン部分は、ポリエーテル構造、ポリエステル構造、及び/又は、ポリオレフィン構造を有していることが好ましく、ポリエーテル構造、及び/又は、ポリエステル構造を有していることがより好ましく、ポリエステル構造を有していることが特に好ましい。上記態様であると、記録媒体への密着性により優れた画像が得られ、また、粉砕性により優れる。
ポリエーテル構造、ポリエステル構造、又は、ポリオレフィン構造をウレタン部分に導入するモノマーとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、又は、ポリオレフィンポリオールが好ましく挙げられ、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、又は、ポリオレフィンジオールがより好ましく挙げられる。
また、前記ウレタン部分は、ウレア結合を更に有していることが好ましい。
また、前記ウレタン変性アクリル樹脂におけるウレタン部分とアクリル部分との重量比が、ウレタン部分/アクリル部分=10/90〜70/30であることが好ましく、10/90〜50/50であることがより好ましく、15/85〜50/50であることが特に好ましい。上記範囲であると、記録媒体への密着性により優れた画像が得られ、粉砕性により優れ、また、液体現像剤中のトナーの分散安定性に優れる。
前記ウレタン変性アクリル樹脂の含有量は、トナーの全重量に対して、1〜50重量%であることが好ましく、5〜40重量%であることがより好ましく、8〜35重量%であることが更に好ましく、10〜30重量%であることが特に好ましく、15〜25重量%であることが最も好ましい。上記範囲であると、記録媒体への密着性により優れた画像が得られ、粉砕性により優れ、また、液体現像剤中のトナーの分散安定性に優れる。
具体的には、例えば、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート又は2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の反応性基を有する(メタ)アクリレート化合物を用いることにより、水酸基を有するアクリル樹脂を製造し、前記水酸基を有するアクリル樹脂(HO−R2)と分子末端にイソシアネート基を持つウレタン樹脂(R1−NCO)とを、下記式のように反応させることにより、容易に製造される。
前記トナーは、ウレタン変性アクリル樹脂以外の他の結着樹脂を含むことが好ましい。
他の結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類などの単量体からなる単独重合体、又はこれらを2種以上組み合わせて得られる共重合体、更にはこれらの混合物が挙げられる。また、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合樹脂、又は、これらと前記ビニル樹脂との混合物や、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等が挙げられる。
他の結着樹脂は、1種単独で使用しても、2種以上を使用してもよい。
これらの中でも、前記トナーは、他の結着樹脂として、ポリエステル樹脂、又は、スチレン−アクリル樹脂を含むことが好ましく、ポリエステル樹脂を含むことがより好ましい。上記態様であると、記録媒体への密着性により優れた画像が得られ、また、粉砕性により優れる。
また、ウレタン変性アクリル樹脂及び他の結着樹脂の総含有量は、トナーの全重量に対して、70〜99重量%であることが好ましく、80〜95重量%であることがより好ましい。上記範囲であると、記録媒体への密着性により優れた画像が得られ、粉砕性により優れ、また、現像性に優れる。
前記トナーは、必要に応じて、添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、特に制限はなく、公知のトナー添加剤が挙げられ、例えば、着色剤、離型剤、及び、無機粒子等が挙げられる。これら添加剤は、トナーに内添してもよいし、トナーを形成した後、混合処理を施すなどして外添してもよい。
イエローの顔料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物等に代表される化合物が用いられる。
マゼンタの顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が用いられる。
シアンの顔料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が用いられる。
黒の顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、鉄黒等が用いられる。
着色剤の含有量は、トナーの全重量に対して、0.5〜25重量%であることが好ましく、5〜20重量%であることがより好ましい。
離型剤は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
離型剤の含有量は、トナーの全重量に対して、0.1〜10重量%であることが好ましい。
金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、及び、チタン酸カルシウム等が挙げられる。
無機粒子は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
無機粒子の添加量は、トナーの全重量に対して、0.1〜10重量%であることが好ましい。
本実施形態で用いるトナーの製造方法としては、特に制限はなく、例えば、粉砕トナー、液中乳化乾燥トナー、又は、重合トナー等の製造方法で製造したトナーをキャリア液中で粉砕して好適に得られる。
具体的には、結着樹脂、必要に応じて、着色剤、他の添加剤等をヘンシェルミキサー等の混合装置に投入して混合し、この混合物を二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミル、ニーダー等で溶融混練した後、ドラムフレーカー等で冷却し、ハンマーミル等の粉砕機で粗粉砕し、更にジェットミル等の粉砕機で粉砕した後、風力分級機等を用いて分級することにより、粉砕トナーを得る方法が挙げられる。
また、結着樹脂、必要に応じて、着色剤、他の添加剤を酢酸エチル等の溶剤に溶解し、炭酸カルシウム等の分散安定剤が添加された水中に乳化、懸濁し、溶剤を除去した後、分散安定剤を除去して得られた粒子を濾過、乾燥することによって液中乳化乾燥トナーを得る方法が挙げられる。
更に、結着樹脂を形成する重合性単量体、着色剤、重合開始剤(例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、イソプロピルパーオキシカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、2,4−ジクロリルベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等)及び他の添加剤等を含有する組成物を水相中に撹拌下で加えて造粒し、重合反応後、粒子を濾過、乾燥することによって重合トナーを得る方法が挙げられる。
中でも、前記トナーは、粉砕トナーであることが好ましい。
前記トナーの体積平均粒径D50vは、0.2μm以上6.0μm以下であることが好ましく、0.5μm以上3.0μm以下であることがより好ましく、0.6μm以上2.0μm以下であることが更に好ましい。上記範囲であると、記録媒体への密着性により優れた画像が得られ、また、現像性に優れる。
トナーの体積平均粒径D50v、数平均粒度分布指標(GSDp)、体積平均粒度分布指標(GSDv)等は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置、例えば、LA920((株)堀場製作所製)を用いて測定される。粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒子径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒子径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒子径を体積D84v、数D84pと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
本実施形態の液体現像剤は、キャリア液を含む。
キャリア液は、液体現像剤において、トナーを分散させるための絶縁性の液体であり、特に制限はないが、例えば、パラフィンオイル等の脂肪族炭化水素を主成分とする脂肪族系炭化水素溶媒(市販品では、松村石油(株)製モレスコホワイトMT−30P、モレスコホワイトP40、モレスコホワイトP70、エクソンモービル社製アイソパーL、アイソパーM等)、ナフテン系オイル等の炭化水素系溶媒(市販品では、エクソンモービル社製エクソールD80、エクソールD110、エクソールD130、JX日鉱日石エネルギー(株)製ナフテゾールL、ナフテゾールM、ナフテゾールH、Newナフテゾール160、Newナフテゾール200、Newナフテゾール220、NewナフテゾールMS−20P等)が挙げられる。
中でも、鉱物油が好ましく、脂肪族炭化水素を主成分とする脂肪族系炭化水素溶媒がより好ましく、分岐の脂肪族系炭化水素溶媒が特に好ましい。
なお、本実施形態における鉱物油とは、25℃において油状である炭化水素化合物のことを指す。
キャリア液の体積抵抗率は、1.0×1010Ω・cm以上1.0×1014Ω・cm以下であることが好ましく、1.0×1010Ω・cm以上1.0×1013Ω・cm以下であることがより好ましい。
本実施形態の液体現像剤は、各種添加剤、例えば、分散剤、乳化剤、界面活性剤、安定化剤、湿潤剤、増粘剤、起泡剤、消泡剤、凝固剤、ゲル化剤、沈降防止剤、帯電制御剤、帯電防止剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、充填剤、付香剤、粘着防止剤、及び/又は、離型剤等を含んでいてもよい。
また、これら添加剤は、キャリア液に含まれていることが好ましい。
また、本実施形態の液体現像剤は、正帯電性帯電制御剤を含んでいてもよい。
正帯電性帯電制御剤としては、Solsperse13940/11200(Lubrizol社製)等のアミン系帯電制御剤やAntaronV220(ISP社製)等のピロリドン系帯電制御剤が好適に挙げられる。
帯電制御剤は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
本実施形態の液体現像剤における帯電制御剤の含有量は、キャリア液100重量部に対し、0.1〜10重量部であることが好ましい。
本実施形態の液体現像剤は、トナーとキャリア液とを、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ビーズミル等の分散機を用いて混合し、トナーをキャリア液中に分散することにより得られる。なお、トナーのキャリア液中への分散は分散機に限られず、ミキサーのごとく、特殊な撹拌羽根を高速で回転させ分散してもよいし、ホモジナイザーとして知られるローター・ステーターの剪断力で分散してもよいし、超音波によって分散してもよい。
また、本実施形態の液体現像剤は、粗粉砕した前記トナーとキャリア液とを混合し、ボールミルやビーズミル等によりキャリア液存在下にて粗粉砕トナーを更に粉砕し、所望の粒径とし、また、分散する方法も好ましく挙げられる。
その後、得られた分散液を、例えば、孔径100μm程度の膜フィルタ等を用いて濾過し、ゴミ及び粗大粒子等を除去してもよい。
本実施形態の液体現像剤は、静電荷像現像方式(電子写真方式)の画像形成方法に好適に使用される。
本実施形態の画像形成方法は、本実施形態の液体現像剤を用いる画像形成方法であればよいが、像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成工程と、前記像保持体の表面に形成された前記潜像を、現像剤保持体の表面に保持された本実施形態の液体現像剤により現像して、トナー像を形成する現像工程と、前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させて定着画像を形成する定着工程と、を含む方法であることが好ましい。
前記静電潜像形成工程は、像保持体(感光体)上に静電潜像を形成する工程である。
また、静電潜像の形成に使用する帯電方法としては、コロナ放電による帯電方法が好ましく挙げられる。
前記現像工程は、現像剤保持体上の現像剤層により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程である。前記現像剤層としては、本実施形態の液体現像剤であれば特に制限はない。
前記転写工程は、前記トナー画像を被転写体上に転写する工程である。また、転写工程における被転写体としては、中間転写体や紙等の記録媒体が例示できる。
前記定着工程では、例えば、加熱ローラの温度を一定温度に設定した加熱ローラ定着器により、転写紙上に転写したトナー像を定着して複写画像を形成する方式が挙げられる。
現像剤の除去方法としては、クリーニングブレードによる方法等が挙げられる。
クリーニングブレードの材質としては、ウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が好ましく挙げられる。
記録媒体としては、公知のものを使用することができ、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される紙、OHPシート等が挙げられ、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
中でも、記録媒体の表面の材質が、ポリエステル樹脂又はポリオレフィン樹脂である記録媒体が好適に用いられる。上記態様であると、本実施形態の効果がより発揮される。
本実施形態の画像形成装置は、本実施形態の液体現像剤により静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段を有していればよいが、像保持体と、前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像保持体の表面に形成された前記潜像を、現像剤保持体の表面に保持された本実施形態の液体現像剤により現像して、トナー像を形成する現像手段と、前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させて定着画像を形成する定着手段と、を備える装置であることが好ましい。
なお、本実施形態の画像形成装置は、上記のような像保持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも含むものであれば特に限定はされないが、その他必要に応じて、清掃手段や除電手段等を含んでいてもよい。
前記転写手段では、中間転写体を用いて2回以上の転写を行ってもよい。また、転写手段における被転写体としては、中間転写体や紙等の記録媒体が例示できる。
また、前記帯電手段としては、コロナ帯電手段が好ましく挙げられる。
また、本実施形態の画像形成装置においては、像保持体上に残留する静電荷像現像剤をクリーニングブレードにより除去する清掃手段を備えることが好ましい。
清掃手段としては、例えば、クリーニングブレード、クリーニングブラシなどが挙げられる。
以下、この画像形成装置100の動作について説明する。
現像装置14は、現像ローラ14aと現像剤収納容器14bとを含んで構成される。現像ローラ14aは、現像剤収納容器14bに収納される液体現像剤24に一部が浸るようにして設けられる。液体現像剤24は、絶縁性のキャリア液と、トナーとを含む。
液体現像剤24中では、トナーは分散されているが、例えば液体現像剤24を、更に現像剤収納容器14b内に設けられる撹拌部材によって撹拌し続けることで、液体現像剤24中のトナーの濃度の位置ばらつきは低減される。これにより図の矢印A方向に回転する現像ローラ14aには、トナーの濃度バラツキが低減された液体現像剤24が供給される。
現像されたトナー像26は、図の矢印B方向に回転する感光体10に搬送され、記録媒体(記録媒体)30に転写されるが、本実施形態では、記録媒体30に転写する前に、感光体10からのトナー像の剥離効率を含めた記録媒体への転写効率を向上させ、さらに記録媒体への転写と同時に定着を行うため、一旦中間転写体16にトナー像を転写する(中間転写工程)。このとき、感光体10及び中間転写体16間に周速差を設けてもよい。
一方、中間転写体16にトナー像26を転写した感光体10では、転写されずに残留したトナーがクリーナ18との接触位置まで運ばれ、クリーナ18によって回収される。なお、転写効率が100%に近く、残留トナーが問題とならない場合は、クリーナ18は設けなくてもよい。
画像形成装置100に備えられる帯電装置20、露光装置12、現像装置14、中間転写体16、転写定着ローラ28、及び、クリーナ18等は、例えば、全てが感光体10の回転速度と同期をとって動作されてもよい。
本実施形態の現像剤カートリッジは、本実施形態の液体現像剤を少なくとも収容している現像剤カートリッジである。
また、本実施形態のプロセスカートリッジは、像保持体表面上に形成された静電潜像を液体現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、像保持体、前記像保持体表面を帯電させるための帯電手段、及び、前記像保持体表面に残存したトナーを除去するためのクリーニング手段よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、を備え、本実施形態の液体現像剤を少なくとも収容しているプロセスカートリッジである。
本実施形態の現像剤カートリッジ及びプロセスカートリッジは、画像形成装置に脱着されるものであることが好ましい。
また、本実施形態のプロセスカートリッジは、その他必要に応じて、除電手段等、その他の部材を含んでもよい。
プロセスカートリッジとしては、公知の構成を採用してもよく、例えば、特開2008−209489号公報、及び、特開2008−203736号公報等が参照される。
8UA−146(大成ファインケミカル(株)製ウレタン変性アクリル樹脂、重量平均分子量Mw:30,000、ウレタン部分/アクリル部分=30/70(重量比)、アクリル部分のガラス転移温度Tg:82℃、ウレタン部分:ポリエステル系)
8UA−239H(大成ファインケミカル(株)製ウレタン変性アクリル樹脂、Mw:30,000、ウレタン部分/アクリル部分=20/80(重量比)、アクリル部分のTg:75℃、ウレタン部分:ポリエーテル系)
8UA−017(大成ファインケミカル(株)製ウレタン変性アクリル樹脂、Mw:40,000、ウレタン部分/アクリル部分=50/50(重量比)、アクリル部分のTg:50℃、ウレタン部分:ポリエーテル系)
UA−1(下記合成品、Mw:30,000、ウレタン部分/アクリル部分=12/88(重量比)、アクリル部分のTg:65℃、ウレタン部分:ポリエステル系)
UA−2(下記合成品、Mw:32,000、ウレタン部分/アクリル部分=75/25(重量比)、アクリル部分のTg:65℃、ウレタン部分:ポリエステル系)
UA−3(下記合成品、Mw:28,000、ウレタン部分/アクリル部分=5/95(重量比)、アクリル部分のTg:65℃、ウレタン部分:ポリエステル系)
UA−4(下記合成品、Mw:35,000、ウレタン部分/アクリル部分=85/15(重量比)、アクリル部分のTg:65℃、ウレタン部分:ポリエステル系)
撹拌機、滴下ロート、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、メチルエチルケトン(MEK)300重量部を仕込み、窒素気流下で110℃まで昇温し、メタクリル酸メチル440重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル60重量部、アゾビスイソブチロニトリル3重量部の混合溶液を滴下ロートに仕込み、その混合物を加圧下で2時間かけて等速で滴下した。次いでアゾビスイソブチロニトリル2重量部とメチルエチルケトン(MEK)100重量部とを滴下ロートに仕込み加圧下で2時間かけて等速に滴下した。その後、加圧下で3時間エージング(110℃で撹拌)しメチルエチルケトン(MEK)100重量部で希釈し、水酸基を有するアクリル樹脂(A)を合成した。
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口及び還流冷却器を備えた四つ口フラスコに、1,4−シクロヘキサンジメタノールとアジピン酸とを反応させて得られた脂肪族環式構造含有ポリエステルポリオール(水酸基価:112.2mgKOH/g)500.0重量部を仕込み、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを262.4重量部、メチルエチルケトン(MEK)を190.6重量部加え、発熱を抑制しながら、80℃で3時間反応させることによって分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー溶液を得た。
次いで、40℃まで冷却した前記ウレタンプレポリマー溶液と、N,N−ジメチルホルムアミドの1,516.8重量部と、メチルエチルケトン(MEK)の567.8重量部とを混合した後、イソホロンジアミンの76.8重量部と混合し、60℃で3時間反応させることによって分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(U)(重量平均分子量15,000)の溶液を得た。
撹拌機、滴下ロート、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、水酸基を有するアクリル樹脂(A)を352重量部、ウレタンプレポリマー(U)48重量部、メトキノン(p−メトキシフェノール)0.5重量部、ジオクチルスズ0.05重量部を仕込み窒素と酸素との混合気流下で80℃まで昇温し8時間反応させた。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)にてイソシアネート基のピークが消失したことを確認し、メチルエチルケトン(MEK)650重量部で希釈し反応を終了し、ウレタン部分/アクリル部分の比率(U/A比率、重量比)が12/88のウレタン変性アクリル樹脂UA−1を合成した。
撹拌機、滴下ロート、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、水酸基を有するアクリル樹脂(A)を100重量部、ウレタンプレポリマー(U)300重量部、メトキノン0.5重量部、ジオクチルスズ0.05重量部を仕込み窒素と酸素との混合気流下で80℃まで昇温し8時間反応させた。
FT−IRにてイソシアネート基のピークが消失したことを確認し、メチルエチルケトン(MEK)650重量部で希釈し反応を終了し、U/A比率が75/25のウレタン変性アクリル樹脂UA−2を合成した。
撹拌機、滴下ロート、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、水酸基を有するアクリル樹脂(A)を395重量部、ウレタンプレポリマー(U)20重量部、メトキノン0.5重量部、ジオクチルスズ0.05重量部を仕込み窒素と酸素との混合気流下で80℃まで昇温し8時間反応させた。
FT−IRにてイソシアネート基のピークが消失したことを確認し、メチルエチルケトン(MEK)650重量部で希釈し反応を終了し、U/A比率が5/95のウレタン変性アクリル樹脂UA−3を合成した。
撹拌機、滴下ロート、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、水酸基を有するアクリルポリマー(A)を60重量部、ウレタンプレポリマー(U)340重量部、メトキノン0.5重量部、ジオクチルスズ0.05重量部を仕込み窒素と酸素の混合気流下で80℃まで昇温し8時間反応させた。
FT−IRにてイソシアネート基のピークが消失したことを確認し、メチルエチルケトン(MEK)650重量部で希釈し反応を終了し、U/A比率が85/15のウレタン変性アクリル樹脂UA−4を合成した。
<非結晶性ポリエステル樹脂の合成>
加熱乾燥した二口フラスコに、テレフタル酸ジメチル200重量部と、1,3−ブタンジオール85重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.3重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気とし、機械撹拌にて180rpmで5時間撹拌を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、非結晶性ポリエステル樹脂(芳香族ジカルボン酸由来構成成分の含有量が100重量%である酸由来構成成分と、脂肪族ジオール由来構成成分の含有量が100重量%であるアルコール由来構成成分と、を含む非結晶性ポリエステル樹脂)240重量部を合成した。
GPCによる分子量測定(ポリスチレン換算)の結果、得られた非結晶性ポリエステル樹脂(1)の重量平均分子量(Mw)は9,500であり、数平均分子量(Mn)は4,200であった。また、非結晶性ポリエステル樹脂(1)のDSCスペクトルを、前述の示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱量変化が観察された。階段状の吸熱量変化の中間点をとったガラス転移温度は55℃であった。なお、樹脂酸価は18mgKOH/gであった。
−着色剤マスターバッチの調製−
樹脂材料として、ポリエステル樹脂(ガラス転移温度(Tg):55℃):100重量部を用意した。
次に、上記樹脂材料と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化工業(株)製、ピグメントブルー15:3)との混合物(重量比50:50)を用意した。これらの各成分をヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
更に、この原料(混合物)を2軸混練押出機を用いて混練し、2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を冷却した。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.0mm以下の着色剤マスターバッチとした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
また、シアン顔料の着色剤マスターバッチ調整方法と同様にして、イエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74、大日精化工業(株)製)、マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド269、大日精化工業(株)製)、又は、ブラック顔料(C.I.ピグメントブラック7、三菱化学(株)製)を用いてそれぞれのマスターバッチを得た。
(実施例1)
前記着色剤マスターバッチ:100重量部、前記ポリエステル樹脂:100重量部、ウレタン変性アクリル樹脂8UA−146:50重量部を2軸混練押出機を用いて混練した。そして、2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を冷却した。得られた混練物をハンマーミルで粉砕し、粗粉砕物を得た。
上記調製方法と同様にして、表1に記載の実施例2〜11、並びに、比較例1及び2の粗粉砕物を得た。
例えば、実施例2においては、前記着色剤マスターバッチ:100重量部、前記ポリエステル樹脂:125重量部、ウレタン変性アクリル樹脂8UA−146:25重量部を2軸混練押出機を用いて混練した。そして、2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を冷却した。得られた混練物をハンマーミルで粉砕し、粗粉砕物を得た。
なお、比較例2においては、更に粉砕助剤FTR2120(三井化学(株)製、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(共重合モル比1:1)、Mw:2,630)を2軸混練押出機に添加した。
上記の方法で得られた粗粉砕物と、キャリア液としての鉱物油(アイソパーH、エクソン社製、イソパラフィン系炭化水素化合物)とをセラミック製ポットに入れ、更にジルコニアボール(ボール直径:5mm)を体積充填率60%になるようにセラミック製ポットに入れ、卓上ポットミルにて回転速度300rpmで湿式粉砕を行い、トナー粒子の体積平均粒径(D50)が1.0μmとなった時点で粉砕を終了し、各実施例及び各比較例の液体現像剤をそれぞれ得た。ただし、粉砕が進行しない場合はその時点で終了とした。
湿式粉砕後の粉砕物をサンプリングし、トナー粒子の体積平均粒径(D50)を測定し、粉砕性の評価を実施した。
○:体積平均粒径(D50)が2μm以下である
△:体積平均粒径(D50)が2〜3μmまで粉砕は進むが、その後圧延してしまい粉砕が進行しない
×:体積平均粒径(D50)が3μmより大きい(圧延の影響が大きく粉砕が進行しない。)
図1に示すような画像形成装置を用いて、画像形成装置の現像ローラー上に前記各実施例及び各比較例で得られた液体現像剤による液体現像剤層を形成した。次に、現像ローラーの表面電位を300Vとし、感光体の表面電位を500Vで均一に帯電させ、感光体に露光を行い、感光体表面の帯電を減衰させ、表面電位を50Vとした。液体現像剤層が感光体と現像ローラーとの間を通過した後の、現像ローラー上のトナー粒子と、感光体上のトナー粒子とをテープで採取した。採取に用いた各テープを記録紙上に貼り付け、それぞれのトナー粒子の濃度を測定した。測定後、感光体上で採取されたトナー粒子の濃度を、感光体上で採取されたトナー粒子の濃度と現像ローラー上で採取されたトナー粒子の濃度との総和で除した数値に100を掛けた値を現像効率として求め、以下の5段階の基準に従い評価した。
A:現像効率が96%以上であり、現像効率に特に優れる
B:現像効率が91%以上96%未満であり、現像効率に優れる
C:現像効率が85%以上91%未満であり、実用上問題のない
D:現像効率が55%以上85%未満であり、現像効率に劣る
E:現像効率が55%よりも小さく、現像効率に特に劣る
各実施例及び各比較例で得られた液体現像剤について、(株)マイクロテック・ニチオン製の「顕微鏡式レーザーゼータ電位計」ZC−3000を用いて電位差を測定し、以下の5段階の基準に従い評価した。測定は、液体現像剤を希釈溶媒で希釈して、Φ10mmの透明セルに入れ、電極間9mmで300Vの電圧をかけると同時に顕微鏡でセル内の粒子の移動速度を観察することで、移動速度を算出して、その値からゼータ電位を求めることにより行った。
A:電位差が+100mV以上(非常に良い)
B:電位差が+85mV以上、+100mV未満(良い)
C:電位差が+70mV以上、+85mV未満(普通)
D:電位差が+50mV以上、+70mV未満(やや悪い)
E:電位差が+50mV未満(非常に悪い)
各実施例及び各比較例で得られた液体現像剤10mLを試験管(口径12mm、長さ120mm)に入れ、14日間静置後の沈降した深さを測定し、以下の5段階の基準に従って評価した。結果を表1に示す。
A:沈降した深さが0mm
B:沈降した深さが0mmよりも大きく、2mm以下
C:沈降した深さが2mmよりも大きく、4mm以下
D:沈降した深さが4mmよりも大きく、6mm以下
E:沈降した深さが6mmよりも大きい
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム又は二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムに印刷した後、印字面にカッターナイフを用いて素地に達する11本の切り傷(切り傷の間隔は1mm)をつけ100個の碁盤目を作成した。次に、この碁盤目部分にセロテープ(登録商標)(セロハン粘着テープ、24mm幅、JIS Z1522)を消しゴムを使用して強く圧着させたのち、テープの端を45°の角度で一気に引き剥がして評価した。
A:どの格子の目も剥がれがない
B:カットの交差点におけるトナー画像の小さな剥がれが生じている。トナー画像の剥離率が、明確に5%を上回らない
C:トナー画像がカットの線に沿って、交差点において剥がれている。トナー画像の剥離率が、5%以上15%未満
D:トナー画像がカットの線に沿って部分的、全面的に剥がれている。トナー画像の剥離率が、15%以上65%未満
<分散剤Aの作製>
撹拌機、温度計、ガス導入管をつけた反応容器に、脱イオン水2,300重量部、メタクリル酸メチル25重量部、メタクリル酸3−ナトリウムスルホプロピル75重量部を仕込み、窒素ガスを約30分流通させた。内容物を撹拌しながら60℃に昇温した後、過硫酸アンモニウム0.5重量部を添加し、3時間撹拌した後冷却した。青白色の外観を呈する粘度340mPa・s(25℃)の分散剤A含有液(固形分3.3重量%)を得た。
撹拌機及び温度計を備えた反応容器に、脱イオン水160重量部、ポリアクリル酸ソーダ水溶液(固形分3.3重量%)0.04重量部、分散剤A 0.01重量部、硫酸ナトリウム0.4重量部を仕込み、次いで単量体成分としてスチレン80重量部、ブチルアクリレート20重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート0.3重量部、及び、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2重量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート0.5重量部を添加した。内容物を撹拌しながら40℃から130℃まで65分間で昇温し、130℃に到達した後、更に2時間30分撹拌した後、冷却し、重合体粒子の懸濁液を得た。重合体を分離、洗浄、乾燥し、ガラス転移温度(Tg)55℃、重量平均分子量24,000のスチレン−アクリル樹脂を得た。
樹脂材料として、前記スチレン−アクリル樹脂(Tg:55℃):100重量部を用意した。
次に、上記樹脂材料と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化工業(株)製、ピグメントブルー15:3)との混合物(重量比50:50)を用意した。これらの各成分をヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
更に、この原料(混合物)を2軸混練押出機を用いて混練し、2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を冷却した。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.0mm以下の着色剤マスターバッチとした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
また、シアン顔料の着色剤マスターバッチ調整方法と同様にして、イエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74、大日精化工業(株))、マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド269、大日精化工業(株))、ブラック顔料(C.I.ピグメントブラック7、三菱化学(株))を用いてそれぞれのマスターバッチを得た。
また、実施例1と同様に各種評価を行った。評価結果を以下に示す。
粉砕性:○
現像性:C
正帯電性:C
分散安定性:C
密着性(PET):C
密着性(OPP):C
<ポリウレタン樹脂の作製>
セパラブルフラスコにコハク酸600重量部及び1,4−ブタンジオール550重量部を入れ、系を100℃まで加熱しTipt(チタンテトライソプロポキシド)0.03重量部添加した後、脱水反応を行いながら系の温度を140℃として2時間反応させた。更に系の温度を220℃まで上げて反応を行い、重量平均分子量7,000のポリエステルジオールを得た。
これにヘキサメチレンジイソシアネート20重量部を入れ、加熱撹拌しながら、ジブチル錫ラウレート0.1重量部を添加し、120℃で1時間反応してTg:50℃、重量平均分子量10,000の熱可塑性ポリウレタンを得た。
樹脂材料として、前記ポリエステル樹脂(ガラス転移温度(Tg):55℃):100重量部を用意した。
次に、上記樹脂材料と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化工業(株)製、ピグメントブルー15:3)との混合物(重量比50:50)を用意した。これらの各成分をヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
更に、この原料(混合物)を2軸混練押出機を用いて混練し、2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を冷却した。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.0mm以下の着色剤マスターバッチとした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
また、シアン顔料の着色剤マスターバッチ調整方法と同様にして、イエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74、大日精化工業(株)製)、マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド269、大日精化工業(株)製)、ブラック顔料(C.I.ピグメントブラック7、三菱化学(株)製)を用いてそれぞれのマスターバッチを得た。
また、実施例1と同様に各種評価を行った。評価結果を以下に示す。
粉砕性:×
現像性:C
正帯電性:C
分散安定性:C
密着性(PET):B
密着性(OPP):B
−着色剤マスターバッチの調製−
樹脂材料として、前記ポリエステル樹脂(ガラス転移温度(Tg):55℃):100重量部を用意した。
次に、上記樹脂材料と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化工業(株)製、ピグメントブルー15:3)との混合物(重量比50:50)を用意した。これらの各成分をヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
更に、この原料(混合物)を2軸混練押出機を用いて混練し、2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を冷却した。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.0mm以下の着色剤マスターバッチとした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
また、シアン顔料の着色剤マスターバッチ調整方法と同様にして、イエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74、大日精化工業(株)製)、マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド269、大日精化工業(株)製)、ブラック顔料(C.I.ピグメントブラック7、三菱化学(株)製)を用いてそれぞれのマスターバッチを得た。
また、実施例1と同様に各種評価を行った。評価結果を以下に示す。
粉砕性:×
現像性:C
正帯電性:C
分散安定性:D
密着性(PET):D
密着性(OPP):D
Claims (7)
- キャリア液と、
ウレタン変性アクリル樹脂を含むトナーと、を含むことを特徴とする
液体現像剤。 - 前記ウレタン変性アクリル樹脂におけるウレタン部分とアクリル部分との重量比が、10/90〜90/10である、請求項1に記載の液体現像剤。
- 前記キャリア液が、鉱物油を含む、請求項1又は2に記載の液体現像剤。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体現像剤が収容されている、現像剤カートリッジ。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体現像剤が収容されている、プロセスカートリッジ。
- 像保持体と、
前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像保持体の表面に形成された前記潜像を、現像剤保持体の表面に保持された請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体現像剤により現像して、トナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させて定着画像を形成する定着手段と、を備える
画像形成装置。 - 像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成工程と、
前記像保持体の表面に形成された前記潜像を、現像剤保持体の表面に保持された請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体現像剤により現像して、トナー像を形成する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写工程と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させて定着画像を形成する定着工程と、を含む
画像形成方法。
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