JP6201356B2 - プルリング付き口栓と容器 - Google Patents
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Description
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、注出筒の内側下方を閉鎖板を設けて封止し、閉鎖板の開口予定位置であって注出筒の筒壁の近傍を通る位置に環状薄肉脆弱線を設けて、この閉鎖板中に前記環状薄肉脆弱線で囲まれて平面形状が円板である除去板を形成し、この除去板での前記環状薄肉脆弱線の近傍位置にプルリングを有する支柱が立設されているプルリング付き口栓において、
前記除去板における支柱立設側となる領域の肉厚を、除去板での前記支柱立設側とは反対側の領域の肉厚に比して薄肉にして、支柱立設部を含む前記支柱立設側の領域が撓み容易な板状の薄肉板部として形成され、除去板における前記薄肉板部以外の領域が薄肉板部よりは撓み変形を困難な板状の厚肉板部として形成されていて、支柱立設部から除去板の中央を通る除去板径方向に、互いに肉厚が相違する前記二つの板部が段差部を介して並び設けられており、
前記段差部は、支柱立設部から除去板の中央を通る前記除去板径方向に対して直交する方向に直線状とされて、この段差部の端部の部分それぞれの位置は、筒壁の近傍に位置する前記環状薄肉脆弱線の位置と一致していることを特徴とするプルリング付き口栓を提供して、上記課題を解消するものである。
そして、上記発明は、除去板の中央は射出ノズル対応部とされ、この射出ノズル対応部が上記厚肉板部の領域に含まれているものとすることが良好である。
また、上記発明は、閉鎖板の外周部であって上記支柱立設部に対応する部分のみに、閉鎖板厚さを厚肉にしてこの厚肉により撓み変形が抑止された補強部が設けられていることが良好である。
また、もう一つの発明は、上記プルリング付き口栓が口栓取付部位に取り付けられていることを特徴とする容器であり、この容器を提供して上記課題を解消するものである。
請求項1の発明によれば、プルリングを有する支柱が立設されている支柱立設部が除去板の撓み変形容易な薄肉板部にあるので、開栓に際してプルリングを持って引っ張るようにすれば、除去板の支柱立設部が局所的に変形するようになり、環状薄肉脆弱線の前記支柱立設部の直近で位置している部分に応力が集中してその箇所に裂けが生じ易くなる。そして、支柱立設部に直近の環状薄肉脆弱線で生じた裂けを始端として裂け目が薄肉板部の周りの環状薄肉脆弱線に沿って進むようになる。
請求項2の発明によれば、射出ノズル対応部が厚肉板部の部分に位置しているので、口栓成形に際し、射出ノズル対応部の位置からの樹脂の広がりが阻害されることがないという効果を奏する。
請求項3の発明によれば、閉鎖板の外周部であって上記支柱立設部に対応する部分のみに補強部が設けられているので、プルリングを引っ張った際、前記補強部は変形し難く、引っ張りによる応力が補強部と支柱立設部の間の環状薄肉脆弱線に集中し易く、その部分で裂けの発生がより一層容易になる。
請求項4の発明によれば、開栓力を小さくした上記発明の口栓が取り付けられているので開封が容易な容器となる。また、閉鎖板中にある除去板を円形としても開栓力が高まることがないため、この除去板を円形にして開封後に円形の開口が形成されるようにすることで、口栓から収容液を注出し易い容器を提供できる。
(口栓の第一の実施例)
図中1はプルリング付き口栓で、図1の断面で示すように該口栓1はキャップ2が被せられる注出筒3の下端外周にフランジ4が一体に設けられている。前記注出筒3の内側下方は閉鎖板5を設けて封止し、この閉鎖板5の開口予定位置に縦断面を略V字の溝形状とした環状薄肉脆弱線6を設けていて、閉鎖板5中に環状薄肉脆弱線6で囲まれてなる除去板7を形成し、この除去板7において環状薄肉脆弱線6の近傍位置に、プルリング8を有する支柱9が立設されている。
上記環状薄肉脆弱線6は閉鎖板5の下面側に形成されていて、図2に示すように除去板7の外周面である溝内側面10と注出筒3の筒壁11側の溝外側面12との間に薄肉の脆弱板13が位置してなるものである。この環状薄肉脆弱線6は口栓1を下方から見た状態で示すように注出筒3と同心の円形状であり、筒壁11の近くを通る配置である。また環状薄肉脆弱線6が円形状であるため、除去板7の平面形状は円板となっている(図3)。
第一の実施例において、上記除去板7は図示されているように互いに肉厚を相違させて上面を面一に揃えている二つの板部を有してなるものである。前述したようにこの除去板7を構成する二つの板部は支柱立設部14を含む薄肉板部15とこの薄肉板部15以外の部分である厚肉板部16とであり、支柱立設部14から除去板7の中央の射出ノズル対応部17を通る除去板径方向に、段差部18を介して並び設けられている。
(補強部)
図5は第二の実施例を示していて、図中の符号21は上記第一の実施例における閉鎖板5の環状薄肉脆弱線6の筒壁11側となる外周部20の一部分に設けられた補強部を示している。即ち、この第二の実施例は、支柱立設部14に相対する位置のみを補強部21としている例である。前記補強部21は、支柱立設部14に相対する部分がプルリング8の引っ張り方向に撓むように変形することを抑えて、その支柱立設部14に相対する部分の剛性を高める補強を行なうもので、本口栓1においてプルリング8を引っ張って開封する際に支柱立設部14の近傍の環状薄肉脆弱線6中の脆弱板13に裂けがより生じ易くなるようにしているものである。
上記実施例では環状薄肉脆弱線6が閉鎖板5の下面側に形成されて、縦断面形状が下方に開く略V字状としているが、本口栓1ではこの環状薄肉脆弱線6が閉鎖板5の上面側に形成して縦断面形状を下方が開く略V字状としてもよく、その例を図6にて第三の実施例として示している。第三の実施例の環状薄肉脆弱線6は閉鎖板5の上面側に形成されている点と上記二つの板部の段差形成が除去板7の上面側で形成されている点で上記実施例と相違していて、除去板7の外周面である溝内側面10と注出筒3の筒壁11側の溝外側面12との間に位置する脆弱板13の下面と除去板7の下面とは面一となり、薄肉板部15と厚肉板部16との段差は除去板7の上面側に形成され、薄肉板部15と厚肉板部16との両下面が面一となっているものである。
第三の実施例でも、上記実施例と同様に、下方に突出した凸部分22を設けることによってその凸部分22のある閉鎖板5の厚さを厚肉にされた補強部21を形成したり、上方に突出した凸部分22を設けることによってその凸部分22のある閉鎖板5の厚さを厚肉にされた補強部21を形成することも可能である(図7)。
図8は上記実施例による口栓1が取り付けられている液体用紙容器23を示している。この液体用紙容器23は容器上部を切妻屋根状としたゲーベルトップタイプの容器で、一面の傾斜天板に開口された口栓取付孔(口栓取付部位)から注出筒3が外部に突出するようにして配されていて、口栓取付孔周りの板材内面と口栓1のフランジとを融着することでブルリング付き口栓1を取り付けた容器としているものであり、注出筒3にはキャップが被せ付けられている。上述したように口栓1の開封に際し、プルリングを引っ張ったときの応力が集中する裂け始端形成部によって、支柱立設部やその周辺で撓みや伸長などの大きな変形を招かずに容易に裂けが生じて開栓力が小さくなり、これによって開封操作がすこぶる簡単な容器となるものである。なお、口栓1を取り付けた容器はこの液体用紙容器に限定されるものではない。
口栓1について上述した実施例ではそれぞれフランジを一体に有するものであって、別成形のキャップをネジ付けできるように注出筒の外周には外ネジを有するものとしている。しかしながら、本発明での口栓は上記実施例に示したものに限定されるものではなく、注出筒にセルフヒンジを介してキャップが連結されている口栓や、ボトル型の容器の口栓取付孔に嵌め付けることができるようにその嵌合部位を注出筒が備える形態の口栓であってもよく、容器も嵌合タイプの口栓が取り付けられたものとすることも可能である。
5…閉鎖板
6…環状薄肉脆弱線
7…除去板
8…プルリング
9…支柱
14…支柱立設部
15…薄肉板部
16…厚肉板部
17…射出ノズル対応部
18…段差部
19…支柱立設周辺部
20…閉鎖板の外周部
21…補強部
22…凸部分
23…液体用紙容器
Claims (4)
- 注出筒の内側下方を閉鎖板を設けて封止し、閉鎖板の開口予定位置であって注出筒の筒壁の近傍を通る位置に環状薄肉脆弱線を設けて、この閉鎖板中に前記環状薄肉脆弱線で囲まれて平面形状が円板である除去板を形成し、この除去板での前記環状薄肉脆弱線の近傍位置にプルリングを有する支柱が立設されているプルリング付き口栓において、
前記除去板における支柱立設側となる領域の肉厚を、除去板での前記支柱立設側とは反対側の領域の肉厚に比して薄肉にして、支柱立設部を含む前記支柱立設側の領域が撓み容易な板状の薄肉板部として形成され、除去板における前記薄肉板部以外の領域が薄肉板部よりは撓み変形を困難な板状の厚肉板部として形成されていて、支柱立設部から除去板の中央を通る除去板径方向に、互いに肉厚が相違する前記二つの板部が段差部を介して並び設けられており、
前記段差部は、支柱立設部から除去板の中央を通る前記除去板径方向に対して直交する方向に直線状とされて、この段差部の端部の部分それぞれの位置は、筒壁の近傍に位置する前記環状薄肉脆弱線の位置と一致していることを特徴とするプルリング付き口栓。 - 除去板の中央は射出ノズル対応部とされ、この射出ノズル対応部が上記厚肉板部の領域に含まれている請求項1に記載のプルリング付き口栓。
- 閉鎖板の外周部であって上記支柱立設部に対応する部分のみに、閉鎖板厚さを厚肉にしてこの厚肉により撓み変形が抑止された補強部が設けられている請求項1または2に記載のプルリング付き口栓。
- 請求項1から3の何れか一項に記載のプルリング付き口栓が口栓取付部位に取り付けられていることを特徴とする容器。
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