JP6187278B2 - 低塩素硫酸ニッケル/コバルト溶液の製造方法 - Google Patents
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(式1) Ni/Co(OH)3 + 3H+ + Cl- = Ni2+/Co2+ + 3H2O + 1/2Cl2
(式2) Ni(OH)3 + Co2+ → Co(OH)3↓ + Ni2+
本発明は上記事情に鑑み、コバルト水溶液の添加量を少なくでき、かつ、硫酸ニッケル/コバルト溶液の塩素濃度を低減できる低塩素硫酸ニッケル/コバルト溶液の製造方法を提供することを目的とする。
第2発明の低塩素硫酸ニッケル/コバルト溶液の製造方法は、第1発明において、前記硫酸溶解工程において、前記硫酸を複数の前記添加口から添加することを特徴とする。
第3発明の低塩素硫酸ニッケル/コバルト溶液の製造方法は、第1または第2発明において、前記コバルト添加工程において、前記コバルト水溶液の添加量を、コバルト水溶液の添加後のスラリーを濾過して得られる水酸化澱物中のニッケルに対するコバルトのモル比が0.05以上0.2以下となる添加量とすることを特徴とする。
第4発明の低塩素硫酸ニッケル/コバルト溶液の製造方法は、第1、第2または第3発明において、前記スラリーの固形分濃度を400g/L以上500g/L以下に調整した後に、前記硫酸溶解工程に供給することを特徴とする。
第5発明の低塩素硫酸ニッケル/コバルト溶液の製造方法は、第1、第2、第3または第4発明において、前記硫酸溶解工程において、前記硫酸の濃度を65質量%以上75質量%以下とすることを特徴とする。
第6発明の低塩素硫酸ニッケル/コバルト溶液の製造方法は、第1、第2、第3、第4または第5発明において、前記コバルト水溶液は、塩化コバルト水溶液であることを特徴とする。
第2発明によれば、硫酸を複数の添加口から添加することで、添加口1箇所当たりの添加流量を少なくでき、添加された硫酸がよりスラリーの液面近傍に留まり、塩素の除去効率がよりよくなる。
第3発明によれば、硫酸ニッケル/コバルト溶液の塩素濃度を250mg/L以下とすることができる。また、コバルト水溶液の添加量を少なくできる。
第4発明によれば、スラリーの固形分濃度が400g/L以上500g/L以下であるので、硫酸溶解工程において一般的で安価な設備を使用できる。
第5発明によれば、硫酸の濃度が65質量%以上75質量%以下であるので、一般に入手しやすい硫酸であり、操業コストを抑えることができる。
第6発明によれば、塩化コバルト水溶液はニッケル精錬プロセス内で調達できるため、ニッケル精錬全体の操業コストを抑えることができる。
本発明に係る低塩素硫酸ニッケル/コバルト溶液の製造方法は、少なくとも塩素および水酸化第二ニッケルを含有するスラリーを原料とし、塩素濃度が低い硫酸ニッケル/コバルト溶液を製造する方法である。原料としては、少なくとも塩素および水酸化第二ニッケルを含有するスラリーであれば特に限定されないが、以下ではニッケル精錬プロセスの浄液工程から得られる混合金属水酸化物を含有するスラリーを原料とする場合について説明する。
図1に示すように、まず、ニッケル精錬プロセスの浄液工程から得られた混合金属水酸化物を含有するスラリーにコバルト水溶液を添加する(コバルト添加工程)。下記の式3に示すように、混合金属水酸化物を含有するスラリーにコバルト水溶液を添加すると、コバルト水溶液中のコバルトイオンは水酸化第二ニッケル中のニッケルと置換反応を起こして水酸化第二コバルトを生成する。
(式3) Ni(OH)3 + Co2+ → Co(OH)3↓ + Ni2+
(式4) Ni/Co(OH)3 + 3H+ + Cl- = Ni2+/Co2+ + 3H2O + 1/2Cl2
ニッケルが溶出した液(固液分離工程で得られた濾液)は塩素浸出工程に繰り返されるが、ニッケルの溶出が抑えられることで、ニッケル精錬プロセス内で繰り返されるニッケルの量が少なくなり、その分操業効率が良くなる。
(共通の条件)
以下の実施例および比較例ではつぎの条件を共通とした。
塩素および水酸化第二ニッケルを含有するスラリーを原料として、上記実施形態に係る低塩素硫酸ニッケル/コバルト溶液の製造方法により硫酸ニッケル/コバルト溶液を製造した。原料であるスラリーのニッケル濃度は57.3質量%、コバルト濃度は0.1質量%であった。コバルト添加工程では塩化コバルト水溶液を添加した。レパルプ工程では硫酸ニッケル水溶液(ニッケル濃度20〜40g/L)を添加して、固形分濃度450g/L、塩素濃度約8,000ppmのレパルプスラリーを得た。硫酸溶解工程では、濃度70質量%の硫酸を添加し、溶解液の液温を90℃に維持し、pHが1.0となるまで溶解した。
コバルト添加工程における塩化コバルト水溶液の添加量をCo/Ni値が0.155となる添加量とした。硫酸溶解工程における硫酸の添加流量を添加口1箇所当たり21L/分とし、添加口の数を1箇所とした。
その結果、硫酸ニッケル/コバルト溶液の塩素濃度は172ppmであり要求値である250mg/L以下を満たした。
コバルト添加工程における塩化コバルト水溶液の添加量をCo/Ni値が0.155となる添加量とした。硫酸溶解工程における硫酸の添加流量を添加口1箇所当たり15L/分とし、添加口の数を1箇所とした。
その結果、硫酸ニッケル/コバルト溶液の塩素濃度は153ppmであり要求値である250mg/L以下を満たした。
コバルト添加工程における塩化コバルト水溶液の添加量をCo/Ni値が0.155となる添加量とした。硫酸溶解工程における硫酸の添加流量を添加口1箇所当たり12L/分とし、添加口の数を1箇所とした。
その結果、硫酸ニッケル/コバルト溶液の塩素濃度は131ppmであり要求値である250mg/L以下を満たした。
コバルト添加工程における塩化コバルト水溶液の添加量をCo/Ni値が0.155となる添加量とした。硫酸溶解工程における硫酸の添加流量を添加口1箇所当たり6L/分とし、添加口の数を1箇所とした。
その結果、硫酸ニッケル/コバルト溶液の塩素濃度は115ppmであり要求値である250mg/L以下を満たした。
コバルト添加工程における塩化コバルト水溶液の添加量を、実施例1〜4に比べて少なくし、Co/Ni値が0.143となる添加量とした。硫酸溶解工程における硫酸の添加流量を添加口1箇所当たり12L/分とし、添加口の数を1箇所とした。
その結果、硫酸ニッケル/コバルト溶液の塩素濃度は192ppmであり要求値である250mg/L以下を満たした。
コバルト添加工程における塩化コバルト水溶液の添加量を、実施例5に比べて少なくし、Co/Ni値が0.077となる添加量とした。硫酸溶解工程における硫酸の添加流量を添加口1箇所当たり6L/分とし、添加口の数を2箇所とした。
その結果、硫酸ニッケル/コバルト溶液の塩素濃度は243ppmであり要求値である250mg/L以下を満たした。
コバルト添加工程において塩化コバルト水溶液を添加しなかったため、Co/Ni値は0.007となった。硫酸溶解工程における硫酸の添加流量を添加口1箇所当たり26L/分とし、添加口の数を1箇所とした。
その結果、硫酸ニッケル/コバルト溶液の塩素濃度は1,000ppmであり要求値を満たさなかった。
コバルト添加工程における塩化コバルト水溶液の添加量を多くし、Co/Ni値が0.526となる添加量とした。硫酸溶解工程における硫酸の添加流量を添加口1箇所当たり26L/分とし、添加口の数を1箇所とした。
その結果、硫酸ニッケル/コバルト溶液の塩素濃度は244ppmであり要求値である250mg/L以下を満たした。しかし、塩化コバルト水溶液の添加量を多くしたため、原料中のニッケルがイオンとして液中に溶け出し、ニッケルを効率的に利用できないと考えられる。
コバルト添加工程における塩化コバルト水溶液の添加量を多くし、Co/Ni値が0.238となる添加量とした。硫酸溶解工程における硫酸の添加流量を添加口1箇所当たり26L/分とし、添加口の数を1箇所とした。
その結果、硫酸ニッケル/コバルト溶液の塩素濃度は307ppmであり要求値を満たさなかった。しかも、塩化コバルト水溶液の添加量を多くしたため、原料中のニッケルがイオンとして液中に溶け出し、ニッケルを効率的に利用できないと考えられる。
2 撹拌機
3 添加口
Claims (6)
- 塩素および水酸化第二ニッケルを含有するスラリーにコバルト水溶液を添加することで、水酸化第二コバルトを生成するコバルト添加工程と、
前記コバルト添加工程の後、タンク内の前記スラリーに添加口から硫酸を添加することで、該スラリー中の水酸化第二ニッケルおよび水酸化第二コバルトを溶解して硫酸ニッケル/コバルト溶液を得るとともに、該スラリー中の塩素を塩素ガスとして放出して除去する硫酸溶解工程と、を備え、
前記硫酸溶解工程において、
前記添加口の高さを、撹拌によってスラリー面が前記タンクの壁面を這い上がる高さ程度とし、
前記タンク内の前記スラリーの量を3kL以上とし、
前記硫酸の添加流量を25L/分以下とする
ことを特徴とする低塩素硫酸ニッケル/コバルト溶液の製造方法。 - 前記硫酸溶解工程において、前記硫酸を複数の前記添加口から添加する
ことを特徴とする請求項1記載の低塩素硫酸ニッケル/コバルト溶液の製造方法。 - 前記コバルト添加工程において、前記コバルト水溶液の添加量を、コバルト水溶液の添加後のスラリーを濾過して得られる水酸化澱物中のニッケルに対するコバルトのモル比が0.05以上0.2以下となる添加量とする
ことを特徴とする請求項1または2記載の低塩素硫酸ニッケル/コバルト溶液の製造方法。 - 前記スラリーの固形分濃度を400g/L以上500g/L以下に調整した後に、前記硫酸溶解工程に供給する
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の低塩素硫酸ニッケル/コバルト溶液の製造方法。 - 前記硫酸溶解工程において、前記硫酸の濃度を65質量%以上75質量%以下とする
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の低塩素硫酸ニッケル/コバルト溶液の製造方法。 - 前記コバルト水溶液は、塩化コバルト水溶液である
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の低塩素硫酸ニッケル/コバルト溶液の製造方法。
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