JP2011121536A - 姿勢検出装置 - Google Patents

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和仁 木村
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Abstract

【課題】人体の姿勢を正確に検出することができる姿勢検出装置を提供する。
【解決手段】姿勢検出装置30は、車輌用シート10に設けられ、内部にゲル32が充填された密閉空間31aを有する耐圧袋31と、耐圧袋31内におけるゲル32の密度を連続的に検出する密度検出子33と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、シート(座席)やベッドに支持された人体の姿勢を検出する姿勢検出装置に関するものである。
人が着座したか否かを検出する着座検出スイッチとして、電極がそれぞれ形成された一対のフィルムと、それらフィルムの間に積層されたスペーサとから構成されたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2005−38828号公報
上記の着座検出スイッチでは、一対の電極の導通(オン/オフ)のみに基づいて圧力を検出するので、人体の姿勢を正確に検出することは困難であるという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、人体の姿勢を正確に検出することができる姿勢検出装置を提供することである。
[1]本発明に係る姿勢検出装置は、シート又はベッドに支持された人体の姿勢を検出する姿勢検出装置であって、前記シート又は前記ベッドに設けられ、内部にゲルが充填された密閉空間を有する袋体と、前記袋体内における前記ゲルの密度を連続的に検出する検出手段と、を備えたことを特徴とする。
[2]本発明に係る姿勢検出装置は、シート又はベッドに支持された人体の姿勢を検出する姿勢検出装置であって、前記シート又は前記ベッドに設けられ、内部にゲルが充填された密閉空間を有する袋体と、前記袋体内における前記ゲルの圧力を連続的に検出する検出手段と、を備えたことを特徴とする。
[3]上記発明において、前記検出手段は、前記ゲルの密度に基づいて前記ゲルの圧力を検出してもよい。
[4]上記発明において、前記検出手段は、前記ゲルに直接接触する複数の検出子を有しており、複数の前記検出子は、同一の前記密閉空間に設けられていてもよい。
[5]上記発明において、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記シート又は前記ベッドに支持されている人体の姿勢を判定する判定手段を備えていてもよい。
[6]上記発明において、前記ゲルは、1〜100[Pa・s]の粘度を有していてもよい。
[7]上記発明において、前記袋体は、ポリウレタンから構成されていてもよい。
本発明では、シート又はベッドに設けられた袋体内のゲルの密度や圧力を連続的に検出するので、人体の姿勢を正確に検出することができる。
図1は、本発明の実施形態における姿勢検出装置を備えた車輌用シートを示す斜視図である。 図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。 図3は、加速時における耐圧袋内のゲルの密度分布を示す車輌用シートの断面図である。 図4は、減速時における耐圧袋内のゲルの密度分布を示す車輌用シートの断面図である。 図5は、本発明の実施形態における姿勢検出装置の効果を示すグラフである。 図6は、本発明に係る姿勢検出装置を介護用ベッドに適用した例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態における姿勢検出装置を備えた車輌用シートを示す斜視図、図2は図1のII-II線に沿った断面図、図3及び図4は車輌の加速時及び減速時における耐圧袋内のゲルの密度分布を示す車輌用シートの断面図、図5は本実施形態における姿勢検出装置の効果を示すグラフ、図6は本発明に係る姿勢検出装置を介護用ベッドに適用した例を示す断面図である。
先ず、本実施形態における姿勢検出装置30が設置される車輌用シート10について説明する。
車輌用シート10は、例えば自動車の運転席であり、図1及び図2に示すように、着座部11、背もたれ部12及びヘッドレスト部13を備えている。運転者50がこの車両用シート10に着席すると、図2において破線で示すように、運転者50の太腿51が着座部11に保持され、運転者50の背中52が背もたれ部12によって支持され、さらに、運転者の頭部53がヘッドレスト部13によって支持される。
本実施形態における姿勢検出装置30は、図2に示すように、車輌用シート10に埋設された耐圧袋31と、耐圧袋31内に設置された複数の密度検出子33と、複数の密度検出子33の検出結果に基づいて運転者50の姿勢を判定する中央処理装置34と、を備えている。
耐圧袋31は、車輌用シート10の着座部11、背もたれ部12及びヘッドレスト部13において運転者50と接触する部分全体に設けられている。この耐圧袋31は、例えば、ポリウレタン等の強度があり且つ伸縮性に富む材料から構成されている。
この耐圧袋31の内側には単一の密閉空間31aが形成されており、この密閉空間31a内は粘性を有するゲル32で満たされている。このゲル32の具体例としては、例えば、グリセリンやワセリン等を例示することができる。
この耐圧袋31内のゲル32は車輌用シート10のクッション材として機能するため、ゲル32の粘度を変更することで車輌用シート10の座り心地を調整することが可能となっている。また、本実施形態では、後述するように、耐圧袋31内のゲル32の密度に基づいて、運転者50により印加される圧力が検出されるため、ゲル32の粘度を変更することで、圧力検出の感度を調整することも可能となっている。
このゲル32の具体的な粘度としては、例えば1〜100[Pa・s]であることが好ましい。ゲル32の粘度が1[Pa・s]未満であると運転者の姿勢変更に伴って瞬時にゲル32の密度が均一となってしまうため、圧力の検出感度が低下する。一方、ゲル32の粘度が100[Pa・s]よりも大きいと車輌用シート10の座り心地が悪化する。
図2に示すように、この耐圧袋31の背面32b(同図において運転者50からゲル32を介して対向する面)には複数の密度検出子33が設けられている。この密度検出子33は、ゲル33の密度を連続的に測定可能な振動式液体密度計から構成されている。密度検出子33は、密閉空間31a内に臨むように耐圧袋31の背面32b全体にマトリクス状に配置されており、耐圧袋31の密閉空間31a内のゲル32の密度を測定することが可能となっている。これらの密度検出子33は中央処理装置34に接続されており、検出結果を中央処理装置34にそれぞれ出力可能となっている。なお、密度検出子33に代えて、ゲル32の圧力を連続的に測定可能な圧力検出子を用いてもよい。
中央処理装置34は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータで構成されている。この中央処理装置34は、密閉空間31a内におけるゲル32には密度と圧力との間に相関関係が存在することに基づいて、個々の密度検出子33から出力された密度値を圧力値にそれぞれ変換して、運転者50によって押圧された車輌用シート10の圧力分布を生成する。
例えば、図3に示すように、自動車の加速時に運転者50の背中52が車輌用シート10の背もたれ部12に押されると、図中のA部におけるゲル32の密度が高くなるので、中央処理装置34はその密度上昇に基づいてゲル32の圧力上昇を検出する。一方、運転者50の太腿52は車輌用シート10の着座部11から若干浮き上がり、図中のB部におけるゲル32の密度が低くなるので、中央処理装置34はその密度低下に基づいてゲル32の圧力低下を検出する。
これに対し、図4に示すように、自動車の減速時には、図中のC部におけるゲル32の密度が低くなるので、中央処理装置34はその密度低下に基づいてゲル32の圧力低下を検出する。一方、図中D部におけるゲル32の密度は高くなるので、中央処理装置34はその密度上昇に基づいてゲル32の圧力上昇を検出する。
なお、本実施形態では、単一の密閉空間31a内のゲル32の圧力分布を生成するので、運転者50の姿勢変更に伴って車輌用シート10の一点が押圧されると他の箇所では圧力が相対的に減少する。このように、本実施形態では、ゲル32の圧力分布を際立たせることができるので、姿勢判定の精度向上を図ることができる。
次いで、中央処理装置34は、先述の実際に生成した圧力分布を、様々な姿勢の圧力分布パターンと照合(パターンマッチング)し、最も類似した圧力分布パターンに対応した姿勢を、運転者50の現在の姿勢として判定する。なお、複数の圧力分布パターンは、中央処理装置34の記憶部に予め登録されている。
例えば、図3に示す例では、図中のA部におけるゲル32の圧力上昇とB部におけるゲル32の圧力低下を含む圧力分布に基づいて、運転者50が加速により車輌用シート10に押し付けられている姿勢にあると判定する。一方、図4に示す例では、図中C部におけるゲル32の圧力低下とD部におけるゲル32の圧力上昇を含む圧力分布に基づいて、運転者50が減速により前のめりの姿勢にあると判定する。
また、特に図示しないが、例えば、運転者50の背中52の右側に対応した範囲におけるゲル32の圧力が低下し、背中52の左側に対応した範囲におけるゲル32の圧力が上昇している場合には、自動車の右コーナリングによって運転者50の姿勢が左に寄った姿勢であると判定する。一方、運転者50の背中52の右側に対応した範囲におけるゲル32の圧力が上昇し、背中52の左側に対応した範囲におけるゲル32の圧力が低下している場合には、自動車の左コーナリングによって運転者50の姿勢が右側に寄った姿勢であると判定する。
次いで、中央処理装置34は、姿勢の判定結果に対応した各種の制御を実行する。例えば、運転者50の姿勢が自動車の急減速に伴って前のめりの姿勢にあることを検出した場合には、中央制御装置40は、シートベルトの締め付けを強める制御を実行する。また、例えば、運転者50の姿勢が自動車の急加速に伴って車輌用シート10に押し付けられている姿勢にあることを検出したり、運転者50の姿勢が自動車のコーナリングによって一方に寄った姿勢にあることを検出した場合には、中央処理装置34は、自動車のサスペンションの硬さを調整する制御を実行する。
なお、中央処理装置34における処理内容を特に上記のものに限定されない。例えば、ゲル32の密度を圧力と予め対応付けておき、密度から圧力値への変換を省略してもよい。また、姿勢判定結果に基づいて、自動車におけるシートベルトやサスペンション以外の車載機器(例えばエアコンやカーオーディオ等)を制御してもよい。
以上のように、本実施形態では、車輌用シート10に埋設された耐圧袋31内のゲル32の圧力を、密度検出子33を用いて連続的に検出するので、運転者50の姿勢を正確に検出することができる。
例えば、図5は、自動車が走行する際に、本実施形態において車輌用シートの背もたれ部に位置する密度検出子から出力される信号電圧(一点鎖線)と、同位置に設けられた従来のスイッチ型のセンサから出力される信号電圧(破線)と、比較したグラフである。同図に示すように、本実施形態の姿勢検出装置では、車速に応じた運転者の姿勢を正確に検出することが可能となっている。
また、本実施形態では、密度検出子33を用いてゲル32の圧力を連続的に検出するので、運転者50の姿勢に応じた多様な制御(フィードバック)を実行することも可能である。
また、本実施形態では、耐圧袋31内のゲル32がシートのクッション材として機能するので、車輌用シート10の座り心地が向上する。
なお、本実施形態における耐圧袋31が本発明における袋体の一例に相当し、本実施形態における密度検出子33が本発明における検出手段の一例に相当し、本実施形態における中央処理装置34が本発明における判定手段の一例に相当する。
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上述の実施形態では、本発明に係る圧力検出装置を車輌用シートに適用した例について説明したが、人体を支持するシートやベッドであれば、本発明において特にこれに限定されない。例えば、図6に示すように、介護用ベッド60に耐圧袋31を埋設し、ベッド60に横たわっている人50の状態を姿勢検出装置30によってモニタリングしてもよい。
10…車輌用シート
11…着座部
12…背もたれ部
13…ヘッドレスト部
20…介護用ベッド
30…姿勢検出装置
31…耐圧袋
31a…密閉空間
31b…背面
32…ゲル
33…密度検出子
34…中央処理装置
50…運転者(人)
51…太腿
52…背中
53…頭部

Claims (7)

  1. シート又はベッドに支持された人体の姿勢を検出する姿勢検出装置であって、
    前記シート又は前記ベッドに設けられ、内部にゲルが充填された密閉空間を有する袋体と、
    前記袋体内における前記ゲルの密度を連続的に検出する検出手段と、を備えたことを特徴とする姿勢検出装置。
  2. シート又はベッドに支持された人体の姿勢を検出する姿勢検出装置であって、
    前記シート又は前記ベッドに設けられ、内部にゲルが充填された密閉空間を有する袋体と、
    前記袋体内における前記ゲルの圧力を連続的に検出する検出手段と、を備えたことを特徴とする姿勢検出装置。
  3. 請求項2記載の姿勢検出装置であって、
    前記検出手段は、前記ゲルの密度に基づいて前記ゲルの圧力を検出することを特徴とする姿勢検出装置。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の姿勢検出装置であって、
    前記検出手段は、前記ゲルに直接接触する複数の検出子を有しており、
    複数の前記検出子は、同一の前記密閉空間に設けられていることを特徴とする姿勢検出装置。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の姿勢検出装置であって、
    前記検出手段の検出結果に基づいて、前記シート又は前記ベッドに支持されている人体の姿勢を判定する判定手段を備えたことを特徴とする姿勢検出装置。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の姿勢検出装置であって、
    前記ゲルは、1〜100[Pa・s]の粘度を有することを特徴とする姿勢検出装置。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の姿勢検出装置であって、
    前記袋体は、ポリウレタンから構成されていることを特徴とする姿勢検出装置。
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