JP6197895B2 - 延伸ポリアミドフィルム - Google Patents
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Description
従来の技術としては、表層に非晶性の樹脂や易接着性樹脂からなる層をコートや共押しなどで積層により接着性を改善するという技術が知られていた(例えば、特許文献1参照)。しかし、かかる従来技術はブロッキング、製造工程複雑化という問題点があった。さらにはこれらの改良においても、ポリアミドフィルム自体と表層の易接着層との接着強度が不十分であると言った問題があった。
すなわち本発明は、以下の構成よりなる。
1. ナイロン6を主たる構成成分とする延伸ポリアミドフィルムであって、少なくとも片面の表層が(1)および(2)を満たし、さらに延伸ポリアミドフィルムが(3)を満たすことを特徴とする延伸ポリアミドフィルム。
(1)赤外分光法により得られる表層配向の緩和度が0.3〜0.5の範囲
(2)赤外分光法により得られる表層の結晶化度が1.0〜1.4の範囲
(3)160℃、10分でのTD方向の熱収縮率(%)が0.6〜4の範囲
2. 延伸ポリアミドフィルムが、ナイロン6にさらにナイロン6とは異なる樹脂を含有する層を表面に持ち、その表面が上記(1)および(2)を満たし、さらに延伸ポリアミドフィルムが(3)を満たすことを特徴とする上記第1に記載の延伸ポリアミドフィルム。
3. 延伸ポリアミドフィルムが、少なくとも2層の異なる相対粘度のナイロン6の層を含有し、相対粘度が高いナイロン6の層が表面にあって、その表層が上記(1)および(2)を満たし、延伸ポリアミドフィルムが(3)を満たすことを特徴とする上記第1に記載の延伸ポリアミドフィルム。
従来、通常のナイロン6の場合、通常の条件においてはラミネート強度が不足する傾向にある。これは、ナイロン6の二軸延伸フィルムとして均等な厚みで十分な物性を持つフィルムとなる領域まで延伸を行うと、表面の面方向の分子配向が高く、ヘキカイしやすい
ためであると考えられる。
すなわち、高いラミネート強度、低い熱収縮率、十分な強靱性を持つナイロン6系のフィルムは不可能と考えられていた。
また、このような表面の配向の緩和状態、結晶状態を安定して得る方法を見出した。
本発明のフィルムは、赤外分光法により得られる表層配向の緩和度が0.3〜0.5の範囲である。緩和度は0.31以上であることが好ましく、さらには0.32以上であることが好ましい。また、緩和度は0.48以下であることが好ましく、さらには0.46以下であることが好ましい。緩和度が0.3未満の場合には十分なラミネート強度が得られないことがある。緩和度が0.5を越えると、結晶化度を好ましい範囲内に維持することが困難となり、インパクト強度を初めとするナイロン6としてのフィルムの力学物性や耐熱性を維持できなくなったり、高温の熱固定温度が必要となりフィルムの安定生産が困難となったりすることがある。
結晶化度が1.0未満の場合には、インパクト強度を初めとするナイロン6としてのフィルムの力学物性や耐熱性を維持できなくなることがある。結晶化度が1.4を越える場合には、ラミネート強度が不十分である以外に、結晶化が進みすぎるためか、インパクト強度が低下することがある。
が発生し好ましくない。
第1の方法は、フィルム原料となるナイロン6の分子鎖にグラフトまたはブロックポリ
マーとして他の樹脂を導入する方法である。
条件で十分に分子配向が緩和していることを見出した。
同じナイロン6樹脂であっても、分子量の違うナイロン6を同一条件で製膜・延伸・熱固定して二軸延伸フィルムを製造した場合、分子量の高いナイロン6のほうで分子配向が低くなることが分かった。これを利用すると、表層により分子量の高いナイロンを積層することで表層のみ配向の低いフィルムが得られることになり、目的とする要求品質全ての両立が可能と推定されるがこれについても実験的に確認し、目的とするフィルムが得られることが分かった。
の層(B層)のような二種二層の構成、A層/B層/A層のような二種三層の構成のほか、A層/B層とも異なるその他の層(C層)のA層/B層/C層のような三種三層の構成など構成に限定されるものではないが、カールの点から好ましく、厚み方向で対称な層構成であるものが好ましい。なお、以下ではA層のみの単層の場合であってもA層もしくは表層と表現する。単層の場合の表層とは表面の意味である。
表層のナイロン6の相対粘度(RV)の上限は好ましくは4であり、より好ましくは3.9であり、さらに好しくは3.8であり、特に好ましくは3.6であり、最も好ましくは3.5である。上記を超えると押出機への負荷などが高くなりすぎて、生産性が低下することがある。
表層のナイロン6の配向を制御するために添加される樹脂としてはアミド基含有樹脂、エステル基含有樹脂、ウレタン基含有樹脂などの極性基含有樹脂でポリアミドのアミド結合と交換反応を起こすものが好ましく、このうちでアミド基含有樹脂が最も好ましい。
本発明において使用される熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ナイロン6やナイロン12等のポリアミド系樹脂とPTMG(ポリテトラメチレングリコール)やPEG(ポリエチレングリコール)等とのブロックあるいはランダム共重合体等のポリアミド系エラストマーが挙げられる。
くは2.3であり、さらに好ましくは2.4であり、特に好ましくは2.5である。上記
未満であると結晶化速度が速すぎて二軸延伸が困難となることがある。
相対粘度(RV)の上限は好ましくは4であり、より好ましくは3.9であり、さらに好しくは3.8であり、特に好ましくは3.6であり、最も好ましくは3.5である。上記を超えると押出機への負荷などが高くなりすぎて、生産性が低下することがある。
分子配向を抑制する目的で他の樹脂成分を添加することが本発明において必要であるが、この場合、他の樹脂成分は事前にナイロン6樹脂と押出機などにおいて混練りされたもの(以下、マスターバッチと呼ぶ)を製膜に使用することが好ましい。マスターバッチの製造方法については、ナイロン6樹脂とその他の樹脂成分をブレンドして一般的な押出機に投入し、溶融下で混練り、再ペレット化されることが必要である。マスターバッチ化によりナイロン6樹脂とその他の樹脂成分の部分的な反応によりブロック共重合体が生成し、これが相反する要求品質の両立に寄与する。
として使用することもでき、この際、さらに他の樹脂を添加してその量を調整しても良い。
ベースのナイロン6以外に添加されている他の組成の樹脂の表層への添加量(重量%)の上限は好ましくは18重量%であり、より好ましくは15重量%であり、最も好ましくは12重量%である。上記を超えると表層の結晶化度が低下することがある。
本発明において表層の分子配向と結晶化係数を特定の範囲とすることで、ラミネート強度、力学特性、耐熱性といった相反する特性を両立させることが可能であり、それを実現するためには他の特定の樹脂成分を添加することで可能であると説明したが、同様に、表層にのみ分子量の違うナイロン6樹脂を積層し、分子量の違いにより分子配向に違いが生じる点を利用して、表層のみ分子配向を低減させることが可能である。
ナイロン6は、同一条件で製膜した場合には分子量が高くなるほど分子配向が低減するが、熱収縮率が高くなる。この性質を利用し、表層をより分子量の高いナイロン6とすることで本発明のフィルムとすることができる。
表層のナイロン6の相対粘度(RV)の上限は好ましくは4であり、より好ましくは3.9であり、さらに好しくは3.8であり、特に好ましくは3.6であり、最も好ましくは3.5である。上記を超えると押出機への負荷などが高くなりすぎて、生産性が低下することがある。
表層以外のナイロン6樹脂との分子量の違いについては、RVで0.1以上、好ましくは0.2以上、最も好ましくは0.3以上が好ましい。また、1.0以下、0.8以下、0.7以下であることが好ましい。RVで0.1未満であると十分な効果が発揮できなくなることがある。1.0を越えると溶融粘度が異なりすぎ、安定して均一な多層構成のフィルムを製造することが困難となることがある。
表層の全体の厚みの上限は好ましくは180μmであり、より好ましくは100μmであり、さらに好ましくは50μmであり、特に好ましくは28μmであり、最も好ましくは25μmである。上記を超えると二軸延伸フィルムとしての力学特性などの特徴が飽和する。
フィルム厚みの下限は好ましくは5μmであり、より好ましくは9μmである。上記未満であると包装材料としてハンドリング性が悪く、また、強度が不足となることがある。
フィルム厚みの上限は好ましくは180μmであり、より好ましくは100μmであり、さらに好ましくは50μmであり、特に好ましくは28μmであり、最も好ましくは25μmである。上記を超えると包装材料としての取り扱い性が低下することがある。
ラミネート強度(N/15mm)の上限は好ましくは10である。上記を越えても実用上の使用において効果が飽和する。
上記を超えると実用上において差が生じないことがある。
ダイ温度は250〜350℃が好ましい。チルロール温度は好ましくは0〜80℃である。
MD予熱温度の上限は好ましくは150℃であり、より好ましくは130℃であり、さらに好ましくは120℃である。150℃を超えると結晶化してしまい、延伸が困難となることがある。
MD延伸温度(℃)の上限は好ましくは120℃であり、より好ましくは115℃であり、さらに好ましくは110℃である。120℃を超えると結晶化してしまい、延伸が困難となることがある。
MD延伸速度の上限は好ましくは1000000%/分であり、より好ましくは900000%/分であり、さらに好ましくは500000%/分である。1000000%/分を超えると延伸時の発熱により結晶化が起こり、後続の延伸が困難となることがある。
MD倍率(倍)の上限は好ましくは5.0倍であり、より好ましくは4.5倍であり、最も好ましくは4.0倍である。5.0倍を超えると後続の延伸が困難となることがある。
MD延伸後の厚みの厚み(μm)の上限は好ましくは500μmであり、より好ましくは450μmである。500μmを超えると延伸応力が高くなりすぎてMD延伸時に延伸抜けによる厚みの均一性が低下することがある。
TD予熱温度の上限は好ましくは150℃であり、より好ましくは130℃である。150℃を超えると結晶化してしまい、延伸が困難となることがある。
TD延伸温度の上限は好ましくは180℃であり、より好ましくは175℃であり、さらに好ましくは170℃である。180℃を超えると結晶化してしまい、延伸が困難となることがある。
TD倍率の上限は好ましくは5.5倍であり、より好ましくは5.0倍であり、さらに好ましくは4.7であり、特に好ましくは4.5であり、最も好ましくは4.3倍である。5.5倍を超えると著しく生産性が低下することがある。
試料0.25gを96%硫酸25mlに溶解し、この溶液10mlを用い、オストワルド粘度管にて20℃で落下秒数を測定し、下記式より相対粘度を算出した。
RV=t/t0
ただし、t0:溶媒の落下秒数、t:試料溶液の落下秒数。
実施例で作製したフィルムをさらに400mm幅のスリットロールにスリットし、これにポリエステル系二液型接着剤(東洋モートン社製、TM590/CAT56=13/2(重量部))を塗布量3g/m2で塗布後、厚み40μmの線状低密度ポリエチレンフィルム(L−LDPEフィルム:東洋紡績社製、L6102)をドライラミネートし、40℃の環境下で3日間エージングを行いラミネートフィルムとした。
上記ラミネートフィルムを、幅15mm、長さ200mmに切り出して試験片とし、東洋ボールドウイン社製の「テンシロンUMT−II−500型」を用いて、温度23℃、相対湿度65%の条件下でポリアミド系積層二軸延伸フィルム層と厚み40μmのL−LDPEフィルム層の層間のラミネート強度を測定した。なお、引張速度は10cm/分、剥離角度は180度とした。
試料表裏面について、以下の条件でFT−IR偏光ATR測定を行った。
FT−IR装置:Bio Rad DIGILAB社製FTS−60A/896
1回反射ATRアタッチメント:golden gate MKII(SPECAC製)内部反射エレメント:ダイヤモンド
入射角:45°
偏光子:KRS−5ワイヤーグリッド
分解能:4cm−1
積算回数:128回
試料表裏面について、以下の条件でFT−IR ATR測定を行った。
FT−IR装置:Bio Rad DIGILAB社製FTS−60A/896
1回反射ATRアタッチメント:golden gate MKII(SPECAC製)内部反射エレメント:ダイヤモンド
入射角:45°
分解能:4cm−1
積算回数:128回
フィルムの厚みを測定後、東洋精機社製フィルムインパクトテスターを使用し、直径1/2インチの半球状衝撃頭を用いてフィルムのインパクト強度を測定した。得られた値は以下の式により、15μm換算のインパクト強度とした。
インパクト強度(J−15μm)=観察されたインパクト強度(J)/実厚み(μm)×15
試験温度160℃、加熱時間10分間とした以外は、JIS C2318に記載の寸法変化試験法に準じた。
SII製示差走査型熱量計(DSC)を用い、サンプル量10mg、昇温速度20℃/分で測定した。ここで検知された融解吸熱ピーク温度を融点とした。
JIS K 7113に準ずる。フィルムの長手方向に幅10mm、長さ100mmの試料を、剃刀を用いて切り出して試料とした。23℃、35%RHの雰囲気下で12時間放置したあと、測定は23℃、35%RHの雰囲気下、チャック間距離40mm、引っ張り速度200mm/分の条件で行い、5回の測定結果の平均値を用いた。測定装置としては島津製作所社製オートグラフAG5000Aを用いた。
JISK7105に準ずる方法で、試料をヘイズメーター(日本電色製、NDH2000)を用いて異なる箇所3ヶ所について測定し、その平均値をヘイズとした。
得られたフィルムロールの中央部から縦方向に中4cm×長さ3mのフィルム片を切り出し、これを1mの長さに3分割したものを測定サンプルとする。該測定サンプルをアンリツ電気社製の連続厚み計(マイクロメーター:K306C、レコーダー:K310C)用いて下記の条件で測定する。測定サンプル1m内の(最大値−最小値)を求め、3個の平均値(△T平均)を算出する。次いで、平均厚み(T平均:連続厚み測定後のフィルム片を3枚重ねて一方の端部から5cmのところを基準とし、5cmピッチでダイアルゲージを用いて18点測定し,18点の厚みの合計値を54で除した値)を算出する。次いで、TV=(△T平均/T平均)×100(%)を算出した。
連続厚みの測定条件は、以下の通りである。
フィルムの送り速度:1.5m/分
マイクロメーターのスケール:±5μm
レコーダーのハイカット:5Hz
レコーダーのスケール:±2μm
レコーダーのチャート速度:2.5mm/秒
レコーダーの測定レンジ:×1
ナイロン6樹脂(東洋紡製、T814 RV=2.9)50部と配向を緩和させる樹脂としてメタキシリレンアジパミド樹脂(メタキシリレンジアミン/アジピン酸の重合体、RV=2.5)50部をペレットの状態で混合し、シリンダー温度270℃の押出機で混練り、ペレタイズ後、100℃、減圧下で乾燥して、配向を緩和させるための樹脂(X−1)ペレットを準備した。
ナイロン6樹脂(東洋紡製、T814)35部と配向を緩和させる樹脂である芳香族ポリアミドレジンとしてメタキシリレンアジパミド樹脂(メタキシリレンジアミン/アジピン酸の重合体、RV=2.5)65部をペレットの状態で混合し、シリンダー温度280℃の押出機で混練り、ペレタイズ後、100℃、減圧下で乾燥して、配向を緩和させるための樹脂(X−2)ペレットを準備した。
次に、ポリアミド樹脂(東洋紡製、T814)88部、上記X−2 12部の混合物(A−2)をシリンダ温度270℃の押出機に、メタキシリレンアジパミド樹脂(メタキシリレンジアミン/アジピン酸の重合体、RV=2.5)(B−2)をシリンダ温度270℃の押出機に投入した、表に記載の条件を採用した他は実施例1と同様の方法により実施した。
ナイロン6樹脂(東洋紡製、T814)50部とナイロン11樹脂(アルケマ製、リルサン RV=2.8)50部をペレットの状態で混合し、シリンダー温度270℃の押出機で混練り、ペレタイズ後、100℃、減圧下で乾燥して、配向を緩和させるための樹脂(X−3)ペレットを準備した。
ナイロン6樹脂(東洋紡製、T814)50部と配向を緩和させる樹脂としてメタキシリレンアジパミド樹脂(メタキシリレンジアミン/アジピン酸の重合体、RV=2.5)50部をペレットの状態で混合し、シリンダ温度270℃の押出機で混練り、ペレタイズ後、100℃、減圧下で乾燥して、配向を緩和させるための樹脂マスターバッチ(X−4)のペレットを準備した。
ナイロン6樹脂(東洋紡製、T814)をシリンダ温度270℃の押出機に、ナイロン6樹脂としてRVが3.4のナイロン6樹脂をシリンダ温度280℃の押出機に投入して表に記載の条件を採用した以外は実施例1と同様の方法により実施した。
MD延伸倍率、TD延伸倍率を低く変更して表に記載の条件を採用した以外は実施例1と同様に実施した。延伸倍率を下げることで、表層の配向を下げ、ラミネート強度を高くすることができたが、インパクト強度が低下した。これは面配向が低くすぎたためと推定
される。
事前にナイロン6樹脂と配向を緩和させる樹脂を押出機中で混練りして樹脂マスターバッチを準備することなく、直接、押出機に二種の樹脂を混合して投入して表に記載の条件を採用した以外は実施例2とほぼ同様に実施したが、ラミネート強度が大きく低下した。事前に混練りをすることがなかったため、配向を緩和させる樹脂の配向緩和効果が小さい
ことが原因と推定される。
配向を緩和させる樹脂を用いず実施して表に記載した条件を採用した以外は実施例1とほぼ同様に実施したが、ラミネート強度、インパクト強度とも不十分であった。配向を緩和させる樹脂を添加していないため、フィルム表層の配向が高くなりすぎたためと推定される。
配向を緩和させる樹脂を用いず実施して表に記載した条件を採用した以外は実施例4とほぼ同様に実施したが、ラミネート強度が低下した。配向を緩和させる樹脂を添加していないため、フィルム表層の配向が高くなりすぎたためと推定される。
配向を緩和させる樹脂を用いず、また、熱固定温度を高くして表に記載した条件を採用した以外は実施例4とほぼ同様に実施したが、インパクト強度が低下した。高温での熱固定温度によりフィルム表層の配向は緩和し、ラミネート強度は比較例4に対して改善され
たが、配向の過度の緩和により力学特性が低下したものと推定される。
表層中の配向を緩和させる樹脂の含有量を増やして表に記載した条件を採用した以外は実施例1とほぼ同様に実施したが、インパクト強度の低下が観察された。配向を緩和させる樹脂が過度に添加されているため、スキン層全体の配向が過度に緩和し、力学特性が低
下したものと推定される。
表層中の配向を緩和させる樹脂の含有量を増やし、熱固定温度を下げ、表に記載した条件を採用した以外は実施例4と同様に実施したが、熱収縮率の悪化、インパクト強度の改善はみられず、ラミメート強度とインパクト強度のバランス化はできなかった。配向を緩和させる樹脂の添加量が多いため配向結晶化が起こりにくくなっており、熱固定のための熱量が不足し、配向結晶化が進まず、力学特性の低下や耐熱性が低下したものと推定される。
表層中の配向を緩和させる樹脂の含有量を実施例4より増やし、比較例7よりも更に熱固定温度を下げて表に記載した条件を採用した以外は実施例4と同様に実施した。熱収縮率、ラミネート強度が大幅に悪化した。配向を緩和させる樹脂の添加量が多すぎて、少ない熱量でも配向が緩和しやすいため、熱固定温度を低温化する必要があるが、ラミネート強度を発現させるための配向の緩和の度合いと熱収縮率の改善のバランス化ができなかった。
共重合ナイロン樹脂として東レ製アミランCM6021M(融点214℃)を用いて表に記載した条件を採用した以外は実施例4と同様に、表に記載の条件で実施した。
事前にナイロン6樹脂と配向を緩和させる樹脂を押出機中で混練りして樹脂マスターバッチを準備することなく、直接、押出機に二種の樹脂を混合して投入して表に記載の条件を採用した以外は実施例2とほぼ同様に実施した。熱固定温度を高めることでラミネート強度の改善を期待したが、改善が見られず、インパクト強度のみが低下した。事前に混練りをすることがなかったため、配向を緩和させる樹脂の配向緩和効果が小さいことが原因と推定される。
Claims (2)
- ナイロン6を主たる構成成分とする延伸ポリアミドフィルムであって、ナイロン6とナイロン6以外のアミド基含有樹脂を含有する層を表面に持ち、少なくとも片面の表層が(1)および(2)を満たし、さらに延伸ポリアミドフィルムが(3)を満たすことを特徴とする延伸ポリアミドフィルム。
(1)赤外分光法により得られる表層配向の緩和度が0.3〜0.5の範囲
(2)赤外分光法により得られる表層の結晶化度が1.0〜1.4の範囲
(3)160℃、10分でのTD方向の熱収縮率(%)が0.6〜4の範囲 - ナイロン6以外のアミド基含有樹脂がメタキシリレンジアミン、またはメタキシリレンジアミン及びパラキシリレンジアミンからなる混合キシリレンジアミンを主たるジアミン成分とし、炭素数6〜12のα、ω−脂肪族ジカルボン酸を主たるジカルボン酸成分とするメタキシリレン基含有ポリアミド重合体、若しくはナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,10、これらにテレフタル酸を共重合させたものである請求項1に記載の延伸ポリアミドフィルム。
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