JP6193657B2 - 自動二輪車用シート装置及び自動二輪車 - Google Patents
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Description
<シートが運転者から受ける圧力>
まず、シートが運転者から受ける圧力について説明する。
図6は、自動二輪車3のシート装置1の説明図である。図7Aは、シート装置1の斜視図である。図7Bは、シート装置1の上面図である。図7Cは、シート装置1の側面図である。図8は、図7B(又は図7C)のA−A断面の説明図である。
なお、クッション部材12と表皮13との間に防水シートが配置されていても良い。また、シート10は、必ずしもこれらの部材から構成されていなくても良い。
シート10の上面20は、運転者が着座する座面である。上面20は、左右対称のほぼ水平な平坦面から構成されている。上面20は、フラットな面で形成されても良いし、滑り止め効果やデザイン効果等を兼ね備えた凹凸が表面に形成されていても良い。また、上面20の少なくとも一部に、斜面や湾曲面が形成されていても良い。例えば、ここでは、上面20の前側に、運転者の臀部が前側にずれることを防止するための前上がりの前側緩斜面21が形成されている(図7C参照)。また、上面20の後側には、運転者の臀部が後側にずれることを防止するための後上がりの後側緩斜面22が形成されている(図7C参照)。
なお、上面20に、運転者の臀部が安定するように、窪みが形成されていても良い。また、上面20の後側には、運転者の腰や背中を支持する急斜面(バックレスト)が形成されても良いし、別部品のバックレストが取り付けられていても良い。
図21は、感圧センサ51(メンブレンセンサ)の概略構成の断面図である。感圧センサ51は、一対の電極シートとスペーサとを有し、これらの部材を積層して構成されている。電極シートは、電極を有するフィルム状の絶縁性のシート部材である。スペーサには円形状の開口が形成されており、開口の内部において一対の電極が所定の間隔を空けて対向配置されている。感圧センサ51(メンブレンセンサ)は、圧力(荷重)に応じて対向する電極が接触/非接触となり、ON/OFFの2値を出力するスイッチ(感圧スイッチ)として機能する。
感圧センサ51は、シート10の側面30に設けられている。これにより、感圧センサ51は、シート10の側面30から受ける圧力を検出する。図1Aに示すように、運転者が走行姿勢のときには、運転者の内腿がシート10の側面30から離れているため、感圧センサ51は圧力を検出しない。一方、図1Bや図1Cに示すように、運転者が停車姿勢のときには、運転者の内腿がシート10の側面30に接し、シート10の側面30が圧力を受けるため、感圧センサ51が圧力を検出する。
図10は、自動二輪車3の制御ブロック図である。自動二輪車3は、前述の感圧センサ51を有する感圧センサモジュール50と、モーター6と、回転検出センサ6Aと、キースイッチ7と、アクセル8Aと、ブレーキ8Bと、制御部9と、を備える。ここでは、自動二輪車3は、電動式自動二輪車を想定している。
第1実施形態では、シート10の左右の側面30に設けられた感圧センサ51のうちの一方が圧力を検出すると、感圧センサモジュール50がON状態(図9の端子52間が接続状態)になる。このため、仮に、着座していない人がシート10に横から寄り掛かると、感圧センサモジュール50がON状態(図9の端子52間が接続状態)になってしまう。この結果、停車中に人がシート10に寄り掛かりながらアクセル8Aを誤操作したときに、図11の発進制御処理に従うと、人がシート10に着座していないまま自動二輪車3が誤発進するおそれがある。
そこで、第2実施形態では、シート10の側面30に感圧センサ51を設けるだけでなく、シート10の上面20にも感圧センサ55を設けている。
例えば、上面20の感圧センサ55を感圧センサ51と同様にメンブレンセンサで構成する場合、側面30の感圧センサ51のスペーサの開口径D(図21参照)は、上面20の感圧センサ55のスペーサの開口径よりも大きくすると良い。また、側面30の感圧センサ51のスペーサの膜厚t(図21参照)は、上面20の感圧センサ55のスペーサの膜厚よりも小さくすると良い。これにより、側面30の感圧センサ51のオン荷重が上面20の感圧センサ55のオン荷重よりも低くなるように、感圧センサ51及び感圧センサ55のオン荷重が調整される。
図15A〜図15Cは、第2実施形態の変形例のシート装置1の説明図である。変形例では、シート10の上面20の前後方向の異なる位置に2つの感圧センサ55が配置されている。
図16は、第2実施形態の変形例の感圧センサモジュール50の等価回路を示す図である。変形例では、シート10の上面20の2つの感圧センサ55が電気的に並列に接続されている。
図17は、第3実施形態の鞍乗型自動二輪車3’のシート装置1’の説明図である。図18A及び図18Bは、第3実施形態の鞍乗型自動二輪車3’の運転者の姿勢の説明図である。図18Aは、走行姿勢の運転者の説明図である。図18Bは、停車姿勢の運転者の説明図である。図中には感圧センサ51の配置が点線で示されている。
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
前述の実施形態では、一人乗りであることを前提に説明を行っているが、自動二輪車は、二人乗りでも良い。この場合、リアシートが、運転者用のシート10を備えたシート装置1と一体に形成されていても良いし、別体に形成されていても良い。なお、感圧センサ51は、運転者用のシート10の側面30に設けられることになる。但し、リアシートに感圧センサを設けても良い。
図19Aに示すように、シート10の前側に勾配部40が形成されていなくても良い。勾配部40を備えていないシート10であっても、側面30に感圧センサ51を設ければ、運転者が足を路面に着けたときに内腿からの圧力を検出することができる。また、勾配部40を備えていないシート10であっても、傾斜面31に感圧センサ51を配置すれば、運転者の内腿からの圧力を検出しやすくなる。
図20は、シート10の表皮の説明図である。2つの表皮が接合されており、それぞれの表皮がハッチングで区別されて図示されている。2つの表皮の間に接合部13Aが形成されている。2つの表皮が縫合されることによって接合部13Aが形成されている。接合部13Aが、溶着やその他の手段で形成されることもある。
ここでは、シート10の後側の側面30の表皮は、シート10の上面20の表皮と別の部材から構成されている。このため、シート10の後側では、接合部13Aは、シート10の上面20と側面30との境界を構成している。但し、シート10の前側の側面30の表皮は、シート10の上面20の表皮と同じ部材から構成されている。このように、接合部13Aは、上面20と側面30との境界を形成することもあるが、必ずしも上面20と側面30との境界を定義するものではない。つまり、シート10の側面30は、接合部13Aによって定義されるものではない。
前述の感圧センサ51は、ON/OFFの2値を出力するスイッチとして機能していたが、感圧センサ51は、圧力に応じて出力値(圧力値)の変化するセンサ(圧力センサ)でも良い。この場合、コントローラが感圧センサ51の検出した圧力値と閾値とを比較することによって、オン荷重か否かを検出することが可能である。更に、第2実施形態のように上面20に感圧センサ55を設ける場合には、感圧センサ51と感圧センサ55とを同じ構成にしつつ、感圧センサ51の閾値を感圧センサ55の閾値よりも低く設定することによって、側面30の感圧センサ51のオン荷重が上面20の感圧センサ55のオン荷重よりも低くなるように調整しても良い。
また、感圧センサ51は、シート状のメンブレンセンサに限られず、他の形状の圧力センサでも良い。
前述の感圧センサ51は、走行姿勢のときには運転者からの圧力を受けない領域であって、停車姿勢のときに運転者からの圧力を受ける領域に(検出対象領域に)、配置されていた。但し、感圧センサ51は、走行姿勢のときに運転者から圧力を受ける領域(走行姿勢の運転者の内腿と接する領域)に配置しても良い。このような領域に感圧センサ51を配置しても、感圧センサ51がシートの側面30に設けられていれば、上面20に荷物が載置されたときに感圧センサ51が圧力を検出することを回避しつつ、運転者の内腿からの圧力を検出でき、運転者の着座を検出できる。但し、走行姿勢及び停車姿勢の両姿勢で感圧センサ51が運転者からの圧力を検出する場合、走行姿勢か停車姿勢かを検出することは困難になる。
前述の感圧センサ51は、ベース11とクッション部材12との間に配置されていた(図8参照)。但し、感圧センサ51をクッション部材12と表皮13との間に配置しても良い。
左右の側面30の感圧センサ51は、必ずしも電気的に並列接続されていなくても良い。例えば、左右の側面30の感圧センサ51がそれぞれ制御部9に信号を出力し、制御部9が2つの感圧センサ51の信号に基づいて発進の可否等を判断しても良い。
4 車体、4A 収容部、5 ステップフロア、
6 モーター、6A 回転検出センサ、7 キースイッチ、
8A アクセル、8B ブレーキ、9 制御部、
10 シート、11 ベース、
12 クッション部材、13 表皮、13A 接合部、
20 上面、21 前側緩斜面、22 後側緩斜面、
30 側面、31 傾斜面、40 勾配部、
50 感圧センサモジュール、51 感圧センサ(側面)、
52 端子、55 感圧センサ(上面)
Claims (10)
- シートの側面に感圧センサを設けた自動二輪車用シート装置であって、
前記シートの側面のうち、走行姿勢のときには運転者から圧力を受けない領域であり、停車姿勢のときには運転者から圧力を受ける領域に、前記感圧センサが設けられていることを特徴とする自動二輪車用シート装置。 - 請求項1に記載の自動二輪車用シート装置であって、
前記感圧センサは、上側ほど左右の間隔が狭くなるように傾斜した部位に設けられている
ことを特徴とする自動二輪車用シート装置。 - 請求項1又は2に記載の自動二輪車用シート装置であって、
前記感圧センサは、前側ほど左右の間隔が狭くなる部位に設けられている
ことを特徴とする自動二輪車用シート装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の自動二輪車用シート装置であって、
前記感圧センサは、前記シートの左右のそれぞれの前記側面に設けられている
ことを特徴とする自動二輪車用シート装置。 - 請求項4に記載の自動二輪車用シート装置であって、
右側の前記側面の前記感圧センサと、左側の前記側面の前記感圧センサは、電気的に並列に接続されている
ことを特徴とする自動二輪車用シート装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の自動二輪車用シート装置であって、
前記側面の前記感圧センサとは別の感圧センサが、前記シートの上面に設けられている
ことを特徴とする自動二輪車用シート装置。 - 請求項6に記載の自動二輪車用シート装置であって、
前記上面の前記感圧センサと、前記側面の前記感圧センサは、電気的に直列に接続されている
ことを特徴とする自動二輪車用シート装置。 - 請求項6又は7に記載の自動二輪車用シート装置であって、
前記上面の前記感圧センサと、前記側面の前記感圧センサが、両方ともオン状態のとき、着座状態での停車を検出する
ことを特徴とする自動二輪車シート装置。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の自動二輪車用シート装置であって、
前記シートの上面にクッション部材が設けられており、
前記感圧センサは、前記上面の前記クッション部材よりも低い位置に配置されている
ことを特徴とする自動二輪車用シート装置。 - シートの側面に感圧センサを設けた自動二輪車であって、
前記シートの側面のうち、走行姿勢のときには運転者から圧力を受けない領域であり、停車姿勢のときには運転者から圧力を受ける領域に、前記感圧センサが設けられていることを特徴とする自動二輪車。
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