JP2011100961A - 原子発振器の光源を制御する方法 - Google Patents

原子発振器の光源を制御する方法 Download PDF

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Hiroyuki Yoshida
啓之 吉田
Yoshiyuki Maki
義之 牧
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Abstract

【課題】透過光強度が最小となる点に直流バイアス電流を追い込むことが可能な原子発振
器の光源を制御する方法を提供する。
【解決手段】アルカリ金属原子に電磁誘起透過現象を発生させるための共鳴光対を生成す
る半導体レーザー1と、アルカリ金属原子を封入したcell2と、cell2を透過し
た共鳴光対を検出するPD3と、PD3の出力信号をデジタル信号に変換するA/Dコン
バーター4と、A/Dコンバーター4により変換されたデジタル信号を記憶するメモリ6
と、メモリ6へデジタル信号を書き込み、そのデジタル信号を読み出すメモリ制御部5と
、メモリ6に既に記憶されているデジタルデータとA/Dコンバーター4により変換され
たデジタル信号とを比較する比較部7と、比較結果に基づき半導体レーザー1に与える直
流バイアス電流を制御する電流源制御部8と、半導体レーザー1に直流バイアス電流を供
給する電流源9と、を備えて構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、原子発振器の光源を制御する方法に関し、さらに詳しくは、原子発振器の吸
収ゲイン可変による吸収捕捉を安定化する原子発振器の光源を制御する方法に関するもの
である。
電磁誘起透過方式(EIT(Electromagnetically Induced Transparency)方式、CP
T(Coherent Population Trapping)方式と呼ばれることもある)による原子発振器は、
アルカリ金属原子に波長の異なる二つの共鳴光を同時に照射すると、二つの共鳴光の吸収
が停止する現象(EIT現象)を利用した発振器である。従って、EIT現象を安定的に
得ることが重要であり、そのためには、透過光強度の特性において透過光強度が最小とな
る点にロックされることが必要不可欠である。
従来技術として特許文献1には、半導体レーザーへのバイアス電流に低周波信号で変調
をかけて、吸収を安定化する回路構成について開示されている(図7参照)。それによる
と、半導体レーザー光の中心波長(キャリア周波数)を安定化させるために、ロックイン
アンプ(同期検波回路)を用い、このロックインアンプの出力信号をアナログ的にフィー
ドバックさせることにより、半導体レーザー光の中心波長を制御している。即ちロックイ
ンアンプが狭帯域のフィルタとして機能し、フィードバック制御に必要な所望の成分のみ
を検出するので高精度の周波数制御が可能となる。
米国特許第6320472号(明細書)
しかし、特許文献1に開示されている従来技術は、図8(a)に示すように、ロックイ
ンアンプ(Lock in Detector)が動作するためには、半導体レーザー光の中心波長を予め
λ0の近辺に設定しておく必要がある。例えば、電源投入時において半導体レーザーの直
流バイアス電流の初期値がI1或いはI2といった所望の電流値I0から大きくずれた状
態にあると、ロックインアンプ(Lock in Detector)の動作範囲外となるため、フィード
バック制御が不可能となってしまう。つまり、ロックインアンプの動作可能範囲は、直流
バイアス電流の初期値がI0(中心波長バイアス電流値I0とは、半導体レーザー光中心
波長がλ0となるときに電流源9から出力される直流バイアス電流の値のこと)の近辺の
ごく狭い範囲に限られている。そこで、従来では半導体レーザー光の中心波長を予め正確
にλ0の近辺に設定するために、直流バイアス電流の初期値を高精度に設定する必要が生
じていた。或いは、半導体レーザー光の中心波長をスイープするための専用回路が必要に
なっていた。
また、上記透過光強度の特性は、図8(a)に示すように、直流バイアス電流の変化に
対して所望の電流値I0を中心に非対称な特性を有することが知られている。このような
非対称な特性を有する場合、ロックインアンプの出力電圧特性が図8(c)のように所望
の特性(点線の特性)からずれてしまい、半導体レーザーの直流バイアス電流は実際には
I0からずれた値I0’に制御されてしまう(実線の特性)。よって、ロックインアンプ
(Lock in Detector)によって半導体レーザー光の中心波長をフィードバック制御しても
、半導体レーザー光の中心波長は、実際にはλ0から少しずれた波長λ0’にロックして
しまう。このため、透過光強度が最小となる点からずれたところにロックされるため、こ
のずれのためにロックインアンプの出力電圧に重畳するノイズが最小とならず、信号対雑
音比を最大にすることが不可能となっていた。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、光検出手段の出力信号を記憶する
メモリと、メモリに既に記憶された出力信号と直流バイアス電流を変更したときに得られ
る出力信号とを比較する比較手段と、を備え、この比較手段の結果に基づいて直流バイア
ス電流を増減することにより、透過光強度が最小となる点に直流バイアス電流を追い込む
ことが可能な原子発振器の光源を制御する方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]アルカリ金属原子、光源、光検出手段、デジタル信号変換手段、メモリ、
メモリ制御手段、比較手段、及び電流制御手段を備えた原子発振器の光源を制御する方法
であって、前記光源が前記アルカリ金属原子に電磁誘起透過現象を発生させるための共鳴
光対を生成するステップと、前記光検出手段が前記アルカリ金属原子を透過した前記共鳴
光対を検出するステップと、前記デジタル信号変換手段が前記光検出手段の出力信号をデ
ジタル信号に変換するステップと、前記メモリが前記デジタル信号変換手段により変換さ
れたデジタル信号を記憶するステップと、前記メモリ制御手段が前記メモリへ前記デジタ
ル信号を書き込み、前記メモリに記憶されたデジタル信号を読み出すステップと、前記比
較手段が前記メモリに既に記憶されているデジタルデータと前記デジタル信号変換手段に
より変換されたデジタル信号とを比較するステップと、前記電流制御手段が前記比較結果
に基づき前記光源に与える直流バイアス電流を制御するステップと、を有することを特徴
とする。
本発明の最も大きな特徴は、光検出手段の出力信号をデジタル化して記憶するメモリと
、メモリに記憶した出力信号と直流バイアス電流を変更したときの出力信号とを比較する
比較手段を備え、この比較手段の結果に基づいて直流バイアス電流を増減させる点である
。即ち、比較結果により元の電流値より必ず大きく電流値を増減させるため、この動作を
繰り返すことにより、必ず中心波長に対応する直流バイアス電流に収束する。これにより
、簡単な回路構成により透過光強度が最小となる点に直流バイアス電流を追い込むことが
できる。
[適用例2]前記電流制御手段は、前記直流バイアス電流の初期値が中心波長バイアス
電流値より大きい場合、前記直流バイアス電流を前記初期値より所定の値だけ増加させ、
その後、前記デジタル信号変換手段により変換されたデジタル信号の電圧値と前記メモリ
に既に記憶されているデジタルデータの電圧値とを前記比較手段により比較し、該比較結
果が前記デジタルデータの電圧値が前記デジタル信号の電圧値より低いと判断した場合、
前記所定の値だけ増加させた電流値より大きい値だけ該直流バイアス電流を減少させるこ
とを特徴とする。
[適用例3]前記電流制御手段は、前記直流バイアス電流の初期値が中心波長バイアス
電流値より大きい場合、前記直流バイアス電流を前記初期値より所定の値だけ増加させ、
その後、前記デジタル信号変換手段により変換されたデジタル信号の電圧値と前記メモリ
に既に記憶されているデジタルデータの電圧値とを前記比較手段により比較し、該比較結
果が前記デジタルデータの電圧値が前記デジタル信号の電圧値より低いと判断した場合、
前記直流バイアス電流を減少させることを特徴とする。
[適用例4]前記電流制御手段は、前記直流バイアス電流の初期値が中心波長バイアス
電流値より小さい場合、前記直流バイアス電流を前記初期値より所定の値だけ減少させ、
その後、前記デジタル信号変換手段により変換されたデジタル信号の電圧値と前記メモリ
に既に記憶されているデジタルデータの電圧値とを前記比較手段により比較し、該比較結
果が前記デジタルデータの電圧値が前記デジタル信号の電圧値より低いと判断した場合、
前記所定の値だけ減少させた電流値より大きい値だけ該直流バイアス電流を増加させるこ
とを特徴とする。
[適用例5]前記電流制御手段は、前記直流バイアス電流の初期値が中心波長バイアス
電流値より小さい場合、前記直流バイアス電流を前記初期値より所定の値だけ増加させ、
その後、前記デジタル信号変換手段により変換されたデジタル信号の電圧値と前記メモリ
に既に記憶されているデジタルデータの電圧値とを前記比較手段により比較し、該比較結
果が前記デジタルデータの電圧値が前記デジタル信号の電圧値より高いと判断した場合、
前記直流バイアス電流を減少させることを特徴とする。
本発明の実施形態に係る原子発振器の構成を示すブロック図である。 図1の原子発振器の概略動作を説明するフローチャートである。 透過光強度の特性を示す図であり、直流バイアス電流の初期値(I1)が中心波長バイアス電流値(I0)より大きい場合の図である。 図1の原子発振器の各部の動作を説明するためのタイミングチャートである。 図4のタイミングチャートに基づいて透過光強度の特性を拡大して直流バイアス電流がI0に収束する様子を説明する図である。 透過光強度の特性を示す図であり、直流バイアス電流の初期値(I1)が中心波長バイアス電流値(I0)より小さい場合の図である。 従来技術の特許文献1の原子発振器の構成を示すブロック図である。 (a)は一般的な透過光強度の特性を表す図、(b)はレーザーのスペクトラムの図、(c)はロックインアンプの出力電圧と半導体レーザーの直流バイアス電流の関係を表す図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記
載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限
り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施形態に係る原子発振器の構成を示すブロック図である。この原子発
振器100は、アルカリ金属原子に電磁誘起透過現象を発生させるための共鳴光対を生成
する半導体レーザー(光源)1と、アルカリ金属原子を封入したセル2と、セル2を透過
した共鳴光対を検出するPD(光検出手段)3と、PD3の出力信号をデジタル信号に変
換するA/Dコンバーター4(デジタル信号変換手段)と、A/Dコンバーター4により
変換されたデジタル信号を記憶するメモリ(記憶手段)6と、メモリ6へデジタル信号を
書き込み、メモリ6に記憶されたデジタル信号を読み出すメモリ制御部(メモリ制御手段
)5と、メモリ6に既に記憶されているデジタルデータとA/Dコンバーター4により変
換されたデジタル信号とを比較する比較部(比較手段)7と、比較結果に基づき半導体レ
ーザー1に与える直流バイアス電流を制御する電流源制御部(電流制御手段)8と、半導
体レーザー1に直流バイアス電流を供給する電流源9と、を備えて構成されている。
即ち、本発明の最も大きな特徴は、PD3の出力信号をデジタル化して記憶するメモリ
6と、メモリ6に記憶した出力信号と直流バイアス電流を変更したときのA/Dコンバー
ター4の出力信号とを比較する比較部7を備え、この比較部7の結果に基づいて直流バイ
アス電流を増減させる点である。このような特徴によって、比較部7の比較結果により電
流制御部8が直流バイアス電流を例えば後述する直流バイアス電流の初期値I1側へ向か
って変化させた次にその変化量より必ず大きな量で中心波長バイアス電流値I0に向かっ
て変化させるため、この動作を繰り返すことにより、必ず中心波長に対応する中心波長バ
イアス電流値I0に収束する。これにより、簡単な回路構成により透過光強度が最小とな
る点に直流バイアス電流を追い込むことができる。
図2は直流バイアス電流の初期値(I1)が中心波長バイアス電流値(I0)より大き
い場合の図1の原子発振器の概略設定手順を説明するフローチャートである。まず、A/
Dコンバーター4の出力信号(出力データD1)をメモリ6に記憶する(S1)。次に電
流源制御部8により直流バイアス電流を初期値I1より微小に増加させる(I1+α)(
S2)。そのときのA/Dコンバーター4の出力信号(出力データD2)を一旦メモリ6
に記憶し(S3)、比較部7によりメモリ6に記憶されている出力データD1の電圧に相
当する電圧値VD1と出力データD2の電圧に相当する電圧値VD2とを比較する(S4
)。比較の結果、VD1<VD2であれば直流バイアス電流をI1+αからI1+α−β
(α<β)へと減少させる(S6)。一方、ステップS5で比較の結果、VD1>VD2
であれば直流バイアス電流をI1+αから増加(S8)させて中心波長バイアス電流値I
0側へ戻す。この動作を継続すると直流バイアス電流がI0に収束する。尚、図2に示し
たフローチャートは、初期値電流が中心波長バイアス電流値I0より大きい場合であるが
、直流バイアス電流が中心波長バイアス電流値I0より小さい場合は、図2に示したフロ
ーチャートにおける処理ステップを以下のように読み替えるものとする。すなわち、ステ
ップS1について直流バイアス電流を微小に減少する処理とし、ステップS6について直
流バイアス電流を増加させる処理とし、またステップS8について直流バイアス電流を減
少させる処理とする。
図3は透過光強度の特性を示す図であり、直流バイアス電流の初期値(I1)が中心波
長バイアス電流値(I0)より大きい場合の図である。即ち、直流バイアス電流の初期値
がI1にあるときは、特性曲線のA点に対応する電圧がPD3の出力端子または、この電
圧に関する出力データとしてA/Dコンバーターの出力端子に発生している。このA点を
I0のときのC点に収束させるためには、徐々にAからB、BからCへと収斂させる必要
がある。従って、初期値がどのポイントにあるかは、直流バイアス電流を初期値を中心に
増減させて、直流バイアス電流を増加させたときの透過光強度を示す電圧値VD2が、直
流バイアス電流が初期値のときの透過光強度を示す電圧VD1(直前の電圧値)よりも増
加した場合に直流バイアス電流の初期値(I1)が中心波長バイアス電流値(I0)より
大きいと判断できる。
即ち、電源を投入したとき、直流バイアス電流の初期値I1が中心波長バイアス電流値
I0より大きくなるか、又は、小さくなるかは不定である。そこで本発明では、直流バイ
アス電流の初期値I1が中心波長バイアス電流値I0より大きい場合は、初期値I1より
電流を増加させたときの電圧値とメモリ6に記憶されている直前(この場合、初期値I1
の時)の電圧値を比較して、メモリ6に記憶されている電圧値が、電流を増加させたとき
の電圧値より低いと判断した場合は、増加した電流値より更に大きく電流値を減少させて
、このときの電圧値を直前の電圧値としてこれに関するデータをメモリ6に記憶する。そ
の後、この一連の動作を繰り返すことにより、初期値I1が中心波長バイアス電流値I0
より大きい場合は、直流バイアス電流を減少させる方向に進ませることができる。そして
、上記ステップS8の動作が加わることで直流バイアス電流を中心波長バイアス電流値I
0に収束させることができる。
図4は図1の原子発振器の各部の動作を説明するためのタイミングチャートである。縦
軸に各部の名称、横軸に単位時間(t)を表す。
t0:時刻t0において、メモリ制御部5はA/Dコンバーター4の出力データD1を
メモリに書き込む。
t1:次に時刻t1において、電流源制御部は電流源を制御し、電流源の出力電流が初
期値電流I1からδ増加するよう制御する。このとき、電流源の出力電流がI1→I2(
=I1+δ)へ増加するに伴い、A/Dコンバーター4の出力データはD1→D2に変化
(増加)する。
t2:次に時刻t2において、メモリ制御部はメモリに記憶されたデータD1を読み出
すと共に、これを比較部に出力する。そこで、比較部はメモリ制御部から供給されたデー
タD1とA/Dコンバーター4の出力データD2とを比較し、その比較結果を電流源制御
部へ出力する(ここではVD1<VD2と仮定する)。
t3:次に時刻t3において、電流源制御部は比較部の比較結果(VD1<VD2)に
基づき、電流源の出力電流がI2から(δ+δ1)分減少するよう制御しこれをI3とす
る。(I3=I2−δ−δ1)このとき、電流源の出力電流がI2→I3(=I2−δ−
δ1)へ減少するに伴い、A/Dコンバーター4の出力データはD2→D3に変化(減少
)する。
t4:次に時刻t4において、メモリ制御部はA/Dコンバーター4の出力データD3
をメモリに書き込む。
t5:次に時刻t5において、電流源制御部は電流源を制御し、電流源の出力電流がI
3からδ増加するよう制御する。このとき、電流源の出力電流がI3→I4(=I3+δ
)へ増加するに伴い、A/Dコンバーター4の出力データはD3→D4に変化(増加)す
る(図2に示すフローチャートにおいてはD3がD1、D4がD2に相当する)。
t6:次に時刻t6において、メモリ制御部はメモリに記憶されたデータD3を読み出
すと共に、これを比較部に出力する。そこで、比較部はメモリ制御部から供給されたデー
タD3とA/Dコンバーター4の出力データD4とを比較し、その比較結果を電流源制御
部へ出力する(ここではVD3<VD4と仮定する:電圧値VD3は出力データD3の電
圧に相当し、電圧値VD4は出力データD4の電圧に相当する。)。
t7:次に時刻t7において、電流源制御部は比較部の比較結果(VD3<VD4)に
基づき、電流源の出力電流がI4から(δ+δ1)分減少するよう制御しこれをI5とす
る。(I5=I4−δ−δ1)このとき、電流源の出力電流がI4→I5(=I4−δ−
δ1)へ減少するに伴い、A/Dコンバーター4の出力データはD4→D5に変化(電圧
が減少)する。
t8:次に時刻t8において、メモリ制御部はA/Dコンバーター4の出力データD5
をメモリに書き込む。
t9:次に時刻t9において、電流源制御部は電流源を制御し、電流源の出力電流がI
5からδ増加するよう制御する。このとき、電流源の出力電流がI5→I6(=I5+δ
)へ増加するに伴い、A/Dコンバーター4の出力データはD5→D6に変化(電圧が増
加)する。(図2に示すフローチャートにおいてはD5がD1、D6がD2に相当する)
t10:次に時刻t10において、メモリ制御部はメモリに記憶されたデータD5を読
み出すと共に、これを比較部に出力する。そこで、比較部はメモリ制御部から供給された
データD5とA/Dコンバーター4の出力データD6とを比較し、その比較結果を電流源
制御部へ出力する(ここではVD5>VD6と仮定する:電圧値VD5は出力データD5
の電圧に相当し、電圧値VD6は出力データD6の電圧に相当する)。
t11:次に時刻t11において、電流源制御部は比較部の比較結果(VD5>VD6
)に基づき、電流源の出力電流がI6からδ2増加するよう制御しこれをI7とする(I
7=I6+δ2)。以下、これを順次繰り返していけば、半導体レーザーの直流バイアス
電流IはI0となるように制御される。
尚、上記δ、δ1、δ2は図2に示すαに相当する。
即ち、上記の半導体レーザー1の直流バイアス電流を増加するステップと減少するステ
ップとを順次実行していくと、半導体レーザー1の直流バイアス電流はI0に向かって制
御される。
尚、本実施形態では透過光強度の電圧特性の非対称を考慮し、出力電流の増加量(δ2
)に対する電圧変化量ΔV2と、出力電流の減少量(δ1)に対する電圧変化量ΔV1の
比を、例えばほぼ1:1になるように設定する。図6は透過光強度の特性を示す図であり
、横軸が半導体レーザー1の直流バイアス電流の大きさを表し、縦軸がPD3で検出した
透過光強度の電圧を表している。一般的に透過光強度特性は、図6のC点を中心として左
右非対称になっていることが知られている。そこで、本願発明は制御が収束した状態にお
いて透過光強度の平均電圧がV0となるように上述のδ1とδ2を設定する。これにより
、制御が収束したときの透過光の強度の平均電圧をほぼV0(図6を参照)に一致させ、
半導体レーザーの直流バイアス電流I(=平均電流)を中心波長バイアス電流値I0(図
6を参照)にすることができる。これにより、透過光強度の特性の非対称性に伴う半導体
レーザー光の中心波長ズレを防止することができる。なお、本願発明において、前記出力
電流の増加量(δ2)と前記出力電流の減少量(δ1)との比は1:1に限定されない。
すなわち、制御が収束した状態において透過光強度の平均電圧がV0(図6を参照)に一
致するようδ1とδ2の値を適宜設定すればよいのである。また、従来はロックインアン
プ(Lock in Detector)を使って同期検波し、アナログ的にフィードバック制御したため
、回路が複雑化していたが、本願発明によって、制御回路が単純化され小型化が容易にな
った。
なお、上記説明した実施例(直流バイアス電流の初期値(I1)が中心波長バイアス電
流値(I0)より大きい場合)では、最初に半導体レーザー1の直流バイアス電流を微小
に増加させ(図2のステップS2)、比較部7の判定結果に応じて半導体レーザー1の直
流バイアス電流を減少または増加させるように制御したが(図2のステップS3〜S6、
S8)、本願発明にあってはこれに限らず。
例えば、図2のステップS2において、半導体レーザー1の直流バイアス電流を微小に
減少させ、比較部7の判定結果に応じて半導体レーザー1の直流バイアス電流を減少また
は増加させるように制御しても良い。
図5は図4のタイミングチャートに基づいて透過光強度の特性を拡大して直流バイアス
電流がI0に収束する様子を説明する図である。I0を中心に図の右側は初期値がI0よ
り大きい場合、図の左側は初期値がI0より小さい場合を表す。まず、初期値I1がI0
より大きい場合について説明すると、初期値I1に対応する特性値のポイントを1とする
。図2のフローチャートより初期値I1をδだけ増加させて直流バイアス電流をI2にす
る(ポイント2)。そして、ポイント1とポイント2の電圧を比較するとポイント2の電
圧が大きいので、直流バイアス電流I2をδ+δ1だけ減少して直流バイアス電流をI3
とする(ポイント3)。同様にして電流I3をδだけ増加させて直流バイアス電流をI4
にする(ポイント4)。そして、ポイント3とポイント4の電圧を比較するとポイント4
の電圧が大きいので、直流バイアス電流I4をδ+δ1だけ減少して直流バイアス電流を
I5とする(ポイント5)。以下、同様の動作を繰り返すことにより、電流I1はI0に
収束する。
次に、初期値I11がI0より小さい場合について説明すると、初期値I11に対応す
る特性値のポイントを11とする。図2のフローチャートより初期値I11をδだけ減少
させて直流バイアス電流をI12にする(ポイント12)。そして、ポイント11とポイ
ント12の電圧を比較するとポイント12の電圧が大きいので、直流バイアス電流I12
をδ+δ1だけ増加して直流バイアス電流をI13とする(ポイント13)。同様にして
電流I13をδだけ減少させて直流バイアス電流をI14にする(ポイント14)。そし
て、ポイント13とポイント14の電圧を比較するとポイント14の電圧が大きいので、
直流バイアス電流I14をδ+δ1だけ増加して直流バイアス電流をI15とする(ポイ
ント15)。以下、同様の動作を繰り返すことにより、電流I11はI0に収束する。
なお、上記の実施例(直流バイアス電流の初期値(I1)が中心波長バイアス電流値(
I0)より小さい場合)では、最初に半導体レーザー1の直流バイアス電流を微小に減少
させ(図2のステップS2に相当)、比較部7の判定結果に応じて半導体レーザー1の直
流バイアス電流を増加または減少させるように制御したが、本願発明にあってはこれに限
らず。
例えば、最初に半導体レーザー1の直流バイアス電流を微小に増加させ、比較部7の判
定結果に応じて半導体レーザー1の直流バイアス電流を増加または減少させるように制御
しても良い。
直流バイアス電流の初期値(I1)が中心波長バイアス電流値(I0)より大きい場合
における図1の原子発振器の設定手順が、図2に示すフローチャートと異なる点は、ステ
ップS2が「直流バイアス電流を微小に減少させる」工程であり、ステップS5が「VD
1>VD2」であり、ステップS6が「直流バイアス電流を(I1+α)より大きく増加
させる」工程であり、ステップS8が「直流バイアス電流を(I1+α)より大きく減少
させる」工程である所である。
図6は透過光強度の特性を示す図であり、直流バイアス電流の初期値(I1)が中心波
長バイアス電流値(I0)より小さい場合の図である。即ち、直流バイアス電流の初期値
がI1にあるときは、特性曲線のa点に対応する電圧がPD3の出力端子または、この電
圧に関する出力データとしてA/Dコンバーターの出力端子に発生している。このa点を
I0に収束させるためには、徐々にaからb、bからcへと収斂させる必要がある。従っ
て、初期値がどのポイントにあるかは、直流バイアス電流を初期値を中心に増減させて、
直流バイアス電流を増加させたときの透過光強度を示す電圧VD1(直前の電圧値)より
も減少した場合に直流バイアス電流の初期値(I1)が中心波長バイアス電流値(I0)
より小さいと判断できる。
即ち、電源を投入したとき、直流バイアス電流の初期値I1が中心波長バイアス電流値
I0より大きくなるか、又は、小さくなるかは不定である。そこで本発明では、直流バイ
アス電流の初期値I1が中心波長バイアス電流値I0より小さい場合は、初期値I1より
電流を減少させたときの電圧値とメモリ6に記憶されている直前(この場合、初期値I1
の時)の電圧値を比較して、メモリ6に記憶されている電圧値が、電流を減少させたとき
の電圧値より高いと判断した場合は、減少した電流値より更に大きく電流値を増加させて
、このときの電圧値を直前の電圧値としてこれに関するデータをメモリ6に記憶する。そ
して、ステップS8の動作が加わることで直流バイアス電流を中心波長バイアス電流値I
0に収束させることができる。
1 半導体レーザー、2 セル、3 PD、4 A/Dコンバーター、5 メモリ制御
部、6 メモリ、7 比較部、8 電流源制御部、9 電流源、100 原子発振器

Claims (5)

  1. アルカリ金属原子、光源、光検出手段、デジタル信号変換手段、メモリ、メモリ制御手
    段、比較手段、及び電流制御手段を備えた原子発振器の光源を制御する方法であって、
    前記光源が前記アルカリ金属原子に電磁誘起透過現象を発生させるための共鳴光対を生
    成するステップと、
    前記光検出手段が前記アルカリ金属原子を透過した前記共鳴光対を検出するステップと

    前記デジタル信号変換手段が前記光検出手段の出力信号をデジタル信号に変換するステ
    ップと、
    前記メモリが前記デジタル信号変換手段により変換されたデジタル信号を記憶するステ
    ップと、
    前記メモリ制御手段が前記メモリへ前記デジタル信号を書き込み、前記メモリに記憶さ
    れたデジタル信号を読み出すステップと、
    前記比較手段が前記メモリに既に記憶されているデジタルデータと前記デジタル信号変
    換手段により変換されたデジタル信号とを比較するステップと、
    前記電流制御手段が前記比較結果に基づき前記光源に与える直流バイアス電流を制御す
    るステップと、を有することを特徴とする原子発振器の光源を制御する方法。
  2. 前記電流制御手段は、前記直流バイアス電流の初期値が中心波長バイアス電流値より大
    きい場合、前記直流バイアス電流を前記初期値より所定の値だけ増加させ、その後、前記
    デジタル信号変換手段により変換されたデジタル信号の電圧値と前記メモリに既に記憶さ
    れているデジタルデータの電圧値とを前記比較手段により比較し、該比較結果が前記デジ
    タルデータの電圧値が前記デジタル信号の電圧値より低いと判断した場合、前記所定の値
    だけ増加させた電流値より大きい値だけ該直流バイアス電流を減少させることを特徴とす
    る請求項1に記載の原子発振器の光源を制御する方法。
  3. 前記電流制御手段は、前記直流バイアス電流の初期値が中心波長バイアス電流値より大
    きい場合、前記直流バイアス電流を前記初期値より所定の値だけ減少させ、その後、前記
    デジタル信号変換手段により変換されたデジタル信号の電圧値と前記メモリに既に記憶さ
    れているデジタルデータの電圧値とを前記比較手段により比較し、該比較結果が前記デジ
    タルデータの電圧値が前記デジタル信号の電圧値より高いと判断した場合、前記直流バイ
    アス電流を減少させることを特徴とする請求項1に記載の原子発振器の光源を制御する方
    法。
  4. 前記電流制御手段は、前記直流バイアス電流の初期値が中心波長バイアス電流値より小
    さい場合、前記直流バイアス電流を前記初期値より所定の値だけ減少させ、その後、前記
    デジタル信号変換手段により変換されたデジタル信号の電圧値と前記メモリに既に記憶さ
    れているデジタルデータの電圧値とを前記比較手段により比較し、該比較結果が前記デジ
    タルデータの電圧値が前記デジタル信号の電圧値より低いと判断した場合、前記所定の値
    だけ減少させた電流値より大きい値だけ該直流バイアス電流を増加させることを特徴とす
    る請求項1に記載の原子発振器の光源を制御する方法。
  5. 前記電流制御手段は、前記直流バイアス電流の初期値が中心波長バイアス電流値より小
    さい場合、前記直流バイアス電流を前記初期値より所定の値だけ増加させ、その後、前記
    デジタル信号変換手段により変換されたデジタル信号の電圧値と前記メモリに既に記憶さ
    れているデジタルデータの電圧値とを前記比較手段により比較し、該比較結果が前記デジ
    タルデータの電圧値が前記デジタル信号の電圧値より高いと判断した場合、前記直流バイ
    アス電流を増加させることを特徴とする請求項1に記載の原子発振器の光源を制御する方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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