JP6186986B2 - 蓋材用撥水性フィルム、蓋材、及び包装容器 - Google Patents
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Description
表面に凹凸構造を有する蓋材用撥水性フィルムであって、
前記凹凸構造を有する面の表面粗さRaが、6〜15μmであり、
前記凹凸構造を有する面の水の接触角が140度以上である、蓋材用撥水性フィルムが提供される。
基材層と、
上記の蓋材用撥水性フィルムからなる層と、
を有してなり、前記凹凸構造を有する面が最外面である、蓋材が提供される。
本発明による蓋材用撥水性フィルムは、表面に凹凸構造を有するものであり、凹凸構造を有する面の表面粗さRaが、6〜15μm、好ましくは7〜13μm、より好ましくは8〜12μmであり、凹凸構造を有する面の水の接触角が140度以上、好ましくは142度以上、より好ましくは145度以上180度以下である。凹凸構造を有する面の表面粗さRaおよび水の接触角が上記範囲内にあれば、蓋材用フィルムに優れた撥水性能を付与することができる。
cosθA=rcosθ ・・・(1)
ここで、θは表面が平滑な場合のヤングの式から求められる接触角であり、θAは凹凸表面での見かけの接触角であり、rは粗さの比率である。
表面粗さRaが上記範囲内である賦型版を用いることで、フィルム表面の凹凸構造の表面粗さRaおよび水の接触角を所望の範囲に調節することができる。
本発明による蓋材用撥水性フィルムは、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を加熱溶融する工程と、加熱溶融した樹脂組成物を賦型版上に押出して加圧成形する工程と、を含んでなる方法により得られる。
本発明による蓋材は、基材層と、上記の蓋材用撥水性フィルムからなる層と、を有してなり、凹凸構造を有する面が最外面であるものである。蓋材は、基材層と蓋材用撥水性フィルムからなる層の間に、バリア層をさらに有してもよく、熱可塑性樹脂層等のその他の層をさらに有してもよい。
本発明による蓋材を構成する基材層としては、本発明において、基材層は特に限定されないが、成形性を有する樹脂を用いて形成することができる。例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテン樹脂、ポリブテン樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、低結晶性の飽和ポリエステルまたは非晶性のポリエステル樹脂等を用いて形成することができる。これらのうち、成形性が良好であることから、ポリエステル系樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、特にポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂が好ましい。基材層として樹脂層を形成した場合、基材層の厚さは、成形性の観点から、好ましくは4.5〜100μmであり、より好ましくは12〜50μmの範囲である。
本発明による蓋材を構成するバリア層としては、無機物または無機酸化物からなるものであることが好ましく、無機物もしくは無機酸化物の蒸着膜または金属箔からなるものであることがより好ましい。蒸着膜は、従来公知の無機物または無機酸化物を用いて、従来公知の方法により形成することができ、その組成および形成方法は特に限定されない。蓋材が、バリア層を有することで、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性や、可視光および紫外線等の透過を阻止する遮光性を、付与ないし向上させることができる。なお、蓋材は、バリア層を2層以上有してもよい。バリア層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
本発明による蓋材を構成する撥水性フィルムからなる層は、蓋材の最外層(内容物側の層)であり、撥水性フィルムの凹凸構造が、最外面(内容物側の面)に位置するものである。撥水性フィルムの凹凸構造が最外面に位置することで、蓋材は撥水性能を有する。撥水性フィルムについては、上記で説明したとおりである。
本発明による蓋材は、基材層とバリア層の間や、バリア層と撥水性フィルムからなる層の間に、その他の層を少なくとも1層さらに有してもよい。その他の層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。その他の層としては、例えば、熱可塑性樹脂層、接着層、および印刷層等が挙げられる。
本発明による包装容器は、上記の蓋材を用いて作製することができる。包装容器は、液体や半固体、ゲル状物質等の粘性体を有する内容物、特にヨーグルトの包装容器として好適に使用することができる。包装容器内面(内容物側)にフィルムの凹凸構造が位置するように包装容器を形成することで、液体や半固体、ゲル状物質等の粘性体を有する内容物の蓋材への付着を抑制することができる。
まず、2軸押出機と、Tダイと、温度調節器付きロール(チルロール)巻き取り装置とを備えたフィルム製膜機を用意し、チルロールの表面にクロムめっきマット加工を施した。チルロールの表面粗さRaは4.7であった。続いて、図1に示すように、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、MFR=8、(株)プライムポリマー製、商品名:エボリュー SP1071C)を含む樹脂組成物からなる樹脂ペレットを200℃で加熱溶融して、70℃で温調したチルロール上に押出し、巻き取り装置のチルロール部をTダイのダイス部に近づけたハンドローラーで加圧しながらフィルムを成形した。フィルムをドライヤーで送風して冷却した後、賦型版から剥離させて、表面に凹凸構造を有した厚さ130μmのフィルムを得た。
樹脂ペレットを250℃で加熱溶融した以外は、実施例1と同様に成形して、フィルムを得た。実施例1と同様に、得られたフィルムの表面粗さRaの水の接触角を測定した。各測定結果を表1に示す。
フィルムをドライヤーで送風しなかった以外は、実施例2と同様に成形して、フィルムを得た。実施例1と同様に、得られたフィルムの表面粗さRaの水の接触角を測定した。各測定結果を表1に示す。
チルロールを10℃に調温した以外は、実施例2と同様に成形して、フィルムを得た。実施例1と同様に、得られたフィルムの表面粗さRaの水の接触角を測定した。各測定結果を表1に示す。
上記の実施例および比較例で得られたフィルムを用いて、フィルム表面へのヨーグルトの付着し易さを、下記の評価基準で目視評価した。
評価基準
◎:ヨーグルトの付着を抑制することができた。
×:ヨーグルトの付着を抑制することができなかった。
上記の実施例および比較例で得られたフィルムの外観(拡大写真:倍率50倍)を、下記の評価基準で目視評価した。なお、実施例2の拡大写真を図5に、実施例3の拡大写真を図6に、比較例1の拡大写真を図7に示す。図6の黒線で囲まれた部分には、樹脂の突起物が観察された。
評価基準
○:フィルム表面に樹脂の突起物は観察されなかった。
△:フィルム表面に樹脂の突起物が観察された。
まず、PETフィルム(東洋紡(株)製、商品名:エスペットE5100)上に、低密度ポリエチレン(LDPE、MFR=7.5、宇部丸善ポリエチレン(株)製、商品名:UBEポリエチレン L719)を押し出し、アルミ箔を積層した。次に、該アルミ箔上に、低密度ポリエチレン(LDPE、MFR=7.5、宇部丸善ポリエチレン(株)製、商品名:UBEポリエチレン L719)と直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、MFR=8、(株)プライムポリマー製、商品名:エボリュー SP1071C)とを、実施例2の方法でLLDPE表面を賦型しながら共押出して、PET/LDPE/AL/LDPE/LLDPEの層構成の蓋材を得た。得られた蓋材のLLDPE側の表面の水の接触角(度)、撥ヨーグルト性、および外観は、実施例2のフィルムと同様であった。
比較例1の方法でLLDPE表面を賦型した以外は、実施例4と同様に、蓋材を作製した。続いて、得られた蓋材を用いて、実施例4と同様に、ヨーグルト容器の蓋を作製した。ヨーグルト容器にヨーグルトを充填し、容器を逆さにした後、元に戻して、蓋をあけた。蓋にヨーグルトの付着が見られた。
11 Tダイ
12 表面がマット加工されたチルロール
13 ニップロール
14 賦型点
15 剥離点
16 撥水性フィルム
20 加熱溶融した熱可塑性樹組成物
21 Tダイ
22 表面にモスアイ構造を有するチルロール
23 ニップロール
24 賦型点
25 剥離点
26 撥水性フィルム
27 モスアイ構造
30 樹脂ペレット
31 賦型版
32 平板
33 加圧方向
34 撥水性フィルム
40 蓋材
41 基材層
42 バリア層
43 熱可塑性樹脂層
44 撥水性フィルムからなる層
Claims (9)
- 表面加工によって形成された凹凸構造を有する蓋材用撥水性フィルムであって、
前記凹凸構造を有する面の表面粗さRaが、6〜15μmであり、
前記凹凸構造を有する面の水の接触角が140度以上である、蓋材用撥水性フィルム。 - 前記撥水性フィルムが、熱可塑性樹脂を含んでなる、請求項1に記載の蓋材用撥水性フィルム。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂である、請求項2に記載の蓋材用撥水性フィルム。
- 前記凹凸構造が、加熱溶融した熱可塑性樹脂を賦型版上に押出して加圧成形して、形成されてなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓋材用撥水性フィルム。
- 前記賦型版の表面粗さRaが0.5〜10μmである、請求項4に記載の蓋材用撥水性フィルム。
- 基材層と、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の蓋材用撥水性フィルムからなる層と、
を有してなり、前記凹凸構造を有する面が最外面である、蓋材。 - 前記基材層と前記蓋材用撥水性フィルムからなる層の間に、バリア層をさらに有してなる、請求項6に記載の蓋材。
- 前記基材層と前記蓋材用撥水性フィルムからなる層の間に、熱可塑性樹脂層をさらに有してなる、請求項6または7に記載の蓋材。
- 請求項6〜8のいずれか一項に記載の蓋材を用いた、包装容器。
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