JP4888655B2 - レジスト保護膜材料及びパターン形成方法 - Google Patents
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- ZXJGLRCLVRPTMF-CLTKARDFSA-N C/C=C\c1c(C=C)cccc1 Chemical compound C/C=C\c1c(C=C)cccc1 ZXJGLRCLVRPTMF-CLTKARDFSA-N 0.000 description 1
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Description
ここで、電子線(EB)等の真空中の露光において、酸の存在によってアセタールの可逆反応が起こり、真空中の放置時間によっては寸法変動が生じたり、パターンが変形することが指摘されている(特許文献7:特開2002−99090号公報)。水分がない真空中で酸が存在すると、アセタールの可逆的な脱保護によってビニルエーテルが生成するが、ビニルエーテルや酸の蒸発によって感度が変動する。
一方、3級エステル系の酸不安定基は、真空中の露光によって脱保護が進行し、オレフィンが生成する。このオレフィンの蒸発がアウトガスの原因となる。
EUVリソグラフィーにおいては、多くの克服すべき問題があるが、その中の一つとしてレジスト膜からのアウトガスの発生による反射ミラーの反射率低下が挙げられる。
レジスト材料の改良によってアウトガスの低減が図られているが、根本的な解決には至っていない。
ここで、ArF液浸リソグラフィーにおいて、レジスト膜から水への溶出を抑えるためにレジスト膜の上層に保護膜が検討されたように、アウトガスを抑えるためにフッ素系のポリマーをベースとした保護膜が提案されている(特許文献8:特開2006−58739号公報)が、更にアウトガスを効果的に遮断するための保護膜の開発が望まれている。
請求項1:
ウエハーに形成したフォトレジスト層上にレジスト保護膜材料による保護膜を形成し、露光を行った後、現像を行うリソグラフィーによるパターン形成方法において用いる前記レジスト保護膜材料であって、カルボキシル基及び/又はスルホ基を有する繰り返し単位と炭化水素からなる繰り返し単位とを共重合した高分子化合物をベース樹脂とし、該カルボキシル基及び/又はスルホ基を有する繰り返し単位と炭化水素からなる繰り返し単位とを共重合してなる高分子化合物が、下記一般式(1)で示されるものであることを特徴とするレジスト保護膜材料。
(式中、R 1 は水素原子、メチル基、−COOH、又は−CH 2 COOHである。R 2 は単結合、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、フェニレン基、又はナフチレン基であり、アルキレン基はエーテル基又はエステル基を有していてもよい。R 3 は水素原子、又はR 2 と結合してR 2 とR 3 を合わせてこれらが結合する炭素原子と共に炭素数4〜12の脂環を形成してもよい。R 6 は水素原子、又はR 5 と結合してR 5 とR 6 を合わせてこれらが結合する炭素原子と共に炭素数4〜12の脂環を形成してもよい。R 4 、R 7 は水素原子又はメチル基、R 5 は単結合、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、又はフェニレン基であり、アルキレン基はエステル基を有していてもよい。R 8 はフェニル基、ナフチル基、又は炭素数11〜30の縮合多環式炭化水素基であるが、これらの水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、又は炭素数1〜8のハロアルキル基で置換されていてもよい。a、b、c、(d−1)、(d−2)、(d−3)、(d−4)は、それぞれ0≦a<1.0、0≦b<1.0、0≦c<1.0、0<a+b+c<1.0、0≦(d−1)≦0.9、0≦(d−2)≦0.9、0≦(d−3)≦0.9、0≦(d−4)≦0.9、0<(d−1)+(d−2)+(d−3)+(d−4)≦0.9の範囲である。)
請求項2:
更に、有機溶剤を含有する請求項1記載のレジスト保護膜材料。
請求項3:
ウエハーに形成したフォトレジスト層上にレジスト保護膜材料による保護膜を形成し、露光を行った後、現像を行うリソグラフィーによるパターン形成方法において、上記レジスト保護膜材料として請求項1又は2記載のレジスト保護膜材料を用いることを特徴とするパターン形成方法。
請求項4:
ウエハーに形成したフォトレジスト層上にレジスト保護膜材料による保護膜を形成し、真空中で露光を行うパターン形成方法において、上記レジスト保護膜材料として請求項1又は2記載のレジスト保護膜材料を用いることを特徴とするパターン形成方法。
請求項5:
露光における波長が3〜15nmの範囲、又は露光に電子線を用いることを特徴とする請求項4記載のパターン形成方法。
請求項6:
露光後に行う現像工程において、アルカリ現像液によりフォトレジスト層の現像とレジスト保護膜材料の保護膜の剥離とを同時に行う請求項3、4又は5記載のパターン形成方法。
(式中、R1は水素原子、メチル基、−COOH、又は−CH2COOHである。R2は単結合、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、フェニレン基、又はナフチレン基であり、アルキレン基はエーテル基(−O−)又はエステル基(−COO−)を有していてもよい。R3は水素原子、又はR2と結合してR2とR3を合わせてこれらが結合する炭素原子と共に炭素数4〜12の脂環を形成してもよい。R6は水素原子、又はR5と結合してR5とR6を合わせてこれらが結合する炭素原子と共に炭素数4〜12の脂環を形成してもよい。R4、R7は水素原子又はメチル基、R5は単結合、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、又はフェニレン基であり、アルキレン基はエステル基を有していてもよい。R8はフェニル基、ナフチル基、又は炭素数11〜30の縮合多環式炭化水素基であるが、これらの水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、又は炭素数1〜8のハロアルキル基で置換されていてもよい。a、b、c、(d−1)、(d−2)、(d−3)、(d−4)は、それぞれ0≦a<1.0、0≦b<1.0、0≦c<1.0、0<a+b+c<1.0、0≦(d−1)≦0.9、0≦(d−2)≦0.9、0≦(d−3)≦0.9、0≦(d−4)≦0.9、0<(d−1)+(d−2)+(d−3)+(d−4)≦0.9の範囲である。なお、a+b+c+(d−1)+(d−2)+(d−3)+(d−4)=1である。)
(式中、R11は同一又は異種の水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、又は炭素数6〜10のアリール基であり、R12は単結合又は炭素数1〜40の直鎖状、分岐状又は環状構造を有する2n価の炭化水素基であり、有橋環式炭化水素基を有していてもよく、脂肪族不飽和結合を有していてもよく、硫黄などのヘテロ原子を有していてもよく、炭素数6〜30の芳香族基を有していてもよい。上記式中、nは1〜4の整数、mは3〜8の整数、pは1又は2、qは1〜8の整数である。Xは硫黄原子、又は炭素数1〜14のアルキレン基で、フェノール基、ナフトール基、フェニル基又はナフチル基を有していてもよい。)
N(X)n(Y)3-n (B)−1
(上記式中、n=1、2又は3である。側鎖Xは同一でも異なっていてもよく、下記一般式(X1)〜(X3)で表すことができる。側鎖Yは同一又は異種の、水素原子もしくは直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜20のアルキル基を示し、エーテル基もしくはヒドロキシル基を含んでもよい。また、X同士が結合して環を形成してもよい。)
R303は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R306は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、ラクトン環を1あるいは複数含んでいてもよい。
(上記式中、Xは前述の通り、R307は炭素数2〜20の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、カルボニル基、エーテル基、エステル基、スルフィドを1個あるいは複数個含んでいてもよい。)
(上記式中、X、R307、nは前述の通り、R308、R309は同一又は異種の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基である。)
(上記式中、R310は炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としては水酸基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基、シアノ基、アセタール基のいずれかを1個あるいは複数個含む。R311、R312、R313は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。)
(上記式中、R314は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基である。R315は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としてエステル基、アセタール基、シアノ基のいずれかを一つ以上含み、その他に水酸基、カルボニル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基のいずれかを一つ以上含んでいてもよい。)
(上記式中、Aは窒素原子又は≡C−R322である。Bは窒素原子又は≡C−R323である。R316は炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としては水酸基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基、シアノ基又はアセタール基を一つ以上含む。R317、R318、R319、R320は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又はアリール基であるか、又はR317とR318、R319とR320はそれぞれ結合してベンゼン環、ナフタレン環あるいはピリジン環を形成してもよい。R321は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又はアリール基である。R322、R323は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又はアリール基である。R321とR323は結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成してもよい。)
(上記式中、R324は炭素数6〜20のアリール基又は炭素数4〜20のヘテロ芳香族基であって、水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアシルオキシ基、又は、炭素数1〜10のアルキルチオ基で置換されていてもよい。R325はCO2R326、OR327又はシアノ基である。R326は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基である。R327は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基又はアシル基である。R328は単結合、メチレン基、エチレン基、硫黄原子又は−O(CH2CH2O)n−基である。n=0,1,2,3又は4である。R329は水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基である。Xは窒素原子又はCR330である。Yは窒素原子又はCR331である。Zは窒素原子又はCR332である。R330、R331、R332はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はフェニル基であるか、あるいはR330とR331又はR331とR332が結合して、炭素数6〜20の芳香環又は炭素数2〜20のヘテロ芳香環を形成してもよい。)
(上記式中、R333は水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基である。R334及びR335はそれぞれ独立に、エーテル、カルボニル、エステル、アルコール、スルフィド、ニトリル、アミン、イミン、アミドなどの極性官能基を一つ又は複数含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基であって、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。R334とR335は互いに結合して、これらが結合する窒素原子と共に炭素数2〜20のヘテロ環又はヘテロ芳香環を形成してもよい。)
このようなフッ素置換された溶媒を例示すると、2−フルオロアニソール、3−フルオロアニソール、4−フルオロアニソール、2,3−ジフルオロアニソール、2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、5,8−ジフルオロ−1,4−ベンゾジオキサン、2,3−ジフルオロベンジルアルコール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、2’,4’−ジフルオロプロピオフェノン、2,4−ジフルオロトルエン、トリフルオロアセトアルデヒドエチルヘミアセタール、トリフルオロアセトアミド、トリフルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエチルブチレート、エチルヘプタフルオロブチレート、エチルヘプタフルオロブチルアセテート、エチルヘキサフルオログルタリルメチル、エチル−3−ヒドロキシ−4,4,4−トリフルオロブチレート、エチル−2−メチル−4,4,4−トリフルオロアセトアセテート、エチルペンタフルオロベンゾエート、エチルペンタフルオロプロピオネート、エチルペンタフルオロプロピニルアセテート、エチルパーフルオロオクタノエート、エチル−4,4,4−トリフルオロアセトアセテート、エチル−4,4,4−トリフルオロブチレート、エチル−4,4,4−トリフルオロクロトネート、エチルトリフルオロスルホネート、エチル−3−(トリフルオロメチル)ブチレート、エチルトリフルオロピルベート、S−エチルトリフルオロアセテート、フルオロシクロヘキサン、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノール、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−7,7−ジメチル−4,6−オクタンジオン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタフルオロペンタン−2,4−ジオン、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−ペンタノール、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−ペンタノン、イソプロピル4,4,4−トリフルオロアセトアセテート、メチルパーフルオロデナノエート、メチルパーフルオロ(2−メチル−3−オキサヘキサノエート)、メチルパーフルオロノナノエート、メチルパーフルオロオクタノエート、メチル−2,3,3,3−テトラフルオロプロピオネート、メチルトリフルオロアセトアセテート、1,1,1,2,2,6,6,6−オクタフルオロ−2,4−ヘキサンジオン、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−デカノール、パーフルオロ(2,5−ジメチル−3,6−ジオキサンアニオニック)酸メチルエステル、2H−パーフルオロ−5−メチル−3,6−ジオキサノナン、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロノナン−1,2−ジオール、1H,1H,9H−パーフルオロ−1−ノナノール、1H,1H−パーフルオロオクタノール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタノール、2H−パーフルオロ−5,8,11,14−テトラメチル−3,6,9,12,15−ペンタオキサオクタデカン、パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリヘキシルアミン、パーフルオロ−2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサドデカン酸メチルエステル、パーフルオロトリペンチルアミン、パーフルオロトリプロピルアミン、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロウンデカン−1,2−ジオール、トルフルオロブタノール1,1,1−トリフルオロ−5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、3,3,3−トリフルオロ−1−プロパノール、1,1,1−トリフルオロ−2−プロピルアセテート、パーフルオロブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロ(ブチルテトラヒドロフラン)、パーフルオロデカリン、パーフルオロ(1,2−ジメチルシクロヘキサン)、パーフルオロ(1,3−ジメチルシクロヘキサン)、プロピレングリコールトリフルオロメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルトリフルオロメチルアセテート、トリフルオロメチル酢酸ブチル、3−トリフルオロメトキシプロピオン酸メチル、パーフルオロシクロヘキサノン、プロピレングリコールトリフルオロメチルエーテル、トリフルオロ酢酸ブチル、1,1,1−トリフルオロ−5,5−ジメチル−2,4−ヘキサンジオン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノール、2−トリフルオロメチル−2−プロパノール,2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、3,3,3−トリフルオロ−1−プロパノール、4,4,4−トリフルオロ−1−ブタノールなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明のパターン形成方法は、少なくとも、基板上にフォトレジスト膜を形成する工程と、該フォトレジスト膜の上に、前記本発明のレジスト保護膜材料を用いてレジスト保護膜を形成する工程と、露光する工程と、現像液を用いて現像する工程を含む。
成膜方法としては、例えば、スピンコート法などが挙げられる。この時、フォトレジスト膜材料のスピンコーティングにおけるディスペンス量を削減するために、フォトレジスト溶媒あるいはフォトレジスト溶媒と混用する溶液で基板を塗らした状態でフォトレジスト膜材料をディスペンスしスピンコートするのが好ましい(例えば、特開平9−246173号公報参照)。これにより、フォトレジスト膜材料の溶液の基板への広がりが改善され、フォトレジスト膜材料のディスペンス量を削減できる。
成膜方法としては、例えば、スピンコート法などが挙げられる。レジスト保護膜材料のスピンコートにおいても、前述のフォトレジスト膜と同様のプロセスが考えられ、レジスト保護膜材料の塗布前にフォトレジスト膜の表面を溶媒で塗らしてからレジスト保護膜材料を塗布してもよい。形成するレジスト保護膜の膜厚は3〜200nm、特には5〜150nmとすることが好ましい。フォトレジスト膜の表面を溶媒で塗らすには回転塗布法、ベーパープライム法が挙げられるが、回転塗布法がより好ましく用いられる。この時用いる溶媒としては、前述のフォトレジスト膜を溶解させない高級アルコール、エーテル系、フッ素系溶媒の中から選択されるのがより好ましい。
露光時の環境としては、EUV、EB共に真空中である。
露光後、必要に応じてベーク(ポストエクスポジュアーベーク;PEB)を行い、現像を行う。
現像工程では、例えば、アルカリ現像液で3〜300秒間現像を行う。アルカリ現像液としては2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が一般的に広く用いられている。
この場合、現像工程において、アルカリ現像液を用いて現像し、前記フォトレジスト膜にレジストパターンを形成すると同時に、フォトレジスト膜上のレジスト保護膜の剥離を行うのが好ましい。このようにすれば、従来装置に剥離装置を増設することなく、より簡便にレジスト保護膜の剥離を行うことができる。
500mLのフラスコにメタクリル酸34.4g、インデン69.6g、溶媒として1,2−ジクロロエタンを80g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、重合開始剤としてトリフルオロホウ素を1g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール2.5L、水0.2Lの混合溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体35gを得た。
GPCにより分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求め、1H−NMR分析によりポリマー中の比率を以下のように求めた。
ポリマー1;メタクリル酸:インデン(モル比)=0.40:0.60
Mw9,600、Mw/Mn=1.89
この高分子化合物を(ポリマー1)とする。
500mLのフラスコにメタクリル酸51.6g、アセナフチレン65.0g、溶媒として1,2−ジクロロエタンを80g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、重合開始剤としてトリフルオロホウ素を1g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール2.5L、水0.2Lの混合溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体35gを得た。
GPCにより分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求め、1H−NMR分析によりポリマー中の比率を以下のように求めた。
ポリマー2;メタクリル酸:アセナフチレン(モル比)=0.60:0.40
Mw6,100、Mw/Mn=1.95
この高分子化合物を(ポリマー2)とする。
500mLのフラスコにメタクリル酸34.4g、スチレン31.2g、2,5−ノルボルナジエン27.6g、溶媒としてメチルイソブチルケトンを200g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を2.5g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール500mL溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。
得られた重合体を13C,1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
メタクリル酸:2,5−ノルボルナジエン:スチレン=0.40:0.30:0.30
重量平均分子量(Mw)=9,600
分子量分布(Mw/Mn)=1.93
この高分子化合物を(ポリマー3)とする。
500mLのフラスコにメタクリル酸30.1g、スチレン67.6g、溶媒としてメチルイソブチルケトンを200g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を2.5g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール500mL溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。
得られた重合体を13C,1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
メタクリル酸:スチレン=0.35:0.65
重量平均分子量(Mw)=10,600
分子量分布(Mw/Mn)=1.72
この高分子化合物を(ポリマー4)とする。
500mLのフラスコにメタクリル酸34.4g、1−ビニルナフタレン92.4g、溶媒としてメチルイソブチルケトンを200g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を2.5g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール500mL溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。
得られた重合体を13C,1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
メタクリル酸:1−ビニルナフタレン=0.40:0.60
重量平均分子量(Mw)=8,800
分子量分布(Mw/Mn)=1.78
この高分子化合物を(ポリマー5)とする。
500mLのフラスコにメタクリル酸32.0g、1−ビニルピレン114.0g、溶媒としてメチルイソブチルケトンを200g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を2.5g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール500mL溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。
得られた重合体を13C,1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
メタクリル酸:1−ビニルピレン=0.50:0.50
重量平均分子量(Mw)=6,800
分子量分布(Mw/Mn)=1.82
この高分子化合物を(ポリマー6)とする。
500mLのフラスコに4−ビニルベンゼンカルボン酸66.6g、スチレン57.2g、溶媒としてメチルイソブチルケトンを200g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を2.5g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール500mL溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。
得られた重合体を13C,1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
4−ビニルベンゼンカルボン酸:スチレン=0.45:0.55
重量平均分子量(Mw)=9,100
分子量分布(Mw/Mn)=1.67
この高分子化合物を(ポリマー7)とする。
500mLのフラスコに2−ビニル−6−ナフタレンカルボン酸99.0g、1−ビニルナフタレン77.0g、溶媒としてメチルイソブチルケトンを200g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を2.5g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール500mL溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。
得られた重合体を13C,1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
2−ビニル−6−ナフタレンカルボン酸:1−ビニルナフタレン=0.50:0.50
重量平均分子量(Mw)=7,300
分子量分布(Mw/Mn)=1.65
この高分子化合物を(ポリマー8)とする。
500mLのフラスコに2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸54.4g、スチレン62.40g、溶媒としてメチルイソブチルケトンを200g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を2.5g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール500mL溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。
得られた重合体を13C,1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸:スチレン=0.40:0.60
重量平均分子量(Mw)=8,100
分子量分布(Mw/Mn)=1.65
この高分子化合物を(ポリマー9)とする。
500mLのフラスコにビニルスルホン酸32.1g、スチレン74.9g、溶媒としてメチルイソブチルケトンを200g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を2.5g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール500mL溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。
得られた重合体を13C,1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
ビニルスルホン酸:スチレン=0.30:0.70
重量平均分子量(Mw)=9,900
分子量分布(Mw/Mn)=1.61
この高分子化合物を(ポリマー10)とする。
500mLのフラスコに4−スチレンスルホン酸55.2g、スチレン74.9g、溶媒としてメチルイソブチルケトンを200g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を2.5g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール500mL溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。
得られた重合体を13C,1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
4−スチレンスルホン酸:スチレン=0.30:0.70
重量平均分子量(Mw)=9,500
分子量分布(Mw/Mn)=1.72
この高分子化合物を(ポリマー11)とする。
500mLのフラスコに2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸54.4g、2,5−ノルボルナジエン55.2g、溶媒としてメチルイソブチルケトンを100g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を2.5g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール500mL溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。
得られた重合体を13C,1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
2,5−ノルボルナジエン−2−カルボン酸:2,5−ノルボルナジエン=0.40:0.60
重量平均分子量(Mw)=6,400
分子量分布(Mw/Mn)=1.81
この高分子化合物を(ポリマー12)とする。
500mLのフラスコに4−ビニルベンゼンカルボン酸81.4g、ペンタフルオロスチレン87.3g、溶媒としてメチルイソブチルケトンを200g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を2.5g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール500mL溶液中に沈殿させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。
得られた重合体を13C,1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
4−ビニルベンゼンカルボン酸:ペンタフルオロスチレン=0.55:0.45
重量平均分子量(Mw)=9,300
分子量分布(Mw/Mn)=1.85
この高分子化合物を(ポリマー13)とする。
合成例1〜13のポリマー、下記に示す添加化合物1〜6、塩基性化合物1〜5、及び溶媒を混合し、下記表1に示す組成のレジスト保護膜溶液1〜28を作製した。
次に、上記方法でレジスト保護膜を形成したシリコン基板を用いて、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間現像し、現像後のレジスト保護膜の膜厚を測定した。その結果を表2に示す。現像後、レジスト保護膜は全て溶解していることが確認された。
通常のラジカル重合で得られた高分子化合物を用いて、表3に示される組成で溶解させた溶液を、0.2μmサイズのフィルターで濾過してポジ型レジスト材料を調製した。
得られたポジ型レジスト材料を直径6インチφのSi基板上に、クリーントラックMark5(東京エレクトロン(株)製)を用いてスピンコートし、ホットプレート上で、110℃で60秒間プリベークして200nmのレジスト膜を作製した。レジスト膜上に保護膜溶液をスピンコートし、ホットプレート上で、100℃で60秒間プリベークして30nm膜厚のレジスト保護膜を作製した。これに、(株)日立製作所製HL−800Dを用いてHV電圧50keVで真空チャンバー内描画を行った。
描画後、直ちにクリーントラックMark5(東京エレクトロン(株)製)を用いてホットプレート上で、100℃で60秒間ポストエクスポージャベーク(PEB)を行い、2.38質量%のTMAH水溶液で30秒間パドル現像を行い、ポジ型のパターンを得た。また、描画後真空チャンバー内で2時間放置し、アウトガスの放出試験を行った。描画後直ちに現像を行った場合との寸法差が小さいほどアウトガスの放出が小さいと判断した。ここで+の値の場合の寸法差は、真空放置の方がライン寸法が太くなっていることを示し、低感度化が起きていることを示す。−の値の場合は高感度化である。結果を表4に示す。
Claims (6)
- ウエハーに形成したフォトレジスト層上にレジスト保護膜材料による保護膜を形成し、露光を行った後、現像を行うリソグラフィーによるパターン形成方法において用いる前記レジスト保護膜材料であって、カルボキシル基及び/又はスルホ基を有する繰り返し単位と炭化水素からなる繰り返し単位とを共重合した高分子化合物をベース樹脂とし、該カルボキシル基及び/又はスルホ基を有する繰り返し単位と炭化水素からなる繰り返し単位とを共重合してなる高分子化合物が、下記一般式(1)で示されるものであることを特徴とするレジスト保護膜材料。
(式中、R 1 は水素原子、メチル基、−COOH、又は−CH 2 COOHである。R 2 は単結合、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、フェニレン基、又はナフチレン基であり、アルキレン基はエーテル基又はエステル基を有していてもよい。R 3 は水素原子、又はR 2 と結合してR 2 とR 3 を合わせてこれらが結合する炭素原子と共に炭素数4〜12の脂環を形成してもよい。R 6 は水素原子、又はR 5 と結合してR 5 とR 6 を合わせてこれらが結合する炭素原子と共に炭素数4〜12の脂環を形成してもよい。R 4 、R 7 は水素原子又はメチル基、R 5 は単結合、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、又はフェニレン基であり、アルキレン基はエステル基を有していてもよい。R 8 はフェニル基、ナフチル基、又は炭素数11〜30の縮合多環式炭化水素基であるが、これらの水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、又は炭素数1〜8のハロアルキル基で置換されていてもよい。a、b、c、(d−1)、(d−2)、(d−3)、(d−4)は、それぞれ0≦a<1.0、0≦b<1.0、0≦c<1.0、0<a+b+c<1.0、0≦(d−1)≦0.9、0≦(d−2)≦0.9、0≦(d−3)≦0.9、0≦(d−4)≦0.9、0<(d−1)+(d−2)+(d−3)+(d−4)≦0.9の範囲である。) - 更に、有機溶剤を含有する請求項1記載のレジスト保護膜材料。
- ウエハーに形成したフォトレジスト層上にレジスト保護膜材料による保護膜を形成し、露光を行った後、現像を行うリソグラフィーによるパターン形成方法において、上記レジスト保護膜材料として請求項1又は2記載のレジスト保護膜材料を用いることを特徴とするパターン形成方法。
- ウエハーに形成したフォトレジスト層上にレジスト保護膜材料による保護膜を形成し、真空中で露光を行うパターン形成方法において、上記レジスト保護膜材料として請求項1又は2記載のレジスト保護膜材料を用いることを特徴とするパターン形成方法。
- 露光における波長が3〜15nmの範囲、又は露光に電子線を用いることを特徴とする請求項4記載のパターン形成方法。
- 露光後に行う現像工程において、アルカリ現像液によりフォトレジスト層の現像とレジスト保護膜材料の保護膜の剥離とを同時に行う請求項3、4又は5記載のパターン形成方法。
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