以下、本発明に係る投射用ズームレンズ、投射光学系、及び画像表示装置の実施形態について、説明する。
まず、本発明に係る投射用ズームレンズの実施形態について説明する。本発明に係る投射用ズームレンズは、拡大側から順番に、少なくとも4枚の負レンズを含む負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と、から構成される。なお、本発明に係る投射用ズームレンズは、各レンズ群の縮小側から拡大側への移動量を正とし、各レンズ群の拡大側から縮小側への移動量を負とする。
本実施形態に係る投射用ズームレンズは、第1レンズ群において、負の屈折力を有するレンズを少なくとも4枚配置する。これによって、第1レンズ群全体での大きな負の屈折力を持たせることができ、投射用ズームレンズの小型化と広角化を図ることができる。
また、本実施形態に係る投射用ズームレンズにおいて、第1レンズ群内に配置される負レンズの枚数は4枚に限ることはなく、5枚以上であってもよい。このように、第1レンズ群内に配置される負レンズの枚数を増やせば、負レンズ1枚当たりの屈折力を弱くすることができるので、収差の発生を抑えて、光学性能を向上しやすくなる。
なお、高倍率化(1.4倍以上のズーム比)を狙った場合、第1レンズ群内の負レンズの枚数が3枚以下の場合は、望遠端における軸上色収差と、広角端における倍率色収差の補正が困難となり、性能が劣化する。
上述した投射用ズームレンズは、さらに、広角端から望遠端への変倍動作における、第2レンズ群の縮小側から拡大側への移動量MD2と、第3レンズ群の縮小側から拡大側への移動量MD3が、以下の条件式(1)を満足することが望ましい。
条件式(1):0.3<MD2/MD3<0.6
上記の条件式1は第2レンズ群と第3レンズ群の移動量の関係式である。本実施形態に係る投射用ズームレンズにおいて、条件式(1)を満たすことで、第2レンズ群と第3レンズ群の移動量の関係は望ましい関係になる。
なお、条件式(1)の上限を超えると、第3レンズ群の移動量が小さくなるため、変倍比を大きくすることが難しくなる。また、条件式の下限を超える(第2レンズ群の移動量が小さくなる)と、第2レンズ群の屈折力が大きくなり、パワー配置が崩れ、変倍時の球面収差の変動が大きくなるため望ましくない。
上述したズームレンズは、さらに、広角端におけるレンズ全系の合成焦点距離fwと、第2レンズ群の合成焦点距離f2が、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
条件式(2):2.0<f2/fw<5.0
条件式(2)は変倍した際の球面収差補正に関わる条件式である。本実施形態に係る投射用ズームレンズにおいて、条件式(2)を満たすことで、変倍時の球面収差補正は望ましくなる。なお、条件式(2)の上限、または下限を超えると、変倍した際の球面収差の変動が大きくなるため、望ましくない。
上述した投射用ズームレンズは、さらに、第1レンズ群に少なくとも1枚の非球面レンズを含むことが望ましい。本発明に係る投射用ズームレンズの広角端における半画角は約42°と広角である。このような広角化を実現するには、第1レンズ群のレンズ構成が最も重要である。本実施形態に係る投射用ズームレンズは、第1レンズ群に負レンズを4枚配置することで、特に非点収差と歪曲収差の補正に大きく寄与している。このような第1レンズ群内に、非球面レンズを少なくとも1枚配することで、より効果的に非点収差を小さくすることができる。
上述したズームレンズは、さらに、広角端から望遠端への変倍動作における第2レンズ群の縮小側から拡大側への移動量MD2と、広角端におけるレンズ全系の合成焦点距離fwが、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
条件式(3):0.2<MD2/fw<0.4
条件式(3)は変倍した際の球面収差補正に関わる条件式である。本実施形態に係る投射用ズームレンズにおいて、条件式(3)を満たすことで、変倍時の球面収差補正はさらに望ましくなる。なお、条件式(3)の上限、または下限を超えると、変倍した際の球面収差の変動が大きくなるため、望ましくない。
上述したズームレンズは、さらに、広角端から望遠端への変倍動作における第4レンズ群の縮小側から拡大側への移動量MD4と、広角端におけるレンズ全系の合成焦点距離fwが、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
条件式(4):0.35<MD4/fw<0.55
条件式(4)は、変倍した際の第4レンズ群の移動量と、広角端におけるレンズ全系の合成焦点距離との関係に関わる条件式である。本実施形態に係る投射用ズームレンズにおいて、条件式(4)の上限を超えると、レンズ全系の焦点距離に対して第4レンズ群の移動量が大きくなるので変倍時に収差が発生しやすくなり、望遠端での高性能化は困難になる。また、条件式(4)の下限を超えると、第4レンズ群の移動量がレンズ全系の焦点距離に対して小さくなるため、ズーム倍率を大きくすることは困難になる。
上述したズームレンズは、さらに、各レンズ群に含まれる全レンズのうち最も拡大側に配されるレンズの光学有効径HSと、各レンズ群に含まれる全レンズのうち最も縮小側に配されるレンズの光学有効径HEが、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。なお、「光学有効径」とは、光学設計上の光学機能を有するレンズ面上の領域の直径である。
条件式(5):2.0<HS/HE<3.0
条件式(5)は、本発明に係る投射用ズームレンズのレンズ径に関わる最適解を得る条件式である。本実施形態に係る投射用ズームレンズにおいて、条件式(5)の上限を超える場合、最もスクリーン側のレンズ径が大きくなる為、望ましくない。また、条件式(5)の下限を超える場合は、最もスクリーン側のレンズ径が小さくなるが、スクリーン側のレンズのパワーが強くなり、曲率半径も強くなる。そのため、加工が困難で高コストとなるので望ましくない。
上述したズームレンズは、さらに、広角端における半画角ωwが、以下の条件式(6)を満足することが望ましい。
条件式(6):35°<ωw<43°
条件式(6)は、本発明に係るズームレンズを構成するレンズ系の広角端の画角についての最適条件式である。本実施形態に係る投射用ズームレンズにおいて、条件式(6)の上限を超える場合は、広角端の画角が広くなりすぎて画角端での収差が大きくなり、高性能な投射用レンズを提供できなくなるため望ましくない。また、条件式(6)の下限を超える場合は、広角端の画角が狭くなり広角レンズを提供できなくなるため望ましくない。
次に、本発明に係る投射用ズームレンズの具体的な実施例について数値を示しながら説明する。以下において説明をする実施例1乃至8に係る投射用ズームレンズは、負正正正の4群構成である。以下に示すように、各実施例における収差は、高いレベルで補正されており、球面収差、非点収差、像面湾曲、倍率色収差、歪曲収差も十分に補正されている。したがって、本発明に係る投射用ズームレンズによれば、良好な光学性能を確保し得ることは、各実施例より明らかである。
また、各実施例に係る投射用ズームレンズは、広角端での半画角ωwが35°≦ωw<43°と広く、かつ、ズーム比が1.4倍であり、十分に収差も抑制されている。
各実施例における記号は以下の通りである。
f:全レンズ系の焦点距離
Fno:開口数
ω:半画角
R:曲率半径
D:面間隔
Nd:屈折率
νd:アッベ数
非球面に関しては、下記の式で定義される。
X=(H2/R)/[1+{1−(1+k)(H/R)2}1/2]+C4H4+C6H6+C8H8+C10H10+・・・・
図1は、実施例1に係る投射用ズームレンズの光学配置図を示しており、(a)は広角端におけるレンズ群の状態を、(b)は望遠端におけるレンズ群の状態を、それぞれ示している。図1に示すように、広角端から望遠端への変倍(ズーミング)に際して、投射用ズームレンズの各レンズ群は、矢印で示すように移動する。縮小側には光変調素子としてのDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)が配置されている。なお、レンズに対向するDMD面には図示しないカバーガラス(CG)が配置されている。
本実施例に係る投射用ズームレンズは、広角端から望遠端にズーミングする際に、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、及び第4レンズ群G4が拡大側に移動する。
図1に示す投射用ズームレンズは、光軸に沿って、各レンズ群が配置されている。拡大側から縮小側に向かって順番に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、を有している。
第1レンズ群G1は負群であって、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL11、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL12、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL13、両面凹の負レンズL14、拡大側に凸面の正レンズL15から構成される。なお、負メニスカスレンズL12は非球面レンズである。
第2レンズ群G2は正群であり、両面凸の正レンズL21で構成されている。
第3レンズ群G3は正群であり、両面凸の正レンズL31及び拡大側に凹面の負メニスカスレンズL32から構成される。
第4レンズ群G4は正群であり、両面凹の負レンズL41、両面凸の正レンズL42、及び両面凸の正レンズL43から構成される。正レンズL43は非球面レンズである。
第1レンズ群G1から第4レンズ群G4は、それぞれ各レンズ群に適宜なる共通の支持枠等によって支持されていて、ズーミングに際してはレンズ群毎に相対的に動作する。
図2から図4は、実施例1に係る投射用ズームレンズの収差図を示しており、図2は広角端における収差曲線図、図3は中間における収差曲線図、図4は望遠端における収差曲線図である。各図の(a)は球面収差を示し、(b)は非点収差を示し、(c)は歪曲収差をそれぞれ示している。各図の球面収差(a)において、符号Rは赤(波長が625nm)、符号Gは緑(波長が550nm)が、符号Bは青(波長が460nm)の球面収差を示している。また、各図の非点収差(b)において、符号Sはサジタル像面、符号Tはタンジェンシャル像面の非点収差を示している。図2から図4に示す通り、各ズームポジションにおいて収差補正は良好な状態を示している。
実施例1の光学特性を示す数値を表1に示す。実施例1は、全光学系の焦点距離f、開口数Fno、広角端の半画角ωがそれぞれ、ズーミングによって、f=13.3〜18.7mmの範囲で変化し、Fno=2.56〜3.35、広角端の半画角ω=40.8°、である。
表1中のアスタリスク(*)は非球面であることを表し、その非球面係数の数値は表2に示す通りである。
また、表1中のd1、d2、d3、BFはズーミングした際、下記の表3に示すように変化する。なお、投射距離1600mm時のレンズ間隔である。
また、上記に示した各条件式に関する数値は表4に示す通りである。
図5は、実施例2に係る投射用ズームレンズの光学配置図を示しており、(a)は広角端におけるレンズ群の状態を、(b)は望遠端におけるレンズ群の状態を、それぞれ示している。図5に示すように、広角端から望遠端への変倍に際して、投射用ズームレンズの各レンズ群は、矢印で示すように移動する。縮小側には光変調素子としてのDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)が配置されている。なお、レンズに対向するDMD面には図示しないカバーガラス(CG)が配置されている。
本実施例に係る投射用ズームレンズは、広角端から望遠端にズーミングする際に、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、及び第4レンズ群G4が拡大側に移動する。
図5に示す投射用ズームレンズは、光軸に沿って、各レンズ群が配置されている。拡大側から縮小側に向かって順番に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、を有している。
第1レンズ群G1は負群であって、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL11、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL12、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL13、両面凹の負レンズL14、拡大側に凸面の正レンズL15から構成される。なお、負メニスカスレンズL12は非球面レンズである。
第2レンズ群G2は正群であり、両面凸の正レンズL21で構成されている。
第3レンズ群G3は正群であり、両面凸の正レンズL31及び拡大側に凹面の負メニスカスレンズL32から構成される。正レンズL31と負メニスカスレンズL32は、張り合わせになっている。
第4レンズ群G4は正群であり、両面凹の負レンズL41、両面凸の正レンズL42、及び両面凸の正レンズL43から構成される。なお、正レンズL43は非球面レンズである。
第1レンズ群G1から第4レンズ群G4は、それぞれ各レンズ群に適宜なる共通の支持枠等によって支持されていて、ズーミングする等に際してはレンズ群毎に相対的に動作する。
図6から図8は、実施例2に係る投射用ズームレンズの収差図を示しており、図6は広角端における収差曲線図、図7は中間における収差曲線図、図8は望遠端における収差曲線図である。各図の(a)は球面収差を示し、(b)は非点収差を示し、(c)は歪曲収差をそれぞれ示している。各図の球面収差(a)において、符号Rは赤(波長が625nm)、符号Gは緑(波長が550nm)が、符号Bは青(波長が460nm)の球面収差を示している。また、各図の非点収差(b)において、符号Sはサジタル像面、符号Tはタンジェンシャル像面の非点収差を示している。図6から図8に示す通り、各ズームポジションにおいて収差補正は良好な状態を示している。
実施例2の光学特性を示す数値を表5に示す。実施例2は、全光学系の焦点距離f、開口数Fno、広角端の半画角ωがそれぞれ、ズーミングによって、f=13.2〜18.6mmの範囲で変化し、Fno=2.56〜3.35、広角端の半画角ω=41.0°、である。
表5中のアスタリスク(*)は非球面であることを表し、その非球面係数の数値は表6に示す通りである。
また、表5中のd1、d2、d3、BFはズーミングした際、下記の表7に示すように変化する。なお、投射距離1600mm時のレンズ間隔である。
また、上記に示した各条件式に関する数値は表8に示す通りである。
図9は、実施例3に係る投射用ズームレンズの光学配置図を示しており、(a)は広角端におけるレンズ群の状態を、(b)は望遠端におけるレンズ群の状態を、それぞれ示している。図9に示すように、広角端から望遠端への変倍に際して、投射用ズームレンズの各レンズ群は、矢印で示すように移動する。縮小側には光変調素子としてのDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)が配置されている。なお、レンズに対向するDMD面には図示しないカバーガラス(CG)が配置されている。
本実施例に係る投射用ズームレンズは、広角端から望遠端にズーミングする際に、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、及び第4レンズ群G4が拡大側に移動する。
図9に示す投射用ズームレンズは、光軸に沿って、各レンズ群が配置されている。拡大側から縮小側に向かって順番に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、を有している。
第1レンズ群G1は負群であって、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL11、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL12、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL13、両面凹の負レンズL14、拡大側に凸面の正レンズL15から構成される。なお、負メニスカスレンズL12は非球面レンズである。
第2レンズ群G2は正群であり、両面凸の正レンズL21で構成されている。
第3レンズ群G3は正群であり、両面凸の正レンズL31及び拡大側に凹面の負メニスカスレンズL32から構成される。正レンズL31と負メニスカスレンズL32は、張り合わせになっている。
第4レンズ群G4は正群であり、両面凹の負レンズL41、両面凸の正レンズL42、及び両面凸の正レンズL43から構成される。なお、正レンズL43は非球面レンズである。
第1レンズ群G1から第4レンズ群G4は、それぞれ各レンズ群に適宜なる共通の支持枠等によって支持され、ズーミング等に際してはレンズ群毎に相対的に動作する。
図10から図12は、実施例3に係る投射用ズームレンズの収差図を示しており、図10は広角端における収差曲線図、図11は中間における収差曲線図、図12は望遠端における収差曲線図である。各図の(a)は球面収差を示し、(b)は非点収差を示し、(c)は歪曲収差をそれぞれ示している。各図の球面収差(a)において、符号Rは赤(波長が625nm)、符号Gは緑(波長が550nm)が、符号Bは青(波長が460nm)の球面収差を示している。また、各図の非点収差(b)において、符号Sはサジタル像面、符号Tはタンジェンシャル像面の非点収差を示している。図10から図12に示す通り、各ズームポジションにおいて収差補正は良好な状態を示している。
実施例3の光学特性を示す数値を表9に示す。実施例3は、全光学系の焦点距離fw、開口数Fno、広角端の半画角ωがそれぞれ、ズーミングによって、f=12.6〜18.1mmの範囲で変化し、Fno=2.56〜3.35、広角端の半画角ω=42.2°、である。
表9中のアスタリスク(*)は非球面であることを表し、その非球面係数の数値は表10に示す通りである。
また、表9中のd1、d2、d3、BFはズーミングした際、下記の表11に示すように変化する。なお、投射距離1600mm時のレンズ間隔である。
また、上記に示した各条件式に関する数値は表12に示す通りである。
図13は、実施例4に係る投射用ズームレンズの光学配置図を示しており、(a)は広角端におけるレンズ群の状態を、(b)は望遠端におけるレンズ群の状態を、それぞれ示している。図13に示すように、広角端から望遠端への変倍に際して、投射用ズームレンズの各レンズ群は、矢印で示すように移動する。縮小側には光変調素子としてのDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)が配置されている。なお、レンズに対向するDMD面には図示しないカバーガラス(CG)が配置されている。
本実施例に係る投射用ズームレンズは、広角端から望遠端にズーミングする際に、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、及び第4レンズ群G4が、拡大側に移動する。
図13に示す投射用ズームレンズは、光軸に沿って、各レンズ群が配置されている。拡大側から縮小側に向かって順番に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、を有している。
第1レンズ群G1は負群であって、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL11、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL12、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL13、両面凹の負レンズL14、拡大側に凸面の正レンズL15から構成される。なお、負メニスカスレンズL12は非球面レンズである。
第2レンズ群G2は正群であり、両面凸の正レンズL21で構成されている。
第3レンズ群G3は正群であり、両面凸の正レンズL31及び拡大側に凹面の負メニスカスレンズL32から構成される。正レンズL31と負メニスカスレンズL32は、張り合わせになっている。
第4レンズ群G4は正群であり、両面凹の負レンズL41、両面凸の正レンズL42、及び両面凸の正レンズL43から構成される。正レンズL43は非球面レンズである。
第1レンズ群G1から第4レンズ群G4は、それぞれ各レンズ群に適宜なる共通の支持枠等によって支持され、ズーミング等に際してはレンズ群毎に相対的に動作する。
図14から図16は、実施例4に係る投射用ズームレンズの収差図を示しており、図14は広角端における収差曲線図、図15は中間における収差曲線図、図16は望遠端における収差曲線図である。各図の(a)は球面収差を示し、(b)は非点収差を示し、(c)は歪曲収差をそれぞれ示している。各図の球面収差(a)において、符号Rは赤(波長が625nm)、符号Gは緑(波長が550nm)が、符号Bは青(波長が460nm)の球面収差を示している。また、各図の非点収差(b)において、符号Sはサジタル像面、符号Tはタンジェンシャル像面の非点収差を示している。図14から図16に示す通り、各ズームポジションにおいて収差補正は良好な状態を示している。
実施例4の光学特性を示す数値を表13に示す。実施例4は、全光学系の焦点距離f、開口数Fno、広角端の半画角ωがそれぞれ、ズーミングによって、f=13.0〜18.4mmの範囲で変化し、Fno=2.56〜3.35、広角端ωw=41.4°、である。
表13中のアスタリスク(*)は非球面であることを表し、その非球面係数の数値は表14に示す通りである。
また、表13中のd1、d2、d3、BFはズーミングした際、下記の表15に示すように変化する。なお、投射距離1600mm時のレンズ間隔である。
また、上記に示した各条件式に関する数値は表16に示す通りである。
図17は、実施例5に係る投射用ズームレンズの光学配置図を示しており、(a)は広角端におけるレンズ群の状態を、(b)は望遠端におけるレンズ群の状態を、それぞれ示している。図17に示すように、広角端から望遠端への変倍に際して、投射用ズームレンズの各レンズ群は、矢印で示すように移動する。縮小側には光変調素子としてのDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)が配置されている。なお、レンズに対向するDMD面には図示しないカバーガラス(CG)が配置されている。
本実施例に係る投射用ズームレンズは、広角端から望遠端にズーミングする際に、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、及び第4レンズ群G4が拡大側に移動する。
図17に示す投射用ズームレンズは、光軸に沿って、各レンズ群が配置されている。拡大側から縮小側に向かって順番に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、を有している。
第1レンズ群G1は負群であって、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL11、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL12、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL13、両面凹の負レンズL14、拡大側に凸面の正レンズL15から構成される。なお、負メニスカスレンズL12は非球面レンズである。
第2レンズ群G2は正群であり、両面凸の正レンズL21で構成されている。
第3レンズ群G3は正群であり、両面凸の正レンズL31及び拡大側に凹面の負メニスカスレンズL32から構成される。
第4レンズ群G4は正群であり、両面凹の負レンズL41、両面凸の正レンズL42、及び両面凸の正レンズL43から構成される。正レンズL43は非球面レンズである。
第1レンズ群G1から第4レンズ群G4は、それぞれ各レンズ群に適宜なる共通の支持枠等によって支持され、ズーミング等に際してはレンズ群毎に相対的に動作する。
図18から図20は、実施例5に係る投射用ズームレンズの収差図を示しており、図18は広角端における収差曲線図、図19は中間における収差曲線図、図20は望遠端における収差曲線図である。各図の(a)は球面収差を示し、(b)は非点収差を示し、(c)は歪曲収差をそれぞれ示している。各図の球面収差(a)において、符号Rは赤(波長が625nm)、符号Gは緑(波長が550nm)が、符号Bは青(波長が460nm)の球面収差を示している。また、各図の非点収差(b)において、符号Sはサジタル像面、符号Tはタンジェンシャル像面の非点収差を示している。図18から図20に示す通り、各ズームポジションにおいて収差補正は良好な状態を示している。
実施例5の光学特性を示す数値を表17に示す。実施例5は、全光学系の焦点距離f、開口数Fno、広角端の半画角ωがそれぞれ、ズーミングによって、f=14.8〜20.1mmの範囲で変化し、Fno=2.56〜3.35、広角端の半画角ω=37.9°、である。
表17中のアスタリスク(*)は非球面であることを表し、その非球面係数の数値は表18に示す通りである。
また、表17中のd1、d2、d3、BFはズーミングした際、下記の表19に示すように変化する。なお、投射距離1600mm時のレンズ間隔である。
また、上記に示した各条件式に関する数値は表20に示す通りである。
図21は、実施例6に係る投射用ズームレンズの光学配置図を示しており、(a)は広角端におけるレンズ群の状態を、(b)は望遠端におけるレンズ群の状態を、それぞれ示している。図21に示すように、広角端から望遠端への変倍に際して、投射用ズームレンズの各レンズ群は、矢印で示すように移動する。縮小側には光変調素子としてのDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)が配置されている。なお、レンズに対向するDMD面には図示しないカバーガラス(CG)が配置されている。
本実施例に係る投射用ズームレンズは、広角端から望遠端にズーミングする際に、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、及び第4レンズ群G4が拡大側に移動する。
図21に示す投射用ズームレンズは、光軸に沿って、各レンズ群が配置されている。拡大側から縮小側に向かって順番に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、を有している。
第1レンズ群G1は負群であって、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL11、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL12、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL13、両面凹の負レンズL14、拡大側に凸面の正レンズL15から構成される。なお、負メニスカスレンズL12は非球面レンズである。
第2レンズ群G2は正群であり、両面凸の正レンズL21で構成されている。
第3レンズ群G3は正群であり、両面凸の正レンズL31及び拡大側に凹面の負メニスカスレンズL32から構成される。正レンズL31と負メニスカスレンズL32は、張り合わせになっている。
第4レンズ群G4は正群であり、両面凹の負レンズL41、両面凸の正レンズL42、及び両面凸の正レンズL43から構成される。正レンズL43は非球面レンズである。
第1レンズ群G1から第4レンズ群G4は、それぞれ各レンズ群に適宜なる共通の支持枠等によって支持され、ズーミング等に際してはレンズ群毎に相対的に動作する。
図22から図24は、実施例6に係る投射用ズームレンズの収差図を示しており、図22は広角端における収差曲線図、図23は中間における収差曲線図、図24は望遠端における収差曲線図である。各図の(a)は球面収差を示し、(b)は非点収差を示し、(c)は歪曲収差をそれぞれ示している。各図の球面収差(a)において、符号Rは赤(波長が625nm)、符号Gは緑(波長が550nm)が、符号Bは青(波長が460nm)の球面収差を示している。また、各図の非点収差(b)において、符号Sはサジタル像面、符号Tはタンジェンシャル像面の非点収差を示している。図22から図24に示す通り、各ズームポジションにおいて収差補正は良好な状態を示している。
実施例6の光学特性を示す数値を表21に示す。実施例6は、全光学系の焦点距離f、開口数Fno、広角端の半画角ωがそれぞれ、ズーミングによって、f=16.1〜21.8mmの範囲で変化し、Fno=2.60〜3.30、広角端の半画角ω=35.5°、である。
表21中のアスタリスク(*)は非球面であることを表し、その非球面係数の数値は表22に示す通りである。
また、表21中のd1、d2、d3、BFはズーミングした際、下記の表23に示すように変化する。なお、投射距離1600mm時のレンズ間隔である。
また、上記に示した各条件式に関する数値は表24に示す通りである。
図25は、実施例7に係る投射用ズームレンズの光学配置図を示しており、(a)は広角端におけるレンズ群の状態を、(b)は望遠端におけるレンズ群の状態を、それぞれ示している。図25に示すように、広角端から望遠端への変倍に際して、投射用ズームレンズの各レンズ群は、矢印で示すように移動する。縮小側には光変調素子としてのDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)が配置されている。なお、レンズに対向するDMD面には図示しないカバーガラス(CG)が配置されている。
本実施例に係る投射用ズームレンズは、広角端から望遠端にズーミングする際に、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、及び第4レンズ群G4が拡大側に移動する。
図25に示す投射用ズームレンズは、光軸に沿って、各レンズ群が配置されている。拡大側から縮小側に向かって順番に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、を有している。
第1レンズ群G1は負群であって、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL11、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL12、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL13、両面凸の正レンズL14、拡大側に凹面の負メニスカスレンズL15、拡大側に凹面の負メニスカスレンズL16から構成される。なお、負メニスカスレンズL12は非球面レンズである。
第2レンズ群G2は正群であり、拡大側に凸面の正メニスカスレンズL21で構成されている。
第3レンズ群G3は正群であり、両面凸の正レンズL31及び拡大側に凹面の負メニスカスレンズL32から構成される。正レンズL31と負メニスカスレンズL32は、張り合わせになっている。
第4レンズ群G4は正群であり、両面凹の負レンズL41、両面凸の正レンズL42、及び両面凸の正レンズL43から構成される。正レンズL43は非球面レンズである。
第1レンズ群G1から第4レンズ群G4は、それぞれ各レンズ群に適宜なる共通の支持枠等によって支持され、ズーミング等に際してはレンズ群毎に相対的に動作する。
図26から図28は、実施例7に係る投射用ズームレンズの収差図を示しており、図26は広角端における収差曲線図、図27は中間における収差曲線図、図28は望遠端における収差曲線図である。各図の(a)は球面収差を示し、(b)は非点収差を示し、(c)は歪曲収差をそれぞれ示している。各図の球面収差(a)において、符号Rは赤(波長が625nm)、符号Gは緑(波長が550nm)が、符号Bは青(波長が460nm)の球面収差を示している。また、各図の非点収差(b)において、符号Sはサジタル像面、符号Tはタンジェンシャル像面の非点収差を示している。図26から図28に示す通り、各ズームポジションにおいて収差補正は良好な状態を示している。
実施例7の光学特性を示す数値を表25に示す。実施例7は、全光学系の焦点距離f、開口数Fno、広角端の半画角ωがそれぞれ、ズーミングによって、f=13.2〜19.1mmの範囲で変化し、Fno=2.56〜3.35、広角端ωw=41.1°、である。
表25中のアスタリスク(*)は非球面であることを表し、その非球面係数の数値は表26に示す通りである。
また、表25中のd1、d2、d3、BFはズーミングした際、下記の表27に示すように変化する。なお、投射距離1600mm時のレンズ間隔である。
また、上記に示した各条件式に関する数値は表28に示す通りである。
図29は、実施例8に係る投射用ズームレンズの光学配置図を示しており、(a)は広角端におけるレンズ群の状態を、(b)は望遠端におけるレンズ群の状態を、それぞれ示している。図29に示すように、広角端から望遠端への変倍に際して、投射用ズームレンズの各レンズ群は、矢印で示すように移動する。縮小側には光変調素子としてのDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)が配置されている。なお、レンズに対向するDMD面には図示しないカバーガラス(CG)が配置されている。
本実施例に係る投射用ズームレンズは、広角端から望遠端にズーミングする際に、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、及び第4レンズ群G4が拡大側に移動する。
図29に示す投射用ズームレンズは、光軸に沿って、各レンズ群が配置されている。拡大側から縮小側に向かって順番に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、を有している。
第1レンズ群G1は負群であって、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL11、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL12、縮小側に凹面の負メニスカスレンズL13、両面凸の正レンズL14、両面凹の負レンズL15、縮小側に凸面の正メニスカスレンズL16から構成される。なお、負メニスカスレンズL12は非球面レンズである。
第2レンズ群G2は正群であり、拡大側に凸面の正メニスカスレンズL21で構成されている。
第3レンズ群G3は正群であり、両面凸の正レンズL31及び拡大側に凹面の負メニスカスレンズL32から構成される。正レンズL31と負メニスカスレンズL32は、張り合わせになっている。
第4レンズ群G4は正群であり、両面凹の負レンズL41、両面凸の正レンズL42、及び両面凸の正レンズL43から構成される。正レンズL43は非球面レンズである。
第1レンズ群G1から第4レンズ群G4は、それぞれ各レンズ群に適宜なる共通の支持枠等によって支持され、ズーミング等に際してはレンズ群毎に相対的に動作する。
図30から図32は、実施例8に係る投射用ズームレンズの収差図を示しており、図30は広角端における収差曲線図、図31は中間における収差曲線図、図32は望遠端における収差曲線図である。各図の(a)は球面収差を示し、(b)は非点収差を示し、(c)は歪曲収差をそれぞれ示している。各図の球面収差(a)において、符号Rは赤(波長が625nm)、符号Gは緑(波長が550nm)が、符号Bは青(波長が460nm)の球面収差を示している。また、各図の非点収差(b)において、符号Sはサジタル像面、符号Tはタンジェンシャル像面の非点収差を示している。図30から図32に示す通り、各ズームポジションにおいて収差補正は良好な状態を示している。
実施例8の光学特性を示す数値を表29に示す。実施例8は、全光学系の焦点距離f、開口数Fno、広角端の半画角ωがそれぞれ、ズーミングによって、f=13.3〜19.1mmの範囲で変化し、Fno=2.56〜3.35、広角端の半画角ω=40.9°、である。
表29中のアスタリスク(*)は非球面であることを表し、その非球面係数の数値は表30に示す通りである。
また、表29中のd1、d2、d3、BFはズーミングした際、下記の表31に示すように変化する。なお、投射距離1600mm時のレンズ間隔である。
また、上記に示した各条件式に関する数値は表32に示す通りである。
以上説明をした投射用ズームレンズによれば、各実施例の収差は、高いレベルで補正されており、球面収差、非点収差、像面湾曲、倍率色収差、歪曲収差も十分に補正されている。良好な光学性能を確保し得ることは、各実施例より明らかである。
次に、本発明に係る画像表示装置の実施形態について説明をする。図33は、本発明に係る画像表示装置の例であるプロジェクタ装置の概略構成を示す図である。
図33に示すとおり、プロジェクタ装置1は、光変調器としてDMD3を備えている。このDMD3に照明光学系2からの3色(RGB)の光線が照射される。それぞれの色が照射されるタイミングで、個々の画素に対応するDMD3が備える微小ミラーの傾きを制御することで、投射光が生成される。この微小ミラーからの反射光(投射光)が投射用レンズ4によって拡大されて、被投射面であるスクリーン5に投影され、画像が映し出される。
プロジェクタ装置1は、図示しないコンデンサーレンズ、RGBカラーホイール、ミラーを兼ね備えており、比較的配置場所も大きく確保する必要がある。プロジェクタ装置1の投射用レンズ4と照明光学系2のスペースの関係上、投射用レンズ4のバックフォーカスをある程度確保し、DMD3側のレンズ径を小さくする必要がある
そこで、投射用レンズ4に、先に説明した本発明に係る投射用ズームレンズを用いることで、従来よりも画角が広く(ω=35〜43°)、かつ、高倍率のx1.4倍ズーム比を有する画像表示装置を得ることができる。