JP2011202470A - 脚立の転倒防止具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】脚立Aの脚部ALに沿って固定される固定フレーム1と、テーパ状の当接面20を持つ楔部2と、楔部2に下方に向って移動する力を付与する付勢手段4と、固定フレームに対し回動可能な回動脚5と、軸部50から径方向に突出し回動脚を開方向に回動させることで、固定フレームの下端位置Pdの楔部2の下端21を押し上げて付勢手段4に抗して楔部2を上方に向って移動させ、かつ、楔部2を押し上げた後に付勢手段4により下方に移動する楔部2の当接面20に当接することで、回動脚5が閉方向に回動するのを阻止して脚立Aの転倒を防止する当接部材51とを備えている。
【選択図】図1
Description
ここで、脚立に乗った作業者がバランスを崩すと前記左右方向(図8)に脚立が転倒するおそれがある。そのため、従来より、脚立に転倒を防止するための転倒防止具を取り付けたものが提案されている(特許文献1および2参照)。
しかし、転倒を十分に防止するには前記補助脚を大きく、かつ、厚く形成する必要があり脚立が重くなる。
しかし、脚立の転倒を十分に防止できる開度に前記補助脚を開くには、長いラックを設ける必要があり軽量化が難しい。
さらに、脚部にワンウェイクラッチを設けて補助脚の開度を調節することが考えられる。しかし、ワンウェイクラッチを用いた場合には、バックラッシュが生じる場合があり、安定性が損なわれるおそれがある。
また、長いラックを形成する必要がないので、転倒防止具の軽量化が可能となる。
さらに、市販のワンウェイクラッチを用いるのと異なり、製造コストも安くなる。
また、市販の脚立に本転倒防止具を後付けすることができるので、現場への出入り業者に本転倒防止具の取り付けを義務づけるなどして安全性の向上を容易に図り得る。
かかる態様によれば、固定フレームから突出した操作部を操作して前記楔部を上端位置まで容易に持ち上げることができる。この状態で前記回動脚を閉方向に回動させて収納することができる。
かかる態様によれば、前記楔部を上端位置において移動しない状態を保持できる。そのため、回動脚の閉方向への移動が容易になる。
かかる態様によれば、回動脚を折り畳むと前記保持が解除されるので、前記回動脚を開方向へ回動させる間に前記押し上げ動作が確実に行われ、押し上げ後に前記当接部材が当接面に当接する。したがって、使用状態において回動脚が開いた状態であるにもかかわらず、当接部材が当接面に当接していないという事態を未然に防止することができる。
ここで、使用状態において、回動脚が開方向に自重で開くと、脚立の下端が接地しない状態で回動脚の下端が接地し、本転倒防止具に作業者の体重等が負荷される事態となる。これに対し本態様では、自重回動防止手段を設けたので、使用状態において回動脚が開方向に自重で開かないため、前述のような事態を防止し得る。
図8に示す脚立Aは4脚の脚部ALを備えており、一対の脚部AL間には複数段の踏み子A1が架け渡されている。使用時には、前記踏み子A1が掛け渡された一対の脚部AL同士が互いに所定の角度開かれる。
前記一対の脚部ALにおいて、踏み子A1の左右方向Xの外側面には、転倒防止具Bが図示しないボルト・ナットやブラケットにより取り付けられている。
図7に示すように、前記転倒防止具Bは、脚立Aの脚部ALに沿って固定される長尺状の固定フレーム1と、前記回動中心Oを中心に下方に向かう開方向Roおよび、図6に示す上方に向かう閉方向Rsに回動可能な長尺状の回動脚5とを備えている。
なお、図9に示す前記転倒防止具Bは、片側の一対の脚部ALにそれぞれ取り付けられてもよいし、4脚の脚部AL全てに取り付けられてもよい。
図5Bおよび図5Cに示すように、前記固定フレーム1は、脚部ALに固定される固定面1aを有する断面コ字状に形成されている。
図1Aに示すように、前記固定フレーム1内には、板状の摺動ガイド1cが固定されている。
固定フレーム1内には、スライダからなる楔部2が設けられている。楔部2は、前記摺動ガイド1cの表面1fに接する第1面20fと、前記当接面20の反対側に設けられた当接面20とを備えている。楔部2は、該楔部2の第1面20fが、前記摺動ガイド1cの表面1fに沿って上下方向Zに摺動自在に設けられている。
前記楔部2は、図1Aに示す下端位置Pdと、図4Aに示す上端位置Puとの間を上下方向Zに往復自在に設けられている。
前記楔部2の上端にはロッド30が固定されている。前記固定フレーム1には、ロッド30を上下方向Zに摺動自在に保持する案内手段3が上下に2箇所設けられている。前記案内手段3はロッド30の周囲に形成されており、ロッド30の上下方向Zの移動を案内する。
固定フレーム1には前記回動中心Oを有する固定軸1bが固定されている。前記回動脚5には、前記回動中心Oを中心に固定フレーム1に対し前記回動脚5を回動可能に支持する軸部50が一体に固着されて設けられている。軸部50は固定軸1bに回動自在に支持されている。
図1A〜図4Bに示すように、回動脚5は固定フレーム1に対し回動中心Oを中心に下方Z1に向かう開方向Ro、および上方Z2に向かう閉方向Rsに回動可能な長尺状に形成されている。
図1Aに示す前記回動脚5の固定軸1b側の先端部分には、当接部材51が突出して軸部50に一体に形成されている。前記当接部材51は、軸部50から(軸部50の)径方向に突出していると共に、回動脚5に対して所定の角度に固定されている。
したがって、当接面20に当接部材51が当接することで、回動脚5を任意の角度で無段階に閉方向Rsに固定することができる。
図1Aに示すように、ロッド30の上端部には括れ部61が形成されている。一方、固定フレーム1には、図5Aおよび図5Bに示すように、前記括れ部61の両側面を挟み保持する保持部材60が一対設けられている。
ロッド30が前記操作部31によって図5Aに示す上端位置Puまで押し上げられると、前記両保持部材60によりロッド30の上部の括れ部61の両側面が、保持部材60によって挟まれ、ロッド30が上端位置で保持される。
したがって、保持部材60および括れ部61は楔部2を上端位置Puで保持する保持手段6を構成している。
図5Bに示すように、固定フレーム1の横断面は、概ね凹字状に形成されている。
前記保持部材60には、一対の両保持部材60を押し広げるための解除手段7がそれぞれ一体に形成されている。解除手段7は保持部材60と括れ部61との係合を解くためのものである。
図1Aに示すように、回動脚5を回動させて、前記凹字状の回動脚5内に折り畳むと、両解除板7(図5B)が図1Aの回動脚5の側面によって押し広げられる。保持部材60は解除板7と一体に形成されているので、両保持部材60の間隔が広げられ、保持部材60と括れ部61との係合が解け、付勢手段4によってロッド30が下端位置まで下降する。
図2Bおよび図3Aに示すように、前記固定軸1bには第2スプリング8が設けられている。図5Cに示すように、前記第2スプリング8は固定フレーム1および当接部材51に係合している。そのため、図2Bおよび図3Aに示すように回動脚5を任意の角度で固定した後、該脚立Aを持ち上げても第2スプリング8に付勢されたバネ力により固定フレーム1に対する回動脚5の角度が固定される。そのため、脚立Aを移動させても回動脚5の自重により固定フレーム1と回動脚5との角度が変わるおそれがない。
したがって、第2スプリング8は自重回動防止手段を構成している。
また、図6に示すように、回動脚5の先端には、地面などの接地面に接地した場合に、回動脚5の先端が滑るのを防止するための滑り止め5bが設けられている。前記滑り止め5bは、たとえば、ゴムなどで形成されている。
図8に示すように、回動脚5は収納状態に位置している。
まず、脚立Aの脚部ALを開いて脚立Aを立たせる。その後、図7に示す回動脚5の固定フレーム1から突出した部分(レバー部)5cを持ち、回動脚5を開方向Roに開く。
さらに、回動脚5を開方向Roに回動させると、図2Aに示すように、当接部材51の先端部分が楔部2の下端21を押し上げる。楔部2が押し上げられることにより、ロッド30が上方Z2に移動されて第1スプリング4が縮む。
ここで、図3Aの回動脚5が前記当接第1限界よりも大きく開かれることで、第1スプリング4が伸張し始め、当接面20が第1スプリング4により下方Z1に付勢される。そのため、回動脚5が閉方向Rsに回動しようとしても、当接部材51の先端と面1fとの間に楔部2が食い込むように入り込んでおり、回動脚5は閉方向Rs方向には回動しない。
したがって、図9に示すように、回動脚5によって左右方向Xに脚立Aが支持されることにより、脚立Aの左右方向Xへの転倒を防止することができる。
かかる使用状態において、作業者は脚立Aに登って作業を行う。
すなわち、前述した自重回動防止手段により、当接部材51が楔部2の当接面20に当接して回動脚5が閉方向Rsに回動するのを阻止した使用状態において、回動脚5の自重で回動脚5が開方向Roに回動するのが防止される。
なお、回動脚5と、該回動脚5が接地する接地面とがなす角度は、一般に、概ね45°程度に設定するのが好ましい。
また、前記回動脚5は、図3Bに示す当接第2限界まで開くことが可能である。
括れ部61の係合が解除されると、スプリング4のバネ力により楔部2が上端位置Puから、図1Aに示す下端位置Pdまで下降する。
一方、回動脚5は、図6に示す凹部5aが、図1Aに示す凸部7aに係合し、収納状態に固定される。
1f:面
2:楔部
3:案内手段
4:付勢手段
5:回動脚
6:保持手段
7:解除手段
20:当接面
21:下端
30:ロッド
31:操作部
50:軸部
51:当接部材
A:脚立A
AL:脚部
O:回動中心
Pu:上端位置
Pd:下端位置
Ro:開方向
Rs:閉方向
Claims (5)
- 脚立の脚部に沿って固定される長尺状の固定フレームと、
固定フレームの面に沿って上端位置と下端位置との間を上下に往復移動可能に設けられ、前記固定フレームの面に接する第1面、ならびに、前記第1面の反対側に設けられ下方に向かうに従い前記脚立の前記脚部に近づくテーパ状の当接面を持つ楔部と、
前記楔部が上下に移動するのを案内する案内手段と、
前記楔部に下方に向って移動する力を付与する付勢手段と、
前記固定フレームに対し回動中心を中心に下方に向かう開方向および上方に向かう閉方向に回動可能な長尺状の回動脚と、
前記回動脚を前記回動中心を中心に前記固定フレームに対し回動可能に支持する軸部と、
前記軸部から径方向に突出し前記回動脚を前記開方向に回動させることで、前記固定フレームの前記下端位置の前記楔部の下端を押し上げて前記付勢手段に抗して前記楔部を上方に向って移動させ、かつ、前記楔部を押し上げた後に前記付勢手段により下方に移動する楔部の前記当接面に当接することで、前記回動脚が前記閉方向に回動するのを阻止して前記脚立の転倒を防止する当接部材と、
を備えた脚立の転倒防止具。 - 請求項1において、前記楔部の上端に固定されたロッドと、
前記固定フレームから突出し、前記楔部を前記ロッドと共に上方の前記上端位置に持ち上げるための操作部とを更に備えた脚立の転倒防止具。 - 請求項2において、前記楔部が前記上端位置において移動しないように、前記ロッドまたは操作部を保持する保持手段を更に備えた脚立の転倒防止具。
- 請求項3において、前記固定フレームの横断面が概ね凹字状に形成され、前記凹字状の固定フレーム内に前記回動脚を折り畳むと、前記保持手段による保持を解除する解除手段を更に備えた脚立の転倒防止具。
- 請求項1において、前記当接部材が前記楔部の前記当接面に当接して前記回動脚が前記閉方向に回動するのを阻止した使用状態において、前記回動脚の自重で前記回動脚が前記開方向に回動するのを防止する自重回動防止手段を更に備えた脚立の転倒防止具。
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