<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態の画像形成装置について、以下に、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の画像形成装置の構成を示すブロック図である。尚、本実施形態を含む以下の各実施形態における画像形成装置は、画像読取機構及び画像検査機構の双方を備える装置であればよく、例えば、コピー機や、コピー機能を備えたプリンター又は複合機などであっても構わない。
1.画像形成装置の構成
図1を参照して、画像形成装置1の構成について説明する。図1は、画像形成装置1の内部構成を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置1は、原稿から画像を読み取る画像読取装置2と、画像を印刷するための記録紙P1を収納するとともに画像形成装置1内に当該記録紙P1を給紙する給紙装置3と、画像読取装置2で読み取って得られた原稿画像データに基づいてトナー画像を記録紙P1に転写する作像装置4と、作像装置4で記録紙P1に転写されたトナー画像を定着させる定着装置5と、定着装置5によりトナー画像が定着されて画像形成された記録紙P1の印刷状態を検査する画像検査装置6と、画像検査装置6で検査された印刷後の記録紙P1を排紙する排紙装置7と、操作用指示ボタン群の表示及び装置の状態表示を行うと同時にユーザーからの操作を受け付けるタッチパネルで構成される操作ユニット8とを備える。
画像読取装置2は、原稿へ光を照射する光源21と、原稿からの反射光を受光して電気信号に変換する固体撮像素子22と、原稿からの反射光を固体撮像素子22に結像させる結像レンズ23と、原稿が載置される原稿ガラス板24と、光源21からの光を反射して原稿表面に照射させる反射鏡25と、原稿からの反射光を結像レンズ23に誘導する反射鏡26A〜26Cと、シェーディング補正のための補正値を生成するための基準板27と、を備える。
結像レンズ23及び固体撮像素子22はそれぞれ、原稿の読取方向(「副走査方向」に相当する。)に対して垂直な方向(「主走査方向」に相当する。)に複数の素子を画素毎に並べた素子群で構成される。又、固体撮像素子22は、各画素の受光面に、原色系又は補色系の色フィルターが設置されるため、この色フィルターを透過した光を各画素の素子が受光することによって、原稿上の画像をカラー画像として読み取る。更に、光源21と反射鏡25,26Aとが第1スライダー部211に具備されるとともに、反射鏡26B,26Cが第2スライダー部212に具備される。この第1及び第2スライダー部211,212が、レール及びモーターなどの不図示の移動機構により、同時に副走査方向に移動することで、原稿ガラス板24表面に載置された原稿の副走査方向への読取が実行される。
このように構成される画像読取装置2では、原稿の画像を読み取る際、原稿は、原稿載置台の原稿ガラス板24上に載置されるか、又は、自動原稿搬送機構(ADF:Auto Document Feeder)により原稿ガラス板24上に搬送される。このとき、原稿の読取位置に対して、光源21からの照射光と反射鏡25からの反射光とが照射されると、この照射光に対する原稿からの反射光が反射鏡26Aに入射される。そして、反射鏡26Aから反射光が、反射鏡26B,26Cをそれぞれ順に反射し、結像レンズ23に誘導され、原稿からの反射光が結像レンズ23を透過して、固体撮像素子22の撮像領域に結像される。固体撮像素子22が、副走査方向に沿った読取幅に合わせた一定間隔で、その受光量に応じた電気信号を1ラインごとに出力することで、原稿上の画像に基づく二次元の原稿画像データが生成される。
又、画像読取装置2は、この原稿の画像の読取動作を行う前に、第1スライダー部211及び第2スライダー部212を移動させて、第1スライダー部211を基準板27の直下位置まで移動させ、基準板27の読取動作を行う。これにより、固体撮像素子22から出力される電気信号の出力値を主走査方向にシェーディング補正するための補正値を生成できる。従って、固体撮像素子22から出力される電気信号に対して、この補正値に基づくシェーディング補正を施すことにより、生成された原稿画像データにおいて、光源21による主走査方向の光量のバラツキを抑制できる。
給紙装置3は、図1に示すように、画像が印刷される記録紙P1を収納する給紙カセット31と、給紙カセット31に収納された記録紙P1を取り出す給紙ローラー対32と、を備える。又、給紙装置3の下流側には、給紙ローラー対32によって給紙カセット31から記録紙搬送路に給紙された記録紙P1を作像装置4に搬送するレジストローラー対33が設けられている。このように構成される給紙装置3は、給紙ローラー対32が回転駆動することによって、給紙カセット31に収納された記録紙P1を一枚ずつ取り出して、記録紙搬送路に供給する。そして、給紙カセット31から排紙された記録紙P1は、記録紙P1の搬送方向に沿って給紙装置3の下流側に設置される搬送ローラー対91により作像装置4に向かって搬送される。その後、作像装置4における転写タイミングに合わせて記録紙が搬送されるように、レジストローラー対33が作増装置4への搬送タイミングを制御する。
作像装置4は、Y(Yellow)M(Magenta)C(Cyan)K(Black)の各色の静電潜像が形成される感光ドラム41〜44と、感光ドラム41〜44それぞれに担持されたYMCK各色のトナーが転写される中間転写部45と、中間転写部45に転写されたトナーを記録紙P1に転写する二次転写ローラー46とを備える。このとき、感光ドラム41〜44のそれぞれは、不図示であるが、その周囲に、コロナ放電などにより感光ドラム41〜44を帯電させる帯電器と、帯電した感光ドラム41〜44にレーザー光などを照射して静電潜像を形成させる露光器と、YMCK各色のトナーを攪拌することで帯電して感光ドラム41〜44に付着させる現像器と、中間転写部45に転写後に感光ドラム41〜44に残留したトナーを除去するクリーニング部材とを備える。
又、中間転写部45は、感光ドラム41〜44からYMCK各色のトナーが転写される中間転写ベルト451と、中間転写ベルト451を回転させる駆動ローラー452及び従動ローラー453と、感光ドラム41〜44それぞれに対して中間転写ベルト451を挟んで対向する位置に設置される一次転写ローラー454〜457とを備える。さらに、この中間転写部45は、記録紙P1に転写されずに中間転写ベルト451に残留したトナーを中間転写ベルト451表面上から除去するために、不図示のクリーニング部材を備える。そして、二次転写ローラー46は、中間転写ベルト451を挟んで、駆動ローラー452と対向する位置に設置される。
このように構成される作像装置4において、感光ドラム41〜44では、画像読取機構2で取得された原稿画像データに基づいて、感光ドラム41〜44それぞれの表面にYMCK各色の静電潜像が形成された後、帯電したYMCK各色のトナーが感光ドラム41〜44それぞれの静電潜像上に担持される。又、中間転写部45では、駆動ローラー452によって中間転写ベルト451が回転し、感光ドラム41〜44それぞれに担持されているYMCK各色のトナー画像が、所定電位に印加された一次転写ローラー454〜457の静電気力によって、中間転写ベルト451に転写される。
このとき、中間転写ベルト451は、記録紙P1に転写するトナー画像が形成される部分が感光ドラム41〜44と順次接触することによって、YMCKの順に各色のトナー画像が感光ドラム41〜44より転写される。又、感光ドラム41〜44表面におけるYMCK各色のトナー画像は、中間転写ベルト451にトナーを転写するタイミングにあわせて、感光ドラム41〜44の順に形成される。
そして、中間転写ベルト451表面にYMCK各色のトナーが転写されて形成されたトナー画像は、当該トナー画像が形成された中間転写ベルト451表面が二次転写ローラー46に対向する位置まで移動したときに、中間転写ベルト451と二次転写ローラー46とによって挟持される記録紙P1に転写される。記録紙P1へのトナー画像の転写は、二次転写ローラー46への印加電圧によって、帯電された各色のトナーが二次転写ローラー46に引き寄せられることによって実現される。
定着装置5は、記録紙P1上のトナーを定着させるべく加熱するハロゲンランプなどを備えた加熱ローラー51と、加熱ローラー51と記録紙P1を挟持して記録紙P1を加圧する加圧ローラー52とを備え、作像装置4でトナー画像が転写された記録紙P1が搬送される。このトナー画像が転写された記録紙P1は、加熱ローラー51と加圧ローラー52との間を通過することによって、加熱ローラー51による加熱と、加熱ローラー51及び加圧ローラー52による加圧とを受ける。これにより、転写されたトナー画像が記録紙P1上に定着し、記録紙P1に原稿画像データによる画像が印刷される。尚、加熱ローラー51は、電磁誘導によりその表面に渦電流を生じさせることによって、加熱ローラー51表面が加熱されるものであってもよい。
排紙装置7は、画像検査装置6を通過した記録紙P1を画像形成装置1外部に排紙するための排紙ローラー対71と、画像形成装置1外部に設けられるとともに排紙ローラー71によって排紙された記録紙P1を受ける排紙トレイ72とを備える。このように構成される排紙装置7は、排紙ローラー対71が駆動することにより、定着装置5でトナー画像が記録面に定着されて画像印刷された記録紙P1を画像検査装置6から誘導し、画像形成装置1外部の排紙トレイ72に排出する。
このように各装置2〜8を備えた画像形成装置1は、記録紙に画像を形成するための主搬送路80(図1中の実線部分)と、主搬送路80から分岐するとともに画像形成された記録紙を反転させて主搬送路80に循環させる反転搬送路81(図1中の一点鎖線部分)と、を備える。主搬送路80は、給紙装置3の給紙カセット31から給紙された記録紙が排紙装置7の排紙トレイ72に排紙されるまでの搬送経路である。そして、反転搬送路81は、この主搬送路80に対して排紙ローラー対71上流側で分岐するとともにレジストローラー対33上流側で合流する搬送経路であり、その経路途上に反転ローラー対85を有する。この反転搬送路81における反転ローラー対85の正反転動作によって、主搬送路80から搬送された記録紙が反転されて、再び、主搬送路80に送り込まれる。
主搬送路80上には、記録紙搬送方向に沿って、給紙ローラー対32、搬送ローラー対91、レジストローラー対33、中間転写ベルト451及び二次転写ローラー46による転写ニップ部、加熱ローラー51及び加圧ローラー52による定着ニップ部、搬送ローラー対92、画像検査装置6、搬送ローラー対93、及び排紙ローラー対71それぞれが、順番に配置されている。又、反転搬送路81については、搬送ローラー対93の下流側から分岐した搬送経路81a上に、搬送ローラー対94と反転ローラー対85とが配置される。そして、搬送経路81aの反転ローラー対85上流側で分岐した搬送経路81b上に、搬送ローラー対95が配置されるとともに、この搬送経路81bが、レジストローラー対33上流側で主搬送路80と合流する。
このように構成されるとき、画像形成装置1に対して片面印刷が指示された場合、給紙装置3において、給紙ローラー対32が給紙トレイ31から記録紙P1を主搬送路80に繰り出すと、搬送ローラー対91により作像装置4に向かって記録紙P1が搬送される。この記録紙P1は、レジストローラー対33によって、作像装置4における作像タイミングに合わせて作像装置4に搬送される。これにより、作像装置4の中間転写ベルト451に形成されたトナー画像が、二次転写ローラー46の静電力によって、記録紙P1に転写される。
作像装置4を通過した記録紙P1は、定着装置5を通過することで、加熱ローラー51及び加圧ローラー52の加熱と加圧により、転写されたトナー画像がその紙面上に溶融定着する。このように画像形成された記録紙P1は、搬送ローラー対92,93の回転駆動により、主搬送路80上に配置されている画像検査装置6を通過することで、後述のように、記録紙P1に形成された画像の品質が検査される。そして、不図示の搬送ガイドとともに搬送ローラー対93が記録紙P1を排紙ローラー対71側に誘導するため、記録紙P1は、主搬送路80上を搬送された後、排紙ローラー対71の回転駆動により、画像形成装置1外部の排紙トレイ72に排出される。
一方、画像形成装置1に対して両面印刷が指示された場合、片面印刷の指示の場合と同様、給紙ローラー対32により給紙トレイ31から主搬送路80に繰り出された記録紙P1が、搬送ローラー対91及びレジストローラー対33により作像装置4に向かって搬送される。この記録紙P1が、主搬送路80上の作像装置4及び定着装置5を通過することで、その片面に画像が形成された後、搬送ローラー対92,93の回転駆動により、画像検査装置6を通過して、形成された画像の品質が検査される。
このように片面に画像形成された記録紙P1が画像検査装置6を通過すると、不図示の搬送ガイドとともに搬送ローラー対93が、記録紙P1を反転搬送路81に誘導する。従って、片面に画像形成された記録紙P1は、反転搬送路81の搬送経路81aにおいて、搬送ローラー対94により反転ローラー対85まで誘導される。反転ローラー対85は、搬送ローラー対94と同方向の回転駆動により、搬送経路81a上の搬送方向と同方向に記録紙P1を途中まで搬送させた後、その回転方向を反転させる。この反転ローラー対85の回転方向が反転すると同時に、不図示のガイドによって、記録紙P1が、反転搬送路81の搬送経路81bに誘導される。
これにより、記録紙P1が裏返しになって搬送経路81bを搬送されることとなり、この記録紙P1は、搬送ローラー対95と不図示のガイドにより、主搬送路80に誘導される。その後、反転搬送路81から主搬送路80に搬送された記録紙P1は、レジストローラー対33により作像装置4に向かって搬送される。このとき、記録紙P1は、既に画像形成された面(表面)の逆側面(裏面)が中間転写ベルト451及び加熱ローラー51と当接するため、記録紙P1が作像装置4及び定着装置5を通過することで、裏面にも画像が形成される。
この両面に画像形成された記録紙P1は、搬送ローラー対92,93の回転駆動により、画像検査装置6を通過することで、後述のように、記録紙P1の裏面に形成された画像の品質が検査される。そして、不図示の搬送ガイドとともに搬送ローラー対93が記録紙P1を排紙ローラー対71側に誘導するため、両面印刷された記録紙P1は、排紙ローラー対71の回転駆動により、画像形成装置1外部の排紙トレイ72に排出される。
2.画像検査装置の構成
画像検査装置6は、図2に示すように、画像が印刷された記録紙P1に光を照射するレーザーダイオード等による光源61と、記録紙P1からの反射光を受光して電気信号に変換する固体撮像素子62と、記録紙P1からの反射光を固体撮像素子62に結像させる結像レンズ63と、副走査方向(主搬送路80における搬送方向に相当する。)に移動する記録紙P1の画像記録面が当接するガラス板64と、光源61からの光を反射して記録紙表面に照射させる反射鏡65と、記録紙からの反射光を結像レンズ63に誘導する反射鏡66A〜66Cと、シェーディング補正のための補正値を生成するための基準板67と、を備える。
このとき、固体撮像素子62及び結像レンズ63がそれぞれ、主走査方向に複数の素子を画素毎に並べた素子群で構成される。そして、固体撮像素子62は、各画素の受光面に原色系又は補色系の色フィルターが設置され、記録紙上の画像をカラー画像として読み取る。又、画像検査装置6は、主搬送路80側の表面がガラス板64で覆われた筐体によって構成され、光源61と、固体撮像素子62と、結像レンズ63と、反射鏡65,66A〜66Cとが、当該筐体内部に固設されるとともに、主搬送路80を介して反射鏡66Aの直下となる位置に、基準板67が固設される。
このように構成される画像検査装置6に対して、主搬送路80を記録紙P1が搬送されることにより、記録紙P1の画像が副走査方向に沿って1ライン毎に読み取られる。即ち、記録紙P1の読取位置に対して、光源61からの照射光と反射鏡65からの反射光とが照射されると、この照射光に対する記録紙P1からの反射光が反射鏡66A〜66Cをそれぞれ順に反射する。そして、反射鏡66Cを反射した記録紙P1からの反射光は、結像レンズ63を透過して、固体撮像素子62の撮像領域に結像される。固体撮像素子62が、副走査方向に沿った読取幅に合わせた一定間隔で、その受光量に応じた電気信号を1ラインごとに出力することで、記録紙P1上の画像に基づく二次元の記録紙画像データが生成される。
又、画像検査装置6は、この記録紙P1の画像の読取動作を行う前に、主搬送路80を挟んで対向する位置に配置された基準板67の読取動作を行う。これにより、固体撮像素子62から出力される電気信号の出力値を主走査方向にシェーディング補正するための補正値を生成できる。従って、固体撮像素子62から出力される電気信号に対して、この補正値に基づくシェーディング補正を施すことにより、生成された記録紙画像データにおいて、光源61による主走査方向の光量のバラツキを抑制できる。
この画像検査装置6は、記録紙P1に対する通常の印字動作時においては、作像装置4で転写されたトナー画像が定着装置5で定着された記録紙に対して、画像読取装置2と同様の画像読取動作を行う。即ち、画像検査装置6は、光源61及び固体撮像素子62を動作させることで、主搬送路80を通過する記録紙P1上の画像を読み取って、読み取った画像を後述の制御装置10(図4参照)に送信する。そして、制御装置10において、画像検査装置6から取得した画像を、画像読取装置2で原稿から読み取った画像、又は、外部ネットワークから与えられた画像等と比較することによって、記録紙P1上に形成された画像の品質を検査し、印字状態の良否を判断する。
尚、画像検査装置6の構成は、上記図2の構成に限られるものではなく、例えば、記録紙からの反射光を固体撮像素子62まで誘導する光路を形成するために反射鏡66のみを配置した、図3に示す構成等のように、その構成を簡略化したものであっても構わない。
3.クリーニング機能
上記構成の画像検査装置6を備える画像形成装置1は、作像装置4におけるトナー画像の形成動作を停止させた状態で記録紙P1を通紙させるクリーニング機能を実行することで、主搬送路80におけるトナー等による汚れを除去できる。このクリーニング機能を実行するための構成と動作について、図面を参照して、以下に説明する。図4は、画像形成装置1の制御装置におけるクリーニング機能実行用の構成を示すブロック図であり、図5及び図6は、クリーニング機能実行時における制御動作を示すフローチャートである。又、以下では、このクリーニング機能の実行動作について、作像装置4による画像形成を省略した印刷であることから、単に「白紙印刷」と呼ぶ。
図4に示すように、制御装置10は、各種演算処理や制御を実行するCPU(Central Processing Unit)101と、制御プログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)102と、演算データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)103と、白紙印刷時の参照用に使用するデータを記憶するEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等による記憶部104と、画像検査装置6の固体撮像素子62からの画像データに基づいて汚れ度を算出する汚れ度算出部105と、記録紙P1の汚れ度の変化量を算出する汚れ度変化量算出部106と、記録紙P2の排紙又は搬送を指示するための搬送制御部107と、画像形成装置1内の各装置2〜8と信号の送受信を行う入出力インターフェース108と、制御装置10内の各ブロック間の通信を成立させるために信号を送受信するバス109と、を備える。
このように制御装置10が構成されるとき、記憶部104は、汚れ度算出部105及び汚れ度変化量算出部106で算出された汚れ度及び汚れ度変化量と、記録紙P1の汚れ度が高い白紙印刷の計数値による高汚れ度計数値とについて、白紙印刷に使用される記録紙P1の表面(第1面)及び裏面(第2面)それぞれに対応して記憶する。又、記憶部104は、白紙印刷の完了判定を行うための基準値となるクリーニング実施閾値(第1閾値)と、記録紙P1が白紙印刷に再利用可能か否かを判定するための基準値となる記録紙再利用閾値(第2閾値)とを記憶する。
この制御装置10が、図5及び図6に示す動作フローに従って、その制御動作を実行することにより、画像形成装置1が、記録紙P1を用いた白紙印刷による、クリーニング機能を実行する。このとき、例えば、操作ユニット8におけるユーザーの操作等により、制御装置10が、入出力インターフェース108を通じて、画像形成装置1に対する修復作業の完了の通知を受け付けると、白紙印刷のための制御動作を開始する(STEP1)。
尚、白紙印刷を実行するためのトリガとして、画像形成装置1に対する修復作業の完了に基づくものを例に挙げたが、操作ユニット8の操作により白紙印刷の実行そのものを指示するものとしてもよい。又、画像形成装置1に対する修復作業の完了の通知動作についても、操作ユニット8への操作受付に限るものではなく、例えば、画像形成装置1の故障発生箇所が修復されたことをセンサで感知し、当該センサからの信号に基づいて制御装置10が修復作業の完了を確認できるものとしてもよい。
制御装置10は、白紙印刷のための制御動作を開始すると、まず、記憶部104に記憶している、高汚れ度計数値、汚れ度検出値、汚れ度変化量の値を初期値にリセットする(STEP2)。尚、汚れ度検出値の初期値については、例えば、画像形成装置1の出荷時や設置時等のように、記録紙P1への印刷動作が行われる前に、記録紙P1の紙種毎に予め白紙印刷を実行し、汚れ度算出部105で算出された値を初期値として記録部104に記憶させている。そして、例えば、ユーザーが給紙装置3の給紙カセット31に記録紙P1を収容したときに、操作ユニット8を操作して、記録紙P1の紙種を制御装置10に通知することで、給紙カセット31に収容された記録紙P1に応じた汚れ度検出値の初期値が選択されるものとしてもよい。
上記STEP2において、CPU101が、記憶部104に記憶した各値を初期値にリセットした後、給紙装置3による給紙カセット31から記録紙P1を主搬送路80へ給紙させるべく、搬送制御部107により給紙制御信号が生成される(STEP3)。この給紙制御信号は、入出力インターフェース108を通じて、給紙ローラー対32に与えられることで、給紙ローラー対32が回転駆動して、給紙カセット31の記録紙P1が主搬送路80に繰り出される。
その後、制御装置10は、給紙カセット31から繰り出された記録紙P1の白紙印刷を実行するための制御信号を生成し、入出力インターフェース108を通じて出力する(STEP4)。このとき、搬送制御部107が、搬送ローラー対91〜93、レジストローラー対33、中間転写部45における駆動ローラー452、及び、定着装置5における加熱ローラー51又は加圧ローラー52を所定タイミングで回転駆動させるように、搬送制御信号を生成して、入出力インターフェース108より出力する。この搬送制御信号の出力と同時に、CPU101が、定着装置5における加熱ローラー51の加熱動作を実行させるための加熱制御信号を生成して、入出力インターフェース108より出力する。
この制御装置10からの各制御信号に基づいて、主搬送路80の各ローラー対が駆動することにより、記録紙P1が、主搬送路80上を搬送されて、作像装置4及び定着装置5を順番に通過する。このとき、作像装置4では、感光ドラム41〜44それぞれに対して設けられた帯電器及び露光器それぞれの駆動が停止されるとともに、一次転写ローラー454〜457それぞれへの電圧印加も停止される。従って、中間転写ベルト451には、感光ドラム41〜44からのトナーの転写がない状態とされる。
よって、記録紙P1が、作像装置4を通過して定着装置5に到達することにより、主搬送路80上のトナー汚れが記録紙P1に付着することとなる。そして、このトナー汚れが付着した記録紙P1が定着装置5を通過したとき、加熱ローラー51及び加圧ローラー52による加熱と加圧によって、記録紙P1に付着したトナー汚れが記録紙P1の紙面上で定着する。この定着装置5を通過した記録紙P1は、搬送ローラー対92の回転駆動によって、主搬送路80上における画像検査装置6まで搬送される。
このようにして、記録紙P1が画像検査装置6に到達するとき、CPU101が、画像検査装置6駆動用の検査制御信号を生成し、入出力インターフェース108より画像検査装置6に与え、画像検査装置6による汚れ度検出動作を実行させる(STEP5)。このとき、画像検査装置6は、光源61を発光させると同時に、固体撮像素子62による撮像動作を所定タイミング毎に行うことで、白紙印刷後の記録紙P1からの画像データを取得し、制御装置10に送信する。これにより、画像検査装置6が、汚れ度検出装置として機能し、制御装置10が、記録紙P1から得られた画像データが汚れ度検出信号として、入出力インターフェース108で受信する。
制御装置10は、画像検査装置6からの汚れ度検出信号(画像データ)を入出力インターフェース108により受信すると、記録紙P1への白紙印刷が、表面と裏面のいずれへの印刷であるかを確認する(STEP6)。尚、記録紙P1の表面と裏面のいずれに対する白紙印刷であるか否かについては、その印刷状況を示すための印刷状況フラグを記憶部104に記憶される。記憶部104に記憶された印刷状況フラグは、反転搬送路81への通紙のたびに反転される。
そして、記録紙P1の表面への印刷(以下、「表面印刷」と呼ぶ)である場合は(STEP6でYes)、CPU101は、表面印刷に対する汚れ度、汚れ度変化量、及び高汚れ度計数値(表面印刷用パラメーター)を、記憶部104より読み出す(STEP7)。一方、記録紙P1の裏面への印刷(以下、「裏面印刷」と呼ぶ)である場合は(STEP6でNo)、CPU101は、裏面印刷に対する汚れ度、汚れ度変化量、及び高汚れ度計数値(裏面印刷用パラメーター)を、記憶部104より読み出す(STEP8)。尚、STEP7又はSTEP8で読み出された汚れ度は、汚れ度変化量算出部106に与えられるとともに、高汚れ度計数値及び汚れ度変化量は、搬送制御部107に与えられる。
制御装置10では、入出力インターフェース108で受けた汚れ度検出信号が、汚れ度算出部105に与えられて、汚れ度算出部105が、汚れ度検出信号による画像データを画像解析することにより、記録紙P1に付着したトナー量に基づく汚れ度を算出する(STEP9)。このとき、汚れ度算出部105は、記録紙P1におけるトナーが付着した領域(汚れ領域)の画素数を計数して、その領域面積を取得する。その後、汚れ算出部105は、記録紙P1の紙面一枚分に対する汚れ領域の割合により、記録紙P1における隠蔽率を算出し、この隠蔽率を汚れ度とする。
汚れ度算出部105が汚れ度を算出すると、算出された汚れ度が、汚れ度変化量算出部106に与えられるため、汚れ度変化量算出部106が、既に記憶部104から読み出された前回の汚れ度との差分により、汚れ度変化量を算出する(STEP10)。このとき、汚れ度変化量算出部106は、STEP7又はSTEP8で記憶部105より読み出された汚れ度を、前回の汚れ度として一時的に記憶している。そして、汚れ度変化量算出部106は、汚れ度算出部105で新たに算出された汚れ度を受けることで、算出された汚れ度から前回の汚れ度を減算し、汚れ度変化量を算出する。即ち、汚れ度変化量とは、1回の白紙印刷による汚れ度に相当するものである。
その後、まず、搬送制御部107は、汚れ度変化量算出部106で算出された汚れ度変化量を受けた後、この汚れ度変化量について、記録部104に記憶されたクリーニング実施閾値(第1閾値)と比較する(STEP11)。このとき、汚れ度変化量が第1閾値以下となる場合(STEP11でYes)、搬送制御部107は、主搬送路80におけるトナー汚れが十分に除去されたものと判定し、排紙ローラー対71を回転駆動させるための排紙制御信号を生成し、入出力インターフェース108より出力する(STEP12)。これにより、搬送ローラー対93により画像検査装置6における検査後の記録紙P1が搬送されると、排紙ローラー対71の回転駆動により排紙トレイ72に記録紙P1が排紙され、クリーニング機能の実行を終了する。
一方、汚れ度変化量が第1閾値より大きい場合(STEP11でNo)、搬送制御部107は、汚れ度変化量算出部106で得られた汚れ度変化量を受け、既に記憶部104から読み出された前回の汚れ度変化量と比較する(STEP13)。このとき、搬送制御部107は、STEP7又はSTEP8で記憶部105より読み出された汚れ度変化量を、前回の汚れ度変化量として一時的に記憶している。そして、搬送制御部107は、汚れ度変化量算出部106で新たに算出された汚れ度変化量を受けることで、算出された汚れ度変化量と前回の汚れ度変化量を比較する。
搬送制御部107は、算出された汚れ度変化量が前回の汚れ度変化量以上となることを確認すると(STEP13でYes)、主搬送路80におけるトナー汚れ量が多く、十分に汚れが除去されていないものと判定し、高汚れ度計数値を1回分計数する(STEP14)。そして、搬送制御部107は、STEP14で計数した高汚れ度計数値が所定回数に到達したか否かを確認する(STEP15)。即ち、STEP15において、搬送制御部107は、高汚れ度計数値によって、記録紙P1の汚れ度が高いと判定された白紙印刷の回数を確認することで、例えば、トナー漏れ等のような装置異常が発生しているか否かを判定する。
このとき、搬送制御部107が、高汚れ度計数値が所定回数に到達したことを確認したとき(STEP15でYes)、装置異常が発生したものと判定し、記録紙P1を排紙すべく、STEP12と同様の排紙制御信号を生成し、入出力インターフェース108より出力する(STEP16)。これにより、画像検査装置6における検査後の記録紙P1が、排紙ローラー対71の回転駆動により排紙トレイ72に排紙される。その後、CPU101は、搬送制御部107による装置異常発生の判定結果に基づいて、装置異常を外部に報知するための外部報知信号を生成し、入出力インターフェース108を通じて操作ユニット8に送信する(STEP17)。従って、操作ユニット8の表示部では、クリーニング機能による汚れ除去が不可能であるといった、装置異常発生を示す表示をなされて、クリーニング機能の実行を終了する。
一方、算出された汚れ度変化量が前回の汚れ度変化量より小さいとき(STEP13でNo)、又は、高汚れ度計数値が所定回数に到達していないとき(STEP15でNo)、搬送制御部107は、汚れ度算出部105で算出された汚れ度と記録紙再利用閾値(第2閾値)とを比較する(STEP18)。このとき、汚れ度が第2閾値より低い場合(STEP18でYes)、搬送制御部107は、白紙印刷完了した記録紙P1について再利用可能と判断し、汚れ度算出部105及び汚れ度変化量算出部106それぞれで算出した汚れ度及び汚れ度変化量を記憶部104に記憶させる(STEP19)。
そして、搬送制御部107は、記録紙P1を反転搬送路81で循環させるべく、反転制御信号を生成して、入出力インターフェース108より反転搬送路81の反転ローラー対85及び搬送ローラー対94,95に出力する(STEP20)。これにより、搬送ローラー対93により画像検査装置6を通過した記録紙P1は、不図示のガイドにより反転搬送路81に誘導される。その後、搬送ローラー対94及び反転ローラー対85の回転駆動により、記録紙P1が搬送経路81aを移動した後、反転ローラー対85の回転が反転することで、記録紙P1が反転する。この反転ローラー対85と共に搬送ローラー対95が回転駆動することで、記録紙P1が搬送経路81bを移動して、主搬送路80におけるレジストローラー対33まで誘導される。
又、制御装置10では、搬送制御部107からの反転制御信号が出力された後、記憶部104における印刷状況フラグが反転されて記憶される(STEP21)。即ち、記憶部104において表面印刷(裏面印刷)を示す印刷状況フラグが記憶されている場合は、STEP20の反転制御により裏面印刷(表面印刷)に切り替わるため、STEP21でフラグが反転され、裏面印刷(表面印刷)を示す印刷状況フラグが記憶部104に記憶されることとなる。その後、STEP4に移行して、反転搬送路81の通過により反転された記録紙P1に対する白紙印刷が実行された後、STEP5以下の動作が繰り返される。
一方、汚れ度が第2閾値以上となる場合(STEP18でNo)、搬送制御部107は、白紙印刷完了した記録紙P1について再利用不可能と判断すると、記憶部104に記憶された汚れ度を初期値にリセットする(STEP22)。又、汚れ度変化量算出部106で算出した汚れ度変化量については、記憶部104に記憶する(STEP23)。そして、搬送制御部107は、記録紙P1を排紙すべく、STEP12と同様の排紙制御信号を生成し、入出力インターフェース108より出力する(STEP24)。これにより、画像検査装置6における検査後の記録紙P1が、排紙ローラー対71の回転駆動により排紙トレイ72に排紙される。更に、記憶部104で記憶される印刷状況フラグについても、表面印刷にリセットする(STEP25)。その後、STEP3に移行して、給紙カセット31より新たな記録紙P1を主搬送路80に繰り出した後、STEP4以下の動作が繰り返される。
上述のようにしてクリーニング機能が実行されるとき、記録紙P1に対して、表面印刷と裏面印刷とが交互に行われる。以下では上述のクリーニング機能について、表面印刷における記録紙P1の汚れ量の変化に基づき、簡単に説明する。記録紙P1の表面に対する1回目の白紙印刷によって、図7(a)のように、主搬送路80のトナー汚れがトナー画像(汚れ画像)500となって、記録紙P1の表面に形成される。
この記録紙P1が画像検査装置6を通過することにより、記録紙P1の汚れ画像500に基づく画像データが汚れ度検出信号として、制御装置10に与えられる。そして、制御装置10では、汚れ度算出部105が、汚れ度検出信号より汚れ画像500の画素数に基づく隠蔽率(汚れ領域の領域面積)を算出することで、汚れ度H1が取得される。尚、汚れ度については、上述したように、汚れ画像500を構成する各画素におけるトナー濃度を積算した値によって算出されるものであってもよい。
又、汚れ度変化量は、初期値を0とするため、汚れ度H1と同一の値となる。そして、制御装置10は、汚れ度変化量H1をクリーニング実施閾値(第1閾値)と比較して、クリーニング機能を停止させるか否かを判定する。一方、制御装置10は、汚れ度H1については、記録紙再利用閾値(第2閾値)と比較して、記録紙P1の表面の汚れ状態を判定し、記録紙P1を循環させて白紙印刷を再び実行できるか否かを判定する。
その後、記録紙P1の1回目の裏面印刷が行われた後、記録紙P1の表面に対する2回目の白紙印刷によって、図7(b)のように、記録紙P1の表面にトナー画像(汚れ画像)501が追加形成される。これにより、汚れ度算出部105は、画像検査装置6からの汚れ度検出信号より、汚れ度H2(H2>H1)を取得することとなる。一方、汚れ度変化量は、1回目の白紙印刷における汚れ度H1との差分値ΔH(=H2−H1)となる。従って、制御装置10は、汚れ度変化量ΔHを第1閾値と比較する一方で、汚れ度H2を第2閾値と比較する。又、汚れ度変化量ΔHは、1回目の汚れ度変化量H1とも比較され、汚れ度変化量H1以上となる場合は、装置異常の発生の可能性が高いものと判定し、高汚れ度計数値を計数する。
このような白紙印刷を繰り返すことで、記録紙P1の汚れ度変化量がクリーニング実施閾値(第1閾値)を下回ると、主搬送路80の汚れが除去されたものとして、制御装置10は、記録紙P1を排紙して、クリーニング機能を終了させる。又、白紙印刷を繰り返しても汚れ度変化量が低減することなく、高汚れ度計数値が所定回数となった場合は、制御装置10は、装置異常が発生したものと判定して、クリーニング機能を終了させる。一方、白紙印刷を繰り返す毎に汚れ度変化量が低減した場合に、記録紙P1の汚れ度が記録紙再利用閾値(第2閾値)を超えた場合は、制御装置10は、記録紙P1の再利用が不可能と判定して、白紙印刷のために新たな記録紙P1を給紙カセット31から給紙させる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態の画像形成装置について、以下に、図面を参照して説明する。図8は、本実施形態の画像形成装置の構成を示すブロック図である。尚、図8における画像成装置の構成において、図1の構成と同一の目的で使用する装置及び部品については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
1.画像形成装置の構成
本実施形態の画像形成装置1aは、図8に示すように、第1の実施形態における画像形成装置1(図1参照)に、反転搬送路81に対して搬送経路81aから分岐するとともに搬送経路81bに合流する循環経路82を追加した構成となる。この循環経路82は、搬送経路81aに対して搬送ローラー対94上流側で分岐するとともに、搬送経路81bに対して反転ローラー対85と搬送ローラー対95との間で合流する搬送経路であり、その経路途上に搬送ローラー対96を有する。
このように構成される画像形成装置1aは、第1の実施形態における画像形成装置1と異なり、反転搬送路81を中継する循環経路82を有するため、循環経路82を搬送される記録紙P1は反転ローラー対85による反転が省略される。即ち、主搬送路80から搬送経路81aに搬送された記録紙P1は、循環経路82に誘導されると、搬送ローラー対96によって搬送経路81bの搬送ローラー対95に向かって搬送される。そのため、搬送経路81a,81b及び循環経路82によって、記録紙P1は反転されることなく、主搬送路80のレジストローラー対33まで搬送される。従って、白紙印刷の際に、循環経路82を利用した記録紙P1の搬送を行うことによって、記録紙P1の同一面を繰り返し白紙印刷の対象とできる。
2.クリーニング機能
上記構成の画像形成装置1aは、第1の実施形態の画像形成装置1(図1参照)と異なり、循環経路82を利用した記録紙P1の循環搬送による白紙印刷を行い、クリーニング機能を実行する。このクリーニング機能を実行するための動作について、図面を参照して、以下に説明する。図9及び図10は、クリーニング機能実行時における制御動作を示すフローチャートである。
尚、本実施形態の画像形成装置1aにおけるクリーニング機能を実行するための構成については、第1の実施形態の画像形成装置1と同様、図4のブロック図で示される構成となる。よって、本実施形態では、図4に示す制御装置10が、図9及び図10に示す動作フローに従って、その制御動作を実行することにより、画像形成装置1aが、記録紙P1を用いた白紙印刷による、クリーニング機能を実行する。又、図9及び図10のフローチャートにおいて、図5及び図6のフローチャートと同一の動作を示すステップについては、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
制御装置10は、白紙印刷の制御動作を開始すると(STEP1)、記憶部104に記憶している、高汚れ度計数値、汚れ度検出値、汚れ度変化量の値を初期値にリセットする(STEP2)。そして、給紙カセット31に収容された記録紙P1が、主搬送路80に繰り出されて(STEP3)、作像装置4及び定着装置5による白紙印刷が実行された後(STEP4)、画像検査装置6による汚れ度検出動作が実行される(STEP5)。
上記STEP3〜STEP5により、記録紙P1への白紙印刷が行われ、画像検査装置6からの汚れ度検出信号を制御装置10が入出力インターフェース108で受けると、本実施形態では、まず、汚れ度算出部105が、記録紙P1の汚れ度を算出する(STEP9)。そして、汚れ度変化量算出部106が、SETP9で算出された汚れ度と前回の汚れ度との差分から、汚れ度変化量を算出し(STEP10)、搬送制御部107が、算出された汚れ度変化量をクリーニング実施閾値(第1閾値)と比較する(STEP11)。このとき、汚れ度変化量が第1閾値以下の場合は(STEP11でYes)、排紙ローラー対71を回転駆動させて排紙トレイ72に記録紙Pを排紙し(STEP12)、クリーニング機能の実行を終了する。
一方、汚れ度変化量が第1閾値より大きい場合は(STEP11でNo)、搬送制御部107は、汚れ度変化量算出部106から汚れ度変化量を受け、記憶部104に記憶されている前回の汚れ度変化量と比較する(STEP13)。そして、算出された汚れ度変化量が前回の汚れ度変化量以上となる場合は(STEP13でYes)、搬送制御部107は、高汚れ度計数値を1回分計数し(STEP14)、この高汚れ度計数値が所定回数に到達したか否かを確認する(STEP15)。このとき、高汚れ度計数値が所定回数に到達した場合は(STEP15でYes)、排紙ローラー対71を回転駆動させて排紙トレイ72に記録紙Pが排紙される(STEP16)。その後、画像形成装置1aは、操作ユニット8における表示動作等により、装置異常発生を外部に報知して(STEP17)、クリーニング機能の実行を終了する。
又、算出された汚れ度変化量が前回の汚れ度変化量より小さい場合(STEP13でNo)、又は、高汚れ度計数値が所定回数に到達していない場合においては(STEP15でNo)、搬送制御部107は、算出された汚れ度と記録紙再利用閾値(第2閾値)とを比較する(STEP18)。このとき、汚れ度が第2閾値より低い場合(STEP18でYes)、まず、算出した汚れ度及び汚れ度変化量を記憶部104に記憶させる(STEP19)。そして、搬送制御部107は、記録紙P1を搬送経路81a,81b及び循環経路82で循環させるべく、循環制御信号を生成して、入出力インターフェース108より搬送経路81b及び循環経路82それぞれの搬送ローラー対95,96に出力する(STEP30)。
これにより、搬送ローラー対93により画像検査装置6を通過した記録紙P1は、不図示のガイドにより搬送経路81aを介して循環経路82に誘導された後、搬送ローラー対96の回転駆動により、記録紙P1が循環経路82を通過して搬送経路81bに移動する。その後、搬送ローラー対95が回転駆動することで、記録紙P1が搬送経路81bを移動して、主搬送路80におけるレジストローラー対33まで誘導される。このように、記録紙P1が、搬送経路81a、循環経路82、及び搬送経路82aを順番に通過することにより、記録紙P1において、前回の印刷面と同一面が印刷面とされる。その後、STEP4に移行して、搬送経路81a、循環経路82、及び搬送経路82aの通過により循環された記録紙P1に対する白紙印刷が実行された後、STEP5以下の動作が繰り返される。
一方、汚れ度が第2閾値以上となる場合(STEP18でNo)、記憶部104に記憶された汚れ度を初期値にリセットするとともに(STEP22)、汚れ度変化量算出部106で算出した汚れ度変化量については、記憶部104に記憶する(STEP23)。そして、搬送制御部107は、記録紙P1への白紙印刷が、記憶部104に記憶された印刷状況フラグに基づいて、表面印刷及び裏面印刷のいずれであるかを確認する(STEP31)。
このとき、記録紙P1への白紙印刷が表面印刷である場合(STEP31でYes)、搬送制御部107は、反転制御信号を出力する(STEP20)。これにより、画像検査装置6を通過した記録紙P1が、反転搬送路81に誘導された後、搬送ローラー対94,95及び反転ローラー対85の回転駆動により反転されて、主搬送路80におけるレジストローラー対33まで誘導される。その後、記憶部104における印刷状況フラグが裏面印刷を示すよう、反転されて記憶されると(STEP21)、STEP4に移行して、反転搬送路81の通過により反転された記録紙P1に対する白紙印刷が実行された後、STEP5以下の動作が繰り返される。
一方、記録紙P1への白紙印刷が裏面印刷である場合(STEP31でNo)、排紙ローラー対71を回転駆動させて、排紙トレイ72に記録紙P1が排紙された後(STEP24)、記憶部104において、印刷状況フラグが表面印刷を示す値にリセットされる(STEP25)。その後、STEP3に移行して、給紙カセット31より新たな記録紙P1を主搬送路80に繰り出した後、STEP4以下の動作が繰り返される。
上述のクリーニング機能を実行することにより、本実施形態では、第1の実施形態の場合と異なり、記録紙P1の表面に対する白紙印刷(表面印刷)を繰り返し実行して、その汚れ度が記録紙再利用閾値(第2閾値)を超えたときに、記録紙P1の裏面に対する白紙印刷(裏面印刷)に切り換える。そして、記録紙P1の裏面に対する白紙印刷に切り換えた後に白紙印刷を繰り返し行うたびに、汚れ度と第2閾値とを比較することで、記録紙P1が再利用可能か否かを判定する。
このように、本実施形態では、クリーニング機能実行時において、第1の実施形態のように表面印刷と裏面印刷を交互に行うことなく、表面印刷を繰り返し行った後に裏面印刷を繰り返し行うものとしている。従って、第1の実施形態の場合のように表面印刷と裏面印刷を交互にする場合、必然的に両面印刷をする必要があり、無駄に白紙印刷を実行する可能性がある。それに対して、本実施形態では、クリーニング機能実行時において、記録紙P1の表面印刷を繰り返した後に裏面印刷に切り換えるものとしているため、主搬送路80の汚れを除去したと判定したと同時に白紙印刷を停止させることができる。従って、本実施形態における画像形成装置は、そのクリーニング機能実行時において、第1の実施形態のように、表面印刷と裏面印刷を交互に繰り返す必要がなく、その実行時間を短縮できるとともに、消費電力を低減できる。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態の画像形成装置について、以下に、図面を参照して説明する。本実施形態の画像形成装置は、第2の実施形態の画像形成装置と同様、図8の概略構成図で示される構成を有する。よって、以下では、本実施形態の画像形成装置におけるクリーニング機能を実行するための構成と動作について、図11のブロック図と図12及び図13のフローチャートを参照して説明する。尚、図11の構成において、図4に示す構成と同一となる部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。又、図12及び図13のフローチャートにおいて、図9及び図10のフローチャートと同一の動作を示すステップについては、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の画像形成装置1aにおける制御装置10aは、図11に示すように、第1及び第2の実施形態における制御装置10の構成に対して、クリーニング機能の完了タイミングや記録紙P1の排紙タイミングを予測するタイミング予測部110を追加した構成となる。このタイミング予測部110では、後述するように、所定回数だけ循環させて白紙印刷させた記録紙P2の汚れ度及び汚れ変化量に基づいて、クリーニング機能の終了タイミングや記録紙P1の排紙タイミング及び反転タイミングを予測する。
このように構成される制御装置10aは、図12及び図13のフローチャートに従って動作することにより、クリーニング機能を実行する。制御装置10aは、白紙印刷の制御動作を開始すると(STEP1)、記憶部104におけるリセット動作を行う(STEP2)。その後、給紙カセット31から記録紙P1を給紙させて白紙印刷を実行させた後、画像検査装置6による汚れ度検出動作を実行させる(STEP3〜STEP5)。尚、本実施形態では、上記第1及び第2の実施形態と異なり、制御装置10aの記憶部104には、高汚れ度計数値の代わりに白紙印刷回数が記憶される。そして、汚れ度算出部105が、記録紙P1の汚れ度を算出した後に(STEP9)、汚れ度変化量算出部106が、汚れ度変化量を算出する(STEP10)。
その後、搬送制御部107は、汚れ度変化量をクリーニング実施閾値(第1閾値)と比較する(STEP11)。このとき、汚れ度変化量が第1閾値以下の場合は(STEP11でYes)、排紙ローラー対71を回転駆動させて排紙トレイ72に記録紙P1を排紙し(STEP12)、クリーニング機能の実行を終了する。一方、汚れ度変化量が第1閾値より大きい場合は(STEP11でNo)、搬送制御部107は、白紙印刷回数が第1所定回数に到達したか否かを確認する(STEP40)。尚、この第1所定回数は、2回以上とされ、例えば、クリーニング機能の終了タイミング等を予測するために必要とされる白紙印刷の回数(予測用印刷回数)により設定されるものであってもよいし、クリーニング機能の効果が得られる最低回数として設定されるものであってもよい。
搬送制御部107は、白紙印刷回数が第1所定回数(予測用印刷回数)より小さい場合(STEP40でNo)、白紙印刷回数を1回分計数した後(STEP41)、計数した白紙印刷回数を、算出した汚れ度及び汚れ度変化量と共に記憶部104に記憶させる(STEP42)。そして、制御装置10aは、搬送制御部107で循環制御信号を生成して、入出力インターフェース108より出力することで、記録紙P1を搬送経路81a,81b及び循環経路82で循環させた後(STEP43)、STEP4に移行し、再び白紙印刷を実行させる。
このようにして、白紙印刷回数が第1所定回数に到達するまで、記録紙P1の白紙印刷を繰り返している間に、汚れ度変化量が第1閾値以下となった場合は(STEP11でYes)、記録紙P1が排紙され(STEP12)、クリーニング機能の実行を終了する。一方、汚れ度変化量が第1閾値以下になることなく、白紙印刷回数が第1所定回数に到達した場合は(STEP40でYes)、搬送制御部107は、汚れ度変化量算出部106から汚れ度変化量を受け、記憶部104に記憶されている前回の汚れ度変化量と比較する(STEP13)。
本実施形態では、算出された汚れ度変化量が前回の汚れ度変化量以上となる場合(STEP13でYes)、搬送制御部107が、装置異常が発生したものと判定するため、まず、排紙ローラー対71が回転駆動して排紙トレイ72に記録紙Pが排紙される(STEP16)。その後、画像形成装置1aは、操作ユニット8における表示動作等により、装置異常発生を外部に報知して(STEP17)、クリーニング機能の実行を終了する。
一方、算出された汚れ度変化量が前回の汚れ度変化量より小さい場合は(STEP13でNo)、タイミング予測部110が、算出された汚れ度及び汚れ度変化量に基づいて、記録紙P1の排紙タイミング及び反転タイミングと、クリーニング機能の終了タイミングとを予測し、記憶部104に格納する(STEP44)。このとき、タイミング予測部110は、記録紙P1の反転タイミング及び排紙タイミングとして、記録紙P1の同一面を白紙印字に再利用できる制限回数(再利用制限回数)を算出する。同様に、タイミング予測部110は、クリーニング機能の終了タイミングとして、クリーニング効果が十分に得られる白紙印字の繰り返し回数(クリーニング終了回数)を算出する。
その後、搬送制御部107は、記憶部104を参照して、白紙印刷回数が再利用制限回数に到達したか否かを確認する(STEP45)。即ち、搬送制御部107は、記録紙P1の同一面への白紙印刷について限界に達したか否かを判定する。そして、白紙印刷回数が再利用制限回数に到達した場合(STEP45でYes)、記憶部104に記憶されている印刷状況フラグより、記録紙P1による白紙印刷が表面印刷であったか否かを確認する(STEP46)。
このとき、記録紙P1への白紙印刷が表面印刷である場合(STEP46でYes)、搬送制御部107は、反転制御信号を出力する(STEP20)。これにより、画像検査装置6を通過した記録紙P1が、反転搬送路81を通過することで反転されて、主搬送路80に誘導される。一方、記録紙P1への白紙印刷が裏面印刷である場合(STEP46でNo)、排紙トレイ72に記録紙P1が排紙された後(STEP24)、STEP3と同様にして、給紙カセット31より新たな記録紙P1を主搬送路80に繰り出す(STEP47)。
そして、STEP20における記録紙P1の反転動作、又は、STEP47における記録紙P1の給紙動作のいずれかが実行されると、タイミング予測部110が、新たに再利用制限回数を設定し、記憶部104に記憶している再利用制限回数を更新する(STEP48)。このとき、記憶部104では、この再利用制限回数の更新とともに、印刷状況フラグを反転させて記憶する。
又、白紙印刷回数が再利用制限回数に到達していない場合(STEP45でNo)、搬送制御部107は、白紙印刷回数がクリーニング終了回数に到達したか否かを確認する(STEP49)。そして、白紙印刷回数がクリーニング完了回数に到達した場合(STEP49でYes)、搬送制御部107が、白紙印刷によるクリーニング機能の効果が得られたものと判定するため、排紙トレイ72に記録紙P1を排紙し(STEP12)、クリーニング機能の実行を終了する。一方、クリーニング完了回数に到達していない場合(STEP49でNo)、STEP43と同様、搬送制御部107で循環制御信号を生成して、入出力インターフェース108より出力することで、記録紙P1を搬送経路81a,81b及び循環経路82で循環させる(STEP30)。
上述のように、STEP48における再利用制限回数の更新、又は、STEP30における記録紙P1の循環搬送が行われると、制御装置10aは、記憶部104に記憶する白紙印刷回数を1回計数して更新する(STEP50)。そして、主搬送路80を通過する記録紙P1に対して、作像装置4及び定着装置5による白紙印刷が実行された後(STEP51)、STEP45に移行する。尚、このSTEP51の白紙印刷が実行されるとき、画像検査装置6による汚れ度検出動作は停止されたままとなる。即ち、STEP44でクリーニング機能の終了タイミングが予測された後に繰り返される白紙印刷においては、画像検査装置6が停止状態とされる。
上述のクリーニング機能を実行することにより、本実施形態では、第2の実施形態の場合と異なり、まず、記録紙P1の表面に対する白紙印刷(表面印刷)を第1所定回数だけ繰り返す。このとき、汚れ度変化量がクリーニング実施閾値(第1閾値)を下回ったときには、主搬送路80の汚れが除去されたものとして、クリーニング機能の実行を終了する。一方、汚れ度変化量が第1閾値を下回ることなく、白紙印刷回数が第1所定回数に達した場合は、制御装置10aは、各白紙印刷時に取得した汚れ度と汚れ度変化量に基づいて、再利用制限回数とクリーニング終了回数とを設定する。
このとき、例えば、汚れ度が高い場合には、白紙印刷回数を多くする必要があるものと判定し、クリーニング終了回数を多めに設定する。又、例えば、汚れ度変化量の大きさに差がない場合や汚れ度変化量が比較的多い場合は、記録紙P1の一面で繰り返し白紙印刷できる回数が少ないものと判定し、再利用制限回数を少なめに設定する。更に、再利用制限回数については、白紙印刷の対象となる記録紙P1の面を切り換えるたびに設定されるが、白紙印刷の対象面が切り換えられるたびに、白紙印刷の繰り返し回数が多くなるように設定されるものとしてもよい。
このように、再利用制限回数及びクリーニング終了回数が設定されると、まず、記録紙P1の表面印刷が繰り返し実行され、その白紙印刷回数が再利用制限回数に達すると、記録紙P1の裏面印刷による白紙印刷が実行される。その後、記録紙P1の裏面印刷が、次に設定された再利用制限回数だけ繰り返されると、記録紙P1を排紙するとともに、給紙トレイ31より新たな記録紙P1を給紙して、表面印刷による白紙印刷を繰り返す。このような動作を繰り返し行い、最終的に、白紙印刷回数がクリーニング終了回数に到達すると、記録紙P1を排紙して、クリーニング機能の実行を終了する。
尚、本実施形態において、上記再利用制限回数及びクリーニング処理回数を予測するために白紙印刷の繰り返す回数となる第1所定回数については、回数を多くすることで、その予測精度が高まる。従って、この第1所定回数は、2回以上の固定回数が記憶部104に記憶されるものであってもよいし、ユーザー等によって、要求する予測精度に応じて、操作ユニット8を通じて設定可能なものとしてもかまわない。又、本実施形態では、第2の実施形態と同様の構成の画像形成装置としたが、第1の実施形態と同様の画像形成装置の場合、表面印刷と裏面印刷を交互に行うため、再利用制限回数は、新たに記録紙P1を給紙するための排紙タイミングにのみ利用される。
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態の画像形成装置について、以下に、図面を参照して説明する。図14は、本実施形態の画像形成装置の構成を示すブロック図である。尚、図14における画像形成装置の構成において、図8の構成と同一の目的で使用する装置及び部品については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
1.画像形成装置の構成
本実施形態の画像形成装置1bは、図14に示すように、第2の実施形態における画像形成装置1a(図8参照)に対して、装置外部から記録紙P1を給紙可能な手差しトレイ83を追加するとともに反転搬送路81及び循環経路82を省いた構成となる。手差しトレイ83は、主搬送路80の搬送ローラー対91の上流側に記録紙P1を給紙すべく、装置側に給紙ローラー対97を有する。従って、手差しトレイ83上の記録紙P1は、給紙ローラー対97の回転駆動によって、最上層のものから1枚ずつ、主搬送路80に向けて送り出される。
2.クリーニング機能
上記構成の画像形成装置1bは、第2の実施形態の画像形成装置1a(図8参照)と異なり、記録紙P1を装置内で循環させる経路を有さない。そのため、本実施形態において、クリーニング機能を実行した際に、記録紙P1が再利用可能となる場合、この再利用可能な記録紙P1がユーザーによって手差しトレイ83上に搭載される。このクリーニング機能を実行するための動作について、図面を参照して、以下に説明する。図15及び図16は、クリーニング機能実行時における制御動作を示すフローチャートである。
尚、本実施形態の画像形成装置1bにおけるクリーニング機能を実行するための構成については、第2の実施形態の画像形成装置1aと同様、図4のブロック図で示される構成となる。よって、本実施形態では、図4に示す制御装置10が、図15及び図16に示す動作フローに従って、その制御動作を実行することにより、画像形成装置1bが、記録紙P1を用いた白紙印刷による、クリーニング機能を実行する。又、図15及び図16のフローチャートにおいて、図9及び図10のフローチャートと同一の動作を示すステップについては、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
制御装置10は、白紙印刷の制御動作を開始すると(STEP1)、記憶部104におけるリセット動作を行った後、給紙カセット31から給紙した記録紙P1に対して白紙印刷を実行するとともに白紙印刷後の記録紙P1の汚れ度検出が実行される(STEP3〜STEP5)。その後、制御装置10は、排紙ローラー対71を回転駆動させることで、画像検査装置6を通過した記録紙P2を排紙トレイ72に排紙する(STEP12)。そして、汚れ度算出部105及び汚れ度変化量算出部106それぞれが、汚れ度及び汚れ度変化量それぞれを算出した後、搬送制御部107が、汚れ度変化量をクリーニング実施閾値(第1閾値)と比較する(STEP9〜STEP11)。
汚れ度変化量が第1閾値以下の場合は(STEP11でYes)、制御装置10は、クリーニング機能の完了を報知させるための表示制御信号を、入出力インターフェース108より操作ユニット8に出力する(STEP71)。これにより、操作ユニット8の表示部には、例えば、「クリーニング機能を終了します」といった、クリーニング機能の完了を示す表示がなされることで、クリーニング機能の実行を終了する。一方、汚れ度変化量が第1閾値より大きい場合は(STEP11でNo)、汚れ度変化量算出部106から汚れ度変化量を受け、記憶部104に記憶されている前回の汚れ度変化量と比較する(STEP13)。
そして、算出された汚れ度変化量が前回の汚れ度変化量以上となる場合は(STEP13でYes)、搬送制御部107は、高汚れ度計数値を計数して、所定回数に到達したか否かを確認する(STEP14,STEP15)。このとき、高汚れ度計数値が所定回数に到達した場合は(STEP15でYes)、搬送制御部107は、操作ユニット8の表示部に、例えば、「メンテナンスサービスをご利用ください」といった、装置異常発生を示す表示を行わせて(STEP17)、クリーニング機能の実行を終了する。
又、算出された汚れ度変化量が前回の汚れ度変化量より小さい場合(STEP13でNo)、又は、高汚れ度計数値が所定回数に到達していない場合においては(STEP15でNo)、搬送制御部107は、算出された汚れ度と記録紙再利用閾値(第2閾値)とを比較する(STEP18)。このとき、汚れ度が第2閾値より低い場合(STEP18でYes)、汚れ度及び汚れ度変化量を記憶部104に記憶させた後(STEP19)、排紙した記録紙P1が再利用可能であることを報知させるための表示制御信号を、入出力インターフェース108より操作ユニット8に出力する(STEP72)。
これにより、操作ユニット8の表示部には、例えば、「排紙トレイの記録紙を手差しトレイにセットしてください」といった、排紙した記録紙P1が再利用可能であることを示す表示がなされる。その後、制御装置10は、排紙トレイ72に排紙された記録紙P2が手差しトレイ83に載置されたか否かを確認する(STEP73)。そして、手差しトレイ83に記録紙P2が載置されると(STEP73でYes)、搬送支持部107は、給紙ローラー対97を回転駆動する給紙制御信号を生成して、入出力インターフェース108を介して出力する(STEP74)。
従って、STEP74に移行することで、給紙ローラー対97が回転駆動して、手差しトレイ83に載置された記録紙P1が主搬送路80に誘導される。その後、STEP4に移行して、手差しトレイ83から給紙された記録紙P2について、再び白紙印刷が実行される。尚、手差しトレイ83に光学センサや接触式センサ等を具備させて、これらのセンサからの信号により、制御装置10が、手差しトレイ83への記録紙P2の載置判定を行うものとしても構わない。又、手差しトレイ83へ記録紙P2を載置したユーザーが操作ユニット8を操作することで、制御装置10が、手差しトレイ83への記録紙P1への載置判定を行うものとしても構わない。
又、汚れ度が第2閾値以上となる場合(STEP18でNo)、記憶部104に記憶された汚れ度を初期値にリセットするとともに、算出した汚れ度変化量を記憶部104に記憶する(STEP22,STEP23)。そして、排紙した記録紙P1が再利用不可能であることを報知させるための表示制御信号を、入出力インターフェース108より操作ユニット8に出力する(STEP75)。これにより、操作ユニット8の表示部には、例えば、「新たに記録紙を給紙します」といった、排紙した記録紙P1が再利用不可能であることを示す表示がなされる。その後、STEP3に移行して、給紙カセット31より新たな記録紙P1を主搬送路80に繰り出した後、白紙印刷が実行される。
このように、本実施形態では、第1〜第3の実施形態と異なり、記録紙P1の循環経路を有する構成でないため、白紙印刷を実行した記録紙P1を再利用可能と判定した場合は、操作ユニット8の表示部の表示等により、ユーザーに手差しトレイ83への記録紙P2の載置を要求する。これにより、循環経路を有さない構成の画像形成装置であっても、1枚の記録紙P1をクリーニング機能の実行に利用することができるため、クリーニング機能に使用する記録紙P1の枚数を抑制できる。
尚、本実施形態において、クリーニング機能実行時において記録紙P1の表面印刷が繰り返し行われ、再利用不可能と判定したときに、新たな記録紙P1を給紙するものとしたが、第2の実施形態と同様、記録紙P1の裏面印刷を行うようにユーザーに通知するものとしても構わない。即ち、クリーニング機能を実行している際に、記録紙P1の表面印刷が繰り返し行われ、再利用不可能と判定されると、操作ユニット8の表示部の表示等により、記録紙P2の裏面が白紙印刷の対象となるように手差しトレイ83へ載置するように要求する。
又、第3の実施形態と同様、記録紙P1を第1所定回数だけ繰り返し白紙印刷することで、再利用制限回数及びクリーニング終了回数を予測し、予測した再利用制限回数及びクリーニング終了回数に応じて、ユーザーへ記録紙P1の手差しトレイ83へ載置を要求するものとしても構わない。更に、本実施形態における手差しトレイ83の代わりに、記録紙P1を循環させる循環経路のみを構成に含んだ画像形成装置とし、クリーニング機能実行時において、記録紙P1の表面印刷が自動的に繰り返されるものとしても構わない。
尚、上記第1〜第4の実施形態では、クリーニング実施閾値(第1閾値)及び記録紙再利用閾値(第2閾値)を単一のものとして説明したが、YMCK各色毎に値を設定できるものとしても構わない。トナー汚れの色として、例えば、色Y(Yellow)と色K(Black)とを比べた場合、色K(Black)によるトナー汚れの方が、記録紙P1に形成される画像の画質に与える影響が大きい。従って、色Y(Yellow)に対して色K(Black)のクリーニング実施閾値を高めに設定することで、画質に大きく影響を与える色K(Black)によるトナー汚れを完全に除去できるように設定することが好ましい。
又、記録紙再利用閾値(第2閾値)についても、例えば、トナー濃度の濃い色K(Black)の値を、トナー濃度の薄い色Y(Yellow)に比べて高いものとし、記録紙P1で繰り返し白紙印刷が行える回数が同程度となるように設定しても構わない。更に、クリーニング実施閾値(第1閾値)及び記録紙再利用閾値(第2閾値)の値をYMCK各色毎に設定した場合、YMCK各色全てについて、その汚れ度及び汚れ度変化量が算出される。そして、YMCK各色全ての汚れ度変化量がそれぞれのクリーニング実施閾値(第1閾値)を下回ったときに、クリーニング機能を終了させることが好ましい。一方、YMCK各色の内の少なくとも一色の汚れ度がその記録紙再利用閾値(第2閾値)を超えたときに、記録紙P1の裏面印刷、又は、新たな記録紙P1の給紙が実行されることが好ましい。
本願発明における画像形成装置として、上述の各実施形態における、クリーニング機能を実行するものであれば、コピー機能、スキャナー機能、プリンター機能、ファックス機能を有するMFP(Multifunction Peripheral)であっても構わないし、プリンター、コピー機、ファクシミリ等であっても構わない。その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。