JP6191928B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
このようなディジタルカメラを含む撮像装置は、小型化および軽量化が図られ、しかも人が保持するものであるために、必ずしも安定した姿勢において撮影されるものとは限らず、そのため撮影時には、従来にも増して気付きにくい傾きが画像に生じがちである。
一方、撮像装置の撮影手法として、意図的に傾けた構図により撮影するような場合もある。また、撮像姿勢についても、横長の、いわゆる横位置ばかりとは限らず、縦長に構えた、いわゆる縦位置の構図が用いられる場合もある。
いずれにしても、撮像装置には、撮影時に、装置本体の傾きを検出し、この傾きの角度をモニタ画面に表示するなどして、撮影者に画面の傾きを認知させるための機能を備えることが望ましい。
特許文献1(特開2004−343476号)には、静止画像の取得時に、この静止画像の傾きを検出し、この検出した傾きを示す情報を静止画像と共に記録媒体に記録することによって、必要に応じて、後処理により静止画像の傾きを補正し、これによって、ユーザの意図を正しく反映して、撮像結果の傾きを適正に補正することを可能とする撮像装置が開示されている。
さらに、特許文献3(特許第3896505号)には、カメラに設けた姿勢検出手段によってカメラの姿勢を検出し、画像表示手段の画面上にカメラ自体の水平基準線と、カメラの姿勢に依存して変化する傾き情報と、を撮像画像と同時に表示するようにし、撮影者がこれら表示を参照することによってカメラの傾きを修正するこができるようにした撮像装置が開示されている。
なお、姿勢の確認のために、液体中の気泡を利用した水準器、いわゆるレベル、を、ディジタルカメラを含む撮像装置のホットシューを利用して設置可能としたものも市販されている。
また、特許文献2(特開2007−174156号)および特許文献3(特許第3896505号)にそれぞれ開示された撮像装置の場合、撮影画像や合成画像の傾きを認知させることによって撮像装置の姿勢を認知させる構成になっており、直観的に把握するには便利であるが、撮像装置の傾きの大きさを高い精度で表示することができない、という難点がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、撮像装置のロール方向の傾きに応じて傾き情報の表示位置や表示形態を切り替えて、使い勝手を良くし、操作性を向上させるユーザインタフェースを実現し得る撮像装置を提供することにある。
撮像装置のロール方向の傾きに応じてロール方向の傾き情報の表示位置を切り替える表示制御手段と、を有する撮像装置において、
前記表示制御手段は、前記傾き検出部により検出されたピッチ方向の傾きが所定の範囲内のときは、ロール方向の傾き情報の表示位置を切り替え、
ピッチ方向の傾きが所定の範囲を超えたときは、ロール方向の傾き情報の表示位置を切り替えないことを特徴としている。
請求項2に記載した本発明に係る撮像装置は、請求項1の撮像装置であって、
前記表示制御手段は、前記傾き情報の表示位置を水平方向および/または垂直方向の端辺部に沿った位置に切り替えることを特徴としている。
前記傾き情報は、ロール方向の傾き量に応じた傾きを示すロール角傾き情報であり、
前記表示制御手段は、前記ロール角傾き情報に対応する表示である傾きガイドを表示することを特徴としている。
請求項4に記載した本発明に係る撮像装置は、請求項3に記載の撮像装置であって、
前記傾きガイドは、前記撮像装置のロール方向の傾き量が小さい状態から大きくなった際には、表示スケールの色を変える構成としたことを特徴としている。
請求項5に記載した本発明に係る撮像装置は、請求項3または請求項4の撮像装置であって、
前記表示制御手段は、ピッチ方向の傾き量が所定の範囲内であるときにのみ前記ロール角傾き情報を表示することを特徴としている。
前記表示制御手段は、ピッチ方向の傾き量が所定の範囲を超えたとき前記傾きガイドの表示形態を変更することを特徴としている。
請求項7に記載した本発明に係る撮像装置は、請求項1に記載のロール方向の傾きが60度であることを特徴としている。
即ち、本発明の請求項1の撮像装置によれば、撮像素子と、前記撮像素子により撮像された画像を表示する画像表示部と、ロール方向の傾きとピッチ方向の傾きを検出する傾き検出部と、前記画像表示部に前記傾き検出部により検出されたロール方向の傾き情報を表示し、
撮像装置のロール方向の傾きに応じてロール方向の傾き情報の表示位置を切り替える表示制御手段と、を有する撮像装置において、
前記表示制御手段は、前記傾き検出部により検出されたピッチ方向の傾きが所定の範囲内のときは、ロール方向の傾き情報の表示位置を切り替え、
ピッチ方向の傾きが所定の範囲を超えたときは、ロール方向の傾き情報の表示位置を切り替えないことにより、
撮像装置を構えたときのロール方向の傾きに応じて画像表示部における傾き情報が見易くなって、正確に把握することができ、延いては操作性を向上させることができる。
本発明の請求項3の撮像装置によれば、前記傾き情報は、ロール方向の傾き量に応じた傾きを示すロール角傾き情報であり、
前記表示制御手段は、前記ロール角傾き情報に対応する表示である傾きガイドを表示することにより、ロール方向の傾きを直感的に容易に把握することができる。
本発明の請求項6の撮像装置によれば、前記表示制御手段は、ピッチ方向の傾き量が所定の範囲を超えたとき前記傾きガイドの表示形態を変更することにより、傾き検出の精度を維持できるピッチ角の範囲を外れた場合に、それを傾きガイド表示によって、確実に把握することができ、容易に傾き検出の精度を維持できるピッチ角の範囲内で使用することが可能となる。
撮像装置を横位置または縦位置に備えた状態からロール方向に60度を越えるまで傾けた場合に、傾き情報の表示位置が切り替わるため、ロール方向の傾きを的確に把握することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態におけるディジタルカメラとして構成した撮像装置の外観を示すものであり、(a)は正面図、(b)は背面図、そして(c)は平面図である。また、図2は、撮像装置内部のシステム構成を模式的に示すブロック図である。
図1(a)(c)に示すように、撮像装置の上面には、レリーズスイッチ(シャッタレリーズボタン)SW1、モードダイヤルスイッチSW2および第1ジョグダイヤルスイッチSW3が配設されている。また、撮像装置の正面側には、ストロボ発光部1、測距ユニット2、光学ファインダ3および鏡胴ユニット4が設けられている。鏡胴ユニット4は、撮影レンズを含んでいる。
撮像装置の背面には、図1(b)に示すように、LCDモニタ5、第2ジョグダイヤルスイッチSW4、ズームスイッチ[テレ(TELE)]SW5、ズームスイッチ[ワイド(WIDE)]SW6、上スイッチSW7、右スイッチSW8、OKスイッチSW9、左スイッチSW10、下/マクロスイッチSW11、ディスプレイスイッチSW12、削除スイッチSW13、メニュースイッチSW14および電源スイッチSW15が設けられている。また、撮像装置の側面には、電池蓋6が設けられている。
撮像装置としてのディジタルカメラの各部の機能および作用は、公知であるので、その詳細な説明は省略することにし、次に撮像装置内部のシステム構成を図2に基づき図1を参照しながら説明する。
図2において、固体撮像素子(CCD)101は、光学画像を光電変換するための、例えばCCD(電荷結合素子)またはCMOS(相補型金属酸化物半導体)等を用いて構成される撮像素子である。撮像処理手段としてのフロントエンドIC(F/E−IC)102は、画像ノイズ除去用のため相関二重サンプリングを行う相関二重サンプリング部(CDS)1021と、利得調整を行う利得制御部(AGC)1022と、アナログ−ディジタル変換を行うA/D(アナログ−ディジタル)変換部1023と、駆動タイミング信号を発生するタイミング信号発生部(TG)1024と、を有するIC(集積回路)として構成される。ここで、TG1024には、第1CCD信号処理ブロック1041より、垂直同期信号VDおよび水平同期信号HDが供給されると共に、CPUブロック1043より出力される信号によってCCD101およびF/E−IC102に対し駆動タイミング信号を出力する。
このSDRAM103は、プロセッサ104で画像データに各種処理を施す際に、画像データを一時的に保存する。保存される画像データは、例えば、CCD101から、F/E−IC102を経由して取り込んで、第1CCD信号処理ブロック1041でホワイトバランス調整およびガンマ調整が行われた状態のRAW−RGB画像データや、第2CCD信号処理ブロック1042で輝度データ・色差データ変換が行われた状態のYUV画像データ、JPEG・CODECブロック1047で、JPEG圧縮されたJPEG画像データなどである。
プロセッサ104の外部には、さらに、RAM等の内蔵メモリ(メモリカードスロットにメモリカードが装着されていない場合でも撮影画像データを記憶するための内蔵メモリ)107、制御プログラムおよびパラメータなどが格納されたROM(図示せず)が設けられ、これらもバスラインによってプロセッサ104に接続されている。
鏡胴ユニット4は、被写体の光学画像を取り込むズームレンズ41aを有するズーム光学系41、フォーカスレンズ42aを有するフォーカス光学系42、絞り43aを有する絞りユニット43およびメカニカルシャッタ44aを有するメカニカルシャッタユニット44からなるレンズ鏡筒を備えている。なお、ズームレンズ41a、フォーカスレンズ42aおよび絞り43aは、撮影光学系を構成している。また、撮影光学系の光軸をZ軸とするとともに、このZ軸に直交する平面をX−Y平面とする。
ズーム光学系41、フォーカス光学系42、絞りユニット43およびメカニカルシャッタユニット44は、それぞれ、ズームモータ41b、フォーカスモータ42b、絞りモータ43bおよびメカニカルシャッタモータ44b、によって駆動されるようになっている。
また、鏡胴ユニット4の各レンズ系により得られた光学像を光電変換する固体撮像素子であるCCD101の受光面には、被写体光学像が結像され、CCD101は、被写体光学像を電気的画像情報に変換してF/E−IC102に画像信号を出力する。
これらの信号制御処理は、プロセッサ104の第1CCD信号処理ブロック1041から出力されるVD(垂直同期)−HD(水平同期)信号によりTG1024を介して行われる。そのTG1024は、そのVD−HD信号に基づき駆動タイミング信号を生成する。
プロセッサ104は、CCD101からF/E―IC102を経由して得られる出力データにホワイトバランス調整およびガンマ調整を行うために、第1CCD信号処理ブロック1041により、垂直同期信号VD、水平同期信号HDを供給し、そして第2CCD信号処理ブロック1042により、フィルタリング処理による輝度データ・色差データへの変換を行う。
CPUブロック1043は、さらに、ストロボ回路114を制御することによってストロボ発光部1から照明光を発光させる。これに加えて、CPUブロック1043は、測距ユニット2をも制御する。
CPUブロック1043は、プロセッサ104のサブCPU112に接続され、サブCPU112は、操作スイッチSW1〜SW15からなる操作キーユニットに接続されている。この操作キーユニット(SW1〜SW15)は、ユーザが操作するキースイッチ群からなる操作部である。また、サブCPU112は、ROM・RAMをワンチップに内蔵したCPUであり、操作キーユニット(SW1〜SW15)などの出力信号をユーザの操作情報として、CPUブロック1043に出力する。
LCDドライバ108は、駆動回路であり、LCDモニタ5を駆動すると共にTV信号表示ブロック1049から出力されたビデオ信号をLCDモニタ5に表示させる信号に変換する。LCDモニタ5は、モニタ用の表示装置であり、撮影前の被写体の状態を監視すること、また撮影画像を確認することおよび後述する撮像装置の傾きを表示することを意図し、メモリカードまたは内蔵メモリ107に記録された画像データおよび撮像装置の傾き情報を表示するために用いられる。
サブCPU112は、ROM/RAMをワンチップに内蔵したCPUであり、前述の操作キーユニット(SW1〜SW15)などの出力信号を、ユーザの操作情報として、前述したCPUブロック1043に出力する。内蔵メモリ107は、撮影した画像データを記憶できるようにするためのメモリである。
傾き検出手段としての加速度センサ111は、前述した各部を構成したプリント回路基板(PCB)上に実装され、2軸X,Yのデータ(X,Y)と、温度Tのデータを検知してプロセッサ104のI2Cブロック10411に送出する。プロセッサ104は、I2Cブロック10411を介して加速度センサ111から与えられたデータを基に、表示すべきロール角等の傾き情報を、例えばCPUブロック1043により演算し(傾き算出手段)、このロール角の表示スケールの大きさに対応した表示画像を選択し(表示処理手段)、この表示画像上の当該ロール角を示す位置に目印となるマーカMの画像を合成して得られた画像をLCDモニタ5等(画像表示装置)に表示する。
θ[deg]=180/π*arctan{(Y−Y0)/(X−X0)} …(1)
同様に、撮像装置のピッチング方向の傾きを検出し得るように設置された、他の加速度センサ111は、表示すべきピッチ角を検出し、そのデータをプロセッサ104に送出する。プロセッサ104は、加速度センサ111から送出されたデータを基に、表示する撮像装置の傾き(ピッチ角)を、例えばCPUブロック1043により演算し(傾き角算出手段)、LCDモニタ5の一部に撮影画像と重畳して表示することができる(但し、この機能はオプショナルであって省略可能とするが、この機能を設ける場合は、ロール角だけ、またはピッチ角だけ、もしくはロール角とピッチ角の両方、を表示させることをユーザに選択指示させるための選択ボタンを設けることが好ましい)。
プロセッサ104は、ロール角および/またはピッチ角のLCDモニタ5への表示に際し、算出したロール角および/またはピッチ角の大きさを判定し、この角度の大きさに応じて、この角度を表示する表示スケールのレンジを変化させる。この表示スケールには、あたかも液体を用いた水準器、いわゆるレベル、における気泡のような疑似的な気泡像であるマーカMの表示を付加しており、このマーカMが位置するスケールの目盛を見ることによって当該角度を認識する。このため、プロセッサ104は、レンジを選択した表示スケール上に、当該角度を示すマーカMの画像を合成してLCDモニタ5で表示する。また、当該角度は、内蔵メモリ107等に記録するものとする。
さらに、撮像装置は、ロール角が90度±5度(垂直近傍)の領域になると、表示スケールB2を拡大させ、精度を上げるようにする。一般に、ユーザは、撮像装置が水平から左右に大きく傾いている時には、表示スケールB1は、ほとんど目視しなくとも撮像装置が傾いていることを認知することができる。しかしながら、撮像装置が撮影姿勢と考えられる水平状態になった時には、撮像装置が正しく水平になっているか否かを厳密に確認したくなるものであることからして、この実施形態に係る撮像装置では、前述のとおり、ロール角が水平近傍(0度±5度)である場合には、表示スケールB2のレンジを拡大させることができるので、マーカMの位置を精度よく読み取ることができ、このようなユーザの要求に対しても的確に応じることができる。
また、図6に示すように、プロセッサ104は、常に1つの表示スケールのみを表示するように構成すると共に、この表示スケールB3の目盛間隔(スケール)を等間隔、つまり線形的には、表示せずに、ロール角が水平に近い場合(マーカMが中央付近にある場合中央)部分を細かいレンジで表示し、ロール角が水平に近くない場合、例えば、0度±5度から60度±5度の場合は、マーカMが位置する部分を粗いレンジで表示するような、非線形的な表示を行うように構成することもできる。
これにより、ロール角を、表示スケールB3自体の切り替えを行うことなく、1つの表示スケールのみを使用し、しかも精度が必要なタイミングでは高い精度で表示することができる。例えば、ロール角が±1度以降を対数表示にしたり、べき乗表示にしたりすることで表示スケールの目盛間隔を任意に非線形的に変更することもできる。
また、この表示スケールB4のレンジは、ピッチ角が0度近傍(0度±5度)と垂直近傍(90度±5度)に近づくと、撮像装置の傾きを精度良く目測することができるように、即ち、図7に示す表示スケールB5のように、レンジを自動的に拡大させ高精度な読取りができるように構成することができる。
また、プロセッサ104(表示処理手段)は、前述のピッチ角の表示方法において、ピッチ角が垂直に近い状態(90度±5度)である場合と、垂直に近くない通常状態(0度±5度から0度±30度)である場合とで、加速度センサ111のサンプリング数や平均処理数を変えるように構成することができる。即ち、垂直に近くない通常状態(0度±5度から0度±30度)の場合には、瞬時に撮像装置の大体の傾きを表示できるように加速度センサ111におけるピッチ角のサンプリング数・平均処理数が少なくなるように制御し、これにより、撮像装置の傾きが急激に変えられた場合にも対応することが可能となる。
以下では、ロール角とピッチ角の両方を組み合わせて表示させる場合の表示処理手段の機能を果たすプロセッサ104の処理を説明する。
プロセッサ104は、ロール角が0度±60度以下である場合、このロール角を、LCDモニタ5の表示画面に対して横向き状態の表示スケールB1とマーカMとで表示し、ピッチ角は、図10に示すように、縦向き状態の表示スケールB5とマーカMとで表示するように構成することができる。また、ロール角が0度±60度を越える場合(図示せず)には、ロール角の表示を縦向き状態の表示スケールに切り替えると共に、ピッチ角の表示を横向き状態の表示スケールに切り替えるように構成することができる。
さらに、撮像装置の操作面に、ロール角だけ、またはピッチ角だけ、もしくはロール角とピッチ角の両方、を傾きガイド表示させることをユーザに選択指示させるための選択ボタン(図示せず)を設ける構成とすることができる。
図3〜10は、本発明の実施の形態に係る撮像装置において傾きを表示する表示方法を示す説明図である。
以下、図3〜9を参照し、第1〜第8の実施の形態に係る撮像装置においてその傾きを表示する具体的表示方法について説明する。
なお、以下に示す各実施の形態における処理は、主として加速度センサ111、プロセッサ104およびLCDモニタ5等により行われる。
この第1の実施の形態では、先に述べた(1)式で求められるロール角が、0度±5度から±60度の範囲である場合は(おおむね画面の長手方向がほぼ水平向きの横位置と考えられる)、図3(a)に示すように、ロール角を示す表示スケールB1を表示し、また、LCDモニタ5の表示画面に対して横向き状態(撮像装置の長手方向)で前記画面の下端近傍位置に表示するように構成してある。この表示スケールB1のレンジは、ロール角が0度±5度と水平に近づいた領域、即ち水平近傍領域に達すると、ロール角を精度良く目測することができるように、自動的にレンジを拡大させる。(図3(a)に示す表示スケールB1のレンジよりも図3(b)に示す表示スケールB2のレンジの方が目盛が拡大されており精度が高い)。また、図4(b)のように、ロール角が±60度を越えると(おおむね画面の長手方向がほぼ垂直向きの縦位置と考えられる)、表示スケールB1のように、自動的に表示が縦向き状態に切り替えられる。さらに、図5(a)に示すように、ロール角が90度±5度から90度±30度の範囲に入る場合は、縮小されたレンジの表示スケールB1を表示し、また、図5(b)に示すように、ロール角が垂直に近い90度±5度の場合は、レンジが拡大されて高精度で角度を出すことができる表示スケールB2を表示するようになる。
この第2の実施の形態では、図6に示すように表示スケールとしては1つの表示スケールB3だけを表示し、この表示スケールB3の目盛間隔(スケール)を線形的な等間隔には表示せずに、ロール角が水平に近い領域の目盛は、細かいレンジで表示し、ロール角が水平に近くない(ロール角が0度±30度)の領域のスケール目盛は、粗いレンジで表示するように構成してある。このように構成することにより、表示スケール自体の切り替えを行うことなくロール角を合理的に表示することができる。表示方法としては、例えば、ロール角が±1度以降を対数表示にしたり、べき乗表示にしたりする方法で表示スケールB3の目盛間隔を任意に変更することが可能である。
この第3の実施の形態では、ロール角またはピッチ角の表示方法としては、第1および第2の実施の形態に示す表示方法と同じであるが、プロセッサ104は、ロール角またはピッチ角が水平に近い状態(0度±5度)である場合と、水平ではない状態(0度±5度から0度±60度)にある場合とで、加速度センサ111のサンプリング数や平均処理数を変えるように構成するものである。即ち、水平ではない通常状態の場合であると、瞬時に撮像装置の大体の傾きを表示できるように加速度センサ111におけるロール角またはピッチ角のサンプリング数・平均処理数が少なくなるように構成し、一方、ロール角またはピッチ角が水平状態に近い場合では、プロセッサ104は、加速度センサ111におけるロール角の加速度センサ111のサンプリング数や平均処理数を多くなるように構成して、傾きの値を高精度で表示することができるようにする。また、この実施の形態においては、通常状態と水平状態とで、表示スケール(B1,B2)に沿って移動するマーカMの移動スピードを変えるように構成することもできる。通常状態では、応答速度が上げられて素早く対応することが可能となり、水平状態では応答速度が遅くはなるが、ユーザが撮像装置を水平に合わせ易くすることができる。
この第4の実施の形態では、ピッチ角が0度±5度から0度±60度の範囲に入る場合は、図9に示すように、幅広い範囲のレンジ(粗いレンジ)を持つピッチ角の表示スケールB4をLCDモニタ5の表示画面に対して縦向き状態で前記画面に表示している。
また、この表示スケールB4のレンジは、ピッチ角が0度±5度と水平に近づくに連れて、撮像装置の傾きを精度良く目測することができるように、図7、図8に示す表示スケールB5のように、レンジを自動的に拡大表示させる。
この第5の実施の形態では、ピッチ角の表示方法としては、第4の実施の形態に示す表示方法と同じであるが、プロセッサ104は、ピッチ角が垂直に近い状態(90度±5度)である場合と、垂直ではない状態(90度±5度から90度±60度)である場合とで、加速度センサ111のサンプリング数や平均処理数を変えるように構成した点が異なる。即ち、通常状態の場合であると、瞬時に撮像装置の大体の傾きを表示できるように加速度センサ111におけるピッチ角のサンプリング数・平均処理数が少なくなるように構成し、一方、ピッチ角が水平状態に近い場合では、プロセッサ104は、加速度センサ111のサンプリング数や平均処理数を多くなるように構成し、傾きの値を高精度で表示することができるように構成する。また、この実施の形態では、通常状態と水平状態とで、表示スケール(B1,B2)を移動させるマーカMの移動スピードを変えるように構成してある。このように構成することで、通常状態では応答速度が上げられて素早く対応することが可能となり、水平状態では応答速度が遅くなり、ユーザが撮像装置を水平に合わせ易くなる。
以下では、ロール角とピッチ角とを組み合わせた第6の実施の形態について図10を参照して説明する。
この第6の実施の形態では、図10に示すように、ロール角が0度±5度以下である場合、このロール角をLCDモニタ5の表示画面に対して横向き状態の表示スケールB2で表示し、ピッチ角は縦向き状態の表示スケールB5で表示している。また、ロール角が0度±60度を越えると、図示はしないが、ロール角の表示を縦向き状態の表示スケールに切り替えると共に、ピッチ角の表示を横向き状態の表示スケールに切り替える。
この第7の実施の形態では、表示レンジの幅を広く表示する表示スケールと、表示レンジの幅を狭く表示する表示スケールとで、その着色を異なるものとしている。例えば、ロール角および/またはピッチ角が0度±5度の状態では、黒色の表示であったものを、0度±60度の状態へと傾きが大きくなった際には表示スケールの色を赤色に変えるようにする。また、ロール角および/またはピッチ角が90度±5度の状態から、90度±30度の状態へと傾きが大きくなった際にも表示スケールの色を、例えば、黒色から赤色に変えるようにする。なお、表示スケールの色としては、黒と赤に限ることはなく、青、緑、黄等の組合わせでもよい。
この第8の実施の形態では、撮像装置の操作面に、ロール角だけ、またはピッチ角だけ、もしくはロール角とピッチ角の両方、を表示させることをユーザに選択指示させるための選択ボタン(図示せず)を設けている。
ユーザにとっては、撮影対象に応じて、適宜選択ボタンを操作して的確な撮影を行うことができ利便性が向上する。
次に、上述の撮像装置において、加速度センサ111として直交する3軸の加速度センサを用い、撮像装置のロール角とピッチ角の両方を表示させることを前提とした本発明の第9の実施の形態について説明する。
このように直交する3軸の出力を有する加速度センサ111を用い、この加速度センサ111が撮像装置に組み込まれる方向がわかっていれば、それぞれの軸にかかる加速度の大きさは重力加速度をその軸方向に分解したものになっているため、撮像装置のあらゆる方向の傾きを正確に知ることができる。
この場合、図10に示すように、撮像装置を横位置に構えたときに、Z軸のまわりの回転がロール方向、X軸のまわりの回転がピッチ方向、Y軸のまわりの回転がヨー方向となる。撮像装置を横にほぼ水平に構えたとき、Y軸が検出する加速度は、ほぼ重力加速度に等しく、X軸およびZ軸が検出する値はほぼゼロとなる。このように、重力加速度を主に検出しているのがどの軸であるかを検出することにより、撮像装置の概略の向きを知ることができる。
加速度センサ111が検出した傾きデータは、I2Cブロック10411を介してCPUブロック1043が受信し、重力加速度の主要検出軸および傾きの大きさをソフトウェアまたはハードウェア的に算出し、その結果を表示装置に表示する。
図11の場合、ロール角を示す傾きガイド表示G1およびピッチ角を示す傾きガイド表示G2の表示形態はほぼ同一であるが、表示画面の長手方向に沿う傾きガイド表示G1のゲージがロール方向の傾き、そして表示画面の短手方向に沿う傾きガイド表示G2のゲージがピッチ方向の傾きを示す。それぞれのゲージにおいて、四角いマークの位置が図示のように中央にあるときに傾き、つまりロール角およびピッチ角がゼロ、中央から離れるにつれて傾き角度、つまりロール角およびピッチ角が大きくなることを意味する。
図12に、撮像装置を縦位置に構えたときの表示例を示している。この場合では、ロール方向およびピッチ方向の傾きガイド表示の表示形態は、見かけ上は、図11の場合とほとんど同一であるが、図11との違いは、表示装置の短手方向のゲージを有する傾きガイド表示G3がロール方向の傾きであるロール角を示し、長手方向のゲージを有する傾きガイド表示G4がピッチ方向の傾きであるピッチ角を示している。
第10の実施の形態においては、同様の目的で、図14に示すように、ロール方向とピッチ方向の傾きガイド表示の表示形態を異ならせ、例えばロール方向の傾きガイド表示Gr2のゲージを中央が最も高さが低く幅狭で両端へ向かうに従って漸次高さが高く幅広となる形状とし、そしてピッチ方向の傾きガイド表示Gp2のゲージを通常の幅が均一な長方形状の形状とする。この場合も、例えば、撮像装置の向きを図14の横位置から縦位置に変更した場合にも、両端の幅が広いほうがロール方向の傾きガイド表示Gr2、そして幅が均一のほうがピッチ方向の傾きガイド表示Gp2となる。このように、表示形態を異ならせることによって、縦横が入れ替わった場合においても、それぞれの傾きガイド表示のゲージとロール角およびピッチ角の関係が直感的に理解できるようになる。
なお、これら第9および第10の実施の形態において、ピッチ方向の傾きガイド表示の表示を必ずしも必要としない場面では、プログラムの設定により、ピッチ方向の傾きガイド表示を非表示とする手段を設けることも、図1および図2に示す構成において実現可能である。即ち、それぞれのゲージの表示有無を設定する画面をLCDモニタ5等の表示手段に表示し、操作ボタン(図示せず)などを用いて設定を行った結果をEEPROMまたはメインメモリに記憶させ、表示時に呼び出した設定内容に従って表示を行うなどすればよい。
次に、上述の撮像装置において、加速度センサ111として直交する2軸の加速度センサを用い、撮像装置のピッチ角が所定の範囲内であるときにのみロール角の傾きガイド表示を表示させることを前提とした本発明の第11の実施の形態について説明する。
加速度センサ111は、プロセッサ104等が実装されるメインのPCB(プリント配線基板)、即ちメインボード上に撮像装置に対して垂直に実装され、直交する2軸XおよびYと温度Tのデータを出力する。そのデータから撮像装置の傾きを演算し、それに相応する傾きガイド表示をLCDモニタ5等に表示する。
加速度センサ111の水平に対するロール角θは、先に述べた(1)式であらわされ、ピッチ角φは、次の(2)式であらわされる。
φ[deg]=180/π*arctan(Gz/Gxy)
Gz=sqrt(Gxyz2−Gxy2)
Gxy=sqrt{(X−X0)2+(Y−Y0)2} …(2)
ここでGxyzは、1Gの時の出力値、X0およびY0は、各々重力ゼロ時の出力である。
次に、上述の撮像装置において、撮像装置の温度が所定の範囲内であるときにのみロール角の傾きガイド表示を表示させることを前提とした本発明の第12の実施の形態について説明する。
温度を変化させるとそれに応じて加速度センサ111のX軸およびY軸の出力値が変化する。例えば、温度を上げることにより、X軸およびY軸の出力値が小さくなるとすると、このような場合にはノイズやオフセットずれの影響を受け易くなる。そこで、加速度センサ111の出力Tが規格範囲外の温度となる出力値となった場合には、それまで表示していたピッチ角もしくはロール角の表示を点滅させること、バーに表示していた角度を示すマーカMを消すこと、警告音を鳴らすことなどによって警告する。
この場合にも、表示形態は、例えば図17および図20の場合とほぼ同様となる。
次に、本発明の撮像装置に係る第13の実施の形態について説明する。
上述の撮像装置において、ピッチ角を増大させていって撮像装置を平伏せ状態とした場合には、XおよびYがともに0Gとなりロール角を算出することができない。このような0Gの近傍でもXおよびYの出力値が低下するため、精度が悪くなる。そこで、図21に示すように撮像装置の角度によって傾きガイド表示Gの表示バーの位置を変化させるとすると、XおよびYが0G付近(例えば閾値0.1G以下)では傾きガイド表示Gの表示バーの位置を、図21の(a)のように長手方向に沿って配置するか、図21の(b)のように短手方向に沿って配置するかどちらにすればよいか判別することができない。そのような場合における表示方法を、図22のフローチャートに示している。
t=nの時の出力値Xt=nおよびYt=nが各々0.1G以下であるか否かを判別し(ステップS11)、両者が0.1G以下ではないときは、そのまま出力値Xt=nおよびYt=nを用いてθを計算して(ステップS12)、モニタに表示する(ステップS13)。
次に、本発明の撮像装置に係る第14の実施の形態について説明する。
ピッチ角をつけていって、XおよびYが共に閾値以下の出力値になった時に、先に述べた通り警告表示とする場合には、高い精度を得る必要がなくなるため、サンプリング数を少なくして、プロセッサ104等の処理系に負荷がかかるのを防ぎ、消費電力を下げるようにする。
2 測距ユニット
3 光学ファインダ
4 鏡胴ユニット
5 LCDモニタ
6 電池蓋
104 ディジタルスチルカメラプロセッサ
108 LCDドライバ
111 加速度センサ
112 サブCPU
1041 第1CCD信号処理ブロック
1043 CPUブロック
10411 I2Cブロック
SW1〜SW15 操作キー
B1、B2、B3、B4、B5 表示スケール
M マーカ
G 傾きガイド表示
Gp1、Gp2 ピッチ角の傾きガイド表示
Gr1、Gr2 ロール角の傾きガイド表示
Claims (7)
- 撮像素子と、前記撮像素子により撮像された画像を表示する画像表示部と、ロール方向の傾きとピッチ方向の傾きを検出する傾き検出部と、前記画像表示部に前記傾き検出部により検出されたロール方向の傾き情報を表示し、
撮像装置のロール方向の傾きに応じてロール方向の傾き情報の表示位置を切り替える表示制御手段と、を有する撮像装置において、
前記表示制御手段は、前記傾き検出部により検出されたピッチ方向の傾きが所定の範囲内のときは、ロール方向の傾き情報の表示位置を切り替え、
ピッチ方向の傾きが所定の範囲を超えたときは、ロール方向の傾き情報の表示位置を切り替えないことを特徴とする撮像装置。 - 前記表示制御手段は、前記傾き情報の表示位置を水平方向および/または垂直方向の端辺部に沿った位置に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記傾き情報は、ロール方向の傾き量に応じた傾きを示すロール角傾き情報であり、
前記表示制御手段は、前記ロール角傾き情報に対応する表示である傾きガイドを表示することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像装置。 - 前記傾きガイドは、前記撮像装置のロール方向の傾き量が小さい状態から大きくなった際には、表示スケールの色を変える構成としたことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
- 前記表示制御手段は、ピッチ方向の傾き量が所定の範囲内であるときにのみ前記ロール角傾き情報を表示することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の撮像装置。
- 前記表示制御手段は、ピッチ方向の傾き量が所定の範囲を超えたとき前記傾きガイドの表示形態を変更することを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 請求項1に記載のロール方向の傾きは60度であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
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