JP6187015B2 - 強化ガラスの製造方法及び強化ガラス基板 - Google Patents

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Description

本発明は、強化ガラスの製造方法及び強化ガラス基板に関し、特に、大型のTV、デジタルサイネージ、タッチパネルディスプレイ、電子黒板、太陽電池等のカバーガラスに好適な強化ガラスの製造方法及び強化ガラス基板に関する。
電子黒板等のユーザーインターフェースを備えたデバイスは、益々普及する傾向にある。
これらの用途では、ディスプレイの上で様々な操作が行われるが、その際に、ディスプレイが破損する場合がある。この問題を解決する一つの方法は、保護部材としてガラス基板を用いる方法である。このガラス基板には、(1)高い機械的強度を有すること、(2)低密度であること、(3)大型であること、(4)安価で多量に供給できること、(5)泡品位に優れること等が求められる。特に、(1)の要件を満たすため、従来から、イオン交換処理したガラス基板(所謂、強化ガラス基板)が用いられている(特許文献1、非特許文献1参照)。
強化ガラス基板は、強化用のガラス基板をKNO溶融塩中に浸漬することにより、イオン交換処理されている。従来まで、ガラス基板の表面全体にKNO溶融塩を接触させると共に、一度に大量の強化ガラス基板を得るために、ガラス基板を鉛直方向に配置し得る強化用冶具を用いて、イオン交換処理を行っていた。この場合、ガラス基板と強化用冶具とは、複数の点で接触している。
特開2006−83045号公報 泉谷徹朗等、「新しいガラスとその物性」、初版、株式会社経営システム研究所、1984年8月20日、p.451−498
携帯電話等のように、小型の強化ガラス基板を用いる場合、上記の方法により、適正にイオン交換処理を行うことが可能である。しかし、従来の方法で、大型の強化ガラス基板をイオン交換処理すると、強化ガラス基板に大きな反りが発生してしまう。強化ガラス基板の反り量が大きいと、ディスプレイとの張り合わせの際に、空気を巻き込んだり、接着不良が起こったり、デバイスの生産性が低下するという問題が発生し易くなる。
そこで、本発明は、上記事情に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、ガラス基板が大型であっても、反りを発生させ難いイオン交換処理の方法を提供することである。
本発明者等は、種々の検討を行った結果、イオン交換溶液の温度は、通常、ガラス基板の歪点より十分に低いが、一連のイオン交換処理には、予備加熱工程や徐冷工程も存在し、これらの工程でガラス基板が熱変形し、反り発生の原因になり、特にガラス基板が大型(及び薄型)になる程、その問題が顕在化し易いことを見出すと共に、このガラス基板の熱変形は、イオン交換処理時におけるガラス基板の支持方法により改善し得ることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、ガラス原料を溶融し、その溶融ガラスを板状に成形することにより、長辺寸法1000mm以上、短辺寸法500mm以上のガラス基板を得た後、そのガラス基板を傾斜させた状態でイオン交換処理を行うことにより、ガラス基板の表面に圧縮応力層を形成することを特徴とする。
第二に、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、ガラス基板を鉛直方向に対して0.1〜30°傾斜させた状態でイオン交換処理を行うことが好ましい。ここで、図1は、ガラス基板Gの傾斜角度を説明するための概念図である。図1に示す通り、鉛直方向に対して、ガラス基板Gが傾いている角度θが傾斜角度になる。
第三に、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、支持治具に設けた傾斜支持部によりガラス基板を支持させることによって、ガラス基板を傾斜させた状態でイオン交換処理を行うことが好ましい。ここで、「傾斜支持部」は、例えば、ガラス基板の傾斜角度に対応する角度に傾いており、且つガラス基板を支持する部分を指す。なお、傾斜支持部は、ガラス基板を安定に支持する観点から、複数の部材で構成されることが好ましい。
本発明に係る支持治具の具体例について、以下に説明する。
図2は、本発明に係る支持治具2の第一の例を示している。図2に示す通り、支持治具2は、枠部3と、傾斜支持部を構成する複数の部材(図例では一対の支持枠材)4、5とを備えている。枠部3は、略矩形状の上枠3a及び下枠3bが四隅部で四本の支柱3cにより連結された直方体状をなしている。一対の支持枠材4、5は、それらの上端が上枠3aの一方側の枠材3aaに連結されると共にそれらの下端が下枠3bの他方側の枠材3bbに連結され、一対の支持枠材4、5によって形成される支持面は、枠部3内で、一定の傾斜角度を有している。そして、ガラス基板Gは、長辺側の端部(または短辺側の端部)が、一対の支持枠材4、5の外方端から1mm以上外側に食み出した状態で支持されると共に、一対の支持枠材4、5と一部接触することにより、傾斜姿勢を保持している。更に、支持治具2は、一対の支持枠材4、5と上枠3aの一方側の枠材3aaとの連結部から鉛直下方向に延びて、下枠3bの一方側の枠材3baと連結する側部補強枠材3ca、3cbと、一対の支持枠材4、5と下枠3bの一方側の枠材3baとの連結部から水平方向に延びて、下枠3bの他方側の枠材3bbと連結する底部補強枠材3da、3dbとを備えている。
図3は、本発明に係る支持治具2の第二の例を示している。図3に示す支持治具2は、図2に示す支持治具2に比べて、略平行に離間して配列された一対の支持枠材4、5を連結するための複数本(図例では二本)の連結枠材3ea、3ebを更に備えている。連結枠材3ea、3ebは、一対の支持枠材4、5と略垂直な方向に連結されている。ガラス基板Gは、この連結枠材3ea、3ebによっても支持されることにより、傾斜姿勢に安定して保持される。そして、連結枠材17、18は、ガラス基板Gの上辺と下辺との間に存在している。
図4は、本発明に係る支持治具2の第三の例を示している。図4に示す支持治具2は、図2に示す支持治具2に比べて、略平行に離間して配列された一対の支持枠材4、5の間に傾斜枠材3faを更に備えている。この傾斜枠材3faは、一方の支持枠材4の上部と、他方の支持枠材5の底部とを連結するように設けられている。ガラス基板Gは、傾斜枠材3faによっても支持されることにより、傾斜姿勢に安定して保持される。
図5は、本発明に係る支持治具2の第三の例を示している。図5に示す支持治具2は、図2に示す支持治具2に比べて、一対の支持枠材4、5と下枠3bの他方側の枠材3bbとの連結部から鉛直上方向に延びて、上枠3aの他方側の枠材3abと連結する側部補強枠材3ga、3gbを更に備えている。ガラス基板Gは、側部補強枠材3ga、3gbにより、斜め下方への移動が規制されている。
図6は、本発明に係る支持治具2の第四の例を示している。図6に示す支持治具2は、図5に示す支持治具2に比べて、一対のずれ防止枠材3ha、3hbを更に備えている。この一対のずれ防止枠材3ha、3hbは、底部補強枠材3da、3dbから斜め上方に延びて、側部補強枠材3ga、3gbにそれぞれ連結されると共に、一対の支持枠材4、5の下端と連結されている。ガラス基板Gは、一対のずれ防止枠材3ha、3hbにより、斜め下方への移動が規制されている。
図7は、本発明に係る支持治具2の第五の例を示している。図7に示す支持治具2は、図2に示す支持治具2に比べて、一対の支持枠材4、5の相互間に、互いに傾斜して交差する一対の傾斜枠材3ia、3ibを更に備えている。このうち、一方の傾斜枠材3iaは、一方の支持枠材4の底部と他方の支持枠材5の上部とを連結し、他方の傾斜枠材3ibは、一方の支持枠材4の上部と他方の支持枠材5の底部とを連結するように、それぞれ設けられている。ガラス基板Gは、これらの傾斜枠材3ia、3ibによっても支持されることにより、傾斜姿勢により安定して保持される。
以上の図2〜図7に示すようにガラス基板Gを傾斜状態で支持している支持治具2は、イオン交換溶液中に浸漬されることにより、ガラス基板Gのイオン交換処理が行われる。
第四に、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、(傾斜支持部がガラス基板と接する部分の長さ寸法)/(ガラス基板の4辺の長さ寸法の合計)の値が0.01以上であることが好ましい。
第五に、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、傾斜支持部のガラス基板と接触する部分(傾斜支持部を構成している部材のガラス基板と接触する部分)の断面形状が、曲率半径0.1mm以上の円弧形状であることが好ましい。
第六に、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、ガラス基板の短辺側または長辺側の端部が、傾斜支持部から1mm以上外側に食み出すように、ガラス基板を配置することが好ましい。
第七に、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、支持治具に設けられた傾斜支持部は、相互に離間する複数の部材と、これらの部材を連結する連結部材とから構成されていることが好ましく、連結部材は、イオン交換処理時におけるガラス基板の中央部の反りを軽減する観点から、相互に離間する部材と略垂直な方向に配列されていることが好ましい。
第八に、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、液相温度1200℃以下のガラス基板が得られるように、ガラス原料を調合することが好ましい。ここで、「液相温度」とは、ガラスを粉砕し、標準篩30メッシュ(篩目開き500μm)を通過し、50メッシュ(篩目開き300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持した後、結晶が析出する温度を指す。
第九に、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、液相粘度104.0dPa・s以上のガラス基板が得られるように、ガラス原料を調合することが好ましい。ここで、「液相粘度」とは、液相温度におけるガラスの粘度を指す。なお、液相粘度が高く、液相温度が低い程、耐失透性が良好になり、またガラス基板の成形性が良好になる。
第十に、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、モル%で、SiO 40〜80%、Al 5〜15%、B 0〜8%、LiO 0〜10%、NaO 0〜20%、KO 0〜20%、MgO 0〜10%、Al+MgO 8〜16.5%を含有し、モル比で、(LiO+NaO+KO)/Al比が1〜3、NaO/Al比が1〜3、MgO/Al比が0〜1であり、実質的にAs、PbO、Fを含有しないガラス組成になるように、ガラス原料を調合することが好ましい。ここで、「Al+MgO」は、AlとMgOの合量である。「LiO+NaO+KO」は、LiO、NaO及びKOの合量である。
第十一に、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、オーバーフローダウンドロー法で溶融ガラスを板状に成形することが好ましい。このようにすれば、未研磨で表面精度が高いガラス基板を成形することができる。
第十二に、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、相対する表面の歪差(残留圧縮応力値差)が10MPa以下になるガラス基板をイオン交換処理することが好ましい。
第十三に、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、表面の圧縮応力値が300MPa以上、且つ応力深さが10μm以上になるように、イオン交換処理を行うことが好ましい。ここで、「表面の圧縮応力値」および「応力深さ」は、表面応力計(例えば、株式会社東芝製FSM−6000)を用いて、試料を観察した際に、観察される干渉縞の本数とその間隔から算出される値を指す。
第十四に、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、ガラス基板の表面を研磨する工程を有しないことが好ましい。このようにすれば、研磨により不可避的に生じる微小欠陥がなくなり、強化ガラス基板の機械的強度を高めることができる。更に、強化ガラス基板の製造コストを低減することができる。
第十五に、本発明の強化ガラス基板は、上記の強化ガラス基板の製造方法により作製されてなることを特徴とする。
第十六に、本発明の強化ガラス基板は、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス基板であって、長辺寸法が1000mm以上、短辺寸法が500mm以上であり、且つ反り量が1%以下であることを特徴とする。ここで、「反り量」は、3D形状測定機で測定した最大反り量をWとし、ガラス基板の対角線の長さをDとし、W/D×100の式により算出した値を指す。
第十七に、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、ガラス原料を溶融し、その溶融ガラスを板状に成形することにより、長辺寸法1000mm以上、短辺寸法500mm以上のガラス基板を得た後、そのガラス基板を、(イオン交換温度+50)℃〜(イオン交換温度−50)℃の温度で10分間〜2時間予備加熱し、その予備加熱されたガラス基板に対して、イオン交換処理を行うことにより、ガラス基板の表面に圧縮応力層を形成することを特徴とする。
第十八に、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、ガラス原料を溶融し、その溶融ガラスを板状に成形することにより、長辺寸法1000mm以上、短辺寸法500mm以上のガラス基板を得た後、そのガラス基板に対して、イオン交換処理を行うことにより、ガラス基板の表面に圧縮応力層を形成し、これにより得られた強化ガラス基板を100〜400℃の温度で30分間〜4時間徐冷することを特徴とする。
ガラス基板の傾斜角度を説明するための概念図である。 本発明に係る支持治具の一例を示す概略図である。 本発明に係る支持治具の一例を示す概略図である。 本発明に係る支持治具の一例を示す概略図である。 本発明に係る支持治具の一例を示す概略図である。 本発明に係る支持治具の一例を示す概略図である。 本発明に係る支持治具の一例を示す概略図である。 本発明の強化ガラス基板の製造方法における予備加熱工程から徐冷工程までの温度プロファイルの一例を示すグラフである。 [実施例2]の実験を説明するための説明図であり、ガラス基板の上方から見た概念図である。 [実験1]の実験のシミュレーション結果を示すデータである。 [実験2]の実験のシミュレーション結果を示すデータである。 [実験3]の実験のシミュレーション結果を示すデータである。
本発明の強化ガラス基板の製造方法は、ガラス原料を連続溶融炉に投入し、例えば1500〜1600℃で溶融、清澄し、この溶融ガラスを板状に成形して、長辺寸法1000mm以上、短辺寸法500mm以上、板厚0.6mm以下のガラス基板を得ることが好ましく、必要に応じて、成形時にガラス基板を徐冷することが好ましい。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、密度が好ましくは2.55g/cm以下、好ましくは2.52g/cm以下、好ましくは2.5g/cm以下、好ましくは2.46g/cm以下、好ましくは2.44g/cm以下、特に好ましくは2.42g/cm以下のガラス基板が得られるように、ガラス原料を調合することが好ましい。密度が低い程、ガラス基板を軽量化することができる。ここで、「密度」とは、周知のアルキメデス法で測定した値を指す。なお、密度を低下させるには、SiO、P、Bの含有量を増加させたり、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、ZnO、ZrO、TiOの含有量を低減すればよい。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、歪点が好ましくは500℃以上、好ましくは520℃以上、好ましくは550℃以上、特に好ましくは570℃以上のガラス基板が得られるように、ガラス原料を調合することが好ましい。歪点が高い程、耐熱性が向上し、高温の熱処理により、圧縮応力層が消失し難くなる。また、歪点が高い程、イオン交換処理の際に応力緩和が生じ難くなる。歪点を高めるには、アルカリ土類金属酸化物、Al、ZrO、Pの含有量を増加させたり、アルカリ金属酸化物の含有量を低減すればよい。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、102.5dPa・sにおける温度が好ましくは1650℃以下、好ましくは1610℃以下、好ましくは1600℃以下、好ましくは1580℃以下、好ましくは1550℃以下、好ましくは1530℃以下、好ましくは1500℃以下、特に好ましくは1450℃以下のガラス基板が得られるように、ガラス原料を調合することが好ましい。102.5dPa・sにおける温度が低い程、溶融窯等のガラス製造設備への負荷が小さくなると共に、ガラス基板の泡品位を高めることができる。102.5dPa・sにおける温度が低い程、ガラス基板を安価に製造することができる。なお、102.5dPa・sにおける温度は、溶融温度に相当している。よって、102.5dPa・sにおける温度が低い程、低温でガラスを溶融することができる。なお、102.5dPa・sにおける温度を低下させるには、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、ZnO、B、TiOの含有量を増加させたり、SiO、Alの含有量を低減すればよい。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、液相温度が好ましくは1200℃以下、好ましくは1150℃以下、好ましくは1130℃以下、好ましくは1100℃以下、好ましくは1075℃以下、好ましくは1050℃以下、好ましくは1030℃以下、好ましくは1010℃以下、好ましくは1000℃以下、好ましくは950℃以下、好ましくは900℃以下、特に好ましくは860℃以下のガラス基板が得られるように、ガラス原料を調合することが好ましい。なお、液相温度を低下させるには、NaO、KO、Bの含有量を増加させたり、Al、LiO、MgO、ZnO、TiO、ZrOの含有量を低減したりすればよい。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、液相粘度が好ましくは104.0dPa・s以上、好ましくは104.6dPa・s以上、好ましくは104.8dPa・s以上、好ましくは105.0dPa・s以上、好ましくは105.3dPa・s以上、好ましくは105.5dPa・s以上、好ましくは105.7dPa・s以上、好ましくは106.0dPa・s以上、特に好ましくは106.2dPa・s以上のガラス基板が得られるように、ガラス原料を調合することが好ましい。なお、液相温度が1075℃以下、液相粘度が104.0dPa・s以上であれば、オーバーフローダウンドロー法でガラス基板を成形することが可能になる。液相粘度を上昇させるには、NaO、KOの含有量を増加させたり、Al、LiO、MgO、ZnO、TiO、ZrOの含有量を低減したりすればよい。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、30〜380℃の温度範囲における熱膨張係数が好ましくは70〜110×10−7/℃、好ましくは75〜100×10−7/℃、好ましくは80〜100×10−7/℃、特に好ましくは85〜96×10−7/℃のガラス基板が得られるように、ガラス原料を調合することが好ましい。熱膨張係数を上記範囲とすれば、金属、有機系接着剤等の部材と熱膨張係数が整合し易くなり、金属、有機系接着剤等の部材の剥離を防止することができる。ここで、「30〜380℃の温度範囲における熱膨張係数」とは、ディラトメーターで測定した平均値を指す。なお、熱膨張係数を上昇させるには、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物の含有量を増加さればよく、逆に低下させるには、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物の含有量を低減すればよい。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、ヤング率が好ましくは65GPa以上、好ましくは69GPa以上、好ましくは71GPa以上、好ましくは75GPa以上、特に好ましくは77GPa以上のガラス基板が得られるように、ガラス原料を調合することが好ましい。ヤング率が高い程、強化ガラス基板が撓み難くなるため、電子黒板等を適用する場合に、ペンや指等で強く押されても、変形量が小さくなり、結果として、強化ガラス基板が背面に位置する液晶素子に接触して、表示不良が生じる事態を防止し易くなる。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、モル%で、SiO 40〜80%、Al 5〜15%、B 0〜8%、LiO 0〜10%、NaO 0〜20%、KO 0〜20%、MgO 0〜10%、Al+MgO 8〜16.5%を含有し、モル比で、(LiO+NaO+KO)/Al比が1.4〜3、NaO/Al比が1〜3、MgO/Al比が0〜1であり、実質的にAs、PbO、Fを含有しないガラス組成になるように、ガラス原料を調合することが好ましい。上記のように、各成分の含有範囲を限定した理由を以下に説明する。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は、モル%を指す。
SiOは、ガラスのネットワークを形成する成分である。SiOの含有量は、好ましくは40〜80%、45〜80%、55〜75%、60〜75%、特に60〜70%である。SiOの含有量が多過ぎると、溶融性や成形性が低下し易くなり、また熱膨張係数が低くなり過ぎて、周辺材料と熱膨張係数が整合し難くなる。一方、SiOの含有量が少な過ぎると、ガラス化し難くなる。また熱膨張係数が高くなり過ぎて、強化ガラス基板の耐熱衝撃性が低下し易くなる。
Alは、イオン交換性能を高める成分である。また歪点やヤング率を高める成分である。Alの含有量は5〜15%が好ましい。Alの含有量が多過ぎると、ガラスに失透結晶が析出し易くなって、オーバーフローダウンドロー法等による成形が困難になる。また熱膨張係数が低くなり過ぎて、周辺材料と熱膨張係数が整合し難くなり、また高温粘性が高くなり、溶融性が低下し易くなる。一方、Alの含有量が少な過ぎると、イオン交換性能を十分に発揮できない虞が生じる。よって、Alの下限範囲は好ましくは6%以上、好ましくは7%以上、好ましくは8%以上、好ましくは9%以上、特に好ましくは10%以上、上限範囲は好ましくは14%以下、好ましくは13%以下、好ましくは12%以下、好ましくは11.5%以下である。
は、高温粘度や密度を低下させると共に、イオン交換性能、特に圧縮応力値を高める成分である。更に、ガラスを安定化させて、結晶を析出させ難くし、液相温度を低下させる効果がある。しかし、Bが多過ぎると、イオン交換処理によって、ヤケと呼ばれる表面の着色が発生したり、耐水性が低下したり、応力深さが小さくなり易い。よって、Bの含有量は、好ましくは0〜8%、好ましくは0〜5%、好ましくは0〜3%、好ましくは0〜2%、特に好ましくは0〜1%である。
LiOは、イオン交換成分であると共に、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、LiOは、ヤング率を高める成分である。更に、LiOは、アルカリ金属酸化物の中では、圧縮応力値を大きくする効果が高い。しかし、LiOの含有量が多過ぎると、液相粘度が低下して、ガラスが失透し易くなる。また熱膨張係数が高くなり過ぎて、強化ガラス基板の耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料と熱膨張係数が整合し難くなる。更に、低温粘性が低下し過ぎて、応力緩和が起こり易くなり、かえって圧縮応力値が小さくなる場合がある。よって、LiOの含有量は、好ましくは0〜10%、好ましくは0〜5%、好ましくは0〜1%、好ましくは0〜0.5%、好ましくは0〜0.1%であり、実質的に含有しないこと、つまり0.01%未満に抑えることが最も好ましい。
NaOは、イオン交換成分であると共に、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、NaOは、耐失透性を改善する成分でもある。NaOの含有量は、好ましくは5〜20%、好ましくは8〜20%、好ましくは8.5〜20%、好ましくは10〜18%、好ましくは10〜16%、好ましくは11〜16%、好ましくは12〜16%、特に好ましくは13〜16%である。NaOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、強化ガラス基板の耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料と熱膨張係数が整合し難くなる。また歪点が低下し過ぎたり、ガラス組成のバランスを欠き、かえって耐失透性が低下する傾向がある。一方、NaOの含有量が少な過ぎると、溶融性が低下したり、熱膨張係数が低くなったり、イオン交換性能が低下し易くなる。
Oは、イオン交換を促進する効果があり、アルカリ金属酸化物の中では応力深さを大きくする効果が高い。また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める効果がある。更に、KOは、耐失透性を改善する成分でもある。しかし、KOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が高くなり、強化ガラス基板の耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料と熱膨張係数が整合し難くなる。更に歪点が低下し過ぎたり、ガラス組成のバランスを欠き、かえって耐失透性が低下する傾向がある。よって、KOの含有量の上限範囲は好ましくは20%以下、好ましくは10%以下、好ましくは8%以下、好ましくは6%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは4%以下であり、KOを添加する場合、下限範囲は好ましくは0.1%以上、好ましくは0.5%以上、好ましくは1%以上、好ましくは2%以上、特に好ましくは2.5%以上である。
アルカリ金属酸化物RO(RはLi、Na、Kから選ばれる1種以上)の含有量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなることに加えて、熱膨張係数が高くなり過ぎて、強化ガラス基板の耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料と熱膨張係数が整合し難くなる。また歪点が低下し過ぎて、高い圧縮応力値を確保し難くなる。更に、液相温度付近の粘性が低下して、高い液相粘度を確保し難くなる場合がある。一方、ROの含有量が少な過ぎると、イオン交換性能や溶融性が低下し易くなる。よって、ROの含有量は、好ましくは10〜25%、好ましくは13〜22%、好ましくは15〜20%、特に好ましくは16.5〜20%である。
モル比KO/NaOは、好ましくは0.1〜0.8、好ましくは0.2〜0.8、好ましくは0.2〜0.5、特に好ましくは0.2〜0.4である。モル比KO/NaOが小さくなると、応力深さが小さくなり易く、逆に大きくなると、得られる圧縮応力値が低下したり、ガラス組成のバランスを欠いて、ガラスが失透し易くなる。
MgOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、イオン交換性能を高める効果が高い。しかし、MgOの含有量が多くなると、密度、熱膨張係数が高くなり、またガラスが失透し易くなる。よって、MgOの含有量は、好ましくは0〜10%、好ましくは0〜6%、特に好ましくは0〜4%である。
AlとMgOの合量は、8〜16.5%が好ましい。AlとMgOの合量が少なくなると、イオン交換性能が低下し易くなる。逆に、AlとMgOの合量が多くなると、耐失透性、成形性が低下し易くなる。よって、AlとMgOの合量は、好ましくは8〜16%、特に好ましくは8〜14%である。
モル比(LiO+NaO+KO)/Alは、好ましくは1〜3、1.4〜3、1.5〜2.5、特に好ましくは1.8〜2.5である。モル比NaO/Alは、好ましくは1〜3、好ましくは1.2〜3、特に好ましくは1.2〜2.5である。モル比MgO/Alは、好ましくは0〜1、0〜0.7、特に好ましくは0〜0.5である。このようにすれば、耐失透性を効果的に改善することができる。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加してもよい。
CaOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、イオン交換性能を向上させる効果が高い。CaOの含有量は、好ましくは0〜6%、好ましくは0〜5%、好ましくは0〜4%、特に好ましくは0〜2%である。しかし、CaOの含有量が多くなると、密度や熱膨張係数が高くなり、またガラスが失透し易くなったり、更にはイオン交換性能が低下し易くなる。
MgOとCaOの合量は、好ましくは0〜7%、好ましくは0〜6%、好ましくは0〜5%、好ましくは0〜4%、特に好ましくは0〜3%である。MgOとCaOの合量が多くなると、イオン交換性能が向上するが、耐失透性が悪化したり、密度や熱膨張係数が高くなり過ぎる。
SrOとBaOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める成分である。SrOの含有量は、好ましくは0〜6%、好ましくは0〜3%、好ましくは0〜1.5%、好ましくは0〜1%、好ましくは0〜0.5%、特に好ましくは0〜0.2%である。BaOの含有量は、好ましくは0〜3%、好ましくは0〜1.5%、好ましくは0〜1%、好ましくは0〜0.5%、特に好ましくは0〜0.2%である。これらの成分が多過ぎると、イオン交換反応が阻害されることに加えて、密度や熱膨張係数が高くなったり、ガラスが失透し易くなる。
SrOとBaOの合量は、好ましくは0〜6%、好ましくは0〜3%、好ましくは0〜2.5%、好ましくは0〜2%、好ましくは0〜1%、特に好ましくは0〜0.2%である。このようにすれば、イオン交換性能を効果的に高めることができる。
アルカリ土類金属酸化物R’O(R’はMg、Ca、Sr、Baから選ばれる1種以上)の含有量が多くなると、密度や熱膨張係数が高くなったり、耐失透性が低下し易くなることに加えて、イオン交換性能が低下し易くなる。よって、R’Oの含有量は、好ましくは0〜10%、好ましくは0〜8%、好ましくは0〜7%、好ましくは0〜6%、特に好ましくは0〜4%である。
ZnOは、イオン交換性能を高める成分であり、特に、圧縮応力値を大きくする効果が高い。また低温粘性を低下させずに、高温粘性を低下させる成分である。しかし、ZnOの含有量が多くなると、ガラスが分相したり、失透性が低下したり、密度が高くなったり、応力深さが小さくなる傾向がある。よって、ZnOの含有量は、好ましくは0〜6%、好ましくは0〜5%、好ましくは0〜3%、特に好ましくは0〜1%である。
質量比R’O/ROが大きくなると、耐失透性が低下し易くなる。よって、質量比R’O/ROは、好ましくは0.5以下、好ましくは0.3以下、特に好ましくは0.2以下である。
TiOは、イオン交換性能を高める成分である。また高温粘度を低下させる効果があるが、その含有量が多過ぎると、ガラスが着色したり、失透し易くなる。よって、TiOの含有量は、好ましくは0〜3%、好ましくは0〜1%、好ましくは0〜0.8%、好ましくは0〜0.5%、特に好ましくは0〜0.1%である。
ZrOは、イオン交換性能を顕著に高めると共に、液相粘度付近の粘性や歪点を高める効果があるが、その含有量が多過ぎると、耐失透性が著しく低下する虞がある。よって、ZrOの含有量は、好ましくは0〜10%、好ましくは0〜5%、好ましくは0〜3%、好ましくは0.001〜3%、好ましくは0.1〜3%、好ましくは1〜3%、特に好ましくは1.5〜3%である。
イオン交換性能向上の観点から、ZrOとTiOを合量で0.1〜15%添加することが望ましい。TiO源、ZrO源として試薬を用いてもよく、ガラス原料等に含まれる不純物から含有させてもよい。
SnOは、イオン交換性能を高める成分であるが、その含有量が多くなると、SnOに起因する失透が発生したり、ガラスが着色し易くなる。よって、SnOの含有量は、好ましくは0.01〜6%、好ましくは0.01〜3%、特に好ましくは0.1〜1%である。
は、イオン交換性能を高める成分であり、特に、応力深さを大きくする成分である。しかし、Pの含有量が多くなると、ガラスが分相したり、耐水性が低下し易くなる。Pの含有量は、好ましくは0〜10%、好ましくは0〜3%、好ましくは0〜1%、特に好ましくは0〜0.5%である。
清澄剤として、As、Sb、CeO、F、Cl、SOの群から選択された一種又は二種以上を0〜3%添加してもよい。特に、SO+Cl 0.001〜5%、好ましくは0.001〜3%を使用することが望ましい。ここで、「SO+Cl」は、SOとClの合量である。
Nd、La等の希土類酸化物は、ヤング率を高める成分である。しかし、ガラス原料自体のコストが高く、また多量に含有させると、耐失透性が低下し易くなる。よって、希土類酸化物の含有量は、好ましくは0〜3%、好ましくは0〜2%、好ましくは0〜1%、好ましくは0〜0.5%、特に好ましくは0〜0.1%である。
CoO、NiO等の遷移金属酸化物は、ガラスを強く着色させて、ガラス基板の透過率を低下させる成分である。特に、タッチパネルディスプレイ用途の場合、遷移金属酸化物の含有量が多くなると、タッチパネルディスプレイの視認性が低下し易くなる。よって、遷移金属酸化物の含有量は、好ましくは0〜0.5%、好ましくは0〜0.1%、特に好ましくは0〜0.05%である。
環境面の配慮から、実質的にAs、PbO、Fを含有しないことが好ましい。環境面の配慮から、実質的にPbO、Biを含有しないことも好ましい。ここで「実質的に〜を含有しない」とは、不純物レベルの混入を許容する趣旨であり、具体的には、その含有量が0.1%未満の場合を指す。
各成分の好適な含有範囲を適宜選択して、好ましいガラス組成範囲とすることができる。その中でも、より好適なガラス組成範囲の例は、以下の通りである。
(1)モル%で、SiO 50〜80%、Al 8〜11%、B0〜3%、LiO 0〜4%、NaO 8〜20%、KO 0〜7.5%、CaO 0〜6%、MgO 0〜%、SrO 0〜6%、BaO 0〜6%、ZnO 0〜6%、Al+MgO 8〜16.5%、CaO+MgO 0〜7%を含有し、モル比(LiO+NaO+KO)/Alが1.3〜2.5、NaO/Alが1.2〜3、MgO/Alが0〜1であり、実質的にAs、PbO、F、BaOを含有しないガラス組成。
(2)モル%で、SiO 55〜75%、Al 8〜10%、B 0〜2%、LiO 0〜4%、NaO 8.5〜20%、KO 3.5〜7.5%、MgO 0〜6%、CaO 0〜6%、SrO 0〜1.5%、BaO 0〜1.5%、ZnO 0〜1%、TiO 0〜0.8%、ZrO 0〜3%、MgO+Al 8〜16%、MgO+CaO 0〜7%、モル比(LiO+NaO+KO)/Alが1.8〜2.5、NaO/Alが1.2〜3、MgO/Alが0〜1、KO/NaOが0.2〜0.5であり、実質的にAs、PbO、F、BaOを含有しないガラス組成。
(3)モル%で、SiO 55〜75%、Al 8〜10%、B 0〜2%、LiO 0〜4%、NaO 10〜16%、KO 3.5〜7.5%、MgO 0〜4%、CaO 0〜4%、SrO 0〜1%、BaO 0〜1%、ZnO 0〜1%、TiO 0〜0.5%、ZrO 0〜3%、P0〜1%、MgO+Al 8〜14%、MgO+CaO 0〜3%、モル比(LiO+NaO+KO)/Alが1.8〜2.5、NaO/Alが1.2〜3、MgO/Alが0〜0.5、KO/NaOが0.2〜0.4であり、実質的にAs、PbO、F、BaOを含有しないガラス組成。
(4)モル%で、SiO 55〜75%、Al 8〜10%、B 0〜2%、LiO 0〜4%、NaO 11〜16%、KO 3.5〜7.5%、MgO 0〜4%、CaO 0〜3%、SrO 0〜0.5%、BaO 0〜0.5%、ZnO 0〜1%、TiO 0〜0.5%、ZrO 0〜3%、P 0〜1%、SnO 0.01〜2%、MgO+Al 8〜14%、MgO+CaO 0〜3%、モル比(LiO+NaO+KO)/Alが1.8〜2.5、NaO/Alが1.2〜2.5、MgO/Alが0〜0.5、KO/NaOが0.2〜0.4であり、実質的にAs、PbO、F、BaOを含有しないガラス組成。
(5)モル%で、SiO 40〜80%、Al 5〜15%、B 0〜8%、LiO 0〜10%、NaO 5〜20%、KO 0.5〜20%、MgO 0〜10%、Al+MgO 8〜16.5%、Sb 0.01〜5%を含有し、モル比(LiO+NaO+KO)/Alが1.4〜3、NaO/Alが1〜3、MgO/Alが0〜1であり、実質的にAs、PbO、Fを含有しないガラス組成。
(6)モル%で、SiO 40〜80%、Al 5〜15%、B 0〜8%、LiO 0〜10%、NaO 5〜20%、KO 0.5〜20%、MgO 0〜10%、Al+MgO 8〜16.5%、SO 0.001〜5%を含有し、モル比(LiO+NaO+KO)/Alが1.4〜3、NaO/Alが1〜3、MgO/Alが0〜1であり、実質的にAs、PbO、Fを含有しないガラス組成。
(7)モル%で、SiO 45〜80%、Al 8〜12%、B 0〜8%、LiO 0〜10%、NaO 5〜20%、KO 0.5〜20%、CaO 0〜6%、MgO 0〜6%、Al+MgO 8〜16.5%、CaO+MgO 0〜7%、SnO+Sb+SO 0.001〜10%を含有し、モル比(LiO+NaO+KO)/Alが1.4〜3、NaO/Alが1〜3、MgO/Alが0〜1、KO/NaOが0.1〜0.8であり、実質的にAs、PbO、Fを含有しないガラス組成。
溶融ガラスを板状に成形する方法としては、オーバーフローダウンドロー法が好ましい。その理由は、オーバーフローダウンドロー法の場合、ガラス基板の表面となるべき面は樋状耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形されることにより、無研磨で表面品位が良好なガラス基板を成形できるからである。ここで、オーバーフローダウンドロー法は、溶融状態のガラスを耐熱性の樋状構造物の両側から溢れさせて、溢れた溶融ガラスを樋状構造物の下端で合流させながら、下方に延伸成形してガラス基板を製造する方法である。桶状構造物の構造や材質は、ガラス基板の寸法や表面精度を所望の状態とし、ガラス基板に使用できる品位を実現できるものであれば、特に限定されない。また、下方への延伸成形を行うために、ガラス基板に対して力を印加する方法も限定されない。例えば、充分に大きい幅を有する耐熱性ロールをガラス基板に接触させた状態で回転させて延伸する方法を採用してもよいし、複数の対になった耐熱性ロールをガラス基板の端面近傍のみに接触させて延伸する方法を採用してもよい。
溶融ガラスを板状に成形する方法としては、オーバーフローダウンドロー法以外にも、種々の方法を採用することができる。例えば、ダウンドロー法(スロットダウン法、リドロー法等)、フロート法、ロールアウト法、プレス法等を採用することができる。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、板厚は、好ましくは0.6mm以下、好ましくは0.55mm以下、好ましくは0.5mm以下、好ましくは0.4mm以下、特に好ましくは0.3mm以下になるように、ガラス基板を成形する。ガラス基板の板厚が小さい程、ガラス基板を軽量化することできる。なお、オーバーフローダウンドロー法でガラス基板を成形すれば、ガラス基板の薄肉化を容易に達成することができる。
本発明の強化ガラス基板の製造方法は、長辺寸法が1000mm以上(好ましくは1200mm以上、好ましくは1500mm以上、好ましくは1800mm以上、特に好ましくは2000mm以上)になるように、ガラス基板を成形する。ガラス基板の長辺寸法が大きい程、大型のTV、デジタルサイネージ、タッチパネルディスプレイ、電子黒板、太陽電池等のカバーガラスに好適になる。なお、ガラス基板の長辺寸法が大きい程、本発明の効果が相対的に大きくなる。
本発明の強化ガラス基板の製造方法は、短辺寸法が500mm以上(好ましくは800mm以上、好ましくは1000mm以上、好ましくは1200mm以上、特に好ましくは1500mm以上)になるように、ガラス基板を成形する。ガラス基板の短辺寸法が大きい程、大型のTV、デジタルサイネージ、タッチパネルディスプレイ、電子黒板、太陽電池等のカバーガラスに好適になる。なお、ガラス基板の短辺寸法が大きい程、本発明の効果が相対的に大きくなる。
本発明の強化ガラス基板の製造方法は、ガラス基板の表面(特に、有効面)を研磨する工程を有しないことが好ましい。未研磨の表面の平均表面粗さ(Ra)は、好ましくは10Å以下、好ましくは5Å以下、特に好ましくは2Å以下である。なお、表面の平均表面粗さ(Ra)は、SEMI D7−97「FPDガラス基板の表面粗さの測定方法」に準拠した方法により測定すればよい。ガラスの理論強度は、本来非常に高いのであるが、理論強度よりも遥かに低い応力でも破壊に至ることが多い。これは、ガラス基板の表面にグリフィスフローと呼ばれる小さな欠陥が、成形後の工程、例えば研磨工程等で生じるからである。よって、強化ガラス基板の表面を未研磨とすれば、本来のガラス基板の機械的強度を損ない難くなり、ガラス基板が破壊し難くなる。また、ガラス基板の表面を未研磨とすれば、研磨工程を省略できるため、ガラス基板の製造コストを下げることができる。更に、ガラス基板の両面全体を未研磨とすれば、ガラス基板が更に破壊し難くなる。なお、ガラス基板の切断面から破壊に至る事態を防止するため、ガラス基板の切断面に面取り加工等を施してもよい。なお、未研磨の表面を得るためには、オーバーフローダウンドロー法でガラス基板を成形すればよい。
本発明の強化ガラス基板の製造方法は、ガラス基板を傾斜させた状態でイオン交換処理を行い、ガラス基板の表面に圧縮応力層を形成することを特徴とする。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、ガラス基板を鉛直方向に対して0.1〜30°傾斜させた状態でイオン交換処理を行うことが好ましい。傾斜角度が小さ過ぎると、大型の強化ガラス基板をイオン交換処理した際に、自重によって、ガラス基板が座屈し変形した状態でイオン交換処理されることになり、強化ガラス基板の反り量が大きくなり易い。よって、傾斜角度は、好ましくは0.1°以上、好ましくは0.3°以上、好ましくは0.5°以上、好ましくは1°以上、好ましくは1.3°以上、好ましくは1.6°以上、好ましくは2°以上、特に好ましくは3°以上である。一方、傾斜角度が大きくなり過ぎると、一回のイオン交換処理において、処理し得るガラス基板の枚数が減少して、強化ガラス基板の生産効率が低下し易くなる。よって、傾斜角度は、好ましくは30°以下、好ましくは25°以下、好ましくは20°以下、好ましくは15°以下、特に好ましくは12°以下である。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、傾斜支持部を有する支持治具を用いて、ガラス基板を傾斜させた状態でイオン交換処理を行うことが好ましい。支持治具の傾斜支持部により、ガラス基板を傾斜させ易くなると共に、ガラス基板の傾斜姿勢を保持し易くなる。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、(傾斜支持部がガラス基板と接する部分の長さ寸法)/(ガラス基板の4辺の長さ寸法の合計)の値は、好ましくは0.01以上、好ましくは0.1以上、好ましくは0.3以上、好ましくは0.5以上、好ましくは0.7以上、好ましくは0.9以上、好ましくは0.95以上、特に好ましくは1以上である。このようにすれば、イオン交換処理の際に、ガラス基板が変形し難くなり、結果として、強化ガラス基板の反り量を低減し易くなる。一方、この値が大き過ぎると、ガラス基板とイオン交換溶液が接する面積が小さくなり、イオン交換処理を適正に行うことが困難になる。(傾斜支持部がガラス基板と接する部分の長さ寸法)/(ガラス基板の4辺の長さ寸法の合計)の値は、好ましくは10以下、好ましくは8以下、好ましくは6以下、好ましくは5以下、好ましくは4以下、特に好ましくは3以下である。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、支持治具の傾斜支持部のガラス基板と接触する部分が、円弧形状であることが好ましい。円弧形状の曲率半径は、好ましくは0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上、好ましくは0.5mm以上、好ましくは1mm以上、好ましくは2mm以上、好ましくは5mm以上、特に好ましくは10mm以上である。また、傾斜支持部を構成する部材の形状は、円柱状が好ましい。このようにすれば、ガラス基板との接触面積を低減し易くなり、イオン交換処理の際に、ガラス基板に傷が付き難くなる。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、イオン交換処理に際し、ガラス基板の短辺側または長辺側の端部が、支持治具の傾斜支持部から1mm以上(好ましくは2mm以上、好ましくは5mm以上、特に好ましくは10mm以上)外側に食み出すように、ガラス基板を配置することが好ましい。ガラス基板の短辺側または長辺側の端部の食み出し寸法が、支持治具の傾斜支持部から1mm未満であると、ガラス基板を支持治具に配置する際に、ガラス基板の短辺側または長辺側の端部と傾斜支持部が接触して、ガラス基板にクラックが発生し易くなる。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、ガラス基板の長辺寸法をLとした場合、イオン交換処理に際し、ガラス基板の何れかの辺(好ましくはガラス基板の長辺)が傾斜支持部と略平行になるように、ガラス基板を支持治具に配置すると共に、その略平行になる辺の端部が、傾斜支持部から0〜0.5/L(好ましくは0.01/L以上、好ましくは0.02/L以上、好ましくは0.03/L以上、好ましくは0.05/L以上、好ましくは0.1/L以上)外側に配置されることが好ましい。このようにすれば、イオン交換処理時において、強化ガラス基板の中央部の反り量を低減し易くなる。一方、その略平行になる辺の端部が、傾斜支持部から離れ過ぎると、その略平行になる辺の端部が変形し易くなる。よって、その略平行になる辺の傾斜支持部からの離反寸法は、好ましくは0.4/L以下、好ましくは0.35/L以下、好ましくは0.3/L以下、特に好ましくは0.2/L以下である。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、支持治具に設けられた傾斜支持部が、相互に離間する複数の部材と、これらの部材を連結する連結部材とから構成されることが好ましい。また、ガラス基板の何れかの辺が、支持治具の連結部材と略垂直になるように、ガラス基板を支持治具に配置することが好ましい。このようにすれば、イオン交換処理時に、ガラス基板の傾斜姿勢を保持し易くなると共に、強化ガラス基板の中央部の反り量を低減し易くなる。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、ガラス基板の短辺寸法をlとした場合、イオン交換処理に際し、ガラス基板の何れかの辺(好ましくはガラス基板の短辺)が連結部材と略平行になるように、ガラス基板を支持治具に配置すると共に、その略平行になる辺の端部が、連結部材から0〜0.5/l(好ましくは0.01/l以上、好ましくは0.02/l以上、好ましくは0.03/l以上、好ましくは0.05/l以上、好ましくは0.1/l以上)外側に食み出すように配置されることが好ましい。このようにすれば、イオン交換処理時において、強化ガラス基板の中央部の反り量を低減し易くなる。一方、その略平行になる辺の端部が、連結部材から離反し過ぎると、その略平行になる辺の端部が変形し易くなる。よって、その略平行になる辺の連結部材からの離反寸法は、好ましくは0.4/l以下、好ましくは0.35/l以下、好ましくは0.3/l以下、特に好ましくは0.2/l以下である。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、表面の圧縮応力値が300MPa以上、好ましくは400MPa以上、好ましくは500MPa以上、好ましくは600MPa以上、好ましくは700MPa以上、特に好ましくは800MPa以上になるように、イオン交換処理を行うことが好ましい。圧縮応力値が大きくなるにつれて、強化ガラス基板の機械的強度が高くなる。一方、圧縮応力値が極端に大きくなると、表面にマイクロクラックが発生し易くなり、また内部の引っ張り応力値が不当に大きくなり、かえって強化ガラス基板の機械的強度が低下する虞がある。よって、圧縮応力値が1200MPa以下、好ましくは1100MPa以下、特に好ましくは1000MPa以下になるように、イオン交換処理を行うことが好ましい。なお、圧縮応力値が大きくするには、Al、TiO、ZrO、MgO、ZnOの含有量を増加させたり、SrO、BaOの含有量を低減すればよい。またイオン交換溶液に浸漬させる時間を短くしたり、イオン交換溶液の温度を下げればよい。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、応力深さが10μm以上、好ましくは15μm以上、好ましくは20μm以上、好ましくは30μm以上、特に好ましくは40μm以上になるように、イオン交換処理を行うことが好ましい。応力深さが大きい程、強化ガラス基板に深い傷が付いても、強化ガラス基板が割れ難くなる。また機械的強度のバラツキが小さくなる。一方、強化ガラス基板を切断し難くなる。よって、応力深さが120μm以下、好ましくは80μm以下、好ましくは70μm以下、好ましくは60μm以下、特に好ましくは55μm以下になるように、イオン交換処理を行うことが好ましい。なお、応力深さを大きくするには、KO、Pの含有量を増加させたり、SrO、BaOの含有量を低減すればよい。またイオン交換溶液に浸漬させる時間を長くしたり、イオン交換溶液の温度を高くすればよい。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、相対する表面の歪差が10MPa以下、好ましくは5MPa以下、好ましくは3MPa以下、特に好ましくは1MPa以下になるガラス基板をイオン交換処理することが好ましい。相対する表面の歪差が大きいガラス基板をイオン交換処理すると、強化ガラス基板の反り量が大きくなる。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、ガラス基板を室温からイオン交換溶液に直接浸漬してもよいが、強化ガラス基板の反り量を低減する上で、イオン交換溶液に浸漬する前に、予備加熱工程を設けることが好ましい。予備加熱温度は、好ましくは(イオン交換温度+50)℃以下、好ましくは(イオン交換温度+40)℃以下、好ましくは(イオン交換温度+30)℃以下、好ましくは(イオン交換温度+20)℃以下、特に好ましくは(イオン交換温度+10)℃以下である。予備加熱温度が高過ぎると、予備加熱工程が長くなり過ぎて、強化ガラス基板の製造効率が低下し易くなる。一方、予備加熱温度が低過ぎる場合、サーマルショックを避けるためにはイオン交換溶液の温度も低下しなければならず、結果として、所望の強化特性を安定して得ることが困難になる。よって、予備加熱温度は、好ましくは(イオン交換温度−50)℃以上、好ましくは(イオン交換温度−40)以上、好ましくは(イオン交換温度−30)℃以上、好ましくは(イオン交換温度−20)℃以上、特に好ましくは(イオン交換温度−10)℃以上である。
予備加熱時間は、好ましくは10分間以上、好ましくは20分間以上、特に好ましくは30分間以上である。予備加熱時間が短過ぎると、ガラス基板の面内の均熱性を確保し難くなり、結果として、強化特性の面内バラツキが発生して、強化ガラス基板に反りが発生し易くなる。一方、予備加熱時間が長過ぎると、予備加熱工程が長くなり過ぎて、強化ガラス基板の製造効率が低下し易くなる。よって、予備加熱時間は、好ましくは2時間以下、好ましくは1.5時間以下、特に好ましくは1時間以下である。
予備加熱工程において、昇温速度は、好ましくは50℃/時以上、好ましくは100℃/時以上、好ましくは150℃/時以上、特に好ましくは200℃/時以上である。昇温速度が速くなる程、予備加熱工程を短縮させることが可能になる。一方、昇温速度が速過ぎると、ガラス基板が破損する虞が生じる。よって、昇温速度は、好ましくは500℃/時以下、好ましくは450℃/時以下、特に好ましくは400℃/時以下である。なお、予備加熱工程は、上記支持治具を用いて、ガラス基板を傾斜させた状態で行うことが好ましいが、ガラス基板を鉛直方向に配置した状態で行ってもよい。
予備加熱工程後に、ガラス基板をイオン交換溶液に浸漬して、イオン交換処理を行う。イオン交換溶液の下限温度は、好ましくは(歪点−100)℃以下、好ましくは(歪点−120)℃以下、好ましくは(歪点−140)℃以下、特に好ましくは(歪点−150)℃以下であり、上限温度は、好ましくは(歪点−250)℃以上、好ましくは(歪点−220)℃以上、特に好ましくは(歪点−200)℃以上である。イオン交換溶液に浸漬させる時間は、好ましくは2〜10時間、特に好ましくは4〜8時間である。イオン交換処理の条件は、ガラス基板の粘度特性、用途、板厚、内部の引っ張り応力等を考慮して最適な条件を選択すればよい。イオン交換処理では、KNO溶融塩中のKイオンをガラス基板中のNa成分とイオン交換すると、ガラス基板の表面に圧縮応力層を効率良く形成することができる。
イオン交換処理後に、徐冷工程を設けることが好ましい。徐冷工程において、イオン交換温度から徐冷温度までの降温速度は、強化ガラス基板の反りを低減するための重要な要素である。この降温速度の下限は、好ましくは30℃/分以上、好ましくは50℃/分以上、好ましくは100℃/分以上、好ましくは150℃/分以上、特に好ましくは200℃/分以上であり、降温速度の上限は、好ましくは500℃/分以下、好ましくは440℃/分以下、特に好ましくは400℃/分以下である。降温速度が速過ぎると、強化ガラス基板が破損する虞が生じる。また急激な冷却によって、強化ガラス基板の面内の温度バラツキにより強化ガラス基板が熱変形し、その影響により、熱変形が反りとして固定化される虞が生じる。一方、降温速度が遅過ぎると、徐冷工程が長くなり過ぎて、強化ガラス基板の製造効率が低下し易くなる。
徐冷温度は、好ましくは100℃以上、好ましくは150℃以上、好ましくは200℃以上、特に好ましくは250℃以上である。徐冷温度が低過ぎると、強化ガラス基板の反りを低減し難くなることに加えて、強化ガラス基板に付着したイオン交換溶液を取り除き難くなる。一方、徐冷温度が高過ぎると、強化特性が低下したり、強化ガラス基板の反り量が大きくなる傾向がある。よって、徐冷温度は、好ましくは400℃以下、好ましくは350℃以下、特に好ましくは300℃以下である。
徐冷時間の下限は、好ましくは30分間以上、特に好ましくは1時間以上であり、上限は、好ましくは5時間以下、特に好ましくは4時間以下である。徐冷時間が短過ぎると、強化ガラス基板の面内の均熱性を確保し難くなり、強化ガラス基板の反り量が大きくなる傾向にある。一方、徐冷時間が長過ぎると、徐冷工程が長くなり過ぎて、強化ガラス基板の製造効率が低下し易くなる。なお、徐冷工程では、上記支持治具を用いて、ガラス基板を傾斜させた状態で行うことが好ましいが、ガラス基板を鉛直方向に配置した状態で行ってもよい。
徐冷工程後に強化ガラス基板を室温環境下に取り出して、急冷してもよい。しかし、過剰な急冷は、強化ガラス基板の反り量を増大させる虞がある。よって、徐冷工程後の降温速度は、好ましくは400℃/時以下、好ましくは300℃/時以下、好ましくは200℃/時以下、好ましくは100℃/時以下、好ましくは80℃/時以下、特に好ましくは50℃/時以下である。一方、徐冷工程後の降温速度が遅過ぎると、徐冷工程が長くなり過ぎて、強化ガラス基板の製造効率が低下し易くなる。
図8は、本発明の強化ガラス基板の製造方法における予備加熱工程から徐冷工程までの温度プロファイルの一例を示すグラフである。図8に示す工程A、Bは予備加熱工程を示しており、工程Aでは室温から予備加熱温度まで昇温する状態を示しており、工程Bでは予備加熱温度で所定時間保持する状態を示している。工程Cはイオン交換温度、イオン交換時間を示している。工程D、Eは徐冷工程を示している。工程Dでは徐冷温度まで降温する状態を示しており、工程Eでは徐冷温度で所定時間保持する状態を示している。工程Fは、徐冷工程後に室温まで降温する状態を示している。
本発明の強化ガラス基板の製造方法において、所定サイズに切断するのは、イオン交換処理の前でもよいが、イオン交換処理後に行う方が製造コストを低減し得るため好ましい。
本発明の強化ガラス基板は、上記の強化ガラス基板の製造方法により作製されてなることを特徴とする。また、本発明の強化ガラス基板は、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス基板であって、長辺寸法が1000mm以上、短辺寸法が500mm以上であり、且つ反り量が1%以下であることを特徴とする。ここで、本発明の強化ガラス基板の技術的特徴(好適な構成、効果等)は、本発明の強化ガラス基板の製造方法の技術的特徴と一部重複している。よって、その重複部分については、その説明を省略する。
本発明の強化ガラス基板において、反り量は、好ましくは1%以下、好ましくは0.8%以下、好ましくは0.5%以下、好ましくは0.3%以下、好ましくは0.2%以下、好ましくは0.1%以下、好ましくは0.05%以下、特に好ましくは0.03%以下である。反り量が大きくなると、ディスプレイに強化ガラス基板を貼り付ける際に空気の巻き込みが発生したり、貼り付け後に強化ガラス基板が剥がれ易くなる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。但し、本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。以下の実施例は、単なる例示である。
表1〜3は、本発明に係る強化ガラス基板のガラス組成と特性を示すものである。尚、表中の「未」の表示は、未測定を意味している。
次のようにして、表中の各試料を作製した。まず、表中のガラス組成となるように、ガラス原料を調合し、白金ポットを用いて1580℃で8時間溶融した。その後、溶融ガラスをカーボン板の上に流し出して板状に成形した。得られたガラス基板について、種々の特性を評価した。
密度は、周知のアルキメデス法により、測定した値である。
歪点Ps、徐冷点Taは、ASTM C336の方法に基づいて、測定した値である。
軟化点Tsは、ASTM C338の方法に基づいて、測定した値である。
104.0dPa・s、103.0dPa・s、102.5dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。
熱膨張係数αは、ディラトメーターにより、30〜380℃の温度範囲における平均値を測定した値である。
液相温度は、ガラスを粉砕し、標準篩30メッシュ(篩目開き500μm)を通過し、50メッシュ(篩目開き300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶の析出する温度を測定した値である。
液相粘度logηTLは、液相温度におけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値である。
ヤング率及び剛性率は、共振法により測定した値である。
表1〜3から明らかなように、試料No.1〜12は、密度が2.54g/cm以下、熱膨張係数が88〜100×10−7/℃、液相粘度が104.6dPa・s以上、102.5dPa・sにおける温度が1650℃以下であり、強化ガラス基板の素材として好適であった。
続いて、各試料の両表面に光学研磨を施した後、No.1〜7、11及び12については、430℃のKNO溶液中に4時間浸漬し、またNo.8〜10については、460℃のKNO溶液中に6時間浸漬することによって、イオン交換処理を行った。なお、所定の支持治具を用いて、各試料を5°傾斜させた状態でイオン交換処理を行った。イオン交換処理を行った後、各試料の表面を洗浄した後、表面応力計(株式会社東芝製FSM−6000)を用いて、観察される干渉縞の本数とその間隔から表面の圧縮応力値と応力深さを算出した。算出に当たり、各試料の屈折率を1.53、光学弾性定数を28[(nm/cm)/MPa]とした。なお、ガラス基板(未強化ガラス基板)と強化ガラス基板は、表層において微視的にガラス組成が異なっているものの、全体として見た場合、ガラス組成は実質的に相違していない。
表1〜3から明らかなように、試料No.1〜12は、圧縮応力値が324MPa以上であり、且つ応力深さが15μm以上であった。
なお、上記では、本発明の説明の便宜上、流し出しにより、ガラス基板を成形した後、イオン交換処理の前に光学研磨を行った。工業的規模で本発明を実施する場合は、オーバーフローダウンドロー法等でガラス基板を成形し、ガラス基板の両表面が未研磨の状態でイオン交換処理を行うことが望ましい。
[実施例1]の試料No.10を用いて、ガラス基板の傾斜角度、傾斜支持部の位置及び連結部材の位置が、強化ガラス基板の反り量に及ぼす影響を調査した。
[実験1]
まず図2に示す支持治具と同様の支持治具(Type A:傾斜角度3°)を用いて、強化ガラス基板(長辺寸法1500mm×短辺寸法1200mm×板厚0.3mm、長辺寸法1500mm×短辺寸法1200mm×板厚0.5mm)の反り量をシミュレーションした。図9は、[実施例2]の実験を説明するための説明図であり、ガラス基板Gを上方から見た概念図である。図9に示す通り、ガラス基板Gの長辺寸法をL、ガラス基板の短辺寸法をlとした。そして、ガラス基板Gの短辺側(長辺側でもよい。以下同様)の端部と、傾斜支持部の一対の支持枠材4、5との間隔をAとした。なお、ガラス基板Gの短辺側の一方の端部(図面で左側の端部)と傾斜支持部の一方側の支持枠材4の間隔Aと、ガラス基板Gの短辺側の他方の端部(図面で右側の端部)と傾斜支持部の他方側の支持枠材5の間隔Aとを同様とした。また、図9では、ガラス基板Gの長辺側(短辺側でもよい。以下同様)の端部と、連結枠材3ea、3ebとの間隔をBとしているが、今回の実験では、これら連結枠材を設けていない傾斜支持部の支持枠材4、5が使用されている。シミュレーションの結果を表4、図10に示す。
表4、図10から明らかなように、ガラス基板を傾斜させた状態でイオン交換処理を行うと、ガラス基板が大型且つ薄型であっても、反り量を一定範囲内に低減し得ることが分かる。なお、図10に示す六つの図について説明をすると、これらの各図の下方には、左側から右側に向かって、紺色、青色、緑色、黄色、赤色の順に、八段階で着色された指標が横方向に一直線状に並んでいる。そして、この一直線状に並ぶ指標の下方には、左側から右側に向かって、0、4、8、12、16、20、24、28、32という数値が等間隔で記載されている(後述する図11及び図12についても同様)。これらの数値は、引張応力の値(MPa)を示している。この指標を参酌して、図10の六つの図を視た場合、何れの図についても、24MPaを超える引張応力は発生しておらず、大半の領域が低い引張応力の値を示している。この事は、六つの図の全てについて、強化ガラス基板の反り量が小さいことを意味している。
[実験2]
まず図3に示す支持治具と同様の支持治具(Type B:傾斜角度10°)を用いて、強化ガラス基板(長辺寸法1500mm×短辺寸法1200mm×板厚0.3mm、長辺寸法1500mm×短辺寸法1200mm×板厚0.5mm)の反り量をシミュレーションした。ここで、図9に示す通り、ガラス基板Gの長辺寸法をL、ガラス基板Gの短辺寸法をlとした。そして、ガラス基板Gの短辺側の端部と傾斜支持部の一対の支持枠材4、5との間隔をAとし、ガラス基板Gの長辺側の端部と連結枠材3ea、3ebとの間隔をBとした。なお、ガラス基板Gの短辺側の一方の端部(図面で左側の端部)と傾斜支持部の一方側の支持枠材4の間隔Aと、ガラス基板Gの短辺側の他方の端部(図面で右側の端部)と傾斜支持部の他方側の支持枠材5の間隔Aを同様とし、ガラス基板Gの長辺側の端部(図面で上側の端部)と上側の連結枠材3eaの間隔Bと、ガラス基板Gの長辺側の端部(図面で下側の端部)と下側の連結枠材3ebの間隔Bを同様とした。シミュレーションの結果を表4、図11に示す。
表4、図11から明らかなように、ガラス基板を傾斜させた状態でイオン交換処理を行うと、ガラス基板が大型且つ薄型であっても、反り量を一定範囲内に低減し得ることが分かる。なお、図11に示された六つの図を視る限りにおいても、既述の着色の指標を参酌すれば、大半の領域が低い引張応力の値を示しているため、これら全ての強化ガラス基板の反り量が小さいことを把握することができる。
[実験3]
まず図3に示す支持治具と同様の支持治具(Type B:傾斜角度10°)を用いて、強化ガラス基板(長辺寸法1500mm×短辺寸法1200mm×板厚0.3mm、長辺寸法1500mm×短辺寸法1200mm×板厚0.5mm)の反り量をシミュレーションした。ここで、図9に示す通り、ガラス基板Gの長辺寸法をL、ガラス基板Gの短辺寸法をlとした。そして、ガラス基板Gの短辺側の端部と傾斜支持部の一対の支持枠材4、5との間隔をAとし、ガラス基板Gの長辺側の端部と連結枠材3ea、3ebとの間隔をBとした。なお、ガラス基板Gの短辺側の一方の端部(図面で左側の端部)と傾斜支持部の一方側の支持枠材4の間隔Aと、ガラス基板Gの短辺側の他方の端部(図面で右側の端部)と傾斜支持部の他方側の支持枠材5の間隔Aを同様とし、ガラス基板Gの長辺側の端部(図面で上側の端部)と上側の連結枠材3eaの間隔Bと、ガラス基板Gの長辺側の端部(図面で下側の端部)と下側の連結枠材3ebの間隔Bを同様とした。シミュレーションの結果を表4、図12に示す。
表4、図12から明らかなように、ガラス基板を傾斜させた状態でイオン交換処理を行うと、ガラス基板が大型且つ薄型であっても、反り量を一定範囲内に低減し得ることが分かる。なお、図12に示された六つの図を視る限りにおいても、既述の着色の指標を参酌すれば、大半の領域が低い引張応力の値を示しているため、これら全ての強化ガラス基板の反り量が小さいことを把握することができる。
なお、ガラス基板を鉛直方向に支持した状態でイオン交換処理を行うと、ガラス基板の僅かに変形した部分を起点にして、自重により座屈し、結果として、反り量が不当な範囲になると考えられる。また、実験1〜3では、予備加熱工程と徐冷工程の条件が十分に検討されていないが、強化ガラス基板の反り量を低減するためには、上記のような予備加熱工程と徐冷工程を設けることが望ましい。
本発明の強化ガラス基板の製造方法は、大型のTV、デジタルサイネージ、タッチパネルディスプレイ、電子黒板、太陽電池等のカバーガラスの製造方法として好適である。また、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、これらの用途以外にも、高い機械的強度が要求される用途、例えば窓ガラス、磁気ディスク用基板、フラットパネルディスプレイ用基板、太陽電池用カバーガラス、固体撮像素子用カバーガラスの製造方法への応用が期待される。
G ガラス基板
2 支持治具
4、5 傾斜支持部(支持枠材)
3ea、3eb 傾斜支持部(連結枠材)
3ca、3cb 側部補強枠材
3da、3db 底部補強枠材
3ha、3hb ずれ防止枠材

Claims (11)

  1. ガラス原料を溶融し、その溶融ガラスをオーバーフローダウンドロー法で板状に成形することにより、長辺寸法1000mm以上、短辺寸法500mm以上のガラス基板を得た後、支持治具に設けた傾斜支持部によりガラス基板を支持することによって、ガラス基板の表面を鉛直方向に対して傾斜させると共に、(傾斜支持部がガラス基板と接する部分の長さ寸法)/(ガラス基板の4辺の長さ寸法の合計)の値が0.01以上となる状態でイオン交換処理を行うことにより、ガラス基板の表面に圧縮応力層を形成することを特徴とする強化ガラス基板の製造方法。
  2. ガラス基板の表面を鉛直方向に対して0.1〜30°傾斜させた状態でイオン交換処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の強化ガラス基板の製造方法。
  3. 傾斜支持部のガラス基板と接触する部分の断面形状が、曲率半径0.1mm以上の円弧形状であることを特徴とする請求項又はに記載の強化ガラス基板の製造方法。
  4. ガラス基板の短辺側または長辺側の端部が、傾斜支持部から1mm以上外側に食み出すように、ガラス基板を配置することを特徴とする請求項の何れかに記載の強化ガラス基板の製造方法。
  5. 支持治具に設けられた傾斜支持部は、相互に離間する複数の部材と、これらの部材を連結する連結部材とから構成されていることを特徴とする請求項の何れかに記載の強化ガラス基板の製造方法。
  6. 液相温度1200℃以下のガラス基板が得られるように、ガラス原料を調合することを特徴とする求項1〜の何れかに記載の強化ガラス基板の製造方法。
  7. 液相粘度104.0dPa・s以上のガラス基板が得られるように、ガラス原料を調合することを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の強化ガラス基板の製造方法。
  8. モル%で、SiO 40〜80%、Al 5〜15%、B 0〜8%、LiO 0〜10%、NaO 8.5〜20%、KO 0〜20%、MgO 0〜6%、Al+MgO 8〜16.5%を含有し、モル比で、(LiO+NaO+KO)/Al比が1〜3、NaO/Al比が1〜3、MgO/Al比が0〜1であり、実質的にAs、PbO、Fを含有しないガラス組成になるように、ガラス原料を調合することを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の強化ガラス基板の製造方法。
  9. 相対する表面の歪差が10MPa以下になるガラス基板をイオン交換処理することを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の強化ガラス基板の製造方法。
  10. 表面の圧縮応力値が300MPa以上、且つ応力深さが10μm以上になるように、イオン交換処理を行うことを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の強化ガラス基板の製造方法。
  11. ガラス基板の表面を研磨する工程を有しないことを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の強化ガラス基板の製造方法。
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