JP6195376B2 - 鋼管矢板の打設用の定規、鋼管矢板の打設方法及び該鋼管矢板の打設方法に用いる旋回掘削装置 - Google Patents
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それぞれ第1列と第2列の二つの列に沿って、第1の距離だけ離間して互いに対向して並べられて障害地盤に打設された複数の長尺の導杭、
前記第1列に沿って並べられて打設された複数の導杭の杭頭上に延びる鋼材からなる第1の上部ガイド部、
前記第2列に沿って並べられて打設された複数の導杭の杭頭上に延びる鋼材からなる第2の上部ガイド部、
前記第1列に沿って並べられて、前記第1の上部ガイド部の下方において該第1列に沿って延びる鋼材からなる第1の下部ガイド部、及び
前記第2列に沿って並べられて、前記第2の上部ガイド部の下方において該第2列に沿って延びる鋼材からなる第2の下部ガイド部
からなり、前記第1の下部ガイド部及び前記第2の下部ガイド部それぞれに鋼管矢板を押圧・把持する把持機構が第2の距離をあけて設けられてなる
ことを特徴とする。
前記第1の態様に係る鋼管矢板の打設するための定規を用いて、中空円筒状の鋼管部と、該鋼管部の外面にその長手方向に沿って設けられた第1副体部と、前記鋼管部の軸心に関して前記第1副体部の対称位置において前記鋼管部の外面に設けられた第2副体部とからなる鋼管矢板を、振動式杭打機と、回転掘削装置とを併用して、複数本の鋼管矢板の隣接する2本の鋼管矢板の一方の鋼管矢板の第1副体と他方の鋼管矢板の第2副体とが係合するように打設する鋼管矢板の打設方法であって、
(a)前記定規を用いて第1の鋼管矢板を建て込む工程、
(b)前記振動式杭打機により、第1の鋼管矢板を岩盤まで打込む工程、
(c)ダウンザホールハンマを用いて、先削孔する工程、
(d)前記工程(c)の後、第1の鋼管矢板を引き上げ、該第1の鋼管矢板の上端部から、回転掘削装置を該鋼管矢板に挿通し、該第1の鋼管矢板の下端部から該回転掘削装置を露出させ、その切削部の刃の向きを下向きにセットして固定する工程、
(e)前記回転掘削装置により岩盤を切削しつつ、振動式杭打機により前記第1の鋼管矢板を岩盤内に圧入する工程、
(f)予め定められた深さまで削孔が完了すると、一旦前記振動式杭打機と前記回転掘削装置を停止し、前記回転掘削装置の刃の向きを上向きにセットして、旋回径を工程(d)のときよりも大きくして固定し、再び前記回転掘削装置を駆動して、上方に掘削し、前記第1の鋼管矢板の下端部に回転掘削装置が露出した状態で穴(HL)から出されると、回転掘削装置を停止し、前記第1の鋼管矢板から除去する工程、
(g)前記工程(f)の後、スライム処理に引き続き、コンクリートを打設する工程、
(h)前記工程(a)〜(g)により打設が完了した前記第1の鋼管矢板に隣接する第2の鋼管矢板を建て込む工程であって、前記第1の鋼管矢板の第1副体又は第2副体と、該第2の鋼管矢板の第2副体又は第1副体とを係合させる工程を含んでなる第2の鋼管矢板を建て込む工程、
(i)前記第1の鋼管矢板に代えて第2の鋼管矢板について、前記工程(b)乃至(g)を実行する工程、
(j)前記第2の鋼管矢板に隣接する第3の鋼管矢板について、前記工程(a)を実行し、ついで、前記第1の鋼管矢板に代えて第3の鋼管矢板について、前記工程(b)乃至(g)を実行する工程、
を含んでなることを特徴とする。
(k)前記工程(j)の後、前記第3の鋼管矢板に隣接する第4の鋼管矢板を建て込む工程であって、前記定規を用いて前記第1及び第2の上部ガイド部上にガイド管を設け、前記第3の鋼管矢板の第1副体又は第2副体と、該第4の鋼管矢板の第2副体又は第1副体とを係合させる工程を含んでなる第4の鋼管矢板を建て込む工程、
(l)前記工程(j)の後、前記第1の鋼管矢板に代えて第4の鋼管矢板について、前記工程(b)乃至(g)を実行する工程、
(m)前記第3の鋼管矢板に隣接する第4の鋼管矢板について、前記工程(a)を実行し、ついで、前記第1の鋼管矢板に代えて第4の鋼管矢板について、前記工程(b)乃至(g)を実行する工程
を含み、
第n番目の鋼管矢板に隣接する第(n+1)番目の鋼管矢板を建て込む工程であって、前記定規を用いて前記第1及び第2の上部ガイド部上にガイド管を設け、前記第n番目の鋼管矢板の第1副体又は第2副体と、該第(n+1)番目の鋼管矢板の第2副体又は第1副体とを係合させる工程を含んでなる第(n+1)番目の鋼管矢板を建て込む工程、
前記第1の鋼管矢板に代えて第(n+1)番目の鋼管矢板について、前記工程(b)乃至(g)を実行する工程、
前記第n番目の鋼管矢板に隣接する第(n+1)番目の鋼管矢板について、前記工程(a)を実行し、ついで、前記第1の鋼管矢板に代えて第(n+1)番目の鋼管矢板について、前記工程(b)乃至(g)を実行する工程
を含み、前記nが4以上の整数である
ことを特徴とする。
図1〜3を参照すると、本実施形態の鋼管矢板の打設用の定規は、それぞれ第1列(A)と第2列(B)の二つの列に沿って、第1の距離(D1)だけ離間して互いに対向して並べられて障害地盤(R)に打設された複数の長尺の導杭(1A、1B)(限定されることはないが、例えば、H型鋼を使用することができる)と、第1列(A)に沿って並べられて打設された複数の導杭(1A)の下部に沿って延びる鋼材からなる第1の下部ガイド部(3A)及び第2列(B)に沿って並べられて打設された複数の導杭(1B)の下部に沿って延びる鋼材からなる第2の下部ガイド部(3B)から構成される下部ガイド部(3)と、第1列(A)に沿って並べられて打設された複数の導杭(1A)の杭頭上に延びる鋼材からなる第1の上部ガイド部(2A)及び第2列(B)に沿って並べられて打設された複数の導杭(1B)の杭頭上に延びる鋼材からなる第2の上部ガイド部(2B)から構成される上部ガイド部(3)とから構成され、第1の下部ガイド部(3A)及び第2の下部ガイド部(3B)それぞれに鋼管矢板(10)を押圧・把持する把持機構(G)が第2の距離(D2)をあけて設けられている。
本実施形態の鋼管矢板の打設方法は、前述の鋼管矢板の打設するための定規を用いて、中空円筒状の鋼管部(10a)と、鋼管部(10a)の外面にその長手方向に沿って設けられた第1副体部(10b)と、鋼管部(10a)の軸心に関して第1副体部(10b)の対称位置において,鋼管部(10a)の外面に設けられた第2副体部(10c)とからなる鋼管矢板(10)を、振動式杭打機と、回転掘削装置とを併用して、複数本の鋼管矢板(10)の隣接する2本の鋼管矢板(10,10)の一方の鋼管矢板(10)の第1副体(10b)と他方の鋼管矢板(10)の第2副体(10c)が係合するように打設する鋼管矢板の打設方法である。なお、振動式杭打機としては、特定のものに限定されないが、例えば、バイブロハンマ、グラブハンマー、ダウンザホールハンマなどの公知の杭打機を使用することができる。また、回転掘削装置は、後述する他の実施形態のものを使用することが好ましい。
工程(a):前述の定規を用いて、最初の一本目の鋼管矢板(10)を建て込む。
以下の工程(b)〜(h)について、既設の鋼管矢板がないと前提で説明する。
工程(b):前述のバイブロハンマ、グラブハンマー、ダウンザホールハンマなどの振動式杭打機により、第1の鋼管矢板(10)を岩盤まで打込む(図10参照)。
工程(c):一旦第1の鋼管矢板(10)を上昇させ(図11参照)る(そうすると、浅い穴(H)が生じている)。ついで、この鋼管矢板(10)にダウンザホールハンマを装着し、ダウンザホールハンマを用いて、先削孔する(図12参照)。
工程(d):工程(c)の後、第1の鋼管矢板(10)を引き上げる(このとき、小径の穴(Hs)が生じている)。ついで、該第1の鋼管矢板(10)の上端部から、回転掘削装置(4a,4b,4c)を該鋼管矢板(10)内に挿通し、該第1の鋼管矢板(10)の下端部から回転切削装置(4b、4c)を露出させ、その切削部(4c)の刃(C)の向きを下向きにセットして固定する(図13参照)。
工程(e):回転掘削装置(4a,4b,4c)により岩盤(R)を切削しつつ、振動式杭打機により第1の鋼管矢板(10)を岩盤(R)内に圧入する(図14参照)。
工程(f):予め定められた深さ(D3)まで削孔が完了すると、一旦前記振動式杭打機と前記回転掘削装置(4a,4b,4c)を停止し、回転掘削装置(4a,4b,4c)の刃(C)の向きを上向きにセットし、旋回径を工程(d)のときよりも大きくして固定し(図15参照)、再び回転掘削装置(4a,4b,4c)を駆動して、上方に掘削し、第1の鋼管矢板(10)の下端部に回転切削装置(4c)が露出した状態で穴(HL)から出されると、回転掘削装置(4a,4b,4c)を停止し、第1の鋼管矢板(10)から回転掘削装置(4a,4b,4c)を除去する
工程(g):スライム処理に引き続き、コンクリートを打設する。
これにより、最初の一本目の鋼管矢板の打設が完了する。
工程(i):最初の鋼管矢板(10)に代えて第2の鋼管矢板(10)について、工程(b)乃至(g)を実行する。
工程(j):第2の鋼管矢板(10)に隣接する第3の鋼管矢板(10)について、工程(a)を実行し、ついで、最初の鋼管矢板に代えて第3の鋼管矢板について、前記工程(b)乃至(g)を実行する。
こうして、3本の鋼管矢板(10、10、10)が互いに隣接して打設され、以上の工程をさらに繰り返し実行することによって、
すなわち、
前記第n番目の鋼管矢板に隣接する第(n+1)番目の鋼管矢板を建て込む工程であって、前記定規を用いて前記第1及び第2の上部ガイド部上にガイド管を設け、前記第n番目の鋼管矢板の第1副体又は第2副体と、該第(n+1)番目の鋼管矢板の第2副体又は第1副体とを係合させる工程を含んでなる第(n+1)番目の鋼管矢板を建て込む工程、
前記第1の鋼管矢板に代えて第(n+1)番目の鋼管矢板について、前記工程(b)乃至(g)を実行する工程、
前記第n番目の鋼管矢板に隣接する第(n+1)番目の鋼管矢板について、前記工程(a)を実行し、ついで、前記第1の鋼管矢板に代えて第(n+1)番目の鋼管矢板について、前記工程(b)乃至(g)を実行する工程
を実行することで(但し、nは4以上の整数である)、任意の本数の鋼管矢板を打設することができる。
工程(l):前記工程(j)の後、前記第1の鋼管矢板(10)に代えて第4の鋼管矢板(10)について、前記工程(b)乃至(g)を実行する。
工程(m)前記第3の鋼管矢板(10)に隣接する第4の鋼管矢板(10)について、前記工程(a)を実行し、ついで、前記最初の鋼管矢板(10)に代えて第4の鋼管矢板(10)について、前記工程(b)乃至(g)を実行する。
前述の実施形態によれば、図8に示すように、従来得られていた穴(HL)(図8の(a)参照)に加えて、穴(HLc)(図8の(b)参照)、(HLs)(図8の(c)参照)が得られる。
ことを特徴とする。
2 上部ガイド部
2A 第1の上部ガイド部
2B 第2の上部ガイド部
3 下部ガイド部
3A 第1の下部ガイド部
3B 第2の下部ガイド部
4 回転掘削装置
4a 回転力伝達機構(シャフト)
4b 切削本体部
4bs スリーブ
4c 切削部
5 回転駆動源
10 鋼管矢板
10a 鋼管部
10b 第1副体
10c 第2副体
G 把持機構
A 第1列
B 第2列
Gh 油圧シリンダ
Gg グリッパ
GP ガイドパイプ
HC 油圧シリンダ
C カッター(刃)
Ca 先行ビット
R 障害地盤
Claims (2)
- それぞれ第1列と第2列の二つの列に沿って、第1の距離だけ離間して互いに対向して並べられて障害地盤に打設された複数の長尺の導杭、
前記第1列に沿って並べられて打設された複数の導杭の杭頭上に延びる鋼材からなる第1の上部ガイド部、
前記第2列に沿って並べられて打設された複数の導杭の杭頭上に延びる鋼材からなる第2の上部ガイド部、
前記第1列に沿って並べられて、前記第1の上部ガイド部の下方において該第1列に沿って延びる鋼材からなる第1の下部ガイド部、及び
前記第2列に沿って並べられて、前記第2の上部ガイド部の下方において該第2列に沿って延びる鋼材からなる第2の下部ガイド部
からなり、前記第1の下部ガイド部及び前記第2の下部ガイド部それぞれに鋼管矢板を押圧・把持する把持機構が第2の距離をあけて設けられてなる鋼管矢板の打設用の定規を用いて、中空円筒状の鋼管部と、該鋼管部の外面にその長手方向に沿って設けられた第1副体部と、前記鋼管部の軸心に関して前記第1副体部の対称位置において前記鋼管部の外面に設けられた第2副体部とからなる鋼管矢板を、振動式杭打機と、回転掘削装置とを併用して、複数本の鋼管矢板の隣接する2本の鋼管矢板の一方の鋼管矢板の第1副体と他方の鋼管矢板の第2副体とが係合するように打設する鋼管矢板の打設方法であって、
(a)前記定規を用いて第1の鋼管矢板を建て込む工程、
(b)前記振動式杭打機により、第1の鋼管矢板を岩盤まで打込む工程、
(c)ダウンザホールハンマを用いて、先削孔する工程、
(d)前記工程(c)の後、第1の鋼管矢板を引き上げ、該第1の鋼管矢板の上端部から、回転掘削装置を該鋼管矢板に挿通し、該第1の鋼管矢板の下端部から該回転掘削装置を露出させ、その切削部の刃の向きを下向きにセットして固定する工程、
(e)前記回転掘削装置により岩盤を切削しつつ、振動式杭打機により前記第1の鋼管矢板を岩盤内に圧入する工程、
(f)予め定められた深さまで削孔が完了すると、一旦前記振動式杭打機と前記回転掘削装置を停止し、前記回転掘削装置の刃の向きを上向きにセットして、旋回径を工程(d)のときも大きくして固定し、再び前記回転掘削装置を駆動して、上方に掘削し、前記第1の鋼管矢板の下端部に回転掘削装置が露出した状態で穴(HL)から出されると、回転掘削装置を停止し、前記第1の鋼管矢板から除去する工程、
(g)前記工程(f)の後、スライム処理に引き続き、コンクリートを打設する工程、
(h)前記工程(a)〜(g)により打設が完了した前記第1の鋼管矢板に隣接する第2の鋼管矢板を建て込む工程であって、前記第1の鋼管矢板の第1副体又は第2副体と、該第2の鋼管矢板の第2副体又は第1副体とを係合させる工程を含んでなる第2の鋼管矢板を建て込む工程、
(i)前記第1の鋼管矢板に代えて第2の鋼管矢板について、前記工程(b)乃至(g)を実行する工程、
(j)前記第2の鋼管矢板に隣接する第3の鋼管矢板について、前記工程(a)を実行し、ついで、前記第1の鋼管矢板に代えて第3の鋼管矢板について、前記工程(b)乃至(g)を実行する工程、
を含んでなることを特徴とする鋼管矢板の打設方法。 - 請求項1に記載の鋼管矢板の打設方法により、3本又は4本の鋼管矢板を打設した後に、
(k)前記工程(j)の後、前記第3の鋼管矢板に隣接する第4の鋼管矢板を建て込む工程であって、前記定規を用いて前記第1及び第2の上部ガイド部上にガイド管を設け、前記第3の鋼管矢板の第1副体又は第2副体と、該第4の鋼管矢板の第2副体又は第1副体とを係合させる工程を含んでなる第4の鋼管矢板を建て込む工程、
(l)前記工程(j)の後、前記第1の鋼管矢板に代えて第4の鋼管矢板について、前記工程(b)乃至(g)を実行する工程、
(m)前記第3の鋼管矢板に隣接する第4の鋼管矢板について、前記工程(a)を実行し、ついで、前記第1の鋼管矢板に代えて第4の鋼管矢板について、前記工程(b)乃至(g)を実行する工程
を含み、
第n番目の鋼管矢板に隣接する第(n+1)番目の鋼管矢板を建て込む工程であって、前記定規を用いて前記第1及び第2の上部ガイド部上にガイド管を設け、前記第n番目の鋼管矢板の第1副体又は第2副体と、該第(n+1)番目の鋼管矢板の第2副体又は第1副体とを係合させる工程を含んでなる第(n+1)番目の鋼管矢板を建て込む工程、
前記第1の鋼管矢板に代えて第(n+1)番目の鋼管矢板について、前記工程(b)乃至(g)を実行する工程、
前記第n番目の鋼管矢板に隣接する第(n+1)番目の鋼管矢板について、前記工程(a)を実行し、ついで、前記第1の鋼管矢板に代えて第(n+1)番目の鋼管矢板について、前記工程(b)乃至(g)を実行する工程
を含み、前記nが4以上の整数である
ことを特徴とする鋼管矢板の打設方法。
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