JP7437111B2 - 金属調包装材及び包装容器 - Google Patents

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Description

本発明は、金属調包装材及びこれを用いた包装容器に関する。
包装材は、被包装物の高級感や豪華さを演出して美観を生じさせるようにする観点から、高輝度の金属光沢による装飾を施す場合がある。
金属光沢を施す手段として、例えば、基材上に、金属蒸着膜や金属箔等の金属反射層を形成することが一般的に行われている。
一方、包装材の表面を低光沢化して包装材の風合いを良好にするために、表面にマット層を形成した包装材が提案されている(特許文献1)。
特開2004-345136号公報
金属蒸着膜及び金属箔等の金属反射層を備えた包装材は、金属光沢による美観を生じさせ、意匠性を高めることができる。しかし、金属反射層を備えた包装材は、金属光沢が強すぎ、落ち着きのない印象を与えるため、好まれない場合がある。
かかる問題を解消するために、金属反射層を備えた包装材の表面に、特許文献1に記載されるようなマット層を形成し、金属光沢を和らげる手段が考えられる。
しかし、金属反射層を備えた包装材の表面にマット層を形成してなる包装材は、表面を指等で擦過した際に、擦過の痕跡が極めて目立ち、意匠性が大幅に低下するケースが散見された。
上記課題を解決すべく、本発明は、表面を擦過した場合でも擦過の痕跡が目立つことなく、意匠性の低下を抑制し得る金属調包装材、及びこれを用いた包装容器を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[2]を提供するものである。
[1]外層側から、マット層;透明基材;内部散乱層;金属箔又は金属蒸着層からなる金属反射層;及びシーラント層をこの順に有してなる、金属調包装材。
[2]上記[2]に記載の金属調包装材で形成されている包装容器。
本発明の金属調包装材及びこれを用いた包装容器は、表面を擦過した場合でも擦過の痕跡が目立つことなく、意匠性の低下を抑制することができる。
本発明の金属調包装材の実施の形態を示す概略断面図である。 本発明の金属調包装材の他の実施の形態を示す概略断面図である。
以下、本発明の金属調包装材及びこれを用いた包装容器について説明する。なお、本明細書中の「AA~BB」との数値範囲の表記は、「AA以上BB以下」であることを意味する。
[金属調包装材]
本発明の金属調包装材は、外層側から、マット層;透明基材;内部散乱層;金属箔又は金属蒸着層からなる金属反射層;及びシーラント層をこの順に有してなるものである。
図1及び図2は、本発明の金属調包装材10の積層構成の例を示す概略断面図である。
図1及び図2においては、上が外層側(表面側)であり、下が内層側(裏面側)である。本発明の金属調包装材10は、図1及び図2に示すように、マット層20、透明基材30、内部散乱層40、金属反射層50及びシーラント層60をこの順に有している。
また、図1では、マット層20、内部散乱層40及び金属反射層50は包装材の全面に形成されているが、図2では、マット層20、内部散乱層40及び金属反射層50は包装材の一部に形成されている。
金属調包装材10の積層構成においては、その他の層を構成層として含んでいてもよい。
例えば、図1及び図2に示す金属調包装材10は、絵柄層70を備えている。
<マット層>
マット層は、透明基材の外層側の少なくとも一部に形成される。
また、マット層は、金属調包装材を平面視した場合に、金属反射層を有する箇所の少なくとも一部にマット層が重なるような位置に形成することが好ましい。平面方向において、金属反射層を有する箇所の少なくとも一部にマット層が重なるように配置とすることにより、金属反射層に基づく金属光沢を調整し、意匠性を良好にすることができる。また、詳しくは後述するが、平面方向において、金属反射層を有する箇所の少なくとも一部にマット層が重なるように配置し、かつ、マット層を有する箇所の少なくとも一部に内部散乱層が重なるように配置することにより、本発明の効果を顕著に発揮することができる。
なお、マット層は、平面方向において、金属反射層を有する箇所の全部に重なるように配置してもよいが、マット層の有無により金属光沢のコントラストを発現させる観点から、金属反射層を有する箇所の一部に重なるように配置することが好ましい。
マット層は、型に樹脂を流し込むなどして、粒子を含まずに形成したものであってもよいが、耐擦過性の観点から、バインダー樹脂及び粒子を含むものが好ましい。
<<粒子>>
粒子は、有機粒子、無機粒子から選ばれる1種以上を用いることができる。
有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル-スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン-メラミン-ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン、フッ素系樹脂及びポリエステル系樹脂等からなる粒子が挙げられる。
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、アンチモン、ジルコニア及びチタニア等からなる粒子が挙げられる。
これらの中でも、耐擦過性を良好にしやすい無機粒子が好ましい。また、無機粒子の中でも、マット層の白化を抑制しやすいシリカが好ましい。
無機粒子は、表面が疎水化処理された無機粒子が好ましい。無機粒子の表面を疎水化処理することにより、マット層内において無機粒子の凝集を抑制し、マット層の表面形状を制御しやすくできる。また、マット層内で粒子が凝集すると、粒子間に空隙が生じ、擦過時に該空隙が消失することによって擦過の痕跡が目立ちやすくなる現象を生じることがあるが、粒子の凝集を抑制することにより、該現象を抑制できる。
なお、表面が疎水化処理された無機粒子とは、無機粒子の表面に、無機粒子の表面の官能基と、表面処理剤との反応物を有するものである。無機粒子の表面の官能基としては、例えばシリカ粒子のシラノール基が挙げられる。
表面処理剤としては、トリメチルシリルクロライド、ジメチルジクロロシラン、トリメチルシリルトリフロロメタンスルホネート、クロロメチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリエチルシラン、トリエチルシリルクロライド、トリイソプロピルシリルクロライド、t-ブチルジメチルシラン、t-ブチルジメチルシリルクロライド、オクチルシラン、ヘキサデシルシラン、アリルトリメチルシラン、トリメチルビニルシラン、アミノシラン、メタクリルシラン及びポリジメチルシロキサン等から選ばれる1種以上が挙げられる。
粒子の平均粒子径は0.1~15.0μmであることが好ましく、1.0~10.0μmであることがより好ましく、2.0~7.5μmであることがさらに好ましく、2.7~5.0μmであることがよりさらに好ましい。
本明細書において、粒子の平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値d50として測定したものである。
また、粒子は、平均粒子径の異なる2種の粒子を含むことが好ましい。すなわち、マット層は、バインダー樹脂と、平均粒子径の異なる2種の粒子とを含むことが好ましい。
平均粒子径の異なる2種の粒子を含むことは、平均粒子径の小さい粒子及び平均粒子径の大きい粒子を含むことを意味する。そして、平均粒子径の小さい粒子は、マット層に標高の低い凸部を付与し、金属反射層の金属光沢を弱めることができる。また、平均粒子径の大きい粒子は、マット層に標高の高い凸部を付与し、マット層表面に指等を接触させにくくすることにより、マット層表面が傷つくことを抑制することができる。
なお、本発明の効果を阻害しない範囲で、3種以上の粒子を含んでもよい。
平均粒子径の異なる2種の粒子のうち、平均粒子径の大きい粒子は、耐擦過性の観点から無機粒子であることが好ましく、マット層の白化抑制の観点からシリカであることがより好ましい。また、平均粒子径の異なる2種の粒子の何れも無機粒子であることが好ましく、シリカであることがより好ましい。
また、平均粒子径の異なる2種の粒子は、少なくとも一方が、表面が疎水化処理された無機粒子であることが好ましく、何れも表面が疎水化処理された無機粒子であることがより好ましい。
平均粒子径の異なる2種の粒子のうち、平均粒子径の大きい粒子の平均粒子径をD、前記マット層の平均厚みをTとした際に、2.0≦D/T≦5.0の関係を満たすことが好ましい。
/Tを2.0以上とすることにより、マット層に標高の高い凸部を付与し、マット層表面に指等を接触させにくくすることにより、擦過時にマット層表面が傷つくことを抑制することができる。また、D/Tを5.0以下とすることにより、平均粒子径の大きい粒子がマット層から脱落するのを抑制しやすくできる。
/Tは、2.2以上4.0以下であることがより好ましく、2.5以上3.5以下であることがさらに好ましい。
また、平均粒子径の異なる2種の粒子のうち、平均粒子径の小さい粒子の平均粒子径をDとした際に、0.9≦D/T≦2.0の関係を満たすことが好ましい。
/Tを0.9以上とすることにより、マット層の表面全体を凹凸化し、金属調包装材の風合いを良好にしやすくできるとともに、マット層を通して視認する金属反射層の金属光沢感を弱め、落ち着きのある意匠としやすくできる。また、D/Tを2.0以下とすることにより、マット層の表面全体が過度に凹凸化されることを抑制し、金属調包装材の表面が白化することによる意匠性の低下を抑制するとともに、マット層を通して視認する金属反射層の金属光沢感が消失することを抑制しやすくできる。
/Tは、1.0以上1.8以下であることがより好ましく、1.3以上1.7以下であることがさらに好ましい。
また、平均粒子径の大きい粒子と平均粒子径の小さい粒子との粒子径の差(D-D)は、2.0μm以上5.0μm以下であることが好ましく、2.2μm以上4.0μm以下であることがより好ましく、2.5μm以上3.5μm以下であることがさらに好ましい。
マット層中の粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して1~100質量部であることが好ましく、3~50質量部であることがより好ましく、5~20質量部であることがさらに好ましい。
粒子の含有量を1質量部以上とすることにより、マット感に基づいて意匠性を良好にしやすくできる。また、粒子の含有量を100質量部以下とすることにより、マット層中における粒子の結着性を良好にしやすくできる。
粒子として、平均粒子径の異なる2種の粒子を含む場合、平均粒子径の大きい粒子と平均粒子径の小さい粒子との質量比は、80:20:~20:80であることが好ましく、70:30~30:70であることがより好ましく、60:40~40:60であることがさらに好ましい。
マット層の厚みは1.0~10.0μmであることが好ましく、1.2~5.0μmであることがより好ましく、1.5~2.5μmであることがさらに好ましい。
マット層の厚みを1.0μm以上とすることにより、粒子の結着性を良好にして、耐擦過性を良好にしやすくできる。また、マット層の厚みを10.0μm以下とすることにより、金属反射層や絵柄層の視認性が低下することを抑制できる。
<<バインダー樹脂>>
マット層のバインダー樹脂としては、汎用の熱可塑性樹脂、硬化性樹脂を用いることができ、耐擦過性の観点から硬化性樹脂が好ましい。硬化性樹脂としては電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられる。電離放射線硬化性樹脂は、マット層を硬くでき、耐擦過性を良好にし得るが、マット層を硬くしすぎた場合、加工時や流通時にマット層にひび割れが生じやすくなるため、熱硬化性樹脂が好ましい。特に、透明基材がプラスチックフィルム及び透明紙等の柔軟性を有するものである場合、マット層が硬過ぎると包装材に皺が生じた際にマット層にひび割れが生じやすいため、バインダー樹脂として熱硬化性樹脂を用いることが好適である。
熱硬化性樹脂は、塗工液を長時間使用可能にする観点から、2液硬化型樹脂を用いることが好ましい。2液硬化型樹脂としては、ポリオールとイソシアネートとの2液硬化型樹脂が好ましい。
ポリオールとしては、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、エポキシポリオール等が挙げられ、これらのうち、アクリルポリオールが好ましい。アクリルポリオールとしては、塩化ビニル変性アクリルポリオール、塩化ビニル-酢酸ビニル変性アクリルポリオール、塩素化ポリオレフィン変性アクリルポリオール、メチル(メタ)アクリレート-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、オクチル(メタ)アクリレート-エチルヘキシル(メタ)アクリレート-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート-ブチル(メタ)アクリレート-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート-スチレン共重合体等が挙げられるが、これらのうち、塩化ビニル変性アクリルポリオールが好ましい。
また、イソシアネートとしては、公知の化合物を使用することができる。例えば、2,4-トリレンジイソシアネート(略称:TDI)、ナフタレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(略称:HMDI)、イソホロンジイソシアネート(略称:IPDI)、メチレンジイソシアネート(略称:MDI)、キシリレンジイソシアネート(略称:XDI)、水素添加トリレンジイソシアネート;水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式イソシアネート等のポリイソシアネートが挙げられる。また、これらのイソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリメチルプロパンのTDI付加体、TDIの3量体等も挙げられる。
マット層中には、本発明の効果を妨げない範囲において、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、帯電防止剤等の任意の添加剤を添加することができる。
なお、後述するように、マット層中にスリップ剤を含有する場合、包装材を生産する際(特に巻き取りの際)に、マット層表面にスリップ剤が転写し、パウチ化しにくくなってしまう。このため、マット層中にはスリップ剤を実質的に含有しないことが好ましい。実質的に含有しないとは、マット層の全固形分の1質量%以下であることを意味し、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下、さらに好ましくは0質量%である。
マット層は、例えば、バインダー樹脂及び粒子等を含むマット層用インキを用いた印刷により透明基材上に形成することができる。印刷方式は、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。これらのうち、グラビア印刷が好ましい。
<透明基材>
透明基材は、金属反射層を外層側から視認できるように、光透過性を有する材料で構成される。例えば、光透過性を有する基材としては、プラスチックフィルム、透明紙等が挙げられ、中でもプラスチックフィルムが好適に用いられる。
透明基材の厚みは、特に限定されるものではなく、金属調包装材の用途に応じて適宜設定することができるが、通常、5~50μm程度であることが好ましく、より好ましくは8~40μm、さらに好ましくは10~25μmである
透明基材は、JIS K7361-1:1997の全光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。また、透明基材は、JISK7136:2000のヘイズが1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0.3%以下であることがさらに好ましい。
プラスチックフィルムの材料としては、具体的には、ポリエチレン(PE)系やポリプロピレン(PP)系等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン-ビニルエステル共重合体ケン化物、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、各種ナイロン(Ny)等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)等が挙げられる。これらの中でも、汎用性の観点からは、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、耐熱性や強度等の観点からは、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂が好ましい。
プラスチックフィルムは、一軸延伸又は二軸延伸されたものであってもよい。また、上記のうちの2種以上の樹脂のフィルムが積層された複合フィルムであってもよい。また、プラスチックフィルムは、インフレーション法、あるいはまた、溶融押出しコーティング法で形成されたものであってもよい。
金属調包装材がレトルト容器として用いられる場合、プラスチックフィルムは耐熱性に優れているものが好ましい。耐熱性に優れたプラスチックフィルムを構成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂及びポリアミド系樹脂等が挙げられる。
レトルト容器用の金属調包装材のプラスチックフィルムの具体例としては、ポリエステルフィルムの単体、ナイロン等のポリアミドフィルムの単体、ポリエステルフィルム及びポリアミドフィルムの一種以上を含む複合フィルムが挙げられる。前記複合フィルムの例としては、PET/Ny/PET、外層側からPET/Nyの構成からなる共押出し延伸フィルムが挙げられる。また、前記複合フィルムとしては、ポリエステルフィルム及びポリアミドフィルムのいずれか1種以上と、エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルム及びポリ塩化ビニリデンフィルムのいずれか1種以上とを組み合わせることも好ましい。
<内部散乱層>
内部散乱層は、透明基材と金属反射層との間に配置される。
内部散乱層は、金属調包装材を平面視した場合に、マット層を有する箇所の少なくとも一部に内部散乱層が重なるように配置されてなることが好ましい。
上記のように内部散乱層とマット層とを配置することにより、マット層表面を擦過した際に、マット層の表面が傷ついたとしても、擦過により傷ついた箇所を目立ち難くすることができる。すなわち、平面方向においてマット層及び内部散乱層が重なっている箇所は、マット層表面による拡散と、内部散乱層による散乱とが重畳されたものとなるため、マット層表面が傷つき、マット層の光学特性が変化したとしても、マット層及び内部散乱層を合算した光学特性の変化は少ないため、擦過の痕跡を目立ち難くすることができる。
特に、金属反射層上にマット層を備えた包装材においては、擦過箇所のマット層の光学特性が変化すると、擦過箇所と非擦過箇所とで金属反射層に基づく金属光沢が大きく変化するため、擦過の痕跡が極めて目立ち、意匠性が大幅に低下してしまう。
しかしながら、本発明の金属調包装材は、内部散乱層を有することによって、マット層表面を指等で擦過した際に、金属反射層上に位置する層の光学特性の変化を抑制することができ、意匠性の低下を抑制することができる。すなわち、本発明の金属調包装材における、マット層、内部散乱層及び金属反射層との組み合わせは、極めて有用な組み合わせであるといえる。
上述した効果を発揮しやすくするために、内部散乱層とマット層を上記のように配置(マット層を有する箇所の少なくとも一部に内部散乱層が重なるように配置)する際に、さらに、金属反射層を有する箇所の少なくとも一部に、内部散乱層及びマット層が重なっている箇所が重なるように配置することが好ましい。
内部散乱層は、バインダー樹脂及び内部散乱材を含むことが好ましい。
内部散乱層のバインダー樹脂は、マット層のバインダー樹脂として例示したものと同様である。また、内部散乱層の好ましいバインダー樹脂も、マット層の好ましいバインダー樹脂と同様である。すなわち、内部散乱層のバインダー樹脂は、硬化性樹脂が好ましく、硬化性樹脂の中でも熱硬化性樹脂が好ましく、熱硬化性樹脂の中でも2液硬化型樹脂が好ましい。
内部散乱材は、内部散乱層に外層側から入射する光を、外層側に散乱し得るものであれば、特に限定なく使用することができる。内部散乱材としては、有機粒子、無機粒子及び金属鱗片からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
また、内部散乱性を十分にするため、バインダー樹脂の屈折率nと、内部散乱材の屈折率nとの比(n/n)は、0.98以下、又は、1.02以上であることが好ましい。本明細書において、屈折率は波長589nmの光によるものとする。
内部散乱材としての有機粒子は、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル-スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン-メラミン-ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン、フッ素系樹脂及びポリエステル系樹脂等からなる粒子が挙げられる。これらの中でも、バインダー樹脂との屈折率差を大きくしやすいポリスチレンが好ましい。
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、アンチモン、ジルコニア及びチタニア等からなる粒子が挙げられる。これらの中でも、バインダー樹脂との屈折率差を大きくしやすい、アルミナ、アンチモン、ジルコニア及びチタニアが好ましい。
内部散乱材としての有機粒子及び無機粒子の平均粒子径は0.1~15.0μmであることが好ましく、1.0~10.0μmであることがより好ましく、2.0~7.5μmであることがさらに好ましく、2.7~5.0μmであることがよりさらに好ましい。
内部散乱材としての金属鱗片は、アルミニウム、金、銀、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロム、ステンレス等の金属や合金が挙げられる。これらの中でも、散乱光の色味を抑制することで本発明の効果をより発揮しやすい、アルミニウム、銀及びニッケルが好ましい。
金属鱗片は、例えば、前記金属又は合金をプラスチックフィルム上に真空蒸着してなる金属薄膜をプラスチックフィルムから剥離し、剥離した金属薄膜を粉砕、撹拌した得られたものや、前記金属又は合金の粉末と溶剤とを混合し、媒体撹拌ミル、ボールミル、アトライター等で、該粉末を展延及び/又は粉砕して得られたもの、さらに、これらの表面が樹脂コートされたもの等を用いることができる。
金属鱗片は、平均長さが0.5~50.0μmであることが好ましく、より好ましくは1.0~30.0μm、さらに好ましくは2.0~20.0μmである。また、平均厚みが0.02~3.00μmであることが好ましく、より好ましくは0.05~1.00μm、さらに好ましくは0.10~0.50μmである。また、アスペクト比(平均長さ/平均厚み)は10~500であることが好ましく、10~300であることがより好ましく、10~100であることがさらに好ましい。
金属鱗片の平均長さ、平均厚み及びアスペクト比を上記範囲とすることにより、分散安定性を良好にすることができ、さらには、内部散乱層内で金属鱗片がランダムな角度に傾いて配置されるようになり、様々な方向に散乱光が生じることで、本発明の効果を発揮しやすくできる。
金属鱗片の平均長さは、金属調包装材の平面方向から光学顕微鏡又は電子顕微鏡で観察した任意の20個の金属鱗片の長さの平均値として求められる。なお、1個の金属鱗片の長さは、1個の金属鱗片の平面方向の最大長さを意味する。
金属鱗片の平均厚みは、金属調包装材の断面を光学顕微鏡又は電子顕微鏡で観察した任意の20個の金属鱗片の平均値として求められる。なお、1個の金属鱗片の厚みは、1個の金属鱗片の断面像を長さ方向に均等な長さで5つの領域に分割し、各領域の中央部の厚み(t、t、t、t、t)を測定し、t~tを平均したものを意味する。
内部散乱層中の内部散乱材の含有量は、十分な内部散乱を生じさせつつ塗膜強度を維持する観点から、バインダー樹脂100質量部に対して1~100質量部であることが好ましく、3~50質量部であることがより好ましく、5~20質量部であることがさらに好ましい。
内部散乱材として金属鱗片を用いる場合、内部散乱層中には、平均一次粒子径が1~100nmの無機粒子(以下、「無機微粒子」と称する場合がある。)を含むことが好ましい。
無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア等が挙げられる。
内部散乱層中に無機微粒子を含有することにより、金属鱗片が内部散乱層の下方に沈むことが抑制され、多重反射による散乱効果を高めやすくできる。
無機微粒子の平均一次粒子径は、2~50nmであることがより好ましく、5~30nmであることがさらに好ましい。無機微粒子の平均一次粒子径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値d50として求められる。
内部散乱層中の無機微粒子の含有量は、金属鱗片100質量部に対して、10~70質量部であることが好ましく、15~50質量部であることがより好ましく、20~35質量部であることがさらに好ましい。
内部散乱層の厚みは、十分な内部散乱を生じさせつつ薄膜化を図る観点から、1.0~10.0μmであることが好ましく、1.5~8.0μmであることがより好ましく、2.0~5.0μmであることがさらに好ましい。
内部散乱層中には、本発明の効果を妨げない範囲において、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、帯電防止剤等の任意の添加剤を添加することができる。
内部散乱層は、例えば、バインダー樹脂及び内部散乱材等を含む内部散乱層用インキを用いた印刷により、透明基材の内装側、あるいは、中間基材上に形成することができる。印刷方式は、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。これらのうち、グラビア印刷が好ましい。
なお、マット層の表面を擦過した際の痕跡を目立ちにくくする手法としては、一般的には、下記(A)及び(B)の手段が考えられる。
(A)マット層のバインダー樹脂の架橋密度を高くして、マット層の硬度を高くする。
(B)マット層にスリップ剤を添加して、マット層表面を滑りやすくする。
しかし、(A)の手段の場合、加工時や流通時にマット層にひび割れが生じやすくなってしまう。特に、包装材が軟包装材の場合、マット層が硬過ぎると包装材に皺が生じた際にマット層にひび割れが生じやすくなってしまう。
また、(B)の手段の場合、包装材を生産する際(特に巻き取りの際)に、マット層表面にスリップ剤が転写し、パウチ化しにくくなってしまう。
したがって、上記(A)及び(B)の如き一般的な手段を採用することなく、本発明の構成(透明基材と金属反射層との間に内部散乱層を配置する構成)とすることにより、マット層の表面を擦過した際の痕跡を目立ちにくくすることは、包装材の分野において極めて有用であるといえる。
<金属反射層>
金属反射層としては、金属蒸着膜又は金属箔が挙げられる。
金属蒸着膜は、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、スズ(Sn)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の無機物又はこれらの酸化物の1種以上を原料として、真空蒸着やスパッタリング、イオンプレーティング等の物理蒸着(PVD)法、プラズマ化学気相成長や熱化学気相成長、光化学気相成長等の化学蒸着(CVD)法等により形成することができる。
金属蒸着膜は、中間基材上に金属蒸着膜を形成し、それを透明基材側に貼り合わせることにより形成することが好ましい。金属蒸着膜の厚みは通常5~500nm程度である。
金属箔は、例えばアルミニウムが挙げられる。金属箔の厚みは通常4~12μm程度である。
<シーラント層>
図1及び図2に示すように、金属調包装材の内層側には、シーラント層60が積層されている。
シーラント層は、金属調包装材の最内層に形成され、内層側の面が被包装物と接触し、被包装物を保護するものであり、特に、金属調包装材で液状物の包装容器が形成される場合には、シーラント層は液状物に対する耐浸透性を有していることが好ましい。また、金属調包装材で密閉容器が形成される場合には、シーラント層がヒートシールされることにより、密封性を確保できることが好ましい。シーラント層は、1層でもよいし、2層以上の多層であってもよい。
シーラント層の総厚みは、特に限定されるものではなく、金属調包装材の用途及び被包装物の種類や性質等に応じて適宜設定されるが、通常、10~200μm程度であることが好ましい。金属調包装材でパウチ(特にレトルトパウチ)が形成される場合、シーラント層の厚みは、より好ましくは20~150μm、さらに好ましくは30~100μmである。また、金属調包装材で蓋体が形成される場合、シーラント層の総厚みは、より好ましくは15~80μm、さらに好ましくは20~60μmである。
シーラント層を構成する材料としては、例えば、低密度PE(LDPE)、直鎖状低密度PE(LLDPE)、中密度PE(MDPE)、高密度PE(HDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、プロピレン単独重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体、エチレン-プロピレンランダム共重合体等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上の樹脂を用いることができる。
シーラント層は、ヒートシールの際の収縮抑制の観点から、前記樹脂からなる無延伸フィルムであることが好ましい。
また、レトルト処理における耐熱性の観点から、シーラント層は、例えば、プロピレン単独重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体、エチレン-プロピレンランダム共重合体等のPP系樹脂、HDPE等の耐熱性に優れた樹脂で形成されることが好ましい。PP系樹脂については、目的に応じて使い分けられることが好ましく、例えば、耐冷凍性を重視する場合はエチレン-プロピレンブロック共重合体、また、透明性を重視する場合はエチレン-プロピレンランダム共重合体、また、耐熱性が重視される場合はプロピレン単独重合体が好ましい。
また、金属調包装材で蓋体が形成される場合、シーラント層は、イージーピール性を有していることが好ましい。イージーピール性とは、例えば、容器本体の収容部を封止するように前記容器本体に接合される蓋体において、容器本体から蓋体を剥離して開封する際に、剥離しやすいという特性である。
イージーピール性を有するシーラント層は、2種以上の樹脂を用いて形成することができ、具体的には、容器本体との密着性が良好である一の樹脂と、容器本体との密着性が良好ではなく、かつ、前記一の樹脂と非相溶である他の樹脂とを混合することにより形成することができる。例えば、容器本体がポリプロピレン製である場合、前記一の樹脂としてポリプロピレン単独重合体と、ポリエチレン、ポリブテン、ポリスチレン等他の樹脂との混合樹脂でシーラント層を形成することが好ましい。なお、シーラント層が多層構成である場合、該シーラント層は、容器本体と接合される最内層のみがイージーピール性を有していれば足りる。
<その他の層>
本発明の金属調包装材は、上述した、マット層、透明基材、内部散乱層、金属反射層及びシーラント層以外の層を有していてもよい。
<<絵柄層>>
金属調包装材10は、図1及び図2に示すように、さらに絵柄層70を有していてもよい。
絵柄層70は、絵柄の視認性を良好にするために、図1に示すように、金属調包装材10の厚み方向において内部散乱層40及び金属反射層50よりも外層側に位置するか、あるいは、図2に示すように、金属調包装材の厚み方向において内部散乱層40と同じ位置に形成することが好ましい。
絵柄層を介して視認する金属反射層は金属光沢感が減少する。このため、金属調包装材の厚み方向において金属反射層よりも外層側に絵柄層が位置する場合、金属調包装材を平面視した際に、金属反射層を有する箇所の全部に絵柄層が重ならないようにすることが好ましい。
絵柄層とは、例えば、文字(商品名、製品表示、品質表示等)、図形、写真、記号、模様、パターン等を含む広い概念である。絵柄層は、1層で構成されても、2層以上の多層で構成されてもよい。
絵柄層の総厚みは、特に限定されるものではないが、通常、1~10μm程度であることが好ましく、より好ましくは1.5~5μmである。
絵柄層は、通常、バインダー樹脂や溶剤からなるビヒクルを主成分とし、これに、染料や顔料等の着色剤が添加混合されたインキを用いた印刷により形成される。印刷方式としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。これらのうち、グラビア印刷が好ましい。
絵柄層の着色剤としては、汎用の染料や顔料(例えば、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー、カーボンブラック、チタンブラック、炭酸カルシウム、鉛白、亜鉛華、チタン白等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料)を使用することができる。
<<クリア層>>
マット層上の一部にはクリア層を有していてもよい。かかる構成とすることにより、クリア層を有する箇所と、クリア層を有さない箇所とで光沢の差が生じ、意匠性をより良好にできる点で好ましい。
クリア層の厚みは、0.5~15μm程度であることが好ましく、より好ましくは1~10μm、さらに好ましくは2~7μmである。
クリア層は、マット層表面に、例えば、グロスニス(OPニス)でコーティングすることにより形成することができる。このような部分的なコーティングは、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷により行うことができる。これらのうち、グラビア印刷、フレキソ印刷が好ましい。
グロスニスとしては、水性ニス及び油性ニスのいずれを用いることもできる。
水性ニスとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル-スチレン共重合体等の樹脂成分を、水と少量の揮発性有機溶剤に溶解又は分散させたものを用いることができる。揮発性溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類やアセトン、メチルエチルケトン、エチルアセテート等が挙げられる。
油性ニスとしては、例えば、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂等の樹脂成分を、揮発性有機溶剤に溶解又は分散させたものを用いることができる。揮発性溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。
水性ニス及び油性ニスには、さらに、必要に応じて、潤滑剤や界面活性剤等の添加剤を添加することができる。水性ニス及び油性ニス中の樹脂成分は、40~85質量%であることが好ましい。
<<地色印刷層>>
地色印刷層は、外層側から被包装物への光の透過を遮断したり、色味を調整したりする観点から、必要に応じて形成される。地色印刷層は、金属反射層とシーラント層との間に形成することが好ましい。
地色印刷層は、上述した絵柄層と同様の方法を用いて形成することができる。
地色印刷層は、金属反射層の内層側の全面に形成されてもよく、金属反射層の内層側の一部に形成されてもよい。地色印刷層の総厚みは、1.5~5μm程度であることが好ましく、より好ましくは1.5~3μmである。
地色印刷層は、黒色地色層及び白色地色層の少なくともいずれかを含むことが好ましい。また、印刷効率等の観点から、地色印刷層は、単色ベタ印刷であることが好ましい。なお、金属反射層や絵柄層を有していない部分の外層側から見える地色印刷層が、文字、図形、記号、模様、パターン等として視認されるものとすることもできる。
<<中間層>>
中間基材は、例えば、透明基材とシーラント層との間に設けることができる。
中間基材は、金属調包装材の強度の向上や加工適性の向上、他の層(内部散乱層、金属反射層としての金属蒸着層、ガスバリア層等)を形成するための基材として、必要に応じて設けられる。
中間基材は、プラスチックフィルムが挙げられる。中間基材としてのプラスチックフィルムの構成材料としては、具体的には、透明基材と同様の材料を用いることができる。
レトルト処理の観点から、耐熱性を高めるために、中間基材層は耐熱性に優れるものが好ましい。耐熱性に優れる中間基材層の具体例としては、レトルト容器用の金属調包装材における透明基材として例示したプラスチックフィルムが挙げられる。
中間基材の厚みは、1~50μm程度であることが好ましく、より好ましくは2~40μm、さらに好ましくは3~30μmである。
<<接着剤層>>
金属調包装材の各構成層は、各層間の接合強度の向上の観点から、接着剤層を介して積層されていてもよい。
接着剤層の各厚みは、0.01~20μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.05~15μm、さらに好ましくは0.1~10μmである。
接着剤層は、公知のドライラミネート用接着剤を用いた方法により形成することができる。ドライラミネート用接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂やメラミン樹脂等によるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤(例えば、ポリオールとイソシアネートとの硬化物)、反応型(メタ)アクリル酸系接着剤、クロロプレンゴムやニトリルゴム、スチレン-ブタジエンゴム等によるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケートや低融点ガラス等による無機系接着剤等が挙げられる。
[包装容器]
本発明の包装容器は、上述した本発明の金属調包装材で形成されてなるものである。
包装容器としては、例えば、パウチや蓋付容器が挙げられる他、カップやトレーが挙げられる。
蓋付容器の場合、容器本体を発明の金属調包装材で形成してもよいし、容器本体の収容部を封止するようにして容器本体に接合される蓋体を発明の金属調包装材で形成してもよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は、これにより限定されるものではない。
1.金属調包装材の作製
[実施例1]
透明基材(二軸延伸PETフィルム、厚み15μm)の内層側(裏面)の一部に、下記処方の絵柄層用インキをグラビア印刷で裏刷りし、厚み1.0μmの絵柄層を形成した。
次いで、透明基材の外層側(表面)の全面に、下記処方のマット層用インキ1をグラビア印刷し、厚み2.0μmのマット層を形成した。
次いで、厚み12μmのPETフィルムの一方の面にアルミ蒸着膜を備えた蒸着PETを準備し、該蒸着PETのアルミ蒸着膜を有する面とは反対側の面に、下記処方の内部散乱層用インキ1を塗布、乾燥し、厚み3.5μmの内部散乱層を形成した。
次いで、内部散乱層を形成した蒸着PETの内部散乱層側の面と、マット層及び絵柄層を形成した透明基材の絵柄層側の面とをドライラミネート用接着剤(ポリウレタン系接着剤)で貼り合わせた積層体を得た。
次いで、積層体のアルミ蒸着膜側の面と、シーラント層(厚み100μmのポリエチレンフィルム(大日本印刷株式会社製、商品名「DP-402」))とを、ドライラミネート用接着剤(ポリウレタン系接着剤)で貼り合わせ、実施例1の金属調包装材を得た。
得られた金属調包装材の外層側からの積層構成の概略は、マット層(厚み2.0μm)/透明基材(厚み15μm)/部分的な絵柄層(厚み1.0μm)/接着剤層(厚み3.0μm)/内部散乱層(厚み3.5μm)/プラスチックフィルム層(厚み12μmのPET)/金属反射層(厚み50nmのアルミ蒸着)/接着剤層(3.0μm)/シーラント層(100μm)である。
各層の構成材料の詳細及びインキの処方等を以下に示す。
<絵柄層用インキ>
・有機系赤色顔料:3質量部
・沈降防止剤(微粒子シリカ):2質量部
・バインダー樹脂(ポリウレタン系樹脂):20質量部
・溶剤1(ミネラルスピリット):7質量部
・溶剤2(プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル、イソプロパノールの混合溶剤):70質量部
<マット層用インキ1>
・未処理シリカ粒子(平均粒径3.0μm):11質量部
・バインダー樹脂(ポリオールとイソシアネートとの2液硬化型ポリウレタン樹脂):100質量部
・溶剤(酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル):適量
<マット層用インキ2>
・疎水化処理シリカ粒子(平均粒径3.0μm):6質量部
・疎水化処理シリカ粒子(平均粒径6.0μm):6質量部
・バインダー樹脂(ポリオールとイソシアネートとの2液硬化型ポリウレタン樹脂):100質量部
・溶剤(酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル):適量
<マット層用インキ3>
・疎水化処理シリカ粒子(平均粒径3.0μm):7質量部
・疎水化処理シリカ粒子(平均粒径6.0μm):5質量部
・バインダー樹脂(ポリオールとイソシアネートとの2液硬化型ポリウレタン樹脂):100質量部
・溶剤(酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル):適量
<マット層用インキ4>
・疎水化処理シリカ粒子(平均粒径3.0μm):5質量部
・疎水化処理シリカ粒子(平均粒径6.0μm):7質量部
・バインダー樹脂(ポリオールとイソシアネートとの2液硬化型ポリウレタン樹脂):100質量部
・溶剤(酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル):適量
<内部散乱層用インキ1>
・金属鱗片(アスペクト比10、平均厚み0.68μmのノンリーフィングタイプのアルミニウム鱗片)及びミネラルスピリットを含む組成物(金属鱗片の含有割合は85質量%):2.5質量部
・無機微粒子(シリカ、平均一次粒子径:20nm):2質量部
・バインダー樹脂(ポリウレタン系樹脂、融点140℃):20質量部
・溶剤1(プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル、イソプロパノールの混合溶剤):70質量部
・溶剤2(ミネラルスピリット):6質量部
<内部散乱層用インキ2>
・アクリル酸エステル系樹脂(屈折率n:1.49)及び溶剤を含む組成物(樹脂成分20質量%):500質量部
・アクリル-スチレン共重合体粒子(平均粒子径2.5μm、屈折率n:1.55):10質量部
・メチルエチルケトン:40質量部
[実施例2]
光散乱層用インキ1を光散乱層用インキ2に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の金属調包装材を得た。
[実施例3]
マット層用インキ1をマット層用インキ2に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の金属調包装材を得た。
[実施例4]
マット層用インキ1をマット層用インキ3に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の金属調包装材を得た。
[実施例5]
マット層用インキ1をマット層用インキ4に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の金属調包装材を得た。
[実施例6]
光散乱層用インキ1を光散乱層用インキ2に変更し、さらに、マット層用インキ1をマット層用インキ2に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例6の金属調包装材を得た。
[比較例1]
蒸着PETのPETフィルム側の面に内部散乱層を形成せず、蒸着PETのPETフィルム側の面と、マット層及び絵柄層を形成した透明基材の絵柄層側の面とをドライラミネート用接着剤(ポリウレタン系接着剤)で貼り合わせた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の金属調包装材を得た。
得られた金属調包装材の外層側からの積層構成の概略は、マット層(厚み2.0μm)/透明基材(厚み15μm)/部分的な絵柄層(厚み1.0μm)/接着剤層(厚み3.0μm)/プラスチックフィルム層(厚み12μmのPET)/金属反射層(厚み50nmのアルミ蒸着)/接着剤層(3.0μm)/シーラント層(100μm)である。
2.評価(耐擦過性)
実施例及び比較例で作製した各包装材のマット層の外層側(表面)を爪で軽く擦った際に、擦過の痕跡が目立つか否かを目視で評価した。各実施例及び比較例の爪で擦過した後の外観の状態を表1に示す。
Figure 0007437111000001
表1に示した結果から、実施例1~6の金属調包装材は、表面を擦過した場合でも擦過の痕跡が目立つことなく、意匠性の低下を抑制できることが確認できる。
10:金属調包装材
20:マット層
30:透明基材
40:内部散乱層
50:金属反射層
60:シーラント層
70:絵柄層

Claims (8)

  1. 外層側から、マット層;透明基材;内部散乱層;金属箔又は金属蒸着層からなる金属反射層;及びシーラント層をこの順に有してなり、
    前記内部散乱層が、硬化性樹脂及び内部散乱材を含む、金属調包装材。
  2. 前記内部散乱材が、有機粒子、無機粒子及び金属鱗片からなる群から選ばれる1種以上を含む、請求項1に記載の金属調包装材。
  3. 前記マット層中に、バインダー樹脂と、平均粒子径の異なる2種の粒子とを含む、請求項1または請求項2に記載の金属調包装材。
  4. 前記平均粒子径の異なる2種の粒子のうち、平均粒子径の大きい粒子が無機粒子である、請求項に記載の金属調包装材。
  5. 前記無機粒子がシリカである、請求項に記載の金属調包装材。
  6. さらに、絵柄層を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の金属調包装材。
  7. 前記金属反射層が、金属蒸着膜である、請求項1~のいずれか1項に記載の金属調包装材。
  8. 請求項1~のいずれか1項に記載の金属調包装材で形成されている包装容器。
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