JP6194670B2 - レジストパターン形成方法及び保護膜形成用組成物 - Google Patents
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Description
感放射線性樹脂組成物でレジスト膜を形成する工程、
保護膜形成用組成物で上記レジスト膜上に保護膜を積層する工程、
上記保護膜が積層されたレジスト膜を露光する工程、及び
上記露光されたレジスト膜を現像する工程
を有し、
上記保護膜形成用組成物が、
[A]下記式(i−1)で表される構造単位及び下記式(i−2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種(以下、「構造単位(I)」ともいう)を有する重合体(以下、「[A]重合体」ともいう)、及び
[B]有機溶媒
を含有するレジストパターン形成方法である。
式(i−2)中、L2は、炭素数1〜5のアルカン、炭素数3〜15のシクロアルカン又は炭素数6〜20のアレーンに由来する(n+1)価の基である。R7’は、水素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜5の1価の鎖状炭化水素基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、又は上記基(a)である。nは、1〜3の整数である。nが2又は3の場合、複数のR7’は同一でも異なっていてもよい。)
EUV又は電子線を用いるレジストパターン形成方法におけるレジスト膜の表面被覆に用いられ、
[A]重合体、及び
[B]有機溶媒
を含有する。
レジストパターン形成方法におけるレジスト膜の表面被覆に用いられ、
[A’]上記構造単位(I)と、下記式(ii−1)〜(ii−6)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種とを有する重合体(以下、「[A’]重合体」ともいう)、及び
[B]有機溶媒
を含有する。
式(ii−1)〜(ii−3)中、aは、それぞれ独立して、1〜3の整数である。RBは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。bは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。RBが複数の場合、複数のRBはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。但し、1≦a+b≦5を満たす。
式(ii−4)中、L3及びL4は、それぞれ独立して、単結合、メチレン基、炭素数2〜5のアルキレン基、炭素数3〜15のシクロアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又はこれらの基と−O−及び−CO−からなる群より選ばれる少なくとも1種とを組み合わせた2価の基である。R8は、水素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜5の1価の鎖状炭化水素基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、又は上記基(a)である。cは、1〜5の整数である。L4及びR8がそれぞれ複数の場合、複数のL4及びR8はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。但し、R8のうちの少なくとも1つは上記基(a)である。
式(ii−5)中、RXは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アルコキシ基、アシル基、アラルキル基又はアリール基である。上記アルキル基、脂環式炭化水素基、アルコキシ基、アシル基、アラルキル基及びアリール基が有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。RYは、−C(=O)−Ra、または−S(=O)2−Rbである。Ra及びRbは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アルコキシ基、シアノ基、シアノメチル基、アラルキル基又はアリール基である。但し、Ra又はRbとRXとが互いに結合して環構造を形成していてもよい。dは、1〜3の整数である。RX及びRYがそれぞれ複数の場合、複数のRX及びRYはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。L5は、(d+1)価の連結基である。
式(ii−6)中、RZは、2価の連結基である。RWは、炭素数1〜20のフッ素化アルキル基である。)
当該レジストパターン形成方法は、
感放射線性樹脂組成物でレジスト膜を形成する工程(以下、「レジスト膜形成工程」ともいう)、
保護膜形成用組成物で上記レジスト膜上に保護膜を積層する工程(以下、「保護膜積層工程」ともいう)、
上記保護膜が積層されたレジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)、及び
上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)
を有し、
上記保護膜形成用組成物が、
[A]重合体、及び
[B]有機溶媒
を含有する。
以下、各工程について説明する。
本工程では、レジスト膜を形成する。このレジスト膜は、通常、感放射線性樹脂組成物を用いて基板上への塗布により形成される。基板としては、例えばシリコンウエハ、アルミニウムで被覆されたウエハ等の従来公知の基板を使用できる。また、例えば特公平6−12452号公報や特開昭59−93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の下層反射防止膜を基板上に形成してもよい。なお、上記感放射線性樹脂組成物については後述する。
本工程では、後述の保護膜形成用組成物を用い、上記レジスト膜上に保護膜を積層する。この保護膜形成用組成物は、通常、レジスト膜の表面を被覆するように塗布される。上記レジスト膜の表面に上記保護膜を積層させることにより、露光時に発生するOOBの影響を低減することができ、得られるパターンにおけるナノエッジラフネスを改善することができる。また、上記保護膜はガラス転移温度の高い重合体で形成されているので、レジスト膜が発生する揮発成分の透過を抑えることができ、アウトガスを低減することができる。
本工程では、上記保護膜が積層されたレジスト膜を露光する。露光量等の露光条件は、用いる感放射線性樹脂組成物の配合組成や添加剤の種類等に応じて適宜選択することができる。露光に用いる放射線としては、例えば、ArFエキシマレーザー光(193nm)、KrFエキシマレーザー光(248nm)等の遠紫外線、EUV、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線等が挙げられる。露光に用いる放射線としては、これらの中で、EUV、電子線が好ましい。当該レジストパターン形成方法においては、OOB及びOGの影響を低減することができるので、これらの放射線を用いる場合に特に利益が大きい。
本工程では、上記露光されたレジスト膜を現像する。現像に使用される現像液としては、例えば、アルカリ性の水溶液を用いることもできるし、有機溶媒を含有する液を用いることもできる。現像液は形成するパターン形状に応じて選択することができる。マスクパターンを露光によりレジスト膜上に投影した時に、光照射強度の強い領域をアルカリ性の水溶液で現像することにより、所定の閾値以上の露光部が溶解・除去されることによってポジ型のレジストパターンを形成することができる。一方、マスクパターンを露光によりレジスト膜上に投影した時に光照射強度の弱い領域を、有機溶媒を含有する液で現像することにより、所定の閾値以下の露光部が溶解・除去されることによってネガ型のレジストパターンを形成することができる。所望する解像性やパターン形状に応じてこれらの現像液を組み合わせて現像することもできる。アルカリ性の水溶液に用いられるアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩等が挙げられる。また、このようなアルカリ水溶液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。アルカリ水溶液におけるアルカリの濃度は、適切な現像性を得る観点から、0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。
当該レジストパターン形成方法に用いられる保護膜形成用組成物は、[A]重合体及び[B]有機溶媒を含有する。なお、当該保護膜形成用組成物は、本発明の効果を損なわない限り、[A]重合体及び[B]有機溶媒以外に任意成分を含有してもよい。
以下、各成分について説明する。
[A]重合体は、構造単位(I)を有する重合体である。[A]重合体は、構造単位(I)を有することで、露光の際に発生するOOBを吸収することができ、かつガラス転移温度が比較的高い。その結果、当該保護膜形成用組成物から形成される保護膜は、OOBを吸収することにより得られるレジストパターンのナノエッジラフネスを改善することができると共に、レジスト膜が発生するOGを抑制することができる。
構造単位(I)は、下記式(i−1)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1)」ともいう)及び下記式(i−2)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−2)」ともいう)からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
上記式(i−2)中、L2は、炭素数1〜5のアルカン、炭素数3〜15のシクロアルカン又は炭素数6〜20のアレーンに由来する(n+1)価の基である。R7’は、水素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜5の1価の鎖状炭化水素基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、又は上記基(a)である。nは、1〜3の整数である。nが2又は3の場合、複数のR7’は同一でも異なっていてもよい。
上記L1で表される炭素数2〜5のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、直鎖状又は分岐状のプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等が挙げられる。
メチル基、エチル基、直鎖状又は分岐状のプロピル基、ブチル基、ペンチル基等のアルキル基;
エテニル基、直鎖状又は分岐状のプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、直鎖状又は分岐状のブチニル基、ペンチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
上記L2で表される炭素数1〜5のアルカンに由来する(n+1)価の基としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン等のアルカンから(n+1)個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
構造単位(II)は、(ii)アルカリ可溶性基、(iii)アルカリ解離性基、及び(iv)酸解離性基からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位である。
(iii)アルカリ解離性基とは、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の水素原子を置換する基であって、アルカリの作用により解離する基をいう。[A]重合体は、(iii)アルカリ解離性基を含む構造単位(II)を有することで、アルカリ現像液の作用により、溶解度が増大する。(iv)酸解離性基とは、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基をいう。
アルカリ可溶性基としてのスルホンアミド基を含む構造単位としては、例えば、下記式(ii−6)で表される構造単位(以下、「構造単位(II−6)」ともいう)等が挙げられる。
アルカリ可溶性基としてのβ−ジケトン構造を有する基、β−ケトエステル構造を有する基、β−ジカルボン酸エステル構造を有する基又はβ-チオキソケトン構造を有する基を含む構造単位としては、下記式(ii−5)で表される構造単位(以下、「構造単位(II−5)」ともいう)等が挙げられる。
アルカリ可溶性基としての上記基(a)を含む構造単位としては、下記式(ii−4)で表される構造単位(以下、「構造単位(II−4)」ともいう)等が挙げられる。
[A]重合体が構造単位(II)を有することで、当該保護膜形成用組成物は感度を向上させることができ、特に、EUV又は電子線に対する感度を向上させることができる。(以下、構造単位(II−1)〜(II−6)からなる群より選ばれる少なくとも1種を有する[A]重合体を「[A’]重合体」ともいう。)
上記式(ii−1)〜(ii−3)中、aは、それぞれ独立して、1〜3の整数である。RBは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。bは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。RBが複数の場合、複数のRBはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。但し、1≦a+b≦5を満たす。
上記式(ii−4)中、L3及びL4は、それぞれ独立して、単結合、メチレン基、炭素数2〜5のアルキレン基、炭素数3〜15のシクロアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又はこれらの基と−O−及び−CO−からなる群より選ばれる少なくとも1種とを組み合わせた2価の基である。R8は、水素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜5の1価の鎖状炭化水素基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、又は上記基(a)である。cは、1〜5の整数である。L4及びR8がそれぞれ複数の場合、複数のL4及びR8はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。但し、R8のうちの少なくとも1つは上記基(a)である。
上記式(ii−5)中、RXは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アルコキシ基、アシル基、アラルキル基又はアリール基である。上記アルキル基、脂環式炭化水素基、アルコキシ基、アシル基、アラルキル基及びアリール基が有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。RYは、−C(=O)−Ra、または−S(=O)2−Rbである。Ra及びRbは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アルコキシ基、シアノ基、シアノメチル基、アラルキル基又はアリール基である。但し、Ra又はRbとRXとが互いに結合して環構造を形成していてもよい。dは、1〜3の整数である。RX及びRYがそれぞれ複数の場合、複数のRX及びRYはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。L5は、(d+1)価の連結基である。
上記式(ii−6)中、RZは、2価の連結基である。RWは、炭素数1〜20のフッ素化アルキル基である。)
上記RBとしては、水素原子が好ましい。
上記式(c2−2−1)及び式(c2−2−2)中、RCは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。R10は、アルカリ解離性基である。n1は、それぞれ独立して、0〜4の整数である。Rfは、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基である。Rfが複数の場合、複数のRfは同一でも異なっていてもよい。R21、R23及びR24は、それぞれ独立して、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状の2価の鎖状炭化水素基又は炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基である。R22は、炭素数1〜10の3価の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基又は炭素数4〜20の3価の脂環式炭化水素基であり、R23又はR24側の末端に酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はイミノ基を有していてもよい。
また、上記式で表される構造単位の中では、構造単位(II−1−1)、構造単位(II−2−1)、構造単位(II−3−1)、構造単位(II−4−1)が好ましく、構造単位(II−1−1)、構造単位(II−4−1)がより好ましい。
[A]重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、構造単位(I)及び(II)以外のその他の構造単位を有していてもよい。その他の構造単位としては、下記式(3)で表される構造単位(III)、後述の[C]重合体における式(c−6−1)〜(c−6−3)で表される構造単位等が挙げられる。
[A]重合体は、例えば所定の各構造単位に対応する単量体を、ラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより製造できる。例えば、単量体及びラジカル開始剤を含有する溶液を、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、単量体を含有する溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、各々の単量体を含有する複数種の溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法等の方法で合成することが好ましい。
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
[B]有機溶媒としては、[A]重合体及び任意成分を溶解できるものであり、かつレジスト膜成分を溶出させ難いものであれば特に限定されないが、例えばアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系有機溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。これらのうち、4−メチル−2−ペンタノールが好ましい。
n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、iso−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
また、[B]有機溶媒がエーテル系溶媒を含み、このエーテル系溶媒の含有率が10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。
なお、これらの有機溶媒は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
当該保護膜形成用組成物は、[A]重合体及び[B]有機溶媒以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分を含有してもよい。任意成分としては、酸拡散制御剤、酸発生剤等が挙げられる。
酸拡散制御剤は、レジスト膜中で発生した酸が保護膜を介して未露光部に拡散することを抑制したり、濃度勾配によってレジスト膜中の酸拡散制御剤が保護膜中に拡散してしまうのを抑制する効果を有する。酸拡散制御剤としては、後述する感放射線性樹脂組成物で使用することができる酸拡散制御剤と同様のものを使用することができる。
酸発生剤は、レジスト膜において脱保護反応に寄与すべき酸が保護膜に拡散することにより生ずるレジスト膜中の酸の不足を補う効果を有する。
当該保護膜形成用組成物は、例えば[B]有機溶媒中で、[A]重合体及び任意成分を所定の割合で混合することにより調製される。また、当該保護膜形成用組成物は、適当な[B]有機溶媒に溶解又は分散させた状態に調製され使用され得る。得られた混合液は、必要に応じて、孔径0.2μmのメンブランフィルター等でろ過してもよい。
(1)EUV又は電子線を用いるレジストパターン形成方法におけるレジスト膜の表面被覆に用いられ、[A]重合体、及び[B]有機溶媒を含有する保護膜形成用組成物。
(2)レジストパターン形成方法におけるレジスト膜の表面被覆に用いられ、[A’]重合体、及び[B]有機溶媒を含有する保護膜形成用組成物。
上記構成を有する保護膜形成用組成物を、上記レジストパターン形成方法に用いることで、レジストの感度をより十分に満足させつつ、保護膜がOOBを吸収すること及び/又はガラス転移温度が比較的高いことによりPEB等の際のレジスト膜から保護膜への酸拡散を抑制することによってナノエッジラフネスをより改善することができ、また、保護膜のガラス転移温度を比較的高くすることでレジスト膜からのOGの発生をより抑制することができる。
本発明のレジストパターン形成方法に用いられる感放射線性樹脂組成物としては、従来既知の感放射線性樹脂組成物を用いることができる。中でも、酸解離性基を含む構造単位を有する重合体(以下、「[C]重合体」ともいう)、及び酸発生体を含有する化学増幅型の感放射線性樹脂組成物が好ましい。また、上記感放射線性樹脂組成物としては、酸拡散制御剤、溶媒を含有することがより好ましい。さらに本発明の効果を損なわない限り、上記感放射線性樹脂組成物は、その他の成分を含有してもよい。以下、各成分について詳述する。
[C]重合体が有する酸解離性基を含む構造単位としては、酸の作用により解離する基を有するものである限り特に限定されないが、下記式(p−1)で表される構造単位(P−I)、下記式(p−2)で表される構造単位(P−II)及びアセタール化されたヒドロキシスチレン類に由来する構造単位(P−III)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。また、[C]重合体は、上記構造単位(P−I)〜構造単位(P−III)以外のその他の酸解離性基を有する構造単位を有していてもよい。当該感放射線性樹脂組成物は、[C]重合体がこのような構造単位を有することで、良好な感度が得られる。さらに、[C]重合体は、酸解離性基を有する構造単位以外に、その他の構造単位としての下記式(c−1−1)〜(c−1−4)で表される構造単位、下記式(c−2−1)〜(c−2−2)で表される構造単位、下記式(c−3−1)〜(c−3−2)で表される構造単位、下記式(c−4−1)〜(c−4−2)で表される構造単位、下記式(c−5−1)〜(c−5−2)で表される構造単位、下記式(c−6−1)〜(c−6−3)で表される構造単位、下記式(c−7−1)〜(c−7−2)で表される構造単位、及び[A]重合体における構造単位(I)のうちの少なくとも1種を有することが好ましい。以下、各構造単位について詳述する。なお[C]重合体は、各構造単位を1種のみ有してもよいし、2種以上有してもよい。
構造単位(P−I)は下記式(p−1)で表される。
上記R15としては、酸解離性基の解離容易性の観点から、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、i−プロピル基がより好ましく、メチル基、エチル基がさらに好ましい。
構造単位(P−II)は、下記式(p−2)で表される。
構造単位(P−III)は、アセタール化されたヒドロキシスチレン類に由来する構造単位である。上記アセタール化されたヒドロキシスチレン類は、ヒドロキシスチレン類のフェノール性水酸基、ヒドロキシ基及びカルボニル基からアセタール構造が形成された構造を有する。構造単位(P−III)としては、例えば、下記式(p−3−1)〜(p−3−4)で表される構造単位等が挙げられる。
[C]重合体は、下記式(c−1−1)〜(c−1−4)、(c−2−1)〜(c−2−2)、(c−3−1)〜(c−3−2)、(c−4−1)〜(c−4−2)、(c−5−1)〜(c−5−2)、(c−6−1)〜(c−6−3)、(c−7−1)〜(c−7−2)で表される構造単位、上記[A]重合体における構造単位(I)のうちの少なくとも1種の構造単位をさらに有することが好ましい。その他の構造単位としては、これらの構造単位のうち、下記式(c−5−1)〜(c−5−2)、(c−6−1)〜(c−6−3)、(c−7−1)〜(c−7−2)で表される構造単位及び上記構造単位(I)が好ましく、上記構造単位(I)がより好ましい。
[C]重合体は、例えば所定の各構造単位に対応する単量体を、ラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより製造できる。なお、[C]重合体の合成に使用される重合開始剤、溶媒等としては、上記[A]重合体の合成方法において例示したものと同様のものを挙げることができる。
上記感放射線性樹脂組成物は、[C]重合体と共に酸発生体を含有することが好ましい。酸発生体は、当該レジストパターン形成方法における露光工程において、放射線の照射により酸を発生する化合物である。その酸の作用により[C]重合体中に存在する酸解離性基が解離し、カルボキシ基、フェノール性水酸基等の極性基が発生する。その結果、[C]重合体の現像液に対する溶解性が変化し、アルカリ現像液には易溶性となる。当該レジストパターン形成方法における酸発生体の含有形態としては、後述するような化合物の形態(以下、適宜「酸発生剤」と称する)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
酸拡散制御体は、露光により酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、未露光部における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏する成分である。感放射線性樹脂組成物が酸拡散制御体を含有することで、得られる感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性がさらに向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上する。また、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れた組成物が得られる。なお、酸拡散制御体の本発明における感放射線性樹脂組成物における含有形態としては、遊離の化合物の形態(以下、適宜「酸拡散制御剤」と称する)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
当該レジストパターン形成方法に用いられる感放射線性樹脂組成物は通常溶媒を含有する。上記溶媒は少なくとも[C]重合体、酸発生体、酸拡散制御体、及び後述するその他の成分を溶解できれば特に限定されない。上記溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒及びその混合溶媒等が挙げられる。
当該レジストパターン形成方法に用いられる感放射線性樹脂組成物は、その他の成分として、界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等を含有できる。なお、上記感放射線性樹脂組成物は、上記その他の成分をそれぞれ1種のみ含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
界面活性剤は、当該レジストパターン形成方法に用いられる感放射線性樹脂組成物の塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。
脂環式骨格含有化合物は、感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンのドライエッチング耐性、パターン形状、基板との密着性等を改善する効果を奏する。
増感剤は、酸発生体からの酸の生成量を増加する作用を示すものであり、当該レジストパターン形成方法に用いられる感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
当該レジストパターン形成方法に用いられる感放射線性樹脂組成物は、例えば上記溶媒中で[C]重合体、酸発生体、酸拡散制御体及びその他の成分を所定の割合で混合することにより調製できる。また、上記感放射線性樹脂組成物は、適当な溶媒に溶解又は分散させた状態に調製され使用され得る。
重合体のMw及びMnは、GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本、以上東ソー製)を用い、流量1.0mL/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、試料濃度1.0質量%、試料注入量100μL、カラム温度40℃の分析条件で、検出器として示差屈折計を使用し、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
重合体の構造単位の含有割合を求めるための13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(JNM−ECX400、日本電子製)を使用し、測定溶媒としてCDCl3を用い、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準として行った。
[A]重合体及び[C]重合体の合成に用いた単量体を下記に示す。
上記化合物(M−1)100g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2.4g、及びt−ドデシルメルカプタン0.4gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル200gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、6時間重合させた。重合後、プロピレングリコールモノメチルエーテルを減圧留去し、得られた重合体を100gのプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解した後、2,000gのn−ヘキサン中に滴下して、重合体を凝固精製した。次いで、この重合体に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加えた後、更に、メタノール150g、トリエチルアミン41g、及び水8gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行った。赤外分光法により、脱アセチル化が定量的に進行しp−ヒドロキシスチレンに由来する構造単位が生成していることを確認した後、溶媒及びトリエチルアミンを減圧留去し、得られた重合体をアセトン150gに溶解した後、2,000gの水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥し、重合体(A−1)を得た。重合体(A−1)は、Mwが15,000、Mw/Mnが2.6であった。また、13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレンに由来する構造単位の含有割合は、100モル%であった。
上記化合物(M−2)100g及びAIBN6gを、メチルエチルケトン300gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を78℃に保持して、6時間重合させた。重合後、メチルエチルケトンを減圧留去し、得られた重合体を100gのメチルエチルケトンに溶解した後、2,000gのヘキサン中に滴下して、重合体を凝固させた。次いで、この重合体を300gのヘキサンで2回洗浄し、得られた白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥し、重合体(A−2)を得た。重合体(A−2)は、Mwが8,000、Mw/Mnが2.3であった。また、13C−NMR分析の結果、化合物(M−2)に由来する構造単位の含有割合は、100モル%であった。
上記化合物(M−2)64g(50モル%)、化合物(M−12)36g(50モル%)及びAIBN7.7gを、メチルエチルケトン200gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を78℃に保持して、6時間重合させた。重合後、メチルエチルケトンを減圧留去し、得られた重合体を100gのメチルエチルケトンに溶解した後、2,000gのn−ヘキサン中に滴下して、重合体を凝固精製した。次いで、この重合体を300gのヘキサンで2回洗浄し、得られた白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥し、重合体(A−3)を得た。重合体(A−3)は、Mwが6,000、Mw/Mnが1.8であった。また、13C−NMR分析の結果、化合物(M−2)及び化合物(M−12)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ50モル%及び50モル%であった。
上記化合物(M−2)62g(50モル%)、化合物(M−13)38g(50モル%)及びAIBN7.5gを、メチルエチルケトン200gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を78℃に保持して、6時間重合させた。重合後、メチルエチルケトンを減圧留去し、得られた重合体を100gのメチルエチルケトンに溶解した後、2,000gのn−ヘキサン中に滴下して、重合体を凝固精製した。次いで、この重合体を300gのヘキサンで2回洗浄し、得られた白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥し、重合体(A−4)を得た。重合体(A−4)は、Mwが6,500、Mw/Mnが1.9であった。また、13C−NMR分析の結果、化合物(M−2)及び化合物(M−13)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ50モル%及び50モル%であった。
上記化合物(M−1)34g(50モル%)、化合物(M−14)66g(50モル%)、AIBN6.8g、及びt−ドデシルメルカプタン2.6gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル200gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、6時間重合させた。重合後、プロピレングリコールモノメチルエーテルを減圧留去し、得られた重合体を100gのプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解した後、2,000gのn−ヘキサン中に滴下して、重合体を凝固精製した。次いで、この重合体に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加えた後、更に、メタノール150g、トリエチルアミン30g、及び水6gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行った。赤外分光法により、脱アセチル化が定量的に進行しp−ヒドロキシスチレンに由来する構造単位が生成していることを確認した後、溶媒及びトリエチルアミンを減圧留去し、得られた重合体をアセトン150gに溶解した後、2,000gの水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥し、重合体(A−5)を得た。重合体(A−5)は、Mwが10,000、Mw/Mnが2.1であった。また13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレンに由来する構造単位及び化合物(M−14)に由来する構造単位の含有割合は、それぞれ50モル%及び50モル%であった。
上記化合物(M−2)48g(50モル%)、化合物(M−15)52g(50モル%)及びAIBN9.8gを、メチルエチルケトン200gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を78℃に保持して、6時間重合させた。重合後、メチルエチルケトンを減圧留去し、得られた重合体を100gのメチルエチルケトンに溶解した後、2,000gのn−ヘキサン中に滴下して、重合体を凝固精製した。次いで、この重合体を300gのヘキサンで2回洗浄し、得られた白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥し、重合体(A−6)を得た。重合体(A−6)は、Mwが9,000、Mw/Mnが2.2であった。また、13C−NMR分析の結果、化合物(M−2)及び化合物(M−15)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ50モル%及び50モル%であった。
上記化合物(M−1)46g(50モル%)、化合物(M−16)54g(50モル%)、AIBN9.4g、及びt−ドデシルメルカプタン3.5gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル200gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、6時間重合させた。重合後、プロピレングリコールモノメチルエーテルを減圧留去し、得られた重合体を100gのプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解した後、2,000gのn−ヘキサン中に滴下して、重合体を凝固精製した。次いで、この重合体に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加えた後、更に、メタノール150g、トリエチルアミン36g、及び水6gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行った。赤外分光法により、脱アセチル化が定量的に進行しp−ヒドロキシスチレンに由来する構造単位が生成していることを確認した後、溶媒及びトリエチルアミンを減圧留去し、得られた重合体をアセトン150gに溶解した後、2,000gの水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥し、重合体(A−7)を得た。重合体(A−7)は、Mwが10,000、Mw/Mnが2.0であった。また13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレンに由来する構造単位及び化合物(M−16)に由来する構造単位の含有割合は、それぞれ50モル%及び50モル%であった。
上記化合物(M−2)48g(30モル%)、化合物(M−14)52g(50モル%)、化合物(M−17)52g(20モル%)及びAIBN9.8gを、メチルエチルケトン200gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を78℃に保持して、6時間重合させた。重合後、メチルエチルケトンを減圧留去し、得られた重合体を100gのメチルエチルケトンに溶解した後、2,000gのn−ヘキサン中に滴下して、重合体を凝固精製した。次いで、この重合体を300gのヘキサンで2回洗浄し、得られた白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥し、重合体(A−8)を得た。重合体(A−8)は、Mwが10,000、Mw/Mnが2.1であった。また、13C−NMR分析の結果、化合物(M−2)、化合物(M−14)、及び化合物(M−17)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ30モル%、50モル%及び20モル%であった。
上記化合物(M−2)48g(40モル%)、化合物(M−15)52g(50モル%)、化合物(M−18)52g(10モル%)及びAIBN8.8gを、メチルエチルケトン200gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を78℃に保持して、6時間重合させた。重合後、メチルエチルケトンを減圧留去し、得られた重合体を100gのメチルエチルケトンに溶解した後、2,000gのn−ヘキサン中に滴下して、重合体を凝固精製した。次いで、この重合体を300gのヘキサンで2回洗浄し、得られた白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥し、重合体(A−9)を得た。重合体(A−9)は、Mwが7,000、Mw/Mnが2.0であった。また、13C−NMR分析の結果、化合物(M−2)、化合物(M−15)、及び化合物(M−18)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ40モル%、50モル%及び10モル%であった。
保護膜形成用組成物の調製に用いた[B]有機溶媒について以下に示す。
B−1:4−メチル−2−ペンタノール
B−2:ジイソアミルエーテル
合成例3で合成した重合体(A−3)100質量部、及び有機溶媒(B−2)10,000質量部を混合し、得られた混合液を孔径0.20μmのメンブランフィルターを用いてろ過することにより、保護膜形成用組成物(T−1)を調製した。
表1に示す種類及び配合量の各成分を使用した以外は実施例1と同様に操作して保護膜形成用組成物(T−2)〜(T−7)並びに(CT−1)及び(CT−2)を調製した。
[合成例10]
上記化合物(M−3)55g(50モル%)、上記化合物(M−4)45g(50モル%)、及びAIBN3gを、メチルエチルケトン300gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を78℃に保持して、6時間重合させた。重合後、反応溶液を2,000gのメタノール中に滴下して、重合体を凝固させた。次いで、この重合体を300gのメタノールで2回洗浄し、得られた白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥し、重合体(C−1)を得た。重合体(C−1)は、Mwが7,000、Mw/Mnが2.10であった。また、13C−NMR分析の結果、化合物(M−3)及び化合物(M−4)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ52モル%及び48モル%であった。
上記化合物(M−1)55g(42モル%)、上記化合物(M−4)45g(58モル%)、AIBN3g、及びt−ドデシルメルカプタン1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル150gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、16時間重合させた。重合後、反応溶液を1,000gのn−ヘキサン中に滴下して、重合体を凝固精製した。次いで、この重合体に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加えた後、さらに、メタノール150g、トリエチルアミン37g、及び水7gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行って、(M−1)に由来する構造単位の脱アセチル化を行った。反応後、溶媒及びトリエチルアミンを減圧留去し、得られた重合体をアセトン150gに溶解した後、2,000gの水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥し、重合体(C−2)を得た。重合体(C−2)は、Mwが6,000、Mw/Mnが1.90であった。また、13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレンに由来する構造単位及び化合物(M−4)に由来する構造単位の含有割合は、それぞれ50モル%及び50モル%であった。
表2に示す種類及び使用量の単量体を用いた以外は合成例10と同様に操作して重合体(C−3)〜(C−9)を合成した。表2中の「−」は、該当する単量体を使用しなかったことを示す。表2に、得られた各重合体のMw、Mw/Mn及び各構造単位含有割合について合わせて示す。
感放射線性樹脂組成物の調製に用いた酸発生剤、酸拡散制御剤、溶媒について以下に示す。
P−1:トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート(下記式(P−1)で表される化合物)
P−2:トリフェニルスルホニウム2−(4−オキソ−アダマンタン−1−イルカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン−1−スルホネート(下記式(P−2)で表される化合物)
Q−1:トリフェニルスルホニウムサリチレート(下記式(Q−1)で表される化合物)
Q−2:2,4,5−トリフェニルイミダゾール(下記式(Q−2)で表される化合物)
Q−3:トリn−ブチルアミン(下記式(Q−3)で表される化合物)
S−1:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル
S−2:乳酸エチル
[C]重合体としての重合体(C−1)100質量部、酸発生剤としての(P−1)27質量部、酸拡散制御剤としての(Q−1)2.6質量部、並びに溶媒としての(S−1)4,300質量部及び(S−2)1,900質量部を混合し、得られた混合液を孔径0.20μmのメンブランフィルターでろ過し、感放射線性樹脂組成物(R−1)を調製した。
表3に示す種類及び配合量の各成分を用いた以外は合成例19と同様に操作して感放射線性樹脂組成物(R−2)〜(R−9)を調製した。
[実施例8〜32及び比較例3〜20]
クリーントラックACT−8(東京エレクトロン製)内で、シリコンウエハ上に、下記表4に示す感放射線性樹脂組成物をスピンコートした後、110℃で60秒間PBを行い、膜厚50nmのレジスト膜を形成した。次に、形成したレジスト膜上に表4に示す保護膜形成用組成物をスピンコートし、110℃で60秒間PBを行い、膜厚30nmの保護膜を形成した。続いて、簡易型の電子線描画装置(型式HL800D、日立製作所製、出力;50keV、電流密度;5.0アンペア/cm2)を用いて電子線を照射し、パターニングを行った。電子線の照射後、上記クリーントラックACT−8内で、100℃で60秒間PEBを行った後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、23℃で1分間、パドル法により現像し、次いで、純水で水洗し、乾燥して、レジストパターンを形成した。
上記形成したレジストパターンについて、下記に示す評価を行った。
線幅150nmのライン部と、隣り合うライン部によって形成される間隔が150nmのスペース部とからなるライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度(μC/cm2)とした。感度は、同じ感放射線性樹脂組成物を含有する組成物についての比較例(実施例8〜12については比較例3、実施例13〜16については比較例4、実施例17及び18については比較例5、実施例19及び20については比較例6、実施例21及び22については比較例7、実施例23及び24については比較例8、実施例25及び26については比較例9、実施例27及び28については比較例10、実施例29〜32については比較例11)に対して高感度の場合は「A(良好)」と、同等以下の感度の場合は「B(不良)」と評価できる。
上記ライン・アンド・スペースパターン(1L1S)のラインパターンを、半導体用走査電子顕微鏡(高分解能FEB測長装置S−9220、日立製作所製)を用いて観察した。上記パターンの任意の50点を観察し、観察された形状について、図1及び図2に示すように、シリコンウエハ1上に形成したレジスト膜のライン部2の横側面2aに沿って生じた凹凸の最も著しい箇所における線幅と、設計線幅150nmとの差「ΔCD」を、CD−SEM(S−9220、日立ハイテクノロジーズ社製)にて測定し、ナノエッジラフネス(nm)とした。ナノエッジラフネス(nm)は、15(nm)以下である場合は「AA(極めて良好)」と、15.0(nm)を超え16.5(nm)以下である場合は「A(良好)」と、16.5(nm)を超える場合は「B(不良)」と評価できる。なお、図1及び図2で示す凹凸は、実際より誇張して記載している。
[アウトガス]
クリーントラックACT−8(東京エレクトロン製)内で、シリコンウエハ上に下記表5に示す感放射線性樹脂組成物をスピンコートした後、110℃で60秒間PBを行い、膜厚50nmのレジスト膜を形成した。次いで、形成したレジスト膜上に表5に示す保護膜形成用組成物をスピンコートし、110℃で60秒間PBを行い、膜厚30nmの保護膜を形成した。次に、KrF投影露光装置(S203B、ニコン製)を用い、NA:0.68、シグマ:0.75、Conventionalの光学条件にて、マスクパターンを介さずに露光量15mJ/cm2で上記保護膜が積層されたレジスト膜に対し全面露光を行った。この露光したレジスト膜を、加熱脱離型ガスクロマトグラフィー質量分析計(SWA−256、ジーエルサイエンス製)を用いてアウトガス分析を行った。
アウトガス分析は、25℃で60分間、レジスト膜表面から有機物の脱離させ、脱離したアウトガス成分は一旦、捕集カラムに集めた後、捕集カラムを200℃で加熱して、捕集カラムから有機物を再脱離させ、サーマルデソープションコールドトラップインジェクターで、液体窒素を用いて冷却して体積収縮させ、その後、230℃に急速加熱することで捕集したガス成分を一気にガスクロマトグラフィー(JNS−GCMATE GCMS SYSTEM、JEOL製)に導入して行った。
アウトガス分析は下記式(G−1)、(G−2)及び(G−3)で表される化合物について行い、それぞれの市販品で予め検量線を作成しておき、定量を行った。なお、表5中の値は比較例21の各化合物のアウトガス量を100とした場合の相対値である。
2 レジストパターン
2a レジストパターンの横側面
Claims (12)
- 感放射線性樹脂組成物でレジスト膜を形成する工程、
保護膜形成用組成物で上記レジスト膜上に保護膜を積層する工程、
上記保護膜が積層されたレジスト膜を露光する工程、及び
上記露光されたレジスト膜を現像する工程
を有し、
上記保護膜形成用組成物が、
[A]下記式(i−1)で表される構造単位を有する重合体、及び
[B]有機溶媒
を含有し、
上記式(i−1)で表される構造単位の含有割合が、上記[A]重合体を構成する全構造単位に対して、40モル%以上100モル%以下であり、
上記式(i−1)における基(a)が、下記式(a’)で表され、
上記式(i−1)におけるL 1 が単結合、かつR 7 のうちの少なくとも1つが上記式(a’)で表される基であるレジストパターン形成方法。
- [A]重合体が、下記(ii)〜(iv)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位をさらに有する請求項1に記載のレジストパターン形成方法。
(ii)アルカリ可溶性基
(iii)アルカリ解離性基
(iv)酸解離性基 - 上記(ii)アルカリ可溶性基が、フェノール性水酸基、β−ジケトン構造を有する基、β−ケトエステル構造を有する基、β−ジカルボン酸エステル構造を有する基、β−チオキソケトン構造を有する基、及びスルホンアミド構造を有する基からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載のレジストパターン形成方法。
- 上記(ii)アルカリ可溶性基を含む構造単位が、下記式(ii−1)〜(ii−6)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2又は請求項3に記載のレジストパターン形成方法。
式(ii−1)〜(ii−3)中、aは、それぞれ独立して、1〜3の整数である。RBは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。bは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。RBが複数の場合、複数のRBはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。但し、1≦a+b≦5を満たす。
式(ii−4)中、L3及びL4は、それぞれ独立して、単結合、メチレン基、炭素数2〜5のアルキレン基、炭素数3〜15のシクロアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又はこれらの基と−O−及び−CO−からなる群より選ばれる少なくとも1種とを組み合わせた2価の基である。R8は、水素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜5の1価の鎖状炭化水素基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、又は上記基(a)である。cは、1〜5の整数である。L4及びR8がそれぞれ複数の場合、複数のL4及びR8はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。但し、R8のうちの少なくとも1つは上記基(a)である。
式(ii−5)中、RXは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アルコキシ基、アシル基、アラルキル基又はアリール基である。上記アルキル基、脂環式炭化水素基、アルコキシ基、アシル基、アラルキル基及びアリール基が有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。RYは、−C(=O)−Ra、または−S(=O)2−Rbである。Ra及びRbは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アルコキシ基、シアノ基、シアノメチル基、アラルキル基又はアリール基である。但し、Ra又はRbとRXとが互いに結合して環構造を形成していてもよい。dは、1〜3の整数である。RX及びRYがそれぞれ複数の場合、複数のRX及びRYはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。L5は、(d+1)価の連結基である。
式(ii−6)中、RZは、2価の連結基である。RWは、炭素数1〜20のフッ素化アルキル基である。) - 上記(ii)アルカリ可溶性基を含む構造単位が、上記式(ii−4)で表される構造単位である請求項4に記載のレジストパターン形成方法。
- 感放射線性樹脂組成物でレジスト膜を形成する工程、
保護膜形成用組成物で上記レジスト膜上に保護膜を積層する工程、
上記保護膜が積層されたレジスト膜を露光する工程、及び
上記露光されたレジスト膜を現像する工程
を有し、
上記保護膜形成用組成物が、
[A]下記式(i−1)で表される構造単位を有する重合体、及び
[B]有機溶媒
を含有し、
上記式(i−1)で表される構造単位の含有割合が、上記[A]重合体を構成する全構造単位に対して、40モル%以上100モル%以下であり、
[A]重合体が、下記(ii)〜(iv)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位をさらに有し、
(ii)アルカリ可溶性基
(iii)アルカリ解離性基
(iv)酸解離性基
上記(ii)アルカリ可溶性基を含む構造単位が、下記式(ii−4)で表される構造単位であるレジストパターン形成方法。
- [A]重合体が、上記(ii)アルカリ可溶性基を有する構造単位を有する請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法。
- [B]有機溶媒が、エーテル系溶媒及びアルコール系溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法。
- [B]有機溶媒がエーテル系溶媒を含み、このエーテル系溶媒の含有率が10質量%以上である請求項9に記載のレジストパターン形成方法。
- 上記露光工程で用いる放射線が、EUV又は電子線である請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法。
- レジストパターン形成方法におけるレジスト膜の表面被覆に用いられ、
[A’]下記式(i−1)で表される構造単位と、下記式(ii−4)で表される構造単位とを有する重合体、及び
[B]有機溶媒
を含有し、
上記式(i−1)で表される構造単位の含有割合が、上記[A]重合体を構成する全構造単位に対して、40モル%以上100モル%以下である保護膜形成用組成物。
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