JP6953765B2 - 粗硫酸ニッケル溶液の脱鉄方法 - Google Patents

粗硫酸ニッケル溶液の脱鉄方法 Download PDF

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Description

本発明は、粗硫酸ニッケル溶液の脱鉄方法に関し、より詳しくは、コバルトを含む硫酸ニッケル水溶液から不純物である鉄を除去する方法に関する。
従来、ニッケルやコバルトの湿式精錬プロセスにおける最上流の原料は、既に一次精製、濃縮されたニッケルマットが主流であった。しかし、近年ではニッケルコバルト混合硫化物(Mixed Sulfide,以下「MS」という)を相当比率で混合し、その混合比率は今後も増加する傾向にある。なお、MSとは、ニッケル酸化鉱石を高温高圧で加圧浸出し、硫化することによって得られるニッケルとコバルトの混合硫化物のことである。
ニッケルやコバルト(以下、「Ni」や「Co」と略すこともある)の湿式精錬プロセスにおいて、コバルトを含む粗硫酸ニッケル水溶液(以下、「粗硫酸ニッケル溶液」、「硫酸ニッケル溶液」又は「硫酸ニッケル液」ともいう)からコバルトを回収する方法が知られている。その湿式精錬プロセスでは、原料の粗硫酸ニッケル溶液に含まれるコバルト、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ナトリウム、アンモニアなどの不純物を除去する工程を有する。その際、溶媒抽出法やCOB−SX(Crowding-Organic-Bypass Solvent Extraction)工程によって、目的物と不純物との分離、あるいは目的物を濃縮する処理が行われる。
また、特許文献1に記載されているような、粗硫酸ニッケル溶液の製造方法が知られている。この製造方法では、硫酸ニッケル製造用原料として脱鉛澱物を用いて粗硫酸ニッケル溶液を得る場合、脱鉄工程での消石灰使用量と、石膏を主体とする中和澱物の発生量と、両方ともに減少させることができるという効果がある。
特許文献1の方法では、硫酸ニッケル製造用原料の脱鉛澱物を、硫酸溶解工程、還元溶解工程、脱鉄工程、およびコバルト抽出工程と、よりなる各工程で順次処理することによって、粗硫酸ニッケル溶液が得られる。これら一連の工程のなかで、還元溶解工程と、脱鉄工程と、の間に中和工程が設けられている。その中和工程では、還元溶解終液に中和剤として塩基性硫酸ニッケルが添加される。
還元溶解終液では、添加された塩基性硫酸ニッケルを完全に溶解させると共に、所定のpH値に調整される。pH調整の後に得られた中和終液は、脱鉄工程に供給される。特許文献1の方法は、このような処理を行うことによって、脱鉄工程での消石灰使用量と、石膏を主体とする中和澱物の発生量と、両方ともに減少させることが可能になる、という粗硫酸ニッケル溶液の製造方法である。
また、特許文献2に開示されているような、ニッケル回収方法も知られている。この方法は、硫酸ニッケル水溶液の精製プロセスにおいて、設備容量等を大きくすることなく、残渣に含まれるニッケルを効率的に低減させて、ニッケルの回収率を向上させる方法である。
特許文献2のニッケル回収方法は、脱鉄工程と、ニッケル回収工程とを有する。まず、脱鉄工程において、不純物としての鉄を含有する粗硫酸ニッケル溶液に対し、空気を吹き込んで酸化させながら、同時に消石灰を中和剤(pH調整剤)として加えて所定のpH条件に制御する(酸化中和処理)。その結果、不純物としての鉄を酸化して中和し、中和された鉄を水酸化第二鉄の残渣として固定除去する。
つぎに、ニッケル回収工程において、脱鉄工程で得られた残渣をスラリーとし、そのスラリーに硫酸を添加して70〜110分間の攪拌時間で攪拌する。これにより残渣中に含まれていた水酸化ニッケルを溶解させてニッケルを回収する。特許文献2の方法は、このような処理を行うことによって、ニッケル回収率を向上させる方法である。
特開2011−032149号公報 特開2013−253273号公報
しかしながら、特許文献1に記載された粗硫酸ニッケル溶液の製造方法では、脱鉄工程における澱物発生量を低減させるものの、ニッケルロスを低減させるものではない。すなわち、発生する沈殿に水酸化ニッケルが含まれることによりニッケルロスするという問題があった。
これに対し、特許文献2のニッケル回収方法は、ニッケルロスを低減するために、鉄澱物中にニッケルを含有させて廃棄処理されてしまうようなニッケルロス分を減少させると共に、ニッケルを回収する効果が高い。具体的には、一度生成した脱鉄澱物中に含有されるニッケルを回収可能な状態にする。
そのために、脱鉄澱物中で高濃度にニッケルが含有されたニッケル澱物を溶解する。この溶解後液から含有ニッケルを回収する処理を行うことによって、ニッケルロスを低減しようというものである。ただし、このニッケル回収方法は、中和および酸溶解に必要な薬剤を使用するためコスト面において不利であるという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、新規の設備を必要とせず、脱鉄工程において、一度生成した脱鉄澱物中のニッケル澱物を酸化中和処理、及び酸溶解するために必要な薬剤の使用を最小限に抑制すると共に、ニッケルロスを低減することが可能な、粗硫酸ニッケルの脱鉄方法を提供することにある。
本発明者らは、脱鉄工程において、鉄濃度の程度に着目しながら、装入される溶解工程後液の性状及び脱鉄澱物の発生量を詳細に計測した結果、一度生成した脱鉄澱物中のニッケル澱物を溶解するため、鉄濃度の程度に基づいて、中和および酸溶解に必要な薬剤の使用を最小限に制限しながら、ニッケルロスを低減することが可能であることを見出して、本発明を完成させた。
本発明の一態様は、不純物を含む脱鉛澱物を溶解した粗硫酸ニッケル溶液に水酸化カルシウムを添加して不純物を澱物として除去する脱鉄方法であって、
粗硫酸ニッケル溶液中の鉄濃度の高低により、水酸化カルシウムの添加量を調整するための指標pH値を変動させるものである。
また、本発明の他の態様は、前記粗硫酸ニッケル溶液中の鉄濃度が0.5g/L以下であるとき、
前記水酸化カルシウムの添加量は、
前記澱物が生成される際の最終的なpHが4.2以上5.0以下に調整することが好ましい。
また、本発明の他の態様は、前記粗硫酸ニッケル溶液は、
少なくとも電気ニッケル、電気コバルト、硫酸ニッケル純液、硫酸ニッケル結晶のうち何れかを目的物とする湿式精錬プロセスで処理され、
該湿式精錬プロセスでは、目的物と不純物との分離、あるいは目的物を濃縮する処理するために、
溶媒抽出工程(S400)と、
COB−SX(Crowding-Organic-Bypass Solvent Extraction)工程(S500)と、
を有することが好ましい。
また、本発明の他の態様は、前記不純物を含む前記脱鉛澱物を溶解した溶解工程後液であって前記COB−SX工程(S500)に装入される交換系脱鉄液中の鉄濃度を、
5mg/L以下に維持することが好ましい。
本発明によれば、新規の設備を必要とせず、脱鉄工程において、一度生成した脱鉄澱物中のニッケル澱物を酸化中和処理、及び酸溶解するために必要な薬剤の使用を最小限に抑制すると共に、ニッケルロスを低減することが可能な、粗硫酸ニッケルの脱鉄方法を提供できる。よって、その工業的価値は極めて大きい。
NiやCoの湿式精錬プロセス(以下、単に「本プロセス」ともいう)の概要を示すフローチャートである。 図1の本プロセスにおける溶媒抽出工程以降の工程をより詳細に示すフローチャートである。 図2の殿物溶解工程、及び2度目の脱鉄工程を経てCOB−SX工程に至る手前までをより詳細に示すフローチャートである。 図2及び図3で示したCOB−SX工程の詳細な説明図である。 図2及び図3で示した2度目の脱鉄工程において、3つの沈殿生成槽毎に区別されたpH管理の一例を示す説明図である。 図5の沈殿生成槽に施した操作pHに対するFe濃度の関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態に係る粗硫酸ニッケル溶液の脱鉄方法(以下、「本方法」ともいう)を詳細に説明する。
<プロセス全体>
図1は、NiやCoの湿式精錬プロセス(以下、略して単に「本プロセス」ともいう)の概要を示すフローチャートである。図1に示すように、本プロセスは、最上流の原料にニッケルマットやMSを用いて電気ニッケル(E−Ni)や電気コバルト(E−Co)を得るものである。本プロセスは、粉砕工程(S100)と、塩素浸出工程(S150)と、セメンテーション工程(S200)と、最初の脱鉄工程(S300)と、溶媒抽出工程(S400)と、ニッケル電解工程(S600)と、コバルト電解工程(S700)と、を有している。
NiやCoの湿式精錬プロセスでは、図1に示すように、ニッケル電解工程(S600)により得られる電気ニッケル(E−Ni)と、Co電解工程(S700)により得られる電気コバルト(E−Co)と、を生産している。Co電解工程(S700)に供給される塩化コバルト純液(図2)は、(Co)溶媒抽出工程(S400)から得られる粗塩化コバルト水溶液(以下、「粗塩化コバルト溶液」、「塩化コバルト溶液」又は「塩化コバルト液」ともいう)と、COB−SX工程(S500)から得られる粗塩化コバルト液の不純物を除去することによって得られる。なお、溶媒抽出工程(S400)は、溶媒抽出法により、目的物と不純物との分離、あるいは目的物を濃縮する処理を行なう工程である。この溶媒抽出法は、水と油のように互いに混じり合わない二液間における溶質の分配(どちらに溶けやすいか)を利用した分離・濃縮方法である。
最上流の粉砕工程(S100)では、一方の原料であるニッケルマットを粉砕してマットスラリーにする。塩素浸出工程(S150)では、最上流における他方の原料であるMSを塩素浸出し、浸出液と、浸出残渣と、に分ける。セメンテーション工程(S200)では、塩素浸出工程(S150)で得た浸出液と、粉砕工程(S100)で得たマットスラリーとを混合し、セメンテーション終液と、セメンテーション残渣と、を得る。このセメンテーション残渣は、塩素浸出工程(S150)において、新たな原料のMSと混合されると共に塩素浸出された後、セメンテーション工程(S200)に再投入してリサイクル利用される。
つぎに、最初の脱鉄工程(S300)では、鉄などの不純物を除去する。そのつぎに溶媒抽出工程(S400)を経て、粗塩化ニッケル水溶液(以下、「粗塩化ニッケル溶液」、「塩化ニッケル溶液」又は「塩化ニッケル液」ともいう)と、粗塩化コバルト水溶液と、を得る。塩化ニッケル液からは、ニッケル電解工程(S600)により電気ニッケル(E−Ni)を得ることができる。一方、塩化コバルト液からは、コバルト電解工程(S700)により電気コバルト(E−Co)を得ることができる。図1の下方を破線で囲んだ工程、すなわち溶媒抽出工程(S400)の後、Ni系と、Co系と、に分かれた後、特にコバルト電解工程(S700)に至るまでの工程については、図2を用いてより詳しく説明する。
図2は、図1の本プロセスにおける溶媒抽出工程以降の工程をより詳細に示すフローチャートである。
図2に示すように、上述の溶媒抽出工程(S400)の直後に粗塩化ニッケル液が得られるほか、この粗塩化ニッケル液に相当の工程処理を施すことによって粗塩化コバルト液が得られる。溶媒抽出工程(S400)の直後に得られた粗塩化ニッケル液から、脱鉛工程(S410)と、殿物溶解工程(S420)と、COB−SX工程(S500)と、コバルト浄液工程(S650)、及びコバルト電解工程(S700)経て電気コバルト(E−Co)が得られる。また、脱鉛工程(S410)と、COB−SX工程(S500)と、のそれぞれから、発生した処理物は、Ni系に分かれてニッケル電解工程(S600)に供与されて電気ニッケル(E−Ni)が得られるが、その詳細については説明を省略する。
溶媒抽出工程(S400)で得られた粗塩化ニッケル液からは、脱鉛工程(S410)により脱鉛殿物が得られる。殿物溶解工程(S420)では、この脱鉛殿物から溶解工程後液が得られる。COB−SX工程(S500)では、溶解工程後液から粗塩化コバルト液が得られる。コバルト浄液工程(S650)では、粗塩化コバルト液から塩化コバルト純液を得る。コバルト電解工程(S700)では、塩化コバルト純液を用いて電気コバルト(E−Co)を得る。なお、コバルト浄液工程(S650)では、COB−SX工程(S500)により得られた粗塩化コバルト液と、溶媒抽出工程(S400)の直後に得られた粗塩化コバルト液と、の両方を用いてコバルト浄液処理を行う。
図3は、図2の殿物溶解工程、及び2度目の脱鉄工程を経てCOB−SX工程に至る手前までをより詳細に示すフローチャートである。図1及び図2に示した溶媒抽出工程(S400)で得られた粗塩化ニッケル液からは、脱鉛工程(S410)により脱鉛殿物が得られる。この脱鉛殿物は、図3に示すように、殿物溶解工程(S420)及び2度目の脱鉄工程(S430)を経てCOB−SX工程(S500)至る。
殿物溶解工程(S420)は、殿物溶解第1工程(S421)と、殿物溶解第2工程(S422)と、よりなる。殿物溶解第1工程(S421)では、脱鉛殿物に硫酸を添加して溶解させる。なお、Fe負荷については、<鉄濃度の低減>の欄でより詳細に後述するが、従来の1〜5g/L程度に対し、近年では原料種類の変化等に伴って、0.5g/L程度に低減されている。これに対応する最適な処理に改善する余地があると推定されていた。
また、殿物溶解第1工程(S421)で溶解が不完全であるとしても、それら殿物混合液に対し、殿物溶解第2工程(S422)により、二酸化硫黄・SO(亜硫酸)ガスを吹き込む。SOガスは、水に溶け易く、殿物混合液中のHOと化合してHSO・亜硫酸となる。亜硫酸は水に溶けると様々な化学種に変化する性質を有する。この性質により、亜硫酸は殿物混合液中の殿物を完全に溶解させるように作用する。その結果、殿物混合液は、Co,Fe,Mg等を含む硫酸液(PH≒1)となる。これを溶解工程後液という。
2度目の脱鉄工程(S430)は、沈殿生成工程(S431)と、ろ過工程(S432)と、よりなる。沈殿生成工程(S431)では、PH≒1の溶解工程後液に、Ca(OH)・水酸化カルシウム(消石灰)を添加して中和する。その添加量はpH管理することで適正に調整する。この沈殿生成工程(S431)で操作pH値は、従来pH5.5のところ、本発明ではpH4.5に設定する。このように、本発明において、操作pH値を変化させた理由については後述する。
消石灰は、Co,Fe,Mg等を含む硫酸液に対し、不純物のFeを酸化して中和する。その結果、Feを水酸化第二鉄・水酸化鉄(III)・Fe(OH)の残渣(鉄殿物)として固定除去可能に沈殿させる。このようにして、溶解工程後液は、2度目の脱鉄後液と、含Fe沈殿(鉄澱物)と、よりスラリーを形成する。このスラリーから、ろ過工程(S432)により鉄澱物が除去(脱鉄)される。ただし、鉄澱物中には、ある程度のニッケルまで含有してしまうことが不可避なので、鉄澱物をそのまま廃棄処理すれば、ニッケルロスを生じることは、特許文献2でも知られているとおりである。
<COB−SX工程>
図4は、図2及び図3で示したCOB−SX工程の詳細な説明図である。図4に示すように、COB−SX工程(S500)は、6種類の段(処理工程)で構成され、これら6種類の段は、抽出段(S510)と、洗浄段(S520)と、交換段(S530)と、Ni回収段(S540)と、Co回収段(S550)と、逆抽出段(S560)と、より構成されている。なお、6種類の段は、それぞれ多段向流連続ミキサセトラ、すなわち複数のミキサセトラが、有機相と水相と互いに向流させる。COB−SX工程(S500)は、溶媒抽出工程(S400)の後に、有機相と水相と互いに向流させて、目的物と不純物との分離、あるいは目的物を濃縮する処理を行なう。
COB−SX工程(S500)は、図2に示す粗塩化ニッケル液に含まれ、溶媒抽出工程(S400)で回収しきれなかったコバルトのほか、図2に示す抽出系原料、すなわち上記した原料とは別系統の原料から入ってくるコバルトを回収する工程である。COB−SX工程(S500)は、図2及び図3に示す澱物溶解工程(S420)で溶解工程後液として得られる硫酸ニッケル溶液を、さらに脱Fe処理(図1の脱鉄工程(S300)とは別工程)して得られる脱Fe液(交換系脱鉄液)に含まれるコバルトを回収する。また詳細は省くが、上記別系統の原料から入ってくるコバルトを含有する液も脱鉄処理され、得られる脱Fe液(抽出系脱鉄液)に含まれるコバルトも回収する。抽出系脱鉄液は、抽出段(S510)で多段向流連続ミキサセトラの水相にNaOHと共に混入されるほか、交換系脱鉄液は、交換段(S530)で多段向流連続ミキサセトラの水相にHSOと共に混入される。
COB−SX工程(S500)は、Co溶媒抽出工程で回収しきれなかったコバルトやその他原料から入ってくるコバルトを回収する工程であり、図2に示す澱物溶解工程で得られる硫酸ニッケル溶液を、更に脱鉄処理して得られる溶解工程後液(抽出始液)に含まれるコバルトを回収する。
このCOB−SX工程(S500)は、図2に示す澱物溶解工程(S420)で溶解工程後液として得られる硫酸ニッケル溶液を、さらに2度目の脱鉄工程(S430)により脱Fe処理(図1に示した最初の脱鉄工程(S300)とは別工程)して得られる脱Fe液(「脱鉄後液」、又は「抽出始液」ともいう)に含まれるコバルトを回収する。
COB−SX工程(S500)は、図2及び図3で示したように、溶媒抽出工程(S400)の後に、脱鉛工程(S410)、殿物溶解工程(S420)、及び2度目の脱鉄工程(S430)を経た交換系脱鉄液が装入されて処理される。このCOB−SX工程(S500)は、不図示の6種類の段(処理工程)を有し、有機相と水相と互いに向流させて、目的物と不純物との分離、あるいは目的物を濃縮する処理を行なう。
図5は、図2及び図3で示した2度目の脱鉄工程において、3つの沈殿生成槽毎に区別されたpH管理の一例を示す説明図である。図5に示すように、2度目の脱鉄工程(S430)は、第1槽10〜第3槽30の3槽が連通して構成された沈殿精製槽に、図2及び図3で示した澱物溶解工程(S420)を経た溶解工程後液を装入して処理される。
なお、COB−SX工程(S500)では、ニッケル保持有機相に、コバルトを多く含む粗硫酸ニッケル溶液と反応させ、そのニッケル保持有機相中のニッケルと、粗硫酸ニッケル溶液中の不純物とを置換(交換)する。なお、このとき実行される「置換工程」及び「交換工程」について、ここではつぎのように定義付けるものとする。
「置換工程」とは、目的物を含む被処理工程液に反応液を加え、目的物を濃縮するような化学反応させ、目的物を収集し易い貴液(pregnant solution)やそれに類似する性質の殿物等を得る一方、不純物の濃度を高めた貧液(barren solution)その他に分別する工程をいう。これに対し、「交換工程」とは、高純度硫酸ニッケル精製やコバルト回収工程において、向流方式のミキサセトラで置換反応させ、Ni及びCoを得るようにした置換工程をいう。
この「交換工程」は、特に、図4に示す交換段(S530)のみを意味する場合もある。また、COB−SX工程(S500)に係る「置換工程」、「交換工程」、又は「交換段」を「交換系」と総称することもある。これに関連して、COB−SX工程(S500)の直前に実行される2度目の脱鉄工程(S430)を、交換系脱鉄工程(S430)ともいう。
<交換系脱鉄工程(S430)>
上述した殿物溶解工程(S420)の処理後に得られる溶解工程後液には、鉄をはじめとする不純物が相当の濃度で含まれている。この不純物の濃度が高いままに、COB−SX工程(S500)へ溶解工程後液を供与することは、極力避ける必要がある。特にFeを始めとするこれら不純物が、COB−SX工程(S500)の有機相中に蓄積された場合、通常操業の流量や滞留時間では除去することが極めて困難だからである。
したがって、図2及び図3に示すように、殿物溶解工程(S420)とCOB−SX工程(S500)との間に、2度目の脱鉄工程(S430)を介在させることにより、溶解工程後液から鉄をはじめとする不純物を除去して、それらの濃度を規定以下にしてからCOB−SX工程(S500)に供与する。
特にFeについては、溶解工程後液の鉄濃度を5mg/L以内に維持すれば、COB−SX工程(S500)において、通常操業の流量や滞留時間で問題ない蓄積量まで除去することが可能である。すなわち、溶解工程後液中の不純物を前記2度目の脱鉄工程(S430)で除去した結果、鉄濃度が5mg/Lを超える液が交換段(S530)へ流入することがなくなり、逆抽出段(S560)において操業に悪影響を及ぼす水準まで蓄積されることはない。一方、鉄濃度が5mg/Lを超えた液が交換段(S530)に流入すると、通常操業の流量や滞留時間では問題ない蓄積量まで除去することが困難になり、例えば流量を低下させる操業に切り替えられ、操業効率が低下してしまう。
このように、COB−SX工程(S500)で操業効率の維持が可能な濃度として、溶解工程後液の鉄濃度を5mg/L以内に維持することが重要である。このため、本出願人は、溶解工程後液の鉄濃度の遵守基準値を5mg/L以下とする操業管理により本出願の直前まで徹底していた。なお、全文にわたって「鉄濃度」を「鉄品位」又は「鉄含有率」と読み替えても良く、場合によっては「鉄負荷」と読み替えても構わない。ただし、「濃度」や「含有率」は定量(絶対)的表現であるが、「品位」や「負荷」は定性(相対)的表現である。また、「高品位」とは、一般的に「何かと好都合なこと」をいうが、ここで「鉄品位が高い」とは、「鉄濃度が高い」と同義であり「不純物としての鉄濃度が高くて不都合なこと」をいう。
図3に示した2度目の脱鉄工程(S430)では、沈殿生成工程(S431)の後に、脱鉄後液と、含Fe沈殿と、よりなるスラリーが得られる。このスラリーをろ過して含Fe沈殿を除去している。このとき、溶解工程後液の鉄濃度を5mg/L以内に維持するという遵守基準を用いて操業管理した場合、除去して廃棄するために生成した含Fe沈殿に水酸化ニッケルが含まれて諸共に廃棄される、すなわちニッケルロスするという問題がある。これについて、図2に示すように、後工程であるCOB−SX工程(S500)からは硫酸ニッケル純液が生成されており、ニッケルロスすることにより、硫酸ニッケル純液の生産効率が悪化する。
これに対し、請求項1に係る発明の要点は、不純物を含む脱鉛澱物を溶解した粗硫酸ニッケル溶液に水酸化カルシウムを添加して不純物を澱物として除去する脱鉄方法において、粗硫酸ニッケル溶液中の鉄濃度(鉄品位・鉄濃度)に応じて、水酸化カルシウムの添加量を調整することにある。これにより、新規の設備を必要とせず、上記脱鉄工程のニッケルロスを低減することができる。
<本発明に想到した契機と作用効果>
本発明想到の契機は、つぎの調査による。第1に2度目の脱鉄工程(S430)に装入される溶解工程後液中の鉄濃度を詳細に調査したこと。第2に、鉄濃度が変動した場合の、交換系脱鉄液中の鉄濃度別に、最適な水酸化カルシウムの添加量、及びその添加量に伴うpH変化、について詳細に調査した(図6参照)。これらの調査結果に基づいて、鉄濃度の低減に対応して、水酸化カルシウムの添加量を低減させても良いということを発見した。以下にその経過を説明する。
図6は、図5の沈殿生成槽に施した操作pHに対するFe濃度の関係を示すグラフである。図6の三角印でプロットするように、鉄濃度が2〜5g/L程度と高い場合、水酸化カルシウムを添加するにつれてpHが上昇する。これに伴って鉄澱物(水酸化第二鉄・水酸化鉄(III)・Fe(OH))が生成される。
この鉄澱物が生成されるにつれて、交換系脱鉄液中の鉄濃度は徐々に低下し、pH≒5.5付近で鉄澱物の生成は終了する。その結果、図6右下の領域に、プロットマークが集中するように、上述した交換系脱鉄液中の鉄濃度は、遵守基準値の5mg/L以下まで低減させることができた。本出願人は、このように、交換系脱鉄液中の鉄濃度を遵守基準値の5mg/L以下に収めることを指向するようなpH操作による操業管理を本出願の直前まで徹底していた。
このように、鉄澱物の生成に伴って交換系脱鉄液中の鉄濃度が遵守基準値の5mg/Lを下回り、pH≒5.5付近で鉄澱物の生成は終了することは、特許文献1の出願時(2009年8月6日)には既に知られていた。すなわち、特許文献1の段落[0028]に記載されているとおり、当該pHを5.5〜6.1となるように水酸化カルシウム(消石灰)が添加されている。また、特許文献2の段落[0027]においても、pHは5.0〜6.0となるように水酸化カルシウム(消石灰スラリー液)が添加されている。
このようなpH管理は、上述のCOB−SX工程(S500)において、装入される交換系脱鉄液中の鉄濃度を、遵守基準値の5mg/L以下に収めることを指向するように、すなわち、図6右下の領域に、プロットマークを集中させるように、当時の操業管理が徹底されていたからである。
<鉄濃度の低減>
近年、原料種類の変化等に伴って、鉄濃度が低減されつつあることに本発明者らは着目した。すなわち、溶解工程後液の鉄濃度について、特許文献1の出願時(2009年8月6日)における鉄濃度は、1〜5g/L程度であったところ、特許文献2の出願時(2012年6月5日)における鉄濃度は、その段落[0027]に記載されているように、0.4〜0.6g/L程度に低減されていた。
しかしながら、この鉄濃度が低減したことについて、本出願人の操業管理上、特段着目されなかった。そのため、COB−SX工程(S500)において、装入される交換系脱鉄液中の鉄濃度を、遵守基準値の5mg/L以下に収めることを指向する操業管理が継続された。したがって、COB−SX工程(S500)の前段で実行される2度目の脱鉄工程(S430)における殿物生成工程(S431)に対し、水酸化カルシウムの添加量について、その指標とするpH値が再吟味されることもなく、本出願の直前まで操業管理に供されていた。
このように、指標pH値が再吟味されなかった理由は、近年の原料調達事情、その他諸般の条件が、鉄濃度を低減させて好条件にする方向へと変動していたからである。すなわち、装入される交換系脱鉄液中の鉄濃度が、遵守基準値の5mg/L以下に収まり易くなる「安全な方向」へ継続的に変動して好都合だったからである。つまり、基準値から逸脱するような、「危ない方向」への変動ではなかった。このため、従来の指標pH値そのままの操業管理が、本出願人の事業所では安心して踏襲されていた。
<鉄濃度の遵守基準を指向するpH値>
本出願人は、上述した交換系脱鉄液中の鉄濃度について、遵守基準値を5mg/L以下と定め、この遵守基準値を指向する、水酸化カルシウムの添加量について、その指標とするpH値を変更することなく維持し、本出願の直前まで操業管理に供していた。これに対し、本発明者らは、この半ば慣例的な指標pH値について裏付け調査したところ、ある条件のもとでは、必ずしも最適値でないことを突き止めた。
<本発明の本質>
図6の菱形印でプロットするように、溶解工程後液の鉄濃度が、特許文献1の出願時(2009年8月6日)に比較して低く、0.5g/L以下であれば、水酸化カルシウムの添加量に関連するpH≒4.2程度で溶液中の鉄濃度は十分に低減され、遵守基準値の5mg/Lを下回っていることが確認された。この数値限定の臨界的意義が、本発明の本質である。本発明によれば、鉄濃度に適応して、水酸化カルシウムの添加量を調節することにより、本プロセスの目的物であるニッケルを鉄澱物中に含有して廃棄処理されてしまうようなニッケルロスを低減することができる。
もとより、溶解工程後液に消石灰を添加してpH4程度以上の高い範囲に調整した場合、溶解工程後液中のニッケルは、水酸化ニッケルの殿物に変化して含まれてしまい、ニッケルロスを増加させることは知られていた。それにもかかわらず、従来からの慣例的な指標pH値に基づく操業管理下では、溶解工程後液、すなわち交換系脱鉄液中の鉄濃度を5mg/L以下に指向するように、pHを5.0〜6.0に調整しなければならないものと誤解されていた。その操業管理を徹底した結果として、操作pH値を不必要な4以上の高い範囲に調整した場合、本プロセスの目的に反する水酸化ニッケル殿物の生成量を増加することになる。
しかも、この誤解で生じる水酸化ニッケル殿物が、ニッケルロス、つまり事業目的に反する浪費につながる点についてさえも、不可避なニッケルロスとの認識により半ば諦められていた。ところが、本発明により、鉄濃度が0.5g/L以下と低い場合には、pHを5.0〜6.0にまで高める必要はなく、pH4.2以上であれば、溶解工程後液の鉄濃度を5mg/L以下に抑制できることが確認された。
<本発明の実施態様>
したがって、本発明の適切な利用方法としては、溶解工程後液、すなわち交換系脱鉄液中の鉄濃度を監視し、鉄濃度の高低により、水酸化カルシウムの添加量を調整するための指標pH値を変動させればよく、具体例としては、図6に沿って鉄濃度が2g/L以上の場合には、従来どおりに、指標pH値を5.0〜6.0に設定するが、鉄濃度が0.5g/L以下の場合には、指標pH値を4.2〜5.0程度に設定すれば良い。
このように、鉄濃度≦0.5g/Lの場合にpHを5.0以下に抑制する理由は、操作pH値を不必要に高めた場合に、水酸化ニッケル殿物が生成されてしまう弊害を避けるためである。すなわち、水酸化ニッケル殿物には、本プロセスの主要な生産目的物の1つであるNiが含有され、不純物のFeと共に廃棄されてしまう弊害、つまりニッケルロスを避けるためである。
以下、実施例および比較例によって、本発明をより詳細に説明する。
[操業及びその管理に共通する条件]
殿物溶解工程(S420)の処理後に得られる溶解工程後液について、
操作pH値 :pH=1〜2程度
pH測定器 :ガラス電極式pH計
ニッケル濃度 :100〜120g/L
鉄濃度(Fe濃度) :0.5g/L以下
Ni,Fe濃度測定 :XRF分析方式
反応時間 :420分〜540分
沈殿生成ステップ :3段階でのpH上昇
添加剤 :水酸化カルシウム(100−200g/Lのスラリー状にして使用)
鉄濃度(脱鉄澱物中) :XRF分析方式
[実施例]
上述した操業及びその管理に共通する条件において、本発明を適用し、澱物生成のステップで添加する水酸化カルシウムの量を、pH=4.5となるまでの添加量とした。その結果、交換系脱鉄後液中の鉄濃度は、3mg/Lと充分に低減され(図6右下領域の菱形プロットマーク)、鉄澱物中のニッケル品位は8%(水溶性:4%,不溶性:4%)程度であった。
[比較例]
上述した操業及びその管理に共通する条件において、本発明を適用せず、従来の操業条件のまま、添加する水酸化カルシウムの量を、pH=5.5となるまでの添加量とした以外は、実施例と同じ条件で操業した。その結果、交換系脱鉄後液中の鉄濃度は、2mg/Lと充分に低減されていたが(図6最右下の菱形プロットマーク)、鉄澱物中のニッケル品位は14%(水溶性:6%、不溶性:8%)程度と、実施例に比較して6%増加していた。
以上、説明したように、本発明によれば、新規の設備を必要とせず、脱鉄工程において、一度生成した脱鉄澱物中のニッケル澱物を酸化中和処理、及び酸溶解するために必要な薬剤の使用を最小限に抑制すると共に、ニッケルロスを低減することが可能な、粗硫酸ニッケルの脱鉄方法を提供できる。したがって、その工業的価値は極めて大きい。
本発明によれば、鉄澱物中のニッケルロスを低減することができる。また、本発明に係る粗硫酸ニッケル溶液の脱鉄方法によれば、鉄濃度が低い程、水酸化カルシウムの添加量を低減できる。すると、水酸化カルシウムの添加量を低減できることに連動して、鉄澱物の発生量を低減できるという効果も併せて奏する結果となる。
このような「鉄濃度の低減に応じて、鉄澱物の発生量も低減できる」という関係は、粗硫酸ニッケル溶液から脱鉄が徹底される程度に応じて鉄澱物をはじめとする廃棄物が減少することを意味する。したがって、本発明に係る方法は、鉄濃度の低減、ニッケルロスの低減、といった主目的の達成に連動し、それに伴って発生する廃棄物の処理負担を低減できるという副次効果も得られるため、非常に好ましい方法である。
本発明は、ニッケル及びコバルトを湿式精錬するプロセスにおける粗硫酸ニッケル溶液の脱鉄方法に採用される可能性がある。
なお、上述のように本発明の各実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、本方法で用いる複数段に連通するミキサセトラ、それらの段数、及びそれらの組み合わせの構成、動作も本発明の各実施形態及び各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10〜30 (第1槽〜第3槽の)沈殿精製槽、S100 粉砕工程、S150 塩素浸出工程、S200 セメンテーション工程、S300 初めの脱鉄工程、S400 溶媒抽出工程、S410 脱鉛工程、S420 殿物溶解工程、S421 殿物溶解第1工程、S422 殿物溶解第2工程、S430 2度目の脱鉄工程、S431 殿物生成工程、S432 ろ過工程、S440 抽出工程、S500 COB−SX工程、S510 抽出段、S520 洗浄段、S530 交換段、S540 Ni回収段、S550 Co回収段、S560 逆抽出段、S590 晶析工程、S600 ニッケル電解工程、S650 コバルト浄液工程、S700 コバルト電解工程

Claims (4)

  1. 不純物を含む脱鉛澱物を溶解した粗硫酸ニッケル溶液に水酸化カルシウムを添加して不純物を澱物として除去する脱鉄方法であって、
    前記粗硫酸ニッケル溶液中の鉄濃度の高低により、前記水酸化カルシウムの添加量を調整するための指標pH値を変動させる、
    粗硫酸ニッケル溶液の脱鉄方法。
  2. 前記粗硫酸ニッケル溶液中の鉄濃度が0.5g/L以下であるとき、
    前記水酸化カルシウムの添加量は、
    前記澱物が生成される際の最終的なpHが4.2以上5.0以下に調整される、
    請求項1に記載の粗硫酸ニッケル溶液の脱鉄方法。
  3. 前記粗硫酸ニッケル溶液は、
    少なくとも電気ニッケル、電気コバルト、硫酸ニッケル純液、硫酸ニッケル結晶のうち何れかを目的物とする湿式精錬プロセスで処理され、
    該湿式精錬プロセスでは、目的物と不純物との分離、あるいは目的物を濃縮する処理するために、
    溶媒抽出工程と、
    COB−SX(Crowding-Organic-Bypass Solvent Extraction)工程と、
    を有する、
    請求項1又は2に記載の粗硫酸ニッケル溶液の脱鉄方法。
  4. 前記不純物を含む前記脱鉛澱物を溶解した溶解工程後液であって前記COB−SX工程に装入される交換系脱鉄液中の鉄濃度を、
    5mg/L以下に維持する、
    請求項3に記載の粗硫酸ニッケル溶液の脱鉄方法。
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