JP6198920B1 - 金切鋏 - Google Patents

金切鋏 Download PDF

Info

Publication number
JP6198920B1
JP6198920B1 JP2016196659A JP2016196659A JP6198920B1 JP 6198920 B1 JP6198920 B1 JP 6198920B1 JP 2016196659 A JP2016196659 A JP 2016196659A JP 2016196659 A JP2016196659 A JP 2016196659A JP 6198920 B1 JP6198920 B1 JP 6198920B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
plate
blade
lower blade
upper blade
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016196659A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018057555A (ja
Inventor
高橋 功
高橋  功
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Marvel R&d
Original Assignee
Marvel R&d
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Marvel R&d filed Critical Marvel R&d
Priority to JP2016196659A priority Critical patent/JP6198920B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6198920B1 publication Critical patent/JP6198920B1/ja
Publication of JP2018057555A publication Critical patent/JP2018057555A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Scissors And Nippers (AREA)

Abstract

【課題】切断対象物に応じて使いやすいテコ比や開き角度で切断加工を行うことが可能な金切鋏を提供する。【解決手段】上刃鋏部10と下刃鋏部20とが要ネジ31で軸支されてなり、上刃鋏部10は、上刃板11と中間板13が延設された上刃把持部12とからなり、上刃板11の第一軸孔14、中間板13の第一軸孔15に第一軸32が挿入されて軸支され、中間板13上の第一軸孔15よりも先端側に第二軸33と第三軸34とのいずれかが選択的に挿入される長孔17が形成され、下刃鋏部20は、下刃板21と下刃把持部22とが一体接続されてなり、下刃板21上に第二軸孔23および第三軸孔24が形成され、第二軸孔23に挿入された第二軸33と第三軸孔24に挿入された第三軸34とのいずれか一つを選択的に突出させて中間板13の長孔17に挿入させる軸切替機構36を備える構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、金属板あるいは金属線のように板厚や太さに応じて切断に要する力が大きく変化する材料の切断に適した金切鋏に関する。以下、本発明にいう「金切鋏」とは、板金等の金属板材の切断に用いるものに限られず、電線等の金属線材を切断する際に用いられるニッパ等も含むものである。
また、本発明における金切鋏は、支軸(支点)となる要ネジを挟んで、片側に刃(作用点)、他方側に把持部(力点)が形成された鋏(いわゆる「洋鋏」と称されるもの)をいう。
一般的に、鋏は、要ネジを支軸として刃をV字状に開いた状態にして被切断対象物を刃の間に挟み、把持部に力を加えて刃を閉じるのに伴ってV字に開いた刃の角度が閉じていき、作用点となる刃の切断位置(上刃および下刃の交点)が、要ネジに近い刃の根元部分から、刃の先端部分(切先)に移動しながら切断が行われる。
このとき、要ネジと把持部との距離は一定であるが、作用点となる切断位置と要ネジとの距離は、刃の角度が閉じるにつれて次第に離れていく。テコの原理により、切断位置(作用点)が要ネジ(支軸)に近い位置にある切断開始時点では、切断に必要な力は小さく、切断位置が要ネジから離れるにつれ、切断に必要な力は次第に大きくなる。
特に、金属板を切断する金切鋏では、紙等を切断する文房具の鋏に比べて大きな切断力が必要となることから、刃の長さを短く、把持部の長さを長くして、テコ比を大きくすることがなされている。
このような金切鋏において、切れ味を良好にするとともに、より力強く切断できる倍力作用を有する鋏として、「倍力なで切鋏」と称する鋏が開示されている(特許文献1参照)。
これによれば、図12に示すように、上刃板101の軸着部(要ネジ)102の軸孔102Aを長孔に形成して上刃板101を摺動自在に設け、上刃板101と上側握柄(上刃把持部)103とを分離し、上側握柄103の分断先端部分103Aを下側握柄104の軸着部102の軸孔105よりも少し下方の軸孔106に軸着し、上刃板101の分断下端部分101Aを少し延長して上側握柄103の分断先端部分103Aに重合させて、上側握柄103の分断先端部分103Aの軸孔106より下方に離れた軸孔107に軸着するようにしている。
この鋏100では、上側握柄103、下側握柄104を閉じていくと、軸孔102Aを長孔としたことにより上刃板101がスライドしてなで切り作用を奏するとともに、テコの作用を二重に用いて倍力作用を奏するようにしている。すなわち軸孔107の軸を力点とし、軸孔105(軸孔102A)の軸(軸着部102)を支点、刃の切断位置を作用点とする第一のテコ、上側握柄103上および下側握柄104上を力点とし、軸孔106の軸を支点、軸孔107の軸を作用点とする第二のテコとの協動作用により倍力作用を奏している。
実公昭59−33333号公報
従来の金切鋏は、大きな切断力を得ることを目的として、上記のなで切り作用や二重テコによる倍力作用を用いて、小さな力で大きな切断力を得ることを目的とした工夫がなされてきた。
しかしながら、金切鋏であっても常に最大の切断力で切断することが望ましいわけではない。すなわち、大きな切断力で分厚い金属板を切りやすくするだけでなく、薄い金属板をゆっくり丁寧に切断したいこともある。すなわち、刃の開き角を抑えて少しずつ切断したいこともある。その場合、上述したなで切り作用や倍力作用を奏する金切鋏では必ずしも使い勝手がよくなかった。
本発明は、金属板の板厚や、硬さ、切断の精度に応じて、大きな切断力で切断することができるだけでなく、刃の開き角を抑えて少しずつ切断することができるようにした金切鋏を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の金切鋏は、上刃が形成された上刃板を有する上刃鋏部と、下刃が形成された下刃板を有する下刃鋏部とが、前記上刃および前記下刃の根元付近に設けた要ネジで軸支される金切鋏であって、前記上刃鋏部は、前記上刃板と、前記上刃板から分離し片端に中間板が延設された上刃把持部とからなり、前記上刃板の上刃の切先とは反対端近傍位置および前記中間板上の前記上刃把持部近傍位置に設けられた第一軸孔どうしに第一軸が挿入されて、前記上刃板と前記中間板とは前記中間板が前記下刃板との間に挟まるようにして回動可能に軸支され、前記中間板上の第一軸孔よりも先端側に第二軸と第三軸とのいずれかが選択的に挿入される長孔が形成され、前記下刃鋏部は、前記下刃板と、前記下刃板の下刃の切先とは反対端で前記下刃板に一体接続される下刃把持部とからなり、前記下刃板上の前記要ネジと前記下刃把持部との間に第二軸孔および第三軸孔が形成され、さらに、前記第二軸孔に挿入された第二軸と前記第三軸孔に挿入された第三軸とのいずれか一つを選択的に突出させて前記中間板に設けられた前記長孔に挿入させる軸切替機構を備えるようにしている。
ここで、前記軸切替機構は、前記下刃板に設けられたシーソースイッチにより形成されるようにしてもよい。
本発明によれば、V字に開いた刃の間に被切断対象物を挟み、上刃把持部と下刃把持部とに力を加えると、二重のテコ作用で刃に切断力が加わる。すなわち、刃を作用点、要ネジを支点、第一軸を力点とする上刃板を用いた第一のテコ作用、第一軸を作用点、第二軸あるいは第三軸を支点、把持部を力点とする中間板による第二のテコ作用が働くようになる。
そして、下刃板に設けられている軸切替機構を操作することにより、第二軸と第三軸を選択的に中間板の長孔に挿入して第二テコ作用における支点の位置を切り替えることができる。第二軸と第三軸とは位置が異なるので、第二軸と第一軸との距離および第三軸と第一軸との距離が異なることになり、テコ比を変更することができる。一方、把持部側の開き角度が同じ程度であっても支点位置を変更することで刃の開き角度を変えることができるようになり、刃を大きく開いて力強く切断するだけでなく、小さく開いて刃の切先(先端部分)付近だけで丁寧に切断することもできるようになる。
また、他の観点からなされた本発明の金切鋏は、上刃が形成された上刃板を有する上刃鋏部と、下刃が形成された下刃板を有する下刃鋏部とが、前記上刃および前記下刃の根元付近に設けた要ネジで軸支される金切鋏であって、前記上刃鋏部は、前記上刃板と、前記上刃板から分離し片端に中間板が延設された上刃把持部とからなり、前記上刃板の上刃の切先とは反対端近傍位置および前記中間板上の前記上刃把持部近傍位置に設けられた第一軸孔どうしに第一軸が挿入されて、前記上刃板と前記中間板とは前記中間板が前記下刃板との間に挟まるようにして回動可能に軸支され、前記中間板上の第一軸孔よりも先端側に長孔が形成され、前記下刃鋏部は、前記下刃板と、前記下刃板の下刃の切先とは反対端で前記下刃板に一体接続される下刃把持部とからなり、前記下刃板上の前記要ネジと前記下刃把持部との間にあって、前記上刃と前記下刃とを閉じた状態で前記中間板に形成された長孔が対向する位置に複数の位置選択用軸孔が形成されるとともに、前記位置選択用軸孔のいずれか一つに前記中間板の長孔まで達する調整軸が選択的に挿入されるようにしてある。
これにより、選択した位置選択用軸孔の位置によりテコ比や刃の開き角度を選択して切断することができる。
本発明によれば、第一のテコと第二のテコとにより二重に力を増大させるとともに、一方のテコの支軸の位置を選択的に変化させることで、テコ比のみならず刃の開き角度を変更することができるようになる。これにより、被切断対象物に応じて使いやすいテコ比や開き角度で切断加工を行うことができる。
本発明の一実施形態である金切鋏を示す平面図。 本発明の一実施形態である金切鋏を示す正面図。 本発明の一実施形態である金切鋏を示す背面図。 図1〜3における上刃鋏部を示す平面図。 図1〜3における下刃鋏部を示す平面図。 中間板の変形例を示す平面図。 図1〜3における切断時のシーソースイッチ中立状態を示す図。 図7同様の第二軸挿入時の状態を示す図。 図7同様の第三軸挿入時の状態を示す図。 テコ比を説明する模式図。 本発明の変形実施形態である金切鋏を示す図。 従来例の倍力なで切り鋏を示す平面図。
以下、本発明に係る金切鋏について図を用いて説明する。図1〜3は、本発明の一実施形態である金切鋏の平面、正面、背面を示す図である。
金切鋏1は、上刃10aが形成された上刃鋏部10と、下刃20aが形成された下刃鋏部20とからなる。
上刃鋏部10と下刃鋏部20とは、上刃10a、下刃20aの根元近くのネジ孔30で要ネジ31によって回動可能に軸支され、上刃10aと下刃20aとは、それぞれの刃が開いた状態から閉じられることで切断できるようにしてある。
図4、5は、説明の便宜上、要ネジ31を外して上刃鋏部10および下刃鋏部20を分解したときの各主要部品を示す平面図である。以下では、図1〜3とともに図4、5を参照しつつ説明する。
上刃鋏部10は、上刃板11と上刃把持部12とが分離し、上刃把持部12の上刃板11に近い側の端部に中間板13が延設してある。
下刃鋏部20は、下刃板21と下刃把持部22とからなり、切先20bとは反対端となる下刃板21の後側端部に下刃把持部22が一体的に接続された構造にしてある。
上刃板11と下刃板21は、要ネジ31(ネジ孔30)よりも後側(要ネジ31よりも上刃把持部12および下刃把持部22に近い側)において、板厚を薄くして空間を形成し、中間板13を上刃板11と下刃板21の間に挟むことができるようにしてある。すなわち、上刃板11と下刃板21の双方の肉厚を薄くするように段差11a、21aを設け、中間板13を介在させる空間を形成してある。なお、上刃板11と下刃板21のいずれか一方だけに段差を設けて空間を形成してもよい。
上刃板11の要ネジ31より後側の端部近傍位置(切先10bから見て反対端近傍位置)には第一軸孔14が形成してある。また、中間板13の上刃把持部12の近傍位置にも第一軸孔15が形成してある。そして、第一軸孔14、15が重ねられた状態で第一軸32が挿入されて回動可能に軸支されるようにしてある(図1参照)。このように、上刃板11と中間板13(および上刃把持部12)とは第一軸32を支軸として回動可能に連結してある。
中間板13には、第一軸孔15の位置よりも先端側(上刃把持部12から遠い側)に直線状の長孔17が形成してある。この長孔17には、詳細は後述するが、下刃板21に取り付けてある第二軸33、第三軸34がシーソースイッチ(軸切替機構)36により選択的に突出されて挿入されるようにしてある。但し、刃が閉じた状態のときは、図1に示すようにシーソースイッチ36を中立状態とすることで第二軸33と第三軸34の先端部分が同時に長孔17に挿入可能になる。この長孔17は、上刃10a、下刃20aを最も開いた状態から閉じた状態まで開閉するときに、長孔17内に挿入されている第二軸33、第三軸34が長孔17の壁に当接せず移動できるように、長孔17の長さと形状が設計されている。
なお、本実施形態では、長孔17の延長線上に第一軸孔14、15を形成しているが、第一軸孔14、15の位置を長孔17の斜めに移動したり、長孔17からの距離を調整したりして位置関係を少し調整することにより、テコ比や上刃把持部12と下刃把持部22との開き角度を変更することができる。
さらに、中間板13の第一軸孔15の横(図4では下側)には、上刃板11、下刃板21と当接させるストッパピン35を固定するピン孔18が設けてあり、また、上刃板11および下刃板21にはストッパピン35の移動範囲を制限する切り欠き10c、20cが形成してあり、このストッパピン35が切り欠き10c、20cに当接することで刃の開閉範囲を制限するようにしてある。
また、刃が閉じられたときに上刃把持部12と下刃把持部22とが過度に接近しないようにするため、第一軸32を軸とした中間板13と上刃板11との間の回転を補助的に制限するためのストッパピン38が上刃板11に設けられ、中間板13に形成された切り欠き10dに当接するようにしてある。
下刃板21上の要ネジ31(ネジ孔30)と下刃把持部22との間にあって中間板13と面する部分には、上刃10a、下刃20aを閉じた状態で、中間板13の長孔17と対向する位置に、第二軸孔23と第三軸孔24が形成してある。第二軸孔23には第二軸33が挿入され、第三軸孔24には第三軸34が挿入され、背面側(中間板13とは反対側)に設けたシーソースイッチ36によっていずれか一方の軸を長孔17に挿入させるとともに他方の軸を下刃板21の内側に引っ込めるようにしてある。軸の長さは、シーソースイッチ36を中立状態にしたときに第二軸33と第三軸34の先端部分がともに長孔17に少し入り込む長さにしてある。長孔17に挿入する軸を切り替えるには、刃を閉じて長孔17に両軸33、34が入り込める状態にして行うことになる。
軸切替機構となるシーソースイッチ36は、第二軸33と第三軸34の背面側を覆うスイッチ板36aが中央の支軸36bで揺動できるように支持され、この支軸36bは一対の支持壁36cで支持される。第二軸33とスイッチ板36a、第三軸34とスイッチ板36aとは、支軸36bと平行に並ぶリンク軸(図示略)により軸支連結され、スイッチ板36aの上下動に連動して第二軸33および第三軸34が第二軸孔23、第三軸孔24内を上下に移動できるようにしてある。
なお、図4で示した中間板13の長孔17は一つにしてあるが、図6に示すように、長孔17を、第二軸33用の長孔17aと、第三軸34用の長孔17bとに分けて形成してもよい。(後述する図7〜9では、二つの長孔17a、17bに分けた例を示す。)
また、中間板13と下刃板21との間には、上刃把持部12と下刃把持部22とが強制的に所定の角度に開かれるように復帰させるバネ39(図2、3参照)が設けてある。
次に、本発明に係る金切鋏1における切断時の各部の動きについて、図7〜9を参照しつつ説明する。図7は刃を閉じてシーソースイッチ36を中立状態にした図であり、図8は第二軸33を長孔17aに挿入して刃を開いた状態を示す図、図9は第三軸34を長孔17bに挿入して刃を開いた状態を示す図である。
図7〜9では、第一軸32、第二軸33、第三軸34と各軸孔の位置関係や、上刃板11、中間板13、下刃板21、上刃把持部12、下刃把持部22の位置関係を説明する便宜上、背面側から見た図とし、また、シーソースイッチ36の一部を省略し、各部分の構造を重ね合わせて表示するようにして、実際には隠れてしまう部分もシースルーで表示してある。
上刃10a、下刃20aを閉じた状態にすると、図7に示すように、要ネジ31よりも後側では上刃板11、中間板13、下刃板21が重なり合い、第二軸33は中間板13の長孔17aに対向し、第三軸34は長孔17bに対向する。
中間板13から突出するストッパピン35が下刃板21の切り欠き20cに当接することにより、また上刃板11から突出するストッパピン38が中間板13に形成された切り欠き10dに当接することにより、上刃把持部12と下刃把持部22とが最接近した(刃が閉じた)状態の位置が定まる。このときにシーソースイッチ36を操作することで第二軸33、第三軸34のいずれか一方を選択的に長孔17a、17bのいずれかに挿入し、他方を中間板13から引っ込めることができる。
なお、シーソースイッチ36を中立状態にしておくと、第二軸33、第三軸34の先端部分がともに中間板13に入った状態になるため、第一軸32を中心とする回転が制限されてロック状態になる。
図8は、図7において第二軸33を長孔17aに挿入して(したがって第三軸34は引っ込めた状態で)、下刃把持部22に対し上刃把持部12を開いた状態を示す図である。
上刃把持部12が(中間板13とともに)開かれると、第二軸33は長孔17a内でスライドし、長孔17aの孔壁に第二軸33が当接した位置で上刃把持部12が最大に開いた状態となって動きが制限される。このとき、第三軸34は下刃板21側に引っ込められているので、長孔17bから外れた位置に移動することができる。
長孔17aは、上刃10aと下刃20aとが根元まで完全に開くまで第二軸33がスライドできるように長孔17aの長軸方向の長さを調整するとともに、最大に開いた状態で把持部12、22を手で持てるように長孔17aの位置を調整してある。
図9は、図7において第三軸34を長孔17bに挿入して(したがって第二軸33は引っ込めた状態で)、下刃把持部22に対し上刃把持部12を開いた状態を示す図である。
上刃把持部12が(中間板13とともに)開かれると、第三軸34は長孔17b内でスライドするようにしてある。長孔17bの孔壁は、上刃把持部12の開き角度が(使用する範囲で)最大に開いた状態となるまで第三軸34が孔壁に当接しないようにしてある。そして最大に開いたときに、ストッパピン35が切り欠き10cに当接して動きが制限されるようにしてある。このとき、第二軸33は下刃板21側に引っ込められているので、長孔17aから外れた位置に移動することができる。
また、最大に開いた状態(ストッパピン35が切り欠き10cに当接した状態)で上刃10aと下刃20aとが全開するのではなく、刃の中程まで開くようにして切断できるようにしてある。
次に、第二軸33と第三軸34とによるテコ比の変化について、図10を参照しつつ説明する。図10(a)は第二軸33を長孔17aに挿入したときのテコ比を説明する図である。
上刃把持部12において手から力を加える力点をFとし、刃で切断する切断点(作用点)をCとする。
切断点Cと要ネジ31との距離a1、要ネジ31と第一軸32との距離A(一定)、第一軸32と第二軸33との距離b1、第一軸32と力点Fとの距離B(一定)とする。
力点Fに加える力をf1、切断点Cに加わる力をf2とすると、テコ比f2/f1は、以下の式(1)で表される。

f2/f1=(A/a1)×((B+b1)/b1) ・・・(1)
図10(b)は第三軸34を長孔17bに挿入したときのテコ比を説明する図である。
上刃把持部12において手から力を加える力点をFとし、刃で切断する切断点(作用点)をCとする。
切断点Cと要ネジ31との距離a2、要ネジ31と第一軸32との距離A(一定)、第一軸32と第三軸34との距離b2、第一軸32と力点Fとの距離B(一定)とする。
力点Fに加える力をg1、切断点Cに加わる力をg2とすると、テコ比g2/g1は、以下の式(2)で表される。

g2/g1=(A/a2)×((B+b2)/b2) ・・・(2)
ここで、第二軸33と第三軸34の位置関係からb1>b2である。
把持部側の開き角度がほぼ同じ場合は、第三軸34を用いた場合と第二軸33を用いた場合とでは、前者の方が刃の開き角度が抑えられているのでa2>a1となる。
第二軸33と第三軸34を図10で示した位置にした場合、第一テコ比と第二テコ比のテコ比は一方が大きく、他方が小さくなるのでテコ比は大きく変化しない。しかし、刃の開き角度は第三軸34を用いた場合は小さく、第二軸33を用いた場合は大きくなる。よって前者は刃の先端側で少しずつゆっくりと切断するときに用いることができ、後者は刃の根元側から大きく切断するときに用いることができる。
また、把持部側の開き角度が同程度であっても支点位置を変更することで刃の開き角度を変えることができるようになり、刃を大きく開いて力強く切断するだけでなく、小さく開いて刃の切先(先端部分)付近だけで丁寧に切断することもできるようになる。
また、下刃板21上に形成する第二軸33、第三軸34の軸孔23、24の位置を少し調整することにより、a2/a1比よりもb1/b2比を十分に大きくとることもできる。加えて、既述のように、第一軸孔14、15の位置を長孔17b(17)の斜めに移動したり、長孔17b(17)からの距離を調整したりして位置関係を少し調整することにより、テコ比や開き角度を変更することができる。
そして、このような調整により、第三軸34を長孔17bに挿入して小さく開いたときの方が、第二軸33を長孔17bに挿入して大きく開いたときよりも切断力が大きくなるようにすることもできる。
すなわち、大きく刃を開いて長い距離を切断するときは第二軸33を長孔17bに挿入し、小さく刃を開いて力強く軽い力で切断するときは第三軸34を長孔17bに挿入して用いることもできる。
(変形実施形態)
上記実施形態ではシーソースイッチ36により第二軸33と第三軸34を選択的に切り替えるようにしたが、軸の切り替えをスライド機構にすることで三つ以上の位置で選択できるようにしてもよい。
図11は本発明の変形実施形態を示す図である。上記の実施形態における第二軸孔23、第三軸孔24に代えて、下刃板21に三つの軸孔41、42、43を形成し、これらのいずれか一つにスライド軸44を挿入して固定できるようにしたものである。すなわち、スライド軸44は、中間板13に段を設けて低頭のボルトをスライドできるようにし、下刃板21に三箇所の座グリ孔を設けてバネ付きのキャップで止めるようにして上記三箇所で固定可能にしてある。これにより、刃の開き角度を三段階に調整できるようになる。
上述した実施形態ではいずれも開き角度を制限するようにしたが、切断力をより大きくする使い方を採用することもできる。その場合は、テコ比が最も大きくなる、第一軸32に最も近い側である第三軸34(あるいは第一軸32に最も近い側であるスライド軸44)に設定するようにして、ストッパピン35と切り欠き10cとの当接による開き角度の制限をなくし、把持部の開き角度が(片手で持てない程度に)大きくなるようにして刃の根元から切断することにより大きな切断力で切断できるようになる。
また、上述した実施形態では、主に金属板の切断加工について説明したが、本発明は板材以外を切断する際にも利用することができる。
例えば、ピアノ線等の金属ワイヤや電気工事で使用される電線等の金属線材の切断工具として用いられるニッパにおいても有効に利用できる。すなわち、ピアノ線は細いが大きな切断荷重が必要であり、電気配線用の電線はピアノ線よりも太いがピアノ線より切断荷重が小さい。よって、ピアノ線の場合は小さく開いて大きい力で切断し、電線の場合はピアノ線よりは小さい力でよいが大きく開いて切断するというように本発明を適用することができる。
本発明は、金属板材あるいは金属ワイヤや電線等の金属線材を切断するためのニッパを含む金切鋏に利用することができる。
1 金切鋏
10 上刃鋏部
10a 上刃
10b 切先
10c、10d 切り欠き
11 上刃板
11a 段差
12 上刃把持部
13 中間板
14、15 第一軸孔
17、17a、17b 長孔
18 ピン孔
20 下刃鋏部
20a 下刃
20b 切先
20c 切り欠き
21 下刃板
21a 段差
22 下刃把持部
23 第二軸孔
24 第三軸孔
30 ネジ孔
31 要ネジ
32 第一軸
33 第二軸
34 第三軸
35 ストッパピン
36 シーソースイッチ(軸切替機構)
38 ストッパピン
39 バネ
41、42、43 軸孔
44 スライド軸

Claims (3)

  1. 上刃が形成された上刃板を有する上刃鋏部と、下刃が形成された下刃板を有する下刃鋏部とが、前記上刃および前記下刃の根元付近に設けた要ネジで軸支される金切鋏であって、
    前記上刃鋏部は、前記上刃板と、前記上刃板から分離し片端に中間板が延設された上刃把持部とからなり、前記上刃板の上刃の切先とは反対端近傍位置および前記中間板上の前記上刃把持部近傍位置に設けられた第一軸孔どうしに第一軸が挿入されて、前記上刃板と前記中間板とは前記中間板が前記下刃板との間に挟まるようにして回動可能に軸支され、
    前記中間板上の第一軸孔よりも先端側に第二軸と第三軸とのいずれかが選択的に挿入される長孔が形成され、
    前記下刃鋏部は、前記下刃板と、前記下刃板の下刃の切先とは反対端で前記下刃板に一体接続される下刃把持部とからなり、
    前記下刃板上の前記要ネジと前記下刃把持部との間に第二軸孔および第三軸孔が形成され、
    さらに、前記第二軸孔に挿入された第二軸と前記第三軸孔に挿入された第三軸とのいずれか一つを選択的に突出させて前記中間板に設けられた前記長孔に挿入させる軸切替機構を備えたことを特徴とする金切鋏。
  2. 前記軸切替機構は、前記下刃板に設けられたシーソースイッチにより形成される請求項1に記載の金切鋏。
  3. 上刃が形成された上刃板を有する上刃鋏部と、下刃が形成された下刃板を有する下刃鋏部とが、前記上刃および前記下刃の根元付近に設けた要ネジで軸支される金切鋏であって、
    前記上刃鋏部は、前記上刃板と、前記上刃板から分離し片端に中間板が延設された上刃把持部とからなり、前記上刃板の上刃の切先とは反対端近傍位置および前記中間板上の前記上刃把持部近傍位置に設けられた第一軸孔どうしに第一軸が挿入されて、前記上刃板と前記中間板とは前記中間板が前記下刃板との間に挟まるようにして回動可能に軸支され、
    前記中間板上の第一軸孔よりも先端側に長孔が形成され、
    前記下刃鋏部は、前記下刃板と、前記下刃板の下刃の切先とは反対端で前記下刃板に一体接続される下刃把持部とからなり、
    前記下刃板上の前記要ネジと前記下刃把持部との間にあって、前記上刃と前記下刃とを閉じた状態で前記中間板に形成された長孔が対向する位置に複数の位置選択用軸孔が形成されるとともに、前記位置選択用軸孔のいずれか一つに前記中間板の長孔まで達する調整軸が選択的に挿入されることを特徴とする金切鋏。
JP2016196659A 2016-10-04 2016-10-04 金切鋏 Active JP6198920B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016196659A JP6198920B1 (ja) 2016-10-04 2016-10-04 金切鋏

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016196659A JP6198920B1 (ja) 2016-10-04 2016-10-04 金切鋏

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6198920B1 true JP6198920B1 (ja) 2017-09-20
JP2018057555A JP2018057555A (ja) 2018-04-12

Family

ID=59895658

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016196659A Active JP6198920B1 (ja) 2016-10-04 2016-10-04 金切鋏

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6198920B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108406814A (zh) * 2018-03-12 2018-08-17 东莞市松研智达工业设计有限公司 一种可变支点的机器人使用的钢丝钳机械手
CN108405976A (zh) * 2018-03-12 2018-08-17 东莞市松研智达工业设计有限公司 一种机器人使用的钢丝钳机械手

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR932698A (fr) * 1946-08-24 1948-03-30 Perfectionnements apportés aux cisailles
JPS5068999U (ja) * 1973-10-24 1975-06-19
JPS5628857U (ja) * 1979-08-10 1981-03-18
JPH08276079A (ja) * 1995-04-07 1996-10-22 Hanazono Kogu Kk ケーブルカッター
US20030110642A1 (en) * 2001-12-13 2003-06-19 Still Thomas E. Cable cutter
JP2011078497A (ja) * 2009-10-05 2011-04-21 Minoru Kogyo Kk ケーブルカッター

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR932698A (fr) * 1946-08-24 1948-03-30 Perfectionnements apportés aux cisailles
JPS5068999U (ja) * 1973-10-24 1975-06-19
JPS5628857U (ja) * 1979-08-10 1981-03-18
JPH08276079A (ja) * 1995-04-07 1996-10-22 Hanazono Kogu Kk ケーブルカッター
US20030110642A1 (en) * 2001-12-13 2003-06-19 Still Thomas E. Cable cutter
JP2011078497A (ja) * 2009-10-05 2011-04-21 Minoru Kogyo Kk ケーブルカッター

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108406814A (zh) * 2018-03-12 2018-08-17 东莞市松研智达工业设计有限公司 一种可变支点的机器人使用的钢丝钳机械手
CN108405976A (zh) * 2018-03-12 2018-08-17 东莞市松研智达工业设计有限公司 一种机器人使用的钢丝钳机械手
CN108405976B (zh) * 2018-03-12 2019-09-03 温州茂睿机械科技有限公司 一种机器人使用的钢丝钳机械手
CN108406814B (zh) * 2018-03-12 2019-09-10 王卫琴 一种可变支点的机器人使用的钢丝钳机械手

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018057555A (ja) 2018-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2017138905A1 (en) Scissors
EP2632640B1 (en) Hand tool with compound leverage mechanism
JP6198920B1 (ja) 金切鋏
US7444851B1 (en) Hand tool providing double compound leverage to the jaws
KR101445622B1 (ko) 수동 조작용 케이블 절단 공구
JP2003199984A (ja) 自立型鋏
CN205598086U (zh) 反向双刃碎核刀
EP2656981B1 (en) Hand-operated tool
CN201325071Y (zh) 省力手工剪
WO2014097494A1 (ja) 開閉作業具
JP2008011977A (ja) 手動工具
ITBZ20060040A1 (it) "forbice con tranciacavi"
JP2014143893A (ja) 電線被覆ストリッパ
JP4897410B2 (ja) 電線被覆切具及びその取扱方法
JP5823460B2 (ja) ハサミ型切断工具
JP6159913B1 (ja) ハサミ
JP3092736U (ja) 刈り込み鋏
JP2014113447A (ja) 立体構造シートカッター
RU2807612C2 (ru) Инструмент
CN218138186U (zh) 一种裁剪工具
JP2014180715A (ja) 切断工具
JP3138230B2 (ja) 剪定鋏
JP2007143680A (ja) 手動切断具
CN2418666Y (zh) 一种折叠式花园剪
JP3197115U (ja) アシストハサミ

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170822

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170822

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6198920

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250