JP6186990B2 - 車両制御システム、車両制御装置及び携帯通信端末 - Google Patents

車両制御システム、車両制御装置及び携帯通信端末 Download PDF

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Description

本発明は、携帯通信端末との間で無線通信を行うことで車両の各種動作を許可又は実行する車両制御装置に関する。
いわゆるスマートフォン等の携帯通信端末と、車両に搭載された車両制御装置との間で無線通信を行い、携帯通信端末側の認証情報と車両側の認証情報とが合致したときに、ドアの施開錠やエンジン始動を行う電子キーシステムが提案されている。この種の電子キーシステムでは、スマートフォン等の携帯通信端末に広く普及しているBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を用いて、携帯通信端末と車両との間で通信を行うものがある。
また、電子キーとして機能する携帯通信端末を所持するユーザが車両に接近することで、車両の足元灯や室内灯を点灯させ、更に接近するとドアの開錠やエンジンの始動を可能にするといったサービスが提案されている。このようなサービスでは、車両と携帯通信端末との位置関係(例えば、距離)に応じて対処する制御内容を変更するために、車両と携帯通信端末とが定期的に頻度よく交信して位置関係を特定する必要がある。
特開2004−236166号公報
一方、近距離無線通信を利用する車両及び携帯通信端末においては、バッテリの消耗を抑制するために待機中の電力消費を抑制することが必要である。そのためには、車両と携帯通信端末とが通信を行う時間間隔を長くすることが求められる。しかし、通信時間間隔を長くしてバッテリを節約することに対する背反事項として、車両と携帯通信端末との位置関係に応じたサービスのレスポンスが悪化するという問題がある。例えば、ユーザが走ったり自転車で車両に接近するときのように、車両への接近動作が速い場合、車両と携帯通信端末との通信時間間隔が長いと、通信が行われない間にユーザがサービスの提供範囲を通過してしまう可能性がある。このような場合、車両が必要な位置で必要なサービスを提供できなくなる。
一方、特許文献1には、携帯通信端末と端末認証装置とが、無線接続を確立するための存在通知信号を送受信する時間間隔を、バッテリの残電気容量に応じて変更する技術が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載の技術は、携帯通信端末の移動状況を考慮せずに通信時間間隔を制御するものであり、上記問題を解決することはでない。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、車両と携帯通信端末との間の無線通信の通信時間間隔を制御することで、電力消費の低減と適切なサービスの提供とを両立するための技術を提供することを目的とする。
本発明の車両制御システムは、車両制御装置と携帯通信端末とが無線接続しているときに、定められた通信時間間隔で交信し、交信の結果に応じて車両制御装置が車両に備えられた特定の機器の動作を制御するものであって、取得手段と決定手段とを備える。取得手段は、携帯通信端末の運動状態を示す運動情報を取得する。決定手段は、取得手段により取得された運動情報で示される運動状態に応じて、通信時間間隔を決定する。そして、車両制御装置及び携帯通信端末は、決定された通信時間間隔に従って交信する。
本発明によれば、携帯通信端末の運動状態に応じて通信時間間隔を柔軟に制御できる。例えば、携帯通信端末の運動状態が不活発なときには、車両制御装置と携帯通信端末との通信時間間隔を長くする一方、活発なときには通信時間間隔を短くするといった運用が考えられる。
携帯通信端末の運動状態が活発であることは、携帯通信端末を所持したユーザが車両に急激に接近している可能性があると推測できる状況である。この場合、ユーザと車両との位置関係に応じて適切なタイミングでサービスを実施するためには、車両制御装置と携帯通信端末との交信によってユーザの接近状況を頻度よく把握する必要がある。そこで、このような状況下では、通信時間間隔を短くすることで、ユーザが車両近辺のサービス範囲に進入したときに対応するサービスを素早く実施できる。
反対に、携帯通信端末の運動状態が不活発であることは、携帯通信端末が停滞している可能性が高いと推測できる状況である。この場合、ユーザの接近状況を頻度よく把握する必要性は低い。そこで、このような状況下では、通信時間間隔を長くすることで過剰な通信が抑制され、車両及び携帯通信端末の電力消費を低減できる。
電子キーシステムの概略構成を示すブロック図。 第1実施形態の通信手順を示すシーケンス図。 (a)加速度及び距離と、通信時間間隔との関係を示す説明図、(b)加速度と通信時間間隔との関係を示す説明図。 認証ECUのメイン処理(第1実施形態)の手順を示すフローチャート。 携帯通信端末の通信処理(第1実施形態)の手順を示すフローチャート。 第2実施形態の通信手順を示すシーケンス図。 認証ECUのメイン処理(第2実施形態)の手順を示すフローチャート。 携帯通信端末の通信処理(第2実施形態)の手順を示すフローチャート。 問合せ処理の手順を示すフローチャート。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく様々な態様にて実施することが可能である。
[電子キーシステムの構成の説明]
図1に示すとおり、実施形態の電子キーシステムは、車両1に搭載された認証ECU10及びBT通信機12からなる車載装置と、車両1の使用者が携帯する携帯通信端末2からなる。
認証ECU10は、携帯通信端末2との間で無線通信を利用した認証処理及びエリア判定を行い、認証処理及びエリア判定の結果に応じて、ウェルカムライトの点灯や、ドアの施開錠、エンジンの始動の許可又は実行する電子制御装置である。認証ECU10は、図示しないCPU、ROM、RAM等を中心に構成された情報処理装置からなる制御部11を備える。また、認証ECU10には、電子キーシステムにおける認証用のIDコードや、車両制御を実行するエリアを判定するための閾値が登録されている。
認証ECU10には、BT通信機12が接続されており、このBT通信機12を介して携帯通信端末2との間で無線通信が可能となっている。BT通信機12は、携帯通信端末2に内蔵されたBT通信回路31との間でBluetoothの通信規格に準拠した通信方式の近距離無線通信を行う通信モジュールである。このBT通信機12は、半径数m〜100m程度の範囲で携帯通信端末2と交信できる。BT通信機12は、BT通信機12を制御する電子回路である制御部13と、ベースバンド信号と無線周波数信号との変換を行う高周波回路であるRF回路14と、アンテナ15とを備える。アンテナ15は、例えば、車両1の屋根やボンネット等の車外空間側に設置される。
認証ECU10は、通信圏内に進入してきた携帯通信端末2との間でBluetoothの無線接続を確立する。無線接続の確立後、認証ECU10は、決定された通信時間間隔ごとに携帯通信端末2と交信する。そして、交信の結果特定された車両1と携帯通信端末2との位置関係(距離)に応じて、所定の車載機器を制御する。
認証ECU10は、車両1に設けられた各種センサ20に接続されている。本実施形態では、各種センサ20として、車両1のドアの外側のハンドル等に設けられたタッチセンサやボタンスイッチ等を想定している。これにより、認証ECU10は、ユーザが車両のドアのハンドルに触れる所作を検知できるようになっている。そして、携帯通信端末2のID認証が成立し、かつ携帯通信端末2が所定のエリア内に進入している条件下において、ユーザが車両のドアのハンドルに触れた所作が検知された場合、認証ECU10がドアを開錠する指示を与えるようになっている。
また、認証ECU10は、車両1に設けられたエンジンスイッチ21に接続されている。これにより、認証ECU10は、エンジン始動の許可を与えたりできるようになっている。また、認証ECU10は、車内通信ネットワークの通信路である通信バス22に接続されている。これにより、認証ECU10は、通信バス22を介してボデーECU23と通信し、車両1に設けられた各種アクチュエータ24を制御できるようになっている。ボデーECU23は、電気式ドアロックや照明、電源供給システム等の内装品を制御する電子制御装置である。ボデーECU23には、車両1の内装品の駆動源である各種アクチュエータ24が接続されている。
携帯通信端末2は、車両1のドア施開錠やエンジンの始動を行うための電子キーとして用いられる電子機器であり、例えば、いわゆるスマートフォンと呼ばれる高機能携帯電話等により具現化される。携帯通信端末2は、制御部30、BT通信回路31、加速度センサ32、スピーカ33、ディスプレイ34を備える。
制御部30は、図示しないCPU、ROM、RAM等を中心に構成された情報処理装置であり、携帯通信端末2の各種動作を制御する。制御部30には、携帯通信端末2を電子キーとして機能させるための情報として、認証用のIDコードが登録されている。
制御部30には、BT通信回路31が接続されており、このBT通信回路31を介して車両1の認証ECU10との間で無線通信が可能となっている。BT通信回路31は、車両1に搭載されたBT通信機12との間でBluetoothの通信規格に準拠した通信方式の近距離無線通信を行う通信モジュールである。このBT通信機12は、半径数m〜100m程度の範囲で車両1のBT通信機12と交信できる。
加速度センサ32は、例えば光学式や半導体式等の方式により携帯通信端末2にかかる加速度を検出するセンサである。加速度センサ32は、携帯通信端末2がユーザによって所持されて移動する際に加わる加速度を検出し、検出結果に応じた加速度情報を制御部30に出力する。スピーカ33は、音声出力を行うための出力装置であり、制御部30からの音声情報を出力する。ディスプレイ34は、画像を表示するための出力装置であり、制御部30からの画像情報を表示する。
実施形態の電子キーシステムでは、図1に例示されるように、車両1から近距離の所定範囲に近づいたユーザに向けた機能を実行するサービスA提供エリアと、サービスA提供エリアより遠距離の所定範囲に近づいたユーザに向けた機能を実行するサービスB提供エリアとが定義されているものとする。認証ECU10は、携帯通信端末2と定期的に交信することで車両1と携帯通信端末2との距離を計測する。なお、車両1と携帯通信端末2との距離は、受信電波強度を用いる計測方法(例えば、RSSI:Received Signal Strength Indication)により特定する。あるいは、RSSIに限らず、TOA(Time Of Arrival)、TDOA(Time Difference Of Arrival)、及びAOA(Angle Of Arrival)等の周知技術を用いて、車両1と携帯通信端末2との距離を特定してもよい。あるいは、車両1及び携帯通信端末2にGPS受信機が搭載されている場合、両者のGPSによる測位結果に基づいて距離を算出する構成であってもよい。
そして、携帯通信端末2がサービスB提供エリアに進入すると、認証ECU10は、IDコードの照合による携帯通信端末2に対する認証処理を経て、サービスB提供エリアに対応する機能(例えば、ウェルカムランプ)を実行する。つぎに、携帯通信端末2が更に車両1に接近し、サービスA提供エリアに進入すると、認証ECU10は、IDコードの照合による携帯通信端末2に対する認証処理を経て、サービスA提供エリアに対応する機能(例えば、アンロック)を実行する。
上述のような車両1と携帯通信端末2との位置関係に応じて異なるサービスを実現するために、認証ECU10と携帯通信端末2は、決められた通信時間間隔で交信する。その際、本発明の特徴的な構成として、携帯通信端末2の運動状態、及び車両1と携帯通信端末2との距離に応じて、認証ECU10と携帯通信端末2とが互いに通信時間間隔を変更する。以下、第1実施形態として、通信時間間隔の決定を認証ECU10が行う構成について説明し、第2実施形態として、通信時間間隔の決定を携帯通信端末2が行う構成について説明する。
[第1実施形態:通信シーケンスの説明]
車両1の認証ECU10と携帯通信端末2が実行する通信シーケンス(第1実施形態)について、図2のシーケンス図に基づいて説明する。
まず、認証ECU10及び携帯通信端末2は、Bluetoothによる無線接続を確立するための「問合せ」、「呼出し」及び「応答」等の一連の通信を行う(S10)。ここでは、Bluetoothの規格に基づき、所定の接続手順を経て、認証ECU10と携帯通信端末2との無線接続が確立する(S12)。
認証ECU10と携帯通信端末2との間で無線接続が確立すると、携帯通信端末2は、加速度センサ32による検出結果に基づき、携帯通信端末2の現在の運動状態(加速度)を取得する(S14)。携帯通信端末2は、取得した運動状態を通知する情報(運動情報)を、無線通信により認証ECU10に送信する(S16)。
認証ECU10は、携帯通信端末2から送信された運動情報を受信すると、その際の受信電波強度から車両1と携帯通信端末2との距離を特定する(S18)。あるいは、TOA、TDOA、及びAOA等の周知技術を用いて、車両1と携帯通信端末2との距離を特定してもよい。あるいは、車両1及び携帯通信端末2にGPS受信機が搭載されていれば、両者のGPSによる測位結果を取得して距離を特定してもよい。つぎに、認証ECU10は、受信した運動情報で示される携帯通信端末2の運動状態と、車両1と携帯通信端末2との距離に応じた通信時間間隔Aを決定する(S20)。
なお、通信時間間隔は、図3(a)に例示される相関関係に基づき、携帯通信端末2にかかる加速度が大きいほど、また、車両1と携帯通信端末2との距離が短いほど通信時間間隔が短くなるように決定される。第1実施形態では、このような相関関係を示す基準データが、認証ECU10のメモリに予め登録されており、認証ECU10が基準データを参照して通信時間間隔を決定する。あるいは、車両1と携帯通信端末2との距離を考慮せず、図3(b)に例示される相関関係のように、単純に、携帯通信端末2にかかる加速度が大きいほど通信時間間隔が短くなるように通信時間間隔が決定される構成であってもよい。
そして、認証ECU10は、決定した通信時間間隔Aを通知する情報(時間情報)を無線通信により携帯通信端末2に送信する(S22)。携帯通信端末2は、認証ECU10から時間情報を受信する。このように、認証ECU10において通信時間間隔が決定され、決定された通信時間間隔が携帯通信端末2に通知されることで、無線接続した認証ECU10と携帯通信端末2との間で、電子キーシステムの動作に係る通信を行うための時間間隔が合意決定される。
携帯通信端末2は、認証ECU10から通信時間間隔Aを通知する時間情報を受信すると、通信時間間隔Aに従うタイミングで次の通信を実行する。携帯通信端末2は、通信時間間隔Aに相当する時間後に、携帯通信端末2の現在の運動状態を取得し(S24)、取得した運動状態を通知する運動情報を認証ECU10に送信する(S26)。
これに対し、認証ECU10は、携帯通信端末2から運動情報を受信すると、携帯通信端末2との距離を特定する(S28)。つぎに、認証ECU10は、受信した運動情報で示される携帯通信端末2の運動状態と、車両1と携帯通信端末2との距離に応じた、新たな通信時間間隔Bを決定する(S30)。そして、認証ECU10は、決定した通信時間間隔Bを通知する時間情報を携帯通信端末2に送信する(S32)。携帯通信端末2は、認証ECU10から時間情報を受信する。これにより、認証ECU10と携帯通信端末2との間で、通信時間間隔Bが合意決定される。
携帯通信端末2は、認証ECU10から通信時間間隔Bを通知する時間情報を受信すると、通信時間間隔Bに従うタイミングで次の通信を実行する。携帯通信端末2は、通信時間間隔Bに相当する時間を待機する。そして、再び携帯通信端末2の現在の運動状態を取得し(S34)、取得した運動状態を通知する運動情報を認証ECU10に送信する(S36)。
これに対し、認証ECU10は、携帯通信端末2から運動情報を受信すると、携帯通信端末2との距離を特定する(S38)。つぎに、認証ECU10は、受信した運動情報で示される携帯通信端末2の運動状態と、車両1と携帯通信端末2との距離に応じた、新たな通信時間間隔Cを決定する(S40)。そして、認証ECU10は、決定した通信時間間隔Cを通知する時間情報を携帯通信端末2に送信する(S42)。携帯通信端末2は、認証ECU10から時間情報を受信する。これにより、認証ECU10と携帯通信端末2との間で、通信時間間隔Cが合意決定される。
以降、前述のものと同様の手順で、合意決定した通信時間間隔に従うタイミングで認証ECU10と携帯通信端末2とが交信しながら、携帯通信端末2の運動状態や距離に応じて通信時間間隔を随時変更する。なお、上述の事例では、前回の交信において合意決定した通信時間間隔に従うタイミングで交信する度に、新たな通信時間間隔を毎回決定するようになっている。これとは別に、1回決定した通信時間間隔で複数回の交信を行ってから次の通信時間間隔を決定するような構成であってもよい。その場合、通信時間間隔の更新を行わないときの通信では、運動状態の取得及び通知を省略して形式的な通信を行うようにしてもよい。
[第1実施形態:メイン処理の説明]
認証ECU10の制御部11が実行するメイン処理(第1実施形態)の手順について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、認証ECU10と携帯通信端末2との間でBluetoothの無線接続が確立しているときに実行される。
S100では、制御部11は、携帯通信端末2から送信される運動情報を受信する。運動情報は、送信元の携帯通信端末2の運動状態(加速度)を示す情報である。S102では、制御部11は、車両1と携帯通信端末2との距離を特定する。具体的には、携帯通信端末2から運動情報を受信したときの受信電波強度、TOA、TDOA、AOA等、あるいは、車両1及び携帯通信端末2におけるGPSの測位結果に基づいて距離を特定する。
そして、S104では、制御部11は、S100で受信した運動情報で示される携帯通信端末2の運動状態と、車両1と携帯通信端末2との距離に基づいて、通信時間間隔を決定する。具体的には、上述の通信シーケンスにおいて説明したとおり、認証ECU10に予め登録されている基準データ(図3参照)を参照することで、運動状態及び距離に応じた通信時間帯を決定する。なお、S104において、車両1と携帯通信端末2との距離の変化の履歴を参照し、距離が変化しない状態が規定時間以上継続している場合、携帯通信端末2の運動状態に関わらず、通信時間間隔を規定の最大値に設定するような構成を採用してもよい。次のS106では、制御部11は、S104で決定した通信時間間隔を通知する時間情報を携帯通信端末2に送信する。
S108では、制御部11は、S102で特定した距離に基づいて、携帯通信端末2がサービス提供エリアに進入したか否かを判定する。本実施形態では、遠距離側のサービスB提供エリア及び近距離側のサービスA提供エリア(図1参照)について、携帯通信端末2が進入したか否かを判定する。携帯通信端末2がサービス提供エリア外にある場合(S108:NO)、制御部11はS100に戻る。一方、携帯通信端末2がサービス提供エリアに進入した場合(S108:YES)、制御部11はS110に進む。
S110では、制御部11は、携帯通信端末2のIDコードの照合による認証処理を経て、携帯通信端末2が位置するサービス提供エリアに該当する機器の動作を、ボデーECU23に指示する。具体的には、ウェルカムランプの点灯やドアのアンロック等の動作が例示される。動作の指示後、制御部11はS100に戻る。
[第1実施形態:携帯通信端末2の通信処理の説明]
携帯通信端末2の制御部30が実行する通信処理(第1実施形態)の手順について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、携帯通信端末2と認証ECU10との間でBluetoothの無線接続が確立しているときに実行される。
S200では、制御部30は、加速度センサ32による検出結果に基づいて、携帯通信端末2の運動状態(加速度)を取得する。S202では、制御部30は、S200で取得した運動状態を通知する運動情報を認証ECU10に送信する。そして、S204では、制御部30は、S202で送信した運動状態に対して認証ECU10から返送される時間情報を受信する。この時間情報は、認証ECU10において決定された通信時間間隔を通知する情報である。次のS206では、制御部30は、S204で受信した時間情報で示される通信時間間隔に相当する時間を待機して、S200に戻る。
[第2実施形態:通信シーケンスの説明]
車両1の認証ECU10と携帯通信端末2が実行する通信シーケンス(第2実施形態)について、図6のシーケンス図に基づいて説明する。
まず、認証ECU10及び携帯通信端末2は、Bluetoothによる無線接続を確立するための「問合せ」、「呼出し」及び「応答」等の一連の通信を行い(S50)、無線接続を確立する(S52)。この手順は、上述の第1実施形態(図2参照)のS10,S12と同様である。
認証ECU10と携帯通信端末2との間で無線接続が確立すると、携帯通信端末2は、加速度センサ32による検出結果に基づき、携帯通信端末2の現在の運動状態(加速度)を取得する(S54)。つぎに携帯通信端末2は、携帯通信端末2と車両1との距離を特定する(S56)。具体的には、車両1から発信される信号の受信電波強度に基づいて距離を特定してもよいし、TOA、TDOA、AOA等の手法を用いて距離を特定してもよい。あるいは、車両1及び携帯通信端末2に搭載されているGPS受信機による測位結果を取得して、距離を特定してもよい。
そして、携帯通信端末2は、取得した運動状態と、携帯通信端末2と車両1との距離に応じた通信時間間隔Aを決定する(S58)。なお、通信時間間隔は、図3(a)に例示される相関関係に基づき、携帯通信端末2にかかる加速度が大きいほど、また、車両1と携帯通信端末2との距離が短いほど通信時間間隔が短くなるように決定される。第2実施形態では、このような相関関係を示す基準データが、携帯通信端末2のメモリに予め登録されており、携帯通信端末2の制御部30が基準データを参照して通信時間間隔を決定する。あるいは、携帯通信端末2と車両1との距離を考慮せず、図3(b)に例示される相関関係のように、単純に、携帯通信端末2にかかる加速度が大きいほど通信時間間隔が短くなるように通信時間間隔が決定される構成であってもよい。その場合、携帯通信端末2と車両1との距離を特定する手順(S56)は省略してよい。
つぎに、携帯通信端末2は、決定した通信時間間隔Aを通知する情報(時間情報)を無線通信により認証ECU10に送信する(S60)。認証ECU10は、携帯通信端末2から時間情報を受信する。このように、携帯通信端末2において通信時間間隔が決定され、決定された通信時間間隔が認証ECU10に通知されることで、無線接続した認証ECU10と携帯通信端末2との間で、電子キーシステムの動作に係る通信を行うための時間間隔が合意決定される。
携帯通信端末2は、認証ECU10に通信時間間隔Aを通知する時間情報を送信すると、通信時間間隔Aに従うタイミングで次の通信を実行する。携帯通信端末2は、通信時間間隔Aに相当する時間を待機し、運動状態の取得(S62)、及び携帯通信端末2と車両1との距離の特定(S64)を再度行い、取得した運動状態及び特定した距離に応じた新たな通信時間間隔Bを決定する(S66)。そして、携帯通信端末2は、決定した通信時間間隔Bを通知する時間情報を認証ECU10に送信する(S68)。認証ECU10は、携帯通信端末2から時間情報を受信する。これにより、認証ECU10と携帯通信端末2との間で、通信時間間隔Bが合意決定される。
携帯通信端末2は、認証ECU10に通信時間間隔Bを通知する時間情報を送信すると、通信時間間隔Bに従うタイミングで次の通信を実行する。携帯通信端末2は、通信時間間隔Bに相当する時間を待機し、運動状態の取得(S70)、及び携帯通信端末2と車両1との距離の特定(S72)を再度行い、取得した運動状態及び特定した距離に応じた新たな通信時間間隔Cを決定する(S74)。そして、携帯通信端末2は、決定した通信時間間隔Cを通知する時間情報を認証ECU10に送信する(S76)。認証ECU10は、携帯通信端末2から時間情報を受信する。これにより、認証ECU10と携帯通信端末2との間で、通信時間間隔Cが合意決定される。
以降、前述のものと同様の手順で、合意決定した通信時間間隔に従うタイミングで認証ECU10と携帯通信端末2とが交信しながら、携帯通信端末2の運動状態や距離に応じて通信時間間隔を随時変更する。なお、上述の事例では、前回の交信において合意決定した通信時間間隔に従うタイミングで交信する度に、新たな通信時間間隔を毎回決定するようになっている。これとは別に、1回決定した通信時間間隔で複数回の交信を行ってから次の通信時間間隔を決定するような構成であってもよい。その場合、通信時間間隔の更新を行わないときの通信では、運動状態の取得や距離の特定を省略して形式的な通信を行うようにしてもよい。
[第2実施形態:メイン処理の説明]
認証ECU10の制御部11が実行するメイン処理(第2実施形態)の手順について、図7のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、認証ECU10と携帯通信端末2との間でBluetoothの無線接続が確立しているときに実行される。
S300では、制御部11は、携帯通信端末2から送信される時間情報を受信する。時間情報は、携帯通信端末2において決定された通信時間間隔を通知する情報である。S302では、制御部11は、車両1と携帯通信端末2との距離を特定する。具体的には、携帯通信端末2から運動情報を受信したときの受信電波強度や、TOA、TDOA、AOA、あるいは、車両1及び携帯通信端末2におけるGPSの測位結果を取得して距離を特定する。
次のS304では、制御部11は、S302で特定した距離に基づいて、携帯通信端末2がサービス提供エリアに進入したか否かを判定する。本実施形態では、遠距離側のサービスB提供エリア及び近距離側のサービスA提供エリア(図1参照)について、携帯通信端末2が進入したか否かを判定する。携帯通信端末2がサービス提供エリア外にある場合(S304:NO)、制御部11はS300に戻る。一方、携帯通信端末2がサービス提供エリアに進入した場合(S304:YES)、制御部11はS306に進む。
S306では、制御部11は、携帯通信端末2のIDコードの照合による認証処理を経て、携帯通信端末2が位置するサービス提供エリアに該当する機器の動作を、ボデーECU23に指示する。具体的には、ウェルカムランプの点灯やドアのアンロック等の動作が例示される。動作の指示後、制御部11はS300に戻る。
[第2実施形態:携帯通信端末2の通信処理の説明]
携帯通信端末2の制御部30が実行する通信処理(第2実施形態)の手順について、図8のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、携帯通信端末2と認証ECU10との間でBluetoothの無線接続が確立しているときに実行される。
S400では、制御部30は、加速度センサ32による検出結果に基づいて、携帯通信端末2の運動状態(加速度)を取得する。S402では、制御部30は、携帯通信端末2と車両1との距離を特定する。具体的には、車両1から発信される信号を受信したときの受信電波強度や、TOA、TDOA、AOA、あるいは、携帯通信端末2及び車両1におけるGPSの測位結果を取得して距離を特定する。
そして、S404では、制御部30は、S400で取得した運動状態と、携帯通信端末2と車両1との距離に基づいて、通信時間間隔を決定する。具体的には、上述の通信シーケンスにおいて説明したとおり、携帯通信端末2のメモリに予め登録されている基準データ(図3参照)を参照することで、運動状態及び距離に応じた通信時間帯を決定する。
なお、S404において、携帯通信端末2と車両1との距離の変化の履歴を参照し、距離が変化しない状態が規定時間以上継続している場合、携帯通信端末2の運動状態に関わらず、通信時間間隔を規定の最大値に設定するような構成を採用してもよい。次のS406では、制御部30は、S404で決定した通信時間間隔を通知する時間情報を認証ECU10に送信する。次のS408では、制御部30は、S404で決定した時間情報で示される通信時間間隔に相当する時間を待機して、S400に戻る。
[問合せ処理の説明]
上述の第1実施形態及び第2実施形態の共通事項として、携帯通信端末2が無線接続を確立するための問合せを行う場合に、制御部30が実行する問合せ処理の手順について、図9のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、所定の制御間隔で繰返し実行される。
S500では、制御部30は、認証ECU10との無線接続が確立しているか否かを判定する。無線接続が確立している場合(S500:YES)、制御部30は本処理を終了する。一方、無線接続が確立していない場合(S500:NO)、制御部30はS502に進む。
S502では、制御部30は、加速度センサ32による検出結果に基づいて、携帯通信端末2の運動状態(加速度)を取得する。そして、S504では、制御部30は、S502で取得した運動状態に基づいて、問合せ時間間隔を決定する。ここでは、携帯通信端末2にかかる加速度が大きいほど問合せ時間間隔が短く決定される。このような相関関係を示す基準データが、携帯通信端末2のメモリに予め登録されており、携帯通信端末2の制御部30が基準データを参照して問合せ時間間隔を決定する。次のS506では、制御部30は、決定された問合せ時間間隔に従って、周囲のBluetooth機器を検出するための問合せ信号を断続的に送信する。S506の後、制御部30はS500に戻る。
[効果]
実施形態の電子キーシステムによれば、以下の効果を奏する。
携帯通信端末2の運動状態が不活発なときには、認証ECU10と携帯通信端末2との通信時間間隔を長くする一方、活発なときには通信時間間隔を短くするといった具合に、携帯通信端末2の運動状態に応じて通信時間間隔を柔軟に制御できる。
携帯通信端末2の運動状態が活発である状況下において、通信時間間隔を短くすることで、ユーザが車両近辺のサービス範囲に進入したときに対応するサービスを素早く実施できる。反対に、携帯通信端末2の運動状態が不活発である状況下において、通信時間間隔を長くすることで過剰な通信が抑制され、車両1及び携帯通信端末2の電力消費を低減できる。
さらに、携帯通信端末2の運動状態に加え、車両1と携帯通信端末2との距離も考慮して通信時間間隔を制御できる。車両1と携帯通信端末2との距離が短いときには、通信時間間隔を短くすることで、ユーザが車両近辺のサービス範囲に進入したときに対応するサービスを素早く実施できる。反対に、車両1と携帯通信端末2との距離が遠いときには、通信時間間隔を長くすることで過剰な通信が抑制され、車両1及び携帯通信端末2の電力消費を低減できる。
車両1と携帯通信端末2との距離が変化しない状態が所定時間以上継続したときに、通信時間間隔をそれ以前の値よりも長くする(例えば、最大値にする)ことで、携帯通信端末2が使われていないときの電力消費を低減することができる。
また、携帯通信端末2と認証ECU10との無線接続が確立していないときに、携帯通信端末2が、自己の運動状態に応じて問合せ時間間隔を制御できる。例えば、携帯通信端末2の運動状態が不活発なときには、問合せ時間間隔を比較的に長く設定する一方、活発なときには問合せ時間間隔を比較的に短く設定する。このようにすることで、携帯通信端末2を所持したユーザが車両に急激に接近している可能性があると推測できる状況において、携帯通信端末2が認証ECU10の通信圏内に進入したときに、速やかに無線接続を確立できる。反対に、携帯通信端末2が停滞している可能性が高いと推測できる状況において、問合せ時間間隔を長くすることで過剰な通信が抑制され、携帯通信端末2の電力消費を低減できる。
[変形例]
上述の実施形態では、携帯通信端末2の運動状態として加速度を適用した事例について説明した。これとは別に、例えば、携帯通信端末2の振動や速度、傾き等の情報を運動状態として本発明に適用可能である。
認証ECU10と携帯通信端末2とが通信する際、送信側から受信側にデータが伝達された後、受信側から送信側にACK(ACKnowledgement)やNACK(Negative ACKnowledgement)等の受信結果を返答する構成であってもよい。
上述の実施形態では、図3(a),(b)に例示されるとおり、携帯通信端末2の加速度や車両1と携帯通信端末2との距離に応じて、通信時間間隔を有限の値の範囲内で変化させる事例について説明した。これとは別に、携帯通信端末2において加速度の値に一定時間変化が生じていないときに、通信時間間隔を無限大(スリープ状態)にする構成であってもよい。この場合、携帯通信端末2の加速度に変化が生じたときに、通信を再開(ウェイクアップ)するように構成することが考えられる。
車両1と携帯通信端末2との距離を測定する手法として、車両1及び携帯通信端末2に設けられたスピーカ及びマイクを用いて、音波の到達遅延時間に基づいて測定する構成を適用してもよい。また、携帯通信端末2に設けられた加速度センサや磁気センサ等による測定値を利用してもよい。また、これらの手法や、RSSI、TOA、TDOA、AOA、GPS等による手法を複合的に用いてもよい。
上記第1実施形態では、車両1側(認証ECU10)で距離を特定し、通信時間間隔を決定する事例について説明した。また、上記第2実施形態では、携帯通信端末2側で距離を特定し、通信時間間隔を決定する事例について説明した。これとは別に、車両1と携帯通信端末2との距離を携帯通信端末2が特定し、その距離を認証ECU10に伝達することで、認証ECU10が通信時間間隔を決定する構成であってもよい。あるいは、車両1と携帯通信端末2との距離を認証ECU10が特定し、その距離を携帯通信端末2に伝達することで、携帯通信端末2が通信時間間隔を決定する構成であってもよい。
1…車両、2…携帯通信端末、10…認証ECU、11…制御部、12…BT通信機、13…制御部、14…RF回路、15…アンテナ、21…エンジンスイッチ、22…通信バス、23…ボデーECU、24…各種アクチュエータ、30…制御部、31…BT通信回路、32…加速度センサ、33…スピーカ、34…ディスプレイ。

Claims (6)

  1. 車両(1)に搭載された車両制御装置(10)と、携帯通信端末(2)とを備え、前記車両制御装置と前記携帯通信端末とが無線接続しているときに、定められた通信時間間隔で交信し、交信の結果に応じて前記車両制御装置が前記車両に備えられた特定の機器の動作を制御する車両制御システムであって、
    前記携帯通信端末が、
    前記携帯通信端末の運動状態を示す運動情報を取得する取得手段(30,32,S200)と、
    前記取得手段により取得された運動情報を前記車両制御装置に送信する送信手段(30,31,S202)とを備え、
    前記車両制御装置が、
    前記携帯通信端末から前記運動情報を受信する受信手段(11,12,S100)と、
    前記取得手段により取得された運動情報で示される運動状態に応じて、前記通信時間間隔を決定する決定手段(11,S104)と、
    前記決定手段により決定された通信時間間隔を前記携帯通信端末に通知する通知手段(11,12,S106)とを備え、
    前記決定手段により決定された通信時間間隔で前記車両制御装置と前記携帯通信端末とが前記交信を行うこと、
    を特徴とする車両制御システム。
  2. 車両(1)に搭載された車両制御装置(10)と、携帯通信端末(2)とを備え、前記車両制御装置と前記携帯通信端末とが無線接続しているときに、定められた通信時間間隔で交信し、交信の結果に応じて前記車両制御装置が前記車両に備えられた特定の機器の動作を制御する車両制御システムであって、
    前記携帯通信端末が、
    前記携帯通信端末の運動状態を示す運動情報を取得する取得手段(30,32,S200)と、
    前記取得手段により取得された運動情報を前記車両制御装置に送信する送信手段(30,31,S202)とを備え、
    前記車両制御装置が、
    前記携帯通信端末から前記運動情報を受信する受信手段(11,12,S100)と、
    前記車両と前記携帯通信端末との距離を特定する距離特定手段(11,S102)と、
    前記取得手段により取得された運動情報で示される運動状態と、前記距離特定手段により特定された距離とに応じて、前記通信時間間隔を決定する決定手段(11,S104,30,S404)と、
    前記決定手段により決定された通信時間間隔を前記携帯通信端末に通知する通知手段(11,12,S106)とを備え、
    前記決定手段により決定された通信時間間隔で前記車両制御装置と前記携帯通信端末とが前記交信を行うこと、
    を特徴とする車両制御システム。
  3. 請求項2に記載の車両制御システムにおいて、
    前記決定手段は、前記車両と前記携帯通信端末との距離が変化しない状態が所定時間継続した場合、前記通信時間間隔をそれ以前の値よりも大きい値に変更すること、
    を特徴とする車両制御システム。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の車両制御システムに用いられる前記車両制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の車両制御システムに用いられる前記携帯通信端末。
  6. 請求項5に記載の携帯通信端末において、
    前記取得手段により取得された運動情報で示される運動状態に応じて、通信相手を検出するための問合せ信号を送信する時間間隔である問合せ時間間隔を決定する問合せ間隔決定手段(30,S506)を更に備え、
    前記車両制御装置と前記携帯通信端末との無線接続が確立していないときに、前記問合せ間隔決定手段により決定された問合せ時間間隔で前記問合せ信号を送信すること、
    を特徴とする携帯通信端末。
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