JP4254295B2 - 着座検知装置 - Google Patents
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- B60N2/00—Seats specially adapted for vehicles; Arrangement or mounting of seats in vehicles
- B60N2/002—Seats provided with an occupancy detection means mounted therein or thereon
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートに人が着座しているか否かを判断する着座検知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両においては車両衝突時の安全性向上を狙って、車両前方(運転席や助手席)にエアバッグ装置が設けられている。そして、車両が事故等によって衝突した場合には、衝突検知センサからの信号に基づいて、エアバッグ制御装置はインフレータを点火させる信号(作動信号)をエアバッグアクチュエータに出力し、瞬時にしてエアバッグを膨張させる。
【0003】
このように、車両衝突時にエアバッグの作動を行う安全性向上を狙った車両では、衝突方向に応じてエアバッグを作動させる場所を切り換える車両も市場に出てきている。この場合、人がシートに着座しているか否かを正確に判定して、エアバッグを作動させることが必要である。特に、助手席においては、人(大人)が着座している場合、子供が着座している場合、あるいはチャイルドシート(以下、「CRS(Child Restraint System)」という)が装着されている場合等の各種シート状態が想定されるため、人が着座しているか否かを正確に判定することが望まれている。
【0004】
シートに人が着座しているかどうかを判定する着座検知装置としては種々ものが提案されている。例えば、シートの着座面の幅方向の行及び前後方向の列によって規定される部分圧力を検出する複数のセルを着座面に配設し、これらセルによって検出される部分圧力に基づき人がシートに着座しているか否かを判定するものが知られている(特許文献5など)。
【0005】
また、こうした着座検知装置は、温度環境の影響を受けやすいことからこれを吸収するように補正することも提案されている。
例えば特許文献1〜3では、着座検知装置に適用しうる圧力センサーに温度を検出する素子を内蔵しており、その検出温度によってセンサーの感度・特性を補正することが提案されている。また、特許文献4では、温度センサーからの信号により、シート状態の判定に係るセンサ信号に基づく推定重量を補正することが提案されている。具体的には、温度センサーからの信号に応じて特性曲線を選択したり、あるいは重量推定のための補正係数を決定したりしている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−4469号公報
【特許文献2】
特開2000−28366号公報
【特許文献3】
特開2003−14564号公報
【特許文献4】
特開2002−160571号公報
【特許文献5】
特開2002−87132号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、こうした特許文献1〜4では、基本的に圧力センサー自体の温度特性を吸収するように補正するものであり、実際に着座検知装置としてシートに搭載された状態での温度環境の影響を考慮したものではない。従って、例えば着座検知装置がシート内においてウレタンパッドに載置される場合には、温度環境に応じた圧力センサーの出力変化やウレタンパッドの硬度変化などの包括的な影響に対応することができない。
【0008】
すなわち、シート上での各種圧力分布特性を利用してシート上の状態の判定する場合には、これらに対する温度環境の影響に対応することができない。
本発明の目的は、温度環境に応じてシート上の状態の判定精度をより向上させることができる着座検知装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、シートの着座面に配設されて該着座面の幅方向の行及び前後方向の列によって規定される部分圧力を検出する複数のセルと、前記列方向に連続する所定行数分のセルごとに部分圧力の合計値を算出するとともに、それら合計値が最大となるときに対応する前記所定行数分のいずれかの行をピーク行として検出するピーク行検出手段と、前記ピーク行が検出された所定行数分のセルの各列における部分圧力の合計値を算出し、各列ごとにその合計値と予め各列ごとに設定されている幅閾値とを比較し、該幅閾値を超える合計値を示す列を計数して横幅を算出する横幅算出手段と、前記算出された横幅と閾値との大小比較に基づき前記シートの大人着座を判定する判定手段とを備えた着座検知装置において、温度を検出する温度センサーと、前記検出された温度に応じて前記算出された横幅及び前記閾値の少なくとも一方を補正する補正手段とを備えたことを要旨とする。
【0012】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、算出された横幅と閾値との大小比較に基づくシートの大人着座の判定にあたって、検出された温度に応じて横幅及び閾値の少なくとも一方が補正される。従って、温度環境に応じてシートの大人着座の判定精度がより向上される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した着座検知装置の一実施形態を図1〜図17を参照して説明する。
【0016】
図3は、着座検知装置を車両に適用した場合の概略構成図である。同図に示されるように、着座検知装置1は助手席のシートとしての車両用シート2のシートクッション3において、シート表皮4及びウレタンパッド5により上下に挟まれる態様で収容されている。詳述すると、着座検知装置1は、大きくは圧力センサ10及びコントローラ11を備えており、圧力センサ10が車両用シート2(シートクッション3)の着座面に対応して収容配置されるとともにコントローラ11がシートバック6側である基端側に収容配置されている。従って、シートクッション3に印加される荷重(圧力)は、シート表皮4を介して圧力センサ10に印加され、ウレタンパッド5により吸収されるようになっている。
【0017】
図1は着座検知装置1の電気的構成を示すブロック図であり、図2はその平面図である。図1及び図2に示されるように、車両用シート2の着座面に対応して収容される圧力センサ10は、幅方向の行(i行)及び前後方向の列(j列)によって規定される各位置に圧力検知用のセル13が配設された構成(マトリックス構造)となっている。これらセル13は、当該位置での圧力(部分圧力)X(i,j)をそれぞれ検出する。これら検出された部分圧力X(i,j)は、それぞれコントローラ11に入力されるようになっている。
【0018】
本実施形態では、車両用シート2の着座面に7行×10列で配置した66個のセル13(シートクッション3の各隅1つずつの合計4セルを除去)によって部分圧力X(i,j)を検出する場合について説明するが、これは一例であってこれに限定されるものではない。
【0019】
ここで、セル13について説明する。図4は、図2のA−A線に沿った断面図である。同図に示されるように、セル13はフレキシブルな撓み性の高い材料(例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)など)からなる上下2枚のベースフィルム14,15に一体的に構成されている。詳述すると、ベースフィルム14には、セルの配置に対応して銀電極16a及びカーボン電極16bがスクリーン印刷により設けられている。一方、ベースフィルム15には、セルの配置に対応して銀電極17aがスクリーン印刷により設けられている。そして、これら電極16,17の周囲にはスペーサ18が設けられており、電極16,17間に荷重(圧力)がかからない状態では、これら電極16,17はベースフィルム14,15間に形成される空間S内で互いに非接触となるよう対向配置されている。スペーサ18は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)から成り、電極16,17と干渉しないように両ベースフィルム14,15に、例えばアクリル系の接着剤を介して接合されている。また、電極16,17が対向する空間Sには、感圧インク19が印刷により設けられている。
【0020】
図5は、このように構成されたセル13の動作を説明する模式図である。図5(a)に示すように、ベースフィルム14,15(電極16,17)間に荷重(圧力P)がない状態では、ベースフィルム14,15はスペーサ18によって離隔され、電極16,17間に形成される抵抗Rは無限大となる。次に、図5(b)に示すように、ベースフィルム14,15(電極16,17)間に荷重(圧力P)が印加されて弾性変形が生じると、電極16,17が接触することでこれらの間に形成される抵抗Rが低下する。そして、図5(c)に示すように、ベースフィルム14,15(電極16,17)間に印加される荷重(圧力P)が更に増加していくと、これら電極16,17の接触面積が増加していくことでこれらの間に形成される抵抗Rが徐々に低下していく。
【0021】
以上により、荷重(圧力P)と抵抗Rとは、図6に示す特性で変化する。すなわち、この特性を利用することで、行及び列によって規定される各位置での部分圧力X(i,j)が対応するセル13によりに検出されるようになっている。
【0022】
図1に示されるように、コントローラ11は、CPU(中央演算処理装置)21、電源回路22、第1切替回路23、第2切替回路24、A/D(アナログ/デジタル)変換回路25及び出力回路26を備えている。CPU21は、ROM(読み取り専用メモリ)に予め記憶された制御プログラム及び初期データ等に従って、車両用シート2(シートクッション3)の着座状態等の判定を行う。電源回路22は、バッテリ(図示略)から供給された電源(例えば、12V)を所定電圧(例えば、5V)に変換してCPU21の電源として供給する。
【0023】
第1及び第2切替回路23,24は圧力センサ10に接続されており、それぞれCPU21からの切替信号により圧力センサ10の行及び列を選択的に切り替えて、各セル13において検出された部分圧力X(i,j)を順次、A/D変換回路25に入力する。これら部分圧力X(i,j)は、A/D変換回路25においてアナログ信号からデジタル信号に変換されて、CPU21に入力される。CPU21は、各セル13において検出された部分圧力X(i,j)を個別にメモリに一時記憶し、車両用シート2の着座状態等の判定に用いる。一般的に、助手席の車両用シート2の状態は、大人が着座している状態、子供が着座している状態、CRSが装着されている状態などがあり、CPU21では大人着座の状態と子供着座若しくはCRS装着の状態とを区別して判定が行われる。
【0024】
本実施形態の着座検知装置1は、例えば車両用シート2の着座面に対応して配置された温度センサ12を備えており、同温度センサ12により検出された着座面の温度を示す信号がCPU21に入力されている。CPU21では、車両用シート2の着座状態等の判定にあたって、検出された着座面の温度に基づく補正が行われるようになっている。なお、温度センサ12としては、例えば圧力センサ10内に一体的に設けた温度補正用のリファレンスのセルや、コントローラ11内に計装したものでよい。
【0025】
出力回路26はCPU21に接続されており、同CPU21において判定された車両用シート2の着座状態等が出力されている。この出力回路26は、エアバッグECU(Electronic Control Unit )30に接続されており、CPU21において判定された車両用シート2の着座状態等を着座信号として同エアバッグECU30に出力している。図7に示されるように、エアバッグECU30には、助手席に大人着座の状態ではエアバッグの作動を許可(オン)する着座信号が出力され、子供着座若しくはCRS装着の状態ではエアバッグの作動を禁止(オフ)する着座信号が出力される。
【0026】
エアバッグECU30は、着座信号及び衝突センサ(図示せず)からの信号に基づいて、必要な場合にはインフレータを点火させる信号(作動信号)をエアバッグアクチュエータに出力し、瞬時にして運転席或いは助手席のエアバッグを膨張させる。助手席のエアバッグは、車両用シート2の着座状態等に応じた上記着座信号に基づき好適にその作動が制御される。
【0027】
図8は、車両用シート2に小柄な大人が着座している場合、子供が着座している場合の圧力センサ10(セル13)による検出結果(圧力分布)の一例を示すものである。図8(a)は、温度センサ12により検出された温度が所定温度T1から所定温度T2(>T1)までの範囲に含まれる常温環境下で大人が着座している場合の圧力分布を示し、図8(b)は、同温度が所定温度T1以下となる低温環境下で大人が着座している場合の圧力分布を示す。また、図8(c)は、上記常温環境下で子供が着座している場合の圧力分布を示し、図8(d)は、上記温度が所定温度T2以上となる高温環境下で子供が着座している場合の圧力分布を示す。
【0028】
図8の各図において、横軸は車両用シート2の幅方向、縦軸は車両用シート2の前後方向を示し、各軸上に示される数値はセル13の位置(行番号及び列番号)を示している。また、各検出結果の右側には、各セル13において検出された荷重(部分圧力)の大きさを表す凡例が示されている。
【0029】
図8(a)(c)から明らかなように、同一条件(常温環境下)において大人着座及び子供着座の各圧力分布にはそれぞれの特徴があり、これらにより車両用シート2の着座状態の判定が可能であることが示唆されている。また、着座状態が同一であっても温度環境が変わることで、その影響により圧力分布が変化することが確認される。
【0030】
例えば、低温環境下の大人着座では、常温と比較して各セル13における部分圧力X(i,j)が全体的に低下しているが、座骨にあたる部分(図8(b)の下側部分)の圧力のみは逆に増加している。これは、温度(低温)の影響による圧力センサ10(セル13)の出力低下と、前記ウレタンパッド5の硬化に起因するものと考えられる。一方、高温環境下の子供着座では、常温と比較して各セル13における部分圧力X(i,j)が全体的に増加しているが、座骨にあたる部分の圧力(図8(d)の下側部分)のみは逆に低下している。これは、温度(高温)の影響による圧力センサ10(セル13)の出力上昇と、前記ウレタンパッド5の軟化に起因するものと考えられる。以下、こうした圧力分布の変化を特徴的に捉えうる各種データについて説明する。
【0031】
図9は、温度と総荷重値との関係を実験的に求めたグラフである。この総荷重値は、圧力センサ10の全セル13で検出された部分圧力X(i,j)の合計値である。同図において、左側は子供着座での検出結果を示し、右側は小柄な大人着座での検出結果を示す。ここでは、着座面の荷重が偏らない正規姿勢において、タイプの異なる2種類の車両用シートでの検出結果をそれぞれ○印及び△印にてプロットしている。同図から明らかなように、子供着座、大人着座ともに温度上昇に伴い総荷重値も増加している。そして、特に高温環境下の子供着座と低温環境下の大人着座とでは、各対応する総荷重値は互いに同等の大きさになっていることがわかる。これは、温度変化に伴う圧力センサ10(セル13)の出力変化の影響によるものである。
【0032】
また、図10は、温度とエッジとの関係を実験的に求めたグラフである。同図において、左側は子供着座での検出結果を示し、右側は小柄な大人着座での検出結果を示す。ここでは、着座面の荷重が偏らない正規姿勢において、タイプの異なる2種類の車両用シートでの検出結果をそれぞれ○印及び△印にてプロットしている。ここで、「エッジ」について以下に説明する。
【0033】
一般に、大人着座の場合に比べて子供着座若しくはCRS装着の場合には、所定セル13において検出された部分圧力X(i,j)と、同セル13に隣接するセルにおいて検出された部分圧力との間に急激な圧力変動が認められる。これは、大人に比べて小柄となる子供は、シート上での占有面積が小さくなる分、荷重が集中することで著しい圧力変動が発生するためである。また、人体(臀部など)に比べて構造体であるCRSは凹凸が激しく、また、シートベルトによって締め付け固定されるために、その接触部において著しい圧力変動が発生するためである。従って、大人着座と子供着座若しくはCRS装着とは、この圧力変動によって区別しうるものであり、エッジはこのような圧力変動を定量化したものである。
【0034】
具体的には、セル13ごとに検出された部分圧力X(i,j)と、同セル13に隣接するセルにおいて検出された部分圧力の平均値との差ΔX(i,j)の大きさを全てのセル13について演算する。
【0035】
図12に示すように、基本的には所定のセル13(部分圧力X(i,j))とこれに幅方向及び前後方向に隣接する4つのセルについて上記差ΔX(i,j)をΔX(i,j) =X(i,j) −( X(i-1,j)+X(i+1,j)+X(i,j-1)+X(i,j+1))/ 4に基づき演算する。
【0036】
また、例えば、シート幅方向の左側の外周部に配置されたセル13のように隣接するセルが3つしかない場合には、上記差ΔX(i,j)をΔX(i,j) =X(i,j) −( X(i+1,j)+X(i-1,j)+X(i,j+1))/ 3に基づき演算する。なお、右側、上側及び下側の各外周部に配置されたセル13についても、同様にして上記差ΔX(i,j)を演算する。さらに、例えば、左上側の角部に配置されたセル13のように隣接するセルが2つしかない場合には、上記差ΔX(i,j)をΔX(i,j) =X(i,j) −( X(i+1,j)+X(i,j+1))/ 2に基づき演算する。なお、左下側、右上側及び右下側の各角部等に配置されたセル13についても、同様にして上記差ΔX(i,j)を演算する。
【0037】
このようにして、全てのセル13について上記差ΔX(i,j)の大きさを演算し、これらを合計して全エッジ強度値を演算する。そして、更にこの全エッジ強度値を上記総荷重値で除してエッジを算出する。
【0038】
一般に、大人着座の場合には、全体として緩やかな圧力変動をしていたとしても、その接触部が広いために全エッジ強度値はその分、増大してしまう。一方、子供着座若しくはCRS装着の場合には、急激な圧力変動をしていたとしても、その接触部が狭いために全エッジ強度値はその分、増加は抑制される。従って、子供着座若しくはCRS装着の場合であっても、接触部の面積若しくは圧力変動の特性によっては、全エッジ強度値は大人着座の場合と同等になってしまう。このような接触部の面積の影響を全体として吸収するために、上述の態様でエッジを算出している。
【0039】
図10から明らかなように、子供着座、大人着座ともに温度低下に伴いエッジが増加している。そして、特に高温環境下の子供着座と低温環境下の大人着座とでは、各対応するエッジは互いに同等の大きさになっていることがわかる。これは、温度変化に伴うウレタンパッド5の硬度変化の影響によるものである。
【0040】
さらに、図11は、温度と横幅との関係を実験的に求めたグラフである。同図において、左側は子供着座での検出結果を示し、右側は小柄な大人着座での検出結果を示す。ここでは、着座面の荷重が偏らない正規姿勢において、タイプの異なる2種類の車両用シートでの検出結果をそれぞれ○印及び△印にてプロットしている。ここで、「横幅」及びこの算出に係る「ピーク行」等について図13及び図14に基づき以下に説明する。
【0041】
まず、ピーク行について図13に基づき説明する。なお、図13(a)は、大人着座における圧力分布の一例であって、図8に示す圧力分布とは異なるものである。このピーク行の検出にあたっては、全てのセル13の部分圧力X(i,j)に基づき、図13(b)に示すように7行のセル13のうち列方向に連続する3行分ごとに、部分圧力の合計値を算出して、各3行分の合計値について比較する。なお、セルは7行あるため、3行分の合計値は5通り考えられ、それら全てを比較する。そして、合計値が最大となる3行のうち、真ん中の行をピーク行とする。ここでは、圧力センサ10(セル13)の4,5,6行目が合計値が最大となる3行に該当し、それらのうち5行目がピーク行となる。
【0042】
次に、横幅について図14に基づき説明する。図14は、図13(a)と同様に大人着座の圧力分布を示す一例である。横幅の算出にあたっては、上記ピーク行を含む3行分のセルにおいて、実線でそれぞれ囲まれているように各列方向(以下、ピーク行前後列という)のセルの部分圧力の合計値を求める。この合計値のそれぞれが圧力分布図の下側に示されているが、これと予め設定されている幅閾値NHとを比較する。この幅閾値NHは、大人の正規着座においてピーク行前後列での一般的な圧力分布に基づき設定されている。そして、ピーク行前後列ごとの合計値のうち幅閾値NH以上のものはカウントされ、そのカウント数W1が横幅として求められる。従って、この横幅が大きいほど大人着座の傾向が強くなり、反対に小さいほど子供着座若しくはCRS装着の傾向が強くなる。
【0043】
図11から明らかなように、子供着座、大人着座ともに温度上昇に伴い横幅が増加している。そして、特に高温環境下の子供着座と低温環境下の大人着座とでは、各対応する横幅は互いに同等の大きさになっていることがわかる。これは、温度変化に伴う圧力センサ10(セル13)の出力変化の影響によるものである。
【0044】
次に、コントローラ11が実行する処理の内容とともに、本実施形態に係る着座検知装置の判定処理の態様について、図16及び図17に示すフローチャートに従って説明する。
【0045】
本実施形態においてCPU21が行う判定処理は、基本的に総荷重値に相当する判定値の大小によって行うものである。この判定値は、シート上の状態が大人の傾向が強い程、係数(正数)が加算されて増加され、反対にシート上の状態が大人の傾向が弱い程、つまり、子供又はCRSである傾向が強い程、係数(正数)が減算されて減少される。そして、最終的に補正された判定値を見ることでシート上の状態として大人、子供若しくはCRSのいずれであるかの判定が行われる。
【0046】
この判定処理は、所定時間ごとの定時割り込みにより繰り返し実行される。この判定処理に移行するとCPU21は、まず図16のステップ101において温度補正処理のサブルーチンを実行する。すなわち、図17のステップ201において温度センサ12による検出温度を読み込んで、これが前記所定温度T1から所定温度T2までの範囲に含まれる常温環境下あるか否かを判断する。ここで、上記検出温度が所定温度T1から所定温度T2までの範囲に含まれると判断されると、CPU21はステップ203に移行してエッジ閾値TH1、横幅閾値TH2及び判定値閾値TH3をそれぞれデフォルトである所定閾値Th11,Th21,Th31にそれぞれ設定する。図18に実験的に求められた温度とエッジとの関係を示すように、閾値Th11は、常温環境下においてエッジに基づく子供着座と小柄な大人着座とを区別できる好適な値に設定されている。また、図19に実験的に求められた温度と横幅との関係を示すように、閾値Th21は、常温環境下において横幅に基づく子供着座と小柄な大人着座とを区別できる好適な値に設定されている。さらに、図20に実験的に求められた温度と総荷重値に準じた判定値との関係を示すように、閾値Th31は、常温環境下において判定値に基づく子供着座と小柄な大人着座とを区別できる好適な値に設定されている。
【0047】
一方、ステップ201において上記検出温度が所定温度T1から所定温度T2までの範囲に含まれないと判断されると、CPU21はステップ202に移行して同検出温度が所定温度T2以上となる高温環境下あるか否かを判断する。ここで、上記検出温度が所定温度T2以上と判断されると、CPU21はステップ204に移行してエッジ閾値TH1、横幅閾値TH2及び判定値閾値TH3をそれぞれ所定閾値Th12,Th22,Th32にそれぞれ設定する。図18に示すように、閾値Th12は、高温環境下においてエッジに基づく子供着座と小柄な大人着座(実際には、常温環境下の小柄な大人着座)とを区別できる好適な値(<Th11)に設定されている。また、図19に示すように、閾値Th22は、高温環境下において横幅に基づく子供着座と小柄な大人着座(実際には、常温環境下の小柄な大人着座)とを区別できる好適な値(>Th21)に設定されている。さらに、図20に示すように、閾値Th32は、高温環境下において判定値に基づく子供着座と小柄な大人着座(実際には、常温環境下の小柄な大人着座)とを区別できる好適な値(>Th31)に設定されている。
【0048】
ステップ202において上記検出温度が所定温度T2以上でないと判断されると、CPU21は同検出温度が所定温度T1以下となる低温環境下あると判断してステップ205に移行し、エッジ閾値TH1、横幅閾値TH2及び判定値閾値TH3をそれぞれ所定閾値Th13,Th23,Th33にそれぞれ設定する。図18に示すように、閾値Th13は、低温環境下においてエッジに基づく子供着座と小柄な大人着座とを区別できる好適な値(>Th11)に設定されている。また、図19に示すように、閾値Th23は、低温環境下において横幅に基づく子供着座と小柄な大人着座とを区別できる好適な値(<Th21)に設定されている。さらに、図20に示すように、閾値Th33は、低温環境下において判定値に基づく子供着座と小柄な大人着座とを区別できる好適な値(<Th31)に設定されている。
【0049】
ステップ203〜205のいずれかにおいてエッジ閾値TH1、横幅閾値TH2及び判定値閾値TH3を設定したCPU21は、図16のルーチンに戻ってステップ102に移行する。そして、圧力センサ10のセル13で検出された部分圧力X(i,j)のデータを読み込み、全ての部分圧力X(i,j)を加算して総荷重値を求める。そして、CPU21は、その総荷重値を判定値としてメモリに記憶し、ステップ103に移行する。
【0050】
ステップ103においてCPU21は、「人適合度」について判断する。ここで、「人適合度」について以下に説明する。一般的に、人の着座とCRS装着とでは、検出された部分圧力X(i,j)の車両用シート2上の分布において互いに異なる特性を示すことが知られている。具体的には、車両用シート2に人が着座している場合には比較的中央よりのセル13においてある程度のレベルの部分圧力が検出され、一方、CRSが装着されている場合には、周縁よりのセル13においてある程度のレベルの部分圧力が検出される。換言すると、複数のセル13により検出される部分圧力X(i,j)は、車両用シート2に人が着座している場合とCRSが装着されている場合とでその分布において互いに反転した傾向を示すことになる。
【0051】
そこで、本実施形態では、図15に示されるように、車両用シート2に人が着座している場合を包括的に表し、且つ、実験値から求められたCRSの傾向を抑制気味にしうる各セル13ごとの基準圧力TEMP(i,j)を設定した基準圧力テンプレートTPを作成してこれをROMに格納している。この基準圧力テンプレートTPは、圧力センサ10の形状に対応して7行×10列での配置における基準圧力TEMP(i,j)の分布を示している。そして、これらセル13ごとに設定された基準圧力TEMP(i,j)の平均値は、値「0」となるように設定されている(図15においては、便宜的に実際に相当する圧力としてそのまま図示)。
【0052】
そして、各セル13ごとに検出された部分圧力X(i,j)及び対応するセル13の基準圧力TEMP(i,j)の積和を「人適合度」として演算する。このとき、これら各セル13ごとに検出された部分圧力X(i,j)及び対応するセル13の基準圧力TEMP(i,j)が同様の傾向を示すのであれば正数として「人適合度」の増大に反映され、一方、反転した傾向を示すのであれば負数として「人適合度」の低減に反映される。従って、最終的に算出された人適合度が正数であるのか負数であるのかによって圧力センサ10の検出結果と基準圧力テンプレートTPとの全体的な傾向が同様であるのか反転しているのかが検出される。すなわち、「人適合度」の極性(正数又は負数)によって、車両用シート2に人が着座しているのかどうかが示唆される。
【0053】
ステップ103においてCPU21は、上記の方法により求めた「人適合度」が所定閾値TH4以下か否かを判断する。所定閾値TH4は、シート上の状態が人の着座ではない傾向が強いことを示す好適な値に設定されている。そして、所定閾値TH4以下であれば、CPU21は人の着座でない(CRS装着である)と判定してステップ104に移行する。そして、CPU21は、前記判定値から係数1を減算し、その値を判定値として更新してステップ105に移行する。一方、所定閾値TH4より大きければ、CPU21は人の着座と判定してそのままステップ105に移行する。このような人適合による判定値の補正は、人の着座でないときに大人と判定されにくくするためである。
【0054】
次に、ステップ105においてCPU21は、既述の態様で求めた「エッジ」がステップ203〜205のいずれかにおいて設定されたエッジ閾値TH1以上か否かを判断する。いうまでもなく、エッジによる判定にあたっては、上記エッジ閾値TH1の設定によって温度による影響が吸収されている。そして、所定閾値TH1以上であれば、CPU21は大人の着座でない(子供着座若しくはCRS装着)と判定してステップ106に移行する。そして、CPU21は、判定値から係数2を減算し、その値を判定値として更新してステップ107に移行する。一方、所定閾値TH1未満であれば、CPU21は大人の着座と判定してそのままステップ107に移行する。このようなエッジによる判定値の補正は、大人の着座でないときに大人と判定されにくくするためである。
【0055】
ステップ107においてCPU21は、既述の態様で求めた「横幅」がステップ203〜205のいずれかにおいて設定された横幅閾値TH2以上か否かを判断する。いうまでもなく、横幅による判定にあたっては、上記横幅閾値TH2の設定によって温度による影響が吸収されている。そして、横幅閾値TH2以上であれば、CPU21は大人の着座であると判定してステップ108に移行する。そして、CPU21は、判定値に係数3を加算し、その値を判定値として更新してステップ109に移行する。一方、横幅閾値TH2未満であれば、CPU21は大人の着座でないと判定してそのままステップ109に移行する。このような横幅による判定値の補正は、大人の着座であるときに大人と判定されやすくするためである。
【0056】
ステップ109においてCPU21は、上述の態様で補正された判定値がステップ203〜205のいずれかにおいて設定された判定値閾値TH3以上か否かを判断する。いうまでもなく、判定値による判定にあたっては、上記判定値閾値TH3の設定によって温度による影響が吸収されている。そして、判定値閾値TH3以上であれば、CPU21は大人の着座であると判定してステップ110に移行する。そして、CPU21は、エアバッグの作動を許可(オン)する着座信号を出力すべくオン判定を行う。一方、判定値閾値TH3未満であれば、CPU21は大人の着座ではない(子供着座若しくはCRS装着)と判定してステップ111に移行する。そして、CPU21は、エアバッグの作動を禁止(オフ)する着座信号を出力すべくオフ判定を行う。
【0057】
ステップ110若しくはステップ111でオン・オフ判定を行ったCPU21は、その後の処理を一旦終了する。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
【0058】
(1)本実施形態では、算出されたエッジとエッジ閾値TH1との大小比較に基づくシートの大人着座の判定(大人着座以外の判定)にあたって、検出された温度に応じてエッジ閾値TH1に異なる閾値(TH11,TH12,TH13)が設定される。従って、温度環境により圧力センサ10(セル13)の出力変化やウレタンパッド5の硬度変化が生じても、これに応じて車両用シート2の大人着座の判定精度をより向上できる。
【0059】
(2)本実施形態では、算出された横幅と横幅閾値TH2との大小比較に基づくシートの大人着座の判定にあたって、検出された温度に応じて横幅閾値TH2に異なる閾値(TH21,TH22,TH23)が設定される。従って、温度環境により圧力センサ10(セル13)の出力変化が生じても、これに応じて車両用シート2の大人着座の判定精度をより向上できる。
【0060】
(3)本実施形態では、算出された総荷重値に基づく判定値と判定値閾値TH3との大小比較に基づくシートの大人着座の判定にあたって、検出された温度に応じて判定値閾値TH3に異なる閾値(TH31,TH32,TH33)が設定される。従って、温度環境により圧力センサ10(セル13)の出力変化が生じても、これに応じて車両用シート2の大人着座の判定精度をより向上できる。
【0061】
(4)本実施形態では、エッジ閾値TH1、横幅閾値TH2、判定値閾値TH3として、それぞれ検出された温度が属する領域に応じて異なる閾値を設定することで温度補正を行うため、演算負荷を軽減できる。
【0062】
なお、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。
・前記実施形態においては、温度環境に応じて判定値閾値TH3を異なる設定にする場合について説明した。しかしながら、図20から示唆されるように総荷重値を補正した判定値は、温度による影響が略吸収されている。従って、例えばデフォルトの閾値(TH31)に固定であっても大人着座と子供着座若しくはCRS装着とを区別できることから、温度による判定値閾値TH3の設定変更を割愛してもよい。
【0063】
・前記実施形態においては、温度環境を3つの領域(低温、常温、高温)に区画してエッジ閾値TH1、横幅閾値TH2、判定値閾値TH3の設定変更を行ったが、複数であればいくつの領域に区画してもよい。また、例えば温度センサ12による検出温度に比例してこれらエッジ閾値TH1、横幅閾値TH2、判定値閾値TH3を補正するようにしてもよい。この場合、温度環境に応じたより厳密なシート状態の判定が可能となる。
【0064】
・前記実施形態においては、温度環境に応じてエッジ閾値TH1、横幅閾値TH2、判定値閾値TH3を補正する場合について説明したが、これに代えて、或いはこれに加えてエッジ、横幅、判定値を補正するようにしてもよい。これらは、単に判定の基準の相違に過ぎない。
【0065】
・前記実施形態においては、総荷重値に基づく判定値と判定値閾値TH3との大小比較により大人着座の判定を行った。これに対して、検出された部分圧力が所定圧力を超えているセルの数であるONセル数に基づく判定値と、閾値との大小比較により大人着座の判定を行ってもよい。このONセル数は、圧力センサ10における感圧面積に相当するものである。この場合、当該閾値を温度環境に応じて補正する。あるいは、これに代えて、若しくはこれに加えてONセル数(判定値)を補正するようにしてもよい。
【0066】
・前記実施形態においては、エッジの算出に係る隣接するセルとして幅方向及び前後方向に隣接するセルを採用した。これに代えて、若しくは、これに加えて、例えば対角線方向に隣接するセルを採用してもよい。
【0067】
・前記実施形態において、エッジの算出に係る隣接するセルの部分圧力の平均値としては、相加平均や相乗平均、調和平均などであってもよい。
・前記実施形態においては、エッジとエッジ閾値TH1との大小比較に基づく大人着座の判定(大人着座以外の判定)を、係数2の減算により判定値に反映させたが、同大小比較により直に大人着座の判定を行ってもよい。
【0068】
・前記実施形態においては、横幅に係るピーク行を検出する際に、所定行数分として3行分ごとに合計値を比較したが、全てのセル13により構成される行数未満で、且つ、3行以外の複数行分ごとに合計値を比較してもよい。
【0069】
・前記実施形態において、ピーク行は、合計値が最大となる3列分の真ん中の行に限らず、例えば3行のうち、前後方向における両端いずれかの行をピーク行としてもよい。
【0070】
・前記実施形態においては、大人の正規着座における幅閾値NHと比較することで横幅を算出した。これに対して、例えば大人が左右のいずれかに偏って着座していること(幅方向の荷重の偏在)が検出された場合には、上記幅閾値NHを対応する方向にずらした新たな幅閾値と比較することで横幅を算出してもよい。
【0071】
・前記実施形態においては、横幅と横幅閾値TH2との大小比較に基づく大人着座の判定を、係数3の加算により判定値に反映させたが、同大小比較により直に大人着座の判定を行ってもよい。
【0072】
・前記実施形態においては、圧力センサ10として、車両用シート2(シートクッション3)の幅方向に行が定義され、前後方向に列が定義されるマトリックス構造とした。こうしたマトリックス構造としては、このように直交する行及び列によって定義されるものに限らず、例えば斜めに交差する行及び列によって定義されるものであってもよい。要は、車両用シート2の着座面の圧力分布を規則性をもって検知できるのであればよい。
【0073】
次に、以上の実施形態から把握することができる技術的思想を、その効果とともに以下に記載する。
(イ)請求項1に記載の着座検知装置において、幅方向における荷重の偏在を判定する偏在判定手段を備え、前記横幅算出手段は、前記偏在判定手段により判定された幅方向における荷重の偏在に基づき前記幅閾値を幅方向にずらして各列ごとに設定することを特徴とする着座検知装置。同構成によれば、幅方向における荷重の偏在に基づき前記幅閾値を幅方向にずらして各列ごとに設定することで、横幅に基づくシート状態がより正確に判定される。
【0074】
(ロ)シートの着座面に行列状に配設されて該着座面の部分圧力を検出する複数のセルと、前記検出された部分圧力が所定圧力を超えているセルの数であるONセル数を算出するONセル数算出手段と、前記算出されたONセル数と閾値との大小比較に基づき前記シートの大人着座を判定する判定手段とを備えた着座検知装置において、温度を検出する温度センサーと、前記検出された温度に応じて前記算出されたONセル数及び前記閾値の少なくとも一方を補正する補正手段とを備えたことを特徴とする着座検知装置。同構成によれば、算出されたONセル数と閾値との大小比較に基づくシートの大人着座の判定にあたって、検出された温度に応じてONセル数及び閾値の少なくとも一方が補正される。従って、温度環境に応じてシートの大人着座の判定精度がより向上される。
【0075】
(ハ)請求項1及び上記(イ)(ロ)のいずれかに記載の着座検知装置において、前記補正手段は、前記検出された温度が属する領域に応じて異なる前記閾値を設定することを特徴とする着座検知装置。同構成によれば、検出された温度が属する領域に応じて異なる閾値を設定することで補正されるため、演算負荷が軽減される。
【0076】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、温度環境に応じてシート上の状態の判定精度をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】着座検知装置を車両に適用した場合の電気的構成を示すブロック図。
【図2】圧力センサの平面図。
【図3】車両用シートの模式図。
【図4】図2のA−A線に沿った断面図。
【図5】(a)〜(c)はセルの動作を示す説明図。
【図6】セルの圧力−抵抗特性を示すグラフ。
【図7】助手席エアバッグの作動判定を示す説明図。
【図8】(a)〜(d)は圧力センサによる検出結果を示す圧力分布図。
【図9】温度と総荷重値との関係を実験的に求めたグラフ。
【図10】温度とエッジとの関係を実験的に求めたグラフ。
【図11】温度と横幅との関係を実験的に求めたグラフ。
【図12】エッジ強度値に関する説明図。
【図13】(a)及び(b)は座圧ピーク荷重に関する説明図。
【図14】横幅に関する説明図。
【図15】人適合度に関する説明図。
【図16】判定処理の態様を示すフローチャート。
【図17】同じく判定処理の態様を示すフローチャート。
【図18】温度とエッジとの関係において設定されるエッジ閾値を示すグラフ。
【図19】温度と横幅との関係において設定される横幅閾値を示すグラフ。
【図20】温度と判定値との関係において設定される判定値閾値を示すグラフ。
【符号の説明】
1…着座検知装置、2…車両用シート、12…温度センサ、13…セル、21…CPU(総荷重値算出手段、判定手段、補正手段、エッジ算出手段、ピーク行検出手段、横幅算出手段)。
Claims (1)
- シートの着座面に配設されて該着座面の幅方向の行及び前後方向の列によって規定される部分圧力を検出する複数のセルと、
前記列方向に連続する所定行数分のセルごとに部分圧力の合計値を算出するとともに、それら合計値が最大となるときに対応する前記所定行数分のいずれかの行をピーク行として検出するピーク行検出手段と、
前記ピーク行が検出された所定行数分のセルの各列における部分圧力の合計値を算出し、各列ごとにその合計値と予め各列ごとに設定されている幅閾値とを比較し、該幅閾値を超える合計値を示す列を計数して横幅を算出する横幅算出手段と、
前記算出された横幅と閾値との大小比較に基づき前記シートの大人着座を判定する判定手段とを備えた着座検知装置において、
温度を検出する温度センサーと、
前記検出された温度に応じて前記算出された横幅及び前記閾値の少なくとも一方を補正する補正手段とを備えたことを特徴とする着座検知装置。
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