JP6191410B2 - 電子制御装置 - Google Patents
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Description
制御対象の制御に択一的に用いられる複数の制御データと、各制御データの優先度をそれぞれ示す複数の優先度データとを、メモリに対応付けて記憶する。そして、メモリ内の制御データのうち、最も優先度の高い制御データを、メモリ内の優先度データに基づいて選択し、その選択した制御データを用いて、制御対象を制御する。
データ更新手段は、制御対象の制御に択一的に用いられる複数の制御データと、各制御データに対応するデータであって、各制御データの優先度をそれぞれ示す複数の優先度データとを算出すると共に、算出した制御データ及び優先度データを記憶手段に書き込む。
そして、この電子制御装置は、選択手段により選択された制御データである調停結果を用いて、制御対象を制御する。
検出手段は、記憶手段に記憶されている優先度データのデータ化けを検出する。そして、フェールセーフ手段は、検出手段により優先度データのデータ化けが検出された場合に、所定のフェールセーフ処理を行う。
図1に示すように、第1実施形態の電子制御装置1は、マイコン3と、出力回路5と、入力回路7とを備える。
メモリ13には、プログラム領域15と、データ記憶領域17とが設けられている。尚、プログラム領域15とデータ記憶領域17は、物理的に別々のメモリであっても良い。
データ記憶領域17は、データの読み書きが可能な記憶手段に相当し、第1領域21〜第6領域26を備える。
第4領域24には、「優先度化け発生時の要求値」が記憶される。「優先度化け発生時の要求値」は、予め定められた設計上の固定値であり、優先度化けが発生した場合に、要求値R1〜Rnに代えて、スロットルモータ9の制御に用いられる。このため、「優先度化け発生時の要求値」は、優先度化けが発生した場合に、スロットルモータ9の制御が安全側の制御となる値(例えば、目標のスロットル開度として0を示す値)に予め定め設定されている。
CPU11は、図2に示す全体の処理のうち、S110にて、要求値R1〜Rnと優先度データP1〜Pnとを算出するための要求値及び優先度算出処理を行い、その直後のS120にて、優先度化けを検出するための検査用情報を更新する処理を行う。そして、その後、S130にて、要求値R1〜Rnの中から最高優先度のものを選択して調停結果とするための調停処理を行う。
図3に示すように、CPU11は、図2のS110で要求値及び優先度算出処理を開始すると、まずS210にて、算出対象の要求値R1〜Rn及び優先度データP1〜Pnの番号を示す識別子iを、最小値の1に設定する。そして、次のS220にて、iがn以下であるか否かを判定し、iがn以下であればS230に進む。nは、第5領域25に記憶されている「調停が必要な要求値の数」である。
また、CPU11は、S220にて、iがn以下ではない(即ち「i>n」)と判定した場合には、当該要求値及び優先度算出処理を終了する。
CPU11は、図2のS120では、検査用情報を更新する処理として、S110(図3の処理)で第2領域22に記憶されたn個の優先度データP1〜Pnを合計したサム値(チェックサム)を算出する演算処理と、算出したサム値を検査用情報として第3領域23に書き込む処理とを行う。
図4に示すように、CPU11は、図2のS130で調停処理を開始すると、まずS310にて、優先度化けを検出するために、図5の優先度化け検出処理を行う。
次に、第2実施形態の電子制御装置について説明するが、電子制御装置の符号としては、第1実施形態と同じ“1”を用いる。また、第1実施形態と同様の構成要素や処理についても、第1実施形態と同じ符号を用いる。そして、このことは、後述する他の実施形態についても同様である。
第2実施形態においても、検査用情報は、優先度データP1〜Pnの全体について、データ化けを検出するための全体検査用情報であるが、サム値ではなく、パリティビットである。
第3実施形態の電子制御装置1は、第1実施形態の電子制御装置1と比較すると、CPU11が図2のS120で第3領域23に書き込む検査用情報が異なる。
[第4実施形態]
第4実施形態の電子制御装置1は、第1〜第3実施形態の電子制御装置1と比較すると、CPU11が、図4の調停処理に代えて、図7の調停処理を行う点が異なる。
図7に示すように、CPU11は、S320にて、優先度化け検出処理の判定結果が「優先度化け有り」であると判定した場合(即ち、優先度化けを検出した場合)には、S360に進む。CPU11は、S360では、フェールセーフ処理として、第1領域21に記憶されている要求値R1〜Rnの全てを、第4領域24に記憶されている「優先度化け発生時の要求値」に書き換える処理を行う。そして、その後、S330及びS340の処理を行う。
[第5実施形態]
第5実施形態の電子制御装置1は、第3実施形態の電子制御装置1と比較すると、下記の(1),(2)が異なる。
図8の調停処理には、図4の調停処理と比較すると、S310に代えて、S315が設けられており、S350に代えて、S370が設けられている。
図9に示すように、CPU11は、優先度化け検出処理を開始すると、S413にて、第2領域22に記憶されている優先度データP1〜Pnの各々と、第3領域23に記憶されている個別検査用情報(この例では優先度データP1〜Pn)の各々とが、整合しているか否かを判定する。この例では、各優先度データP1〜Pnについて、第2領域22内の値と第3領域23内の値とが一致しているか否かを判定する。第2領域22内の優先度データP1〜Pnと第3領域23内の優先度データP1〜Pnとが一致していることが、第2領域22内の優先度データP1〜Pnと第3領域23内の個別検査用情報との整合を意味し、不一致は不整合を意味する。
そして、CPU11は、S370では、フェールセーフ処理として、第1領域21に記憶されている要求値R1〜Rnのうち、優先度化けが生じた要求値だけを、第4領域24に記憶されている「優先度化け発生時の要求値」に書き換える処理を行う。優先度化けが生じた要求値とは、データ化けが検出された優先度データ(この例では図9のS415で識別情報が記憶された優先度データ)に対応する要求値である。そして、CPU11は、S370の処理を行った後、S330及びS340の処理を行い、その後、当該調停処理を終了する。
第5実施形態では、優先度化けを検出するための誤り検出方式として、ミラーリングを用いたが、第1,第2実施形態と同様にチェックサムやパリティチェックを用いたり、もちろんCRC(巡回冗長検査)等の他の方式を用いても良い。
一方、第1〜4実施形態の電子制御装置1についても、優先度化けを検出するための誤り検出方式としては、前述したチェックサム、パリティチェック及びミラーリングの何れかに限らず、他の方式(例えばCRC等)を用いても良い。
第6実施形態の電子制御装置1は、第5実施形態の電子制御装置1と比較すると、CPU11が、図8の調停処理に代えて、図10の調停処理を行う点が異なる。
CPU11は、S380では、フェールセーフ処理として、第2領域22内の優先度データP1〜Pnのうち、データ化けが検出された優先度データ(図9のS415で識別情報が記憶された優先度データ)を、S330で実行する最大優先度選択処理(図6)による選択対象から除外する処理を行う。具体的には、データ化けが検出された優先度データを、図6のS510,S520,S570では選択せず、且つ、S560の判定では選択済みと判定されるようにする。そして、CPU11は、その後、S330及びS340の処理を行う。
第7実施形態の電子制御装置1は、第1実施形態の電子制御装置1と比較すると、下記の(A),(B)が異なる。
図11の調停処理には、図4の調停処理と比較すると、S310に代えて、S317が設けられており、S350に代えて、S390が設けられている。
このような第7実施形態の電子制御装置1によれば、優先度化けを訂正することができるため、要求値R1〜Rnのうち、意図しない要求値が制御に用いられることが防止される。よって、信頼性を向上させることができる。
第8実施形態の電子制御装置1は、第7実施形態の電子制御装置1と比較すると、下記の(a)〜(c)が異なる。
例えば、CPU11は、所定のタイミング(例えば起動した直後)において、「優先度化け発生時の要求値」を、電子制御装置1の外部装置から通信によって取得して、第4領域24に書き込むようになっていても良い。このように構成すれば、制御対象の種類に応じて「優先度化け発生時の要求値」を容易に変更することができるため、汎用性が高まる。
Claims (10)
- データの読み書きが可能な記憶手段(17)と、
制御対象(9)の制御に択一的に用いられる複数の制御データ(R1〜Rn)と、前記各制御データに対応するデータであって、前記各制御データの優先度をそれぞれ示す複数の優先度データ(P1〜Pn)とを算出すると共に、算出した前記制御データ及び前記優先度データを前記記憶手段に書き込むデータ更新手段(11,S110,S120)と、
前記記憶手段に記憶されている前記優先度データに基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記制御データのうち、最も優先度の高い制御データを選択する選択手段(11,S330,S340)と、
を備え、前記選択手段により選択された制御データである調停結果を用いて、前記制御対象を制御する電子制御装置であって、
前記記憶手段に記憶されている前記優先度データのデータ化けを検出する検出手段(11,S310,S315,S317)と、
前記検出手段により前記優先度データのデータ化けが検出された場合に、所定のフェールセーフ処理を行うフェールセーフ手段(11,S350,S360,S370,S380,S390)と、
を備えることを特徴とする電子制御装置。 - 請求項1に記載の電子制御装置において、
前記検出手段(11,S310)は、
前記記憶手段に記憶されている前記複数の優先度データの全体について、データ化けを検出し、
前記フェールセーフ手段(11,S350,S360)は、
前記フェールセーフ処理として、前記調停結果を、前記データ更新手段により算出された前記制御データとは別の固定値にするための処理を行うこと、
を特徴とする電子制御装置。 - 請求項2に記載の電子制御装置において、
前記フェールセーフ手段(11,S350)は、
前記フェールセーフ処理として、前記選択手段を動作させることなく前記固定値を前記調停結果として設定する処理を行うこと、
を特徴とする電子制御装置。 - 請求項2に記載の電子制御装置において、
前記フェールセーフ手段(11,S360)は、
前記フェールセーフ処理として、前記記憶手段に記憶されている前記制御データの全てを前記固定値に書き換える処理を行うこと、
を特徴とする電子制御装置。 - 請求項2ないし請求項4の何れか1項に記載の電子制御装置において、
前記データ更新手段(11,S120)は、
前記記憶手段に書き込んだ前記複数の優先度データの全体についてデータ化けを検出するための全体検査用情報も、前記記憶手段に書き込み、
前記検出手段(11,S310)は、
前記記憶手段に記憶されている前記全体検査用情報を用いて、前記記憶手段に記憶されている前記複数の優先度データの全体についてデータ化けを検出すること、
を特徴とする電子制御装置。 - 請求項1に記載の電子制御装置において、
前記検出手段(11,S315)は、
前記記憶手段に記憶されている前記各優先度データについてデータ化けを検出し、
前記フェールセーフ手段(11,S370)は、
前記フェールセーフ処理として、前記記憶手段に記憶されている前記制御データのうち、前記検出手段によってデータ化けが検出された優先度データに対応する制御データを、前記データ更新手段により算出された前記制御データとは別の固定値に書き換える処理を行うこと、
を特徴とする電子制御装置。 - 請求項1に記載の電子制御装置において、
前記検出手段(11,S315)は、
前記記憶手段に記憶されている前記各優先度データについてデータ化けを検出し、
前記フェールセーフ手段(11,S380)は、
前記フェールセーフ処理として、前記記憶手段に記憶されている前記制御データのうち、前記検出手段によってデータ化けが検出された優先度データに対応する制御データを、前記選択手段により選択される対象から除外する処理を行うこと、
を特徴とする電子制御装置。 - 請求項6又は請求項7に記載の電子制御装置において、
前記データ更新手段(11,S120)は、
前記記憶手段に書き込んだ前記各優先度データについてデータ化けを検出するための複数の個別検査用情報も、前記記憶手段に書き込み、
前記検出手段(11,S315)は、
前記記憶手段に記憶されている前記各個別検査用情報を用いて、前記記憶手段に記憶されている前記各優先度データについてデータ化けを検出すること、
を特徴とする電子制御装置。 - 請求項1に記載の電子制御装置において、
前記データ更新手段(11,S120)は、
算出した前記複数の優先度データを1つのデータとして所定の誤り訂正符号に符号化すると共に、その符号化したデータを、前記複数の優先度データとして前記記憶手段に書き込み、
前記検出手段(11,S317)は、
前記記憶手段に記憶されている前記複数の優先度データの全体について、前記誤り訂正符号に応じた誤り検出処理を行うことにより、データ化けを検出し、
前記フェールセーフ手段(11,S390)は、
前記フェールセーフ処理として、前記複数の優先度データを訂正する処理を行うこと、
を特徴とする電子制御装置。 - 請求項1に記載の電子制御装置において、
前記データ更新手段(11,S120)は、
算出した前記各優先度データを所定の誤り訂正符号に符号化すると共に、その符号化した各データを、前記各優先度データとして前記記憶手段に書き込み、
前記検出手段(11,S317)は、
前記記憶手段に記憶されている前記各優先度データについて、前記誤り訂正符号に応じた誤り検出処理を行うことにより、データ化けを検出し、
前記フェールセーフ手段(11,S390)は、
前記フェールセーフ処理として、前記検出手段によってデータ化けが検出された優先度データを訂正する処理を行うこと、
を特徴とする電子制御装置。
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