JP5540619B2 - 原子発振器の制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、原子発振器に関し、さらに詳しくは、EIT方式の原子発振器において、E
IT強度を最大にするEITの最適周波数を生成する技術に関するものである。
電磁誘起透過方式(EIT方式、CPT方式と呼ばれることもある)による原子発振器
は、アルカリ金属原子に波長の異なる二つの共鳴光を同時に照射すると、二つの共鳴光の
吸収が停止する現象(EIT現象)を利用した発振器である。そして、波長の異なる2つ
の共鳴光対を1対のみ用意して、同時に照射される2つの共鳴光の周波数差(波長の差)
が正確に夫々の基底準位のエネルギー差ΔE12に一致するように周波数を制御している
。停止状態の原子発振器を起動する際の初期動作について述べる。原子発振器の電源を入
れると、先ず光源の波長をスイープすることで対象となるアルカリ金属原子の吸収帯の底
(ボトム)を探す。即ち、共鳴光対の中心周波数をスイープしたときに、検出信号の最小
値を検出してその点を励起周波数(励起波長)として決定し、EIT信号を取得していた

また、特許文献1には、面発光レーザー(VCSEL)を光源としたサイドバンド方式
に係るCPT方式の小型原子発振器についての構成や動作方法が開示されている。
US6265945
しかし、最大のEIT信号強度が得られる励起周波数(励起波長)は吸収帯のボトムで
はなく、吸収帯のボトムより低周波数側にずれていることが実験的に確かめられた(図4
はアルカリ金属原子がセシウム(Cs)の場合であり、P点の周波数でEIT信号強度が
最大である。吸収帯のボトムは、同図横軸の値が500(MHz)付近である。尚、横軸
の絶対値の基準(ゼロ点)は任意である。)そのため、従来の原子発振器では、必ずしも
最大のEIT信号を検出していたとは言えず、S/N劣化の原因となっていた。
また、特許文献1に開示されている従来技術は、CPT(EIT)信号強度を最大にす
る二光波の周波数条件については規定されていない。
本発明は、かかる課題に鑑み、EITを発生させないように周波数を僅かに外したサイ
ドバンド成分を供給して共鳴光対を発生させ、この状態で中心周波数をスイープして検出
信号のボトムを検出し、ボトムが検出されると共鳴光対の中心周波数を低周波数(長波長
)側にシフトしてサイドバンド変調波をスイープすることにより、最大のEIT信号が検
出でき、S/Nを向上して周波数の安定化を図ることができる原子発振器を提供すること
を目的としている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]気体状のアルカリ金属原子と、前記アルカリ金属原子に電磁誘起透過現象
(EIT現象)を発生させるための共鳴光対を生成する光源と、前記光源に高周波信号を
供給して前記共鳴光対を生成する高周波発生手段と、前記光源に直流信号を供給して前記
共鳴光対の中心周波数を可変する中心周波数可変手段と、前記アルカリ金属原子を透過し
た前記共鳴光対を検出し、該透過した前記共鳴光対の強度に応じた検出信号を出力する光
検出手段と、前記共鳴光対の中心周波数を可変したときの前記検出信号の最小値を検出す
る吸収検出手段と、前記高周波発生手段から出力される高周波信号の供給又は停止を制御
する信号処理手段と、を備え、該信号処理手段は、前記高周波信号の出力を停止させた状
態で、前記吸収検出手段により検出された前記最小値と前記検出信号とを比較し、前記検
出信号が前記最小値よりも所定値大きくなるよう、前記中心周波数可変手段を制御して前
記共鳴光対の中心周波数を設定するものであり、前記設定された中心周波数は前記最小値
に対応した前記共鳴光対の中心周波数よりも低く設定されていることを特徴とする。
本発明は、高周波発生手段から高周波の供給と停止を制御する出力制御信号と、高周波
発生手段の周波数をスイープする周波数制御信号とを出力する信号処理手段を有し、中心
周波数可変手段により中心周波数をスイープしたときに発生する信号の最小値(ボトム)
を検出した際に、中心周波数(波長)を低周波数(長波長)側にシフトして高周波発生手
段により共鳴光対に高周波で変調をかけ、その高周波を信号処理手段によりスイープする
ことによりEIT信号を検出する。これにより、最大のEIT信号が検出でき、S/Nを
向上して原子発振器としての周波数の安定化を図ることができる。
[適用例2]気体状のアルカリ金属原子と、前記アルカリ金属原子に電磁誘起透過現象
(EIT現象)を発生させるための共鳴光対を生成する光源と、前記光源に高周波信号を
供給して前記共鳴光対を生成する高周波発生手段と、前記光源に直流信号を供給して前記
共鳴光対の中心周波数を可変する中心周波数可変手段と、前記アルカリ金属原子を透過し
た前記共鳴光対を検出し、該透過した前記共鳴光対の強度に応じた検出信号を出力する光
検出手段と、前記共鳴光対の中心周波数を可変したときの前記検出信号の最小値を検出す
る吸収検出手段と、前記高周波信号の周波数を前記電磁誘起透過現象(EIT現象)の発
生しない所定の周波数に設定する信号処理手段と、を備え、該信号処理手段は、前記電磁
誘起透過現象(EIT現象)を停止した状態で、前記吸収検出手段に記憶された前記最小
値と前記検出信号とを比較し、前記検出信号が前記最小値よりも所定値大きくなるよう、
前記中心周波数可変手段を制御して前記共鳴光対の中心周波数を設定するものであり、前
記設定された中心周波数は前記最小値に対応する前記共鳴光対の中心周波数よりも低く設
定されていることを特徴とする。
本発明は、最初から高周波信号を共鳴光対に供給しておく。ただし、高周波信号の周波
数はEITが発生する周波数から僅かにずらしておく。これにより、中心周波数をスイー
プして検出信号の最小値を検出する際にEIT現象は発生しない。そして、検出信号のボ
トムが検出されると、中心周波数を低周波数(長波長)側にシフトし、高周波を信号処理
手段によりスイープすることによりEIT信号を検出する。これにより、最大のEIT信
号が検出でき、S/Nを向上して周波数の安定化を図ることができる。
[適用例3]前記アルカリ金属原子がセシウム(Cs)であり、前記設定された前記共
鳴光の中心周波数は、前記最小値に対応する前記共鳴光の中心周波数より100乃至30
0MHz低く設定されていることを特徴とする。
EIT信号が最も強くなる周波数は、検出信号のボトムよりむしろ低い周波数側にずれ
ていることが実験的に確かめられている。そこで本発明ではその範囲を100乃至300
MHzとして設定する。これにより、光源のドライブ電流(直流信号)対周波数(波長)
の関係が既知であるので、ドライブ電流を設定することにより容易に周波数を設定するこ
とができる。
[適用例4]アルカリ金属原子に電磁誘起透過現象(EIT現象)を発生させる共鳴光
対を生成するための光源を用いた原子発振器の制御方法であって、前記光源に高周波信号
を供給して前記共鳴光対を生成する第1の制御ステップと、前記共鳴光対の中心周波数を
設定するために前記光源に所定の直流信号を供給する第2の制御ステップと、前記高周波
信号の供給又は停止を制御する第3の制御ステップと、前記高周波信号の供給を停止させ
た状態で前記直流信号の強度を可変して、前記アルカリ金属原子を透過した前記共鳴光の
強度を検出する第4の制御ステップと、前記第4の制御ステップで検出した前記共鳴光の
強度の最小値を検出する第5の制御ステップと、前記第5の制御ステップで検出した前記
最小値に基づき、前記高周波信号の供給を停止させた状態で前記直流信号の強度を可変し
て、前記アルカリ金属原子を透過した前記共鳴光の強度を検出し、前記共鳴光の強度が前
記最小値よりも所定値大きくなるように、前記直流信号の強度を設定する第6の制御ステ
ップと、を備えたことを特徴とする。
適用例1と同様の作用効果を奏する。
[適用例5]アルカリ金属原子に電磁誘起透過現象(EIT現象)を発生させる共鳴光
対を生成するための光源を用いた原子発振器の制御方法であって、前記光源に高周波信号
を供給して前記共鳴光対を生成する第1の制御ステップと、前記共鳴光対の中心周波数を
設定するために前記光源に所定の直流信号を供給する第2の制御ステップと、前記高周波
信号の周波数を前記電磁誘起透過現象(EIT現象)の発生しない所定の周波数に設定す
る第3の制御ステップと、前記第4の制御ステップで検出した前記共鳴光の強度の最小値
を記憶する第5の制御ステップと、前記直流バイアス電流を可変して、前記アルカリ金属
原子を透過した前記共鳴光の強度の最小値を記憶する第4の制御ステップと、前記第5の
制御ステップで記憶した前記最小値に基づき、前記直流信号の強度を可変して、前記アル
カリ金属原子を透過した前記共鳴光の強度を検出し、該共鳴光の強度の検出値が前記最小
値よりも所定値大きくなるように、前記直流信号の強度を設定する第6の制御ステップと
、を備えたことを特徴とする。
適用例2と同様の作用効果を奏する。
[適用例6]前記アルカリ金属原子がセシウム(Cs)であり、前記第6の制御ステッ
プにおいて設定された前記直流信号の強度に対応した前記共鳴光の中心周波数は、前記最
小値に対応する前記共鳴光の中心周波数より100乃至300MHz低くなるように前記
所定値が設定されていることを特徴とする。
適用例3と同様の作用効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る原子発振器の機能構成を示すブロック図である。 (a)は本発明の第1の実施形態に係る原子発振器の動作を説明するフローチャート、(b)は本発明の第2の実施形態に係る原子発振器の動作を説明するフローチャートである。 (a)は光源の中心周波数をスイープしたときの光検出手段からの出力信号を表す図、(b)は出力信号のボトムを検出したときの図、(c)は中心周波数を長波長側にシフトしたときの図、(d)はCsに対して高周波信号(サイドバンド)をスイープしてEIT信号を検出したときの図である。 CsにおけるEIT信号強度と中心周波数の関係を示す図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記
載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限
り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の第1乃至第2の実施形態に係る原子発振器の機能構成を示すブロック図
である。この原子発振器100は、アルカリ金属原子に電磁誘起透過現象(EIT現象)
を発生させるための共鳴光対を生成する光源1と、光源1からの光の波長により光の吸収
量を変化させるアルカリ金属入りセル(以下、ガスセルと記す)2と、光源1に高周波信
号を供給して共鳴光対を生成するサイドバンド発生手段(高周波発生手段)5と、光源1
に直流信号を供給して共鳴光対の中心周波数を可変する中心波長可変手段(中心周波数可
変手段)4と、アルカリ金属原子を透過した共鳴光対を検出し、透過した共鳴光対の強度
に応じた検出信号を出力する光検出手段3と、共鳴光対の中心周波数を可変したときの検
出信号の最小値(ボトム)を検出する吸収検出手段6と、サイドバンド発生手段5から出
力される高周波信号の供給又は停止を制御する信号処理手段8と、光検出手段3の出力を
同期検波してEIT状態を検出するEIT検出手段7と、を備えて構成されている。尚、
信号処理手段8からは、サイドバンド発生手段5のサイドバンド周波数をスイープする周
波数制御信号9と、サイドバンド発生手段5から発生するサイドバンドを供給又は停止す
る出力制御信号10が出力される。
そして、信号処理手段8は、サイドバンド信号の出力を停止させた状態で、吸収検出手
段6により検出された検出信号の最小値と検出信号とを比較し、検出信号が最小値よりも
所定の値大きくなるよう、中心周波数可変手段4を制御して共鳴光対の中心周波数を設定
するものであり、設定された中心周波数は最小値に対応した共鳴光対の中心周波数よりも
低く設定されている。
また、信号処理手段8は、電磁誘起透過現象(EIT現象)を停止した状態で、吸収検
出手段6により検出された最小値と検出信号とを比較し、検出信号が最小値よりも所定値
大きくなるよう、中心周波数可変手段4を制御して共鳴光対の中心周波数を設定するもの
であり、設定された中心周波数は最小値に対応する共鳴光対の中心周波数よりも低く設定
されている。
即ち、本実施形態では、サイドバンド発生手段5からサイドバンドの供給と停止を制御
する出力制御信号10と、サイドバンド発生手段5の周波数をスイープする周波数制御信
号9とを出力する信号処理手段8を有し、中心波長可変手段4により中心周波数をスイー
プしたときに発生する信号の最小値(ボトム)を吸収検出手段6により検出した際に、中
心波長を長波長側にシフトしてサイドバンド発生手段5により共鳴光対に高周波で変調を
かけ、その高周波を信号処理手段8から出力される周波数制御信号9によりスイープする
ことでEIT信号を検出する。これにより、最大強度のEIT信号が検出でき、S/Nを
向上して原子発振器の周波数の安定化を図ることができる。
図2(a)は本発明の第1の実施形態に係る原子発振器の動作を説明するフローチャー
トである。まず、信号処理手段8から出力制御信号10をON状態にして光源1にサイド
バンド(高周波信号)を入力する。但し、このときのサイドバンド(高周波信号)の周波
数をEIT現象が発生しないように周波数を僅かにずらしておく(S1)。例えばアルカ
リ金属原子がCsの場合、ΔE12が周波数に換算して9.192[GHz](或いはそ
の半分の値の4.596[GHz])なので、これらの値からずらす。次に中心周波数可
変手段4により中心周波数をスイープする(S2)。このとき図3(a)に示すとおり、
光検出手段3からは波形20のような検出信号が出力される。また、スペクトルとして光
源1のスペクトル21とサイドバンドのスペクトル22が現れる。このとき、サイドバン
ドはEIT現象が発生しないように周波数を僅かにずらしてあるのでEIT現象は発生せ
ずに検出信号のボトム(最小値)を検出する(S3でY)(図3(b)参照)。尚、吸収
の底ができたとする条件は、ある一定時間吸収の底にとどまったことや、変化が一定以下
になったことなどを条件にする。次に吸収の底が検出されると、中心波長を長波長側にシ
フトする(S4)(図3(c)参照)。シフトする量は約200MHzとする。そして、
信号処理手段8はサイドバンドを加えたまま周波数制御信号9によりサイドバンドをスイ
ープする(S5)。その後、スイープ制御に移行してEIT検出手段7によりEIT信号
を検出する(図3(d)参照)。
即ち、本実施形態では、最初からサイドバンド(高周波信号)を共鳴光対に供給してお
く。ただし、サイドバンドの周波数はEITが発生する周波数から僅かにずらしておく。
これにより、中心周波数をスイープして検出信号の最小値を検出する際にEIT現象は発
生しない。そして、検出信号のボトム(最小値)が検出されると、中心周波数を長波長側
にシフトしてサイドバンド発生手段5により共鳴光対にサイドバンドで変調をかけ、その
サイドバンドを信号処理手段8によりスイープすることによりEFI信号を検出する。こ
れにより、最大強度のEIT信号が検出でき、S/Nを向上して原子発振器の周波数の安
定化を図ることができる。
また、EIT信号が最も強くなる周波数は、検出信号のボトム(最小値)よりむしろ低
い周波数側にずれていることが実験的に確かめられている。そこで本実施形態ではその範
囲を100乃至300MHzとして設定する。これにより、光源1のドライブ電流対周波
数(波長)の関係が既知であるので、ドライブ電流を設定することにより容易に周波数を
設定することができる。
図2(b)は本発明の第2の実施形態に係る原子発振器の動作を説明するフローチャー
トである。同じ動作には同じ参照番号を付して説明する。まず、信号処理手段8から出力
制御信号10をOFF状態にして光源1にサイドバンド(高周波信号)を入力しないよう
にする(S10)。次に中心周波数可変手段4により中心周波数をスイープする(S2)
。このとき図3(a)に示すとおり、光検出手段3からは波形20のような検出信号が出
力される。また、スペクトルとして光源1のスペクトル21のみが現れる。このとき、サ
イドバンドは入力していないのでEIT現象は発生せずに検出信号のボトム(最小値)を
検出する(S3でY)(図3(b)参照)。尚、吸収の底ができたとする条件は、ある一
定時間吸収の底にとどまったことや、変化が一定以下になったことなどを条件にする。次
に吸収の底が検出されると、中心波長を長波長側にシフトする(S4)(図3(c)参照
)。シフトする量は約200MHzとする。次に、信号処理手段8から出力制御信号10
をON状態にして光源1にサイドバンドを入力する(S11)。そして、信号処理手段8
はサイドバンドを加えたまま周波数制御信号9によりサイドバンドをスイープする(S5
)。その後、スイープ制御に移行してEIT検出手段7によりEIT信号を検出する(図
3(d)参照)。
即ち、本実施形態では、最初はサイドバンド(高周波信号)を供給しないでおく。これ
により、中心周波数をスイープして検出信号の最小値を検出する際にEIT現象は発生し
ない。そして、検出信号のボトムが検出されると、中心周波数を長波長側にシフトして、
サイドバンド発生手段5により共鳴光対にサイドバンドを供給する。つぎにそのサイドバ
ンドで変調をかけ、サイドバンドを信号処理手段8によりスイープすることによりEIT
信号を検出する。これにより、最大強度のEIT信号が検出でき、S/Nを向上して原子
発振器の周波数の安定化を図ることができる。
1 光源、2 アルカリ金属入りセル、3 光検出手段、4 中心波長可変手段、5
サイドバンド発生手段、6 吸収検出手段、7 EIT検出手段、8 信号処理手段、9
周波数制御信号、10 出力制御信号、11 中心波長制御信号、100 原子発振器

Claims (2)

  1. セシウム原子に電磁誘起透過現象を発生させる共鳴光対を生成するための光源を用いた原子発振器の制御方法であって、
    前記光源に高周波信号を供給して前記共鳴光対を生成する第1の制御ステップと、
    前記共鳴光対の中心周波数を設定するために前記光源に所定の直流信号を供給する第2
    の制御ステップと、
    前記高周波信号の供給又は停止を制御する第3の制御ステップと、
    前記高周波信号の供給を停止させた状態で前記直流信号の強度を可変して、前記アルカ
    リ金属原子を透過した前記共鳴光の強度を検出する第4の制御ステップと、
    前記第4の制御ステップで検出した前記共鳴光の強度の最小値を検出する第5の制御ス
    テップと、
    前記第5の制御ステップで検出した前記最小値に基づき、前記高周波信号の供給を停止
    させた状態で前記直流信号の強度を可変して、前記アルカリ金属原子を透過した前記共鳴
    光の強度を検出し、前記共鳴光の強度が前記最小値よりも所定値大きくなるように、前記
    直流信号の強度を設定する第6の制御ステップと、を備え
    前記第6の制御ステップにおいて設定された前記直流信号の強度に対応した前記共鳴光の中心周波数は、前記最小値に対応する前記共鳴光の中心周波数より100乃至300MHz低くなるように前記所定値が設定されていることを特徴とする原子発振器の制御方法。
  2. セシウム原子に電磁誘起透過現象を発生させる共鳴光対を生成するための光源を用いた原子発振器の制御方法であって、
    前記光源に高周波信号を供給して前記共鳴光対を生成する第1の制御ステップと、
    前記共鳴光対の中心周波数を設定するために前記光源に所定の直流信号を供給する第2
    の制御ステップと、
    前記高周波信号の周波数を前記電磁誘起透過現象の発生しない所定の周波数に設定する
    第3の制御ステップと
    記直流バイアス電流を可変して、前記アルカリ金属原子を透過した前記共鳴光の強度
    の最小値を検出する第4の制御ステップと、
    前記第4の制御ステップで検出した前記共鳴光の強度の最小値を記憶する第5の制御ス
    テップと、
    前記第5の制御ステップで記憶した前記最小値に基づき、前記直流信号の強度を可変し
    て、前記アルカリ金属原子を透過した前記共鳴光の強度を検出し、該共鳴光の強度の検出
    値が前記最小値よりも所定値大きくなるように、前記直流信号の強度を設定する第6の制
    御ステップと、を備え
    前記第6の制御ステップにおいて設定された前記直流信号の強度に対応した前記共鳴光の中心周波数は、前記最小値に対応する前記共鳴光の中心周波数より100乃至300MHz低くなるように前記所定値が設定されていることを特徴とする原子発振器の制御方法。
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