JP6196643B2 - 梯子転倒防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、梯子の転倒防止装置に関するもので、特に建物の軒先に取り付けて使用する梯子転倒防止装置に関する。
従来の梯子転倒防止装置としては、下記特許文献1に示す梯子の転倒防止装置がある。この梯子転倒防止装置は、梯子の上端部の上下位置に、梯子面に対して交差する面内で回動可能で梯子面に沿った収納位置から所定の回動位置へ突出させられて位置決め可能な腕部材を夫々設けて、これら腕部材で建物の軒先を上下から挟むようにしたものである。
特開2008−174914号公報
上記引用文献1の梯子転倒防止装置は、梯子の上端部に固定的に設けられるものであるから、梯子が伸縮式のものであれば、建物の軒先の高さに応じて梯子の長さを調節することで、所要の軒先に取り付けることができるが、長さが一定の非伸縮式梯子の場合には、軒先高さが特定されるため、高さの異なる種々の軒先には使用することができないという問題がある。
本発明は、上記の事情に鑑み、伸縮式の梯子に限らず、長さが一定の非伸縮式梯子にも取り付けて使用できる梯子転倒防止装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明の梯子転倒防止装置は、建物の軒先Cを上下から挟持するようにしたクランプ体1と、このクランプ体1の挟持部側とは反対側に支持させる梯子Bの上端側の左右両端部を保持する左右一対の梯子保持手段(2,2A)とを備えてなり、
クランプ体1は、側面視下向き円弧状の上クランプ3と、側面視上向き円弧状の下クランプ4とを有し、上クランプ3の基端部と下クランプ4の基端部とが枢支連結されると共に、上クランプ3と下クランプ4との間に、上クランプ3の先端側の挟持部と下クランプ4の先端側の挟持部とを開閉するための挟持部開閉駆動機構(15,15A)が介装されていることを特徴とする。
請求項は、請求項に記載の梯子転倒防止装置において、挟持部開閉駆動機構(15,15A)は、螺軸21と、上クランプ3及び下クランプ4の何れか一方のクランプ3の基端部に固定され、螺軸21の所要部を回転自在で上下動不能に支承する軸受部材22と、他方のクランプ4の基端部に固定され、螺軸21の所要部に螺合されたナット部材23と、螺軸21の下端部に螺軸21と一体回転可能に連結された螺軸回転操作部材25とを備え、螺軸回転操作部材25の正逆回転操作により、螺軸21を正逆回転して、上クランプ3の挟持部と下クランプ4の挟持部とを開閉するようにしてなることを特徴とする。
請求項は、請求項1又は2に記載の梯子転倒防止装置において、各梯子保持手段2は、クランプ体1の左右側面部1oと平行に延びる垂直部16aの先端部から水平部16bを直角に突設してなるL字状アーム16と、このL字状アーム16を、水平部16bがクランプ体1に支持される梯子Bの梯子面Boに対し離間した状態で被さるような仮保持位置とこの仮保持位置から水平部16bが前記梯子面Boの外側方へ退避する退避位置との間で旋回させると共に、L字状アーム16をバネ30によって常時仮保持位置に付勢するようしたアーム旋回機構17と、前記L字状アーム16を、前記仮保持位置と水平部16bが前記梯子面Boに当接して梯子Bを本保持状態で保持する本保持位置との間で揺動させるアーム揺動機構18とを備えてなることを特徴とする。
請求項は、請求項1又は2に記載の梯子転倒防止装置において、各梯子保持手段2Aは、クランプ体1の左右側面部1oと平行に延びる垂直部16aの先端部から水平部16bを直角に突設してなるL字状アーム16と、このL字状アーム16を、水平部16bがクランプ体1に支持される梯子Bの梯子面Bo側へ旋回させるアーム旋回機構17と、当該水平部16bがクランプ体1に支持される梯子Bの梯子面Bo側へ旋回しないように当該アーム旋回機構17を所定位置で挿抜可能なように保持する保持手段(保持部材50)とを備えてなることを特徴とする。
請求項は、請求項1〜の何れかに記載の梯子転倒防止装置において、クランプ体1には、このクランプ体1を持ち上げるための持ち上げ棒39の上端部を挿脱自在に嵌合する嵌合部41が設けられていることを特徴とする。
請求項は、請求項の何れかに記載の梯子転倒防止装置において、クランプ体1には螺軸回転操作部材25の下部に、挟持部開閉駆動機構15を開閉操作するための開閉操作棒40の上端部を挿脱自在で相対回転不能に嵌合する嵌合部42が設けられていることを特徴とする。
請求項は、請求項1〜の何れかに記載の梯子転倒防止装置において、クランプ体1の左右側面部1oには、梯子Bを当該クランプ体1に案内するガイド部(ガイド部材46)が設けられてなることを特徴としている。
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明の梯子転倒防止装置は、建物の軒先Cを上下から挟持するようにしたクランプ体1と、このクランプ体1の挟持部側とは反対側に支持させる梯子Bの上端側の左右両端部を保持する左右一対の梯子保持手段2とを備えたものであるから、伸縮式の梯子に限らず、長さが一定の非伸縮式梯子にも取り付けて使用することができる。
又、本発明によれば、クランプ体1は、側面視下向き円弧状の上クランプ3と、側面視上向き円弧状の下クランプ4とを有し、上クランプ3の基端部と下クランプ4の基端部とが枢支連結されると共に、上クランプ3と下クランプ4との間に、上クランプ3の先端側の挟持部と下クランプ4の先端側の挟持部とを開閉する挟持部開閉駆動機構15を介装したものであるから、建物の軒先Cをその厚みに応じて迅速容易に挟持することができる。
請求項に係る発明によれば、挟持部開閉駆動機構15は、螺軸21と、上クランプ3及び下クランプ4の何れか一方のクランプ3の基端部に固定されて、螺軸21の所要部を回転自在で上下動不能に支承する軸受部材22と、他方のクランプ4の基端部に固定されて、螺軸21の所要部に螺合されたナット部材23と、螺軸21の下端部に螺軸21と一体回転可能に連結された螺軸回転操作部材25とを備えたものであるから、螺軸回転操作部材25を正逆回転させるだけで、上クランプ3の挟持部と下クランプ4の挟持部とを簡単容易に開閉することができる。
請求項に係る発明によれば、各梯子保持手段2は、L字状アーム16と、このL字状アーム16を仮保持位置と退避位置との間で旋回させると共にL字状アーム16をバネ30で常時仮保持位置に付勢するアーム旋回機構17と、L字状アーム16を仮保持位置と本保持位置との間で揺動させるアーム揺動機構18とを備えているから、両梯子保持手段2,2の両L字状アーム16,16を夫々仮保持位置にセットしておけば、梯子Bを軒先Cに立て掛ける際に梯子Bの上端側所要部を両L字状アーム16,16の水平部16b,16bに載せ置くだけで、両L字状アーム16,16が仮保持位置から退避位置に変移し、しかして梯子Bの上端部がクランプ体1に支持されると、両L字状アーム16,16が前記バネ30により退避位置から仮保持位置に復帰し、それにより梯子Bの上端部を仮保持状態に保持することができる。こうして梯子Bを仮保持状態に保持した後、L字状アーム16,16の垂直部16a,16aを押し倒して、その水平部16b,16bを梯子Bの梯子面Boに当接させることにより、L字状アーム16,16を本保持状態に保持でき、これによって梯子Bは、L字状アーム16,16で梯子Bの上端側の左右両端部を掴持固定され、横ずれ転倒や煽り転倒が確実に防止される。
請求項に係る発明によれば、アーム旋回機構17を保持手段(保持部材50)によって所定位置で梯子Bの梯子面Bo側へ旋回しないように保持しているから、その状態で、梯子Bをクランプ体1に支持させ、その後、アーム旋回機構17を保持手段(保持部材50)より抜出すれば、当該アーム旋回機構17によって、L字状アーム16の水平部16bが梯子Bの梯子面Bo側へ旋回し、もって、梯子BをL字状アーム16にて保持することができる。それゆえ、屋根の傾斜が急なところで、梯子Bの載置荷重でL字状アーム16の水平部16bを退避位置側に旋回できない可能性があるということがないから、どのような屋根にも対応することができる。
請求項に係る発明によれば、クランプ体1には、このクランプ体1を持ち上げる持ち上げ棒39の上端部を挿脱自在に嵌合するための嵌合部41が設けてあるから、持ち上げ棒39の上端部を嵌合部41に嵌合させることにより、建物の軒先Cまでのクランプ体1の持ち上げ作業を迅速容易に行うことができる。
請求項に係る発明によれば、クランプ体1には螺軸回転操作部材25の下部に、挟持部開閉駆動機構15を開閉操作するための開閉操作棒40の上端部を挿脱自在で相対回転不能に嵌合する嵌合部42が設けてあるから、開閉操作棒40の上端部を嵌合部42に嵌合させることによって、挟持部開閉駆動機構15の開閉操作を地面G上の低位置から容易に行うことができる。
請求項に係る発明によれば、クランプ体1の左右側面部1oには、梯子Bを当該クランプ体1に案内するガイド部(ガイド部材46)が設けられているから、梯子Bをクランプ体1に立て掛け易くすることができる。
本発明の第1実施形態に係る梯子転倒防止装置の使用状態を示す拡大側面図である。 同実施形態に係る梯子転倒防止装置の使用状態を示す正面図である。 同実施形態に係る梯子転倒防止装置の全体を示す斜視図である。 (a)は同実施形態に係る梯子転倒防止装置のアーム揺動機構を示す側面図、(b)は(a)の矢印Vから見た一部正面図で、アーム旋回機構を示す。 同実施形態に係るクランプ体を持ち上げる際に、片方の手でクランプ体を持ち、他方の手で開閉操作棒を持って垂直に立てた状態と、持ち上げ棒を両手で持っている状態を示す斜視図である。 (a)は同実施形態に係る梯子転倒防止装置を建物の軒先近くまで持ち上げている状態を示す斜視図、(b)は同実施形態に係るクランプ体で建物の軒先を上下から挟持した状態を示す側面図である。 (a),(b)は梯子の上端側を同実施形態に係るアーム旋回機構のL字状アームによって仮保持している状態を示す斜視図である。 (a)は同実施形態に係る梯子保持手段のL字状アームが仮保持位置にある状態を実線で示している一部拡大側面図、(b)は同状態の平面図である。 同実施形態に係る梯子保持手段のL字状アームが本保持位置の状態を実線で示している側面図である。 本発明の第2実施形態に係る梯子転倒防止装置の上クランプの左右側板に梯子立て掛け用のガイド部材を設けたものを示す、図1と同様な拡大側面図である。 同実施形態に係る梯子転倒防止装置を示す、図2と同様な正面図である。 本発明の第3実施形態に係る梯子転倒防止装置の全体を示す斜視図である。 同実施形態に係る梯子転倒防止装置の使用状態を示す拡大側面図である。 同実施形態に係る梯子転倒防止装置の使用状態を示す正面図である。 同実施形態に係るクランプ体を持ち上げる際に、片方の手でクランプ体を持ち、他方の手で開閉操作棒を持って垂直に立てた状態と、持ち上げ棒を両手で持っている状態を示す斜視図である。 (a)は同実施形態に係る梯子転倒防止装置を建物の軒先近くまで持ち上げている状態を示す斜視図、(b)は同実施形態に係るクランプ体で建物の軒先を上下から挟持した状態を示す側面図である。 (a)は同実施形態に係るクランプ体に梯子の上端側を載置している状態を示す斜視図、(b)は同実施形態に係るアーム旋回機構のL字状アームによって梯子の上端側を保持している状態を示す斜視図である。 (a)は同実施形態に係るクランプ体に梯子の上端側を載置している状態を示す側面図、(b)は同実施形態に係るアーム旋回機構のL字状アームによって梯子の上端側を保持している状態を示す側面図である。
<第1実施形態>
以下に本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明すると、本発明に係る梯子転倒防止装置Aは、図1及び図2に示すように、建物の軒先Cを上下から挟持するようにしたクランプ体1と、このクランプ体1の挟持部側とは反対側に支持させる梯子Bの上端側の左右両端部を保持する左右一対の梯子保持手段2,2とを備えている。梯子Bは、図2にその一部を示すように、左右側枠31,31と、両側枠31,31間に踏桟32を一定間隔で横架してなる非伸縮式の梯子を使用しているが、長さ調節可能な伸縮式の梯子を使用することもできる。
クランプ体1は、図1に示すように、側面視が下向き円弧状の上クランプ3と、側面視が上向き円弧状の下クランプ4とからなるもので、上クランプ3の基端部と下クランプ4の基端部とが枢支連結されると共に、上クランプ3と下クランプ4との間に、上クランプ3の先端側の挟持部材13(挟持部)と下クランプ4の先端側の挟持部材14(挟持部)とを互いに開閉するための挟持部開閉駆動機構15が介装されている。
このクランプ体1を図3をも参照して更に詳細に説明すると、上クランプ3は、所定間隔に配置される左右一対の下向き円弧状の側板8,8の中央部間を連結軸体10によって連結する。この連結軸体10は、後述のように梯子Bの上端部を支持する梯子立て掛け桟の役割を担うものである。又、両側板8,8の先端部間を先端部連結軸体19により連結し、この先端部連結軸体19に挟持部としての挟持部材13を取り付けたものであり、また下クランプ4は、左右一対の上向き円弧状の側板9,9の夫々基端部を、上クランプ3の側板8,8の夫々基端部に枢軸体11によって枢支連結すると共に、両側板9,9の先端部間を先端部連結軸体20によって連結し、この先端部連結軸体20に挟持部としての挟持部材14を取り付けたものであり、そして上クランプ3と下クランプ4との間には、上クランプ3の先端側の挟持部である挟持部材13と下クランプ4の先端側の挟持部である挟持部材14とを互いに開閉するための挟持部開閉駆動機構15を介装している。
各梯子保持手段2は、図1〜図4に示すように、クランプ体1の左右側面部1o(図2,図3参照)と平行に延びる垂直部16aの先端部から水平部16bを直角に突設してなるL字状アーム16と、このL字状アーム16を、水平部16bがクランプ体1の上クランプ3の連結軸体10に支持される梯子Bの梯子面Bo(図2,図4参照)に対し離間した状態で被さるような仮保持位置(図4の(a),(b)に夫々実線で示すような位置)と、この仮保持位置から水平部16bが前記梯子面Boの外側方へ退避する退避位置(図4の(a),(b)に夫々仮想線で示すような位置)との間で旋回させるアーム旋回機構17と、前記L字状アーム16を前記仮保持位置と水平部16bが前記梯子面Boに当接して梯子Bを本保持状態に保持する本保持位置(図9に実線で示すL字状アーム16の位置)との間で揺動させるためのアーム揺動機構18とを備えている。
前記挟持部開閉駆動機構15は、図1〜図3に示すように、螺軸21と、上クランプ3の片方の下向き円弧状側板8の基端部に固定され、螺軸21の下端側を回転自在で上下動不能に支承する軸受部材22と、下クランプ4の片方の上向き円弧状側板9の基端部に固定されていて、螺軸21の中間部に螺合されたナット部材23と、上クランプ3の前記片方の下向き円弧状側板8に固定され、螺軸21の上端部を回転自在に支承する軸受部材24と、螺軸21の下端部に螺軸21と一体回転可能に連結された円筒状の螺軸回転操作部材25とからなるもので、螺軸回転操作部材25を正逆回転操作して螺軸21を正逆回転させることにより、ナット部材23を上下動させて、下クランプ4をその枢軸体11を中心に揺動させ、それによって上クランプ3の挟持部材13と下クランプ4の挟持部材14とを開閉させるようにしたものである。
上記のような挟持部開閉駆動機構15によれば、構造が簡単で、螺軸回転操作部材25を正逆回転させるだけで、上クランプ3の挟持部と下クランプ4の挟持部とを簡単容易に開閉することができる。尚、この実施形態の挟持部開閉駆動機構15では、上クランプ3側の基端部側に、螺軸21を回転自在で上下動不能に支承する軸受部材22を取り付け、下クランプ4側の基端部にナット部材23を取り付けているが、上クランプ3側の基端部側にナット部材23を取り付け、下クランプ4の基端部に軸受部材22を取り付けるようにしてもよい。
前記アーム旋回機構17について、図3及び図4を参照して詳述すると、上クランプ3の連結軸体10の両端部にこの連結軸体10と同軸に回転軸26が回転自在に設けられ、この回転軸26に取付台27の基端部側が固着され、この取付台27の先端部側にアーム取付片28が、前記回転軸26と直交方向に位置する枢軸29(図3参照)を中心に図4の(b) の実線図示位置(仮保持位置)と仮想線図示位置(退避位置)との間の90°範囲で回動可能に取り付けられ、このアーム取付片28には前記枢軸29とは若干偏心した位置に、L字状アーム16の垂直部16aが、前記回転軸26と直交方向に延びるように固着され、更に前記枢軸29とアーム取付片28との間には、このアーム取付片28を常時図4の(a) ,(b) の実線図示位置(仮保持位置)に付勢するコイルバネ30(図3参照)が介装されている。
従って、このアーム旋回機構17によると、L字状アーム16を、コイルバネ30の付勢力よって、水平部16bが図8の(a),(b)に実線で示すように梯子Bの梯子面Boに対し離間した状態で被さるような仮保持位置に保持させることができるから、梯子Bを建物の軒先Cに立て掛けるにあたり、図7の(a)の実線図示のように、L字状アーム16を仮保持位置に保持させた状態で、梯子Bを倒してその上端部をL字状アーム16の水平部16bに載置すると、その載置荷重によって、L字状アーム16の水平部16bは、図7の(a)や図8の(b)の仮想線図示のようにコイルバネ30の付勢力に抗して垂直部16aの周り(正確には枢軸29の周り)を図7の(a)の矢印E,F方向また図8の(a),(b)の矢印F方向に退避位置側へ旋回し、その水平部16bの先端部が図7の(a)の仮想線及び図8の(b)の仮想線で示すように梯子Bの側枠31の外側面31aに弾接する時点で最大旋回状態となり、しかして梯子Bの上端部が上クランプ3の梯子立て掛け桟を兼ねる連結軸体10に当接支持されると、コイルバネ30の付勢力によって水平部16bは、その先端部が梯子Bの側枠31の外側面31aを弾接状態で摺動しつつ、図7の(a)の矢印E,F方向とは逆方向、即ち図8の(b)の矢印Hの方向に旋回して当該外側面から側枠31の前面側31bヘ抜け出ることにより、水平部16bは、図7の(b)に示すように元の仮保持位置に復帰して、その位置に保持されることになる。
また、前記アーム揺動機構18については、図4の(a),(b)を参照して説明すれば、このアーム揺動機構18は、L字状アーム16を、仮保持位置と、水平部16bが梯子面Boに当接して梯子Bを本保持状態に保持する本保持位置との間で揺動させるものであって、前記連結軸体10の端部にある回転軸26には取付台27の内側に爪車33を固着し、この爪車33に係合する爪34を先端部に有する爪レバー35の基端部を、上クランプ3の側板8の所要部に枢軸36で軸着し、爪レバー35と側板8との間には、爪34が図4の(a)の実線図示のように爪車33に係合した位置に付勢すると共に、爪34が爪車33から離脱して爪レバー35が実線図示の係合位置から90°回動した同図の仮想線図示位置に付勢するコイルバネ37を介装している。そして、爪車33は、回転軸26を中心にこの回転軸26、取付台27及びアーム取付片28と共に正逆回転自在であるが、この爪車33の歯が一方向に傾斜しているので、この爪車33の歯に爪レバー35の爪34が係合することによって、図4の(a)の矢印で示す反時計回り方向への爪車33の回転が阻止されるようになっている。この場合、爪34が爪車33に係合した状態で、爪車33は、時計回りには回転自在である。尚、図4の(a),(b)において、38は爪レバー35を正逆方向に揺動させて爪34を爪車33に対し係合及び離脱操作するための揺動操作部材である。
従って、このアーム揺動機構18によると、L字状アーム16を図4の(a),(b)の実線図示や図8の仮想線図示のような仮保持位置に位置させた状態で爪レバー35の爪34を爪車33に係合させることにより、L字状アーム16を仮保持位置に保持させることができる。このように仮保持位置に保持された状態のL字状アーム16は、図4の(a),(b)に示すように、本保持位置へは自由に揺動可能であり、爪34は爪車33上を滑って沿ってL字状アーム16を仮保持位置から本保持位置に揺動することを阻止しないから、L字状アーム16を、図9に示すように、水平部16bがその仮保持位置から梯子Bの梯子面Boに当接する本保持位置に揺動させる。L字状アーム16を本保持位置から仮保持位置に揺動させることは爪34が爪車33に係合して阻止される所謂ラチェット歯車ロック機構によって、梯子Bを本保持位置に固定(ロック)することができる。なお、L字状アーム16,16のロック状態を開放するには、爪レバー35に取り付けている揺動操作部材38により爪34の爪車33との係合状態を離脱させることによって、L字状アーム16,16を本保持状態からから開放することができる。
また、図1〜図3に示すように、クランプ体1の枢軸体11には、このクランプ体1を持ち上げるための持ち上げ棒39(図5,図6参照)の上端部を挿脱自在に嵌合する嵌合部41が設けられ、またクランプ体1に設けてある挟持部開閉駆動機構15の螺軸21の螺軸回転操作部材25にはその下部に、挟持部開閉駆動機構15を開閉操作するための開閉操作棒40(図5,図6参照)の上端部を挿脱自在で回転不能に嵌合する嵌合部42が設けられている。上記持ち上げ棒39の上端部を嵌合する嵌合部41は、取付部材43によってクランプ体1の枢軸体11に取り付けられている。
また、クランプ体1の上クランプ3の先端部にある挟持部材13は、図1及び図3に示すように、連結軸体19に本体枠13aを両端部の取付用耳片13b,13bを介して揺動自在に取り付け、この本体枠13aの内側にゴムシート等からなる滑り止め部材13cを張設してなるものであり、下クランプ4先端部にある挟持部材14も同様に、連結軸体20に本体枠14aを両端部の取付用耳片14b,14bを介して揺動自在に取り付け、この本体枠14aの内側にゴムシート等からなる滑り止め部材14cを張設してなるものである。
上記のように、挟持部材13,14は、本体枠13a,14aを連結軸体19の回りに揺動自在に取り付けているので、使用する軒先Cの厚みが種々変わっても、その軒先Cの上下両面を的確に挟持することができる。また、本体枠13a,14aの内側には滑り止め部材14cを張設しているから、挟持部材13,14が軒先Cに対し滑りを生じることがなく、その軒先Cを確実に挟持することができる。
尚、図1,図3,図4等において、44はクランプ体1の上クランプ3の側板8に形成された重量経軽減用の抜き孔であり、45は下クランプ4の側板9に形成された同じく重量経軽減用の抜き孔である。
次に、上記のように構成される梯子転倒防止装置Aの使用方法について、図5〜図9を参照しながら説明する。
先ず、作業者は、図5に示すように、持ち上げ棒39の上端部をクランプ体1側の嵌合部41に嵌合させ、そして開閉操作棒40の上端部をクランプ体1側の嵌合部42に相対回転不能に嵌合させる。開閉操作棒40の上端部を嵌合部42に嵌合する時に、作業者は、開閉操作棒40を持つ方の手と反対側の手でクランプ体1を持って保持するようにする。そして、同図に示すように、持ち上げ棒39でクランプ体1を持ち上げながら、開閉操作棒40を地面Gに対し垂直に立てる。
尚、クランプ体1を持ち上げる前に、地面G上において、クランプ体1の挟持部材13,14間を大き目に開いておき、また梯子保持手段2のL字状アーム16,16をアーム旋回機構17及びアーム揺動機構18により図8の(a),(b)の夫々実線で示すような仮保持位置にセットしておく。
それから、開閉操作棒40の下端を地面Gに付けながら、図6の(a)に示すように開閉操作棒40と持ち上げ棒39とで、クランプ体1の開いた挟持部材13,14を建物の軒先Cに近づけていって同図の(b)に示すように軒先Cに挟み込み、開閉操作棒40を回転させることにより、挟持部開閉駆動機構15の螺軸21を回転させて、上クランプ3の挟持部材13と下クランプ4の挟持部材14とで軒先Cを挟持し、それによってクランプ体1を軒先Cに取り付け固定する。
上記のようにクランプ体1を建物の軒先Cに取り付け固定したならば、地面に接地させた梯子Bの上端側を倒して、図7の(a)の実線図示及び図8の(a)の仮想線図示のように仮保持位置にセットした梯子保持手段2のL字状アーム16の水平部16bに載置すると、その載置荷重によって、L字状アーム16の水平部16bは、図7の(a)、図8の(b)の仮想線図示のようにコイルバネ30の付勢力に抗して垂直部16aの周りを図7の矢印E,F方向また図8の(a),(b)の矢印F方向に退避位置側へ旋回し、その水平部16bの先端部が図7の(a)仮想線や図8の仮想線で示すように梯子Bの側枠31の外側面31aに弾接する時点で最大旋回状態となり、そして梯子Bの上端部が上クランプ3の連結軸体10に当接支持されると、コイルバネ30の付勢力によって水平部16bはその先端部が梯子Bの側枠31の外側面31aを弾接状態で摺動しつつ図8の(b)の矢印H方向に旋回して当該外側面31aから側枠31の前面側31bヘ抜け出ることによって、水平部16bは、図7の(b)に示すように元の仮保持位置に戻って、その位置に保持される。
こうして梯子Bを梯子保持手段2によって仮保持状態に保持した後、作業者が梯子Bを登り、図9の仮想線図示のように仮保持位置にある梯子保持手段2のL字状アーム16の垂直部16aを同図の矢印J方向に押して、その水平部16bを、同図の実線図示のように梯子Bの梯子面Bo上にある左右各側枠31の前側面31bに当接させることによって、L字状アーム16は、梯子Bの上端側の左右端部を爪34が爪車33に係合して所謂ラチェット歯車ロック機構によって本保持状態にロックする。こうして、梯子Bは、L字状アーム16,16にて梯子Bの上端側の左右両端部を掴持固定されるから、横ずれ転倒や煽り転倒が確実に防止される。
梯子Bの使用を終えて梯子転倒防止装置Aを取り外す時には、作業者は、梯子Bから降りて、開閉操作棒40で挟持部開閉駆動機構15の螺軸21を取付時とは逆方向に回転させることにより、上クランプ3の挟持部材13と下クランプ4の挟持部材14との挟持状態を解除して、このクランプ体1を梯子Bごと軒先Cから取り外す。この際、クランプ体1を軒先Cから取り外す前に、持ち上げ棒39及び開閉操作棒40をクランプ体1側の嵌合部41,42から取り外しておく。
以上、本実施形態によって説明したように、本実施形態に係る梯子転倒防止装置Aは、建物の軒先Cを上クランプ3と下クランプ4によって上下から挟持するようにしたクランプ体1と、このクランプ体1の挟持部材13,14側とは反対側で支持させる梯子Bの上端側の左右両端部を保持する左右一対の梯子保持手段2とを備えたものであるから、従来の梯子転倒防止装置のように伸縮式梯子の使用に限定されず、長さが一定の非伸縮式梯子にも取り付けて使用することができる。
また、この梯子転倒防止装置Aのクランプ体1は、側面視下向き円弧状の上クランプ3と、側面視上向き円弧状の下クランプ4とを有し、上クランプ3の基端部と下クランプ4の基端部とが枢軸体11によって枢支連結されると共に、上クランプ3と下クランプ4との間に、上クランプ3の先端側の挟持部と下クランプ4の先端側の挟持部とを開閉する挟持部開閉駆動機構15を介装したものであるから、使用する建物の軒先Cの厚みが変わっても、その厚みに応じて的確にしかも迅速に挟持することができる。
また、この梯子転倒防止装置Aの各梯子保持手段2は、垂直部16aの先端部から水平部16bを直角に突設してなるL字状アーム16と、このL字状アーム16を仮保持位置と退避位置との間で旋回させると共にL字状アーム16を常時コイルバネ30にて仮保持位置に付勢するアーム旋回機構17と、L字状アーム16を仮保持位置と本保持位置との間で揺動させるアーム揺動機構18とを備えているから、両梯子保持手段2,2の両L字状アーム16,16を夫々本保持位置にセットしておけば、梯子Bを軒先Cに立て掛ける際に梯子Bの上端側所要部を両L字状アーム16,16の水平部16b,16bに載置するだけで、両L字状アーム16,16が仮保持位置から退避位置に変移し、梯子Bの上端部がクランプ体1の連結軸体10に支持されると、両L字状アーム16,16が前記バネ30により退避位置から仮保持位置に復帰し、それにより梯子Bの上端部が仮保持状態に保持される。こうして梯子Bを梯子保持手段2によって仮保持状態に保持した後、作業者が梯子Bを登り、L字状アーム16,16の垂直部16a,16aを押し倒して、その水平部16b,16bを梯子Bの梯子面Boに当接させることによって、L字状アーム16,16を梯子Bの上端側の左右両端部を爪34が爪車33に係合する所謂ラチェット歯車ロック機構により本保持状態にロックすることができ、これにより梯子Bは、L字状アーム16,16により梯子Bの上端側の左右両端部を掴持固定され、横ずれ転倒や煽り転倒が確実に防止される。なお、L字状アーム16,16のロック状態を開放するには、爪34に取り付けている揺動操作部材38により爪34の爪車33との係合状態を離脱させることによって、L字状アーム16,16を本保持状態からから開放して、仮保持位置に復帰させることができることは勿論である。
上述した実施形態では、持ち上げ棒39と開閉操作棒40とを用いて、クランプ体1を建物の軒先Cまで持ち上げるようにしているが、クランプ体1の持ち上げは、このような持ち上げ棒39などを使用せず、脚立や作業台等を用いて、これに乗った作業者がクランプ体1を直接把持して持ち上げるようにしてもよい。但し、持ち上げ棒39と開閉操作棒40を用いた場合は、クランプ体1の持ち上げをその場で迅速容易に行うことができる。尚、この場合、持ち上げ棒39と開閉操作棒40を、一人で持つと重量的負担が大きく、また持ち上げ態勢が不安定になり易いため、二人の作業者で、一人が持ち上げ棒39を持ち、もう一人が開閉操作棒40を持つというようにすれば、一人の負担が軽くなり、安定した持ち上げ態勢で軒先Cへの取付作業を行うことができる。
<第2実施形態>
ところで、上述した第1実施形態の梯子転倒防止装置Aは、図10、図11に示すような梯子転倒防止装置A1の構成にすることもできる。すなわち、図10は梯子立て掛け用のガイド部材を設けた第2実施形態の梯子転倒防止装置A1を示し、図1と同様な拡大側面図、図11はその正面図である。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、説明は省略することとする。
これらの図に示すように、梯子転倒防止装置A1は、クランプ体1の上クランプ3の左右の側板8,8の連結軸体10(梯子立て掛け桟)に近い所要位置に、梯子Bを立て掛ける際に梯子Bの上端部を連結軸体10に案内する役割と共に、連結軸体10の位置が地上から分かるような目印の役割を有するガイド部材46が設けられている。これ以外は、第1実施形態と同様である。しかして、このようなガイド部材46を設けることにより、連結軸体10に近い所要位置に梯子Bを立て掛け易くすることができる。
なお、第1実施形態の梯子転倒防止装置A及び第2実施形態の梯子転倒防止装置A1では、梯子Bを仮保持状態に保持した後、作業者が梯子Bを登って、L字状アーム16,16の垂直部16a,16aを押し倒すことによりL字状アーム16,16を本保持状態にロックするようにした例を示したが、このロック操作にあたっては、作業者が梯子Bを登ることなく、作業者が地上から適当な操作棒を適宜に操作することにより、L字状アーム16,16の垂直部16a,16aを押し倒してロックすることもできる。
<第3実施形態>
一方、第1実施形態に示す梯子転倒防止装置A,第2実施形態に示す梯子転倒防止装置A1に限らず、第3実施形態に示す梯子転倒防止装置A2のように構成しても良い。以下、この第3実施形態に示す梯子転倒防止装置A2について、図12〜図18を参照して説明することとする。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、説明は省略することとする。
第1実施形態に示す梯子転倒防止装置Aと第2実施形態に示す梯子転倒防止装置A1と本実施形態に係る梯子転倒防止装置A2の最も大きな相違は、各梯子保持手段2にアーム旋回機構17を保持する保持部材50を設けた点である。それ以外は、ほぼ同一である。なお、本実施形態では、上述したように、第1実施形態に示す梯子転倒防止装置Aと第2実施形態に示す梯子転倒防止装置A1の各梯子保持手段2とは、保持部材50があるか否かの相違があるため、本実施形態の各梯子保持手段には、符号2Aを付している。
この保持部材50は、図13に示すように、側面視矩形状の取付板51と、この取付板51より図示上方に突設しているL字状の保持片52とで構成されている。この取付板51は、図12,図13に示すように、クランプ体1の上クランプ3の左右の側板8,8に設けられているガイド部材46の下端部側の左右の側板8,8の側面に複数のボルト51a(図示では、2個)によって取り付けられている。そして、この取付板51の中間部より、取付板51との間に、アーム旋回機構17を収納できる程度の隙間S(図12参照)が形成されるように、側面視L字状の保持片52(図13参照)が図示上方に突設されている。より具体的に説明すれば、このアーム旋回機構17は、図12及び図13に示すように、上クランプ3の連結軸体10の両端部にこの連結軸体10と同軸に回転軸26が回転自在に設けられ、この回転軸26に取付台27の基端部側が複数のボルト27a(図示では、2個)によって取付固定されている。そして、この取付台27の先端部側にアーム取付片28が、上記回転軸26と直交方向に位置する枢軸29(図12参照)を中心に、図12に示す位置から矢印P1方向に90°の範囲で旋回可能に取り付けられている。そしてさらに、このアーム取付片28には、枢軸29とは若干偏心した位置に、L字状アーム16の垂直部16aが、上記回転軸26と直交方向に延びるように固着されている。また、枢軸29とアーム取付片28との間には、コイルバネ30が介装されており、このコイルバネ30によって、アーム取付片28が、枢軸29(図12参照)を中心に、図12に示す位置から矢印P1方向に90°旋回した位置で常時付勢されることとなる。これにより、図13及び図14に示すように、L字状アーム16の水平部16bが梯子Bの梯子面Bo側へ倒れる位置、すなわち、図14に示すように、梯子Bの側枠31の前面側31bに当接される位置、すなわち、上クランプ3の連結軸体10と平行方向となる位置に保持されることとなる。
かくして、このように構成されるアーム旋回機構17のアーム取付片28は、旋回を阻止するものがなければ、コイルバネ30によって、枢軸29(図12参照)を中心に、図12に示す位置から矢印P1方向に90°旋回し、その位置で常時付勢されることとなり、もって、L字状アーム16の水平部16bが梯子Bの梯子面Bo側へ倒れる位置、すなわち、図14に示すように、梯子Bの側枠31の前面側31bに当接される位置に保持されることとなるが、本実施形態においては、その旋回を阻止する保持部材50が設けられている。より具体的に説明すれば、図12,図13に示すように、保持部材50は、取付板51の中間部より、側面視L字状の保持片52(図13参照)が図示上方に突設されているが、この取付板51と保持片52との間には、図12に示すように、アーム旋回機構17が収納できる、すなわち、アーム旋回機構17のアーム取付片28が収納できる程度の隙間Sが形成されており、この隙間S内にアーム取付片28が挿抜可能に収納されるようになっている。そして、その隙間S内に、図12に示すように、アーム取付片28が収納されると、アーム取付片28は、コイルバネ30によって、枢軸29(図12参照)を中心に、図12に示す位置から矢印P1方向に90°旋回しようとしても、保持片52と接触することによってその旋回が阻止され、もって、アーム取付片28は、図12に示す位置に保持されることとなる。これにより、L字状アーム16の水平部16bは、図12に示すように、起立姿勢を保持、すなわち、上クランプ3の連結軸体10と直交方向となる位置に保持されることとなる。
そして、アーム取付片28が隙間Sより抜出される(解放される)と(図17(a),図18(a)に示す実線位置から破線位置参照)、アーム取付片28は、保持片52との接触から解放され、コイルバネ30によって、枢軸29(図12参照)を中心に、図12に示す位置から矢印P1方向に90°旋回し、図13に示す位置で常時付勢されることとなる。これにより、L字状アーム16の水平部16bが梯子Bの梯子面Bo側へ倒れる位置、すなわち、図14に示すように、梯子Bの側枠31の前面側31bに当接される位置に保持されることとなる。なお、この際、図13に示すように、アーム揺動機構18の揺動操作部材38が、爪34が爪車33に係合するロック位置に移動(図示破線位置から実線位置に移動)している。これにより、図13,図14に示すように、L字状アーム16を梯子Bの左右両端部にロックすることができる。
ところで、一方のL字状アーム16の垂直部16aには、図12に示すように、リング状の当接片16cが取り付けられているが、この当接片16cの役割については後述することとする。なお、図示では、他方のL字状アーム16の垂直部16aには、当接片16cを取り付けていなが、取り付けても良い。
また、本実施形態において示す挟持部開閉駆動機構15A(図12〜図16参照)は、第1実施形態に示す梯子転倒防止装置Aと第2実施形態に示す梯子転倒防止装置A1に示す挟持部開閉駆動機構15と若干相違するが、その相違は、嵌合部42の下端部に開閉リング42aを設けた点である。このように、嵌合部42の下端部に開閉リング42aを設けることにより、その開閉リング42aに開閉操作棒40A(図15参照)を引っかければ、挟持部開閉駆動機構15Aを操作することができるため、操作性が向上することとなる。
ここで、このように構成される梯子転倒防止装置A2の使用方法について、図15〜図18を参照しながら説明する。
先ず、作業者は、図15に示すように、持ち上げ棒39の上端部をクランプ体1側の嵌合部41に嵌合させ、そして開閉操作棒40Aの上端部を開閉リング42aに引っ掛ける。その際、作業者は、開閉操作棒40Aを持つ方の手と反対側の手でクランプ体1を持って保持するようにする。そして、同図に示すように、持ち上げ棒39でクランプ体1を持ち上げながら、開閉操作棒40Aを地面Gに対し垂直に立てる。
なお、クランプ体1を持ち上げる前に、地面G上において、クランプ体1の挟持部材13,14間を大き目に開いておき、また梯子保持手段2AのL字状アーム16,16を、図15に示す位置、すなわち、L字状アーム16の水平部16bが連結軸体10と直交方向となる位置になるようにセットしておく。具体的には、アーム揺動機構18の揺動操作部材38により爪34と爪車33との係合状態を離脱させておき(図13に示す破線位置に揺動操作部材38を移動)、さらに、隙間S(図12参照)内にアーム旋回機構17のアーム取付片28を収納しておく。これにより、L字状アーム16の水平部16bが連結軸体10と直交方向となる位置にセットされることとなる。
次いで、開閉操作棒40Aの下端を地面Gに付けながら、図16(a)に示すように開閉操作棒40Aと持ち上げ棒39とで、クランプ体1の開いた挟持部材13,14を建物の軒先Cに近づけていって同図の(b)に示すように軒先Cに挟み込み、開閉操作棒40Aを回転(矢印P2参照)させる。これにより、挟持部開閉駆動機構15の螺軸21が回転することとなり、もって、上クランプ3の挟持部材13と下クランプ4の挟持部材14とで軒先Cが挟持され、それによってクランプ体1が軒先Cに取り付け固定されることとなる。
次いで、クランプ体1を建物の軒先Cに取り付け固定した後、図17(a)に示すように、ガイド部材46を目印として、地面に接地させた梯子Bの上端側を倒してクランプ体1に載置する。この状態で、作業者は、地面から、L字状アーム操作棒60を用いて、L字状アーム16の当接片16cを図示上方向に向って押圧する。これにより、アーム揺動機構18が揺動し、もって、L字状アーム16が、図17(a),図18(a)に示す、図示実線位置から、破線位置に移動することとなる。
そして、L字状アーム16が、図17(a),図18(a)に示すように破線位置に移動すると、アーム取付片28が隙間Sより抜出される(解放される)こととなり、もって、アーム取付片28は、保持片52との接触から解放されることとなる。これにより、コイルバネ30によって、枢軸29(図12参照)を中心に、アーム取付片28が、図18(a)に示す矢印P3方向に90°旋回し、その位置で付勢されることとなる。しかして、これにより、L字状アーム16の水平部16bも、図18(a)に示すように、矢印P3方向に90°旋回し、もって、L字状アーム16の水平部16bが梯子Bの梯子面Bo側へ倒れる位置(図18参照)、すなわち、図17(b)に示すように、梯子Bの側枠31の前面側31bに当接する位置に保持されることとなる。
こうして梯子Bを梯子保持手段2Aによって保持した後、作業者が梯子Bを登り、図18(b)に示すように、アーム揺動機構18の揺動操作部材38を、爪34が爪車33に係合するロック位置に移動(図示破線位置から実線位置に移動)させる。これにより、L字状アーム16は、梯子Bの上端側の左右端部に、爪34が爪車33に係合する所謂ラチェット歯車ロック機構によってロックされることとなる。こうして、梯子Bは、L字状アーム16,16にて梯子Bの上端側の左右両端部を確実に掴持固定されるから、横ずれ転倒や煽り転倒が確実に防止される。
なお、梯子Bの使用を終えて梯子転倒防止装置A2を取り外す時には、作業者は、梯子Bから降りて、開閉操作棒40Aで挟持部開閉駆動機構15Aの螺軸21を取付時とは逆方向に回転させることにより、上クランプ3の挟持部材13と下クランプ4の挟持部材14との挟持状態を解除して、このクランプ体1を梯子Bごと軒先Cから取り外す。この際、クランプ体1を軒先Cから取り外す前に、持ち上げ棒39及び開閉操作棒40Aをクランプ体1側の嵌合部41,開閉リング42aより取り外しておく。
しかして、以上説明した本実施形態によれば、アーム旋回機構17のアーム取付片28を保持部材50によって、L字状アーム16の水平部16bが連結軸体10と直交方向となる位置(梯子Bの側枠31の前面側31bに対して平行方向となる位置)に保持することができる。そして、梯子Bをクランプ体1に載置した後、アーム旋回機構17のアーム取付片28を、保持部材50による保持から解放させれば、アーム旋回機構17のアーム取付片28が90°旋回することとなる。これにより、L字状アーム16の水平部16bが梯子Bの梯子面Bo側へ倒れる位置(図18参照)、すなわち、図17(b)に示すように、梯子Bの側枠31の前面側31bに当接する位置に保持されることとなる。これにより、第1実施形態に示す梯子転倒防止装置A,第2実施形態に示す梯子転倒防止装置A1のように、梯子Bの載置荷重によって、L字状アーム16の水平部16bを退避位置側へ旋回し、コイルバネ30の付勢力によって元の位置に戻す(図7(a)参照)ということがないため、屋根の傾斜が急なところで、梯子Bの載置荷重でL字状アーム16の水平部16bを退避位置側に旋回できない可能性があるということがなく、もって、どのような屋根にも対応することが可能となる。
また、上述したように、第1実施形態に示す梯子転倒防止装置Aと第2実施形態に示す梯子転倒防止装置A1と本実施形態に係る梯子転倒防止装置A2の最も大きな相違は、各梯子保持手段2にアーム旋回機構17を保持する保持部材50を設けた点であるから、第1実施形態及び第2実施形態と同一の効果を奏することとなる。
なお、第3実施形態に示す当接片16cは、L字状アーム操作棒60によって、L字状アーム16を移動させやすいようにするものであるため、必要なければ特に設けなくとも良い。
また、第3実施形態においては、挟持部開閉駆動機構15Aに開閉リング42aを設ける例を示したが、設けずとも、第1実施形態及び第2実施形態に示す挟持部開閉駆動機構15と同一の構成にしても良い。
ところで、第1実施形態〜第3実施形態に係る梯子転倒防止装置A,A1,A2は、一階建て住宅や二階建て住宅の軒先に限らず、三階建て住宅の軒先にも使用することができる。
A,A1,A2 梯子転倒防止装置
B 梯子
Bo 梯子面
C 建物の軒先
1 クランプ体
1o クランプ体の側面部
2,2A 梯子保持手段
3 上クランプ
4 下クランプ
10 連結軸体
11 枢軸体
13 上クランプの挟持部材
14 下クランプの挟持部材
15,15A 挟持部開閉駆動機構
16 梯子保持手段のL字状アーム
16a L字状アームの垂直部
16b L字状アームの水平部
17 アーム旋回機構
18 アーム揺動機構
19 連結軸体
20 連結軸体
25 嵌合部
39 持ち上げ棒
40,40A 開閉操作棒
41 嵌合部
46 ガイド部材(ガイド部)
50 保持部材(保持手段)
51 取付板
52 保持片
60 L字状アーム操作棒

Claims (7)

  1. 建物の軒先を上下から挟持するようにしたクランプ体と、このクランプ体の挟持部側とは反対側に支持させる梯子の上端側の左右両端部を保持する左右一対の梯子保持手段とを備えてなり、
    クランプ体は、側面視下向き円弧状の上クランプと、側面視上向き円弧状の下クランプとを有し、上クランプの基端側と下クランプの基端側とが枢支連結されると共に、上クランプと下クランプとの間に、上クランプの先端側の挟持部と下クランプの先端側の挟持部とを開閉するための挟持部開閉駆動機構が介装されている梯子転倒防止装置。
  2. 挟持部開閉駆動機構は、螺軸と、上クランプ及び下クランプの何れか一方のクランプの基端部に固定され、螺軸の所要部を回転自在で上下動不能に支承する軸受部材と、他方のクランプの基端部に固定され、螺軸の所要部に螺合されたナット部材と、螺軸の下端部に螺軸と一体回転可能に連結された螺軸回転操作部材とを備え、螺軸回転操作部材の正逆回転操作により、螺軸を正逆回転して、上クランプの挟持部と下クランプの挟持部とを開閉するようにしてなる請求項1に記載の梯子転倒防止装置。
  3. 各梯子保持手段は、クランプ体の左右側面部と平行に延びる垂直部の先端部から水平部を直角に突設してなるL字状アームと、このL字状アームを、水平部がクランプ体に支持される梯子の梯子面に対し離間した状態で被さるような仮保持位置とこの仮保持位置から水平部が前記梯子面の外側方へ退避する退避位置との間で旋回させると共に、L字状アームをバネによって常時仮保持位置に付勢するようしたアーム旋回機構と、前記L字状アームを、前記仮保持位置と水平部が前記梯子面に当接して梯子を本保持状態で保持する本保持位置との間で揺動させるようにしたアーム揺動機構とを備えてなる請求項1又は2に記載の梯子転倒防止装置。
  4. 各梯子保持手段は、クランプ体の左右側面部と平行に延びる垂直部の先端部から水平部を直角に突設してなるL字状アームと、このL字状アームを、水平部がクランプ体に支持される梯子の梯子面側へ旋回させるアーム旋回機構と、当該水平部がクランプ体に支持される梯子の梯子面側へ旋回しないように当該アーム旋回機構を所定位置で挿抜可能なように保持する保持手段とを備えてなる請求項1又は2に記載の梯子転倒防止装置。
  5. クランプ体には、このクランプ体を持ち上げるための持ち上げ棒の上端部を挿脱自在に嵌合する嵌合部が設けられている請求項1〜の何れかに記載の梯子転倒防止装置。
  6. クランプ体には螺軸回転操作部材の下部に、挟持部開閉駆動機構を開閉操作するための開閉操作棒の上端部を挿脱自在で相対回転不能に嵌合する嵌合部が設けられている請求項の何れかに記載の梯子転倒防止装置。
  7. クランプ体の左右側面部には、梯子を当該クランプ体に案内するガイド部が設けられてなる請求項1〜の何れかに記載の梯子転倒防止装置。
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