JP6187758B2 - 原子発振器、電子機器及び移動体 - Google Patents

原子発振器、電子機器及び移動体 Download PDF

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Description

本発明は、原子発振器、電子機器及び移動体に関する。
アルカリ金属原子の一種であるセシウム原子は、図13に示すように、6S1/2の基底準位と、6P1/2、6P3/2の2つの励起準位とを有し、さらに、6S1/2、6P1/2、6P3/2の各準位は、複数のエネルギー準位に分裂した超微細構造を有している。具体的には、6S1/2はF=3,4の2つの基底準位を持ち、6P1/2はF’=3,4の2つの励起準位を持ち、6P3/2はF’=2,3,4,5の4つの励起準位を持っている。
例えば、6S1/2のF=3の基底準位にあるセシウム原子は、D2線を吸収することで、6P3/2のF’=2,3,4のいずれかの励起準位に遷移することができるが、F’=5の励起準位に遷移することはできない。6S1/2のF=4の基底準位にあるセシウム原子は、D2線を吸収することで、6P3/2のF’=3,4,5のいずれかの励起準位に遷移することができるが、F’=2の励起準位に遷移することはできない。これらは、電気双極子遷移を仮定した場合の遷移選択則による。逆に、6P3/2のF’=3,4のいずれかの励起準位にあるセシウム原子は、D2線を放出して6S1/2のF=3又はF=4の基底準位(元の基底準位又は他方の基底準位のいずれか)に遷移することができる。ここで、6S1/2のF=3,4の2つの基底準位と6P3/2のF’=3,4のいずれかの励起準位からなる3準位(2つの基底準位と1つの励起準位からなる)は、D2線の吸収・発光によるΛ型の遷移が可能であることからΛ型3準位と呼ばれる。同様に、6S1/2のF=3,4の2つの基底準位と6P1/2のF’=3,4のいずれかの励起準位からなる3準位は、D1線の吸収・発光によるΛ型の遷移が可能であるからΛ型3準位を形成する。
これに対して、6P3/2のF’=2の励起準位にあるセシウム原子は、D2線を放出して必ず6S1/2のF=3の基底準位(元の基底準位)に遷移し、同様に、6P3/2のF’=5の励起準位にあるセシウム原子は、D2線を放出して必ず6S1/2のF=4の基底準位(元の基底準位)に遷移する。すなわち、6S1/2のF=3,4の2つの基底準位と6P3/2のF’=2又はF’=5の励起準位からなる3準位は、D2線の吸収・放出によるΛ型の遷移が不可能であることからΛ型3準位を形成しない。なお、セシウム原子以外のアルカリ金属原子も、同様に、Λ型3準位を形成する2つの基底準位と励起準位を有することが知られている。
ところで、気体状のアルカリ金属原子に、Λ型3準位を形成する第1の基底準位(セシウム原子の場合、6S1/2のF=3の基底準位)と励起準位(セシウム原子の場合、例えば6P3/2のF’=4の励起準位)とのエネルギー差に相当する周波数(振動数)を有する共鳴光(共鳴光1とする)と、第2の基底準位(セシウム原子の場合、6S1/2のF=4の基底準位)と励起準位とのエネルギー差に相当する周波数(振動数)を有する共鳴光(共鳴光2とする)とを同時に照射すると、2つの基底準位の重ね合わせ状態、即ち量子コヒーレンス状態(暗状態)になり、励起準位への励起が停止する電磁誘起透過(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)現象(CPT(Coherent Population Trapping)と呼ばれることもある)が起こることが知られている。このEIT現象を起こす共鳴光対(共鳴光1と共鳴光2)の周波数差はアルカリ金属原子の2つの基底準位のエネルギー差ΔE12に相当する周波数と正確に一致する。例えば、セシウム原子は、2つの基底準位のエネルギー差に相当する周波数は9.192631770GHzである
ので、セシウム原子に、周波数差が9.192631770GHzの2種類のD1線又はD2線のレーザー光を同時に照射すると、EIT現象が起こる。
従って、図14に示すように、周波数がωの光と周波数がωの光を気体状のアルカリ金属原子に同時に照射したとき、この2光波が共鳴光対となってアルカリ金属原子がEIT現象を起こすか否かでアルカリ金属原子を透過する光の強度が急峻に変化する。この急峻に変化する透過光の強度を示す信号はEIT信号(共鳴信号)と呼ばれ、共鳴光対の周波数差ω−ωがΔE12に相当する周波数ω12と正確に一致するときにEIT信号のレベルがピーク値を示す。そこで、気体状のアルカリ金属原子を封入した原子セル(ガスセル)に2光波を照射し、光検出器によりEIT信号のピークトップを検出するように、すなわち、2光波の周波数差ω−ωがΔE12に相当する周波数ω12と正確に一致するように制御することで、高精度な発振器を実現することができる。このような原子発振器に関する技術は、例えば、特許文献1に開示されている。
EIT方式の原子発振器では、例えば、半導体レーザーが発する光の中心周波数f(=v/λ:vは光の速度、λは中心波長)(キャリア周波数)を決めるバイアス電流に周波数がfの変調信号を重畳して半導体レーザーに供給することにより、半導体レーザーは、中心周波数fを変調周波数fで変調した光を発生させる。半導体レーザーの出射光はガスセルに照射され、ガスセルを透過した光は光検出器により検出される。光検出器が検出した光の強度に応じて電圧制御水晶発振器(VCXO:Voltage Controlled Crystal Oscillator)の発振周波数が制御され、PLL(Phase Locked Loop)回路を介して周波数がfの変調信号が生成される。そして、半導体レーザーが発する1次のサイドバンド光、すなわち、周波数がf+fの光と周波数がf−fの光が共鳴光対となるように制御がかかる。この制御により、電圧制御水晶発振器(VCXO)の出力信号の周波数偏差は極めて小さくなり、周波数精度の高い発振器を実現することができる。
EIT信号のS/Nが高いほど周波数精度(短期安定度)が向上するため、半導体レーザーの出射光の中心波長λは、ガスセルでの光の吸収量が最大となるように最適な波長に調整されることが望ましい。そこで、例えば、特許文献2では、アルカリ金属原子を封入したセルを透過する透過光の強度が最小となる点に直流バイアス電流を追い込むことが可能な原子発振器が提案されている。
米国特許第6320472号明細書 特開2011−101211号公報
しかしながら、長時間(例えば10年)が経過すると、半導体レーザーの経時劣化により、ガスセルでの光の吸収量が最大(吸収帯の最小点)となるときのバイアス電流値は初期設定値から大きくずれている場合がある。そして、実際には、この吸収帯には2つの吸収の底が存在するため、特許文献2に記載のような従来の原子発振器では、バイアス電流値の初期設定値からのずれの大きさや方向によっては、吸収量の小さい方の底に追い込まれる可能性がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、吸収帯の最小点近傍で安定させることが可能な原子発振器、並びに、この原子発振器を用いた電子機器及び移動体を提供することができる。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係る原子発振器は、金属原子を封入しているセルと、前記セルに照射する光を発生させる光源と、前記セルを透過した光を検出する光検出手段と、前記光検出手段が検出する光の強度に基づいて、前記光源に供給されるバイアス電流を制御するバイアス電流制御手段と、記憶手段と、前記バイアス電流を掃引し、前記光検出手段が検出する光の強度が減少から増加に移行するときの、前記バイアス電流の値と前記光の強度の値とを前記記憶手段に記憶させる掃引処理と、前記掃引処理の後に、前記記憶手段に記憶させた前記バイアス電流の値に基づいて前記バイアス電流を設定し、前記バイアス電流制御手段が前記バイアス電流を制御している状態で、前記光検出手段が検出する光の強度と前記記憶手段に記憶させた前記光の強度の値とを比較し、比較結果に応じて再び前記掃引処理を行うか否かを判定する再掃引判定処理と、を行うバイアス電流設定手段と、を有する。
例えば、前記バイアス電流設定手段は、電源起動時に前記掃引処理を行うようにしてもよい。
本適用例に係る原子発振器によれば、掃引処理において、ガスセルによる光の吸収帯の最小点近傍の時のバイアス電流の値と光強度の値を記憶し、再掃引判定処理において、バイアス電流を掃引処理で記憶した値に設定し、バイアス電流が安定(ロック)した状態での光強度を掃引処理で記憶した値と比較し、必要に応じて掃引処理をやり直すことで、バイアス電流が自動的に設定され、吸収帯の最小点近傍で安定させることができる。従って、本適用例に係る原子発振器によれば、周波数安定度を向上させることができる。
なお、本適用例に係る原子発振器は、前記光検出手段が検出する光の強度に基づき、前記光源に、前記金属原子に電磁誘起透過現象を発生させる共鳴光対を含む光を発生させるように制御する周波数制御手段を含んでもよい。
[適用例2]
上記適用例に係る原子発振器において、前記バイアス電流設定手段は、前記再掃引判定処理において、前記光検出手段が検出する光の強度と前記記憶手段に記憶させた前記光の強度の値との差又は比が前記記憶手段に記憶されている閾値よりも大きい場合に、再び前記掃引処理を行うと判定してもよい。
本適用例に係る原子発振器によれば、再掃引判定処理において、バイアス電流が安定(ロック)した状態での光強度が掃引処理で記憶した値から離れている場合には、吸収帯の最小点ではない極小点で安定した可能性を考慮し、掃引処理をやり直すことで、吸収帯の最小点近傍で安定させることができる。
[適用例3]
上記適用例に係る原子発振器において、前記バイアス電流設定手段は、前記再掃引判定処理において、前記バイアス電流制御手段が前記バイアス電流を制御している状態で、前記バイアス電流と前記記憶手段に記憶させた前記バイアス電流の値とを比較し、比較結果に応じて再び前記掃引処理を行うか否かを判定してもよい。
本適用例に係る原子発振器によれば、再掃引判定処理において、安定(ロック)した状態でのバイアス電流を掃引処理で記憶した値と比較し、必要に応じて掃引処理をやり直すことで、吸収帯の最小点近傍で安定させることができる。
[適用例4]
上記適用例に係る原子発振器において、前記バイアス電流設定手段は、前記再掃引判定処理において、前記バイアス電流と前記記憶手段に記憶させた前記バイアス電流の値との差又は比が前記記憶手段に記憶されている閾値よりも大きい場合に、再び前記掃引処理を行うと判定してもよい。
本適用例に係る原子発振器によれば、再掃引判定処理において、安定(ロック)した状態でのバイアス電流が掃引処理で記憶した値から離れている場合には、吸収帯の最小点ではない極小点で安定した可能性を考慮し、掃引処理をやり直すことで、吸収帯の最小点近傍で安定させることができる。
[適用例5]
上記適用例に係る原子発振器において、前記バイアス電流設定手段は、前記掃引処理を行う毎に前記再掃引判定処理を行うようにしてもよい。
本適用例に係る原子発振器によれば、掃引処理を行うと必ず再掃引判定処理を行うため、再判定処理において掃引処理を行わないと判定するまでバイアス電流の自動設定が終了しないので、確実に吸収帯の最小点近傍で安定させることができる。
[適用例6]
上記適用例に係る原子発振器において、前記バイアス電流設定手段は、前記掃引処理の前に、前記記憶手段に記憶されている前記バイアス電流の値に基づいて前記バイアス電流を設定し、前記バイアス電流制御手段が前記バイアス電流を制御している状態で、前記光検出手段が検出する光の強度と前記記憶手段に記憶されている前記光の強度の値とを比較し、比較結果に応じて前記掃引処理を行うか否かを判定する調整判定処理を行うようにしてもよい。
例えば、前記記憶手段は、不揮発性であり、前記バイアス電流設定手段は、電源起動時に前記調整判定処理を行うようにしてもよい。
本適用例に係る原子発振器によれば、掃引処理を行う前に、調整判定処理において、バイアス電流を記憶されている値に設定し、バイアス電流が安定(ロック)した状態での光強度を記憶されている値と比較し、必要な場合には掃引処理を行い、必要なければ掃引処理を行わないことで、無駄な掃引処理を省き、バイアス電流の設定時間や消費電力を削減することができる。
[適用例7]
上記適用例に係る原子発振器において、前記バイアス電流設定手段は、前記調整判定処理において、前記光検出手段が検出する光の強度と前記記憶手段に記憶されている前記光の強度の値との差又は比が前記記憶手段に記憶されている閾値よりも大きい場合に、前記掃引処理を行うと判定してもよい。
本適用例に係る原子発振器によれば、調整判定処理において、光強度が記憶されている値から離れている場合には、吸収帯の最小点ではない極小点で安定した可能性を考慮し、掃引処理を行うことで、吸収帯の最小点近傍で安定させるためのバイアス電流値を得ることができる。
[適用例8]
上記適用例に係る原子発振器において、前記バイアス電流設定手段は、前記調整判定処
理において、前記バイアス電流制御手段が前記バイアス電流を制御している状態で、前記バイアス電流と前記記憶手段に記憶されている前記バイアス電流の値とを比較し、比較結果に応じて前記掃引処理を行うか否かを判定してもよい。
本適用例に係る原子発振器によれば、調整判定処理において、安定(ロック)した状態でのバイアス電流を記憶されている値と比較し、必要な場合には掃引処理を行い、必要なければ掃引処理を行わないことで、無駄な掃引処理を省き、バイアス電流の設定時間や消費電力を削減することができる。
[適用例9]
上記適用例に係る原子発振器において、前記バイアス電流設定手段は、前記調整判定処理において、前記バイアス電流と前記記憶手段に記憶されている前記バイアス電流の値との差又は比が前記記憶手段に記憶されている閾値よりも大きい場合に、前記掃引処理を行うと判定してもよい。
本適用例に係る原子発振器によれば、調整判定処理において、安定(ロック)した状態でのバイアス電流が記憶されている値から離れている場合には、吸収帯の最小点ではない極小点で安定した可能性を考慮し、掃引処理を行うことで、吸収帯の最小点近傍で安定させるためのバイアス電流値を得ることができる。
[適用例10]
本適用例に係る電子機器は、上記のいずれかの原子発振器を備えている。
[適用例11]
本適用例に係る移動体は、上記のいずれかの原子発振器を備えている。
これらの適用例によれば、周波数安定度の高い原子発振器を備えているので、信頼性の高い電子機器及び移動体を提供することができる。
本実施形態の原子発振器の構成例を示す図。 本実施形態の半導体レーザーの出射光の周波数スペクトルを示す概略図。 バイアス電流とガスセルを透過する光の強度との関係を示す図。 位相検波の原理について説明するための図。 第1実施形態のバイアス電流の自動設定処理のフローチャート図。 掃引処理における光検出器の出力電圧の一例を示す図。 バイアス電流の自動設定処理における電流制御回路の出力電圧の一例を示す図。 第2実施形態のバイアス電流の自動設定処理のフローチャート図。 掃引処理における光検出器の出力電圧の一例を示す図。 バイアス電流の自動設定処理における電流制御回路の出力電圧の一例を示す図。 本実施形態の電子機器の機能ブロック図。 本実施形態の移動体の一例を示す図。 セシウム原子のエネルギー準位を模式的に示す図。 EIT信号の一例を示す概略図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するもので
はない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.原子発振器
1−1.第1実施形態
[原子発振器の構成]
図1は、本実施形態の原子発振器の構成例を示す図である。図1に示すように、第1実施形態の原子発振器1は、半導体レーザー10、減光フィルター(NDフィルター)11、1/4波長板12、ガスセル13、光検出器14、検波回路16、電圧制御水晶発振器(VCXO)17、変調回路18、低周波発振器19、周波数変換回路20、検波回路21、電流制御回路22、低周波発振器23、定電流回路24、MPU25、駆動回路27及び周波数変換回路28を含んで構成されている。なお、本実施形態の原子発振器1は、適宜、図1の構成要素(各部)の一部を省略又は変更し、あるいは、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
半導体レーザー10は、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)等の面発光レーザーや端面発光レーザー(Edge Emitting Laser)などであり、半導体レーザー10が発生させた光は、減光フィルター11に入射する。
減光フィルター11は、半導体レーザー10の出射光の一部のみを透過させ、減光フィルター11を透過した光は1/4波長板12に入射する。
1/4波長板12は、入射した光をσ+円偏光にして透過させ、1/4波長板12を透過した光はガスセル13に入射する。
ガスセル13は、ガラス等の透明部材でできた容器中に気体状のアルカリ金属原子(ナトリウム(Na)原子、ルビジウム(Rb)原子、セシウム(Cs)原子等)とともにネオン(Ne)やアルゴン(Ar)等のバッファーガスが封入されたものである。ガスセル13に入射した光の一部はガスセル13を透過し、光検出器14に入射する。
光検出器14は、ガスセル13を透過した光を検出し、検出した光の強度に応じた検出信号を出力する。光検出器14は、例えば、受光した光の強度に応じた検出信号を出力するフォトダイオード(PD:Photo Diode)を用いて実現することができる。光検出器14の出力信号は検波回路16と検波回路21に入力される。
半導体レーザー10、減光フィルター11、1/4波長板12、ガスセル13及び光検出器14は、1つの筐体に収容されており、物理パッケージ100を構成している。
検波回路16は、数Hz〜数百Hz程度の低い周波数で発振する低周波発振器19の発振信号を用いて光検出器14の出力信号を検波する。そして、検波回路16の出力信号の大きさに応じて、電圧制御水晶発振器(VCXO)17の発振周波数が微調整される。電圧制御水晶発振器(VCXO)17は、例えば、数MHz〜数10MHz程度で発振する。
変調回路18は、検波回路16による検波を可能とするために、低周波発振器19の発振信号(検波回路16に供給される発振信号と同じ信号)を変調信号として電圧制御水晶発振器(VCXO)17の出力信号を変調する。変調回路18は、周波数混合器(ミキサー)、周波数変調(FM:Frequency Modulation)回路、振幅変調(AM:Amplitude Modulation)回路等により実現することができる。
周波数変換回路20は、変調回路18の出力信号を、アルカリ金属原子の2つの基底準位間のエネルギー差ΔE12に相当する周波数ω12の1/2の周波数の信号に周波数変換して駆動回路27に出力する。周波数変換回路20は、例えば、PLL(Phase Locked
Loop)回路を用いて実現することができる。
検波回路21は、数Hz〜数百Hz程度の低い周波数で発振する低周波発振器23の発振信号を用いて光検出器14の出力信号を検波する。
電流制御回路22は、後述する設定電圧Vsetを検波回路21の出力信号のレベルに応じて微調整し、定電流回路24の電流を設定するための電圧Vbiasを生成する。
定電流回路24は、電流制御回路22の出力電圧Vbiasに応じたバイアス電流を生成する。定電流回路24は、検波回路21による検波を可能とするために、バイアス電流に低周波発振器23の発振信号に応じた変調電流を重畳し、駆動回路27に出力する。
駆動回路27は、定電流回路24が出力するバイアス電流を周波数変換回路20の出力信号(変調周波数f=ω12/2の周波数変調信号)で周波数変調した駆動電流を生成し、半導体レーザー10に供給する。この駆動電流により、半導体レーザー10は、バイアス電流によって決まる中心周波数f(中心波長λ)の光とともに、周波数f±fの光(1次サイドバンド光)を含む光を発生させる。図2に、半導体レーザー10の出射光の周波数スペクトラムの一例を示す。図2において、横軸は光の周波数であり、縦軸は光の強度である。
このように構成された原子発振器1では、半導体レーザー10、減光フィルター11、1/4波長板12、ガスセル13、光検出器14、検波回路21、電流制御回路22、定電流回路24及び駆動回路27を通るフィードバックループ(第1のフィードバックループ)により、半導体レーザー10が発生させる光の中心周波数f(中心波長λ)が所望の周波数(波長)で安定するようにバイアス電流が制御される。
また、半導体レーザー10、減光フィルター11、1/4波長板12、ガスセル13、光検出器14、検波回路16、電圧制御水晶発振器(VCXO)17、変調回路18、周波数変換回路20及び駆動回路27を通るフィードバックループ(第2のフィードバックループ)により、周波数f+fの光と周波数f−fの光(1次サイドバンド光の対)がガスセル13に封入されているアルカリ金属原子にEIT現象を発生させる共鳴光対となるように制御される。具体的には、第2のフィードバックループにより、周波数f+fの光と周波数f−fの光の周波数差(=2f)が、アルカリ金属原子の2つの基底準位間のエネルギー差ΔE12に相当する周波数ω12と正確に一致するようにフィードバック制御がかかる。
このように、アルカリ金属原子のEIT現象を利用することで、第2のフィードバックループに含まれる、周波数変換回路20の出力信号や電圧制御水晶発振器(VCXO)17の出力信号が一定の周波数で安定する。
周波数変換回路28は、電圧制御水晶発振器(VCXO)17の出力信号を周波数変換し、所望の周波数(例えば、10.00・・・MHz)のクロック信号を生成する。このクロック信号が外部出力される。周波数変換回路20は、例えば、DDS(Direct Digital Synthesizer)により実現することができる。
このような構成の原子発振器1は、発振周波数偏差が極めて小さく、高い短期安定度を実現することができる。
[位相検波]
本実施形態では、上述した第1のフィードバックループにおいて、検波回路21が位相検波方式による検波を行い、半導体レーザー10の出射光の中心周波数f(中心波長λ)が所望の周波数(波長)で安定するように制御される。図3及び図4を用いて、本実施形態における位相検波について詳細に説明する。
図3は、半導体レーザー10に供給されるバイアス電流とガスセル13を透過する光(光検出器14で検出される光)の強度との関係(透過特性あるいは吸収特性)を示す図であり、図3では、光の強度が最小となる付近での特性が示されている。なお、実際には光検出器14の出力にEIT信号が観測されるが、図3では省略している。
半導体レーザー10が出射する1次サイドバンド光の対がともにガスセル13で吸収され、透過光の強度が小さい帯域、すなわち大きな吸収帯が存在するが、図3に示すように、この吸収帯では、バイアス電流がIB1とIB2(<IB1)の時に2つのピーク(透過光の強度の極小点)が存在し、バイアス電流がIB1の時(中心周波数fが高い(中心波長λが短い)方)に透過光の強度が最小となる。この吸収帯の最小点でEIT信号を発生させることでEIT信号のS/Nが高くなり、原子発振器1の周波数安定度が高くなるため、透過光の強度が最小となるようにバイアス電流を制御することが好ましい。本実施形態では、後述するバイアス電流の自動設定処理によりバイアス電流を吸収帯の最小点付近に設定し、さらに、低周波発振器23の発振信号によってバイアス電流を変調し、検波回路21で低周波発振器23の発振信号を用いて光検出器14の出力信号を位相検波することにより、光検出器14が検出する光の強度(ガスセル13の透過光の強度)が最小となるようにバイアス電流を制御する。
図4(A)及び図4(B)を用いて位相検波の原理について説明する。図4(A)及び図4(B)において、横軸は半導体レーザー10の出射光の中心周波数fであり、縦軸はガスセル13を透過する光の強度である。
図4(A)に示すように、中心周波数fが吸収帯のピーク(極小点)よりも高い方にずれている場合、周波数がf(周期が1/f)の正弦波(低周波発振器23の発振信号)のa,b,c,d,eの各点は、光検出器14の出力では、それぞれ、a’,b’,c’,d’,e’の各点として現れるため、光検出器14の出力信号にはfの周波数成分が多く含まれる。そのため、検波回路21において、光検出器14の出力信号を、この信号と位相を揃えた周波数がf(周期が1/f)の矩形波(低周波発振器23の発振信号)を用いて、a’,c’,e’の電圧を中心に半周期分にあたるc’〜e’の信号の極性のみ反転した後、フィルターで積分することで負極性の直流信号を取り出すことができる。電流制御回路22は、検波回路21の出力電圧が負の場合、Vbiasを低くして定電流回路24が出力するバイアス電流を低下させる。これにより、中心周波数fが低下し、吸収帯の極小点に近づく。図示を省略するが、中心周波数fが吸収帯の極小点よりも低い方にずれている場合は、検波回路21の出力電圧が正となり、電流制御回路22は、Vbiasを高くして定電流回路24が出力するバイアス電流を増加させるので、やはり中心周波数fが増加し、吸収帯の極小点に近づく。
図4(B)に示すように、中心周波数fが吸収帯の最小点に一致する時は、光検出器14の出力信号には2fの周波数成分が多く含まれ、c’点を中心に左右対称に近くなる。そのため、検波回路21において、光検出器14の出力信号を、この信号と位相を揃えた周波数がf(周期が1/f)の矩形波(低周波発振器23の発振信号)を用いて、a’,c’,e’の電圧を中心に半周期分にあたるc’〜e’の信号の極性のみ反転した後、フィルターで積分するとほぼ0(a’,c’,e’の電圧)となる。電流制御回路
22は、検波回路21の出力電圧が0の場合、Vbiasを変えず定電流回路24が出力するバイアス電流を維持させる。これにより、中心周波数fが変化せず、吸収帯の極小点で安定する。
この位相検波によれば、バイアス電流の設定値吸収帯の極小点で安定することになるが、2つの極小点のどちらで安定するかは、バイアス電流の設定値に依存する。そこで、本実施形態では、位相検波により最小点で安定させるために、バイアス電流の自動設定処理によりバイアス電流を吸収帯の最小点付近に設定する。
なお、位相検波の感度を高めるために、変調幅(変調深さ)はピークの幅Wの半分程度にするのが好ましい。図3に示すように、このピークの幅Wは、透過光の強度が、極小点での強度Aと極大点での強度Bの平均値(A+B)/2となる時のピークの幅として定義される。変調幅(変調深さ)は、低周波発振器23の発振信号の振幅に比例する。
[バイアス電流の自動設定]
上述した位相検波の原理によれば、仮にバイアス電流がIB2付近に設定されていた場合、吸収帯の最小点ではない方のピーク(極小点)で安定してしまい、EIT信号のS/Nが劣化する。そこで、本実施形態の原子発振器1は、必ず、吸収帯の最小点で安定する(ロックする)ように、半導体レーザー10に供給するバイアス電流を自動設定する機能を有する。
このバイアス電流の自動設定機能を実現するために、本実施形態の原子発振器1では、MPU25は、半導体レーザー10に供給するバイアス電流を掃引し、光検出器14が検出する光の強度が減少から増加に移行するときの中で光の強度が最小となるときの、バイアス電流の値(具体的には、電流制御回路22の出力電圧VbiasのA/D変換値)と光の強度の値(具体的には、光検出器14の出力電圧のA/D変換値)とをメモリー26に記憶させる掃引処理を行う。
本実施形態では、電流制御回路22は、Vbiasを第1電圧V(例えば0V)から第2電圧V(例えば2.7V)まで掃引した後、第2電圧Vから第1電圧Vまで逆方向に掃引する動作を繰り返すことが可能に構成されており、MPU25は、電流制御回路22に掃引動作の開始又は停止を指示する。
また、MPU25は、掃引処理の後、メモリー26に記憶させたバイアス電流の値に基づいて半導体レーザー10のバイアス電流を設定し、第1のフィードバックループによりバイアス電流が制御されて安定(ロック)している状態で、光検出器14が検出する光の強度と掃引処理でメモリー26に記憶させた光の強度の値とを比較し、比較結果に応じて再び掃引処理を行うか否かを判定する再掃引判定処理を行う。例えば、MPU25は、再掃引判定処理において、光検出器14が検出する光の強度とメモリー26に記憶させた光の強度の値との差又は比がメモリー26に記憶されている閾値よりも大きい場合に、再び掃引処理を行うと判定するようにしてもよい。
また、MPU25は、再掃引判定処理において、第1のフィードバックループによりバイアス電流が制御されて安定(ロック)している状態で、当該バイアス電流と掃引処理でメモリー26に記憶させたバイアス電流の値とを比較し、比較結果に応じて再び掃引処理を行うか否かを判定してもよい。例えば、MPU25は、再掃引判定処理において、半導体レーザー10に供給するバイアス電流とメモリー26に記憶させたバイアス電流の値との差又は比がメモリー26に記憶されている閾値よりも大きい場合に、再び掃引処理を行うと判定するようにしてもよい。
MPU25は、掃引処理を行う毎に再掃引判定処理を行うようにし、再掃引判定処理において掃引処理を行わないと判定するまで掃引処理を繰り返すようにしてもよい。
図5は、MPU25によるバイアス電流の自動設定処理の詳細なフローチャートの一例を示す図である。図5のフローチャートでは、原子発振器1に電源が投入されると、MPU25は、まず、電流制御回路22の掃引動作を開始させる(S10)。電流制御回路22の出力電圧Vbiasの初期値は第1電圧Vであり、Vbiasは第2電圧Vまで徐々に上昇する。
次に、MPU25は、電流制御回路22の出力電圧Vbiasと光検出器の出力電圧VPDを取得し(S12)、VPDを微分する(S14)。具体的には、MPU25は、A/D変換器を内蔵しており、所定のサンプリングレートでVbiasとVPDを取得し、これらをA/D変換したデジタルデータをメモリー26に記憶し、VPDのデジタルデータの時間微分(実際には、1つ前にサンプリングしたデータとの差分)を計算する。
次に、MPU25は、ステップS14で計算したVPDの微分値が負から正に変化したか否かを判定する(S16)。
PDの微分値が負から正に変化しなかった場合(S16のN)には、MPU25は、VbiasがVに達したか否かを判定する(S24)。
一方、VPDの微分値が負から正に変化した場合(S16のY)には、MPU25は、このVPDと最小値Vminとの大小を比較する(S18)。ここで、最小値Vminの初期値はVに設定されており、最初にVPDの微分値が負から正に変化したときは、必ずVPD<Vminとなる。
PD<Vminの場合(S20のY)には、MPU25は、VPDをVmin、ステップS12でこのVPDと同時に取得したVbiasを設定値Vsetとして、それぞれメモリー26に記憶し(S22)、VbiasがVに達したか否かを判定する(S24)。また、VPD≧Vminの場合(S20のN)には、MPU25は、ステップS22の処理を行わず、VbiasがVに達したか否かを判定する(S24)。
ステップS24において、VbiasがVに達していなければ(S24のN)、MPU25は、ステップS12以降の処理を再び行う。一方、VbiasがVに達していれば(S24のY)、MPU25は、ステップS26以降の処理を行う。
このように、MPU25は、ステップS12〜S24の処理を繰り返すことで、VbiasをVからVまで掃引しながらVPDの微分値が負から正に変化する極小点を探索し、その中の最小点におけるVPD,VbiasをそれぞれVmin,Vsetとしてメモリー26に記憶する。図6は、VbiasをVからVまで掃引する間に取得されるVPDを図示したものである。本実施形態では、図2に示したように、半導体レーザー10は中心周波数fの光と周波数がf±fの1次サイドバンド光の対を発生させ、この1次サイドバンド光の対が共鳴光対となるので、VbiasをVからVまで掃引すると、f+fの光のみが吸収される吸収帯B、fの光のみが吸収される吸収帯B、f+fの光とf−fの光が吸収される吸収帯B、fの光のみが吸収される吸収帯B、f−fの光のみが吸収される吸収帯Bの5つの吸収帯がこの順に観測される。このうち3番目に現れる吸収帯Bの極小点でのVPDが最も小さく、Vsetはこの極小点よりも少し高い値になり、Vminは最小値よりも少し高い値になる。
MPU25は、ステップS12〜S24の処理を完了すると、次に、電流制御回路22
の出力電圧値Vbiasを取得し(S26)、|Vbias−Vset|が閾値以下か否かを判定する(S28)。MPU25は、|Vbias−Vset|が閾値以下でなければ(S28のN)、ステップS26の処理を再び行い、|Vbias−Vset|が閾値以下であれば(S28のY)、ステップS30以降の処理を行う。要するに、電流制御回路22は、VbiasがVに達すると今度はVbiasをVまで徐々に低下させるように逆方向の掃引動作を始めるので、MPU25は、このステップS26,S28において、VbiasがVsetに近づくまで待機する。なお、MPU25がステップS28で|Vbias−Vset|が閾値以下か否かを判定するのは、MPU25が取得するVbiasの値がサンプリングタイミングによっては必ずしもVsetと一致するとは限らないからである。従って、この閾値は、サンプリングタイミングがもっとも大きくずれた時のVbiasの値を考慮し、VbiasがVsetに最も近付いたことを検出可能な値に設定される。
|Vbias−Vset|が閾値以下になれば(S28のY)、MPU25は、電流制御回路22の掃引動作を停止させる(S30)。これにより、Vbiasは掃引動作を停止した瞬間にはVset近傍の電圧に設定されるが、前述の位相検波により、吸収帯の極小点で安定(ロック)するように制御がかかるため、Vbiasが変動する。
そこで、MPU25は、電流制御回路22の出力電圧Vbiasと光検出器14の出力電圧VPDを取得しながら(S32)、所定時間が経過するまで待機する(S34のN)。要するに、MPU25は、位相検波により制御されるVbiasが安定するまで待機する。従って、ステップS34の所定時間は、Vbiasが安定するまでに要する時間以上に設定される。
所定時間が経過すると(S34のY)、MPU25は、VPDがVminの±X%以内か否か及びVbiasがVsetの±Y%以内か否かを判定する(S36,S38)。この閾値(X,Yの値)は、例えば、メモリー26に記憶されている。
PDがVminの±X%以内、且つ、VbiasがVsetの±Y%以内の場合(S36のY、且つ、S38のY)には、MPU25は、バイアス電流の自動設定処理を終了する。要するに、MPU25は、VPDとVminとの差又は比が比較的小さく、且つ、VbiasとVsetとの差又は比が比較的小さい場合は、バイアス電流が吸収帯Bの最小点で安定(ロック)することができたと判定し、バイアス電流の自動設定処理を終了する。周囲環境の変動やノイズの影響等を考慮して、MPU25は、例えば、VPDがVminの±40%以内、且つ、VbiasがVsetの±40%以内の場合に、バイアス電流の自動設定処理を終了する。
一方、VPDがVminの±X%以内でないか、あるいは、VbiasがVsetの±Y%以内でない場合(S36のN、又は、S38のN)には、MPU25は、電流制御回路22の掃引動作を開始(再開)する(S40)。これにより、電流制御回路22はVbiasをVまで徐々に低下させる掃引動作を再開する。
次に、MPU25は、電流制御回路22の出力電圧値Vbiasを取得し(S42)、VbiasがVに達したか否かを判定し(S44)、Vに達していなければ(S44のN)、ステップS42の処理を再び行い、Vに達すると(S44のY)、ステップS12以降の処理を再び行う。要するに、MPU25は、このステップS42,S44においてVbiasがVに達するまで待機した後、ステップS12以降の処理を再び行う。なお、MPU25は、ステップS12の処理を再び行う前の任意のタイミングで、メモリー26に記憶されているVminをVに書き換える。
このように、MPU25が、掃引処理(ステップS12〜S24の処理)を行う毎に、再掃引判定処理(ステップS26〜S38の処理)を行うことで、中心周波数fが吸収帯の最小点に一致するようにバイアス電流が自動設定される。
なお、電流制御回路22がMPU25からVbiasの設定値を受け付けてすぐに設定値に応じた電圧を出力可能に構成すれば、ステップS26〜S30の処理を、MPU25が電流制御回路22に設定値Vsetを供給する処理に代えてもよい。同様に、ステップS40〜S44の処理を、MPU25が電流制御回路22に設定値Vを供給する処理に代えてもよい。
図7(A)及び図7(B)に、バイアス電流の自動設定処理におけるVbiasの挙動の一例を示す。図7(A)は、掃引処理が1回で終了した場合の例であり、図7(B)は、掃引処理が2回で終了した場合の例である。
以上に説明したように、第1実施形態の原子発振器によれば、掃引処理において、ガスセル13による光の吸収帯の最小点近傍でのVbiasとVPDをそれぞれVsetとVminとしてメモリー26に記憶し、再掃引判定処理において、VbiasをVsetに設定して安定(ロック)した状態で、取得したVPDとVminとの差(比)が所定範囲内、かつ、取得したVbiasとVsetとの差(比)が所定範囲内であれば掃引処理を再び行わないと判定し、それ以外の場合は掃引処理を再び行うと判定する。これにより、必要な限り掃引処理が繰り返され、吸収帯の最小点近傍で安定するようにバイアス電流が自動的に設定される。従って、第1実施形態の原子発振器によれば、S/Nの高いEIT信号が得られ、周波数安定度を向上させることができる。
なお、図1において、物理パッケージ100を除く構成要素(回路)は、例えば、1チップの集積回路(IC)で実現してもよいし、複数のICチップで実現してもよい。
また、図1では、半導体レーザー10、ガスセル13、光検出器14が、それぞれ本発明における「光源」、「セル」、「光検出手段」に相当する。また、検波回路21、電流制御回路22、定電流回路24及び駆動回路27により構成される回路が、本発明における「バイアス電流制御手段」に相当する。また、MPU25が本発明における「バイアス電流設定手段」に相当する。また、メモリー26が本発明における「記憶手段」に相当する。
1−2.第2実施形態
第2実施形態の原子発振器1は、MPU25は、バイアス電流の自動設定処理において、最初の掃引処理を行う前にバイアス電流の設定を変更する必要があるか否かを判定し、必要がある場合のみ掃引処理と再掃引判定処理を行う。この第2実施形態の原子発振器1の構成は、第1実施形態(図1)と同様であるため、その図示及び説明を省略する。また、MPU25以外の各部の機能は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
本実施形態では、MPU25は、掃引処理の前に、半導体レーザー10に供給するバイアス電流を設定し、第1のフィードバックループによりバイアス電流が制御されて安定(ロック)している状態で、光検出器14が検出する光の強度とメモリー26に記憶されている光の強度の値とを比較し、比較結果に応じて掃引処理を行うか否かを判定する調整判定処理を行う。例えば、MPU25は、調整判定処理において、光検出器14が検出する光の強度とメモリー26に記憶されている光の強度の値との差又は比が閾値よりも大きい場合に、掃引処理を行うと判定するようにしてもよい。
また、MPU25は、調整判定処理において、第1のフィードバックループによりバイアス電流が制御されて安定(ロック)している状態で、当該バイアス電流とメモリー26に記憶されているバイアス電流の値とを比較し、比較結果に応じて掃引処理を行うか否かを判定してもよい。例えば、MPU25は、調整判定処理において、半導体レーザー10に供給するバイアス電流とメモリー26に記憶されているバイアス電流の値との差又は比が閾値よりも大きい場合に、掃引処理を行うと判定するようにしてもよい。
また、メモリー26をEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only
Memory)等の不揮発性のメモリーとし、MPU25は、電源起動時に、メモリー26に記憶されている光の強度の値やバイアス電流の値を用いて調整判定処理を行うようにしてもよい。
図8は、MPU25によるバイアス電流の自動設定処理の詳細なフローチャートの一例を示す図である。図のフローチャートでは、原子発振器1に電源が投入されると、MPU25は、まず、電流制御回路22の掃引動作を開始させる(S50)。電流制御回路22の出力電圧Vbiasの初期値は第1電圧V(例えば、0V)であり、Vbiasは第2電圧V(例えば、2.7V)まで徐々に上昇する。
MPU25は、次に、電流制御回路22の出力電圧値Vbiasを取得し(S52)、|Vbias−Vset|が閾値以下か否かを判定する(S54)。Vsetは、前回の自動設定処理で得られたVbiasの設定値であり、不揮発性のメモリー26に記憶されている。
MPU25は、|Vbias−Vset|が閾値以下でなければ(S54のN)、ステップS52の処理を再び行い、|Vbias−Vset|が閾値以下であれば(S54のY)、ステップS56以降の処理を行う。要するに、電流制御回路22は、VbiasをVから徐々に上昇させるように掃引動作を始めるので、MPU25は、このステップS52,S54において、Vbiasが初期設定値のVsetに近づくまで待機する。なお、MPU25がステップS54で|Vbias−Vset|が閾値以下か否かを判定するのは、MPU25が取得するVbiasの値がサンプリングタイミングによっては必ずしもVsetと一致するとは限らないからである。従って、この閾値は、サンプリングタイミングがもっとも大きくずれた時のVbiasの値を考慮し、VbiasがVsetに最も近付いたことを検出可能な値に設定される。
|Vbias−Vset|が閾値以下になれば(S54のY)、MPU25は、電流制御回路22の掃引動作を停止させる(S56)。これにより、Vbiasは掃引動作を停止した瞬間にはVset近傍の電圧に設定されるが、前述の位相検波により、吸収帯の極小点で安定(ロック)するように制御がかかるため、Vbiasが変動する。
そこで、MPU25は、電流制御回路22の出力電圧Vbiasと光検出器14の出力電圧VPDを取得しながら(S58)、所定時間が経過するまで待機する(S60のN)。要するに、MPU25は、位相検波により制御されるVbiasが安定するまで待機する。従って、ステップS60の所定時間は、Vbiasが安定するまでに要する時間以上に設定される。
所定時間が経過すると(S60のY)、MPU25は、VPDがVminの±X%以内か否か及びVbiasがVsetの±Y%以内か否かを判定する(S62,S64)。Vminは、前回の自動設定処理で得られたVPDの最小値であり、不揮発性のメモリー26に記憶されている。また、閾値(X,Yの値)は、例えば、メモリー26に記憶されている。
PDがVminの±X%以内、且つ、VbiasがVsetの±Y%以内の場合(S62のY、且つ、S64のY)には、MPU25は、所定時間の経過後(S86のY)、電流制御回路22の出力電圧Vbiasと光検出器14の出力電圧VPDを取得し、それぞれVsetとVminとしてメモリー26に記憶し(S88)、バイアス電流の自動設定処理を終了する。要するに、MPU25は、VPDとVminとの差又は比が比較的小さく、且つ、VbiasとVsetとの差又は比が比較的小さい場合は、バイアス電流が吸収帯Bの最小点で安定(ロック)することができたと判定し、バイアス電流の自動設定処理を終了する。周囲環境の変動やノイズの影響等を考慮して、MPU25は、例えば、VPDがVminの±40%以内、且つ、VbiasがVsetの±40%以内の場合に、バイアス電流の自動設定処理を終了する。なお、吸収帯Bの最小点で安定(ロック)した状態で、所定時間経過後(例えば数時間)のVbias,VPDはそれぞれVset,Vminと異なるため、より適切なデータをメモリー26に記憶するためにステップS86及びS88の処理を行っているが、ステップS86及びS88の処理は無くてもよい。
一方、VPDがVminの±X%以内でないか、あるいは、VbiasがVsetの±Y%以内でない場合(S62のN、又は、S64のN)には、MPU25は、電流制御回路22の掃引動作を開始(再開)する(S66)。これにより、電流制御回路22はVbiasをVまで徐々に上昇させる掃引動作を再開する。
次に、MPU25は、電流制御回路22の出力電圧値Vbiasを取得し(S68)、VbiasがVに達したか否かを判定し(S70)、Vに達していなければ(S70のN)、ステップS68の処理を再び行い、Vに達すると(S70のY)、ステップS72以降の処理を行う。要するに、MPU25は、このステップS68,S70においてVbiasがVに達するまで待機した後、ステップS72以降の処理を行う。なお、MPU25は、ステップS70の処理を行う前の任意のタイミングで、メモリー26に記憶されているVminをVに書き換える。
次に、MPU25は、電流制御回路22の出力電圧Vbiasと光検出器の出力電圧VPDを取得し(S72)、VPDを微分する(S74)。
次に、MPU25は、ステップS74で計算したVPDの微分値が負から正に変化したか否かを判定する(S76)。
PDの微分値が負から正に変化しなかった場合(S76のN)には、MPU25は、VbiasがVに達したか否かを判定する(S84)。
一方、VPDの微分値が負から正に変化した場合(S76のY)には、MPU25は、このVPDと最小値Vminとの大小を比較する(S78)。ここで、最小値VminはVに設定されており、最初にVPDの微分値が負から正に変化したときは、必ずVPD<Vminとなる。
PD<Vminの場合(S80のY)には、MPU25は、VPDをVmin、ステップS72でこのVPDと同時に取得したVbiasを設定値Vsetとして、それぞれメモリー26に記憶し(S82)、VbiasがVに達したか否かを判定する(S84)。また、VPD≧Vminの場合(S80のN)には、MPU25は、ステップS82の処理を行わず、VbiasがVに達したか否かを判定する(S84)。なお、ステップS86及びS88の処理を行う場合、ステップS82において、Vmin及びVsetを揮発性メモリーに記憶してもよい。
ステップS84において、VbiasがVに達していなければ(S84のN)、MPU25は、ステップS72以降の処理を再び行う。一方、VbiasがVに達していれば(S84のY)、MPU25は、ステップS52以降の処理を行う。
このように、MPU25は、ステップS72〜S84の処理を繰り返すことで、VbiasをVからVまで掃引しながらVPDの微分値が負から正に変化する極小点を探索し、その中の最小点におけるVPD,VbiasをそれぞれVmin,Vsetとしてメモリー26に記憶する。図9は、VbiasをVからVまで掃引する間に取得されるVPDを図示したものである。本実施形態では、図2に示したように、半導体レーザー10は中心周波数fの光と周波数がf±fの1次サイドバンド光の対を発生させ、この1次サイドバンド光の対が共鳴光対となるので、VbiasをVからVまで掃引すると、f−fの光のみが吸収される吸収帯B、fの光のみが吸収される吸収帯B、f+fの光とf−fの光が吸収される吸収帯B、fの光のみが吸収される吸収帯B、f+fの光のみが吸収される吸収帯Bの5つの吸収帯がこの順に観測される。このうち3番目に現れる吸収帯Bの極小点でのVPDが最も小さく、Vsetはこの極小点よりも少し低い値になり、Vminは最小値よりも少し高い値になる。
MPU25は、ステップS72〜S84の処理を完了すると、ステップS52〜S64の処理を行い、ステップS62,S64の判定結果に応じて、ステップS86,S88の処理を行い、あるいは、ステップS66以降の処理を再び行う。なお、ここでのステップS52〜S64の処理では、電源投入時にメモリー26に記憶されていたVPD及びVsetではなく、ステップS82で記憶したVPD及びVsetを用いる。また、2回目以降のステップS62,S64での判定における閾値(X,Yの値)は、1回目のステップS62,S64での判定における閾値と同じでもよいし、異なっていてもよい。
このように、MPU25が、電源投入後、まず調整判定処理(ステップS50〜S64の処理)を行い、バイアス電流の設定を変更する必要があれば、その後、掃引処理(ステップS72〜S84の処理)を行う毎に、再掃引判定処理(ステップS52〜S64の処理)を行うことで、中心周波数fが吸収帯の最小点に一致するようにバイアス電流が自動設定される。
なお、電流制御回路22がMPU25からVbiasの設定値を受け付けてすぐに設定値に応じた電圧を出力可能に構成すれば、ステップS50〜S56の処理を、MPU25が電流制御回路22に設定値Vsetを供給する処理に代えてもよい。同様に、ステップS66〜S70の処理を、MPU25が電流制御回路22に設定値Vを供給する処理に代えてもよい。
図10(A)及び図10(B)に、バイアス電流の自動設定処理におけるVbiasの挙動の一例を示す。図10(A)は、調整判定処理を行って(掃引処理を行わずに)終了した場合の例であり、図10(B)は、調整判定処理の後、掃引処理が1回で終了した場合の例である。
以上に説明したように、第2実施形態の原子発振器によれば、調整判定処理において、Vbiasをメモリー26に記憶されている値Vsetに設定して安定(ロック)した状態で、取得したVPDとメモリー26に記憶されている値Vminとの差(比)が所定範囲内、かつ、取得したVbiasとメモリー26に記憶されている値Vsetとの差(比)が所定範囲内の場合は掃引処理を行わないと判定し、それ以外の場合は掃引処理を行うと判定する。これにより、無駄な掃引処理を省き、バイアス電流の設定時間や消費電力を削減することができる。
また、第2実施形態の原子発振器によれば、調整判定処理において掃引処理を行うと判定した場合、掃引処理において、ガスセル13による光の吸収帯の最小点近傍でのVbiasとVPDをそれぞれVsetとVminとしてメモリー26に記憶し、再掃引判定処理において、VbiasをVsetに設定して安定(ロック)した状態で、取得したVPDとVminとの差(比)が所定範囲内、かつ、取得したVbiasとVsetとの差(比)が所定範囲内であれば掃引処理を再び行わないと判定し、それ以外の場合は掃引処理を再び行うと判定する。これにより、必要な限り掃引処理が繰り返され、吸収帯の最小点近傍で安定するようにバイアス電流が自動的に設定される。従って、第2実施形態の原子発振器によれば、S/Nの高いEIT信号が得られ、周波数安定度を向上させることができる。
2.電子機器
図11は、本実施形態の電子機器の機能ブロック図である。
本実施形態の電子機器300は、原子発振器310、CPU(Central Processing Unit)320、操作部330、ROM(Read Only Memory)340、RAM(Random Access
Memory)350、通信部360、表示部370を含んで構成されている。なお、本実施形態の電子機器は、図11の構成要素(各部)の一部を省略又は変更し、あるいは他の構成要素を付加した構成としてもよい。
原子発振器310は、例えば、前述した実施形態の原子発振器1であり、長期安定度の高いクロック信号を出力する。
CPU320は、ROM340等に記憶されているプログラムに従い、各種の計算処理や制御処理を行う。具体的には、CPU320は、原子発振器310が出力するクロック信号に同期して、各種の演算処理、操作部330からの操作信号に応じた各種の処理、外部とデータ通信を行うために通信部360を制御する処理、表示部370に各種の情報を表示させるための表示信号を送信する処理等を行う。
操作部330は、操作キーやボタンスイッチ等により構成される入力装置であり、ユーザーによる操作に応じた操作信号をCPU320に出力する。
ROM340は、CPU320が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。
RAM350は、CPU320の作業領域として用いられ、ROM340から読み出されたプログラムやデータ、操作部330から入力されたデータ、CPU320が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶する。
通信部360は、CPU320と外部装置との間のデータ通信を成立させるための各種制御を行う。
表示部370は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成される表示装置であり、CPU320から入力される表示信号に基づいて各種の情報を表示する。表示部370には操作部330として機能するタッチパネルが設けられていてもよい。
原子発振器310として本実施形態の原子発振器1を組み込むことにより、長期的に高い信頼性を維持することが可能な電子機器を実現することができる。
このような電子機器300としては、例えば、標準時刻との同期を実現する時刻管理用のサーバー(タイムサーバー)、タイムスタンプの発行等を行う時刻管理装置(タイムスタンプサーバー)、基地局等の周波数基準装置等が挙げられる。電子機器300としてはこの他にも種々の電子機器が考えられ、例えば、パーソナルコンピューター(例えば、モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター、タブレット型パーソナルコンピューター)、スマートフォンや携帯電話機などの移動体端末、ディジタルスチールカメラ、インクジェット式吐出装置(例えば、インクジェットプリンター)、ルーターやスイッチなどのストレージエリアネットワーク機器、ローカルエリアネットワーク機器、移動体端末基地局用機器、テレビ、ビデオカメラ、ビデオレコーダー、カーナビゲーション装置、リアルタイムクロック装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ゲーム用コントローラー、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター、ヘッドマウントディスプレイ、モーショントレース、モーショントラッキング、モーションコントローラー、PDR(歩行者位置方位計測)等が挙げられる。
3.移動体
図12は、本実施形態の移動体の一例を示す図(上面図)である。図12に示す移動体400は、原子発振器410、カーナビゲーション装置420、コントローラー430,440,450、バッテリー460、バックアップ用バッテリー470を含んで構成されている。なお、本実施形態の移動体は、図11の構成要素(各部)の一部を省略又は変更してもよいし、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
原子発振器410は長期安定度の高いクロック信号を出力するものであり、この原子発振器410としては、上述の実施形態の原子発振器1を適用することができる。
カーナビゲーション装置420は、原子発振器410が出力するクロック信号に同期して、位置や時刻その他の各種の情報をディスプレイに表示する。
コントローラー430,440,450は、エンジンシステム、ブレーキシステム、キーレスエントリーシステム等の各種の制御を行う。コントローラー430,440,450は、原子発振器410が出力するクロック信号に同期して各種の制御を行うようにしてもよい。
本実施形態の移動体400は、原子発振器410を備えていることで、長期的に高い信頼性を維持することができる。
このような移動体400としては種々の移動体が考えられ、例えば、自動車(電気自動車も含む)、ジェット機やヘリコプター等の航空機、船舶、ロケット、人工衛星等が挙げられる。
4.応用例
上述した本実施形態の原子発振器では、ガスセル13に磁場がかかるとアルカリ金属原子のエネルギー準位がゼーマン分裂し、EIT現象を生じさせる共鳴光対の周波数差ω12は磁場の強度に応じて変動する(その結果、発振周波数が変動する)。この特性を利用し、本実施形態の原子発振器を磁気センサーに応用することができる。
また、本実施形態の原子発振器は、極めて安定したアルカリ金属原子の量子干渉状態(
量子コヒーレンス状態)を作り出すことができるので、ガスセル13に入射する共鳴光対を取り出すことで、量子コンピュータ、量子メモリー、量子暗号システム等の量子情報機器に用いる光源を実現することもできる。
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1 原子発振器、10 半導体レーザー、11 減光フィルター、12 1/4波長板、13 ガスセル、14 光検出器、16 検波回路、17 電圧制御水晶発振器(VCXO)、18 変調回路、19 低周波発振器、20 周波数変換回路、21 検波回路、22 電流制御回路、23 低周波発振器、24 定電流回路、25 MPU、26 メモリー、27 駆動回路、28 周波数変換回路、100 物理パッケージ、300 電子機器、310 原子発振器、320 CPU、330 操作部、340 ROM、350 RAM、360 通信部、370 表示部、400 移動体、410 原子発振器、420 カーナビゲーション装置、430,440,450 コントローラー、460 バッテリー、470 バックアップ用バッテリー

Claims (11)

  1. 金属原子を封入しているセルと、
    前記セルに照射する光を発生させる光源と、
    前記セルを透過した光を検出する光検出手段と、
    前記光検出手段が検出する光の強度に基づいて、前記光源に供給されるバイアス電流を制御するバイアス電流制御手段と、
    記憶手段と、
    前記バイアス電流を掃引し、前記光検出手段が検出する光の強度が減少から増加に移行するときの、前記バイアス電流の値と前記光の強度の値とを前記記憶手段に記憶させる掃引処理と、前記掃引処理の後に、前記記憶手段に記憶させた前記バイアス電流の値に基づいて前記バイアス電流を設定し、前記バイアス電流制御手段が前記バイアス電流を制御している状態で、前記光検出手段が検出する光の強度と前記記憶手段に記憶させた前記光の強度の値とを比較し、比較結果に応じて再び前記掃引処理を行うか否かを判定する再掃引判定処理と、を行うバイアス電流設定手段と、
    を有する、原子発振器。
  2. 前記バイアス電流設定手段は、
    前記再掃引判定処理において、前記光検出手段が検出する光の強度と前記記憶手段に記憶させた前記光の強度の値との差又は比が前記記憶手段に記憶されている閾値よりも大きい場合に、再び前記掃引処理を行うと判定する、請求項1に記載の原子発振器。
  3. 前記バイアス電流設定手段は、
    前記再掃引判定処理において、前記バイアス電流制御手段が前記バイアス電流を制御している状態で、前記バイアス電流と前記記憶手段に記憶させた前記バイアス電流の値とを比較し、比較結果に応じて再び前記掃引処理を行うか否かを判定する、請求項1又は2に記載の原子発振器。
  4. 前記バイアス電流設定手段は、
    前記再掃引判定処理において、前記バイアス電流と前記記憶手段に記憶させた前記バイアス電流の値との差又は比が前記記憶手段に記憶されている閾値よりも大きい場合に、再び前記掃引処理を行うと判定する、請求項3に記載の原子発振器。
  5. 前記バイアス電流設定手段は、
    前記掃引処理を行う毎に前記再掃引判定処理を行う、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の原子発振器。
  6. 前記バイアス電流設定手段は、
    前記掃引処理の前に、前記記憶手段に記憶されている前記バイアス電流の値に基づいて前記バイアス電流を設定し、前記バイアス電流制御手段が前記バイアス電流を制御している状態で、前記光検出手段が検出する光の強度と前記記憶手段に記憶されている前記光の強度の値とを比較し、比較結果に応じて前記掃引処理を行うか否かを判定する調整判定処理を行う、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の原子発振器。
  7. 前記バイアス電流設定手段は、
    前記調整判定処理において、前記光検出手段が検出する光の強度と前記記憶手段に記憶されている前記光の強度の値との差又は比が前記記憶手段に記憶されている閾値よりも大きい場合に、前記掃引処理を行うと判定する、請求項6に記載の原子発振器。
  8. 前記バイアス電流設定手段は、
    前記調整判定処理において、前記バイアス電流制御手段が前記バイアス電流を制御している状態で、前記バイアス電流と前記記憶手段に記憶されている前記バイアス電流の値とを比較し、比較結果に応じて前記掃引処理を行うか否かを判定する、請求項6又は7に記載の原子発振器。
  9. 前記バイアス電流設定手段は、
    前記調整判定処理において、前記バイアス電流と前記記憶手段に記憶されている前記バイアス電流の値との差又は比が前記記憶手段に記憶されている閾値よりも大きい場合に、前記掃引処理を行うと判定する、請求項8に記載の原子発振器。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の原子発振器を備えている電子機器。
  11. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の原子発振器を備えている移動体。
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