JP6199228B2 - 遮光シート - Google Patents
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これらの提案は黒色化繊の改善又は別技術であるが、調整方法や加工方法等の課題を有しているため、黒色化繊を代替する技術には至っていない。
[1]酸化チタン及び/又はカーボンブラック、及びTi−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料を含む、遮光シート。
[2]酸化チタン及び/又はカーボンブラック、及びTi−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料を含むポリオレフィン系フラットヤーンおよび/またはモノフィラメントを用いて形成される、[1]に記載の遮光シート。
[3]前記フラットヤーンが、酸化チタン及び/又はカーボンブラック、及びTi−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料を含むポリオレフィン系樹脂フィルムを裁断し、場合により延伸することにより得られる、[2]に記載の遮光シート。
[4]前記モノフィラメントが、酸化チタン及び/又はカーボンブラック、及びTi−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料を含むポリオレフィン系樹脂から成形して得られる、[2]に記載の遮光シート。
[5]形態が不織布、織布、フィルム、ネットのいずれか、またはこれらの複合体であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載の遮光シート。
[6]被覆茶用茶葉を栽培するために用いられる[1]〜[5]のいずれか1項に記載の遮光シート。
[7]酸化チタン及び/又はカーボンブラック、及びTi−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料を含む、ポリオレフィン系樹脂フィルム。
[8]被覆茶用茶葉栽培用の遮光シートを製造するために用いられる、[7]に記載のポリオレフィン系樹脂フィルム。
に存するものである。
本発明のポリオレフィン系樹脂フィルムにおける酸化チタン及び/又はカーボンブラック、及びTi−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料の合計含有量は、ポリオレフィン系樹脂フィルムの全重量に対し、通常1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%、更に好ましくは3〜10重量%である。
また、ポリオレフィン系樹脂フィルム中のTi−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料の含有量は、ポリオレフィン系樹脂フィルムの全重量に対し、通常0.3〜3重量%、好ましくは0.5〜2.5重量%である。
ポリオレフィン系樹脂フィルム中の酸化チタン、カーボンブラックの含有量は、酸化チタン、カーボンブラック及びTi−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料の合計含有量が上記の範囲内となるように適宜定めることができる。
Ti−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料とは、二酸化チタン、酸化クロム(Cr2O3)、酸化アンチモン(Sb2O3)を配合し、1300℃で焼成することによりアンチモンはSb5+イオンとなり、ルチル型のCrSbO4の形でTiO2に固溶した顔料であり、例えば、Brown24(TOMATEC等)を使用することができる。
また、本発明のポリオレフィン系樹脂フィルムには、酸化チタン、カーボンブラック、Ti−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料以外に、隠蔽性を上げるために通常使用される顔料(例えば、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等)や、一般的に使用される種々の着色顔料(例えば、黄色、赤色又は黒色の酸化鉄等)を添加することができる。
多層フィルムの場合は、酸化チタン及び/又はカーボンブラック、及びTi−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料は、全層に添加してもよく、また一部の層(中間層、又は中間層及び外層等)に添加することもできる。
また、上記の耐候性向上剤(ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤等)、耐候剤、赤外線吸収剤、保温剤等の各種添加剤についても、全層に添加してもよく、また一部の層(中間層、又は中間層及び外層等)に添加することもできる。
本発明のポリオレフィン系樹脂フィルムの400〜500nmの分光光度計による全光線透過率の平均値は、5%以下であり、好ましくは3%以下である。また、本発明のポリオレフィン系樹脂フィルムの500〜700nmの分光光度計による全光線透過率の平均値は、5%以上であり、30%以下、好ましくは25%以下、より好ましくは20%以下、更に好ましくは15%以下であり、最も好ましくは10%以下である。ここで、全光線透過率の平均値とは1nmごとの透過率の平均値を表す。
本発明のポリオレフィン系樹脂フィルムは、このような光透過特性を有することにより、特に被覆茶用茶葉を栽培するにあたり、葭簀や藁と同程度の栽培効果を得ることが可能となる。
一般に、フラットヤーンの厚みは10〜200μmであり、幅は1〜20mmである。
モノフィラメントの繊度は通常100〜3000デニールである。
本発明の遮光シートは、酸化チタン及び/又はカーボンブラック、及びTi−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料を含むポリオレフィン系フラットヤーンおよび/またはモノフィラメントを用いて形成されるが、フラットヤーン又はモノフィラメント中の酸化チタン及び/又はカーボンブラック、及びTi−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料の合計含有量は、フラットヤーン又はモノフィラメントの全重量に対し、通常1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%、更に好ましくは3〜10重量%である。
また、フラットヤーン又はモノフィラメント中のTi−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料の含有量は、フラットヤーン又はモノフィラメントの全重量に対し、通常0.3〜3重量%、好ましくは0.5〜2.5重量%である。
フラットヤーン又はモノフィラメント中の酸化チタン、カーボンブラックの含有量は、酸化チタン及び/又はカーボンブラック及びTi−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料の合計含有量が上記の範囲内となるように適宜定めることができる。
Ti−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料とは、二酸化チタン、酸化クロム(Cr2O3)、酸化アンチモン(Sb2O3)を配合し、1300℃で焼成することによりアンチモンはSb5+イオンとなり、ルチル型のCrSbO4の形でTiO2に固溶した顔料であり、例えば、Brown24(TOMATEC等)を使用することができる。
また、本発明の遮光シートには、酸化チタン、カーボンブラック、Ti−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料以外に、隠蔽性を上げるために通常使用される顔料(例えば、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等)や、一般的に使用される種々の着色顔料(例えば、黄色、赤色又は黒色の酸化鉄等)を添加することができる。
ここで、遮光シートの形態がネットや不織布等の場合は、本発明のポリオレフィン系樹脂フィルムについて前記した分光光度計による全光線透過率の測定のほかに、分光放射計を使用して全光線透過率を測定することも可能である。
本発明の遮光シートの400〜500nmの分光放射計による全光線透過率の平均値は、5%以下であり、好ましくは3%以下である。また、本発明の遮光シートの500〜700nmの分光放射計による全光線透過率の平均値は、好ましくは5%以上である。また、500〜700nmの分光放射計による全光線透過率の平均値の上限値については、重ね合わせるフラットヤーンおよび/またはモノフィラメントの枚数、編目の大きさ等を適宜調整することにより葭簀や藁と同程度のレベルにすることが可能である。
本発明の遮光シートは、このような光透過特性を有することにより、特に被覆茶用茶葉を栽培するにあたり、葭簀や藁と同程度の栽培効果を得ることが可能となる。
更に、本発明の遮光シートは、適宜定められる編目を有することから、通気性、水分徐放性を有する。従って、本発明の遮光シートは、被覆茶用茶葉の栽培に好適に使用することができる。
3層インフレーション成形装置として3層ダイに100mmφ((株)プラ工研製)を用い、押出機はチューブ外内層を30mmφ((株)プラ技研製)2台、中間層を40mmφ((株)プラ技研製)として、外内層押出し機温度180℃、中間層押し出し機温度170℃、ダイス温度180〜190℃、ブロー比2.0〜3.0、引取り速度3〜7m/分、厚さ0.10mmにて表1に示した成分からなる3層の積層フィルムを得た。なお、これらのフィルムは、ハウス展張時にチューブの端部を切り開いて使用するため、展開した際に製膜時のチューブ外層が展張時にはハウスの内層(内面)となる。
基材の配合を表1に示す。
HP−LDPE:高圧ラジカル法触媒で製造した分岐状ポリエチレン(MFR:0.7g/10分、密度0.924)日本ポリケム製ノバテックLD「LF240」
メタロセンPE:メタロセン触媒で製造したエチレン・αオレフィン共重合体(MFR:2.0g/10分、密度0.913)日本ポリケム製カーネル「KF270」
EVA1:エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量15重量%、MFR2g/10分)
合成ハイドロタルサイト:協和化学(株)製「DHT4A」
エチレン・環状アミノビニル共重合体:日本ポリケム(株)製「ノバテックLD・XJ100H」MFR=3g/10分(190℃、JIS−K6760) 密度=0.931g/cm3(JIS−K6760)環状アミノビニル化合物含量=5.1重量%(0.7モル%)孤立して存在する環状アミノビニル化合物の割合=90モル% 融点=111℃
酸化チタン:LDPEベース(70%酸化チタン濃度)(東洋インキ(株)製)を使用
カーボンブラック:LDPEベース(30%カーボンブラック濃度)(東洋インキ(株)製)を使用
得られたチューブ状フィルムの外層表面を、放電電圧120V、放電電流4.7A、ラインスピード10m/minでコロナ放電処理を行い、JIS−K6768による「濡れ指数」を測定し、その値を確認した。
表1に示した主成分(シリカゾル及び/又はアルミナゾル)と熱可塑性樹脂と架橋剤及び液状分散媒とを配合して防曇剤組成物を得た。
防曇剤組成物配合は以下の配合とした。
無機質コロイドゾル(コロイダルシリカ) 4.0
熱可塑性樹脂(サンモールSW−131) 3.0
架橋剤(T.A.Z.M) 0.1
分散媒(水/エタノール=3/1) 93
(注)無機質コロイドゾルの配合量は、無機質粒子量で示し熱可塑性樹脂の配合量は重合体固形分量で示す。
コロイダルシリカ:日産化学社製スノーテックス30、平均粒子径15mμ
サンモールSW−131:三洋化成社製アクリルエマルジョン
T.A.Z.M:相互薬工社製アジリジン系化合物
(2)で表面処理した基材フィルムの表面に、上記の防曇剤組成物を#5バーコーターを用いて各々塗布した。塗布したフィルムを80℃のオーブン中に1分間保持して、液状分散媒を揮発させ防曇性塗膜を形成した。得られた各フィルムの塗膜の厚みは約1μmであった。
表1で示した多層フィルムの配合において、顔料マスターバッチAを中間層に中間層のポリオレフィン系樹脂組成物の重量に対して15重量%、20重量%、30重量%添加し、夫々、実施例1〜3の多層フィルムを調製した(表2)。
表1で示した多層フィルムの配合において、酸化チタンを中間層に中間層のポリオレフィン系樹脂組成物の重量に対して1重量%、5重量%、20重量%添加し、夫々、比較例1〜3の多層フィルムを調製した(表3)。
表1で示した多層フィルムの配合において、カーボンブラックを中間層に中間層のポリオレフィン系樹脂組成物の重量に対して0.1重量%、0.3重量%、0.5重量%添加し、夫々、比較例4〜6の多層フィルムを調製した(表4)。
上記実施例及び比較例で得た多層フィルム(ハウス内層側表面に防曇性塗膜を形成(塗工)後)並びに参考例2のフィルムについて分光光度計(日立製作所製、U3500型)により全光線透過率を測定し、各波長におけるその値を示した。
(a)の方法で測定した1nmごとの透過率を平均して算出した。
茶研報102(別)22−23、2006記載のデータを使用した。(同文献では、マルチパーパス自記分光光度計MS−2000(島津製作所製)を使用。)
(a)のデータを使用して各波長範囲での透過率を平均して透過率平均値を算出した。
表2〜5には、各フィルムの400〜500nmの全光線透過率の平均値、500〜700nmの全光線透過率の平均値を示す。また、各フィルムについてこれらの数値を比較したグラフを図5に示す。
一方、図2及び3で示すように、酸化チタンのみを含有するフィルム(比較例1〜3)、カーボンブラックのみを含有するフィルム(比較例4〜6)では葭簀の光透過特性に類似した光透過特性が得られず、実施例3の光透過特性はこれら比較例の光透過特性とは大きく相違する。また、図4で示すように、従来技術の黒色化繊(参考3及び4)は300〜800nmの全波長において光を一定程度透過する。
Claims (8)
- 酸化チタン及び/又はカーボンブラック、及びTi−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料を含む、遮光シート。
- 酸化チタン及び/又はカーボンブラック、及びTi−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料を含むポリオレフィン系フラットヤーンおよび/またはモノフィラメントを用いて形成される、請求項1に記載の遮光シート。
- 前記フラットヤーンが、酸化チタン及び/又はカーボンブラック、及びTi−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料を含むポリオレフィン系樹脂フィルムを裁断し、場合により延伸することにより得られる、請求項2に記載の遮光シート。
- 前記モノフィラメントが、酸化チタン及び/又はカーボンブラック、及びTi−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料を含むポリオレフィン系樹脂から成形して得られる、請求項2に記載の遮光シート。
- 形態が不織布、織布、フィルム、ネットのいずれか、またはこれらの複合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の遮光シート。
- 被覆茶用茶葉を栽培するために用いられる請求項1〜5のいずれか1項に記載の遮光シート。
- 酸化チタン及び/又はカーボンブラック、及びTi−Sb(III)−Crを主成分とする構成元素からなる複合酸化物系顔料を含む、ポリオレフィン系樹脂フィルム。
- 被覆茶用茶葉栽培用の遮光シートを製造するために用いられる、請求項7に記載のポリオレフィン系樹脂フィルム。
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