JP6196178B2 - 酸性ガス含有ガス処理用分離膜、及び酸性ガス含有ガス処理用分離膜の製造方法 - Google Patents
酸性ガス含有ガス処理用分離膜、及び酸性ガス含有ガス処理用分離膜の製造方法 Download PDFInfo
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Description
無機多孔質支持体と、
前記無機多孔質支持体の表面に形成されるシリカ微粒子結合体を含む中間層と、
前記中間層の上に形成される炭化水素基含有ポリシロキサン網目構造体を含む分離層と、
を備えたことにある。
前記シリカ微粒子結合体は、コロイダルシリカの焼結反応によって得られる単一構造体であり、
前記炭化水素基含有ポリシロキサン網目構造体は、テトラアルコキシシラン及び炭化水素基含有トリアルコキシシランのゾル−ゲル反応によって得られる複合構造体であることが好ましい。
前記テトラアルコキシシランは、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランであり、
前記炭化水素基含有トリアルコキシシランは、トリメトキシシラン又はトリエトキシシランのSi原子に炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基が結合したものであることが好ましい。
前記分離層に、酸性ガスと親和性を有する金属塩を添加してあることが好ましい。
前記金属塩は、Li、Na、K、Mg、Ca、Ni、Fe、及びAlからなる群から選択される少なくとも一種の金属の酢酸塩、硝酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、又はリン酸塩であることが好ましい。
前記中間層の目付量は、0.1〜3.0mg/cm2であり、
前記分離層の目付量は、0.1〜4.0mg/cm2であることが好ましい。
前記無機多孔質支持体は、4〜200nmの微細孔を有することが好ましい。
前記無機多孔質支持体の表面から深さ方向に前記テトラアルコキシシラン又は前記炭化水素基含有トリアルコキシシランが染み込む距離は、50μm以下であることが好ましい。
(a)コロイダルシリカ、及び有機溶媒を混合した第一混合液、並びにテトラアルコキシシラン、炭化水素基含有トリアルコキシシラン、酸触媒、水、及び有機溶媒を混合した第二混合液を調整する準備工程と、
(b)前記第一混合液を無機多孔質支持体の表面に塗布する第一塗布工程と、
(c)前記第一塗布工程が完了した無機多孔質支持体を熱処理し、当該無機多孔質支持体の表面にシリカ微粒子結合体を含む中間層を形成する中間層形成工程と、
(d)前記第二混合液を前記中間層の上に塗布する第二塗布工程と、
(e)前記第二塗布工程が完了した無機多孔質支持体を熱処理し、前記中間層の上に炭化水素基含有ポリシロキサン網目構造体を含む分離層を形成する分離層形成工程と、
を包含することにある。
前記第一塗布工程及び前記中間層形成工程を、両工程をセットとして複数回反復することが好ましい。
前記第二塗布工程及び前記分離層形成工程を、両工程をセットとして複数回反復することが好ましい。
本発明の酸性ガス含有ガス処理用分離膜は、例えば、生ごみ等を生物学的処理することによって得られる消化ガスを処理するためのものである。消化ガスは、酸性ガス(二酸化炭素を主成分とし、その他に硫化水素等を含む)とメタンガスとを含有する混合ガスであるが、本明細書では、消化ガスを二酸化炭素とメタンガスとを含有する混合ガスとして取り扱う。従って、以後の説明では、酸性ガスとして二酸化炭素を例に挙げて説明し、酸性ガス含有ガス処理用分離膜については、便宜上、二酸化炭素を選択的に誘引する二酸化炭素分離膜として説明する。ただし、本発明の酸性ガス含有ガス処理用分離膜は、メタンガスを選択的に誘引するメタンガス分離膜として構成することも可能であり、さらには、二酸化炭素とメタンガスとを同時に分離可能な二酸化炭素/メタンガス分離膜とすることも可能である。以後、酸性ガス含有ガス処理用分離膜を、単純に「分離膜」と称する場合がある。
中間層は、シラン化合物を含むように構成される。本実施形態の中間層は、シリカ微粒子結合体を含む。シリカ微粒子結合体は、コロイダルシリカの焼結反応によって得られる。
分離層は、炭化水素基含有ポリシロキサン網目構造体を含む。そして、炭化水素基含有ポリシロキサン網目構造体は、テトラアルコキシシラン及び炭化水素基含有トリアルコキシシランのゾル−ゲル反応によって得られる。
本発明の酸性ガス含有ガス処理用分離膜は、以下の工程(a)〜(e)を実施することにより製造される。以下、各工程について詳細に説明する。
準備工程として、コロイダルシリカ、及び有機溶媒を混合した第一混合液(シリカゾル)を調製する。第一混合液は、次工程の「第一塗布工程」において使用されるものである。第一混合液は、シリカ微粒子の濃度(シリカ固形分濃度)が1〜10重量%に調製されることが好ましく、より好ましくは2〜7重量%、さらに好ましくは3〜5%に調製される。シリカ固形分濃度が1重量%未満の場合、混合液のコーティング回数(工程数)が増加して生産効率が低下する。また、混合液の粘度が小さくなるため塗布時に液垂れ等の問題が発生する。シリカ固形分濃度が10%を超える場合、混合液の粘度が大きくなるため均一な塗膜の形成が困難となり、緻密で均一な分離膜が得られ難くなる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンゼン、トルエン等が使用される。これらのうち、メタノール又はエタノールが好ましい。
第一塗布工程として、準備工程で得られた第一混合液(シリカ微粒子のコロイド溶液又は懸濁液)を無機多孔質支持体に塗布する。無機多孔質支持体に第一混合液を塗布する方法は、例えば、ディッピング法(内部浸漬法)、スプレー法、スピン法等が挙げられる。これらのうち、ディッピング法は、無機多孔質支持体の表面に混合液を均等且つ容易に塗布できるため、好ましい塗布方法である。ディッピング法の具体的な手順について説明する。
先ず、管状の無機多孔質支持体を用意する。無機多孔質支持体を立直状態として上方の開口部から第一混合液を注入し、下方の開口部から排出させる。これにより、無機多孔質支持体の内部表面に第一混合液が付着する。次いで、無機多孔質支持体を乾燥させる。乾燥条件は、25〜40℃で0.5〜3時間とすることが好ましい。乾燥時間が0.5時間未満では十分な乾燥ができず、3時間を超えても乾燥状態は殆ど変化しない。乾燥が終わると、無機多孔質支持体の内部表面(一部の微細孔の内面を含む)にシリカ微粒子が付着したものが得られる。なお、無機多孔質支持体への第一混合液の注入を複数回繰り返すことにより、無機多孔質支持体へのシリカ微粒子の付着量を増加させることができる。また、一連の手順を繰り返すことで、無機多孔質支持体に第一混合液を均一に塗布することができるため、最終的に得られる酸性ガス含有ガス処理用分離膜をより安定させることができる。
中間層形成工程として、第一塗布工程が完了した無機多孔質支持体を熱処理し、当該無機多孔質支持体の表面にシリカ微粒子結合体を形成する。熱処理は、例えば、焼成器等の加熱手段が用いられる。熱処理の具体的な手順について説明する。
先ず、無機多孔質支持体を後述の熱処理温度に達するまで昇温する。昇温時間は、1〜24時間が好ましい。昇温時間が1時間より短いと急激な温度変化により均一な膜が得られ難く、24時間より長いと長時間の加熱により膜が劣化する虞がある。昇温後、一定時間で熱処理(焼成)を行う。熱処理温度は、25〜600℃が好ましく、25〜500℃がより好ましい。熱処理温度が25℃より低いと十分な熱処理を行えないため緻密な膜が得られず、600℃より高いと高温の加熱により膜が劣化する虞がある。熱処理時間は、0.5〜10時間が好ましく、5〜7時間がより好ましい。熱処理時間が0.5時間より短いと十分な熱処理を行えないため緻密な膜が得られず、10時間より長いと長時間の加熱により膜が劣化する虞がある。熱処理が終わったら、無機多孔質支持体を室温まで冷却する。冷却時間は、5〜10時間が好ましい。冷却時間が5時間より短いと急激な温度変化により膜に亀裂や剥離が発生する虞があり、10時間より長いと膜が劣化する虞がある。冷却後の無機多孔質支持体の内部表面(一部の微細孔の内面を含む)には中間層が形成される。中間層は、目付量が0.1〜3.0mg/cm2に調整され、好ましくは0.3〜1.5mg/cm2に調整される。なお、「中間層形成工程」の後、上述した「第一塗布工程」に戻り、第一塗布工程と中間層形成工程とをセットとして、これを複数回繰り返すと、無機多孔質支持体の表面に、より緻密で且つ均一な膜質の中間層を形成することができる。
第二塗布工程として、中間層形成工程によって中間層が形成された無機多孔質支持体に第二混合液(炭化水素基含有ポリシロキサン微粒子のコロイド溶液又は懸濁液)を塗布する。第二塗布工程で塗布される第二混合液は、中間層を介して無機多孔質支持体に塗布されるため、無機多孔質支持体への第二混合液の染み込み量(無機多孔質支持体の表面から深さ方向にテトラアルコキシシラン又は炭化水素基含有トリアルコキシシランが染み込む距離)を50μm以下に抑えることができる。従って、無機多孔質支持体の微細孔が過度に塞がれることがなく、後述の分離層形成工程により完成した酸性ガス含有ガス処理用分離膜に消化ガスを通過させた場合、ガス通過量(消化ガスの処理量)を維持することができる。また、無機多孔質支持体に塗布する中間層及び分離層の形成材料(ゾル)の塗布量を低減することができるため、酸性ガス含有ガス処理用分離膜の製造コストの削減にも寄与し得る。第二混合液を塗布する方法及び条件は、第一塗布工程と同様である。第二塗布工程においても、無機多孔質支持体への第二混合液の注入を複数回繰り返すことにより、無機多孔質支持体への炭化水素基含有ポリシロキサン微粒子の付着量を増加させることができる。また、一連の手順を繰り返すことで、無機多孔質支持体に第二混合液を均一に塗布することができるため、最終的に得られる酸性ガス含有ガス処理用分離膜の分離性能をより向上させることができる。
分離層形成工程として、第二塗布工程が完了した無機多孔質支持体を熱処理し、当該無機多孔質支持体の表面に炭化水素基含有ポリシロキサン網目構造体を形成する。熱処理の具体的な手順について説明する。
先ず、無機多孔質支持体を後述の熱処理温度に達するまで昇温する。昇温時間は、1〜24時間が好ましい。昇温時間が1時間より短いと急激な温度変化により均一な膜が得られ難く、24時間より長いと長時間の加熱により膜が劣化する虞がある。昇温後、一定時間で熱処理(焼成)を行う。熱処理温度は、25〜300℃が好ましく、25〜150℃がより好ましい。熱処理温度が25℃より低いと十分な熱処理を行えないため緻密な膜が得られず、300℃より高いと高温の加熱により膜が劣化する虞がある。熱処理時間は、0.5〜10時間が好ましく、5〜7時間がより好ましい。熱処理時間が0.5時間より短いと十分な熱処理を行えないため緻密な膜が得られず、10時間より長いと長時間の加熱により膜が劣化する虞がある。熱処理が終わったら、無機多孔質支持体を室温まで冷却する。冷却時間は、5〜10時間が好ましい。冷却時間が5時間より短いと急激な温度変化により膜に亀裂や剥離が発生する虞があり、10時間より長いと膜が劣化する虞がある。冷却後の無機多孔質支持体の表面(一部の微細孔の内面を含む)には分離層が形成される。分離層は、目付量が0.1〜4.0mg/cm2に調整され、好ましくは0.5〜2.0mg/cm2に調整される。なお、「分離層形成工程」の後、上述した「第二塗布工程」に戻り、第二塗布工程と分離層形成工程とをセットとして、これを複数回繰り返すと、無機多孔質支持体の表面に、より緻密で且つ均一な膜質の分離層を形成することができる。
上述の実施形態で説明した「酸性ガス含有ガス処理用分離膜の製造方法」に従って、分離膜である二酸化炭素分離膜を作製した。実施例において、中間層の形成に使用するコロイダルシリカとして日産化学工業株式会社製のコロイダルシリカ「スノーテックス(登録商標)」シリーズ(詳細は、各実施例の説明を参照)を使用し、有機溶媒として2−プロパノール(和光純薬工業株式会社製 試薬特級 99.5%)を使用した。また、全ての実施例及び比較例に共通で、テトラアルコキシシランとしてテトラエトキシシラン(信越化学工業株式会社製 信越シリコーンLS−2430)を使用し、炭化水素基含有トリアルコキシシランとしてメチルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製 信越シリコーンLS−1890)を使用し、酸触媒として硝酸(和光純薬工業株式会社製 試薬特級 69.5%)を使用し、有機溶媒としてエタノール(和光純薬工業株式会社製 試薬特級 99.5%)を使用した。実施例1〜4及び比較例1及び2で使用した原材料の配合を表1に示す。
分離膜の作製に先立ち、中間層形成用シリカゾル(第一混合液)及び分離層形成用アルコキシド溶液(第二混合液)を準備した。表1の配合に従って、コロイダルシリカ、2−プロパノールの混合液を2時間攪拌することにより、中間層形成用シリカゾルを調製した。コロイダルシリカは、日産化学工業株式会社製のコロイダルシリカ(商品名:スノーテックス(登録商標)OXS)を使用した。また、表1の配合に従って、水、硝酸、エタノールの混合液を30分間攪拌し、次いでテトラエトキシシランを添加して1時間攪拌し、次いでメチルトリエトキシシランを添加して2.5時間攪拌し、次いで酢酸マグネシウム六水和物を添加して2時間攪拌することにより、分離層形成用アルコキシド溶液(第二混合液)を調製した。
上記のように調製した中間層形成用シリカゾル及び分離層形成用アルコキシド溶液を無機多孔質支持体に塗布し、中間層及び分離層を備える二酸化炭素分離膜を作製した。無機多孔質支持体として、日本ガイシ株式会社製のセラミックフィルター「セフィルト(登録商標)」(φ3−37穴、分画分子量1万)を使用した。この無機多孔質支持体は、モノリス構造を有するアルミナ系セラミックス管状体である。先ず、無機多孔質支持体の内部表面に中間層形成用シリカゾルをディッピング法(内部浸漬法)によって塗布した。具体的には、無機多孔質支持体の上部にシリコーンチューブを接続し、チューブの一部をクリップで狭持した。チューブに中間層形成用シリカゾル200gを流し込んだ後、クリップを外して中間層形成用シリカゾルを無機多孔質支持体に注入し、無機多孔質支持体の内部表面に付着させた。無機多孔質支持体への中間層形成用シリカゾルの注入は2回行った。室温で1時間放置後、この一連の作業を2回繰り返し、焼成器で熱処理を行った。熱処理条件は、室温(25℃)から500℃まで5時間かけて加熱し、500℃で2時間保持し、25℃まで5時間かけて冷却した。上記の作業(内部コーティング)は1回のみ実施し、無機多孔質支持体の内部表面に中間層を形成した。中間層のコーティング量は175mgであり、目付量は0.63mg/cm2であった。次に、中間層を形成した無機多孔質支持体の内部表面に分離層形成用アルコキシド溶液をディッピング法(内部浸漬法)によって塗布した。ディッピング法は、中間層の場合と同様に実施した。分離層の熱処理条件は、室温(25℃)から150℃まで5時間かけて加熱し、150℃で2時間保持し、25℃まで5時間かけて冷却した。上記の作業(コーティング)を4回繰り返し、中間層の上に分離層を形成した。分離層のコーティング量は383mgであり、目付量は1.37mg/cm2であった。以上により、実施例1の分離膜を完成させた。実施例1の分離膜について、SEM−EDSによるSiの成分分析より、管状体へのアルコキシド溶液の染み込み量(無機多孔質支持体の表面から深さ方向にテトラアルコキシシラン又は炭化水素基含有トリアルコキシシランが染み込む距離)を求めたところ、10μmであった。
中間層形成用シリカゾル(第一混合液)及び分離層形成用アルコキシド溶液(第二混合液)を準備し、これらを無機多孔質支持体であるモノリス構造を有するアルミナ系セラミックス管状体に塗布及び熱処理し、実施例2の中間層及び分離層を備える二酸化炭素分離膜を作製した。
表1の配合に従って、実施例1と同様の手順で、実施例2で使用する中間層形成用シリカゾル及び分離層形成用アルコキシド溶液を調製した。コロイダルシリカは、日産化学工業株式会社製のコロイダルシリカ(商品名:スノーテックス(登録商標)OXS)を使用した。さらに、実施例1と同様の作製手順及び作製条件により、中間層のコーティング作業を1回、分離層のコーティング作業を4回実施し、実施例2の分離膜を完成させた。実施例2の分離膜は、中間層のコーティング量が145mg、目付量が0.52mg/cm2であり、分離層のコーティング量が371mg、目付量が1.33mg/cm2であった。また、管状体へのアルコキシド溶液の染み込み量は13μmであった。
中間層形成用シリカゾル(第一混合液)及び分離層形成用アルコキシド溶液(第二混合液)を準備し、これらを無機多孔質支持体であるモノリス構造を有するアルミナ系セラミックス管状体に塗布及び熱処理し、実施例3の中間層及び分離層を備える二酸化炭素分離膜を作製した。
表1の配合に従って、実施例1と同様の手順で、実施例3で使用する中間層形成用シリカゾル及び分離層形成用アルコキシド溶液を調製した。コロイダルシリカは、日産化学工業株式会社製のコロイダルシリカ(商品名:IPA−ST)を使用した。さらに、実施例1と同様の作製手順及び作製条件により、中間層のコーティング作業を2回、分離層のコーティング作業を4回実施し、実施例3の分離膜を完成させた。実施例3の分離膜は、中間層のコーティング量が149mg、目付量が0.53mg/cm2であり、分離層のコーティング量が419mg、目付量が1.50mg/cm2であった。また、管状体へのアルコキシド溶液の染み込み量は25μmであった。
中間層形成用シリカゾル(第一混合液)及び分離層形成用アルコキシド溶液(第二混合液)を準備し、これらを無機多孔質支持体であるモノリス構造を有するアルミナ系セラミックス管状体に塗布及び熱処理し、実施例4の中間層及び分離層を備える二酸化炭素分離膜を作製した。
表1の配合に従って、実施例1と同様の手順で、実施例4で使用する中間層形成用シリカゾル及び分離層形成用アルコキシド溶液を調製した。コロイダルシリカは、日産化学工業株式会社製のコロイダルシリカ(商品名:IPA−ST−UP)を使用した。さらに、実施例1と同様の作製手順及び作製条件により、中間層のコーティング作業を2回、分離層のコーティング作業を4回実施し、実施例4の分離膜を完成させた。実施例4の分離膜は、中間層のコーティング量が151mg、目付量が0.54mg/cm2であり、分離層のコーティング量が427mg、目付量が1.53mg/cm2であった。また、管状体へのアルコキシド溶液の染み込み量は28μmであった。
分離層形成用アルコキシド溶液を準備し、これを無機多孔質支持体であるモノリス構造を有するアルミナ系セラミックス管状体に塗布及び熱処理し、比較例1の二酸化炭素分離膜を作製した。比較例1は、中間層を有さない分離膜である。
表1の配合に従って、水、硝酸、エタノールの混合液を30分間攪拌し、次いでテトラエトキシシランを添加して1時間攪拌し、次いでメチルトリエトキシシランを添加して2.5時間攪拌し、次いで酢酸マグネシウム六水和物を添加して2時間攪拌することにより、分離層形成用アルコキシド溶液を調製した。
無機多孔質支持体の内部表面に分離層形成用アルコキシド溶液をディッピング法(内部浸漬法)によって塗布した。ディッピング法は、実施例1における分離層の場合と同様に実施した。分離層の熱処理条件は、室温(25℃)から150℃まで5時間かけて加熱し、150℃で2時間保持し、25℃まで5時間かけて冷却した。上記の作業(コーティング)を8回繰り返して無機多孔質支持体の内部表面に分離層を形成し、比較例1の分離膜を完成させた。比較例1の分離膜は、中間層を有しておらず、分離層のコーティング量が655mgであり、目付量が2.35mg/cm2であった。また、管状体へのアルコキシド溶液の染み込み量は156μmであり、実施例1〜4と比べて染み込み量が大きいものであった。
分離層形成用アルコキシド溶液を準備し、これを無機多孔質支持体であるモノリス構造を有するアルミナ系セラミックス管状体に塗布及び熱処理し、比較例2の二酸化炭素分離膜を作製した。比較例2は、中間層を有さない分離膜である。
表1の配合に従って、比較例1と同様の手順で、比較例2で使用する分離層形成用アルコキシド溶液を調製した。さらに、比較例1と同様の作製手順及び作製条件により、比較例2の分離膜を完成させた。比較例2の分離膜は、中間層を有しておらず、分離層のコーティング量が736mgであり、目付量が2.64mg/cm2であった。また、管状体へのアルコキシド溶液の染み込み量は123μmであり、実施例1〜4と比べて染み込み量が大きいものであった。
実施例1〜4及び比較例1及び2の分離膜について、二酸化炭素の分離性能に関する確認試験を行った。この確認試験では、分離膜に二酸化炭素を透過させたときの気体透過速度〔P(CO2)〕、及び同じ分離膜に窒素を透過させたときの気体透過速度〔P(N2)〕を測定した。ここで、窒素の気体分子径は3.64Åであり、二酸化炭素の気体分子径は3.3Åである。このため、窒素よりも気体分子径が小さい二酸化炭素は分離膜を透過し易い。従って、このような気体によって異なる性質を利用し、さらに膜の構成を適切に設定すれば、二酸化炭素を含有する消化ガスから二酸化炭素を分離することが可能となる。
2 圧力ゲージ
3 チャンバー
4 質量流量計
5 分離膜
6 耐熱ガラス管
7 Oリング
10 気体透過速度測定装置
Claims (6)
- 無機多孔質支持体と、
前記無機多孔質支持体の表面に形成されるシリカ微粒子結合体を含む中間層と、
前記中間層の上に形成される炭化水素基含有ポリシロキサン網目構造体を含む分離層と、
を備えた酸性ガス含有ガス処理用分離膜であって、
前記シリカ微粒子結合体は、コロイダルシリカの焼結反応によって得られる単一構造体であり、
前記炭化水素基含有ポリシロキサン網目構造体は、テトラアルコキシシラン及び炭化水素基含有トリアルコキシシランのゾル−ゲル反応によって得られる複合構造体であり、
前記無機多孔質支持体の表面から深さ方向に前記テトラアルコキシシラン又は前記炭化水素基含有トリアルコキシシランが染み込む距離は、28μm以下である酸性ガス含有ガス処理用分離膜。 - 前記テトラアルコキシシランは、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランであり、
前記炭化水素基含有トリアルコキシシランは、トリメトキシシラン又はトリエトキシシランのSi原子に炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基が結合したものである請求項1に記載の酸性ガス含有ガス処理用分離膜。 - 前記分離層に、酸性ガスと親和性を有する金属塩を添加してある請求項1又は2に記載の酸性ガス含有ガス処理用分離膜。
- 前記金属塩は、Li、Na、K、Mg、Ca、Ni、Fe、及びAlからなる群から選択される少なくとも一種の金属の酢酸塩、硝酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、又はリン酸塩である請求項3に記載の酸性ガス含有ガス処理用分離膜。
- 前記中間層の目付量は、0.1〜3.0mg/cm2であり、
前記分離層の目付量は、0.1〜4.0mg/cm2である請求項1〜4の何れか一項に記載の酸性ガス含有ガス処理用分離膜。 - 前記無機多孔質支持体は、4〜200nmの微細孔を有する請求項1〜5の何れか一項に記載の酸性ガス含有ガス処理用分離膜。
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