JP5573730B2 - 感放射線性樹脂組成物及びこれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Description
[B]感放射線性酸発生体(以下、「[B]酸発生体」ともいう)
を含有する感放射線性樹脂組成物。
(1)本発明の感放射線性樹脂組成物を、基板上に塗布してレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程、
(2)上記レジスト膜の少なくとも一部に、液浸露光により放射線を照射して露光する露光工程、
(3)露光された上記レジスト膜を加熱する加熱工程、及び
(4)加熱された上記レジスト膜を現像する現像工程
を含むパターン形成方法も含まれる。
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]含フッ素重合体及び[B]酸発生体を含有する。本発明の所期の効果を損なわない限り、その他の任意成分を含有していてもよい。以下、各構成成分について順に説明する。
[A]含フッ素重合体は、上記式(1)で表される構造単位(I)を有する。また、[A]含フッ素重合体は、フッ素原子を含む構造単位(II)をさらに有することが好ましい。これらに加えて、その他の酸解離性基を含む構造単位(III)、ラクトン骨格及び/又は環状カーボネート骨格を有する構造単位(IV)、脂環式構造を含む構造単位(V)を有していてもよい。
構造単位(I)は、脂肪族環状炭化水素基又は脂肪族複素環基において、エステル基に結合している炭素原子に炭素数5以上の直鎖状のアルキル基が結合する構造を有する。上記脂肪族環状炭化水素基又は脂肪族複素環基は、酸解離性基として機能する。このような酸解離性基を有する重合体は、酸の作用前はアルカリ不溶性又はアルカリ難溶性であるが、当該感放射線性樹脂組成物が含有する[B]酸発生体等から発生する酸の作用により酸解離性基が脱離すると、アルカリ可溶性となる。ここで、重合体が「アルカリ不溶性又はアルカリ難溶性」であるとは、当該感放射線性樹脂組成物を用いて形成したレジスト膜からレジストパターンを形成する際に採用されるアルカリ現像条件下で、レジスト膜に代えてこのような重合体のみを用いた膜厚100nmの被膜を現像した場合に、被膜の初期膜厚の50%以上が現像後に残存する性質をいう。
シクロプロパンジイル基、シクロブタンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、シクロヘプタンジイル基、シクロオクタンジイル基、シクロデカンジイル基、シクロドデカンジイル基等の単環の脂肪族飽和炭化水素基;
シクロブテンジイル基、シクロペンテンジイル基、シクロヘキセンジイル基、シクロデセンジイル基、シクロドデセンジイル、シクロペンタジエンジイル基、シクロヘキサジエンジイル基、シクロデカジエンジイル基等の単環の脂肪族不飽和炭化水素基;
ビシクロ[2.2.1]ヘプテンジイル基、ビシクロ[2.2.2]オクタンジイル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジイル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカンジイル基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカンジイル基、アダマンタンジイル基等の多環の脂肪族飽和炭化水素基;
ビシクロ[2.2.1]ヘプテンジイル基、ビシクロ[2.2.2]オクテンジイル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセンジイル基、トリシクロ[3.3.1.1.3,7]デセンジイル基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデセンジイル基等の多環の脂肪族不飽和炭化水素基等が挙げられる。
オキサシクロペンタンジイル基、オキサシクロヘキサンジイル基、オキサシクロヘプタンジイル基、オキサシクロオクタンジイル基、オキサシクロデカンジイル基、ジオキサシクロペンタンジイル基、ジオキサシクロヘキサンジイル基、ジオキサシクロヘプタンジイル基、ジオキサシクロオクタンジイル基、ジオキサシクロデカンジイル基、ブタノラクトンジイル基、ペンタノラクトンジイル基、ヘキサノラクトンジイル基、ヘプタノラクトンジイル基、オクタノラクトンジイル基、デカノラクトンジイル基等の酸素含有基;
アザシクロペンタンジイル基、アザシクロヘキサンジイル基、アザシクロヘプタンジイル基、アザシクロオクタンジイル基、アザシクロデカンジイル基、ジアザシクロペンタンジイル基、ジアザシクロヘキサンジイル基、ジアザシクロヘプタンジイル基、ジアザシクロオクタンジイル基、ジアザシクロデカンジイル基、ブタノラクタムジイル基、ペンタノラクタムジイル基、ヘキサノラクタムジイル基、ヘプタノラクタムジイル基、オクタノラクタムジイル基、デカノラクタムジイル基等の窒素含有基;
チアシクロペンタンジイル基、チアシクロヘキサンジイル基、チアシクロヘプタンジイル基、チアシクロオクタンジイル基、チアシクロデカンジイル基、ジチアシクロペンタンジイル基、ジチアシクロヘキサンジイル基、ジチアシクロヘプタンジイル基、ジチアシクロオクタンジイル基、ジチアシクロデカンジイル基、ブタノチオラクトンジイル基、ペンタノチオラクトンジイル基、ヘキサノチオラクトンジイル基、ヘプタノチオラクトンジイル基、オクタノチオラクトンジイル基、デカノチオラクトンジイル基等の硫黄含有基;
オキサアザシクロペンタンジイル基、オキサアザシクロヘキサンジイル基、オキサアザシクロオクタンジイル基、オキサチアシクロペンタンジイル基、オキサチアシクロヘキサンジイル基、オキサチアシクロオクタンジイル基、チアザシクロペンタンジイル基、チアザシクロヘキサンジイル基、チアザシクロオクタンジイル基等の多種ヘテロ原子含有基等の単環の脂肪族複素環基、
脂肪族環が縮環したブタノラクトンジイル基等の脂肪族環縮環ラクトンジイル基;
ラクトン環、ラクタム環、チオラクトン環等が縮環したシクロペンタンジイル基等の複素環縮環シクロアルカンジイル基;
ラクトン環、ラクタム環、チオラクトン環等が縮環した7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタンジイル基、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンジイル基、7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタンジイル基等の複素環縮環複素シクロアルカンジイル基等の多環の脂肪族複素環基が挙げられる。
RSは、−RP1、−RP2−O−RP1、−RP2−CO−RP1、−RP2−CO−ORP1、−RP2−O−CO−RP1、−RP2−OH、−RP2−CN又は−RP2−COOHである。
RP1は、炭素数1〜10の1価の鎖状飽和炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂肪族環状飽和炭化水素基又は炭素数6〜30の1価の芳香族炭化水素基であり、これらの基の有する水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい。
RP2は、単結合、炭素数1〜10の2価の鎖状飽和炭化水素基、炭素数3〜20の2価の脂肪族環状飽和炭化水素基又は炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基であり、これらの基の有する水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい。
nSは、0〜3の整数であり、ntは0又は1である。nCは0〜16の整数である。
上記式(1−9)中、Zh1は、酸素原子、硫黄原子又は−NR’−を含み、R2が結合している炭素原子と共に、核原子数4〜20の2価の脂肪族複素環基を形成する。但し、R’は、1価の有機基である。
上記式(1−10)中、Zh2は、酸素原子、硫黄原子又は−NR’’−を含み、R2が結合している炭素原子及びカルボニル基と共に、核原子数4〜20の2価のラクトン基、チオラクトン基又はラクタム基を形成する。但し、R’’は、1価の有機基である。
[A]含フッ素重合体は、フッ素原子を含む構造単位(II)を有することができる。
ここで、[A]含フッ素重合体がフッ素原子を含む態様としては、例えば
主鎖にフッ素化アルキル基が結合した構造;
側鎖にフッ素化アルキル基が結合した構造;
主鎖と側鎖とにフッ素化アルキル基が結合した構造が挙げられる。
構造単位(II−1)は、下記式(2)で示される構造単位である。
構造単位(II−2)は、下記式(3)で示される構造単位である。
シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の単環式飽和炭化水素;
シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロデセン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、シクロデカジエン等の単環式不飽和炭化水素;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン、アダマンタン等の多環式飽和炭化水素;
ビシクロ[2.2.1]ヘプテン、ビシクロ[2.2.2]オクテン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デセン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデセン等の多環式炭化水素基から(m+1)個の水素原子を除いた基が挙げられる。
上記式(3−2)中、R5、X、R7及びkは上記式(3)と同義である。但し、kが2又は3の場合、複数のX及びR7はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
[A]含フッ素重合体は、酸解離性基を有する構造単位(III)をさらに有することができる。構造単位(III)としては下記式(4)で示される構造単位が挙げられる。
[A]含フッ素重合体は、ラクトン骨格又は環状カーボネート骨格を有する構造単位(IV)をさらに有することができる。構造単位(IV)を有することで、当該感放射線性樹脂組成物の基板等に対する密着性が向上する。
脂環式構造を含む構造単位(V)としては、例えば下記式(5)で示される構造単位が挙げられる。
[A]含フッ素重合体は、ラジカル重合等の常法に従って合成できる。例えば、
単量体及びラジカル開始剤を含有する溶液を、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;
単量体を含有する溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;
各々の単量体を含有する複数種の溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法等の方法で合成することが好ましい。なお、単量体溶液に対して、単量体溶液を滴下して反応させる場合、滴下される単量体溶液中の単量体量は、重合に用いられる単量体総量に対して30モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、70モル%以上が特に好ましい。
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、[B]酸発生体を含有する。[B]酸発生体は、露光により酸を発生し、その酸により[A]含フッ素重合体中に存在する酸解離性基を解離させ酸を発生させる。その結果、[A]含フッ素重合体が現像液に溶解性となる。当該感放射線性樹脂組成物における[B]酸発生体の含有形態としては、後述するような化合物の形態でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
当該感放射線性樹脂組成物は、好適成分として[C]ベース重合体をさらに含有できる。[C]ベース重合体は上記式(4)で表される酸解離性基を含む構造単位(c1)を有し、酸の作用により極性が増大する。
[C]ベース重合体において、構造単位(c2)の含有率は、[C]ベース重合体を構成する全構造単位の総量の30モル%〜60モル%であることが好ましい。なお、[C]ベース重合体は構造単位(c2)を1種、又は2種以上を有してもよい。
[C]ベース重合体は、例えば所定の各構造単位に対応する単量体を、ラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより製造できる。
当該組成物は、[A]含フッ素重合体及び[B]酸発生体、[C]ベース重合体に加え、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の任意成分として酸拡散制御体、溶媒、界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等を含有できる。
酸拡散制御体は、露光により[B]酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏し、得られる感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性がさらに向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上するとともに、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れた組成物が得られる。酸拡散制御体の当該組成物における含有形態としては、遊離の化合物の形態でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
当該組成物は通常溶媒を含有する。溶媒は少なくとも上記の[A]含フッ素重合体、[B]酸発生体、任意成分である[C]ベース重合体、及び必要に応じて加えられるその他の任意成分を溶解できれば特に限定されない。溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒及びその混合溶媒等が挙げられる。
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。
n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、iso−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
これらのうち酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンが好ましい。これらの溶媒は単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤の他、以下商品名でKP341(信越化学工業社)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学社)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ社)、メガファックF171、同F173(以上、大日本インキ化学工業社)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム社)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子工業社)等が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。
1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;
3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。これらの脂環式骨格含有化合物は単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
増感剤は、[B]酸発生体の生成量を増加する作用を示すものであり、当該組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
当該感放射線性樹脂組成物は、例えば有機溶媒中で[A]含フッ素重合体、[B]酸発生体、任意成分である[C]ベース重合体、及びその他の任意成分を所定の割合で混合することにより調製できる。また、当該感放射線性樹脂組成物は、適当な有機溶媒に溶解又は分散させた状態に調製され使用され得る。
本発明は、(1)本発明の感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程、(2)上記レジスト膜の少なくとも一部に、液浸露光により放射線を照射して露光する露光工程、(3)露光された上記レジスト膜を加熱する加熱工程、及び(4)加熱されたレジスト膜を現像する現像工程を含むパターン形成方法である。以下、各工程を詳述する。
本工程では、本発明の感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布して、レジスト膜を形成する。基板としては、例えばシリコンウェハ、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知の基板を使用できる。また、例えば特公平6−12452号公報や、特開昭59−93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の反射防止膜を基板上に形成してもよい。
本工程では、工程(1)で形成したレジスト膜の所望の領域に特定パターンのマスク、及び必要に応じて液浸液を介して縮小投影することにより露光を行う。例えば、所望の領域にアイソラインパターンマスクを介して縮小投影露光を行うことにより、アイソトレンチパターンを形成できる。また、露光は所望のパターンとマスクパターンによって2回以上行ってもよい。2回以上露光を行う場合、露光は連続して行うことが好ましい。複数回露光する場合、例えば所望の領域にラインアンドスペースパターンマスクを介して第1の縮小投影露光を行い、続けて第1の露光を行った露光部に対してラインが交差するように第2の縮小投影露光を行う。第1の露光部と第2の露光部とは直交することが好ましい。直交することにより、露光部で囲まれた未露光部において真円状のコンタクトホールパターンが形成しやすくなる。なお、露光の際に用いられる液浸液としては水やフッ素系不活性液体等が挙げられる。液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつ膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー光(波長193nm)である場合、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させる添加剤を僅かな割合で添加しても良い。この添加剤は、ウェハ上のレジスト層を溶解させず、かつレンズの下面の光学コートに対する影響が無視できるものが好ましい。使用する水としては蒸留水が好ましい。
本工程では、露光後にポストエクスポージャーベーク(PEB)を行なう。PEBを行なうことにより、当該感放射線性樹脂組成物中の酸解離性基の解離反応を円滑に進行できる。PEBの加熱条件としては、通常30℃以上200℃未満であり、50℃以上150℃未満が好ましく、60℃以上100℃未満がより好ましい。30℃より低い温度では、上記解離反応が円滑に進行しないおそれがあり、200℃以上の温度では、[B]酸発生体から発生する酸が未露光部にまで広く拡散し、良好なパターンが得られないおそれがある。本発明の感放射線性樹脂組成物を用いたパターン形成方法においては、PEB温度を通常よりも低い100℃未満にすることができるため、酸の拡散が適切に制御され、良好なパターンが得られると共に、消費するエネルギーを節約することができ低コスト化を実現できる。
本工程は、露光後加熱されたフォトレジスト膜を、現像液で現像することにより、所定のフォトレジストパターンを形成する。現像後は、水で洗浄し、乾燥することが一般的である。現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液が好ましい。
カラム温度:40℃
溶出溶媒:テトラヒドロフラン(和光純薬工業社)
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
[A]含フッ素重合体及び後述する[C]ベース重合体の合成に用いた単量体を以下に示す。
化合物(M−15)18.3g(20モル%)、化合物(M−11)81.7g(80モル%)を200gの2−ブタノンに溶解し、AIBN3.35gを添加して単量体溶液を調製した。100gの2−ブタノンを入れた1,000mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、撹拌しながら80℃に加熱し、調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。2,000gのメタノール中に冷却した重合溶液を投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を400gのメタノールで2回洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A−1)を得た(76.2g、収率76%)。得られた重合体(A−1)のMwは3,500であり、Mw/Mnは1.61であった。また、13C−NMR分析の結果、化合物(M−15)由来の構造単位の含有率:化合物(M−11)由来の構造単位の含有率は、19.9:80.1(モル%)であった。
表1に記載の単量体を所定量配合した以外は、合成例1と同様に操作して重合体(A−2)〜(A−12)、(a−1)及び(a−2)を得た。また、得られた各重合体のMw、Mw/Mn及び各重合体における各単量体に由来する構造単位の含有率を合わせて表1に示す。
[合成例15]
化合物(M−1)34.7g(40モル%)、化合物(M−5)12.8g(10モル%)、化合物(M−6)45.8g(40モル%)、及び化合物(M−9)6.7g(10モル%)を200gの2−ブタノンに溶解し、AIBN4.23gを添加して単量体溶液を調製した。100gの2−ブタノンを入れた1,000mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、撹拌しながら80℃に加熱し、調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。2,000gのメタノール中に冷却した重合溶液を投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を400gのメタノールで2回洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(C−1)を得た(81.6g、収率82%)。得られた重合体(C−1)のMwは5,500であり、Mw/Mnは1.41であった。また、13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)由来の構造単位:化合物(M−5)由来の構造単位:化合物(M−6)由来の構造単位:化合物(M−9)由来の構造単位の含有率は、39.8:8.6:40.5:11.1(モル%)であった。
表2に記載の単量体を所定量配合した以外は、合成例15と同様に操作して重合体(C−2)〜(C−5)を得た。また、得られた各重合体のMw、Mw/Mn及び各重合体における各単量体に由来する構造単位の含有率を合わせて表2に示す。
当該感放射線性樹脂組成物の調製で使用した[B]酸発生体、酸拡散制御剤及び溶媒は、下記のとおりである。
下記式(B−1)で表される化合物
下記式(D−1)で表される化合物。
以下、実施例及び比較例で用いた溶媒を示す。
(E−1)酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル
(E−2)シクロヘキサノン
(E−3)γ−ブチロラクトン
合成例1で得られた重合体(A−1)5質量部、酸発生体(B−1)9.9質量部、合成例15で得られた重合体(C−1)100質量部、酸拡散制御剤(D−1)7.9質量部、及び溶媒(E−1)2,590質量部、(E−2)1,110質量部、(E−3)200質量部を混合し、得られた混合溶液を孔径0.20μmのフィルターでろ過して感放射線性樹脂組成物を調製した。
表3に示す配合処方にしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い各感放射線性樹脂組成物を調製した。
下記評価結果は表3に示す。
半導体用反射防止コート材(商品名「ARC66」、日産化学社製)を用いて、下層反射防止膜を形成した12インチシリコンウェハ上に、上述のように調製した感放射線性樹脂組成物を用いて、膜厚110nmの被膜を形成し、120℃で60秒間ソフトベーク(SB)を行った。次に、この被膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(商品名「NSR S610C」、NIKON社製)を用い、NA=1.3、iNA=1.27、ratio=0.800、Dipole X open Angle=35deg.の条件により、ターゲットサイズが幅45nmのラインアンドスペース(1L1S)のマスクパターンを介して露光した。露光後、95℃で60秒間PEBを行った。その後、現像液として、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、クリーントラック(商品名:「LITHIUS Pro−i」東京エレクトロン社製)の現像装置により、GPノズルによる現像を10秒間実施した後、15秒間水洗し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。このとき、幅45nmのラインアンドスペースを形成する露光量を最適露光量とした。この最適露光量にて形成したパターンの断面形状を、走査型電子顕微鏡(商品名:「S−4800」、日立ハイテクノロジーズ社製)にて観察し、図1に示すように、基板1上に形成されたパターン2の上部の線幅をL1、下部の線幅をL2としたとき、(L1−L2)/L1が−0.15〜+0.15の範囲になる場合を「良好」、(L1−L2)/L1が−0.15より小さい場合、または+0.15より大きい場合を「不良」として評価した。
上記[パターン形成性]の評価と同様にして、ポジ型のレジストパターンを形成した。走査型電子顕微鏡(CG4000、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて最適露光量にて解像したパターンを、その上方から観察し、線幅を任意のポイントで10点測定し、その測定値の3σ(ばらつき)を、LWR(単位:nm)とした。LWRの値が5.0nm以下の場合を、LWR抑制性が「良好」、5.0nmを超える場合を「不良」として評価を行った。
上記[パターン形成性]の評価における走査型電子顕微鏡による観察において、露光部に溶け残りの発生が認められた場合は「スカム発生」を「有」とし、溶け残りが認められなかった場合は「無」とした。
マスクとしてターゲットサイズが線幅45nmのラインアンドスペースパターン(1L1S)を用いたこと以外は、上記[パターン形成性]評価と同様の手順にて露光を行った。また、このとき幅45nmのラインアンドスペースを形成する露光量を最適露光量とした。なお、この測長には走査型電子顕微鏡(「S−9380」、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いた。その後、線幅100nmのラインアンドスペースパターン(1L1S)上の欠陥性能を、欠陥検査装置(商品名:「KLA2810」、KLA−Tencor社製)を用いて測定した。そして、「KLA2810」にて測定された欠陥を、走査型電子顕微鏡(「S−9380」、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて観察し、ブリッジ欠陥の数を測定することにより、ブリッジ欠陥防止性能を評価した。ブリッジ欠陥防止性能は、検出されたブリッジ欠陥が50個未満の場合は「良好」、50個以上100個以下の場合は「やや良好」、100個を超えた場合は「不良」として評価した。
2 パターン
Claims (7)
- 上記ZがR2の結合している炭素原子と共に形成する基が、単環の核原子数4〜20の2価の脂肪族環状炭化水素基又は脂肪族複素環基である請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 上記ZがR2の結合している炭素原子と共に形成する基が、単環の核原子数5〜8の2価の脂肪族環状炭化水素基である請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 上記R2が、炭素数5〜8の直鎖状のアルキル基である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物。
- [A]含フッ素重合体が、フッ素原子を含む構造単位(II)をさらに有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
- (1)請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布し、レジスト膜を形成するレジスト膜形成工程、
(2)上記レジスト膜の少なくとも一部に、液浸露光により放射線を照射する露光工程、
(3)露光された上記レジスト膜を加熱する加熱工程、及び
(4)加熱された上記レジスト膜を現像する現像工程
を含むパターン形成方法。
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