JP6197146B1 - 偏光子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

配向度が0.250乃至0.400であり、吸収軸方向の収縮力が3.5N/2mm以下であり、前記配向度は下記の数式1から得られる偏光子:【数1】(式中、AMDは偏光子の吸収軸方向に偏光する赤外光の吸光度であり、ATDは偏光子の透過軸方向に偏光する赤外光の吸光度であり、AlargeはAMDとATDのうちの高い方の吸光度であり、AsmallはAMDとATDのうちの低い方の吸光度である)。

Description

本発明は、偏光子及びその製造方法に関し、より詳細には、光学特性に優れると共に吸収軸(延伸)方向の収縮力が小さい偏光子及びその製造方法に関する。
液晶表示装置(LCD)、電界発光(EL)表示装置、プラズマ表示装置(PDP)、電界放出表示装置(FED)、OLEDなどのような各種の画像表示装置に用いられている偏光板は、一般的にポリビニルアルコール系(polyvinyl alcohol、PVA)フィルムにヨウ素系化合物または二色性偏光物質が吸着配向された偏光子を含み、偏光子の一面には偏光子保護フィルムが順に積層されており、偏光子の他の一面には偏光子保護フィルム、他の部材と接合される粘着剤層と離型フィルムが順に積層された多層構造を有する。
偏光板を構成する偏光子は画像表示装置に適用され、色再現性に優れた画像を提供するために基本的に高い透過率及び偏光度を兼備することが要求される。これを具現するために、ポリビニルアルコール系フィルム自体を改質するか、または昇華性があるヨウ素系偏光素子の代わりに非昇華性二色性染料を使用する方法を用いて偏光子を製造した。
一方、通常、偏光子は高分子を用いて製造された偏光子形成用フィルムを延伸することにより、内部分子配列を所定の方向に配向させて偏光機能を有するようになる。よって、延伸工程は偏光子を製造する際に不可欠な工程である。
しかし、このような延伸工程は、後で偏光子が所定の環境下に置かれたときに延伸(吸収軸)方向の収縮力が発現される原因となり、このような吸収軸方向の収縮力は偏光子の変形の原因となる。よって、吸収軸方向の収縮力を減らすことは、改善された偏光子を製造する上で重要な考慮事項である。
しかし、これまで高い偏光度と低い収縮力を共に具現した偏光子は知られていない。
日本公開特許第2010−145866号には収縮応力が小さい偏光子の製造方法が開示されているが、上記の問題点に対する満足するほどの代案を提示できていない。
特開2010−145866号公報
本発明は、優れた偏光度を有しながらも吸収軸方向の収縮力が小さい偏光子及びその製造方法を提供することを目的とする。
1.配向度が0.250乃至0.400であり、吸収軸方向の収縮力が3.5N/2mm以下であり、
前記配向度は下記の数式1から得られる偏光子:
Figure 0006197146
(式中、AMDは偏光子の吸収軸方向に偏光する赤外光の吸光度であり、ATDは偏光子の透過軸方向に偏光する赤外光の吸光度であり、AlargeはAMDとATDのうちの高い方の吸光度であり、AsmallはAMDとATDのうちの低い方の吸光度である)。
2.配向度が0.300乃至0.400である、上記1に記載の偏光子
3.偏光子形成用フィルムの膨潤、染色、延伸、架橋、補色及び乾燥ステップを含み、
前記架橋ステップは、偏光子形成用フィルムを2.00乃至3.00倍に延伸する第1架橋ステップ、及び前記第1架橋ステップ後、偏光子形成用フィルムを1.00倍以下に延伸する第2架橋ステップを含み、
前記補色ステップで、前記第2架橋ステップの延伸比より高く前記第1架橋ステップの延伸比より低い延伸比で偏光子形成用フィルムを延伸する、偏光子の製造方法。
4.前記第2架橋ステップで、偏光子形成用フィルムを0.85乃至1.00倍に延伸する、上記3に記載の偏光子の製造方法。
5.前記補色ステップで、偏光子形成用フィルムを1.01乃至1.25倍に延伸する、上記3又は4に記載の偏光子の製造方法。
6.上記1又は2に記載の偏光子及び前記偏光子の少なくとも一面に接合された偏光子保護フィルムを含む偏光板。
7.上記6に記載の偏光板を含む画像表示装置。
本発明の偏光子は、所定の範囲の配向度及び吸収軸方向の収縮力を有することにより、他の物性の低下なしに優れた光学特性を有しながらも吸収軸方向において小さい収縮力を示すことができる。
本発明の偏光子の製造方法は、架橋ステップ及び補色ステップにおいて特定の範囲の延伸比で偏光子形成用フィルムを延伸することにより、本発明による偏光子を製造することができる。通常、高延伸になるほど配向度は高くなるため、優れた偏光特性を具現するためには延伸比を高める必要があるのに対し、延伸比が高くなるほど延伸(吸収軸)方向の収縮力も大きくなる。したがって、高い配向度の具現及び低い吸収軸方向の収縮力の具現はトレードオフ(trade−off)の関係があり、これまで高い配向度と低い吸収軸方向の収縮力を共に具現した偏光子は知られていなかったところ、特に、本発明の偏光子の製造方法は、吸収軸方向において低い収縮力を有しながらも配向度の範囲を調節でき、その結果、高い偏光度を有しながらも吸収軸方向において小さい収縮力を有する偏光子を製造することができる。
本発明は、配向度が0.250乃至0.400であり、吸収軸方向の収縮力が3.5N/2mm以下であることにより、光学特性に優れると共に吸収軸方向の収縮力が小さい偏光子及びその製造方法に関する。
以下、本発明を詳細に説明することとする。
前述したように、従来には偏光子の高い配向度と吸収軸方向において小さい収縮力はトレードオフの関係にあることが知られており、配向度に優れると共に吸収軸方向の収縮力が小さい偏光子を具現した例は知られていない。
しかしながら、本願の発明者らは、配向度を調節可能な偏光子の製造方法を通じて、高い配向度と吸収軸方向において小さい収縮力を同時に満足する偏光子を製造した。また、配向度及び吸収軸方向の収縮力を特定の範囲で調節する場合、偏光度の低下がなくとも吸収軸方向の収縮力が小さい偏光子を得ることができる。
本発明の偏光子は、配向度が0.250乃至0.400であり、好ましくは0.300乃至0.400であってもよい。配向度が0.250未満であると偏光度が低下し、0.400を超えると吸収軸方向の収縮力が増加して偏光子の反りが大きくなるという問題点がある。
本発明において、配向度を上述の範囲に調整するためには、第1架橋ステップでの延伸比を2.00乃至3.00倍、総累積延伸比を5.0倍以上で制御することにより、調整することができる。
本発明による配向度は偏光子の吸収軸方向(MD方向)に偏光する赤外光(IR)の吸光度と、偏光子の透過軸方向(TD方向)に偏光する赤外光の吸光度との差から得ることができる。具体的な配向度を得る具体的な関係式は下記の数式1の通りである。
Figure 0006197146
(式中、AMDは偏光子の吸収軸方向(MD方向)に偏光する赤外光の吸光度であり、ATDは偏光子の透過軸方向(TD方向)に偏光する赤外光の吸光度であり、AlargeはAMDとATDのうちの高い方の吸光度であり、AsmallはAMDとATDのうちの低い方の吸光度である)。
赤外光の吸光度は、たとえば、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)で測定することができる。赤外光の波数は、たとえば、1290cm−1とすることができる。
本発明の偏光子は、吸収軸方向において低い収縮力を有し、吸収軸方向の収縮力が、3.5N/2mm以下であってもよい。吸収軸方向の収縮力が3.5N/2mm以下である場合、偏光子の変形を効果的に防ぐことができる。吸収軸方向の収縮力は低いほど好ましいので、その下限は特に限定せず、例えば2N/2mm以上、または1N/2mm以上、または0.1N/2mm以上であってもよい。本発明において、偏光子の吸収軸方向の収縮力を上述の範囲に調整するためには、第1架橋ステップの延伸比を2.00乃至3.00倍、第2架橋ステップの延伸比を1.00倍以下で制御することにより、調整することができる。
本発明の偏光子の厚みは、5〜30μmであってもよく、好ましくは10〜28μmであってもよく、より好ましくは15〜26μmであってもよい。偏光子の厚みが上記範囲であると、偏光子の吸収軸方向における低収縮力と、ハンドリング性とを両立することができる。
また、本発明は前述した偏光子の製造方法を提供する。
本発明の偏光子の製造方法は、偏光子形成用フィルムの膨潤、染色、延伸、架橋、補色及び乾燥ステップを含み、前記架橋ステップは、偏光子形成用フィルムを2.00乃至3.00倍に延伸する第1架橋ステップ、及び前記第1架橋ステップ後、偏光子形成用フィルムを1.00倍以下に延伸して応力を緩和させる第2架橋ステップを含み、前記補色ステップで、前記第2架橋ステップの延伸比より高く前記第1架橋ステップの延伸比より低い延伸比で偏光子形成用フィルムを延伸する。上記のような架橋ステップ及び補色ステップの延伸比の調節を通じて偏光子の配向度及び吸収軸方向の収縮力を調節し、高い偏光度及び小さい吸収軸方向の収縮力を具現することができる。
本発明の偏光子の製造方法をより具体的に説明すると、以下の通りである。
偏光子を製造するための偏光子形成用フィルムは、偏光板の製造に用いられる高分子フィルムであれば、当該分野に公知の、二色性物質(例えばヨウ素)によって染色できるフィルムを特に制限なく用いることができ、例えばポリビニルアルコールフィルム、部分的に鹸化されたポリビニルアルコールフィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、セルロースフィルム、これらの部分的に鹸化されたフィルムなどのような親水性高分子フィルム;または脱水処理されたポリビニルアルコール系フィルム、脱塩酸処理されたポリ塩化ビニル系フィルムなどのようなポリエン配向フィルム;などを用いることができる。これらの中で、面内で偏光度の均一性を強化する効果に優れているだけでなく、ヨウ素に対する染色親和性に優れているという点で、ポリビニルアルコール系フィルムが好ましい。
本発明による偏光子の製造方法は、膨潤ステップ、染色ステップ、架橋ステップ、補色ステップ、延伸ステップ、水洗ステップ及び乾燥ステップを含むことができ、延伸方法によって分類することができる。例えば、乾式延伸方法、湿式延伸方法、または前記の2種類の延伸方法を混合したハイブリッド延伸方法などが挙げられる。以下では湿式延伸方法を一例として本発明の偏光子の製造方法を説明するが、これに制限されるものではない。
上記ステップの中で乾燥ステップを除く残りのステップは、それぞれ様々な種類の溶液の中から選択された1種以上の溶液で満たされる恒温水槽(bath)内に偏光子形成用フィルムを浸漬した状態で行うことができる。
<膨潤ステップ>
膨潤ステップは、未延伸の偏光子形成用フィルムを染色する前に膨潤用水溶液で満たされた膨潤槽に浸漬し、偏光子形成用フィルムの表面上に堆積したほこりまたはブロッキング防止剤のような不純物を取り除き、偏光子形成用フィルムを膨潤させる、延伸効率を向上させ、染色不均一性を防止し、偏光子の物性を向上させるためのステップである。
膨潤用水溶液としては、当該分野に公知の膨潤用水溶液を特に制限なく用いることができ、例えば水(純水、脱イオン水)を単独で用いてもよく、これに少量のグリセリンまたはヨウ化カリウムが添加される場合、高分子フィルムの膨潤と共に加工性も向上され得る。水100重量%に対してグリセリンの含量は5重量%以下であり、ヨウ化カリウムの含量は10重量%以下であるのが好ましい。
膨潤槽の温度は特に制限されないが、20乃至45℃であってもよく、例えば25乃至40℃であってもよい。
膨潤ステップの遂行時間(膨潤槽浸漬時間)は、当該分野に公知の遂行時間を特に制限なく適用することができ、例えば180秒以下であってもよく、好ましくは90秒以下であってもよい。浸漬時間が上記の範囲の場合には、膨潤が過度に飽和状態になることを抑制することができ、偏光子形成用フィルムの軟化による破断が防止され、染色ステップでヨウ素の吸着が均一になり、偏光度が向上され得る。
膨潤ステップと共に延伸ステップを行うことができ、このとき、延伸比は約1.1乃至3.5倍であってもよいが制限されず、好ましくは1.5乃至3.0倍であってもよい。前記延伸比が1.1倍未満であるとしわが発生する可能性があり、3.5倍を超える場合には初期光学特性が脆弱になり得る。
<染色ステップ>
染色ステップは、偏光子形成用フィルムを二色性物質、例えばヨウ素を含む染色用水溶液で満たされた染色槽に浸漬させ、偏光子形成用フィルムにヨウ素を吸着させるステップである。
染色用水溶液は、当該分野に公知の染色用水溶液を特に制限なく用いることができ、水、水溶性有機溶媒またはこれらの混合溶媒とヨウ素とを含むことができる。ヨウ素の含量は染色用水溶液中に0.4乃至400mmol/Lであってもよいが、これに制限されず、好ましくは0.8乃至275mmol/L、最も好ましくは1乃至200mmol/Lであってもよい。
染色用水溶液は、染色効率を向上され得るように、溶解補助剤としてヨウ化物をさらに含んでいてもよい。ヨウ化物としては、当該分野に公知のヨウ化物を制限なく用いることができ、例えばヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタンからなる群から選択される少なくとも1つを含むことができ、これらの中でヨウ化カリウムが、水に対する溶解度が大きいという点で好ましい。ヨウ化物の含量は、水100重量%に対して0.01乃至10重量%であってもよいが制限されず、好ましくは0.1乃至5重量%であってもよい。
また、偏光子形成用フィルム内におけるヨウ素錯体の含量を増加させるために、染色槽にホウ酸が水100重量%に対して0.3乃至5重量%で添加されてもよいが、これに制限されない。染色槽のホウ酸が0.3重量%未満である場合には、PVA−I 錯体及びPVA−I 錯体含量の増加に効果がない可能性があり、染色槽のホウ酸が5重量%より高い濃度である場合には、フィルムの破断の危険性が高くなり得る。
染色槽の温度は5乃至42℃であってもよいが、これに制限されず、好ましくは10乃至35℃であってもよい。また、染色槽内での偏光子形成用フィルムの浸漬時間は特に制限されず、1乃至20分であってもよく、好ましくは2乃至10分であってもよい。
本発明においては、染色ステップと共に延伸ステップを行うことができ、このとき、延伸比は1.01乃至2.0倍であってもよいが、これに制限されるものではなく、好ましくは1.1乃至1.8倍であってもよい。
また、前記膨潤及び前記染色ステップを含む前記染色ステップまでの累積延伸比は1.2乃至4.0倍であってもよい。前記累積延伸比が1.2倍未満であるとフィルムのしわが発生して外観不良が発生する可能性があり、4.0倍を超える場合には初期光学特性が脆弱になり得る。
<架橋ステップ>
架橋ステップは、物理的に吸着されているヨウ素分子による染色性が外部環境によって低下しないように、染色された偏光子形成用フィルムを架橋用水溶液に浸漬させ、吸着されたヨウ素分子を固定させるステップである。
二色性染料であるヨウ素は架橋反応が不十分な場合、湿熱環境によりヨウ素分子が脱離することがあり、十分な架橋反応が要求される。また、偏光子形成用フィルムの分子と分子との間に位置するヨウ素分子を配向させ、光学特性を向上させるために、最も大きい延伸比で延伸することを架橋ステップにおいて行うことができる。
本発明の偏光子の製造方法は、架橋ステップが第1架橋ステップ及び第2架橋ステップを含み、前記第1及び第2架橋ステップのうちの1つ以上のステップは、ホウ素化合物を含有する架橋用水溶液を用いることができる。これによって偏光子の光学特性及び色の耐久性が向上され得る。
前記架橋用水溶液は、当該分野に公知の架橋水溶液を特に制限なく用いることができ、例えば溶媒である水と、ホウ酸又はホウ酸ナトリウムなどの、ホウ素化合物とを含んでいてもよく、水と共に相互溶解可能な有機溶媒及びヨウ化物をさらに含んでいてもよい。
ホウ素化合物は、短い架橋結合と剛直性を偏光子に付与し、工程中にフィルムにしわが発生するのを抑制することにより、フィルムの取扱性を向上させることができ、偏光子のヨウ素配向を形成する役割をすることができる。
前記ホウ素化合物の含量は、当該分野に公知の含量を適用することができ、例えば水100重量%に対して1乃至10重量%であってもよく、好ましくは2乃至6重量%であってもよい。その含量が1重量%未満である場合、ホウ素化合物の架橋効果が減少して偏光子に剛直性を付与し難い場合があり、10重量%を超える場合、無機系架橋剤の架橋反応が過度に活性化され、有機系架橋剤の架橋反応が効果的に進行し難い場合がある。
本ステップにおいて、ヨウ化物は、偏光子の面内での偏光度の均一性を保持するために、また、染着されたヨウ素の脱着を防止するために用いることができる。前記ヨウ化物は、前記染色ステップで用いられたものと同じものであってもよく、その含量は水100重量%に対して0.05乃至15重量%であってもよいが制限されず、好ましくは0.5乃至14重量%であってもよい。その含量が0.05重量%未満であるとフィルム内のヨウ素イオンが抜け出て偏光子の透過率を増加させる可能性があり、15重量%を超える場合には、水溶液内のヨウ素イオンがフィルムに浸透して偏光子の透過率を減少させ得る。
本発明において、架橋槽の温度は20乃至70℃であってもよいが、これに制限されない。前記架橋槽における偏光子形成用フィルムの浸漬時間は1秒乃至15分であってもよいが、これに制限されず、好ましくは5秒乃至10分であってもよい。
本発明の架橋ステップは第1及び第2架橋ステップを含み、延伸ステップが共に行われる。
前記第1架橋ステップの延伸比は2.00乃至3.00倍であり、好ましくは2.20乃至2.80倍であってもよい。本発明による第1架橋ステップは、偏光子形成用フィルムを高い延伸比で延伸して偏光子の機械的物性を向上させ、後続する第2架橋ステップで偏光子形成用フィルムが破断することを防止する。第1架橋ステップの延伸比が2.00倍未満であると目的とする配向度が現れないため機械的物性が確保されず、3.00倍を超えると吸収軸方向の収縮力が増加し得る。
また、第2架橋ステップの延伸比は1.00倍以下であり、好ましくは0.80乃至1.00倍、より好ましくは0.85倍乃至1.00倍であってもよい。本発明による第2架橋ステップは、第1架橋ステップで発生した応力を緩和させるステップであって、偏光子形成用フィルムの破断を防止して吸収軸方向の収縮力を低下させるステップである。第2架橋ステップの延伸比が1.00倍を超えるとフィルムの破断が発生する場合があり、吸収軸方向の収縮力が増加するという問題がある。
また、前記第1及び第2架橋ステップの累積延伸比は1.5乃至3.0倍であってもよく、好ましくは1.98乃至2.8倍であってもよい。前記累積延伸比が1.5倍未満であると、偏光子形成用フィルムの配向効果が不十分となる可能性があり、3.0倍を超える場合には延伸による応力が上昇して吸収軸方向の収縮力が増加し得る。
<補色ステップ>
補色ステップは、ヨウ素錯体が物理的に吸着されている偏光子形成用フィルムにおける分子と分子との間に位置するヨウ素錯体をホウ酸架橋の近くに配向させてヨウ素錯体を安定化させるステップである。また、補色ステップを通じて、前記架橋ステップにおけるヨウ素錯体の染色が不十分な偏光子形成用フィルムに対して、色を補正することができる。
前記補色ステップの補色用水溶液は、例えば溶媒である水と、ホウ酸などのホウ素化合物とを含み、水と共に相互溶解可能な有機溶媒及びヨウ化物をさらに含んでいてもよい。
本発明において、ホウ素化合物は、短い架橋結合と剛直性を偏光子に付与し、工程中にフィルムにしわが発生するのを抑制することにより、フィルムの取扱性を向上させ、偏光子のヨウ素配向を形成する役割をすることができる。
前記ホウ素化合物の含量は水100重量%に対して1乃至10重量%であってもよいが、これに制限されず、好ましくは2乃至6重量%であってもよい。その含量が1重量%未満である場合、ホウ素化合物の架橋効果が減少して偏光子に剛直性を付与し難い場合があり、10重量%を超える場合、無機系架橋剤の架橋反応が過度に活性化され、有機系架橋剤の架橋反応が効果的に進行し難い場合がある。
本ステップにおいて、ヨウ化物は、偏光子の面内での偏光度の均一性を保持するために、また、染着されたヨウ素の脱着を防止するために用いることができる。前記ヨウ化物は、前記染色ステップで用いられたものと同じものを用いてもよく、その含量は水100重量%に対して0.05乃至15重量%であってもよいが、これに制限されず、好ましくは0.5乃至11重量%であってもよい。その含量が0.05重量%未満であるとフィルム内のヨウ素イオンが抜け出て偏光子の透過率を増加させる可能性があり、15重量%を超える場合には、水溶液内のヨウ素イオンがフィルムに浸透して偏光子の透過率を減少させ得る。
本発明において、補色槽の温度は20乃至70℃であってもよい。補色槽における偏光子形成用フィルムの浸漬時間は1秒乃至15分であってもよいが、これに制限されず、好ましくは5秒乃至10分であってもよい。
本発明による補色ステップは、延伸ステップと共に行われ、このとき、補色ステップの延伸比は、前記第2架橋ステップの延伸比より高く前記第1架橋ステップの延伸比より低い延伸比を有する。本発明による補色ステップは、相対的に高い延伸比で偏光子形成用フィルムを延伸することにより、高い配向度を具現して光学特性を向上させながらも吸収軸方向において小さい収縮力を維持することができる。
補色ステップの延伸比のより具体的な例としては、1.01乃至1.25倍であってもよく、好ましくは1.05乃至1.20倍であってもよい。前記延伸比の範囲で前述した補色ステップの効果が優れて現れ得る。延伸比が1.01倍未満であるとヨウ素錯体の安定化効果及び偏光子形成用フィルムの配向度が低くなる可能性があり、1.25倍を超える場合には過度な延伸によってフィルムの破断が発生する場合があり、生産効率性が低下し得る。
<延伸ステップ>
本発明において、延伸ステップは前述したように架橋ステップ及び補色ステップと同時に行われてもよく、その他のステップとも共に行われてもよく、別のステップとして追加的に行われてもよい。
本発明の製造方法によれば、偏光子の総累積延伸比は5.0倍以上であるのが好ましく、例えば5.0乃至7.0倍であるのが好ましく、5.3乃至6.0倍であるのがより好ましい。
本明細書において、「累積延伸比」は、各ステップにおける延伸比の積の値を意味する。
<水洗ステップ>
本発明の偏光子の製造方法は必要に応じて、架橋及び延伸が完了した偏光子形成用フィルムを、水洗用水溶液で満たされた水洗槽に浸漬させ、水洗ステップまでのステップで偏光子形成用フィルムに付着した、ホウ酸のような不要な残留物を取り除く水洗ステップをさらに含んでいてもよい。
本発明において、水洗用水溶液は、当該分野に公知の水洗用水溶液を特に制限なく用いることができ、例えば水であってもよく、これにヨウ化物がさらに添加されてもよいが、これらに制限されない。
本発明において、水洗槽の温度は10乃至60℃であってもよいが、これに制限されず、好ましくは15乃至40℃であってもよい。
前記水洗ステップは省略可能であり、前記染色ステップまたは前記架橋ステップのような水洗ステップより前のステップが完了するたびに行うこともできる。また、1回以上繰り返してもよく、その繰り返し回数は特に制限されない。
<乾燥ステップ>
本発明の製造方法において、乾燥ステップは、水洗された偏光子形成用フィルムを乾燥させるステップであって、乾燥によるネックイン(neck−in)で、染着されたヨウ素分子の配向をより向上させ、光学特性に優れた偏光子を得るステップである。なお、ネックインとは、フィルムの幅が狭くなることである。
乾燥方法としては、当該分野に公知の乾燥方法を制限なく併用することができ、例えば自然乾燥、熱風乾燥、エア乾燥、加熱乾燥、遠赤外線乾燥、マイクロ波乾燥などの方法を用いることができ、最近ではフィルム内にある水のみを活性化させて乾燥させるマイクロ波乾燥が新たに用いられており、通常は熱風乾燥が主に用いられている。
熱風乾燥の遂行温度は特に限定されないが、偏光子の劣化を防止するために、比較的低い温度で行われることが好ましく、例えば20乃至90℃であってもよく、好ましくは85℃以下、より好ましくは80℃以下であってもよい。
前記熱風乾燥の遂行時間は特に限定されず、例えば1乃至10分間行うことができる。
本発明による偏光子は、少なくとも一面に偏光子保護フィルムが接合されて偏光板として提供することができる。
前記保護フィルムの種類は、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れたフィルムであれば特に限定されず、具体的な例を挙げると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレートなどのポリアクリル系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体などのスチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系またはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレンプロピレン共重合体などのポリオレフィン系樹脂;ナイロン、芳香族ポリアミドなどのポリアミド系樹脂;イミド系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;スルホン系樹脂;ポリエーテルケトン系樹脂;硫化ポリフェニレン系樹脂;ビニルアルコール系樹脂;塩化ビニリデン系樹脂;ビニルブチラール系樹脂;アリレート系樹脂;ポリオキシメチレン系樹脂;エポキシ系樹脂などのような熱可塑性樹脂で構成されたフィルムが挙げられ、前記熱可塑性樹脂のブレンド物で構成されたフィルムも用いることができる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、シリコン系などの熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂からなるフィルムを用いることもできる。これらの中でも特に、アルカリなどによって鹸化された表面を有するセルロース系樹脂から構成されるフィルムが偏光特性または耐久性を考慮すると好ましい。また、保護フィルムは下記の光学層の機能を兼備したものであってもよい。
前記偏光板の構造は特に制限されず、必要な光学特性を満足させることができる様々な種類の光学層が偏光子上に積層されたものであってもよい。例えば、偏光子の少なくとも一面に偏光子を保護する保護フィルムが積層された構造;偏光子の少なくとも一面または保護フィルム上に、ハードコーティング層、反射防止層、粘着防止層、拡散防止層、防眩層などの表面処理層が積層された構造;偏光子の少なくとも一面または保護フィルム上に、視野角を補償する配向液晶層、または他の機能性膜が積層された構造を有するものであってもよい。また、各種の画像表示装置を形成することに用いられる偏光変換装置のような光学膜、リフレクタ、半透過リフレクタ、1/2波長板または1/4波長板などの波長板(λ板を含む)を含む位相差板、視野角補償膜、輝度向上膜のうちの1つ以上が光学層として積層された構造であってもよい。より詳細には、偏光子の一面に保護フィルムが積層された構造の偏光板であって、積層された保護フィルム上に、リフレクタまたは半透過リフレクタが積層された反射型偏光板または半透過型偏光板;位相差板が積層された楕円形または円形偏光板;視野角補償層または視野角補償膜が積層された広視野角偏光板;或いは輝度向上膜が積層された偏光板などが好ましい。
偏光子と偏光子保護フィルムとの接合は接着剤組成物を用いて行ってもよい。接着剤組成物を用いた偏光子と保護フィルムとの接合は適切な方法で行うことができ、例えば流延法、マイヤーバーコーティング法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、浸漬コーティング法、噴霧法などによって偏光フィルム及び/または保護フィルムの接着面に接着剤組成物を塗布し、両者を重畳させる方法が挙げられる。流延法とは、被塗布物である偏光子または保護フィルムを概ね垂直な方向、概ね水平方向、または両者間の斜め方向に移動させながら、その表面に接着剤組成物を塗布する方法である。
接着剤組成物を塗布した後、偏光子と保護フィルムとをニップロールによって挟んで接合させる。
また、接着性を向上させるために、偏光子及び/または保護フィルムの表面にプラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム処理、鹸化処理などの表面処理を適切に実施することもできる。鹸化処理としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリの水溶液に浸漬する方法が挙げられる。
偏光子と偏光子保護フィルムを積層した後には乾燥処理が実施される。乾燥処理は、例えば熱風を噴霧することにより行われるが、その際の温度は50乃至100度の範囲で適切に選択される。乾燥時間は通常30乃至1,000秒である。
本発明による偏光板は、通常の液晶表示装置だけでなく、有機電界発光表示装置(OLED)、プラズマ表示装置、電界放出表示装置などの各種の画像表示装置に適用可能である。
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示するが、これらの実施例は本発明を例示するものに過ぎず、添付の特許請求の範囲を制限するものではなく、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で実施例に対する様々な変更及び修正が可能であることは当業者にとって明らかであり、これらの変更及び修正が添付の特許請求の範囲に属することも当然のことである。
<実施例1>
鹸化度が99.9%以上である透明な未延伸のポリビニルアルコールフィルム(PE60、KURARAY社)を25℃の水(脱イオン水)で1分20秒間浸漬して膨潤させた(膨潤ステップ)後、ヨウ素1.25mM/Lと水100重量%に対してヨウ化カリウム1.25重量%、ホウ酸0.3重量%が含有された30℃の染色用水溶液に2分30秒間浸漬して染色した(染色ステップ)。このとき、膨潤及び染色ステップで、それぞれ約1.7184倍、約1.5214倍の延伸比で延伸して、染色槽までの累積延伸比が2.614倍になるように延伸した。次いで、水100重量%に対してヨウ化カリウム13.9重量%、ホウ酸3重量%が含有された56℃の架橋用水溶液に26秒間浸漬して架橋させながら(第1架橋ステップ)、2.36倍の延伸比で延伸した。その後に、水100重量%に対してヨウ化カリウム13.9重量%、ホウ酸3重量%が含有された56℃の架橋用水溶液に20秒間浸漬して架橋させながら(第2架橋ステップ)、0.90倍の延伸比で延伸した。
次いで、水100重量%に対してヨウ化カリウム5重量%、ホウ酸2重量%が含有された40℃の補色用水溶液に10秒浸漬しながら(補色ステップ)、1.08倍に延伸した。
このとき、膨潤、染色、架橋、及び補色ステップの総累積延伸比が6倍になるようにした。架橋が完了した後、ポリビニルアルコールフィルムは脱イオン水で水洗した(水洗ステップ)後、80℃のオーブンで5分間乾燥させて(乾燥ステップ)透過率42.5%の偏光子を製造した。偏光子の厚みは23μmであった。
製造された偏光子の両面にトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを積層して偏光板を製造した。
<実施例2乃至10及び比較例1乃至6>
下記の表1に記載されたように、延伸比を調節したことを除いては、実施例1と同様の方法で偏光板を製造した。
Figure 0006197146
<試験例>
上記の実施例及び比較例において製造された偏光子の物性を下記の方法で測定し、その結果を下記の表2に示した。
<1.光学特性(偏光度)>
製造された偏光子を4cm×4cmのサイズに切断した後、紫外可視光線分光計(V−7100、JASCO社製)を用いて透過率を測定した。このとき、偏光度は下記の数式2で定義される。
[数式2]
偏光度(P)=[(T−T)/(T+T)]1/2
(式中、Tは一対の偏光子を吸収軸が平行な状態で配置した場合に得られる平行透過率であり、Tは一対の偏光子を吸収軸が直交する状態で配置した場合に得られる直交透過率である)。
<2.配向度>
製造された偏光子を4cm×4cmのサイズに切断した後、偏光ATR装置(VeeMAXIII、PIKE社、入射角:45゜)を用いてIR beamを偏光させ、偏光されたIR beamと偏光子試料のMD方向(吸収軸方向)とが平行になるようにしてFT−IRで吸光度を測定する(AMD)(Nicolet Continuum XL、Thermo社)。次に、偏光されたIR beamと偏光子試料のTD方向(透過軸方向)とが平行になるようにしてFT−IRで吸光度を測定する(ATD)。
MD及びTD方向において吸光度の差を示す1290cm−1の吸光度を測定した。
測定された吸光度を前記数式1に代入して配向度を得た。
<3.収縮力>
ここでは、偏光子の透過軸方向の幅2mmあたりの、吸収軸方向の収縮力を測定した。実施例及び比較例において製造された偏光子を3.0cm(吸収軸方向)×2mm(透過軸方向)のサイズに切断した後、DMA Q800(Dynamic mechanical analyzer、TA社)により80℃で4時間静置時に吸収軸方向の収縮力を測定した。このとき、測定前に偏光子を平坦な状態に維持するために最小限の荷重を偏光子の厚み方向にかけて測定した。
Figure 0006197146
表2を参照すると、本発明の偏光子は、高い配向度と吸収軸方向において小さい収縮力をいずれも満足して偏光度も優れていることが確認できる。
しかし、比較例の場合、偏光度に優れると吸収軸方向の収縮力が高く、吸収軸方向の収縮力が低いと偏光度が低い問題点を示すことが分かる。

Claims (2)

  1. 偏光子形成用フィルムの膨潤、染色、架橋、補色及び乾燥ステップをこの順に含み、
    前記架橋ステップは、偏光子形成用フィルムを2.00乃至3.00倍に延伸する第1架橋ステップ、及び前記第1架橋ステップ後、偏光子形成用フィルムを0.80乃至0.98倍に延伸する第2架橋ステップを含み、
    前記補色ステップで、偏光子形成用フィルムを1.01乃至1.25倍に延伸する、偏光子の製造方法。
  2. 前記第2架橋ステップで、偏光子形成用フィルムを0.85乃至0.98倍に延伸する、請求項1に記載の偏光子の製造方法。
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